【DA】リーンエスの耳

トーラ
『ノベルタイトル:極北探検のはじまり』狐野径
トーラはシルトラース帝国北部鎮守都市オルセンから、極北に向かっていた。
オルセンにいた征竜信者に教えてもらっていた道は途中まで。
その先は自力で道を探す。
道が険しく引き返したり、食料補給で人里に戻るなど繰り返しつつ。
北へ、北へと進むと、岩が折り重なるトンネルがあった。
小柄なトーラだから通れそうな入り口。
試しにそこに足を踏み入れた。
その先も同じような狭く小さな道。
慎重に、抜けた。
目の前には真っ白なのに透明さを感じる、冷たい大地が広がっていた。
空気の冷たさが増し、匂いが消えた。
(極北です。生きているモノが減るからでしょうか? 氷の匂い……?)
ようやく、自力でたどり着いた。
白く冷たい風が吹く。
(これはまだましな方ですよね)
鼻や口元を布で覆っておかないと、呼吸することで凍りそうだった。
(探検はここからです)
周囲を観察した。
(地理を覚えることは、ここで活動するには必須です)
遭難すれば死が待っている。
迷わないために地図を作ったところで見る余裕があるとは思えない。
この大地で地図は有効かどうか、もあろう。
(食料や必需品の補給に戻る必要がある限り、ここが重要です)
まず、わかっているルートは記憶する。
「行きましょう」
トーラは方向を定め、歩み出す。
方向、地理を頭に叩き込みつつ。
振り返ると、通って来たところは大きな山の部分にある岩の切れ目。
そこに至る道もイメージとして覚えていく。
注意を払い、じっくりと足を運ぶ。
歩みは遅いけれども、振り返るとスタート地点はそれなりに遠くなった。
風が強くなり、視界が悪くなってきた。
そのため休憩も兼ねてどこかに退避したい。
(何もないところですね)
視界が利けば、そういうところを歩いていた。
隠れられるところがなければ、地面を掘り作るか――と、考える。
一瞬、窪地が見えた。
身を潜め、吹き荒れる風を避けることはできそうだ。
(東に20歩くらい……)
方向と距離をつかみ、そこに向かう。
窪地に収まる。
温かいわけではないが、冷たい風にさらされないことはましだ。
マントの前をしっかり合わせ、体温を失わないようにする。
思考する余裕が生まれた。
(征竜は、どこに住んでいたのでしょうか)
探検の目的の一つは征竜がいたところを目指すこと。
(まだ、ここに来たばかりですから、もっと先ですよね)
どれだけの広さがあるか想像がつかない。
迷わないように注意して進むため、かなり時間はかかりそうだ。
それに加えて、食料や必需品の補給に人里に戻る必要もある。
(クリーパーを倒して、食べられそうなら食料にしますが、それですべてを賄えるわけではないですし)
毒には気を付けクリーパーを食べることで、食料の消費は抑えられるとしても。
(拠点を築きたいですね)
そうすれば、そこに多くの必需品を置き、探検ができる。
(できればハビタブルゾーンが見つかるといいんですが)
生物の生存に適した空間が所々ある。
遭難者がたまたま小さなハビタブルゾーンを見つけ助かったという事例も耳にする。
その大きさはまちまち。
大きなものとなれば、トーラも行ったことがある竜の里。
(探検の拠点にできればいいのですが……わたしが友好的に迎え入れられることはないでしょうから……むしろ、避けないとなりませんね)
竜の里は征竜信者の住まう土地。
征竜討伐に関わったトーラはどう考えても、征竜を妄信している人たちに受け入れられることはない。
(探検が進めば、定住できる場所も見つかるでしょうか)
ハビタブルゾーンを求めるのは探検の足掛かりというだけではないのだ。
この地に定住することを考えた探検でもある。
(焦ってはだめですから、落ち着いて進みましょう)
極北自体の地理もあいまいだし、詳細不明な部分も多かった。
時間が経ち、
(風がおさまりました)
と、窪地から出ようとした。
微かに「スススス」とでも表すような音が聞こえた。
(何の音でしょうか)
セルリアンエッジとシアンブレードをそれぞれの手に握る。
息を殺し、耳を澄ませる。
聞こえるのは凍てつく大地の上を何かが擦るような音。
人や動物が出すような音ではない。
それは近づいてくる。
――危険。
トーラはエーテルを駆け巡らせると、窪地から一気に飛び出す。
直後、トーラが隠れていた窪地に巨大な影が降ってきた。
それは、巨大な蛇の頭。
もう一つ蛇の頭があり、トーラを追う。
軽いステップを踏み、トーラは喰いつかれそうなところを回避した。
(わたしなんか丸呑みですね)
クリーパーの全貌がわからないが、相当大きいことは理解した。
蛇型で2体いるのか、1つの個体か。
クリーパーから目は離さず、距離をとる。
すぐに2つの蛇の頭はトーラを追う。
トーラを丸呑みにしようとする蛇の口が迫る。
回避しつつ、距離をさらにとる。
それにより、敵の姿がわかった。
(大きな蛇で、頭が2つあるんですね)
トーラが聞いた音は蛇の移動だ。
姿がわかったところで、攻撃に転じようとした。
(後ろに回り込むのも難しそうです)
頭が2つあることで、隙が少ない。
また、連携をとってくる傾向が感じられた。
さらに尻尾で攻撃を受けるかもしれない。
有効な手段を考えるためにも、攻撃も試みる。
頭が近づいた時、素早く2つの刃を振ってダメージを与える。
(鼻先を切られるとひるみはしますね)
頭一つずつ落としていくしかないだろうか。
正面から攻撃していると、もう一つの頭からの攻撃にもさらされる。
(上に乗って攻撃するというのも一つの手ですが)
振り落とされる危険性はあるが、一方の首や尻尾から攻撃を受けづらくはなる。
(試すことが難しい状況です)
直接登るにも近づけないし、高いところから飛び移るにしてもそこがない。
トーラは大地を蹴った。
(離脱した方が良いです)
吐く息は凍り、息を吸えば肺が凍る感覚。
温度耐性を有しているとはいえ、結構きつかった。
今は躊躇せず逃げるべきだ、と捉えた。
クリーパーがトーラを攻撃した――敵の動きには注意を払いつつ、離れた。
しばらくクリーパーの追撃を感じていたが、距離は稼げた。
別の物陰に隠れ、呼吸を整える。
クリーパーから逃げて遭難したら元も子もない。
幸いこれまで通って来た所とのつながりは記憶で来ていた。
(あのようなクリーパーが、オルセンに向かうルート上にいるのは困りますね)
あの辺にいつもいるのか、たまたま来たのかわからない。
(うまく立ち回れそうな地形があれば……倒した方がいいですが……)
攻撃は通っているので状況によっては勝てるだろう。
(頭が2つあることは強みで、弱い部分でもあるはずです)
胴は1つだから、方向転換などするにも、2つの頭の動きがそろっていないとならない。
頭による連携した攻撃だけでなく、胴体も一緒に動かないとならないのだ。
(連携を崩せば脆いはずです。あとは、攻撃に適した場所があれば……です。ここ、変な形してますよね)
平地ではなく、尖った氷がたくさんあるような場所だ。
尖っている氷と言っても、トーラは避けてその間を歩ける。その間にしゃがめば隠れられそうだ。
元々起伏や岩場があったり、そこに風が吹き氷雪が積もり、複雑な地形を生み出したのだろうか。
起伏によっては柱のようになり、それなりの高さがある。
(ここにおびき寄せれば……いえ、来てます)
追跡方法は分からないが、あのクリーパーが来るのが見える。
(視界が悪い時もあれは近づいていましたね)
放置すれば追いかけてくる危険性があるのだ。
(試してみましょう)
トーラはその高いところに登る。
「逃げも隠れもしませんよ」
と、対峙する、今後のためにも。
2つの頭がある蛇はトーラに向かってきた。
クリーパーにはここの起伏は通りづらいようだ。
鎌首もたげてトーラを威嚇し、噛みつこうとした。
トーラは跳躍すると、首を伸ばして攻撃してきたクリーパーの頭の1つに乗る。
すぐに切りつける。
もう1つの頭は、トーラを噛もうとするが、勢いはない。
クリーパーから滑り落ちないように回避した。
(首の付き方から動きづらいのもありますね)
トーラはクリーパーの首と首の間を素早く切りつけた。
比較的柔らかいと感じる。
クリーパーは激しくもがいた。
トーラはバランスをとり、堪えた後、再びクリーパーの首と首の間を【流水】を用いて切る。
クリーパーの動きが激しいため、落ちて踏みつけられる前に離れた。
クリーパーから怒りを感じる。
トーラはデコボコしたところを通り抜けた。
クリーパーはトーラを追ってくる。
尖っている氷の起伏の上を通って。
(あれでダメージを受けてくれればいいんですが……)
トーラは戦うか考えるため、クリーパーを見た。
クリーパーの動きは鈍っていた。
トーラは軽い身のこなしで近づくと、クリーパーの傷に攻撃を重ねた。
近づけば、クリーパーはトーラを喰らおうとするため、攻撃し、離れる――を、繰り返す。
それは完全に動きを止めた。
臨戦態勢を解いたトーラは「結構、疲れました」と息を吐く。
クリーパーは氷のトゲやその中にあった石などを薙ぎ払って通ったらしく、見通しが良くなっていた。
さらに、元の地形があらわになり、小さな洞窟があるのがわかった。
トーラは中を確認し、入る。
小さなテントくらい。
「少し、寒さが緩んでいるみたいです?」
吐く息は相変わらず白いし、外より楽という程度。
「ハビタブルゾーンかわかりませんが、拠点にはできそうです」
周囲に危険なもの等がなければ、ここを利用してしばらく探検ができそうだ。
「次にするのは、あのクリーパー解体してどけるのと、食べられるかですね……」
冒険者で培った知識と技能をフル活用して、一つずつ乗り越えていく。
オルセンにいた征竜信者に教えてもらっていた道は途中まで。
その先は自力で道を探す。
道が険しく引き返したり、食料補給で人里に戻るなど繰り返しつつ。
北へ、北へと進むと、岩が折り重なるトンネルがあった。
小柄なトーラだから通れそうな入り口。
試しにそこに足を踏み入れた。
その先も同じような狭く小さな道。
慎重に、抜けた。
目の前には真っ白なのに透明さを感じる、冷たい大地が広がっていた。
空気の冷たさが増し、匂いが消えた。
(極北です。生きているモノが減るからでしょうか? 氷の匂い……?)
ようやく、自力でたどり着いた。
白く冷たい風が吹く。
(これはまだましな方ですよね)
鼻や口元を布で覆っておかないと、呼吸することで凍りそうだった。
(探検はここからです)
周囲を観察した。
(地理を覚えることは、ここで活動するには必須です)
遭難すれば死が待っている。
迷わないために地図を作ったところで見る余裕があるとは思えない。
この大地で地図は有効かどうか、もあろう。
(食料や必需品の補給に戻る必要がある限り、ここが重要です)
まず、わかっているルートは記憶する。
「行きましょう」
トーラは方向を定め、歩み出す。
方向、地理を頭に叩き込みつつ。
振り返ると、通って来たところは大きな山の部分にある岩の切れ目。
そこに至る道もイメージとして覚えていく。
注意を払い、じっくりと足を運ぶ。
歩みは遅いけれども、振り返るとスタート地点はそれなりに遠くなった。
風が強くなり、視界が悪くなってきた。
そのため休憩も兼ねてどこかに退避したい。
(何もないところですね)
視界が利けば、そういうところを歩いていた。
隠れられるところがなければ、地面を掘り作るか――と、考える。
一瞬、窪地が見えた。
身を潜め、吹き荒れる風を避けることはできそうだ。
(東に20歩くらい……)
方向と距離をつかみ、そこに向かう。
窪地に収まる。
温かいわけではないが、冷たい風にさらされないことはましだ。
マントの前をしっかり合わせ、体温を失わないようにする。
思考する余裕が生まれた。
(征竜は、どこに住んでいたのでしょうか)
探検の目的の一つは征竜がいたところを目指すこと。
(まだ、ここに来たばかりですから、もっと先ですよね)
どれだけの広さがあるか想像がつかない。
迷わないように注意して進むため、かなり時間はかかりそうだ。
それに加えて、食料や必需品の補給に人里に戻る必要もある。
(クリーパーを倒して、食べられそうなら食料にしますが、それですべてを賄えるわけではないですし)
毒には気を付けクリーパーを食べることで、食料の消費は抑えられるとしても。
(拠点を築きたいですね)
そうすれば、そこに多くの必需品を置き、探検ができる。
(できればハビタブルゾーンが見つかるといいんですが)
生物の生存に適した空間が所々ある。
遭難者がたまたま小さなハビタブルゾーンを見つけ助かったという事例も耳にする。
その大きさはまちまち。
大きなものとなれば、トーラも行ったことがある竜の里。
(探検の拠点にできればいいのですが……わたしが友好的に迎え入れられることはないでしょうから……むしろ、避けないとなりませんね)
竜の里は征竜信者の住まう土地。
征竜討伐に関わったトーラはどう考えても、征竜を妄信している人たちに受け入れられることはない。
(探検が進めば、定住できる場所も見つかるでしょうか)
ハビタブルゾーンを求めるのは探検の足掛かりというだけではないのだ。
この地に定住することを考えた探検でもある。
(焦ってはだめですから、落ち着いて進みましょう)
極北自体の地理もあいまいだし、詳細不明な部分も多かった。
時間が経ち、
(風がおさまりました)
と、窪地から出ようとした。
微かに「スススス」とでも表すような音が聞こえた。
(何の音でしょうか)
セルリアンエッジとシアンブレードをそれぞれの手に握る。
息を殺し、耳を澄ませる。
聞こえるのは凍てつく大地の上を何かが擦るような音。
人や動物が出すような音ではない。
それは近づいてくる。
――危険。
トーラはエーテルを駆け巡らせると、窪地から一気に飛び出す。
直後、トーラが隠れていた窪地に巨大な影が降ってきた。
それは、巨大な蛇の頭。
もう一つ蛇の頭があり、トーラを追う。
軽いステップを踏み、トーラは喰いつかれそうなところを回避した。
(わたしなんか丸呑みですね)
クリーパーの全貌がわからないが、相当大きいことは理解した。
蛇型で2体いるのか、1つの個体か。
クリーパーから目は離さず、距離をとる。
すぐに2つの蛇の頭はトーラを追う。
トーラを丸呑みにしようとする蛇の口が迫る。
回避しつつ、距離をさらにとる。
それにより、敵の姿がわかった。
(大きな蛇で、頭が2つあるんですね)
トーラが聞いた音は蛇の移動だ。
姿がわかったところで、攻撃に転じようとした。
(後ろに回り込むのも難しそうです)
頭が2つあることで、隙が少ない。
また、連携をとってくる傾向が感じられた。
さらに尻尾で攻撃を受けるかもしれない。
有効な手段を考えるためにも、攻撃も試みる。
頭が近づいた時、素早く2つの刃を振ってダメージを与える。
(鼻先を切られるとひるみはしますね)
頭一つずつ落としていくしかないだろうか。
正面から攻撃していると、もう一つの頭からの攻撃にもさらされる。
(上に乗って攻撃するというのも一つの手ですが)
振り落とされる危険性はあるが、一方の首や尻尾から攻撃を受けづらくはなる。
(試すことが難しい状況です)
直接登るにも近づけないし、高いところから飛び移るにしてもそこがない。
トーラは大地を蹴った。
(離脱した方が良いです)
吐く息は凍り、息を吸えば肺が凍る感覚。
温度耐性を有しているとはいえ、結構きつかった。
今は躊躇せず逃げるべきだ、と捉えた。
クリーパーがトーラを攻撃した――敵の動きには注意を払いつつ、離れた。
しばらくクリーパーの追撃を感じていたが、距離は稼げた。
別の物陰に隠れ、呼吸を整える。
クリーパーから逃げて遭難したら元も子もない。
幸いこれまで通って来た所とのつながりは記憶で来ていた。
(あのようなクリーパーが、オルセンに向かうルート上にいるのは困りますね)
あの辺にいつもいるのか、たまたま来たのかわからない。
(うまく立ち回れそうな地形があれば……倒した方がいいですが……)
攻撃は通っているので状況によっては勝てるだろう。
(頭が2つあることは強みで、弱い部分でもあるはずです)
胴は1つだから、方向転換などするにも、2つの頭の動きがそろっていないとならない。
頭による連携した攻撃だけでなく、胴体も一緒に動かないとならないのだ。
(連携を崩せば脆いはずです。あとは、攻撃に適した場所があれば……です。ここ、変な形してますよね)
平地ではなく、尖った氷がたくさんあるような場所だ。
尖っている氷と言っても、トーラは避けてその間を歩ける。その間にしゃがめば隠れられそうだ。
元々起伏や岩場があったり、そこに風が吹き氷雪が積もり、複雑な地形を生み出したのだろうか。
起伏によっては柱のようになり、それなりの高さがある。
(ここにおびき寄せれば……いえ、来てます)
追跡方法は分からないが、あのクリーパーが来るのが見える。
(視界が悪い時もあれは近づいていましたね)
放置すれば追いかけてくる危険性があるのだ。
(試してみましょう)
トーラはその高いところに登る。
「逃げも隠れもしませんよ」
と、対峙する、今後のためにも。
2つの頭がある蛇はトーラに向かってきた。
クリーパーにはここの起伏は通りづらいようだ。
鎌首もたげてトーラを威嚇し、噛みつこうとした。
トーラは跳躍すると、首を伸ばして攻撃してきたクリーパーの頭の1つに乗る。
すぐに切りつける。
もう1つの頭は、トーラを噛もうとするが、勢いはない。
クリーパーから滑り落ちないように回避した。
(首の付き方から動きづらいのもありますね)
トーラはクリーパーの首と首の間を素早く切りつけた。
比較的柔らかいと感じる。
クリーパーは激しくもがいた。
トーラはバランスをとり、堪えた後、再びクリーパーの首と首の間を【流水】を用いて切る。
クリーパーの動きが激しいため、落ちて踏みつけられる前に離れた。
クリーパーから怒りを感じる。
トーラはデコボコしたところを通り抜けた。
クリーパーはトーラを追ってくる。
尖っている氷の起伏の上を通って。
(あれでダメージを受けてくれればいいんですが……)
トーラは戦うか考えるため、クリーパーを見た。
クリーパーの動きは鈍っていた。
トーラは軽い身のこなしで近づくと、クリーパーの傷に攻撃を重ねた。
近づけば、クリーパーはトーラを喰らおうとするため、攻撃し、離れる――を、繰り返す。
それは完全に動きを止めた。
臨戦態勢を解いたトーラは「結構、疲れました」と息を吐く。
クリーパーは氷のトゲやその中にあった石などを薙ぎ払って通ったらしく、見通しが良くなっていた。
さらに、元の地形があらわになり、小さな洞窟があるのがわかった。
トーラは中を確認し、入る。
小さなテントくらい。
「少し、寒さが緩んでいるみたいです?」
吐く息は相変わらず白いし、外より楽という程度。
「ハビタブルゾーンかわかりませんが、拠点にはできそうです」
周囲に危険なもの等がなければ、ここを利用してしばらく探検ができそうだ。
「次にするのは、あのクリーパー解体してどけるのと、食べられるかですね……」
冒険者で培った知識と技能をフル活用して、一つずつ乗り越えていく。
assignment【DA】史実ノベル 関連特設ページ
メアリー王女が冒険者達の協力を得て稼働させた「王家の耳」。メアリーは無作為に集まってくる情報を、余人に及びもつかぬ閃きを持って分析しながら、今日も世界の動きへ耳を傾けている。
集まった情報の中には、世界の情勢に影響はないかもしれないが興味深い個人の記録があるかもしれない。