【樹謂】見えない真実、護り手の声

トゥーリ
良かった……王都も聖剣も無事だったんだね! ゴルティエ元侯爵はどうなったの?
海神 江流
もちろん倒したさ。奥方の処刑は、少しだけ延期されたそうだけどな。
その様子じゃ、ウェザーランス子爵領の方も此方側の勝利か。
トゥーリ
もっちろんだよ! さすがに手強かったけどね。そういえば、ウィリアム王子は帰って来られたのかな?
海神 江流
ああ、王子も人質も無事らしい。ただ、メアリー王女は……。
トゥーリ
えっ!? なに、怪我しちゃったの!?
リーンエス王国を震撼させたニコラ・ゴルティエ元侯爵に関連する事件が幕を閉じました!
「【怨都】決戦:怨讐の都に闇と舞え」リプレイと特別褒賞・負傷者一覧が公開されました!
父王ジョージ四世への報告を終えたその足で、第二王子ウィリアム・リーンエスは妹姫の自室へと駆け込んだ。
「……ウィリアムお兄様。よかった……お戻りになったのですね」
「もちろんさ! でも、僕を出迎えた中にお前がいないと気付いた時は……肝が冷えたよ」
王城に押し寄せた吸血鬼達から聖剣を守り、重傷を負った王女メアリー・リーンエス。弱々しく寝台に横たわる彼女の手を、ウィリアムは両手でそっと包んだ。
「王女殿下の負傷は、私の責任です。中庭へ向かわれた殿下を、私がお止めできていれば……こんな事には!」
ウィリアムが駆け込んだきり、開け放したままの扉。その先の廊下では、桃髪の近衛騎士――ハスラム・レイノーラが膝をつき、深く頭を垂れていた。
「何をおっしゃるの、レイノーラ卿。……貴方は、わたくしの命に従っただけ。それに――」
身体も起こせぬ激痛の中でなんとか呼吸を整え、メアリーはハスラムへ視線を向ける。
「……桃色の髪の青年が――冒険者が、わたくしの身代わりに傷を負いましたわ。わたくしが生きているのも、神の祝福を失わずに済んだのも……彼や、冒険者の皆様のお陰です」
「桃色の……だと?」
わたくしに代わって御礼を、と微笑む王女。その青年が誰なのかを悟ったハスラムは、再び深く頭を下げてその場を辞した。
「……ニコラ・ゴルティエ元侯爵は、冒険者に討ち取られましたわ。聖剣もあの通り、無事です」
「ああ、父上や兄上 からも聞いたよ。奥方の処刑は後日改めて執り行うとも」
窓から中庭と、その中央に建つ小さな祠を見下ろして、ウィリアムは安堵の表情で頷いてみせる。
王都の民に被害は無く、街や王城そのものへの損害はごく軽微。避難を余儀なくされていた区域の住民達も、既に帰宅を許されたという。
「コートネイ伯爵領の方も、冒険者が怪物の討伐と人質の救出を同時進行で進めてくれてね。『メドゥの右腕』と名乗った男が僕を追わなかったのは不思議だけど、グリゼルダの助太刀もあって負傷者はわずかだ」
「……? グ、グリゼルダ?」
困惑を隠せぬ声で聞き返し、メアリーが思いっきり眉を寄せた。至極当然の反応だ。
「メドゥの右腕と色々あったみたいだね。冒険者にはもちろん勲章を用意するけど、彼女にも何か特別な贈り物ぐらいしても良いかもしれない。でも、送り先がわからなくてね」
「は、はあ……色々と、あったのですね……?」
兄が何を言っているのか良くわからないメアリーだったが、詳細は後日改めて聞くこととして数々の疑問を一旦飲み込んだ。
「……それから、バルヴィック候か。ああも堂々と兵を挙げられたのだから、早めの対処が必要だね。父上はまず近隣の領主へ、領境警備の強化を通達するようだ」
「ええ。……バルヴィックはこの戦で相当な兵力を失ったはずですが。恐らくゴルティエ元侯爵やメドゥの右腕と通じてはいたのでしょうけれど、それでも……」
「何を考えているのかわからず……不気味だね」
王都近郊ウェザーランス子爵領にて冒険者と王国騎士団を相手に奮戦し、壊滅したのは『迅雷騎士団』のうち第二騎士隊と第三騎士隊だった。
王国騎士団に加えて多数の冒険者が参戦した結果、敵将ラズロー・ヴェトールは戦死、グレイシャ・O・ベルグリーズは捕縛され、配下の騎士達も多くが戦死か逃亡。バルヴィック侯爵が彼らの遠征の陰で別の動きをみせるのではないかと危惧した冒険者達も居たが、ウェザーランス子爵領内や隣接するファルゲン侯爵領内において異変が起きることはなかった。
状況から見てバルヴィック侯爵の目的は、やはりニコラ・ゴルティエ元侯爵による王都襲撃の支援だったと結論付けられる。しかし、ひとたび王家に弓引けば、逆賊として討伐される立場だ。仮に今回、ゴルティエ元侯爵らが聖剣の強奪や王族の殺害に成功し、現在の王家が一人も残らぬような惨事に陥ったとすれば大貴族の合議制が敷かれる可能性はある。それを狙っての決起としても、正面切って謀反を起こしたバルヴィック侯爵家に先はない。
当主たるオーガスタス・D・バルヴィックにそれがわからぬはずもなく――ただ、不気味だった。
「正直、冒険者の助けがなければ、王都の戦力だけで三つの戦いに勝利することはできなかった。……王都の民や貴族達の間でも、動揺が広がっている。王家がゴルティエ元侯爵の悪事を炙り出したことすら、藪をつついて蛇を出したと揶揄する声もあるくらいだ」
そういう意味では、ニコラ・ゴルティエは王家への復讐を果たしたのかもしれない。
王都が吸血鬼と大貴族の騎士団による攻撃を同時に受けることなど――それも、一部の戦力が王都を離れている間にそのような事態に見舞われることなど、リーンエス王国の歴史を紐解いても前代未聞だろう。
間もなく聖霊節を迎えようとする王都の民は日常を取り戻しつつあるものの、危機にさらされた恐怖や不安は容易に消えない。
一方で、王都の冒険者ギルドには、リーンエス王国が国難を乗り越えるにあたり多大な活躍をみせた冒険者達への賛辞や謝辞が、一日も絶えることなく届いているという。
●
「全く、貴方がウィリアム を殺すなんて下らない事を言わなければ、私があんな怪物に殴られる必要はなかったのではなくて?」
「ごめんごめん、グリゼルダ。君の愛はニコラ君に負けないくらい本物だったんだねぇ……うんうん、よくわかったよ。大切な人を亡くした後に残されるのは辛いもんね。うん、凄くわかる。愛してるんだよね。ニコラ君も君も、頑張ったよ」
リーンエス王国の、とある廃村。
一体どこで用意したのか不明ながら、メドゥの右腕の奢り だというケーキと紅茶を包帯だらけの腕で口に運びつつ、グリゼルダはひたすら文句を言い続けていた。
「それにしても、貴方はなぜウィリアム の命を狙うのかしら? 左腕 がそれを阻止しようとする理由も、聞いたことがありませんけれど」
小一時間ほど責めて落ち着いたのか、グリゼルダはふと、根本的な疑問を口にする。ウィリアム の眼球は渡せないが、組織の中で上位にある者達の考えは聞いておくに越したことはない。
「ああ、僕の方はそんなに……ただ目障りだなって思ってたくらいだけど。左腕ちゃんがウィリアム王子に『価値がある』って言ってた理由は、今回彼に直接会ってみてよくわかったよ」
「価値? 貴方達、私のウィリアム をいやらしい目で見ているなら許さないわよ!」
「そういう意味じゃないって。ただ、彼は面白いんだ」
ランプの光を浴びて、鋭い犬歯が白く輝く。
「――ヒトの領域に、必死で踏み止まろうとしているからね」
執筆:桃谷かな
assignment【怨都】怨讐の都に闇と舞え 概要
「怨讐の都に闇と舞え」連動とは、悪事が露呈しリーンエス王国グランスパーダから逃走した悪徳法衣貴族二コラ・ゴルティエ元侯爵の行方を追う中で発生する一連の事件の記録である。ゴルティエ侯爵の潜伏先とみられるシルトラース帝国西部および不審な事件が多発している南部を調査し、同人物の捜索と情報収集を行う。
assignmentここまでの流れ
メアリー王女が冒険者達の協力を得て稼働させた「王家の耳」。無作為に集まってくる情報を分析したメアリーは、先日王都からの逃走を許した二コラ・ゴルティエ元侯爵が密かに国境を越え、帝国西部に潜伏していることを突き止めた。帝国西部といえば、皇帝ヨゼフ・バルダスと帝国過激派の本拠地があるとも言われている未奪還地域だ。さらにゴルティエ侯爵が帝国入りした頃を境に、ヴィントより西に点在する元難民たちの村々で行方不明事件や吸血鬼による襲撃事件が相次いで起きるようになり、ヴィント周辺では「メドゥの左腕」に似た女の目撃情報もあるという。メアリーとウィリアムはヴィントのレイウェスト・バルダスへ書状を送り、冒険者による現地調査を行う了承を得た。
(2022/11/16追記)
帝国過激派の本拠地はやはり帝国西部に存在するとみられ、ニコラ・ゴルティエ元侯爵が護送された際の痕跡らしきものも発見された。ニコラは吸血鬼となり、メドゥの指先や帝国過激派と組んでリーンエス王国の王城襲撃を計画しているという。帝国南部に現れていた吸血鬼らは二コラや他の吸血鬼の子孫にあたり、手勢として更なる子孫吸血鬼を増やすべく人々を攫っていた。二コラの狙いは愛妻の奪還のようだが、冒険者が接触した『メドゥの左腕』はウィリアムの命と『王家の聖剣』にも気を付けろと警告した。
リーンエス王家はクローディア・ゴルティエ元侯爵夫人の処刑日を大々的に宣伝し、ニコラ一派を王都で迎え討つ準備を始める。しかしその矢先、『メドゥの右腕』が王国内の街を襲撃し王妹キャサリンを人質にウィリアムを呼び出した。更に、王国南方の貴族派バルヴィック侯爵も呼応するように挙兵し、自領の騎士団を王都へと差し向ける。
assignment結果
王都、ウェザーランス子爵領、コートネイ伯爵領がそれぞれ戦場となった想定外の事態にもかかわらず、多数の冒険者達の助力を得た王家と王国騎士団は全ての戦場において勝利を収めた。いずれの戦場でも冒険者の活躍は目覚ましく、王家の聖剣は守られ、ニコラ・ゴルティエ元侯爵は愛妻の奪還かなわず討死。聖剣の守りについていたメアリー王女が重傷を負うも、冒険者の尽力により一命をとりとめた。王都近郊まで迫っていたバルヴィック侯爵家『迅雷騎士団』遠征軍は壊滅。また、メドゥの右腕の人質となっていた王妹キャサリンおよび住民は救出され、命を狙われていたウィリアム王子も無事に王都へ帰還を果たした。
person_pin関連NPC
ウィリアム・リーンエス王子の妹にあたるリーンエス王国第一王女。長い金髪と大きな青い目のお人形のような少女だが、宮廷のドロドロ人間関係の中で生きているだけあって気が強い。第一王女かつ唯一の王女、しかも遅くに生まれた末っ子ということで国王や王太子、ウィリアム王子の寵愛を一身に受ける影の女王。
《本連動での動き》
調査の指示と依頼など全般の指揮を執っている。「王家の耳」の最初の戦果として炙り出したゴルティエ侯爵の逃走を許したことで、責任を感じている。
(2022/11/16追記)
王都グランスパーダにて、ゴルティエ元侯爵一派迎撃の指揮を執る。
(2022/12/5追記)
王家の聖剣を守り、敵吸血鬼の攻撃を受けて重傷を負った。一命は取り留めたが、現在は療養を余儀なくされている。
リーンエス王国第二王子。放蕩者の授恵者としての顔で各国を飛び回りながら、諜報面での活動も行っており、優秀な部下を子飼いの配下としていたがメドゥの指先グリゼルダとの交戦でその多くを失った。
《本連動での動き》
昨年のグリゼルダに続き、ゴルティエ侯爵の逃走という手痛い敗北を喫してしまった。メアリーと協調し、調査の指示と依頼など全般の指揮を執っている。
(2022/11/16追記)
メドゥの右腕一派に奪われた街と王妹キャサリンの奪還のため、王都より北東のコートネイ伯爵領へ向かう。
(2022/12/5追記)
冒険者による人質の救出が完了した後、速やかに王都へ引き返した。
始まりの百家以来の格式を持つ王都の法衣貴族だった壮年の男性。商業面の長官を務めていた。優秀な人物だったが、裏の顔はメドゥの指先と通じる人身売買の元締めであった。1222年9月に王家が捕縛に動くも、メドゥの指先幹部ジルベルの手引きにより邸宅から姿をくらませた。かなりの愛妻家であったらしい。
《本連動での動き》
密かに国境を越え、シルトラース帝国西部に潜伏中とみられている。
(2022/11/16追記)
帝国西部で接触したメドゥの指先と帝国過激派の支援を得て、愛妻の奪還と王家への復讐のためグランスパーダおよび王城を襲撃する。既に人間ではなく吸血鬼と化している。
(2022/12/5追記)
王都グランスパーダ北端広場へ攻め入るも、冒険者により討ち取られた。
ニコラ・ゴルティエ元侯爵の妻。王都におけるファッションリーダーの1人として、夫の名の元に様々な夜会を取り仕切ってきた。仮面舞踏会にてパンクリアース学園生徒会役員の一人を誘拐するも、悪趣味な狩猟遊びに興じていた処を踏み込まれ、捕縛された。
《本連動での動き》
処刑が決定し、王城の地下牢に幽閉されている。
(2022/11/16追記)
夫であるニコラ・ゴルティエ元侯爵を誘き寄せるため、処刑日が大々的に発表された。
(2022/12/5追記)
ニコラの死後、再び王城の地下牢に戻された。王都の戦後処理が終わり次第、処刑となる。
メドゥの指先幹部『右腕』。通称『メドゥの右腕』。黒い貴族風デザインの衣装を好む、中肉中背、黒髪の青年の外見をもつ吸血鬼。非常に長く生きている強力な吸血鬼らしく、子孫にあたる吸血鬼の数も多い。混沌魔術の使い手でもあるようだ。
《本連動での動き》
コートネイ伯爵領の街ひとつを壊滅させ、王妹キャサリンを人質にウィリアムを呼び出した。目的はウィリアムの殺害。
(2022/12/5追記)
撤退するウィリアム王子を追うこともなく、混沌の怪物が撃破された後にグリゼルダを連れて帰っていった。
メドゥの指先の幹部『青の親指』にして、卓越した技量を持つ死霊術師。特に死魂を利用した戦闘力強化術と、魔獣やクリーパーの死体を利用した改造ゾンビである『キメラゾンビ』の作成を得意としている。ヒステリックで気まぐれなパワハラ体質。ウィリアムを死別した恋人アランの生まれ変わりだと信じ、アランを死霊術で蘇らせる為にウィリアムの眼球を欲している。
《本連動での動き》
メドゥの右腕の目的がウィリアムの殺害と知り、眼球の取り扱いを巡って対立。冒険者や王国騎士団との一時的な共闘を決め、メドゥの右腕と戦う。
(2022/12/5追記)
ウィリアム王子の撤退に気付かず混沌の怪物と死闘を繰り広げ、満身創痍でメドゥの右腕に回収されていった。
リーンエス王国国王の勅命を受けて動く王国近衛騎士であり、男爵。現国王ジョージ四世の懐刀的存在と言われる事もある。豪胆、傲岸不遜、傍若無人が服を着て歩いていると言われる王国の問題児だが、それに見合う実力を有している。
《本連動での動き》
王国騎士団近衛隊を指揮する隊長の一人として、グランスパーダの王城にて国王夫妻および王太子ら王族の護衛を任されている。
(2022/12/5追記)
ニコラ一派の王都襲撃から王族を守り、現在は国王の警護の任に戻っている。
貴族派の大貴族バルヴィック侯爵家の現当主。『迅雷候』とも称され、リーンエス王国南方に領地をもつ。現在は老齢により一線を退いているものの、内政の功多き名領主として王家からも一定の信頼を得ていた。しかし、帝国崩壊以降は同家に不穏な動きが見え隠れし、パンクリアース学園校長ジルワード・ファルゲン侯爵からの調査報告もあり王家からは警戒対象とされている。
《本連動での動き》
ゴルティエ元侯爵の襲撃に呼応するように、自領から王都へ『迅雷騎士団』を進軍させた。
バルヴィック侯爵家所属『迅雷騎士団』第二騎士隊の隊長を務める中年男性。王国騎士位を有するウォーリア。やる気の無さそうな雰囲気を漂わせるが、戦闘能力の高さは折り紙付き。
《本連動での動き》
バルヴィック侯爵の命により、『迅雷騎士団』を率いて王国騎士団と冒険者を相手取る。
(2022/12/5追記)
ウェザーランス子爵領の戦いにおいて、冒険者により討ち取られた。
バルヴィック侯爵家所属『迅雷騎士団』第三騎士隊の隊長を務めるエルフの女性。エルフの中でも『長老級』の古エルフであり、魔術知識に長けたキャスター。同一の攻撃魔法を二連続で発動させる未知系統の魔法を操る。
《本連動での動き》
バルヴィック侯爵の命により、『迅雷騎士団』を率いて王国騎士団と冒険者を相手取る。第三騎士隊だけでなく、遠征軍の総指揮も担っていると考えられる。
(2022/12/5追記)
ウェザーランス子爵領の戦いにおいて、冒険者の攻撃を受けて捕縛された。厳重な警備のもと、王城の地下牢に幽閉されている。
国王ジョージ四世の実妹であるが、学園在学中に帝国高官の子息を自身の近衛騎士が殺害した事から表向き廃嫡された。現在は真相が明るみに出、名誉を回復している。先代『王家の耳』を束ねており、引き続きメアリーの新生『王家の耳』に協力していた。
《本連動での動き》
メドゥの右腕の子吸血鬼に誘拐され、ウィリアムを誘き出すための人質として利用されている。
(2022/12/5追記)
冒険者により救出され、王城に一時身を置いている。
menu_book関連用語・情報
新生「王家の耳」
メドゥの指先グリゼルダにより実行部隊の多くを失った王家の密偵が再建されるまでの間、王女メアリーの提案によって動き出した新たな諜報機関。通称「リーンエスの耳」。冒険者に依頼し無作為に集められた各国の噂話などを、分析整理する事で真実を拾い上げる。この分析整理はメアリー王女個人の才覚に頼る面が大きい。
帝国南部鎮守都市「ヴィント」
帝国滅亡に際してクリーパーに蹂躙された都市。1221年初夏の奪還作戦において【天霧りに消ゆる幽界樹】の分樹の打倒に成功し、解放された。現在は廃墟の整理も進み、避難していた帝国民も少しずつ戻り、周辺地域も含めて復興の途にある。太守はバルディオン。
帝国西部
帝国の他の地域と同様、帝国崩壊時に壊滅的な被害を受けている。未だ多数のクリーパーが跋扈する魔境であり、西部鎮守都市ヨラヒムを含め都市や街はすべて滅んだとみられているが、偵察は進んでいない。この地域には、帝国皇帝ヨゼフ・バルダスと帝国過激派の本拠地があるとも言われている。
帝国過激派
シルトラース帝国が崩壊する以前から存在していた派閥。当時は「実力派」と呼ばれていた。帝国こそがロスガリアの統治者として相応しく、王国も都市同盟も、その他の小国も全てを滅ぼすか吸収し永久に支配すべし、その為には手段など選んではおれぬ、という思想。帝国崩壊後はヨゼフを匿い、様々な事件の裏で暗躍するメドゥの指先とも蜜月の関係にあるらしい。シグモル火山帯の【魂禍】連動、フィルエス大森林の【樹謂】連動では、それぞれ幹部が大事件を起こし討伐されている。
王都グランスパーダ(2022/11/16追加)
王都グランスパーダはリーンエス王国建国以来の首都であるが、王国の発展と共に拡大を続けた結果、歪さを孕む都市でもある。華やかな貴族、裕福な王国民、地方から出て来た貧しい民が区画を隔てて共に住まう都市だ。城壁と堀に守られた市街地と、その外に或るスラム街で構成される。市街地には貴族街や市民の居住区、パンクリアース学園など様々な区画と施設が存在し、中心部には堅固な城壁に囲まれた王城がある。
王都グランスパーダの出入り(2022/11/16追加)
王都内外を隔てる城壁は作りも防衛体制も、帝国の帝都や鎮守都市ほど堅固な物ではない。一般人では難しいだろうが、授恵者ならば隙を見て乗り越えることは可能だろう。門は大きなものが8方向にあり、方角が名前となっている他、地域住民や利用者達が独自の愛称をつけている場合もあるようだ。 グランスパーダは王国を南北に流れるシエナ河に水源を委ねているが、防衛上の理由から、シエナ河は直接王都に流れ込む事は無く、水門を設けて取水する形となっている。王都への荷を水門外で小型船へ積み替える役夫はスラムの住人の大きな働き口となっている。
ウェザーランス子爵領(2022/11/16追加)
王党派貴族であるキルハイム・ウェザーランス子爵が治める小領地。王都グランスパーダ近郊に位置し、独自の騎士団などの防衛戦力は有していない。バルヴィック侯爵家の『迅雷騎士団』が領内に侵入し、王都方面へ進軍中。
コートネイ伯爵領(2022/11/16追加)
貴族派貴族であるイーサン・コートネイ伯爵が治める小領地。王都からみて北東に位置する。領都でもある街『ケイレブ』がメドゥの右腕と帝国過激派の襲撃を受けて陥落。伯爵家の騎士団は壊滅状態となっている。
王家の聖剣(2022/11/16追加)
リーンエス王家の象徴であり、国の紋章にもなっている三本の聖剣。一本は建国の際に失われ、二本が現存している。うち一本はウィリアムなど王族が儀礼時や戦に赴く際に帯剣するとされているが、メドゥの右腕の『呼び出し』を受けたウィリアムは王太子エドワードにこれを託し、コートネイ伯爵領へは持ち込んでいない。最後の一本は王宮の一角に大切に安置されていると言われていたが、実は王宮の中庭に建てられた小さな祠の中にあり、大地に突き刺さった状態であるとメアリーにより冒険者へ明かされた。誰一人として抜くことができた者はいないと言うが、抜ければ“災厄”が王国を襲うと伝えられているそうだ。