【鬼哭】かくて小鬼は神理に挑む

ドン・ゴーフル

リーンエス王国の何とかってェ連中が、シルトラース帝国の同胞達の動揺を掴んだらしいぜ。騒ぎになンねぇうちに収めたかったんだがなァ。

サチコ

問題ありません、ドン。すぐに収拾して参ります。

ドン・ゴーフル

いや、あそこじゃ『ゴールディ流の解決』は駄目だろうよ。あくまでお行儀よく、冒険者達にも依頼してクリーンかつオープンによォ……ごほっ。

サチコ

ドン!? ……分かりました。仰せのままにいたしますので、ご自愛を。

ドン・ゴーフル

大した事ァねぇ。……俺が行けば、あいつらがふらついてるのなんざ一発で収まるんだがなァ。ま、あと少しでいい。時間を作ってくれねェか。

『【DA】リーンエスの耳、募集中』の進展により、シルトラース帝国南部に不穏な兆候が見つかったようです。
(11月10日より 【鬼哭】かくて小鬼は神理に挑む 連動シナリオリリース開始!)

assignment【鬼哭】かくて小鬼は神理に挑む 概要

「かくて小鬼は神理に挑む」は帝国のゴブリンがドン・ゴーフルの支配から物理的にも精神的にも離反しつつある現状から、やがてゴブリン全体の命運に関わっていく連動となります。ロスガリア大陸の人類種族の中では最も新しく不安定なゴブリンがどのような未来を掴むのか、この連動の行く先で示される事でしょう。

assignmentここまでの流れ

メアリー王女が冒険者達の協力を得て稼働させた「王家の耳」。無作為に集まってくる情報に耳を傾けたメアリーは、シルトラース帝国南部にてゴールディから移住したゴブリンに関わる騒動が多発している事に気が付く。ドン・ゴーフルやレイウェスト・バルダスも勿論その事態は把握しており、頭を抱えていた。

person_pin関連NPC

ゴールディのマフィア最大の「ブラックデス」首領であり、実質的なゴールディの首長。大脱出を指揮した本人であり、ゴブリンロードとしてもかなりの長命。メドゥの指先に狙われているという噂も。

《本連動での動き》

帝国に移住したゴブリン達の『動揺』を知り、頭を抱えているようだ。

ドン・ゴーフルが擁するマフィア「ブラックデス」の幹部にして実働部隊。ドン・ゴーフルの実子でもある。あくまでも現場思考のため、戦略的な思考は不得手。攻撃魔法としての「消えない炎」を操る授恵者。

《本連動での動き》

ドン・ゴーフルの身体を案じつつ、厄介な動きを見せる同胞たちに苛立ちの念を感じている。

亡国となった帝国の皇族の、唯一と思われていた生き残り。皇位継承順位こそ八位と低いが、皇帝ヨゼフとその子女である第三皇女イダとの間に生まれた生粋の皇族と言われている。帝都から脱出して以降、各国の支援や冒険者達の助力を受けて帝国南部を奪還し、その後も帝国民の安住の地を確保しようと努めている。

《本連動での動き》

ゴブリンに起きた異変に不自然さを感じており、できるならば不殺で対応したいと考えている。

menu_book関連用語・情報

帝国復興とゴブリンの移住

レイウェストらの支配地域であるヴィント付近には、幾つかの移住ゴブリン達の村がある。種族的な問題に配慮し、ゴブリンのみで構成されている村が多いが、人とゴブリンの混在する村もある。住民はブラックデスの構成員か関係者であり、ドン・ゴーフルの指示のもと帝国民とは決して諍いにならぬよう、慎ましく生きていた、はずであった。

過去の経緯

1221年初頭、帝国南部鎮守都市ヴィントを奪還したレイウェストらが直面したのは、今後も帝国の領域を奪還していくには、各国へ避難した難民達の帰還も織り込んだとしてもなお、帝国民の生き残りがあまりに少ないという現実だった。一方、ロスガリア内で、実際にはゴールディ一か所でしか人間扱いされないゴブリンの現状に思う所のあったドン・ゴーフルはレイウェストへゴブリン達の復興援助と引き換えに労働力としての移住の権利を要請する。帝国の生き残り以外に今の帝国へ移り住みたい者などそう多くはいない現状、ゴーフルの申し出はありがたいものであった。

暴走するゴブリン達

帝国領土へ移住したゴブリンの一部が先祖がえりを起こしたように狂暴化し、人類への攻撃衝動や仲間内での闘争に向かっている。一時的に思考を失いゴブゴブ言って暴れる(そして後で元に戻って反省する)暴走もあれば、理性を残したまま反抗的になるケースもあるようだ。

グリーンナイフ

帝国南部にて、暴走したゴブリン達の一部が結成しようとしている新興マフィアの名称。かつてブラックデスに反抗し、ドン・ゴーフルに恭順していた元レッドブーツ、ホワイトライフの幹部なども含まれており、短い間に名前だけが随分広まっているようだ。

 帝国が滅んだ年の冬、皇子レイウェストらの一派は苦境の中にあった。その際に各国が『国際会議』を開き、復興への助けの手を差し伸べたのは良く知られている。リーンエス王国やドワーフ王国、ディズル大湿地帯は南部奪還の為の軍事力を、同盟は生きていく為の物資を、そしてゴールディは復興の為の人数を。その他の地域や種族も、それぞれが為しうる援助を行った。あれから二度の冬が過ぎ、三度目の冬が目前に迫っている。

「……ゴブリン達が暴れた原因は不明、なのだな」
「は。軍で捕縛した中には、暴れていた際の記憶が抜け落ちている者すらいるようです」

 新たな帝国臣民たるゴブリン達の暴徒化の知らせを受け、レイウェストは沈んだ表情を浮かべていた。裁可を待つバルディオンも同様だ。
 彼ら二人にゴブリンへの偏見は無いが、しかし大陸全土を見ればいまだ亜人の一部と忌避する声もある。ここで対応を誤れば、今まで築かれたゴブリン達との信頼に罅が入りかねない。何より、過酷な帝国の環境に文句も言わず、廃村や荒れた土地に向き合うゴブリン達は生き残った帝国の民にとって良き隣人であった。――これまでのところは。

「個人的には、彼らに多大な恩を感じている。なるべく穏便に対応をするように願いたい。騒ぎで死傷者などが出ていればその限りではない、が」
「御心のままに。ですが、軍の通常部隊では余裕を持った対処は困難かもしれません」

 言外に、バルディオンが冒険者ギルドへの依頼を勧めると、レイウェストはうなずきを返した。ゴブリンの中には授恵者もおり、手加減をするにも充分な実力が必要だ。

「また彼らに頼らねばならないか。……しかし、帝国に移民する際に、『ゴールディの流儀でなく文明的にお行儀よく』と口にしていたドン・ゴーフルの意を、私もなるべくなら汲みたいのだ」

 二人が言葉を交わす間にも、ゴブリン達の起こした騒ぎの報告がまた増えていく。帝国復興の三度目の冬も、困難は続くようだ。しかし、起きているのは困難ばかりではない。

「クライス・アクバー、元は近衛で魔導院の元支部長か。優秀な人物のようだ。父の下へ向かわなかったのは嬉しい誤算だな」
「エスタルの滅亡を目の当たりにしたとの事ですから、思う所もあったのでしょう」
「彼の部下はクーネ殿と共に『豊穣の雫』の開発を行ったと聞く。リカルダも復興を進めてくれているようだな。エスタルの奪還で得られた物は大きかったようだ」

 東部鎮守都市エスタルの『草人』との奇妙な共生が破綻してからもうすぐ半年になる。クライスや元住人達は世界に取り残されていた二年間を埋める様に精力的に活動していた。レイウェストが解放した地域も、帝国の南部から東部に繋がる一帯に広がっている。

「クライスはエーテル石の研究を進めてくれている、のだったな」
「はい。厄介な黒い霧を短時間とはいえ無効化する紋具を幾つか作成、提供されています。それを用い、ガークハーグの幽界樹の排除に成功したとも」

 幽界樹の放つ黒い霧は、一般人であれば行動不能とし、授恵者であったとしても能力低下や混乱を引き起こす代物だった。ヴィント奪還の際はレイウェストが宝剣を用いて浄化したものの、根本的な対策とは言い難い。帝都の霧の濃度は高く、それをどうにかする手段を見つけることが奪還作戦の前提条件だった。

「ダンジョンが穴を塞いでいるヴィントはともかく、他の都市で跡地に新たな幽界樹が生えないという保証もありません。もしもの際の対策が出来たという事は市民にとっても朗報でしょう」

 確保した土地の安全を保障できなければ、人は集まらない。その意味では、レイウェストの帝国はまだまだ危ういのだ。各国の援助、長年続いた亜人との抗争のひとまずの手打ちとエーテル石の恩恵。それらがあってなお、盤石ではない。

「ようやく足元が整い、帝都奪還も視野に入ろうという矢先のゴブリン達の混乱……。何者かの悪意が介在していないとも限らない。重ねて願うが、どうか慎重に対処してほしい」
「は。冒険者達に危険の及ばぬ範囲で、捕虜の扱いに配慮を願う事としましょう」


 執筆:紀藤トキ
アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0