黒い雪豹と白い鴉
●死線上の二重奏 ――――閉鎖空間に轟音が鳴り響く。 駆けている両名共に余裕など有る訳がない。授恵者が幾ら常人より頑丈だとは言え。 「ちょっとちょっと状況分かってる!?」 「言われ無くとも分かっている! 俺は右、お前は左だ――――恨み言は生…
制作弓月 蒼
キャラクターノベル(グループ)
2021年03月25日 17時56分14秒
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●死線上の二重奏 ――――閉鎖空間に轟音が鳴り響く。 駆けている両名共に余裕など有る訳がない。授恵者が幾ら常人より頑丈だとは言え。 「ちょっとちょっと状況分かってる!?」 「言われ無くとも分かっている! 俺は右、お前は左だ――――恨み言は生…
制作弓月 蒼
キャラクターノベル(グループ)
2021年03月25日 17時56分14秒
ガレシアス=エルムートは|魔法使い《キャスター》であり、錬金術師である。 大陸において、学問の区分というのはとかく曖昧だ。 特化した学術研究機関――例えば王国の『魔法使いの塔』の様な――でもない限りは。 専門や専攻といった物はあまり問われず…
制作弓月 蒼
キャラクターノベル
2021年03月24日 19時11分32秒
碧空に輝く太陽が、白く柔らかい光を地上へと降り注いでいる。 平原の大地は緑の絨毯に覆われて、所々に色鮮やかな花達が顔を覗かせていた。その色は黄、桃、青、紫、様々だ。春の花達。 風に揺れる草花の大海を、真っ二つに割る土色の道を、一頭の馬がカポ…
制作望月誠司
キャラクターノベル
2021年03月22日 20時29分33秒
冒険者街の外れに一軒の鍛冶屋がある。 それが鍛冶屋である事を示すものは戸口に置かれた看板のみ、しかも大抵はその上に「closed」の札がかけられている。 ただ戸口は常に開け放してある為、店内を覗き込む事は出来る。まあ見たところで空っぽのカウ…
サイラス
制作STANZA
キャラクターノベル
2021年03月22日 20時15分10秒
星が落ちていると思った。よく見れば、綺麗な服を着た若い|ヒト《ヒューマン》の女だと分かったけれど。鉱石飾りなど目にする機会が無かったから目を奪われたのだろうか。 「……死んでるのか?」 「いえ、胸が動いています。ほら」 「いやらしい奴だな」…
制作紀藤トキ
キャラクターノベル
2021年03月20日 21時10分42秒
● 良く晴れた空の元、無数のテントが軒を連ねる。その合間を人々が行き交い、威勢のいい呼び込みの声であちらこちらで自慢の商品を紹介している。 とある町の広場に立つ市場は、それなりに大きく、今日も盛況なようだ。 日向で立ち止まれば汗ばみそうな程…
制作太郎丸コトノハ
キャラクターノベル
2021年03月19日 18時21分25秒
時は悠久の彼方。現と夢が交わる世界で起こった、出会いの物語。 「お前が噂の妖か?」 「噂……?」 大通りに佇む少女に向け、一人の男が剣鞘を肩に担ぎ問いかけた。 「街に出没する妖がいるって報告があってな。悪さをする前に捕まえに来た。さぁ、その…
制作真柄 葉
キャラクターノベル(グループ)
2021年03月15日 19時54分32秒
その日、エルゼリオ・レイノーラは兄の執務室に居た。 「待たせたな」 かけられた声に振り返ってみれば、兄シグルド・レイノーラが書類を抱えて戻ってきた。 エルゼリオは書類を運ぶのを手伝おうと兄の元に駆け寄る。 「すまないな。遅くまで手伝ってもら…
制作真柄 葉
キャラクターノベル
2021年03月15日 11時06分12秒
●かつて鴉は白かった そこは大森林と湿地帯の境界線にある小高い丘の上。 始まりの記憶は――――そんな辺鄙な場所に生えた古い大樹の根の間。 何でそんな所に座り込んでいたのか分からない。布一枚纏い、煤と泥塗れ。 空から降ってきた水滴に顔を打たれ…
クロハ=ヴェローナ
制作弓月 蒼
キャラクターノベル
2021年03月12日 20時06分30秒
「キスしないと出られない、ですか」 セロンガード・シュタインドルフの優しい声色に、固まったティトの肩がビクリと揺れた。「なんで、知って」と小さくつぶやく彼女の頬にそっと触れる。 始め——ティトが抜刀したときは本当に何事かと思った。かつて帝国…
制作夜団子
キャラクターノベル(グループ)
2021年03月11日 18時42分56秒
———噂は耳にしていた。とある厄介なダンジョントラップのことを。だが、まさかそれに自分たちがかかるなんて。妄想はしても予想はできなかった。 (ぼく、こういう部屋のこと知ってる……!) 真っ白な殺風景な部屋、開かない唯一の扉に、意味深に置かれ…
制作夜団子
キャラクターノベル(グループ)
2021年03月10日 20時06分07秒
● 「団長、冒険者ギルドからオレ達に名指しの依頼が来てるぜ」 始まりは、ティラミス・ノーレッジが一枚の手配書を持ってきたことだった。 「あん? 名指し?」 ハヤト=ガラン=ヴォルファングは肉をかじりながら、ティラミスに聞き返した。テーブルの…
制作おおくまねこ
キャラクターノベル(グループ)
2021年03月09日 20時15分52秒
「一旦、このフロアを封鎖しよう」 セヴラン・クアルトが仲間を見渡しそう言った。 遺跡の罠にかかってしまったアンネエルカを救出した一行は、今だ同じフロアに留まり続けていた。 上層階へと誘いだしたゴブリンが戻ってくるかもしれない。セヴランはアン…
制作真柄 葉
キャラクターノベル(グループ)
2021年03月07日 19時18分54秒
麗らかな日差しが南の王国の学舎を照らしている。 試験を果たした学徒達が学びの|園《その》より巣立ち、初々しい新入生達が名門と名高き歴史深い門を潜って来る。 そして在校生達は一つ級を進めた。 初春。 セロンガード・シュタインドルフら三名が北の…
制作望月誠司
キャラクターノベル
2021年03月06日 21時47分49秒
● ある晴れた日のこと。 「ねえ、クローリカ。一緒に服を買いに行かない?」 クローリカの部屋を訪ねたルアンナ・ミュラーは微笑みながらそう提案してきた。 パン屋であるルアンナの朝は早い。早朝の出来事だったが、クローリカはお嬢様《ルアンナ》の声…
制作おおくまねこ
キャラクターノベル(グループ)
2021年03月06日 21時36分19秒
●洞穴の底 ――――してやられた、と言う他はない。 油断していた心算はなかった。浮ついた気持ちで仕事に挑んだりはしない。 けれど想定を外していたことは、認めざるを得ないだろう。事実こうして嵌められている。 ここはゴブリンの巣。それも、総数3…
制作弓月 蒼
キャラクターノベル
2021年03月05日 21時31分03秒
「はは、|当《あ》たらねぇなぁ。そんな|攻撃《こうげき》じゃ、いつまでたってもあたしを|捕《つか》まえる|事《こと》なんてできやしないぜ?」 気を抜けば一撃で切り伏せられる。そんな焦りを微塵も顔に出さず、信条の身軽さをもっての回避集中。全て…
制作真柄 葉
ボイス台本
2021年03月04日 20時17分18秒
道は進むにしたがって人工的な明かりが増してくる。この先に外ではない何かがある。 レイノーラ一党は慎重に道を進み、そして、ついに《《そこ》》へと辿り着いた。 「ほう、裏口だったか」 道の出口から外を見つめ、ハスラム・レイノーラが呟く。 そこは…
制作真柄 葉
キャラクターノベル
2021年03月04日 15時28分35秒
ハリーヌ・ヨツユビは紳士が嫌いになった。最初は、ハクビシン族の元から救ってくれたことに感謝もしたのだが。 (クソがッ。誰も信じちゃいけねぇってのに、甘ェよなあ) 頭の中であのハクビシンが笑っている。そうではない、|これ《ハクビシン》はもう一…
制作紀藤トキ
キャラクターノベル
2021年03月04日 14時17分57秒