【DA】シルトラースの明るい再興計画

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シナリオID:1818

オープニング

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 シルトラース帝国の国父であるイェーラウ・バルダスの勇武は、ひと時代を征するには不足していた。イェーラウは志高く、仁義を知り、個人の武を有してこそいたが、政才や軍才はよくて凡夫の域である――とは、彼自身が折に触れて語っていたことでもある。

 故にこそ彼は結束に重きを置いた。

 例えば、征竜の脅威に対しての全人類的結束を説いた。
 例えば、万兵を前に退くこと無く、前線に立ち続ける王将であった。
 例えば、冬支度においては誰よりも働き、戦働きで生活に苦する者もののために走り回り、彼らの面倒を見た。

 結束と互助。
 そのための軍も政(まつりごと)も、人々の助けを得ながらの道程であった。

 征竜によって打撃を受けていた草原においては、貧しさの中でも互助を掲げ、最前で前進を重ねる姿は光となった。
 王器という意味では比類するもののない『首刈帝』クジンリーネ・バルダスですら、イェーラウのこの気質を大いに参考にし、彼女自身の哲学に組み込んだ。
 「信頼こそが兵を留まらせる」、「強兵こそが国を作る」という大指針は、イェーラウを由とするものである。彼女はそれを元に、能力主義を掲げて制作を推し進めてきたのだ。

 さて。ここで、一人の皇族に目を向けよう。
 レイウェスト・バルダス。限りなく亡国の縁に立つ『黒曜子』は今、ヴィントを居とし、日々政務に明け暮れていた。

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「なんとか間に合ったか」
「ええ。燃料、ゲルの支度ともに。迷宮からの食料収集も順調です。兵も民も飢えることなく冬を越せましょう」
 レイウェストの言に、重々しい頷きが返る。猪のハーフビースト、バルディオン将軍である。
「この調子ならば、ヴィントにさらに難民を受け容れることは難(かた)くは無いな」
「……そうですな」
 もともとは要衝の武官であったバルディオンは頷きつつも、その表情には苦渋が滲んでいた。
 ヴィントを中心に、小都市の開放は進んでいる。オルセンのような大都市で踏みとどまっていた都市は殆ど存在しないが、遊牧を生業としていた者たちや、個別に逃げ延びていた人々の合流も期待できる状況となっている。
 帝国の面々としてはこれを機に一息に版図の拡充を図りたいところであるが、大きな問題が横たわっていた。

 それらの都市を十全に治め、発展させるための代官が、不足しているのである。レイウェストの言葉は、裏を返せば内政の目が辛うじて行き届く「ヴィントでしか受け容れられない」ということの裏返しでもあった。
 もちろん、レイウェストもそれは承知しているが、これまでが酷すぎたのだ。レイウェストは極めて前向きであった。
「漸く、足元が固まった。この冬こそ我らの飛躍の礎としたい」
「そう、ですな」
 眼前に山積する問題への対応を優先せねばならなかった帝国にとって、少しばかり遠くを見渡すことが出来る、限られた機会(インターバル)という意味で、進軍することもできない冬は好機でもある。

 帝国が抱える課題は数多に及ぶ。
 最善の結果を得られたとして超長期的に国をどのように維持するか――は、その最たるものである。そのための布石は、打てるだけ打っておきたい。

 崩壊から一年を超えた今、帝国の未来に幾ばくの光が見えんとしていた。

●
「そこで考えてみたのだが」
「はい」
 ほぼ不眠不休で(いつの間にやら睡眠時間を短くする技術をマスターして)働くレイウェストが、バルディオンら高官からの提言を受けては整理し、温めていたことを述べる。

「大きく、五つの方針を立てた。うち二つは、これまで通りの軍備と、資源回収だ。特に難民や移民受け容れに伴って治安悪化や資材の不足が目立つようになり得るため、これらに対する対応は継続としつつ、この冬の間に加えて三つの柱を進めていきたい」
 レイウェストは指を立てると、

「一つ。外交政略……とはいえ、我らに出せる札は少ない。実質的に、交易を中心として纏めることになるだろう。迷宮産の魚介類とその加工品を供しつつ、資材として必要なものを得る」
「その対象は、王国北部、アーチボルト辺境伯領ですか?」
「そこに、もう二つほど加える。何故か支援の再追加を申し出てきてくれたドワーフ王国と……フィルエス大森林だ。グレイオンス殿ら灰火(ルイン)氏族を窓口に、交誼を結びたい」
 バルディオンはわずかばかりの沈思すると、
「……フィルエスと、となると。正直なところ、難しいですな」
「そこは、課題だな。輸出施策に関わる食材探求や、実際的な交渉、現場での聴取などで足がかりを得られれば――というところだ。フィルエス大森林でも一部では間伐を実施していると聴く。それが得られれば、建材とはいかないまでも、ゲルを増やすことはできるし、燃料にもなろう。草原には樹木は限られるから、可能ならば窓口を得たいな。……まあ、なんだ。フィルエスのエルフにも、食に拘るエルフもいると聴く。わずかではあるが、目はあると考えているよ」

 ―・―

「二つ。内政計画だ。こちらは、この冬の間に計画策定と人材育成を進めたい。特に農地政策を中心に各種職人だな。最低限の暮らしの維持を担える職人が複数人育てば、国で召し抱えて派遣することもできる」
「ふむ。そのための修行用の資材をドワーフ王国に手配していましたな」
「タダより安いものはないというが……せっかくの奇貨だ。出来る限り利用しよう。王国領や、周辺から家畜を集められるのならば、それも今のうちに集める算段をつけておきたい」
「草原では、家畜は財産とみなされますからな。財貨を与えるよりも、彼らの肌には馴染むところでしょう。しかし……」
 残念ながら、レイウェストはもちろん、バルディオンも放牧の知識は無い。軍務に付くものとは縁遠い職務でもあった。

 ―・―

「三つ目は……」
 こほん、と、どこか気まずそうな調子で、レイウェストは告げる。
「小型のゲルを増やし、ヴィントとヴァイセントラフで種々の興行を行いたい」
「……ふむ……?」
 バルディオンが怪訝げに猪首を傾げる。遊興を柱とするというのは、帝国軍人としてはなんとも馴染まない考えだった。
「……まあ、此処は私もあまり深い考えはない。ただまあ、やっておくべきという事だけは、わかるのだ」
「殿下が、そう仰られるのであれば」
 諸手を挙げて賛成とはいかないが、バルディオンに否やはない。
 誰ぞの献策かは知らぬが、気晴らしの一つや二つはあるべきだろう。
 しかし。
「……方針は立てど、実施となると」
「うん。冒険者たちの手を借りねばならないな」
 実務を懸念するバルディオンに、レイウェストはさして気負うこと無く、そう応じ――最後にひとつ、苦笑をこぼした。

「もし私が皇位についたとしたら、『借金帝』とでも呼ばれてしまいそうだな」

解説

●解説 このシナリオはダンジョンアタック(DA)β用シナリオの特別版です。 出発時間までにプレイングの提出をいただくことで自動判定が行われ、「帝国メダル」を取得することができます。 入手した帝国メダルは特殊なアイテムと交換可能です。 また、本DAでは100ポイントが確定で入手できます。 普通に売却も可能ですので、金策にもご利用ください。 なお、本DAより、「プレイング未提出」の場合でもメダルの反映を行います。 ■本DAの目的 「シルトラースの明るい再興計画」では、都市ヴィントを中心とした再興計画を実施していきます。 ヴィントは現状、海洋系の産物が多く穫れるヴィント迷宮からの食料品、加工品を中心とした産業形成が進められていますが、 各種職人や代官候補、官僚などの人材不足が課題となっています。 また、同時に中期的な政策策定(デスクワーク)を進める必要もあり、やることが山積みです。 本DAでは、『ヴィント再興値』として以下の内容が定められています。  それぞれの値はリプレイおよび(第二回目以降の)OPに記載されます。 ・外交(交易):他国との交易・そのための商品開発 ・軍務:治安維持・周辺相当・交易路確保・軍事軍連 ・内政:内政政策策定・職人育成・他 ・資源:資源収集・調達 ・ラヴ:兵と難民たちのマッチング(*˘︶˘*).。.:*♡ いずれも重要なテーマですので、ぜひともお助けください! ■本DAシナリオの遊び方 ・プレイング提出時にキャラクターが装備している「汎用スキル」を用いて自動判定が行われます。 ・汎用スキルの内容に応じて、『ヴィント再興値』のパラメーターが変化していきます。 ・効果としては、  レベルアップ済の汎用スキル>レベルアップがない汎用スキル>未レベルアップの汎用スキル  という順番となりますが、効果に関係なく、報酬は固定です。 ・また、全キャラクターが「どのスキルでどれだけ貢献したか」についても別途記録され、集計されます。 ・進捗に応じて、『ミッション』が出現します。ミッション発生中、プレイング内容や汎用スキルを適切に選択することで、ヴィント再興計画の展望や進行に変化が加わったり、進展したりします。 ■その他 ・本DAリリースにともない、近日中にワールドガイドの『帝国メダル交換報酬』がアップデートされます。  更新後、内容について、ご一読ください。

マスターより

このシナリオはダンジョンアタックシナリオです! プレイングの提出はお忘れなく!

リプレイ

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 ヴィントの士官室。バルディオンは各所から挙げられた報告書を手に、一つ唸りを上げる。
 これだけの授恵者が取り組めば、加速度的に進む事物があることをまざまざと思い知らされ、否が応でも帝国のかつての栄華が思い出された。

 ――同時に、これだけの尽力に、感謝を抱く。
 それは確かな熱となる。前を向くこと、向き続けることは、今の帝国ではいかに難しいことか。
 同時に、前に進んでいるという実感が、今の我々にとってどれだけの価値があることか。

 かつての王国の故事である、始まりの時も、斯様な状況であったのだろうか。
 なるほど、明るい再興計画。
「……帝国がいかなる形になろうとも。今この時の黄金は、後の我らの魂の礎となるだろう」

 そのためならば、多少のハメ外しには眼をつぶることも、やぶさかではなかった。


■お知らせ
外交(交易)パラメーターが300を超えたため、
あたらしいミッション、「ドワーフ王国のおつまみ事情」が発生しました!

詳しくは「現行のミッション内容」をご確認ください!

■現在の内政ポイント
外交(交易):418
軍務:154
内政:257
資源:57
ラヴ:136

■ミッション内容
「ドワーフ王国のおつまみ事情」
ドワーフ王国は酒に合うつまみをいつでも希求している。

シルトラース帝国に物資を運び込んできたドワーフ王国の兵士が
ダンジョンから穫れる魚介類をみてぽつりと零した「コイツらは特殊なアテにならんかね」という言葉をきっかけに、
有志による研究会が立ち上げられた。

調理、メシマズスキルの累計値が 目標値:100 を超えると、
ドワーフ王国との関係が一歩前進し、「特殊なアイテム」がダンジョンアタック報酬に追加されます!




■貢献スキル内訳
洞察:38
戦術眼:36
看破:27
調理:26
教導:25
交渉:24
話術:23
政治知識:20
隠蔽:19
医療・薬学:13
鍛冶:13
商業知識:12
カリスマ:12
歌唱:12
建築・土木:11
礼儀作法:10
色気:10
木工:10
牧畜知識:10
位置感覚:9
資料検索:9
手細工:9
裁縫:8
武術知識:6
サバイバル知識:6
うわばみ:5
舞踏:5
騎乗:5
狩猟:5
地質学:5
魔法知識:5
フェロモン:5
バランス感覚:4
演奏:4
罠解除:4
マジカルポケット:3
奇才:3
絵画:2
未来に生きている:2
超視覚:2
超味覚:2
天眼:2
幸運の星:2
超聴覚:1
エンパシー:1
暗視:1
動物交感:1
超嗅覚:1
温度耐性:1
ピュアウォーター:1

マスターコメント

次回は1月10日!
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DAシナリオβ普通 報酬:多い68 / 0〜9999人

2022年01月10日 15時43分19秒 公開

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