【学乱】生徒会総選挙、開始!
弓月 蒼
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シナリオID:1133
オープニング
「うー――――……厳しい――――……」
学園内、1-3教室。
最近、何かと良く集まっている同クラスメイト5名が席を並べて頭を悩ませていた。
王党派『白薔薇』が傍流『白銀』の姫。『白銀の薔薇』オルファレナ。
同王党派『白薔薇』が傍流『白筆』の姫。クローディア。
同王党派子爵家セクエンスの子息ステファン。同子爵家オルディンの子息ユミール。
そして商家ペンテルシアの子女アンナローズ。彼女ら、彼らこそ1-3『学園派』の面子である。
内4人が貴族。1人が商家。合計で5名。聴講生の協力者が居るとは言え。
如何にも勢力としては小さく纏まってしまっており先行きがまるでない。
一応旗振りをしているオルファレナこそ王党派筆頭『白薔薇』直系として。
王党派の浮動票を幾らか引っ張れる程度の知名度とツテは有しているものの――――
「やっぱり……厳しい?」
「厳しいですね! そもそも実力主義って煽り文句がふわっとしてますから!
オルファレナ様もう少しこう、ぐわあっと集客力のある人脈はないんですか!?」
「じんみゃく……あっ、冒険者の皆に助けを求めるのは!?」
「それもう前にやったっ!」
喧々囂々喧々囂々。何にせよ、物事には向き不向きが有り。
そして彼女ら。彼らはあまり選挙活動という――――人を集う試みに向いているとは言えない。
王党派を統合しようにも其処までの求心力は期待出来ず。
何処かの派閥を取り込もうにも説得力と発想力が不足している。有るのは行動力だけだ。
『学園派』は先ず知名度の無さという最初で最大の関門を超えられていない。
今現在、彼らの立場は1学年1教室の仲良し共同体の域を超える物では無かった。
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学園内、第一文芸部室。
「貴血連盟の件は聞いているな。
では単刀直入に行こう――――卿らの今後の活動を保証する。俺の元へ下れ」
『黒の後継』アルベイル・ライゼンナクトの声が静かに響く。
彼が出馬するに当たり過激派貴族の共同体。『貴血連盟』の約半数が彼の支援者として立った。
――――と、言う冗談の様な話が耳に届いたと思った矢先だ。過激派貴族は総じて気位が高い。
それを、どんな奇策を用いたか。第一文芸部部長ウォーレン・デュフォードはこの時、確かに。
5学年も離れている筈の新入生の行動力と存在感に気圧されている自分を自覚した。
「……考える時間が欲しい。せめて、3日」
その上で、敢えて最初に第一文芸部を訪れたのはその発信力に目をつけての事か。
彼らは文化系クラブでは最も古い貴族派貴族の共同体だ。
それが出馬して間もない一年生の下に付くとなれば。長期的に与える影響は無視出来まい。
何より面倒な事に。アルベイルの主張――――"新学園長の見解は認め。けれど拙速を否とする"
即ち、「庶民を学園に取り込むには彼らに"学園で学ぶこと"を受け止める下地が無さ過ぎる。
実験的に冒険者のみを対象とし、かつそ現時点での入学窓口を併設すべし」……なるものは。
ウォーレン自身の考える新学園長の指針への妥協案に限りなく近しい物だった。
断る理由が乏しい――――もし、其処まで解して此処を最初に訪れたなら空恐ろしい話だが。
「1日だ。既出の解をそれ以上待つ意味がない」
或いは。それを余裕の無さと取れれば未だ可愛げがあったものを。
平然と返すその様は"それで利害の一致が取れている"と当然のように確信していると見える。
ウォーレンとしては、最上学年としての主義もあれば矜持もある。
ここで"なるほど了解した"とするには――――そういった心情がどうしても障る。
とは言え、1日。ささやかな抵抗で、彼の対抗馬の為に稼いでやれるのはそれが限界だ。
誰かが止めねば、この黒い少年は思うままに突き進むだろう。世情の変化が、必要だった。
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「学園の教師が憲兵に捕まったとか。由々しき話だ」
「新学園長があれじゃあそりゃあ教師共は荒れるべさ。ま、俺達にゃあ関係ねぇ話さなあ」
学園内。第5学年教室棟。2人の青年が廊下を歩いている。
パンクリアース学園生は過半数が貴族派貴族であり、残りを王党派とコネの有る庶民で分け合っている。
となれば、必然的に王党派貴族の共同体はその数に乏しく。
中でもある程度知名度のある物は限られる。その――――限られる幾つかの1つ。
第一剣術部。主に第一訓練場を用いる運動部系クラブであり、王党派が集う場として知られている。
その第一剣術部長。シルヴァン・ローライト。副部長のラーガイル・ブリード。
両名は次期王国騎士の急先鋒として、学園の中でも武に優れる人間と言えば先ず名が挙がる程だ。
が、端的に言って。彼らは生徒会にも。派閥抗争にも余りに外れた立ち位置に居た。
確かに。彼らが何か行動を起こせば王党派へその影響は波及するだろう。
しかし、第一剣術部は生粋の王党派。かつ武人の集まりである。
王家から騎士の名を承るという明確な目的へ向けて一心不乱に邁進する彼らにとって。
学園内の勢力図も。派閥争いも。無縁とまでは言わないまでも、興味を惹かれるとは到底言えない。
それよりも如何に武を極め、王家の剣となり、国家を護って行くかだ。
政治面での嗅覚が鈍い人間が其処で思考を止めてしまえば、これほど学園生活が容易になる道もない。
「いずれ王家に仕えた暁には、国内の秩序をこれまで以上に引き締めなければ」
「そん為にはもっと強くなんねぇとにゃあ。おーっし、久々に一丁下剋上を試してみっべか」
例え今。学園内の勢力図が大きく揺れ動き。貴族派もまたその在り方を変えつつあると言っても。
揉め事に巻き込まれる事もなく。軸から外れた場所に居る人間にとっては縁なき話。
そういった人間は思いの外多い。学園は広く、対岸の火事は幾ら大きくとも他人事に過ぎない。
誰も彼もが今、この時に国家の未来を憂いている訳ではない。で、あるならば――――
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「――――お姉様、聴講生の皆様を招いてお茶会を開くって本当ですか?」
学園内、中庭の一角。木陰に置かれているテーブルに3学年、4学年、5学年。
それぞれの学園にて一際目を引く才覚を示す貴族家の令嬢が集まっていた。
『百合園会』――――貴族派貴族派閥でも令嬢のみで構成される最も古い共同体の一つ。
その主催であるクリスタリア・ラズベリルを筆頭に。少女達の交友網は耳聡い。
「ええ。どうも興味深い試みもしてらっしゃる様ですし。
……このまま天秤が揺れる事も無く片側へ雪崩れるのは……あまり“面白くない”ですもの」
彼女らは中立を保っている。少なくとも今、『竜』に下り傘下一党に落ちる気は更々無い。
それは古式ゆかしき貴族令嬢にとって譲れぬ一線であり。将来を考えた場合に必要な布石だ。
けれど或いは、とも思う。聴講生が学園に吹かせようとしている風は、新たな知見だった。
どうせ『竜』の優位は明らかだ。であれば、自身の好奇心に身を任せてみるのも一興か。
「ふふ、一体何方が、どんな用件でいらっしゃるのか楽しみです」
百合園会では紫の君と呼ばれる侯爵家令嬢は艶やかに微笑んでテーブルに頬を付く。
学園の未来を決める戦い。その前半戦の最中にありて――――徒花は静かに咲き誇る。
解説
マスターより
リプレイ
選挙月間を迎え、学園の食堂は常になく賑わっていた。
普段より多くの聴講生が集っていることは元より。今回の生徒会総選挙の注目度は過去類を見ない。
方々でやれ貴族派が、王党派が、或いは――――極々少数。学園派がと。
口さがない自称・情報通の学園生たちにとっては、これほどに向いた娯楽も無い。
そんな中。ゲルダ・クラインは手ずから認めた手帳を片手に嘆息を溢す。
(無記名投票……これはきっと、アルベイル様の取り計らい)
彼は約束を守った。なら、自分も約束を守らないと。学園生として、彼女なりの誠意として。
今を見極めることは難しい。けれど、これまでの積み重ねでやっと少しずつ見えても来た。
王党派の大雑把な主張は、"庶民と貴族は同じ王国民である"、"王命と在らば従うべし"
けれど、学ぶ機会の平等=立場の平等ではない。つまり額面通り捉えれば綺麗事だ。
(多分、今の貴族派の位置に王党派が滑り込むだけ。庶民はきっと凄く居心地が悪い)
次に、学園派の主張。"人は血統ではなく実力で測るべき"、"身分に依存せず平等な機会を"
一見、一番順当な提案に見える。学園の版図は大きく変わるだろう。
(……優れている人は良いけれど、それだけで本当に良いのかな)
「――――ほい、一先ずの情報。まぁわかりきってたけど貴族派がガン有利だね」
そんなところに。隣から聞こえたそんな声。視線を向けるなと言う方が無理と言うもので
走り書き同然のメモを並べたサニー・フォン・オルライトに、ゼラルム・エルホワイトが頷く。
「そりゃな。貴族派は王家への対立姿勢ばっかり目立つんで印象こそ悪いが。
一部の過激派を除けば、むしろ俺たちなんざよりよっぽど切れる方だろうよ」
国土を維持すると言う事は言葉以上に難しい。屋台骨と言って良い貴族が無能なら先ず成立しない。
汚職や収賄、縁故やコネが跋扈する側面が在るのは事実だが、と言って。
その人員を軒並み庶民に入れ替えたら確実に国が沈む。積み重ねの重みは伊達ではなく。
「理想は三派が拮抗することなんだが……っぱ金だよな、金」
これだけ広大な学園を運用するのだ。例えば、と手元の挽肉塊を刺して示す。
昼食1つ取っても品質として、庶民がおいそれと口に出来る水準とは言えない。
「お金、ねえ……結局はそこに行き着く訳だ」
もし入学窓口を解放したとしても、学園運営の資金源が貴族と商人中心である以上は。
結局学園そのものが貴族の"青田買いの場"であることを完全には拒めまい。
「……とはいえ観劇としては悪くない。役者の釣り合いが取れれば、な」
ゼラルムの眼が確かなら、王党派と学園派は距離が近過ぎる。
第三極として成立しないならば、確かな敵の存在は貴族派を纏めるだろう。
だからこそ。ゲルダもまた悩む。
『竜』と称される彼なら上手く貴族派を率いてみせるだろう。或いは一番簡単な話ですらある。
(……でも、全ての席を貴族派で埋めるのは、きっと健全では、ない)
●其々の戦い
(さて、すっかり苦手意識ついちまったが……ま、あいつの様子でも見てくっか)
特別教室棟は大会議室へ向かったカズマ クレセントブラッドが見た物は。
壇上で演説を打つ『黒の後継』の姿だった。百名近い人間が彼の一挙手一等足に応じ拳を振り上げる。
扇動――――或いは、政治的宣伝か。声変わりすら前だろう少年の澄んだ声は。
極めて辛辣な口調と相まって、完全に場の空気を呑み込んでいた。才能か。否――――手慣れている。
「前とうって変わって、随分人に囲まれて大人気だな」
「恐怖と崇拝は良く似ている。共感せずとも成立する、と言う点でだ」
場の準備を担ったナハティガル=ラーを後背に連れて壇上から降りたアルベイルへ。
声を掛けたカズマへその紅の瞳が向けられる。其処には、何の感情も見られない。
「あんまり恐い顔しないでくれよ、これでも応援はしてるんだぜ」
カズマの見る限り、アルベイルは本物だ。
敬遠、と言う立ち位置を理解し、上手く利用して立ち回っている。誰でも出来る振るまいじゃない。
けれど、何故だろうか。まるで完璧にすら見えるその姿が酷く危なっかしく見えるのは。
失敗は愚か、瑕疵も錯誤も許されない綱渡り。それを平然とこなす精神性とは果たしてどんな物か。
「ただまぁ、あんまり下が遠いもんだと思ってると、案外すぐ傍まで来てたりするかもしれないけどな」
カズマには分からない。しかしだからこそ。発破を掛けるつもりで声を上げた。
そんな級友を一瞥し、アルベイルが口元だけで僅かに笑う。視線はただ前だけを向き。
「その時は、踏みつけより高みへ上がるまで」
後背を護る様に控えていたナハティガルを連れ立って、黒い竜の仔が歩を進める。
迷いなく、躊躇いなく、負うには多過ぎる責務を己の背に引き連れて。
(……傑物、と言う奴なのだろうな)
最初は、焚き付けた側の責として助力する事を決めた。その筈で――――それだけの筈だった。
けれど今、ナハティガルは自らの前を歩む少年に"それより先"を見ている自身を自覚する。
学園内で幾つもの事件に携わり多くの学園生を見て来たが、この少年だけが枠の外に居た。
まさか、泥沼の世界で生きて来た自分が、"国家のより良き未来"とやらに期待させられるとは。
或いは――――かつて大脱出に於いて彼らの王を見出だした亜人達は。
「……何がおかしい」
「いや――――黒の後継がどんな未来を作るのか。俺も少し興味が湧いて来た」
端的に。けれど、真っ向から告げた銀髪鬼を見返し、一瞬虚を突かれた少年は、皮肉気に口元を歪めたか。
けれど其処には、王国で腐るほど経験した亜人を蔑む色はない。
「ならば見逃すな。それほど長く待たせはしない」
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学園内、第一文芸部部室。
部長のウォーレン・デュフォードは先日とは異なった意味で意外な客人を迎えていた。
「王国の窮地である今、時間のかかる庶民の教育に取り組む事は急務です。
より良い人材の育成は国の発展につながる筈。少なくとも、現状の試験は廃すべきでしょう」
言い募るはレティシア・レインフィール。同格の貴族令嬢の言に、ウォーレンは難しい顔で瞳を閉じる。
学園卒業生、と言う点を考えれば、尊重すべき側面もある。……が。
「貴女の言いたいことは分かる。レインフィール伯爵令嬢。しかし、頷けるかは別の話です」
第一文芸部は穏健派貴族の共同体だ。必要と在れば王党派と結ぶ事すら有り得ない話ではない。
けれど其処には、貴族間の利害と言う共通項が存在する。だが、レティシアが属する"学園派"は。
「私は、学問の場への政治介入を良い事だとは思いません。学生時代は大図書館に良く通っていました。
皆様も、元々は文学を愛するからこそ此処に集われたのではありませんか」
「私はこの部の長です。部員を庇護し、卒業まで彼らの活動を保証する義務がある」
そう、ウォーレンには。正確には、第一文芸部には。彼女らと共に立つ訳にはいかない理由が有る。
それを払拭出来ていない以上、如何に説得されようと頷く訳にはいかない、理由が。
「――――しかし、貴女がた"学園派"はあまりに現在の貴族社会を軽んじ過ぎている。
此処は学園であり、学園の様々な差配は教師が担うもの。貴女がたに教師の支持者は居られますか」
そこが、校長を後ろ盾に持つ『竜』との最大の相違点――――つまり、実行力の差だ。
ウォーレンは組織の長であり、その思想は堅実で成る。組織の旗色を示す場面で博打は打てない。
「これは私に声を掛けて頂いた返礼ですが……学園への窓口を捜されることをお勧めします。
それでようやく貴女がたの言葉は公約になる。耳を傾ける方も増えるでしょう」
せめて、その部分に彼女らが危機感を憶えていてくれれば……と、思わないでは無かったが。
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「違います違います。私は広告塔みたいなもので、中心人物なんてそんな」
困惑の声が1-3教室の片隅で響く。勿論、声の主は『白銀の薔薇』ことオルファレナだ。
遥々学園までやって来たエルゼリオ・レイノーラからの質問に、彼女は大いに慌てていた。
何せ“学園派”の中心人物と見越されていたのだから。更にこの状況、初めてではない。
オルファレナは家格なら学園有数。知名度を含め最上位層に位置している。
彼女が特定派閥を擁立したなら、“指導者として立っている”と勘違いされても仕方がない。
「そうなんだ? でも、“実力主義”を掲げる以上どう考えているか、は有るんだよね?」
「はい、それは、まあ……」
エルゼリオの問は簡単だ。実力で振るいにかければ確かに平等だが、それは必然弱者を振り落とす。
まともな貴族は“国家運営”面の能力では庶民より明らかに格上だ。環境と積み重ねがまるで違う。
となれば、結果的に実力主義を貫いても現状と何も変わらないのではないか。それは当然の懸念だった。
「私はそれでも、今より遥かにマシだと思っています」
今、すぐ、どうにかはならないかもしれない。けれど、門戸を開いていると言う事に意味がある。
志を以て努力しその難関を踏み越える人間であれば、この貴族社会を変えられるかもしれない。
それは残酷な話ではあるが。それだけの能力を示せなければ学園では生き残れないと言う事で。
「厳しく無ければこの国の未来は託せません。それは貴族も、平民も、平等に。
この学園は王国最高位の教育機関。他国と競い合う、練習の場なんです」
例え幼い理想でも。彼女は――――努力は決して裏切らないと、信じている。
それは眩しく、けれどあまりに危うい。返答に困ったエルゼリオの後ろから、上がった声。
「オーロラさーん! お久しぶりですっ!」
「トーラ! トーラじゃない! わあ、久しぶりっ! 元気だった!?」
ぱたぱたと走り寄った赤毛のハーフリングと抱き合ってくるくる回っている様からは。
まるでそんな風は感じられないが。彼女はやはり、これでも、高位貴族なのだろう。
持たざる者の苦悩を――――恐らく、本質的に分かっていない。
「ワタシとしても学園が開かれてくれるとありがたいので。
"学園派"に協力しようと思うのですが、何か出来ることってありますか?」
「勿論! ほらこれ選挙ポスター、クラスの皆で描いたのよ! 良く出来てるでしょう!」
絵筆で描かれた手作り感あふれる前衛的ポスターを渡され。
一瞥した上で試しに部屋を出ようとしていたエルゼリオに見せてみた所。
基本おしゃべりな筈のエルセリオが、この時ばかりは真顔で静かに首を横へ振ったと言う。
●百合園会
「……チョコ要らないか?……待て、怪しくない。俺は怪しいかもしれないがチョコは無実で」
え、やだ、半獣人恐い。チョコレートくさい。あっちいけー
――――と、別に罵られた訳ではないが貴族令嬢達から揃って距離を取られたスヴァンを他所に。
彼を巻き込んだキーゼはと言えばお茶会主催者と同じ卓で静かにお茶を嗜んでいた。
「お初にお目にかかります、"学園派"のリサ・ベイカーです。以後お見知りおき頂きたく」
「どうも、感謝状まで貰ったし……礼には礼を返すのが気持ちの良い生き方かなと思って」
「いらっしゃいませ、"学園派"の皆様。エル様も再会出来て光栄です!」
スカートを摘まんで一礼する様は、流石に高位貴族。卒なく優雅で隙が無い。
クリスタリアの卓には、リサ・ベイカーや海神・江流を含め実に6人もの冒険者が集っていた。
「私は、学園を拓くならより広く門戸を開けて頂きたいと思いこのお茶会へ参加させて頂きました」
口火を切ったのはイズレンディル・パラリム。彼の提案は明瞭だ。
学園には元々帝国への窓口として留学生制度がある。これを他国、他種族に広げて欲しい。
「学生個人が国外とのパイプを持てれば、将来の国家間外交の円滑化に繋がりますし。
何より、今回の帝国の一件でこういった流れは既に止め難い所まで来ています」
実際問題。多国籍での遠征軍出動は大陸にとって甚大と言って良い影響を与えている。
それは、例えこの後帝国奪還が適ったとて元に戻る物ではないだろう。
「私は、エルフではあるんですが様々な種族の兄弟と一緒に暮らして来ました。
唯人以外の他種族が入り混じる事で良い刺激もあるのではないかと思うのですが」
それを補佐する様に、コルネリウス・アーラが言葉を添える。
一方で、それを聞いていた百合園会の令嬢たちは顔を見合わせ怪訝そうな仕草を見せるばかり。
彼女らの視線から察するに。見目が麗しいからか、どうもエルフにはそれほど偏見は無いようだ。
けれど他種族と聞けば森の民に限らない。特に、彼女らの警戒しているのが何なのか――――
同性と言う事もあってコルネリウスは一際早く気付く。それを待った様に、クリスタリアが口を開いた。
「開明的で素敵な御提案だと思いますわ。ですが、私達は王国貴族なのです」
愁いを帯びて呼気を溢す一方で、何だかやたら気に入られている江流が服の裾を掴まれている。
それを見てこそこそ内緒話する百合園会の御令嬢達の視線が変に痛い。
「例えば、皆様の様な麗しいエルフと貴族の令息なり、令嬢なりが恋に落ちたとします」
お分かりになられます……? と、矛先を向けられたイズレンディルは。
流石にその時点で意図を察した。そう、学問、身分、それ以上に王国には大きな障害がある。
「若い2人は過ちを侵しました――――そのエルフは一族郎党処刑されるでしょう」
純血主義。或いは唯人至上主義。青き血は貴く穢されるべからず。その重みは彼の想像を超えていた。
王国貴族ならば、やる。コルネリウスの洞察力が、クリスタリアが真意を語っていると伝えて来る。
「では、帝国側のアプローチなど如何でしょう」
次の声を上げたのはアウレーリア・フォン・ネーベルベルク。
人差し指を立てた彼女は帝国復興を目論む立場に居る"旧帝国貴族"の生き残りである。
「恐らく、帝国との交換留学は帝都復興さえ成れば再開されると思いますが」
きょとんと瞬いたクリスタリアに、けれどアウレーリアは"それでは足りない"と考えている。
何故なら、その復興過程こそが最も危ういからだ。誰に、何を仕込まれるか分からない。
「それでは『竜』に付け込まれます。"貴族派"指導者はともかく『黒鋼竜』その御方は。
帝国の"復興特需"を他国の話と見逃される程、甘い相手では無いでしょう?」
沈黙が落ちた。その反応だけで、相手の令嬢がどれほど頭が回るかが分かる。
彼女が知る限り、王国貴族は二極化している。極めて優秀か途方もなく愚かか。これは前者か。
「それはつまり。私に対して"窓口を紹介するから貴族派を切れ"と仰っているのかしら。
手土産を持って寝返れと? 面白い事を仰られますのね」
くすくすと、笑いながら紅茶を口元に運ぶ。答えは出ていない。つまり、天秤に載ったと言う事だ。
今はとりあえずそれで十分。あとは"学園派"の出方次第と、話の主導権を両名に渡す。
●出店準備中
「政治のことは……難しくて、私にはよく分からないですね……」
「学生の時から政治に明け暮れてるってお貴族様は大変ねぇ」
「……みんな仲良く……というのは物語の中だけでしね」
学園の食堂は広い。その一角、かつての卒業生が何かに使ったのだろう。
用務員に問い掛けたら借り受けられた喫茶設備など設置してテーブルを並べると。
開店準備その物は思った以上に簡単に進んだ。3人がかりなら尚更に、だ。
ラティア・ミゼリアが陶杯を並べる傍ら、エミリア・シバが客席の最終確認を。
其処にララノアが持ち込んだお茶が準備出来れば、もう何時でもお客さんを招くことが出来る。
勿論本番は選挙当日になるとしても、試験的開店を通し客層を握るのも有効な手続きだ。
しかし、香草茶屋"エルヴェンアルヴ"は当初"エルフが調理している"と言う事で敬遠されていた。
「……、……。お饅頭いりませんかー……?」
風向きが変わったのは、対面にドワーフの饅頭屋が開いてからである。
果たして、学園としては出店者に纏まって欲しかったのか。どこで出店すれば良いか。
――――と、ヴィルヘルミナが学園の事務に問いかけ紹介されたのがその立地だった訳だが。
人手のある"エルフィンアルヴ"と異なり単独出店の饅頭屋は紛う事無き露店である。
しかし、焼かれた饅頭の香ばしくも甘い香りに、貴族の子女達が思わず足を止める。
「このチョコレートの饅頭を1つ頂けますか?」
協力者へのお土産に。と、ネーヴェ・グラヌローザがほくほく顔でお饅頭を手にしているのも手伝ってか。
両店舗の相乗効果で、気付けばちょっとした人だかりが出来上がっていた。
「ラティア様のように大きく健康美になれそうな"秀美の君へ"!
エミリア様のように妖艶になりそうな"艶美の花束"! それにそれに――――」
「ら、ララノアさん!?!?」
「あらあ、これは流石におねえさんも少し照れちゃうわね」
ララノアも、普段の引っ込み思案を抑え込んで精一杯の声で商品をアピールしたものの。
実のところ庶民を不躾に見る事に抵抗の無い王国貴族と、紹介されたラティアの相性は最悪と言えた。
男女とも、色々と大きいその体躯に否が応でも視線が向く。猫背になっても全く落ち着かない。
その上ララノアの口上だ。聞いたラティアは軽く混乱を来たし思わず陶杯を落とし。
見られる事も評価される事も慣れたエミリアが、中空を舞う杯を受け止めさり気なくフォロー。
加えてその仕草に目を引かれた男性客にウィンクまでも投げていく。
「安眠茶……ですか。1つ貰えますか」
そんな、人垣の様子を見に来たセロンガード・シュタインドルフもまた陶杯を片手にテーブルに着く。
場所が場所だけに、その会話には選挙色が強い。ただ座っているだけで情報収集には十分と言えた。
(……貴族派が強い、か。穏健な今の王の方針に添う王党派が有利である方が望ましいのですが)
王国で、帝国の領土を主に狙っているのが"貴族派"であることは、旧帝国貴族の常識だ。
他方、対抗派閥として僅かに耳に入って来る"学園派"の方針もこちらはこちらで望ましくない。
帝国と競合する"実力主義"を掲げられると、王国からの人材流出に歯止めが掛かってしまう。
「……何か悩み事ですか」
休憩に入ったヴィルヘルミナが、テーブルで考え込む冒険者風の男に声を掛ける。
互いに、王国外出身同士と言うのも有ったろう。ドワーフに王国貴族は居ないと見越し。
セロンガードもまた外向きの顔で困ったように笑った。
「貴女も何処かの派閥を応援しているんですか?」
「一応は"学園派"です。ただ、私としては各々が良く考えて選択して欲しいと思っています。
流されるだけなら、今までと何も変わりませんから」
「そうですね、事の次第によっては、貴族の地位そのものが揺らぎかねませんから」
其処に、降って湧いたのは先ほどお饅頭を購入したお客さんだった。
白い髪に銀の瞳のエルフ――――聴講生であると見越した上で、明らかに"学園派"と対立する相手。
「貴族には貴族にしか果たせぬ役目があり、庶民には庶民にしか果たせぬ役割がある。
それがこの国の土台だというのに、急に変えては国が揺らぐ。……そうは思いませんか?」
「それでは、庶民は永遠に庶民でしか居られず。貴族は永久に貴族を止められません。
例えば……冒険者になりたくとも。それが正しい事でしょうか」
ヴィルヘルミナとて、本音を言えば学園の事は良いのだ。落ち着くべき場所に落ち着くと思っている。
けれど、彼女の友人は。きっと、今何もしなければ国家の歯車になり擦り切れてしまう。
「正しい、間違いではないと思います。より大勢の幸福と未来を考えるなら、性急な決断は禁物でしょう」
ネーヴェの主張に瑕疵は無い。客観的にはきっと、それも正しくはあるのだから。
けれど、彼女にはもうそれほど時間が無いのだ。仕方ないと見過ごすことは、出来ない。
舌鋒を交える2人の女の戦いを眺め、セロンガードは香草茶をもう一口啜る。
ここで混乱に陥ればまだ良い。けれど結果として、某かの結論に至ったとすれば、
(もしも本当に変われたなら……王国が、帝国復興最大の障害になるかもしれない)
それは彼自身が思っていた以上に――――危機感を煽る事実だった。
●続 百合園会
「私は、学園はあくまで学びの場だと思っています。卒業後は嫌が応にも国や身分に縛られる。
学生の間だけが、派閥も身分も超えて学びを得られる最後の機会だと」
それは、以前江流が口にした"多様性"そのものだ。それは、確かに理想的だろう。
けれどそれだけでは、貴族は動かせない。特に、彼女は国家に直に触れ得る高位貴族令嬢だ。
「だから貴女は立候補されるのですか? その機会を護る為に」
「はい。勝算は少ない。でも0じゃ無い。なら、やれる限りやるのが、今の私のすべき事なんです」
――――困ったような、けれど、何処か寂しげにクリスタリアは微笑んだ。
彼女とてきらきらした物を愛でることはある。けれどそれを動機に――――リスクを取る事は、ない。
「エル様は、どう思われますか?」
ふと、隣へ杯を渡せば。彼女が特別目をかけている青年は上品すぎる作法相手に四苦八苦していたが。
視線を向けられているのに気付いて少し考え、極々自然にこう応じた。
「俺は俺に分かる範囲でしか是非判断は出来ないけれど。個人としてなら。
もし、貴女方と少しでも同じ処を見据えて歩いて行けるなら、俺の学園生活も充実しそうだなとは思うかな」
果たして。当人が知ってか知らずか。額面通りに受け取ったならその表現はあまりに甘ったるく。
政治にどっぷり浸かっていたクリスタリアが一瞬ぐらっと来た位の精神的ダメージを与える事には成功した様だが。
「なるほど。"学園派"……でしたか。やはり結局の所、学園長の改革案の粗悪模造品ですね」
それを一瞥し。何も語る必要は無いかと思っていたものの気紛れに。静かに紅茶を嗜んでいたキーゼが声を上げた。
「どういうことですか?」
「お気付きかと思いましたが、実力の上の平等で得をするのは授恵者です。
だが冒険者至上主義では支持基盤が持てない。『白銀』を取り込むなら猶更、看板を変える必要がある」
滔々と述べられるそれは勿論悪意的に過ぎる。が、そういう見方が出来ない訳ではない。
キーゼからすればその程度の悪評対策、打てていない方が悪い。
「学園長の改革案は学問の上での平等を謳う物。それを"個人"まで拡大解釈すれば当然歪みます。
性急な変化はただでさえ既存の仕組みに負荷を掛ける。多様性を語りつつ力無き者は無価値とは――――」
誰かと敵対する以上、対立意見が出ない筈がないのだ。それがこの様な拓けた場であるなら尚更に。
「――――実に、冒険者らしい」
そう言い切ってのけたキーゼの座るテーブルに沈黙が落ち。
そこへ走り込んで来たのは一頭の白馬。アルト=ミルドレッド=バ・ロッサが鞍上から茶会へ降り立つ。
「"貴族派"からも少し良いかしら」
アルトのパフォーマンスに、騎馬など縁の無い令嬢達は距離を引いて見守っているが。
問われたクリスタリアは座ったまま、その声に紅茶を淹れて差し出した。
「勿論、此度は垣根無く如何なる派閥も歓迎しています。どうぞ」
席を勧められたアルトは連れて来た白馬を自ら繋ぐと、辺りを一瞥して告げる。
「貴族は貴族、庶民は庶民。私はそれが絶対的差異だとは思わない。
けれどもし歩み寄るのだとすれば、それは貴族の側から。“貴族派”でもそれは出来る」
馬を引く、とは本来貴族がするような作業ではない。それはアルトにしても同様だ。
彼女はそれを令嬢達の前でしてみせる。貴族派と言っても“前時代的な、強硬な人間ばかりではない”
それを行動で以て示すように。それだけ取っても、派閥で括る事の無意味さが知れる。
結局の所、人の行動、考え方、捉え方などは個人に依存する物だ。
――――と。やや離れて令嬢達から黄色い声を挙げられていたスヴァンが漸く辿り着く。
勿論ここまで話は聞いていた。そして今、言うべきことが有った筈。自分にしか出来ない提言が。
例え半獣人が厭われる王国であろうと、満を持して黒き雪豹が声を上げた。
「つまり、割れたものや欠けたもの、不揃い品。味が同じでもそういったチョコは売り物と見做されない。
完成された、高価なものしかチョコと見られないのは困る――――と言う事だな……!」
拳を握って力説したスヴァンの言葉はきちんとテーブルの面々に届いていた。
届いた上で、全会一致の困惑の眼差しがスヴァンの硝子の心を貫いた。おのれ貴族。
スヴァンは懐から不揃い品の格安チョコレートを取り出して齧った。甘かった。変わらぬ美味さだった。
お茶会は恙なく幕を閉じた。
●剣の在処
撃音の元は木剣に他ならない。あくまで学園のクラブ活動。学生レベルのお遊び。
――――と。思っていた。実際に剣を交えて対峙するまでは。
寸打が、回し蹴りが。斬撃の合間を埋める様に繰り出されて来た瞬間。
イヴェールは自らの判断で手加減を放棄した。これは儀礼的手合わせではない。勝つ戦い方だ。
で、あるのなら。此処で応じなければ失礼と言うもの……!
鋭く舞う様な遠心力を伴う一撃を木剣の腹で紙一重弾き、返しで切っ先を突き出す。
――――ラーガイルの頬を木剣の剣先が擦り傷跡を残した。割り込む"待て"、の声。
「嘘――――ん! 俺未だ本気の7割位しか出してにゃあぜ!? 寸止めとかねーべ!?」
「淑女相手に7割も出して先打を被った方を恥じろ、馬鹿者」
制止の声を上げたのは、少し前まで居なかった第一剣術部部長、シルヴァン・ローライト。
叱責混じりの声音からは、どうも勝利を譲られた様だが……これだけ戦えれば、それは。
「驚きました。もしかしてブリードさん、平民なんですか?」
「なはは、そらあそーさ。貴族がこんな喋りしてたらぶっ殺されても文句言えねえべ」
観戦していたアリオン・リューが思わず、と言う様に瞬きながら声を掛ける。
けらけら笑う陽気な青年曰く。実兄が騎士に取り立てられた縁で王国貴族に縁故が出来たのだとか。
事実。アリオンの目から見てもその戦い方は余りに泥臭く、けれども、強い。
「だったら……庶民でもこういった場で剣を学べたら良いと思いませんか」
「そらあどうだべか。兄ちゃんに分がるかは分がんねけんども」
木剣を剣立てに立て掛けると、イヴェールに一礼し。ラーガイルが瞳を細める。
「剣を学ぶんてなら、上を目指したくなんべ。同年代なら猶更にゃあ。
だげんども庶民で授恵者でなけりゃあ、よっぽど足掻こおがお貴族にゃかなあねえ」
幼少期から、形式的に学ぶ範囲だけを見ても相当数の貴族は平民より腕が立つ。
そして学園で頭角を現すのはそういった"腕が立つ者"ばかりだ。
「俺が言うのも何だべか。けんどもやっぱなあ……そら残酷だあ」
授恵者であるから理解出来ることがある。授恵者であるから思い至らないことがある。
恐らく、庶民と貴族もそれと同じだ。ただ同じ列に並べる事が全て良い訳ではない。
アリオンが思わず、と言う様に視線を落とす。それでも、選択肢があるに越したことはない。
本当に――――そうか。空を知らなければ飛ぼうなどとは決して思わない。
翼の無い生き物に飛んでも良いと謳うのは、或いは翼持つ者の傲慢ではないのか。
そう問われたなら、どう応えれば良いのか。アリオンには未だ分かっていない。
「おや、手合わせは終わってしまったのかな」
「カペル侯爵家の御令嬢に、この様な泥臭い場は相応しくありませんよ」
其処に降る涼やかな声。カペル侯爵家令嬢、シルヴィア・A・カペルが緩く手を振る。
彼女は然程重視していないが。侯爵、と言う家格を肩書に持つ人間は学園でも極少数だ。
それは学園内での裁量の大きさを意味し、当然組織の長もまた細心の注意を要する。
「彼女も、そしてあちらのアリオンも。そして私も。“学園派”として話に来た。
彼らはこの学園を拓こうとしている。学園の内憂、王国の未来に影響するだろう事は分かるね?」
「我らは王家の剣を志す者です。自ら判断し敵を斬る者を指して、剣とは言わない」
彼も大概頑固であるが。しかし、まるで響いていない訳ではない。
その拳は血が出そうな程強く握られている。日和見かと思えば、大した自制だ。
「私は、政治的な主義主張で対立し合う学園の在り方が嫌いです。
王党派の教師が拉致された件について御存知ですか」
汗を拭い戻って来たイヴェールの言葉は重く。シルヴァンは静かに頭を振る。
学年も違えば立場も違う。日々を剣に打ち込み続けていた彼らはそもそも学園の風聞から遠い。
「派閥争いが無ければ回避出来た筈。王か貴族かではなく、もっと遠くを見られませんか」
黙考し、視線を伏せた第一剣術部部長に、シルヴィアはもう一押しと覚悟を決める。
「――――私なら、受け身ではない騎士を王家の傍に置きたい。
“学園派”に協力してくれるのであれば、私は君を引き入れた責任を取る事も考える」
「……貴女が我々を剣として佩くと?」
正面切っての問い掛けに。此処で否と言っては全てが瓦解することが分かった。
ならば――――それが、彼らを動かす理由になるのであれば。
「そう言ったつもりだ。君達はどうする」
学園に風が吹く。いずれ向き先は知れぬままに。
けれど、少しずつ、確かに。その風向きは1つの結末へと纏まっていく。
マスターコメント
イベントシナリオ普通 報酬:無し25 / 4〜25人
2021年07月15日 23時05分58秒 公開
参加者
相談掲示板
1年3組、リサ・ベイカーです。 色々あって、【学園派】にて立候補予定です。 どういう動きするかは未定ですが、よろしくお願いします。
さて、宜しくお願いします 『黒の後継』の応援で動きます
ヴィルヘルミナです。 立場としては【学園派】のお手伝いになりますね。 此度はよろしくお願いします。
ごきげんよう。レティシア・レインフィールと申します。 皆様、よろしくお願い致します。 私も【学園派】のお手伝いをさせて頂く形になるかと存じます。
僕はアリオン。 学園の剣術部に興味があって来たんだけど……【学園派】って何だか良い響きだね。 学園派が生徒会長になったら、どんな事になるのかな?
シルヴィアだ。今回はよろしく頼むよ。 リサと江流、参加してはいないけどギーゼラは初めての戦闘依頼で新人の私を気にかけてくれた人達だからね。友人への恩は返す、それがカペル家の流儀だ。元々【学園派】と新学園長の方針は私と一致しているし。 という訳で【学園派】の手伝いに動く予定だよ。微力ながら尽力しよう。 >アリオン そうだなぁ……【学園派】は学園を「“能力が有る者が身分を問わず入れる場所へ”しようとする」派閥だ。新学園長も生徒の思想と学問の自由を守ろうと尽力してくれるだろうし、今より風通しの良い学園になると思うよ。
ちなみに、立候補の役職ですが、会計か庶務かなと。適性的には…
>アリオン様 シルヴィア様のご説明に補足をさせて頂く形となりますけれど。 現在、学園は貴族の王党派と貴族派の政治的な代理戦争の場となっており 本来の学生の本分である学びが阻害されている状態となっているのです。 ですから【学園派】としては生徒会の権限を用いて 外部からの政治介入を防ぎ、本来在るべき学びの園の形を取り戻し。 そして学生達が家や派閥といった立場や身分、種族に関係無く 互いにただ一人の者として向き合い、共に成長出来るようにする。 これが、現時点での目標となりますでしょうか。 >シルヴィア様 お手伝いして頂けるのなら、大変有難く存じます。 正直に申し上げますと、人手が足りておりませんでしたので……! >【学園派】参加者 そして、基本的には各自が思うように行動してもよろしいと思うのですけれど。 仮に分担などが出来ましたら効率が良いかと存じますので 相談の場をご用意させて頂いた方がよろしいでしょうか……?
海神江流だよ。今回はよろしくね。 俺は百合園会へ交流活動としておこうかな。 目的は【学園派】の支援になるかな? 俺は前のやり取りで百合園会のクリスタリアさんに顔と名前覚えて貰ってるみたいだから、中立に立っている彼女らにアプローチをかけるならやりやすいからね。 山が動かせるかどうか。試してみたいな
>相談の場 本格的に相談されるのであれば用意した方がよさそうですね。 他の方々の邪魔になりそうな感じがしますので。
ゲルダです、よろしくお願いします。 どの派閥を支援するのか、まだ迷っていまして。 ……ええと。各派閥がどんな主張をしていて、どんな学園を目指しているのか。各派閥からどんな方が立候補するのか。彼らが生徒会になることで、今後の学園がどうなるのか。 既にある情報も多いですが、……さらに情報を集めて、判断材料を増やすために行動する感じかなと思っています。
トーラです。 わたしも学園派の考えに賛成なので、そちらへの協力をさせて貰おうと思っています。 選挙にあまり関心のない人達へ話をしに行こうと思っているんですけど、他に協力できることなんかがあれば言ってください。
>シルヴィア、レティシア わ、説明してくれてありがとう。分かりやすいね。 ギルドの記録とかを見ると、王党派、貴族派、それに学園派のどこが勝っても、今よりは入学の壁は低くなる雰囲気なんだね。 でも、王様や偉い貴族に言われたからじゃなくて、学園生が自分達の意思で開くのが学園派、って事なのかな? 能力のあるもの……これは受恵者の事だけじゃなくて、それこそ皆だよね。僕はそういう考え方、好きだな。 力になれたら嬉しいから、交流の中で学園派の名前を出してみるよ。
レティシアにも本当にお世話になっているからね。少しでも役に立てるよう頑張るよ。 アリオンが学園派について言及してくれるのも有難い。是非よろしくね。 >個人行動予定 今のところは第一剣術部にアプローチしてみようと思ってる。具体的な話の内容は考え中だ。 >【学園派】の相談場所 同じ学園派の皆は改めてよろしくね。 そうだね、学園派用の相談場所があると良いと思う。各自の分担が分かれば効率的に動けそうだ。
〉海神さん あ、百合園会ですが、わたしも連れて行って頂けませんか? ご挨拶と言うか、わたしの考えを伝えておきたくて。 わたしとしては、支援を求めるのではなく、知って貰う、感じです。
エルフのイズレンディル・パラリムと申します。 立場としては無党派になるかと思います。 よろしくお願い致します。 私も百合園会にお邪魔したいと思っております。 面白い知見を求めてるということですので、個人的な希望なのですが留学生枠の設置の話を持ち出してみたいと思います。 それと少し選挙後の懸念を議論してみたいですね。 …そもそも学園が貴族寄りになったのは運営資金を貴族と商人に頼る事になったからですね。 選挙を経てもその状況に変わりはなく。その点を投げかけてみたいと思います。
>個人行動予定 第一剣術部にアプローチしてみるつもりだったけど……第一文芸部の彼とは、前回会った時にじっくり話せなかったな、って。 まだ話す内容も未定だけど、訪ねる場所を変更するかもしれない。先に伝えておくね。
取り急ぎっ 学園派の相談場所を用意しました! 《校舎裏の小食堂》内 です。 https://alpaca-connect.com/world/world0/community/ZBc4dnpdITgzqlbTnJQ2
トーラ様にアリオン様、ご協力ありがとう存じます。 そしてリサ様には、相談場所のご用意して下さった事に感謝を。 【学園派】の詳細な相談については今後はそちらで行わせて頂きますので もしお手伝いして頂ける方はよろしければご確認をお願い致します。
>リサさん 百合園会は、貴族派のコミュニティ3つのうちでは一番柔軟性のある構えだったからね。 黒の後継が貴族派を纏めてくるんだと思うけれど、それにただ流されるのを容認するタイプではないように思ったし、どう振れるかはともかく何もしないって訳じゃないんだろ?ってあたりを伺うついでに焚き付けられればって感じ。 だので直接の学園派の支援にはならないかもしれないけれど、そういう意味では似たようなスタンスで接触するつもりだったから、同行歓迎だよ。
〉海神さん はいっ、今の状況で支援お願いしても 先方にまったくメリットないですから。まずは見定めて貰うところからかなと。 貴族派からのネガティブキャンペーンもありそうですし。
アウレーリアよ、宜しく。 私はまぁ、王国人でも学園生でもない一聴講生ですから。 良いように情報収集とかを頑張ろうと思います。