【鉄鱗】鉄と血と龍殺し

ヴィンダールヴル
よぅ! 今回はご苦労さんだったな。
期待以上に働いてくれたみてぇだな! これで大方の注文をさばけそうだ。助かったぜ!
……そうそう、おかげさんでちっとばかし浮気する余裕が出来てだな。
今度は新しい『防具』を開発しているんだ。こっちも楽しみにしててくれな。
その輪の中には依頼者であるヴィンダールヴルの姿もあった。
「思い返せばいろんなことがあったみたいなのだ」
わんころ系
シグルランのワガママに振り回され、上層ボスである金属の姫に挑み素材を持ち帰ったり。
ホウセキレイの枝場では、虹色含む宝石の羽のみならず卵までも手に入れたり。
金のアルマジロと銀のセンザンコウの枝場では、ヴィンダールヴルと昔話に興じ。
アルパカの枝場では愛らしいアルパカと心を通わせ、もふもふの海に溺れ。
迷宮鼠の少女とともに、有用な素材でありがなら食べてもおいしい上層ボス王鎧蟹を倒したり。
大量の牛頭とアラクネが出現する枝場では、大量の素材とともに冒険者たちは
海中世界のような不思議な枝場では、エイ革、べっ甲、大量の貝殻や染料を入手した。貝の中からわずかながら発見された真珠は大陸の貴婦人を喜ばせることになるだろう。
「そう言えば丈夫な紐が採れるという、新しく発見された主幹路では何があったんでしょう?」
レイヤ・ダライ=カホールは純真な瞳でなにげなくつぶやいた。
穏やかな春の気候の枝場では素材の下処理に利用できる魚を釣るとともに、オレンジ色の紫陽花のもと距離を縮めた男女がいた。
そして封鎖されていた鉄龍の枝場には大量の冒険者が投入され、多くの素材を持ち帰ることが出来た。
「ねぇヴィンダールヴルちゃん。おねえさん、さっきから気になっているんだけど。あれは何なのかしら?」
妖艶な魅力のエミリア・シバが、ワイングラスを片手に言った。
爪の形も美しいほっそりした指が指しているのは、両手で持つくらいの箱のようなもの。
「あぁ。あれはな。シグルランのヤツが置いていったんだ。開発中のブツの模型なんだそうだ」
「ふぅん。なんだかお人形のお家みたいでかわいいのね」
当のシグルラン本人は、すでにドワーフ王国に帰っているので、詳しいことはわからない。
もちろん、刀に使えそうなものを中心に素材の一部を持ち帰っている。
「ところで、ヴィンダールヴルさんの次の新作はなんですか?」
くりくりした瞳の愛らしいトーラが尋ねた。
「おぅ。実はだな、授恵者用の水中装備を開発中なんだ。お前みたいな可愛い嬢ちゃんにも似合うはずだから、きっと喜んでもらえると思うぜ? 楽しみにしててくれな」
ヴィンダールヴルはドワーフ基準では水であるところのエールをグイッと干す。
今回の一連の依頼の中にもあったように、水のある場所で冒険者が戦う機会も多い。
既存に武器の強化だけでなく、幅広い環境にできるようバリエーションを増やすことの必要性を感じた、ということだそうだ。
「素敵! 可愛いお洋服を着たまま戦えたら、もっともっとがんばれると思うの!」
星空模様の角の羊ハーフビーストのアンネエルカが目を輝かせた。
可愛い女の子に似合う装備品とは、まさにアンネエルカが理想とするものだ。
「しかし、なかなかしっくり来るデザインの案が出てこないんだよな」
悩めるヴィンダールヴルにGP教の僧兵ハッタ・ムラムラがアドバイス。
「白と黒で半々に塗り分けるのをおすすめする」
「呵々っ! ソイツはオシャレだ」
ヴィンダールヴルは串焼きを口にくわえたまま冒険者たちの意見をメモに書き付ける。
はたして彼の新作とは――――?
(執筆:九蓮宝燈)
assignment鉄と血と龍殺し 特設ページ
【鉄鱗】連動は『神匠』ヴィンダールヴルより発注された一連の依頼である。エドゥノーグを訪れたこの好漢が言うには、「迷宮に潜り、素材を入手してきてほしい」。各国の軍拡政策に伴って武具の素材が深刻に不足しているのだという。鉱石だけではない。皮革、木材、石材、糸や布、何でもいい。多種多様な素材を大量に商人ギルドに納品してくれ。それをしなければ話にならない。
assignmentここまでの流れ
戦乱の時代の到来を予感したヴィンダールヴルは独自の技術を解禁。これは古代から残る伝説級の武具には及ばないものの、現代作れる武具をより強力にする技術だった。帝国奪還の機運が高まる中のこの知らせに、各国の実力者や貴族、騎士らが配下の為にこぞって注文を始める。しかし――とにかく材料が足りない!
assignment結果
person_pin関連NPC
《授恵者》たちが振るう特殊な武器の作成を一手に担う鍛冶師。扱いの難しい《授恵者》の武器や防具の製作・調整に人生を捧げた結果、鍛冶のみならず、木工、裁縫、彫金など様々な分野に精通し、それぞれの分野の高弟を多数抱えている。
《本連動での動き》
独自技術により冒険者や騎士などの装備の大幅強化に成功。しかし材料が足りなくて困っている。なので、冒険者達に素材の採取依頼を大量に発注した。
刀の製法を再発見し、その功績を持って若くして匠王の座に就いたドワーフ。性格のチャラさは生まれつきだが、鍛冶への情熱は深い。
《本連動での動き》
ヴィンダールヴルに認められた鍛冶師。秘伝を伝授され、クリエイティブ心を燃やしている。
人命第一主義の探索者支援ギルド長。書類仕事より現場に出るのが好き。探索者をとても可愛がっている。自身はたたき上げなのだが、後輩たちに対しては時折過保護ともいえる対応を見せることも。
《本連動での動き》
仕事が増えて大変。ストレスが溜まっている。大量発注はいいけれど探索者たちが危険な目に遭ったり、働きすぎで注意力を損なった結果事故を起こしたりしないかと気が気でないらしい。
menu_book関連用語・情報
エドゥノーグダンジョン
【浅層】、【主幹路】、【枝場】からなる。
【浅層】は2階層からなり、第一階層は水生生物が多い。食料資源の乏しいエドゥノーグにおいて貴重なタンパク源となっている。
第二階層は続く主幹路の入り口として存在しているが、未開拓な道や、新たに発見される道があるなど、一部は入り組んだ地下迷路の様相を呈している。迷宮鼠と呼ばれる浮浪者達が住むことでも知られる。
【主幹路】は地下迷宮の中でも比較的変化が少ない、「通路」として存在している。とはいえ、階段のようであったり、小部屋をくぐり抜けながら地下へと緩やかにくだっていくようなものなど、外観はその時々で様々である。共通していることは、「地下へと向かい」、「たくさんの【枝場】を生み出しながら」、「最終的に行き止まりに至る」ことである。
探索者が【枝場】の探索を行っているうちに、いつの間にかさらに地下へと向かう道ができたり、【枝場】を通じて【主幹路】にたどり着くこともある。
現在確認されているだけでも「夢」「武」「知」「罠」と名付けられている【主幹路】が存在し、それぞれに特徴的な「枝場」を生み出すことで知られる。
【枝場】は少ダンジョン、小迷宮とも呼ぶべき場所で、探索者が挑むことになる場所となる。
探索支援ギルド
探索支援ギルドはその名の通り、エドゥノーグ迷宮を探索することをあらゆる面でサポートしている。その役割は大きく分けて三つ。
まずは安全。エドゥノーグ迷宮の情報を収集、提供している。探索者は地図、出現モンスター、素材、安全地帯などの情報を安価で得ることができる。
次に取引。探索支援ギルドは探索者の獲ってきた獲物を適正価格で買い取る。また、探索者の得てきた情報なども買い取ることがある。
最後に治安。エドゥノーグでは迷宮内での犯罪を犯した者は「迷宮犯罪者」と呼ばれ、通常の犯罪と別枠で厳しく追跡される。
三組織
迷宮を経済の中心に据える三つの組織。
迷宮に潜る冒険者たちをサポートする「探索支援ギルド」、迷宮から得られる資源の利用を行う「エドゥノーグ職人組合」、迷宮から得られる商材を扱う「エドゥノーグ商人ギルド」。
これらはそれぞれの形で迷宮を活動の軸に据えている。
その他
エドゥノーグについて
エドゥノーグダンジョンについて