【泥乱】追いかけろ、その命を繋ぐために

菊華 伴

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シナリオID:3093

オープニング

●その行軍は死出の旅へなりうるのだろうか?
「すべては伝えた。……未練はない」
 アシムベート・グリオウは、振り返ることなく進む。
 目の前には、鳥、鳥、鳥……。荒れ狂う雲霞鳥の群れが迫っている。
 付き従った者達は皆、信頼できる戦士たちであり、覚悟を決めた者達だ。アシムベートと共に、荒れ狂う雲霞鳥と戦うべく全てを賭けるべく集まった者達だ。
 彼らは笑みと共に頷き合うと、進軍を開始する。
 その勇ましく雄々しい様に、悲観はない。なれど、何故だろう、アシムベートの横顔には、僅かな憂いが見えるようだった。
 脳裏に残った、秘密と血を分けた息子の事が脳裏をよぎる。アシムベートはその影を振り払うかのように首を振ると、静かに得物を握り締めた。

 彼は知らない。
 その息子の手によって己の命を助け出してほしいという依頼が出されたことを。

●揺れ動く思いと、空埋めるほどの影

――冒険者達に、依頼したい。
  アシムベート殿への援軍として力を貸してくれまいか。

 レイウェスト・バルタスからの依頼に、集まった冒険者達は顔を見合わせる。ざわつく中傍らの兵士が声を上げ、今回の依頼に関し説明を始めた。
 ここに集められた冒険者たちは、アシムベートへの援軍である。アシムベート達は『泥血啜る月吸蟲』のもとへ雲霞鳥を引きずり込むべく誘導するように動いているという。だが、このままでは彼らは皆全滅してしまう可能性が非常に高い。
「そこで、そなた達の力を借りたいのだ。一刻も早く、アシムベート殿の元に向かい、共に帰還せよ」
 一気に緊張感が高まる中、「すいません」と一人のエルフが数名の冒険者を連れて姿を現す。ユアン・イェーガーが自分で依頼を出し、集めたようだ。
「その話ですが、少し手伝わせてください。皆さんが時間稼ぎをするならば脱出口を作ります」
 ユアンはそう言うと少し表情を曇らせ、酷い悲しみと必死さの混じった顔になる。
「あの方は、私にとって――いえ、このディズルにとって大切なお方、です。命を無駄に散らせては、なりません、よ」
 ユアンはそう言うと小さく笑った。レイウェストは彼女の目を見、静かに頷く。
「そうだ。……決して死なせてはならない方だな。私は、あの方から聞かねばならない事、聞きたい事がある」
 そう言うと、レイウェストは静かに冒険者達を見やると「……頼んだぞ」といって静かに頭を下げた。

 空を埋め尽くさん程の影。その正体は雲霞鳥である。
 冒険者たちの役目は単純明快。これらをひたすら倒し、先へと進んだアシムベート達に追いつく事。そして、彼らと共に生きて帰ってくることである。
 だが、興奮した雲霞鳥の群れは甘くない。数で攻めてくるだけでなく、突然変異した個体もいるようだ。
 身体に雷のような光を纏った物。擦れ違いざまに幻を見せる物。そして、単純に毒を持つ物。それらも相手にしなくてはならない。
 一体一体は強くはないが、数で押してくる。まさに津波が如し。
「ですが、迷う暇はありません、よ」
 ユアンはそういうと、弓を引き絞った。

 ――冒険者達は、行軍を開始した。

解説

こんにちは。 今回はアシムベート・グリオウが率いる一隊への援軍に向かうシナリオとなります。 難易度にご注目ください。『かなり難しい』です。 それだけ沢山の雲霞鳥が飛んでまいります。奴らは数で押してきます。それらを、連携するもよし、強力なスキルでぶっちぎるもよし、スピードだけ追及してアシムベートに追いつくもよし、兎も角、アシムベートの一隊に追いつき、援軍としてがんばってください。 注意点 このシナリオは、参加したPCさんが死亡(キャラクターロスト)ないし重症になる可能性があります。 成功条件 ・アシムベート率いる一隊に追いつき、一人でも多く生存させる ・アシムベートの生存 失敗条件 ・参加した冒険者半数以上が戦闘不能 (里に引き返すことになり、アシムベート達に追いつけなくなります) ・アシムベートの死亡 状況 リプレイの開始は既に出発した状態で始まります。 単純明快、次々に襲い掛かってくる雲霞鳥を倒しアシムベート達に追いつく事。そして援軍として共に戦う事がお仕事です。 たくさん飛んでくる雲霞鳥の所為でアシムベートたちに追いつくまでの時間が分かりません。ただ地面に足跡が残っているので方向は判るでしょう。 アシムベートの動きなどについて 彼は 1:雲霞鳥に集団でちょっかいを出して惹きつける 2:それほど引き離さず、大きな集団となるまで耐久戦 3:そのまま『泥血啜る月吸蟲』のところへ向かう 予定で、皆さんには遅くとも『3』のタイミングでアシムベートと合流、『泥血啜る月吸蟲』と雲霞鳥から逃げてください(『3』の時点でアシムベートのみが生き残っている可能性が高いです)。 雲霞鳥について 大多数は興奮状態ではありますが普通の個体の雲霞鳥です。 しかし次の突然変異した雲霞鳥が混じっています。 雷のような光を纏った物:攻撃力が上がっている。 幻を見せる物:色合いが白っぽい。すれ違うと『蜃気楼の中にいる』ような幻を見る。 毒を持つ物:攻撃されると高確率でスリップ状態になる 6割が普通の個体、残りの4割が突然変異した個体です。全体的に興奮状態です。ひたすら冒険者達に襲い掛かってきます。逃げはしないので派手に切り捨てまくってください。ぶっちぎっても構いませんがなるだけ倒してくださると、合流した際楽になると思われます。 それではよろしくお願いします。 皆様に武運がありますように。

マスターより

今回、レイウェストはオープニングのみの登場となります。 また、アシムベートは援軍については考えていません。むしろ生きて帰る事を考えていません。 ユアンはアシムベートに対して恩義以上の何かがあるようです。なので(本当は援軍に行きたいんですが)仲間と共に脱出ルートの製作・維持に動きますのでそこまで考えなくても大丈夫です。 関連付けはしてありますが、冒険者さんと行動しません。 ユアン「みなさま、どうかよろしくお願いします」

リプレイ


●鬨の声は眩い奔流と共に
 ひっきりなしに飛んでくる雲霞鳥の群れ。
 それを、流星の如き矢がエーテルの残像を残し撃ち落とすも刹那の間に空は埋め尽くされる。
「止まることなく進みなさいっ!」
 ユアン・イェーガーの声が冒険者達の背中を押し、彼女が集めた冒険者たちが矢や魔法による援護射撃で一同を送り出す。
 不意に、雲霞鳥の群れが一部消える。その正体はレイヤ・ダライ=カホールが放ったエーテルの奔流だった。
「道を開きます、行ってください!」
 どうか大酋長を、と祈るような眼差しでレイヤは冒険者達に出発を促すとアシムベート・グリオウとの合流を急ぐ【急援】班の一同が動き始める。
「急ぐぞ!」
 ハヤト=ガラン=ヴォルファングの声に、幾人もの冒険者たちが声を上げる。彼は、簡易的背負子でアルマ・ヴァレンタインを背負い、それでもかなりのスピードで走り去る。
 ナハシュとベルク・オスマットがそれに続く。ナハシュは〈宗波〉で地形やアシムベートの位置を探しつつ進軍していた。
「間に合わせますよ! レイウェストさまにはアシムベートさんの力が必要です!」
 トーラもまた、仲間を急かすべく叫ぶ。その横をゲルダ・クラインが突き進み、数羽の雲霞鳥とすれ違う。その刹那、蜃気楼が見えたような気がした彼女は、咄嗟に〈ジャマー〉を添付した。
(白っぽい個体の鳥(雲霞鳥)とすれ違った途端、目の前がユラユラしました。もしかしたらあれは幻かもしれません)
 ゲルダはすぐさま注意喚起。するとライナ・フレイヴァルツが「置き土産だ」と言わんばかりに闇に漂う暗い霧のような空間をカモフラージュとして出現させ、それに不可視の重力場を発生させる。
 重力の檻に囚われた雲霞鳥が、訳も分からないまま落ちていく。その光景に息をのみながらもフロマーシュ・ダイヤドロップは耳を澄まし、雲霞鳥の動きや特異個体の位置と数を確認しては知らせていく。
「まるで、嵐のようですね」
 コルネリウス・アーラが小さく呟きながら襲い掛かってきた鳥の突撃を盾で防ぎ、走っていく。鈍い音を立ててもう一羽が地面に墜落した。
 ギシュムと盟友であるターミル族として、アシムベートは当然救いたい。その固い意志を抱いて走るは、ハリス・アル・ターミル。彼は恋人たるトゥーリと、己の親友であるフェイサル・セイフと共に走っていた。
「あっちからくるよ!」
 〈天眼〉を使っていたトゥーリが、急降下する鳥を見つけ注意を促せばフェイサルとハリスは軽やかにそれを回避した。

 一方、その後に続く【撃滅】班による攻撃も始まっている。彼らは前進する最中でなるだけ鳥の数を落とすべく攻撃をし、少しでもアシムベート達や仲間の負担を軽くする役目を担っている。
「この数には参るな」
 レピド・クロサイトは神材刀『朔』(漆黒の刃を持つ短刀)に巨大な光の塊を纏わせ、素早く振り下ろす。断末魔もなく落ちる鳥を無視し、新たな鳥が襲い掛かってくるが怯む者はだれ一人としていない。たとえ数多の鳥が強力に突いたとしても、誰も怯まない。
 【撃滅】班の最前列を行くセロンガード・シュタインドルフはエーテルを籠めた光の矢を放ち、鳥が密集しているように見えた個所で派手に炸裂させる。
 レティシア・レインフィールはすぐさま傷ついた仲間達を癒し、不利な状況(BSの添付)を払拭していく。
(衝撃の告白をして、これ?)
 エルは胸の奥に怒りを秘め、矢を射る。
 彼女はアシムベートとレイウェストの事情を聞いた時、レイウェストに同情していたらしい。
 だが、探知用のエーテルの波動を走らせ敵の状況などを探る事も忘れない。
 一方、地形に紛れる迷彩を纏ったうえ泥などを服などに塗ったエルナ・クルプファルツが、ペットのゴリラと共に常時隠蔽で進軍する。先ずはアシムベート達の方へ引き寄せられる個体が確認できるエリアまで進行するつもりだ。

(ルチルさんが何をしようとしているかはわかりませんが)
 それでも力になりたい、とシエラ・フォン・リシェイラとファム=ゴートは頷き合っていた。二人は飛んでくる鳥を攻撃しながらも、ある目的の為にルチル・プルメリア・グレイハーツに手を貸していたのだ。
 だが、そのルチルは今、一つの『不安』が募っていた。
(……わからない)
 彼女は目的のために戦いながらも自分の技能を使い(宗波と看破とホークアイを併用し)、エーテルの濃い場所を探そうと考えていた。だが、それが分からないのだ。それもその筈、彼女の使っている技能(スキル)はエーテルを見たり感じたりするものではない。
 ルチルはシエラとファムには「封印地帯のエーテルを利用する」としか伝えていないが、そもそも彼女が行おうとしていることが果たせるか、雲行きが怪しくなってきた。
(必要な物は膨大なエーテルに、後は器が……。ハナから惜しむ命はないけれど、この状況下で至れるのだろうか?)
 ずっと夢見ていた空を覆いつくすほどの鳥。その予想以上に多い影と、エーテルの濃度が分からないという現状に、ルチルの心が曇る。だが、彼女はその迷いを振り切った。
「わからなくとも、この戦場で、アタイは……!」
 エーテルを込めた光の矢が、鳥の固まる場所で炸裂し無数の光破片となった。落ちていく鳥をそのままに、ルチルは行く。
 その様子を、ファムは進行方向にて光輝くエーテルを高速で収束させ暴風を招く。その眼差しは純真で。
「行こう」
 今は、鳥を倒そう、とファムは呼吸を整えながら敵を見据えた。

「みんな、平気か?!」
 蜃気楼を見せる個体を切り捨て、アルベルト・V・シュタールシュヴェーアトが仲間達へと問う。
「治療します」
 彼に刻まれた傷を、アンジェが素早く癒す。だが、そんな隙も与えないというのか、数羽の雷を纏った鳥が飛んでくる。
 アルベルトがアンジェを庇おうとした刹那、真横を通る光の奔流。放ったのは、ペルゼィックである。
 その奔流を避けて飛ぶ鳥を、ヴィルヘルミナが光を纏った月光(太刀)を振るい数羽纏めて断ち切った。
「次来るぞ」
 ペルゼィックの言葉に、3人は次の敵へと向き直る。
「しかし、途切れる事がありませんね……」
 ヴィルヘルミナは、額に浮かんだ汗を拭い、得物を握り締めた。

 冒険者達は己の技を、武器を振るい突き進む。癒して達は時に毒を喰らい、時に傷つく者達を癒しながら、先を急ぐ。
 ユアンをはじめとする冒険者たちが退路を確保している。だが振り返らず、突き進むだけだ。
(まだ間に合う筈だ。いや、間に合わせる)
 ベルクは鋭い眼差しを進行方向へと向けた。

●死出の旅路
 アシムベート率いる一団は鳥を挑発し、『泥血啜る月吸蟲』へと鳥の群れをぶつけ始めていた。
 鳥は、彼らの想像以上の数が引きつけられ、襲い掛かってきた。傷ついた者を回復させる暇がないぐらいに。
 一人、また一人と倒れていく。屈強な戦士と言えど、その数は尋常ではなかった。その上、特異個体も複数いる。アシムベートは、血交じりの唾を地面に吐き捨てながらも前を見続けた。
(たとえここで力尽きるとしても、責任を果たす)
 まだ、武器は握れる。大地を踏みしめられる。ならば、まだ戦える。アシムベートは思い切り息を吸った。
「さぁ、歴戦の戦士たちよ! ここで気張れば里が救われるぞ! その剣を離すな!!」
 雄々しい雄たけびがいくつも聞こえる。倒れた者はいるが、まだ、士気は高い。
「行くか、死出の旅路へ」
 傍らのキャスターだろう女性が、アシムベートに笑いかける。彼女に頷き、アシムベートもまた武器を手に躍り出た。
 彼らは鳥を引き付けるべくあらゆる手を使う。そして、『泥血啜る月吸蟲』の方へ誘導していった。

●その手を確かに伸ばすために
「カホールの娘、ダライの子、霧払いのレイヤがお相手します」
 レイヤは光り輝くエーテルを収縮させ、派手に爆発させる。巻き込まれた鳥が音を立てて落ちていく。
(きっと征龍様の加護があります)
 巫女など必要ありません、とレイヤは勇ましい笑みで死力を尽くす。
 道を切り開いた彼女はユアン達に「後は任せるように」と言われ、【急援】班と共に行動していた。
 彼女が起こした爆発は、活路を切り開くのにちょうどよかった。しかし、鳥は次々に襲い掛かってくる。
 沢山の鳥を落とし、切り捨てたが、次々に飛んでくる。雨の如きその群れは、【急援】班の者達を苛んでいた。
(まだ見えないのでしょうか?)
 囮を担当するトーラが躍り出る。すぐに鳥は群がるものの、トーラは必死に回避していた。それでも鳥の爪や嘴が彼女の服を、肌を掠め、その傷は徐々に深くなっていく。
「うっ……!」
 雷を纏った個体の体当たりに、ハヤトが呻いた。だが、それでも一気に切り裂き、先を急ぐ。彼の声が響く限りは、立ち止まることは無いだろう。背負われているアルマは〈アンチ・サイ〉の効果があまりない事に表情を曇らせている。
(サルベーションオールもあまり沢山使えないし……)
 毒の個体にハヤトが攻撃を喰らった際に使ったきりなのでまだ余裕はあるが、いろいろ気になるところではある。
「しつこいものだな」
 ライナが深い闇色の衝撃波を、別の雷を纏った鳥に飛ばす。大半は通常の個体だが、時折飛来する突然変異個体がとても厄介だ。〈ジャマー〉を試してみたが、あまり効果を感じられなかったのも厳しい。それは先を行くゲルダも同じらしく、表情が僅かに険しかった。
 鋼の祭刀にエーテルの光を纏わせたフロマーシュは、長大な刃を持ったそれを握り締める。同時に不可視のエーテルを範囲内へと張り巡らせれば、数多くの鳥たちが囚われる。けれどもそれでもあとからあとから飛んでくる。
「アシムベート様たちへの手がかりは、まだこの足跡ぐらいでしょうか?」
 声が聞こえたら……、とフロマーシュは祈るように呟きながらも先を急ぐ。彼女の眼差しに迷いはない。
(予想以上の数だが、まだ行ける)
 ベルクが手早く鳥を切り裂き、その先を行くナハシュを見る。彼は彼が持つ技術(複数のスキル)を使いアシムベート達を探しているのだ。
「どうだ?」
「まだ、分からねぇ。だが、足跡はある。こっちの方向で間違いない」
 幸い彼はまだ傷が浅い。先行しながらアシムベート達の居場所を探すことに集中する。そんな彼に来る鳥を、ハリスとトゥーリ、フェイサルが素早く処理する。そして、コルネリウスもまた、盾で弾いていた。
 開墾の竜爪(竜牙の槍)を振るい、先を急ぐハリス。普段は争いを好まない彼だが、さすがに今回の一件(アシムベートの行動)や鳥の異常発生は見過ごせなかった。
(それだけではなく、殿下の為にも生きて欲しいのです)
 ハリスは心の中でアシムベートに願った。
「囲まれる前に突破しちゃおう!」
 トゥーリが全体に叫ぶ。彼女は注意深く周囲を見、耳を澄ませ(〈天眼〉と〈超聴覚〉を同時に使用し)て鳥の動きを把握し、注意を放ったのだ。
 一方、フェイサルは傷が深そうなトーラを始めとする面々の横顔に表情を引き締める。同時に温かい太陽の光に似た癒しの光を周囲へと向かって放ち、傷を癒していく。
(まだ、先に……)
 アシムベート達との合流を急がねばならない。そして、伝えたい言葉がある。しかし、今は突き進む事、アシムベート達に追いつくことが先決だ。フェイサルは思考の海から顔(意識)を上げ、他に治療が必要な人がいないか注意深く見渡した。
「なんだか、数が増えていませんか?」
 不意に、鳥を弾き続けていたコルネリウスは問う。その言葉に【急援】班の一同はそれぞれ目や耳……感覚を澄まして探る。
「……確かに、増えてやがるな」
 ハヤトが、苦々し気に呟きながらも戦意の漲る眼差しを向けた。そして、ナハシュなど探索系のスキルを使用する者達は、自分たち以外の何者かの存在を遠くに感じ始めた。

「次ッ!」
 【撃滅】班の先頭は、変わらずセロンガードだった。彼は〈天眼〉で周囲を確認しながら三度炸裂する矢を打ち込む。
 そして、エルもまた雷のような光を纏った個体を見つけ、精神を研ぎ澄ました一矢を放つ。だが、死角から迫った白っぽい個体とすれ違い、前方に蜃気楼が揺らぐ。
(いつの間に?!)
 幸い、長い時間は続かない。それでも視覚に邪魔が入るのは少しの時間とはいえ辛いものだ。
「白っぽい個体、増えました! 用心してください!!」
「そいつらは他の個体より弱い! すれ違う前に倒せ!」
 幾度かの接触で特徴を掴んだのだろう、ペルゼィックがエーテルを高速で収縮させ、氷嵐を巻き起こしながら叫ぶ。
 ヴィルヘルミナが手にした武器に光の塊を纏わせたかと思えば、一気に振り下ろして鳥を巻き込む。できる限り沢山の鳥を巻き込んだのだろう。一瞬だけ空間に鳥がいなくなったように見えた。
「まだまだいきましょう!」
「えぇ、どんどん撃ち落としましょう!」
 ヴィルヘルミナとエルの言葉に、セロンガード1つ頷き、ペルゼィックは「わかりきったことを」とぽつりと呟いた。
 レピドはヒットアンドアウェイで鳥を討ちつつ、毒のある個体の特徴を探ろうとしていた。何度も様々な鳥を攻撃しているうちに、白っぽい個体に寄り添う、濡れたような体の個体に気付いた。
「! 幻覚を見せる奴にだいたい寄り添っていて、翼が濡れていたら毒持ちみたいだ!」
 レピドは白っぽい個体と寄り添う個体を同時に切り伏せながら答える。
「クロサイトさんお手柄だ! みんな、気をつけるんだ!!」
 アルベルトが言葉を続け、レピドと連携し鋭い一矢を放つ。みごと、濡れた個体を射貫いた彼は次の敵へ狙いを定めた。
 レティシアとアンジェは手分けしてけが人を治療する。彼女たちのお陰で【撃滅】班のメンバーは深い傷を負っても倒れずに済んでいる。だが、徐々に消耗していくのは目に見えていた。
(【急援】班は、アシムベート様に近づいているのでしょうか?)
 レティシアがふと先を行く面々を見、手にした武器を握り締める。アンジェもまた、僅かな焦りを覚えつつ治療を続ける。
「……そろそろ温存しておきましょうか」
「そうですね。中には治癒の手段を持つ方もいるでしょうから」
 一旦、スリップ等の解除をメインにしよう、と頷き合う二人はどうにか鳥の攻撃を回避しながら仲間に続く。そして、彼女たちをさらに襲おうとした鳥が、炸裂する矢に穿かれた。
 その矢を放ったのは、隠れていたエルナである。彼女は可能な限り特異個体を狙っているが、時に攻撃を喰らう事もあった。
(流石に、毒はつらいですね)
 毒を齎す個体の攻撃を避けられなかった。幸い、毒は貰わなかったが運が悪ければ……。一人隠れた状態で進んでいるエルナにとっては死活問題だ。
(やはり、特異個体は脅威です)
 矢による不意打ちで特異個体を討つと、エルナは表情を引き締めた。

 命を惜しむ心算はなかった。覚悟はできていた。だが、ルチルは竜にはなれなかった。そもそも、エーテルの濃度が高い場所がどこか、持っているスキルでは調べることが出来なかった。
「遠いんだねぇ、竜への道ってのは」
 ルチルがどこか遠い目をしつつも鳥を攻撃する。彼女はずっと竜に転生し空を駆ける事を夢見ていたらしい。そこに様々な要因(約束と、愛した世界の為と様々な理由)が重なり、今回実行しようとしたようだ。
「ほら、行きますよ!」
「本隊のバックアップをしますよ!」
 彼女はシエラによって本隊へ引っ張られ、ファムに諭され、苦笑しながらも本隊へと合流する。

 その時、【急援】班のナハシュは、思わず呻いた。
「こいつは……!」
「やっと、追いつけたのですか?」
「かもしれねぇが、鳥が多すぎる!!」
 追いついたゲルダの声に、ハヤトもまた苛立ち交じりに応える。彼らは、遠くに倒れ伏したリザードマンの戦士達らしき影と、傷だらけで戦い続けるアシムベートと2、3人の戦士の姿を僅かに見たのだ。
「このまま行こう!」
 背負われたまま、かなりの傷を負ったハヤトを治癒したアルマが嬉しそうに声を上げる。
「突入しましょう! 鳥には鳥ですっ」
 レイヤが忌まわしき鳥の群れを解き放ち、鳥達にぶつけるという荒業で突破口を開けば、ベルク達が素早く駆け込んでいく。
「私に続け! 時間が惜しい!!」
「急げ! 血の臭いが濃い!! 生存者を生還させたかったら走れぇええ!」
 ベルクが疾風の如く駆け抜け、〈超嗅覚〉で探っていたハヤトが発破をかける。
 各々が己が持てるあらゆる手段を使って急いだだけではない。トーラが囮を務め、【撃滅】班が精いっぱい鳥と戦った結果、今に繋がっている。
(少しでも早く!)
 トーラは一度深呼吸すると再び大きな声を上げ、響かせる。鳥が彼女に釣られ、少し道が開けた。だが、傷ついた身体は徐々に赤く染まりつつある。
「もう少しだ」
 フェイサルが気合でトーラを巻き込み数人ほど治癒し、トゥーリは「このまま行っちゃって!」とGOサインを出す。だが、鳥も黙ってはいない。すぐに舞い戻り冒険者達へと攻撃する。そこへ飛び出る光の塊。――ハリスが放ったものであるらしい。
(もしかして、あれは……)
 鳥の群れの奥、彼の目に黒い点のような何かが見えた。
「ここが正念場です」
 フロマーシュはコルネリウスを纏っている防具ごと淡い透明な光で包む。
「えぇ、行きましょう!」
 コルネリウスは凛とした笑顔で頷き、突っ込んでくる鳥へと盾を突き出した。鈍い音と確かな衝撃が手に伝わる。だが彼女は揺るがない。目的を達成させる。その固い意志故に。

 一方、【撃滅】班は撤退時少しでも楽に進めるよう、襲い掛かる鳥相手に奮戦していた。
(地獄とは、こんな場所なのでしょうか?)
 シエラは竜石の祭刀に眩い光を宿して非常に強力な一撃を見舞いながら考えた。彼女と背中合わせになったレピドは荒い呼吸で立ち続けている。彼は先日の依頼で受けた傷が癒えぬままこの戦場にいた。傷の痛みを無視して走り続けていたが、限界が来たのかもしれない。
(これ以上は、危ないか。……ここには生かす為に、生きる為に来たんだ)
 レピドは「すまない」と事情を説明する。だが、前線を引こうにも安全な場所などない。回避や防御に専念する事しかないが、シエラはそれでいいと思った。
 そこにアンジェが駆けつけ、二人の傷の具合を見表情を険しくする。彼女は離れた場所にいたレティシアに何かを伝えると、周辺の仲間を癒すべく温かな太陽を思わせる光を放つ。そして、雨の如く降り注ぐ大量の小さな光弾。ペルゼィックが放ったものだ。
 彼の厳しい眼差しが周囲を見渡す。鳥の数が徐々に増えていく様に何かを感じ取っているようにレピド達には思えた。
 一方、奇蹟的な回避により浅い傷で済んでいるセロンガードの矢が、隠れながらも仲間を守ろうと奮闘するエルナの矢が、忠誠を誓う皇子の親を救うと誓ったアルベルトが放った強力な矢が次々に鳥を落としていく。
(気を取り直して、こっちに集中するかね)
 気分を切り替えたルチルは破壊力の増した一矢を放ち、確かに鳥が落ちるのを見る。だが、これまでに受けた傷は酷く痛む。そこへ手を貸したのはエル。彼女は簡単な治癒を施すと「大丈夫、ですか?」と問いかける。ルチルは「ありがと」と笑顔で頷いた。
 傍らではファムがヴィルヘルミナを呼び止め、治療をする。
(本当は温存しておきたかったけど、そうも言ってられない)
 治癒しながら周囲を見渡せば、鳥の飛んでくる様がよくわかる。倒しても、倒しても飛んでくる津波のような群れに、辟易したくなるが……。
「できる限り倒しましょう。いえ、全て倒す勢いで」
 ヴィルヘルミナが愛用の武器(月光)を強く握りしめる。武器が宿したエーテルの光は未だ失われていない。ならば今やる事は戦う事だけだ。
 レティシアは〈戦術眼〉を駆使し戦闘不能者や死者が出ぬように回復優先者を判断していた。その上、連携をとる事で【撃滅】班は治癒の手段を無駄に減らさず済んだようだ。
(それぞれが、癒しの手段をまだ保持しています。合流後の治療にも役立てられるでしょう)
 それでも油断してはならない、とレティシアは表情を引き締めた。

 ――生きて帰るまでが、作戦なのだから。

 そして、どこかで派手に何かが破裂したような音を聞いた。

●幾筋もの糸
 荒い呼吸のまま、アシムベートは強く武器を握り締める。
 『泥血啜る月吸蟲』へと鳥の群れをぶつけ続け、残ったのは彼と2、3人の戦士のみ。あとは皆地に伏して先へ逝ってしまった。
「……まだ戦えるかい?」
 キャスターの女性が、息も絶え絶えに問いかける。彼は静かに「あぁ」と頷くも、彼方此方に刻まれた深い傷から血を流し続けていた。
 最後まで抗い続けられるだろうか。それとも、もう……。
(それにしても、いい顔になったな……)
 アシムベートは、黒曜石のような髪と赤い瞳の皇子(息子)を思い、小さく微笑んだ。
(すまない)
 そのまま膝をつく。傍らの仲間の声が遠い。あぁ、このまま地に伏せるのだな、とアシムベートはぼんやりと思った。

 しかし、その武器が地面に落ちることは無く、眩い光がアシムベート達を包む。
「アシムベートさん! みなさん! 迎えに来ましたよ!!」
「何っ?!」
 アルマがハヤトから降り、3人へと駆け寄り治療を行ったようだ。その光により、彼を含めた生存者たちの傷は、全てではないものの癒されていく。
 心の底から驚いたのだろう、アシムベートの目が見開かれる。ふと目が合ったのはトゥーリとベルクだ。
「ワタシ達は、バルダスさんから、アナタの事を任されました!」
 トゥーリが微笑むが、ベルクの眼差しがアシムベートに突き刺さる。
「アシムベート殿、退路は確保されたぞ! 先祖代々の使命感があるのだろうが、一勢力の長として自身の影響力を考えて行動して頂きたい!」
「……鳥の群れを、まだ『泥血啜る月吸蟲』にぶつける必要がある。その為に、ここにいる!」
 彼女の言葉に、アシムベートの表情が更に険しくなる。その間にも鳥は駆けつけた冒険者達により切り払われ、倒されていく。よく見れば、多くの冒険者達がそこに集まっていた。トゥーリが言った事は本当なのだな、とアシムベートは漸く納得し始める。それだけ死ぬ覚悟で戦っていた事に繋がるのだろう。だが、それでも……。
「御自身には心残りがなくとも、まだ貴方と話したい方が、いらっしゃるのではないでしょうか」
 敵を確認したコルネリウスは素早く盾を構え、アシムベートを庇う。そして、その傍らにトーラが立ち、鳥を切り払う。
「レイウェストさまはやっと本当の父親を知ったんです。それなのに、まともな会話もせず死に別れるおつもりですか? アシムベートさんとギシュムの方はこれからもレイウェストさまのお力になって下さい!」
 ボロボロになっても尚、トーラは「私は本気です!」という思いを全身から立ち上らせる。小柄な乙女であると同時に歴戦のシーフたる彼女に、アシムベートは僅かに息をのむ。
「貴方がここで死んでしまったら! レイウェスト殿下はずっと後悔します! アシムベート様! わたし達を、――冒険者を、もっと頼ってください!」
 ゲルダが、〈殺界〉で敵が近づけないようにしながら叫ぶ。まだ【撃滅】班は来ていないため、少し時間を稼ぐべく用意したようだ。
 アシムベートはゲルダの言葉を聞き、倒れ伏した仲間達の姿と集まった冒険者達、鳥の姿を見て重々しく呟いた。
「あと1度。あと1度……それで、鳥の群れは大きく削れる」
 だから、手を貸してほしい、と。
 その言葉に応えるように動いた者がいた。フェイサルだ。
 周囲の人数を確認した彼は、エーテルの波動を開放する。とアシムベートを始め範囲にいた(直径3へクス以内にいた)者たち全身から鬼火のような蒼白い光が立ち登る。
「アシムベート殿。あえて言わせてもらう。死地に赴くのも戦士としての責任ある在り方ではあろう。だが、貴殿が今果たすべき責任はヒトの親のそれだ」
「我々リザードマンは、確かに家族の繋がりというものが薄い。それでも、まだ交わすべき言葉はあると思うのです」
 親友の言葉に頷き、ハリスが彼らを庇うように立って鳥を相手取る。それに合わせ見事な三連撃を見舞うハヤトも更に言葉を重ねる。
「レイウェストに、もっと親父として伝えてやるべき事があんだろーがよ! その為にも、冒険者も手を貸すぞ!」
 彼の言葉に、頷くアシムベート。しかし、完全に傷が癒えているわけではなく、貧血を起こしているのかふらふらしている。
 他の二人は、どうにか動けるようになったらしい。ナハシュは辛うじて全員生きて帰れそうだと僅かに笑い、すぐに表情を引き締めた。〈宗波〉を飛ばし【撃滅】組の位置を把握した彼は閃光塗弾を懐から出し、ピンを抜いて向かってくる敵へと次々に放った。

 ――そして、次々に炸裂する音と光。

 アルマ達がアシムベート達を癒し庇っている間、レイアが死力を尽くし退路を確保していた。ナハシュが投げた閃光塗弾の光にやられたのか、気絶したと思われる鳥がぼとぼと落ちてくる。
「そろそろ合流するぞ」
 ナハシュの言う通りで、レイアが確保した退路を通り【撃滅】組が姿を現す。そして、アルベルトは走ってアシムベートの名を呼び、真剣な眼を向け、何かを告げる。
 アシムベートは、彼の他にも何か言いたい者達の眼差しを覚えた。だが、まだやる事がある。レティシア、アンジェ、シエラは「『泥血啜る月吸蟲』へ鳥をぶつけなければ」と仲間達に言うとすぐさま行動を開始。アンジェは【撃滅】組を可能な限り範囲に(直径3へクス以内に)集め、エーテルの波動を広げる。
「さぁ、もうひと頑張りですよ!」
「出遅れるな、行くぞ」
 フロマーシュとライナは頷き合い、〈殺界〉と〈虚栄の監獄〉が展開される。そして、レティシア、アシムベートと、生き残った者達は頷き合い『泥血啜る月吸蟲』を見る。
 ゲルダは1つ頷くとエーテル光を全身に纏い、盾を構えて体当たりするよう向かってくる鳥の一団に突進し、衝撃でもって吹き飛ばした。

 冒険者達は、アシムベート達と共に力を合わせ『泥血啜る月吸蟲』へと鳥の群れを引き付ける。そして鳥の群れは……。

●戦場に立った全ての者に安寧を
 暫くして、冒険者達とアシムベート達は、無事集落にたどり着いた。
 だが、相当無理したのだろう、安全地帯に入った途端、倒れこむ者や意識を失う者が現れた。
 アシムベートをカバリングで守ったコルネリウスもまたその一人で、待機していた者達の手を借り漸く救護用の天幕へ向かえた程だ。
 彼女が意識を取り戻した時。フェイサルがアシムベート達を含む重症者等の治療を行っていた。疲労でふらふらでも、彼のやる事は変わらない。
 そして、アシムベートは、帰路にも沢山の言葉を冒険者達から貰っていた。
「必ず生きて帰りましょう! わが主君レイウェスト殿下の為にも! 殿下にはこれからも貴方の支えが必要なのです!」
 合流時、すぐさま駆け寄ったアルベルトが、真剣な表情で告げる。その眼差しに偽りはないのを覚える同時に、レイウェストには力強い味方がいることを改めて感じた。
「長として果たすべき責務がある事、弱さを見せてはならぬ事は私も理解しております。ですが、殿下を始め今も貴方を必要とする方々を置いていき、生涯消えぬ心の傷を負わせるおつもりですか」
 撤退直前、レティシアが厳しくも悲し気な眼差しを向けた。その唇が、僅かに震える。
「私は……、いつも、置いていかれる側でした。ですから、他の皆様には同じ想いをして欲しくありません」
 その寂しい声を思い出し、アシムベートの目が僅かに揺れる。
「あれ一回きりで俺が満足したと思うなよ。あんたに習いたい事がまだあるんだ」
 ペルゼィックが、自然体にも真剣にも思える声色で。
「衝撃の告白、して、これですか? 最後まで、責任、取ってください」
 エルが怒りを滲ませて。
「アシムベート様。冒険者達の(わたしたち)言葉は、すべて、本心、です。依頼主(レイウェストさん)の願いも、きっと……」
 集落に着いた際、ユアンが泣き腫らした顔で出迎え、はっきり言った。

 冒険者達からの言葉を、静かに受け止めたのだろう。アシムベートは瞳を閉ざし、ぐっ、と拳を一度胸に軽く叩きつける。
 急に名を呼ばれ、ゆっくり目を開けると小柄なゴブリンの少女、ファムがいた。傍らにはフェイサルもいる。
「あのね、ルチルが言ってたよ。『私は父から十分受け取れましたから、彼との親子の時間を今度は貴方が守ってください』って」
 と、ルチルの伝言を言い会釈するファム。その間に、フェイサルは静かに手当を始める。彼はその手を止めることなく、静かに口を開く。
「命は何より尊い。なればこそ、命を懸けた戦いからは何としても帰らねばなりませんよ」
「そう、だな……」
 アシムベートは、もう一度瞳を閉ざし、ゆっくり頷いた。

「後継も定っていない中で逝かれると、後継争いで湿地帯が混乱するだろう。尚且つ主君(レイウェスト殿下)の心情を考慮すると……、死なれると大変大問題なので首根っこひっつかんででも引き吊り戻す所存だった」
 ベルクがため息一つ吐いて壁に持たれる。まぁ、彼女は殿下の意思が最優先。故にアシムベートの意志など、最初から考える余地もなかった。
 ヴィルヘルミナは、そんなベルクに軽食を渡すと、傍らに座る。
「今回の件は、それで良かったんですよ。どんな理由であれ、私達はグリオウさんを助けることが出来ました」
 そう言いながらヴィルヘルミナが軽食を食べ始め、ベルクも習う。二人は目だけで互いを見、労い合った。
 かと思えばエルナがユアンから水を貰い纏った土などを拭っていく。傍らのゴリラもまた、冒険者によって綺麗にされていた。
「ゆっくり休んでください」
「ありが……もうちょっと優しくしてください、傷に沁みます~」
 そんな光景にアンジュとフロマーシュは思わず苦笑いになるも、無事に依頼を終えたことを実感した。

 何はともあれ、彼らはアシムベートをどうにか生還させることに成功した。
 その知らせを聞いた者たちは皆安堵した。恐らく、報告を聞いた依頼主も、また……。

(終)




マスターコメント

みなさま、お疲れさまでした。 結果はご覧の通りです。多少重症者は出ましたが、どうにかこうにか……と言ったところです。 今回は甲乙つけがたいためMVPはありません。2つの班に分かれたというのはナイスアイデアでした! それでは、また縁がありましたら宜しくお願いします。
イベントシナリオ

イベントシナリオ非常に難しい 報酬:多い25 / 10〜25人

2023年08月01日 10時48分14秒 公開

成功

相談掲示板

  1. アルベルト・V・シュタールシュヴェーアト

    ウォーリアのアルベルト・V・シュタールシュヴェーアトだ。 よろしくな。 レイウェスト殿下の御父上を死なせるわけにはいかない! 必ず成功させるぜ! 今回俺は、道中に雲霞鳥を倒しまくろうと思っているぜ。 雲霞鳥は低空とはいえ飛行しているので弓を装備するぜ、いつもより攻撃力は低下してしまうがどうにななると思う。

  2. ハヤト=ガラン=ヴォルファング

    おーっす! ブレイブファング傭兵団のハヤト=ヴォルファングだ、よろしくな!! アシムベート達を死なせるわけにゃいかねーからな、雲霞鳥共は極力殲滅しながら進みてぇとこだがそーなると救援が遅くなっちまう… 少数でも構わねぇからまずはアシムベート達の援護に向かう【急援】部隊と雲霞鳥共を極力撃破しながら合流に向かう【撃滅】部隊に分かれて最終的に全員合流の作戦を考えてみたが皆の意見はどーだ? 【急援】部隊の方は脚の速いシーフが中心になって回復役のヒーラーやまだ参加者はいねぇみてーだが範囲攻撃が得意なキャスターを背負ってまずは合流優先で駆け抜けるって感じをイメージしてんだけどよ!

  3. レピド・クロサイト

    レピド・クロサイト、シーフだ。よろしく頼む。 アシムベート達をなるべく生かすには出来るだけ早期に追い付いて引き換えさせないといけない、故にハヤト案には個人的には賛成だ。 ……その場合、【撃滅】側にもシーフを入れて両班互いにマーキングしておけば後に合流しやすくなるのかな、と思った。

  4. ライナ・フレイヴァルツ

    キャスター、ライナ・フレイヴァルツだ。 雲霞鳥の数が多くキャスターが一人でも必要だろうと思い、 微力ながら援護させてもらう。よろしくな。 皆が生きて帰れる為に力を尽くすつもりだ。 【急援】と【撃滅】だな。 他に立候補者がいなければ背負ってもらう前提だが【急援】部隊の方に行こう。 でも、背負ってもらって大丈夫なのか?きっと重いから………移動力低下しないか? 背負ってくれるなら隠蔽して狙われないようにして温存しつつ、 背負ってる者に超視覚で周囲の状況を伝えて、進路上で雲霞鳥に囲まれたら範囲攻撃を撃とう。 あとは、突然変異した個体がいたら行動不能のバッドステータスをかけて鳥を墜落させてみる。 移動阻害や撤退も想定してグラビティフィールドも持っていこう。

  5. フロマーシュ・ダイヤドロップ

    ウォーリアのフロマーシュ・ダイヤドロップと申しますっ。皆様よろしくお願いいたしますっ! みんなで無事に乗り越えられるよう、頑張って参りますのでっ! 私も移動力はそこそこありますので【急援】側に参加しようと思いますっ。 今の所は、殺界での足止めや、堅甲とヒールでの防衛に、余裕があれば範囲攻撃もしていくつもりですっ。

  6. フロマーシュ・ダイヤドロップ

    あ、あと、ライナ様を背負って移動するなら、チャージングも使ってスピードを補っていく、という感じでいけそう、でしょうか?

  7. ヴィルヘルミナ

    ヴィルヘルミナです。今回はよろしくお願いします。 私はあまり足は速くないので、蹴散らしながら進んでいこうと思います。 範囲攻撃もいくつか持っていくつもりですが、おそらく足りないでしょうね。 数えるのも面倒なくらいに多いでしょうし。

  8. レピド・クロサイト

    ……すまない、先の依頼で重体を貰ってしまった。 この状態では誰かを背負って奥へ進むのが難しいので、【撃滅】の方で支援行動が出来ればと思う。 なるべく足手まといにはならぬようにはするが……よろしく頼む。

  9. ルチル・プルメリア・グレイハーツ

    情報屋のルチルだ。クラスはシューター、よろしく。 突っ切っていくには敵の層は厚い。 しかし長々と敵の処理に時間をかけてしまえば大酋長の部隊は次々と命を落としてしまう。 多少強引な手に踏み切っても、機動力で突貫できる部隊を先に向かわせる方針に賛成だ。 できればここで、決死の覚悟で歩もうとする彼らの足を少しでも止める言葉を用意しておきたい所だが…。 アタイは足が速い方ではないし、体も軽くはない。 【撃滅】の方で着実に一歩を進めて行くつもりだ。 >レピド 不幸に重体をもらってしまうのは仕方ないさ。 ステータスそのものは落ちていないが、無理な戦いはしないでくれればいい。

  10. エルナ・クルプファルツ

    エルヴンシューターのエルナです!みなさまよろしくお願いしますね! 先行で合流する部隊を作る案!良いと思います! 私は移動力が低いのと隠蔽戦闘が主体になるので【撃滅】側で、アシムべートさんたちの方へ向かおうとしている雲霞鳥さんたちを中心にダメージを与えてまわろうと思います!

  11. コルネリウス・アーラ

    すみません、遅くなりました。ウォーリアのコルネリウスです、よろしくお願いします。 取り急ぎとなりますが。 【急援】と【撃滅】に分ける方針、承知しました。 移動力もそれなりに出せますから私は【急援】へ回りたいと思います。 突破後はアシムベートさんを優先に護るように動けたらと考えています。

  12. ペルゼィック

    ペルゼィック。キャスター(←挨拶 ギリギリの参加で悪いな。 おっさん(アシムベート)には恩がある。今回はおっさんにとって迷惑な話かもしれねえが、 俺は移動以上に防御も生命も低いからな。【撃滅】で【急援】が行った道の敵を攻撃して合流する為の道の確保でもしようと思う。

  13. アルマ・ヴァレンタイン

    ヒーラーのアルマだよ、どーぞよろしくねー 【撃滅】【急援】の分担りょーかい 回復メインに積み込んで【急援】のほうにまわろうかなと 状態異常解除も1枠もってくけど幻のはアンチ・サイで節約…できるといいなあ いちおう移動4は出せるけど重量は軽い…ハズなので持ち運びも可?

  14. ハヤト=ガラン=ヴォルファング

    【急援】と【撃滅】の分担に賛成してくれてサンキューな! 俺は【急援】でいち早くアシムベート達の所に駆けつけるつもりでいんぜ!! 希望者がいれば背負ってくつもりだから言ってくれな!! 人を背負っての移動にどんだけ制限が出るかはMS判断ってことだが、俺達授恵者なら人1人背負ってるくれーで機動力が激減ってこたぁねーと踏んでるぜ!

  15. ゲルダ・クライン

    ウォーリアのゲルダです。よろしくお願いしますね。 【急援】と【撃滅】の分担、ですね! とても良い案だと思います! 悩みますが、チャージングと移動力5を確保しての【急援】で考えています。 殺界で【撃滅】の方々が到着するまでの間、敵の足を止められたらなと。

  16. ナハシュ

    シーフのナハシュだ。今回はよろしく。 【急援】と【撃滅】で別れる感じだな、了解だ。 足は速い方だしな、【急援】の方で考えておこうと思う。 PCを背負った場合について、昔決戦かなんかで背負ったことがあるんだが、そん時は確か背負う奴の装備値+俺の装備値足した移動力で計算してたな。 背負って運ぶことは出来なかった、みたいな描写はなかった筈だから不可能じゃないはずだぜ。 結構前の話だから今回違うかもしれねえが、一応参考までにだ。

  17. セロンガード・シュタインドルフ

    シューターのセロンガードです。今回は宜しくお願い致します。 【撃滅】側で攻撃を回避しながらひたすら炸光矢を撃ちます。必要そうなら煙幕も投げます。

  18. ライナ・フレイヴァルツ

    まだ発言していない人も含めて変動もあると思うが、 表明している方を以下に分けておこうと思う。確認漏れがあったらすまない。 それとマーシュと移動力も同じで、無理に背負ってもらうこともないかなと思うので 私も走っていこうと思うよ。移動力4だし問題はないだろう…タブン。 【急援】まずはアシムベート達の援護に向かう ・ハヤト ・ライナ ・フロマーシュ ・コルネリウス ・アルマ ・ゲルダ ・ナハシュ 【撃滅】雲霞鳥共を極力撃破しながら合流に向かう ・ヴィルヘルミナ ・レピド ・ルチル ・エルナ ・ペルゼィック ・セロンガード

  19. ハリス・アル・ターミル

    いや失礼、だいぶ表明が遅くなってしまいました!! ハリスと申します、どうぞ宜しく。 >行先 【急援】に向かわせて頂きます。 ……我々リザードマンに家族の繋がりというものは薄い。 しかしそれでも、アシムベート殿にはまだ交わすべき言葉があると思うのです。 そして雲霧鳥…あの特級の害獣が、仮にディズルの外にまで放たれれば農家の命脈は絶たれる。 絶対に阻止せねばなりません。その為にはここでアシムベート殿を失うことはできない。 ディズルと世界の農家の未来のため、共に全力を尽くしましょう。 >行動 体力だけはありますから、突貫し囮となることで少しでも攻撃を逸します。 一撃で即死するような攻撃はなく、数で攻めるタイプ。それならば私が得意とする所です。 何匹集おうとターミルの誇りを食らうことはできないと思い知らせてやりましょう!!(

  20. トゥーリ

    トゥーリだよ、顔出し遅くなってごめんね! ワタシは固定のパーティで【急援】に参加するね。 範囲回復と範囲攻撃を持っていくよ。 たぶん残り2人もすぐに来るから、メンバーリストの更新はおまかせしようかな……

  21. ベルク・オスマット

    すまない、顔出しを忘れていた。シーフのベルクだ、よろしく頼む。 【急援】に向かう 【急援】まずはアシムベート達の援護に向かう ・ハヤト ・ライナ ・フロマーシュ ・コルネリウス ・アルマ ・ゲルダ ・ナハシュ ・ハリス ・トゥーリ ・ベルク 【撃滅】雲霞鳥共を極力撃破しながら合流に向かう ・ヴィルヘルミナ ・レピド ・ルチル ・エルナ ・ペルゼィック ・セロンガード

  22. トーラ

    【急援】に向かいます! 小柄なわたしですけど、アルマさんくらいなら背負って走れると思います…! 【急援】まずはアシムベート達の援護に向かう ・ハヤト ・ライナ ・フロマーシュ ・コルネリウス ・アルマ ・ゲルダ ・ナハシュ ・ハリス ・トゥーリ ・ベルク ・トーラ 【撃滅】雲霞鳥共を極力撃破しながら合流に向かう ・ヴィルヘルミナ ・レピド ・ルチル ・エルナ ・ペルゼィック ・セロンガード

  23. アルベルト・V・シュタールシュヴェーアト

    【撃滅】で行動するぜ 【急援】まずはアシムベート達の援護に向かう ・ハヤト ・ライナ ・フロマーシュ ・コルネリウス ・アルマ ・ゲルダ ・ナハシュ ・ハリス ・トゥーリ ・ベルク ・トーラ 【撃滅】雲霞鳥共を極力撃破しながら合流に向かう ・ヴィルヘルミナ ・レピド ・ルチル ・エルナ ・ペルゼィック ・セロンガード ・アルベルト

  24. フェイサル・セイフ

    遅れてすまない。 フェイサル・セイフ、【急援】にて参戦する。 アシムベート殿に未練が無くとも…… 人として、やるべき事があるのだと考えて頂かなくてはな。 【急援】まずはアシムベート達の援護に向かう ・ハヤト ・ライナ ・フロマーシュ ・コルネリウス ・アルマ ・ゲルダ ・ナハシュ ・ハリス ・トゥーリ ・ベルク ・トーラ ・フェイサル 【撃滅】雲霞鳥共を極力撃破しながら合流に向かう ・ヴィルヘルミナ ・レピド ・ルチル ・エルナ ・ペルゼィック ・セロンガード ・アルベルト

  25. アンジェ

    …遅れて、すみません…。 …あの、…アンジェ、です。ヒーラー…、です。 よろしく、お願いします…。(ぺこり) 【撃滅】が、少ないみたいなので…。 そっちに行こうと、思います…。 …回復、と、あと、ハウリング・オブ・ブルーフレアかけようと、思います…。 【急援】まずはアシムベート達の援護に向かう ・ハヤト ・ライナ ・フロマーシュ ・コルネリウス ・アルマ ・ゲルダ ・ナハシュ ・ハリス ・トゥーリ ・ベルク ・トーラ ・フェイサル 【撃滅】雲霞鳥共を極力撃破しながら合流に向かう ・ヴィルヘルミナ ・レピド ・ルチル ・エルナ ・ペルゼィック ・セロンガード ・アルベルト ・アンジェ

  26. エル

    遅、くて、ごめんさい。 エル、です。…シューター、です。 どうぞ、よろしく。 【撃滅】、に、行こう、と、思、い、ます。 【急援】まずはアシムベート達の援護に向かう ・ハヤト ・ライナ ・フロマーシュ ・コルネリウス ・アルマ ・ゲルダ ・ナハシュ ・ハリス ・トゥーリ ・ベルク ・トーラ ・フェイサル 【撃滅】雲霞鳥共を極力撃破しながら合流に向かう ・ヴィルヘルミナ ・レピド ・ルチル ・エルナ ・ペルゼィック ・セロンガード ・アルベルト ・アンジェ ・エル

  27. トーラ

    ギリギリにすみません。 雲霞鳥を月吸蟲にぶつける時にアシムベートさん達の代わりをやろうかと思うんですけど、同じことをやろうとしている方はいらっしゃらないでしょうか?

  28. ユアン・イェーガー

    みなさま、今回はありがとう、ございます。 報告書(プレイング等)は本日23:00まで。白紙などには、気をつけて下さいませ。 みなさまを、信じて、います。 退路確保はお任せ下さい!

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0