桜の街と小さい秋
崎田航輝
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シナリオID:1416
オープニング
仄かな涼しさを伴って、秋の花が街を彩り始める中――花弁が散ってから長く経つ桜の木もまた、季節の色に染まろうとしていた。
瓦屋根に灯籠、石畳。
和の色の濃い街並みが美しい――倭桜ノ街。
シャルガネの一端にある、平和でおおらかなその地区にも……ゆっくりと秋の匂いが広がり始めている。
「この時期もまた、桜は綺麗だな」
そんな中、通りを歩んでゆく町長は木々を眺めて笑みを浮かべていた。
それは、春には薄紅で目を楽しませてくれたそれが――今は鮮やかに紅葉しているから。
桜紅葉とも呼ばれるそれはどこか叙情的でいて、美しい。園に咲くカエデやイチョウと見比べても楽しめる、この街の秋の風物詩だった。
夏の祭りから暫く穏やかな日々が続いていたけれど……桜がこうして別の顔を見せ始めると、またわくわくしてくるものだ。
そしてその心を持っているのは、町長だけではない。
周りを眺めれば、甘味処や食事処では秋の味覚が始まった事を告げる幟が立ち並び。道を進む屋台は、焼きたての甘栗の甘い匂いを昇らせている。
「体験会については、どうですか?」
「準備は万全です。今年は皆、一層気合が入っていますよ」
と、町長に答えるのは忙しそうな町人。
倭桜ノ街も最近、遠方からの観光客も増え始めていて――そんな人々にもっと街の文化に親しんでもらおうと出し物の用意を整えているのだ。
「この季節に相応しいものになりそうですね」
下見しながら、町長は満足げ。
町人達もこの新たな季節に、街がどれだけ盛り上がってくれるのか楽しみな表情を浮かべていた。
だからこそ、町長は考える。
秋の味覚に出し物。色々と始まる時期だからこそ……その魅力を知って、体験して、楽しんでもらいたい人達がいるのだと。
それは街の名と魅力を広めてくれた――冒険者達。
「彼らを、招かせてもらおう」
そして初秋のその日、冒険者達は桜の街へ招かれた。
見えるのは紅色を抱き始めた木々と、明るい笑顔の人々。
紅葉した葉がさらりと揺れる中、冒険者達は――それぞれに歩み出してゆく。
解説
マスターより
リプレイ
そんな眺めを瞳に映しながら、バクル・バスリーはリディリディ・トゥラ・イェレミースと共に歩んでいた。
「綺麗だね……」
「ええ、確かにここの紅葉はかなり、色鮮やかです」
応えながら視線を巡らすリディリディに、バクルも微笑みを返した。
エドゥノーグ時代はダンジョンで色んな景色を見る事は出来た。けれどそれはダンジョンという警戒を要する場所での事。
「こうして、ゆっくり見られるのはいいね」
ゆるりと歩きながら美観を楽しむ、それを堪能するように。
ふと、バクルは隣に向く。
「そういえば、リディリディさんは大森林にいたんだよね。当時は何してたの?」
「そうですね……」
リディリディはぽつぽつと、語れる事を語ってゆく。
それから思い出すように、改めて紅葉に視線を上げた。
「そういえば、その頃はこういった木々を積極に眺める事はありませんでしたね」
「それは、周りに沢山あるから?」
バクルの問いに、リディリディは「ええ」と呟く。
「木々を見てもつまらないと感じていたんです」
「まぁ、身近に溢れてるとありがたみってないよね」
「……ええ、でも……」
ここ最近はそれが少し変わってきた、とリディリディは語った。
「あらためて見ると、色々な表情があるのがわかります」
種類によって、場所によって、季節によって。
その一つを記憶に留めるようにリディリディは瞳に紅色を収めてゆく。
(エルフとして成長をしたということでしょうか。それとも……里を出て友人が出来たからでしょうか)
自分では、判らない。
それでもそれは確かな変化であった。
その淡い表情の横顔を見て、バクルもうん、と頷く。リディリディのそんな一面を知る事が出来たのが、嬉しかった。
と、リディリディは視線を下ろす。
「あの……少しお腹が空きませんか?」
わびさびよりも、まだまだ食い気。
そんなリディリディにも、バクルは笑みを返して。二人で屋台に寄って、熱々の甘栗を楽しむのだった。
「花も見事だったけど、あの赤い葉っぱも鮮烈だな」
紅葉する桜を眺めつつ、ヨル・スレイマンはナハシュと共に屋台巡りを始めていた。
その手には早速、新酒の杯が握られていて。口を湿らすナハシュは、その美味に楽しげだ。
「やっぱここの酒はうまいな!」
春のもの比べ、深みの増した味が特徴的。
故に甘味にもよく合うだろう、と――二人は甘栗の屋台を発見すると勿論、立ち寄ってゆく。
すると焼石の中で、栗が甘い匂いを昇らせていて。
「そうやって焼くんだね。美味しそう。二人分頂戴」
『あいよ!』
威勢良く応えた店主が早速、紙の包みに盛ったものを渡してくれる。
それを剥いて口に運ぶと――
「甘いな、美味い。焼くだけでこんなに甘いのか……」
ほくほくの歯ざわりと、強い甘味。
香り高さも手伝って、ナハシュも満足げだった。
「これは、酒にぴったりだな」
「だね」
二人は暫し歩みつつ、それを楽しんで――食事処を見つけると、ナハシュは瞳をきらきらと煌めかす。
「そう言えば、秋といえばサンマらしいな! シャルガネの酒にも死ぬほど合うんだろ!?」
「みたいだね。寄っていこうか」
という訳で塩焼きをおろしとポン酢で注文。
お供に勿論、新酒を頼んで改めて乾杯し――サンマの柔らかな身と脂の旨味と、少々辛口めの酒の抜群な相性を堪能した。
それから散策を続け、広場へ。
栗に芋羊羹、魚の串焼きを並べて最後に酒盛りをする。
ナハシュは羊羹をもぐもぐ食べつつ、杯を傾けて上機嫌だ。
「最高の贅沢じゃねえか?」
「そうだね」
ヨルも頷いて品々を味わう。
(一年前はこういつも連れ歩くことになると思わなかったけど)
美味しそうに飲み食いしているナハシュがとても微笑ましくて。
「銘柄どれが美味かった? 好きなの幾つか買って帰ろう。清酒はゴールディじゃ手に入りにくいし」
「お、それなら倭桜酒に澄水清酒に――」
「いいね。栗も買っていこう。調理すれば酒のつまみにも向くと思うんだ」
ほろ酔いなのか、ヨルもまた饒舌。
返ってからの時間も楽しみにするように――ゆるりと時間を過ごしていく。
景色を眺めて観光を楽しんだ帰り。
ゲルダ・クラインは土産物店を見つけて、立ち寄っていた。
「……」
想いを馳せるのは以前、父から贈られたぬいぐるみの事。
東方由来の縮緬で作られたそれは、見た目の可愛らしさと独特の手触りに即座にお気に入りの位置になったものだった。
現在も学園の寮の自室にひっそりと飾られているのだけれど……ひとりでポツンと佇む姿を見て。
(ちょっと、寂しそう)
そう思っていた。
ここなら、同じ雰囲気のものも見つかるかも知れないと。ゲルダは店員にぬいぐるみ売り場へと案内してもらう。
(どんな子に出会えるかな……)
思いつつ棚を見ると――そこには可愛らしい縮緬ぬいぐるみが沢山で。
「すごい」
少し心躍らせながら、色合いに縮織の手触り、デザインを一つ一つ確認して。
「うーん、……この子に、しますっ」
必死に選びながら――最後に決めたのが、その中の一つ。
黄色地に翠色の目をしていて、友達の姿を思い起こすもの。それを綺麗に包んで貰ったゲルダは……足取り軽く、歩み出していった。
穏やかな静けさに、ぱん、と手を合わせる音が響く。
神社を訪れたコルネリウス・アーラとイズレンディル・パラリムは――作法を学んでから参拝を済ませた所だった。
「これでお参り出来たんですね」
「ええ」
微笑み合って歩み出す……と、コルネリウスがそこで御神籤の存在に気づく。
「おみくじ……?」
「シャルガネの文化だそうですよ。様々な運を占って頂けるそうです」
「占い、なんですね……気になります」
「では一緒に引いてみませんか?」
イズレンディルの提案に、コルネリウスは勿論と頷いて。順にからからと棒を引き出し、箱から御神籤を受け取り――早速見せ合った。
結果は二人共、大吉。
「これは――」
「とても良い運勢だという事ですよ」
イズレンディルは言いつつ各項目も見てゆく。
『縁談』では“既に有る縁が、これからも良く育まれてゆく”と書かれていて……イズレンディルの方にも同じ趣旨の文言があったのが、二人には嬉しかった。
「それとは別に、人生における良縁に多く恵まれる、と。『旅』は山あり谷ありですが、総じて良いものになるそうです」
「嬉しいです。ディリーの方は――」
コルネリウスが見てゆくと、『学問』の項目で多くの発見に出会うともされていた。
『旅』も多様で良い経験を積むと記されていて。イズレンディルはコルネリウスと共に歩む未来に思いを馳せ――微笑みかける。
「この先も沢山楽しいことがありそうですね」
「はい……きっと楽しい事が沢山あります」
――貴方が傍に居てくれるなら、どんな未来でもきっと。
想いを紡ぎながら、コルネリウスもご機嫌で笑顔を見せていた。
その後、のんびり過ごしている猫や兎を見つけて……イズレンディルは懐いてきた数匹を抱き上げつつ、撫でてあげる。
「可愛いですね。まるこげさんとかきがらさんも居たら仲良くしてくれたでしょうか」
「そうですね。いつかあの子達にも、シャルガネを見せてあげたいです」
コルネリウスもそっと猫と兎に触れながら――イズレンディルの横顔を眺めていた。
――穏やかに笑っている姿をずっと見ていたいなぁ、と。
そんな思いを抱きながら。
「やー、すっかり秋だねえ」
紅に染まった葉がさらさらと揺れる。
サニー・フォン・オルライトは、そんな景色を楽しみつつ歩んでいた。
「まだ残暑日があるとはいえ、すっかり夏の暑さも収まっちゃって」
葉を鳴らす風は既に涼しくて。
「服も新しいの出さないとなー。これから寒くなってくれば、また帝国での活動も大変そうだし……」
「まぁ、暑いよかマシだろ」
と、応えるのはゼラルム・エルホワイト。
隣を歩みながら、ちらりと見やっていた。
「寒いのはある程度までなら着込みゃどうにかなる。帝国での行軍はめんどくさそうだが」
すぐに帝国での事が浮かぶのは、最近は物々しい依頼も多かったからか。
それ故に、こういうゆるりとした時間も悪くないと感じる。
「しかし、シャルガネにくるのも久々か」
前に来たのはサニーとだったか、別の依頼だったか。どちらにしろ前の事だ。
「今日は色々回るんだろ」
「勿論!」
頷くサニーは屋台を見つけて甘栗を購入。
ゼラルムも買って食べると……暖かで甘い。サニーもほふほふと味わって満足げだ。
「美味しい!」
「確かに、秋らしい味だ」
「あっ!」
と、サニーは次に茶屋も発見。早速入店すると……秋摘みの茶葉によるお茶と、栗まんじゅう、栗羊羹も注文してゆく。
ゼラルムも対面に座りつつ目を向けた。
「金は大丈夫なのか?」
「お金なら、ある!」
ここ最近は装備の更新も必要なかったし、と。
サニーはじゃらりと硬貨の入った袋に触れつつ上機嫌。やってきたまんじゅうのふくよかな甘味を楽しみつつ、濃密な羊羹とお茶の相性も堪能していた。
ゼラルムも一応お団子を頂きつつ……追加注文しているサニーを見やる。
「いくら冒険者ギルドの金払いが比較的いいからっつって無駄使いしすぎるなよ」
「大丈夫大丈夫――!」
「太るぞ」
「だ……、大丈夫」
ちょっと声に力無くなったサニーだけれど……おかわりを食べるとまた「ん、美味しい!」と舌鼓。
ゼラルムは暫しそれを眺めつつ、お茶を啜るのだった。
この季節には、初めて来たけれど――桜色の花びらで埋め尽くされたのとは、また違う綺麗さがある。
そんな思いと共に広場へやってきたのは、アルフィー・リッパー。
目的はというと、調理会。早速いい匂いに誘われるように近づくと――
「あっ。あんたも来ていたのか!」
「アルフィーさん。こんにちは」
微笑むのがリサ・ベイカーだ。
アルフィーは尻尾を振って歩み寄る。
「一緒してもいいか?」
「勿論。何を作りますか?」
「寒くなっていくし、身体を温めれる料理がいいな。あと、肉と野菜も一緒に取れる料理も。ほら、あいつ油断すると肉ばっかり食うから!」
兄貴分を気遣う言葉に、リサは微笑む。
「わたしも丁度、肉じゃがやお吸い物を作る所です」
「それなら、一緒に作らないか?」
という訳で二人で調理開始。
まずは肉じゃがの具材を切り始めた。
「こうか?」
「丁度良さそうですね」
アルフィーの手元を見つつ、リサも人参等を乱切りにしてゆく。それから肉と野菜を少し炒めてから、じゃがいもと煮始める。
大事なのは調味料。醤油にみりんにと、二人は丁寧に計量した。
「中々、細かいんだな」
「これが味を決めるんですね」
ブリの照焼は、表面のこんがり感とタレのとろみに注意して。お吸い物は注意深く観察しつつ出汁を取る。
青菜のおひたしはしっかりと和えて――完成だ。
「本場で勉強すると、やはり違いますね。味見、して見ますか?」
「ああ!」
アルフィーは肉じゃがをあむり。ほっくりと砕ける歯ごたえと、出汁の風味が抜群で。
「最高だ!」
「では、これで出来上がりです」
二人でハイタッチして、改めて試食。
すると、照り焼きは中がふわふわで、甘味のあるタレが美味。お吸い物も優しい味わいで、おひたしはしっとりと仕上がっていた。
「ふふ、とても美味しく出来ましたね」
レパートリーが増えた事、そしてアルフィーが美味しそうに食べているのもリサは嬉しい。
食べ終わると、アルフィーは街の方を指す。
「せっかくだから散策しようぜ!」
「ええ、是非」
そうして二人は片付けを済ませると――紅葉の街へと歩み出す。
何度目のシャルガネだろうか。
「来る度に違う雰囲気で、良いね」
「うん」
歩きながら、見回すテス・クラルスに応えるのはロイ・アウレア。
今では主な通りは地図無しでも歩けるくらいだから。
「いつ来ても良い場所だ」
「私もこの街が好きだよ。庭のように歩けたら素敵だね」
「もう少し馴染めば庭、と言ってもいいかな?」
そう微笑みながら――散策を始めていた。
まずは、やおよろず亭へ。
「こんにちは大福さん!」
「いらっしゃいませなのだ~!」
と、テスに応えて大福が出迎えるそこは今、秋の味覚を販売中。
「ん、いい匂い」
快い面持ちでテスが焼き芋に惹かれると、ロイは栗ご飯に興味津々で。
「へぇぇ、色々と混ぜて良いんだね――それじゃあ、こちらを」
お茶と一緒に注文し、テスと共に昼食。
焼き芋はほっくりと優しくて。
「んん、お砂糖みたいに甘い!」
「こちらはご飯と合って丁度いい甘さだ」
言うと互いのも食べ合って、その美味にまた微笑み合った。
そして大福へ挨拶をして辞去すると――
「次は……流鏑馬!」
神社の一角にて、テスは牝馬のウィクトリアと共に参加。
まずは和弓を受け取る。
「不思議な形だね。結構引きが重いかも……ロイ、教えて?」
「オレに弓の基礎を教えたのはテスだぞ?」
「もう私を超えたじゃないか」
そんな思い出も語りつつ、最後にはロイが教える形となって……出番もロイから。
「頼むぞ」
馬を撫で、ひらりと乗ると颯爽と駆け出した。
そして馬と呼吸を合わせて風になり、真横へ一射、二射、三射。
「すごい!」
射抜く姿が眩いほどに格好良くて、テスは瞳をきらきら。誇らしげな笑みで戻って来てくれるロイを、笑顔で迎えた。
次はテスの番。
「ウィク頼むね」
鳴いて応えるウィクトリアに、体を預けて――脳裏にロイの動きを思い描き。
走り出すと的に集中。
「いまだ!」
瞬間、小気味良い音と共に的を撃ち抜いて。
――ああ、見惚れるばかりだ。
テスの走り射る様を見て、ロイは思わないではいられない。
「ロイのおかげだね」
そしてはにかんだ笑みと共にテスが戻ってくるから――それを迎えにロイは足を急がせた。
アルバス・ロウルとルルト・アーキスは流鏑馬体験へ訪れていた。
「あんな小さな的に当てるのか! 面白い!」
「出来るかな?」
ルルトは心配半分、だけれど猫のタマさんと一緒に馬に乗ると――
「うわぁっ♪」
視界の高さに目を輝かす。
乗馬は初だけれど、交感能力で馬とは意思疎通もしている為問題なし。
程なく走り出すと、よく狙って――
「えいっ!」
見事次々に射抜いた。
馬上でタマさんとハイタッチするのを、アルバスは癒やされつつ眺めて。
「かっこよかったぞ!」
次はアルバスの番。
こちらも相棒馬にしかと挨拶し、走りは信頼して委ねて。馬場へ駆け出すと――真剣な表情で弓に集中し、一射ずつ確実に当てた。
「すごく格好良かったんだよ!」
「ああ、ありがとう」
大はしゃぎのルルトと笑みを交すと……次は食事処へ。
アルバスが迷いつつ魚の定食を選ぶと――
「ボクはこっち!」
ルルトは天ぷらと蕎麦を注文。分け合って楽しむ事にした。
すると煮魚を頂くアルバスは――
「このじわりと口に広がる旨みは……!」
「美味しいの?」
「勿論だ。幾つもの調味料がバランスよく素材の味を引き立てている。なんと繊細な技か」
「そうなんだ……あっ、本当だ!」
と、アルバスの話を楽しげに聞いていたルルトもまた、その美味を堪能して。
お土産の練りきりを買って辞すると、ルルトは出店で栗饅頭を買って頬張り、にこにこ。
その足で暫し散策し、楽器演奏会へ。
「わぁ、見たことない楽器がいっぱい!」
「どれにするか……線が三本なら弾きやすそうだな!」
言ってアルバスは三味線にトライするが――
「手本の音にならんな!?」
「でも、不思議な音色で楽しいね♪」
ルルトも見様見真似にべべん、と愉快げだ。
頷くアルバスも、苦戦も楽しくて暫し熱中。二人で上達する頃には夜になっていて。
「一緒に弾いてみるか?」
「うん、弾く!!」
折角だからと舞台に上がり、二人で踊るような旋律を奏で合って。
アルバスは所々間違えつつも、それも楽しく終始笑顔。
「最高だったな」
「またやろうね!」
心地よい余韻と共に、二人は皆の演奏にも耳を傾けていた。
広場にて、ストレガ・L・リベルガストラは味噌汁を作り始めていた。
充実した環境でシャルガネ料理を学べるのは良い機会。吸収出来るだけしていこうと、まずは昆布で出汁をとってゆく。
「香り立ってきたのだ」
更に別の鍋で豚肉と大根、人参を炒めて――出汁を入れ、豆腐と共に煮てゆく。
それから火を弱めて味噌を溶いて、もう一度沸騰させた。
醤油もそうだけれど、シャルガネ料理は独特な香りだ。
「発酵は奥深いのだ」
「――いい匂いだな」
と、そこへ歩んでくるのがナタリア・フィッツジェラルドだ。
ストレガは目を向ける。
「シャルガネ料理、作るのだ?」
「ああ。以前、病人食的なものを作った事があるのだが――」
それは書籍の情報をもとにしての事だったから……正確性を確かめたいのがナタリアの目的だった。
故に土鍋を用意して――レシピを確認する。
「これは……おでんのつもりだったが、別の鍋物と混同していたかもな」
という訳で本場のおでんを調理開始。
大根やちくわ、白滝と具材を調達し、必要に応じて下茹で。それから出汁もとる。
「出汁の微細な味が大事なのだな」
「醤油と合わせて、シャルガネ料理の肝の一つと言えそうなのだ」
ストレガも米を炊きつつ、醤油で味付けした鶏肉と茸の炒めもの、更にきゅうりの酢漬けなども作り……緑茶を淹れて完成。
丁度おでんも完成という事で、二人で頂いた。
「これは確かに、安心する味だな
「また一歩料理を研鑽したのだ……満足……」
ストレガは上機嫌。
ただ、他国で入手しにくい食材も多いので……土産にと、醤油を樽で購入し、味噌も箱で持ち帰る事にしたのだった。
ナタリアはその後神社へ。
何事も、民の生の営みは信仰に根差した所がある――それを体感しようと思っての事。
実際、祭りや祈り事などが町人の暮らしと密接に繋がっていて……神の存在も良い距離感で、緩やかに親しまれているのが判った。
「穏やかな街だ」
ナタリアは大吉の御神籤に満足しつつ……日向ぼっこする猫を見つけると、それを眺めて表情を緩めていた。
「この辺りが食事処だな」
瓦屋根の街並みの先に、店が並ぶ一角が広がる。
海神・江流を先頭にした一行は、秋らしい味覚を楽しもうと歩んできていた。
「お肉はなさそうですが――んんっ、しかしどれも美味しそうなものばかりですね」
見回して期待を浮かべるのはガルシア。
頷くギーゼラも視線を巡らせ……幟に目を留める。
「書かれているのは――秋刀魚?」
「王国でも旬の魚は美味いと思うけど……秋刀魚はシャルガネらしくて良いな」
という事で江流は皆を連れて入店。お品書きを広げた。
カイン・ステラは興味深げだ。
「秋刀魚、調理法は色々あるんだな」
「私は、シンプルに頂きたいかな」
故郷が内陸部なシルヴィア・A・カペルにとって、秋刀魚は初めての魚。ここは素材の魅力を充分に味わいたかった。
皆も塩焼きを定食で注文すると、何とも香ばしい焼き魚がやってくる。
「これの身を食べるんですね――」
ギーゼラはお箸は使えないのでナイフとフォークを使用。
四苦八苦しつつ……何とか一口。
「しかし、魚を焼いただけの単純な料理が美味しいはずが……美味しい!?」
と、思わず目を見開く。
皮はぱりっと、身はふんわりとしていて。旨味と塩味が抜群だ。
シルヴィアもはふりと一口頂き、ん、と感心の表情。
「脂が乗っていて美味しいよ」
「アヒージョとかの煮物とかとパイ焼きもいけそうだ。骨まで食べられるだろうし――」
と、カインは調理の面からもアイデアが湧くように、美味を楽しんでいた。
ギーゼラは大根おろしと醤油も良いと聞いて実践。
「……美味しい! また違った味わいで……シャルガネが米文化なのも納得ですね。初めて食べる僕でも分かります。これはパンより米です」
「確かに……とても美味しいですね」
はむはむとつまむガルシアもまた頷いている。
「少し身が少ないのは残念ですが……これはお酒が合いそうですね」
「なら頼もうか。こっちでは今ぐらいの頃から純米酒は燗でいただく習わしがあってな」
と、江流が温燗を皆へ注文。
早速自分も口をつけて。
「ん、温めの酒と旬の魚の脂の取り合わせは格別だね」
「温度で呼び方が違うんだね」
驚きもありつつ、シルヴィアも香り引き立つ温燗に満足。
「うん。美味しい」
「こういったお酒もいいですね。シルヴィア様」
と、そう言うガルシアは……声に力が抜けている。見るとたった一口で、既に顔を真っ赤にしていた。
カインは心配げに見る。
「大丈夫?」
「あまり飲みすぎちゃだめだよ?」
シルヴィアも水を用意してあげる。ガルシアはそれを受け取りながら――
「ええ、大丈夫です――」
店を辞する時も、ふらふらな状態なのだった。
とりあえずガルシアは大丈夫だと言うので、皆は甘味巡りへ。
「和菓子こそ、よりどりみどりだな」
と、江流が行く先で大福や餅を見つけると――ギーゼラは片っ端から試してゆく。秋刀魚で江流の舌への信頼が高まった事もあって。
「これはもちもちで美味しいですね!」
「うん。優しい甘さで」
と、シルヴィアも味わいつつ、対面の店に栗きんとんを見つける。
「きんとん、というのはシャルガネの言葉かい?」
「金は多分栗の色、飩は蒸し餅って意味だな。巾着で形を整えるから、栗茶巾とも言うみたいだよ」
江流が言いつつ早速買ってくると、シルヴィアはへぇ、と感心しつつ。
「形が可愛らしいね。ん、栗の素朴な味わいが良いよ」
瞳を細めて堪能しつつ……ギーゼラにも勧めた。
頂いたギーゼラもご満悦。
「ここまで栗の美味しさを活かせるなんて画期的ですねぇ!」
「アレンジもできそうだ」
カインも味わいながら頷く。調理法だけでなく、他の和菓子や国外の食事とも合わせられそうだと考えは広がるばかりだった。
と、カインがそこで別のお菓子を見つけて買ってくる。
ギーゼラは興味津々に覗き込んだ。
「そちらのお菓子は?」
「芋けんぴって言って、フライドポテトよりカリカリしてる。シルヴィアとギーゼラも食べる?」
二人が頷くので早速シェア。
「香ばしくて甘い……」
小気味良い食感にシルヴィアが魅了されていると、ギーゼラもかりかりと齧っては楽しげ。
カイン自身も味わいつつ、こちらもまたアレンジしがいがありそうに思えた。
「味付きなしで揚げて、蜂蜜バター、塩、シナモン……なんて良さそうだ」
「芋は色々、楽しめるよな」
江流は軽く伸びをしながら目を向ける。
「長芋ならとろろにして飯や刺身にかけるもよし、生でいただくもよし、ステーキも美味いらしいな」
「とろろごはんか。秋刀魚との相性も良いんだろうね」
カインが想像していると……そこにふらりと歩んでくる姿。
いつの間にか別の店に寄っていたガルシアだ。千鳥足のまま、栗羊羹を見つけて舌鼓を打っていたのだった。
「こちらも美味しいですよ。江流様は、こういったものが好みだったりしますか?」
嬉しそうに勧めると、江流は頷きながらも気遣う。
「しかし、大丈夫かい?」
「ええ。でも折角なら、座れる甘味処に行きたいです」
言うと、それじゃあ、と皆も同道。
月見の時期でもあるしお団子を食べつつ……ガルシアはまたお酒に口をつけて。結局、合計三口目でダウンしてしまう。
冷えてくる時期でもあるからと、ギーゼラはブランケットを取り出して。そっと掛けてあげるのだった。
「それじゃあ僕は寄る所、あるから」
「うん」
「また後でな」
街の入口、二人で歩いてゆくヴィナスとカッシアに別れを告げるのは……ルーンス・ラグネル。
あたかも別行動するようだが――
「よし」
バンダナで髪を隠し、マントを羽織って――始めるのは二人のデバガメ。そのまま二人を追い、距離を開けて何気なく同じ調理会へ参加した。
二人は丁度、料理を始める所。
「秋刀魚の炊き込みご飯はどうかな」
「美味そうだな」
ヴィナスにカッシアは賛同しつつ、秋刀魚の下処理を試みる。
ただ、意外に切るのも簡単ではなくて。
「手には気を付けて」
「ああ。思いのほかぬるぬるするな……イテッ」
ヴィナスの注意に気を付けつつも――カッシアは指先をちょっと切ってしまった。
「大丈夫? ヒール出来るけど――」
「平気だ。これくらい舐めておけば治る」
カッシアはそれで話を終わろうとした、けれど……「本当?」と言ったヴィナスがカッシアの指先を手にとり、ぺろり。
「って本当に舐めるやつがあるか!」
カッシアは真っ赤になってヴィナスの額をぺちっと叩く。ヴィナスは「だって舐めれば治るって……」とおでこを押さえるのだった。
そんな様子を盗み聞きしながら――ルーンスも調理を進めている。
作るのは秋野菜のチップス。じゃがいもにゴボウ、かぼちゃを薄切りにして、燻したり窯で加熱したり多種類を作ろうとしていた。
調理に集中する為目は向けられないが……向こうの会話は聞き逃していない。
そこで思うのは――
(お互い自覚してないよね)
一押しは必要そう、と。改めてそう判断するのだった。
ヴィナス達は米を炊く段階。
焼いた秋刀魚と米と生姜、出汁を土鍋に入れ……調味料で味を調え火にかける。そして蒸らしも入れて完成。
ヴィナスは葱とすだちを、カッシアは梅干しを添えて実食。
「うん美味しい」
「本当だ」
出汁の風味が良く、秋刀魚は香ばしくて。カッシアが満足気に頷くと、ヴィナスもその美味に舌鼓。
交換するとまた、違った味が楽しめて。
「どっちも良いね。カッシアと一緒に作ったからすごく美味しい」
「……」
カッシアはそれには口ごもった。相変わらず人たらしなことを言う、と。
一方、ルーンスもチップスが完成。
ぱりっと小気味良く、旨味も強く。それはお土産に持ち帰る事にして――帰り道、ヴィナス達を待ち伏せしたのだった。
バンダナ外してニッコリしたルーンスに、カッシアは目を見開く。
「着いてきてたのか」
本当にブラコンだな……と呟くカッシアは、隣を見て驚いた。
「見てた?」
そう言ってルーンスの行動を察するヴィナスは――それから無言。片手で真っ赤な顔を隠している。
それを見て、カッシアもいつしか真っ赤な顔で俯いていた。
(――期待するだろ、こんなの)
そう思ってしまうから。
(にいさまの反応、友達の反応じゃないでしょ、カッシア)
ルーンスは、そう心でエールを送る。
後はお互い次第だよ、と。きっとそれを、判ってくれると思うから。
アルマ・ヴァレンタインとエヴァン・ピオネロは食の店が並ぶ一角を訪れていた。
「沢山あるねー」
「そうですね……!」
期待感に二人で笑み合って、仲良く歩み出す。
と、一層香ばしさが漂ってきて――アルマは瞳を輝かせた。
「わ、タコ焼きだ、美味しそう……!」
早速購入すると、温かな湯気が何とも食欲をそそる。
「良い匂いです」
エヴァンは爪楊枝にさすと、それをアルマの口元へ持っていった。
「食べますか?」
「いいの? あーん」
口を開けて受け取ったアルマは、もぐもぐ。かりっとした焼き加減とソースの味が堪らないのだった。
「エヴァくんも、あーん」
「あーん……。モグ……美味しいですね」
そうして二人で食べさせ合いつつ店を巡ってゆく。
混雑になるとエヴァンは手を差し出して。
「繋ぎませんか?」
「うん」
手を握り合った。
遠目には兄妹のようだけれど、それは確かに恋人つなぎで。
「ふふ、前に来たときはこんな感じで一緒に歩くなんて思わなかったよー?」
「そうでしたね……あの頃はフラれてると思ってましたし」
エヴァンは笑いながら……故にこそ、今感じる温度が嬉しかった。
それから二人は書道会へ参加。
「ぼくは『自立』にしますね」
「らしい感じするー」
アルマは言いつつ、エヴァンの作業を眺める。
ただ、書は難しい。エヴァンは墨をたっぷりつけて……紙に穴を開けてしまった。
「やってしまいました……」
「もっとリラックスだよー」
「がんばります!」
応援に気合を入れて再挑戦。
すると出来たのは歪ながら力強い『自立』……の誤字。
「それっぽい字になって……るー?」
と、アルマ自身も言いつつ悪戦苦闘。何事も、という志で『全力』を書くが……墨の制御が難しくて。
「中々、上手くはいかないねー」
「でも――」
と、エヴァンが見るアルマは一所懸命。文字も含めて全力で、それが“らしい”と思った。
互いの顔にまで墨がついているから……二人は笑顔を交す。
アルマと一緒が楽しい。エヴァンは思いながら、また次の文字に挑戦を始めた。
春に咲いていた花の代わりに、広場を彩るのは鮮麗な紅だった。
「わぁ、すごい――」
そこへ歩んできたララベル・サン・ディーベルは、アリエッタとテュリン・ヴィングと共に、その美観に目を見張っている。
「桜と言えば春ってイメージだったけど、紅くなってるのも綺麗だね」
「うん。そうだね」
頷くアリエッタも、ララベルの隣でその色彩を仰ぐ。
そうしてララベルが歩み出すと、自然と互いに手を握り合っていて。
「……んー」
テュリンは何となく、それを気になったように見ていた。
すると今度は風に吹かれた葉がひらひらと舞い降りてきて……アリエッタの髪についた。あっとアリエッタがそれに気づくと――
「待って。取ってあげるね」
ララベルが優しく触れるように、そっと取ってあげる。
「ありがとう」
アリエッタがちょっと照れたように言うと、ララベルもまた少し照れくさそうに。頬をかいて、また手をつなぐのだった。
やけにお楽しみな空気。
それに思わずテュリンはほほぉ、と息を零す。
「遂にアリエッタにも手を出したのね」
「! い、いやその……」
ララベルは少し慌てるけれど、否定するものでもないのでただ顔を赤らめる。手をぎゅっと握られると、アリエッタもまたそれを意識して恥ずかしげにするのだった。
「まぁ、仲が良いのは良いことだとは思うわよ」
あんまりやりすぎなければね? とも言いつつ――テュリンも歩みを再開。それから三人は景色を楽しんでゆく。
その後、広場を抜けると……丁度書道会の建物を見つけた。
アリエッタは覗き込んで興味津々。
「書道? 楽しそう」
「折角だし、寄っていきましょ?」
テュリンが言うとララベルも頷いて入場。人々が並んで座り、筆に入魂している景色に……感心の表情を浮かべる。
「雰囲気あるね……!」
それから手順を教えてもらいつつ、卓につく。
テュリンは筆を物珍しげに観察しつつ思案。
「何て書こうかしらね」
「僕は、そうだね――」
ララベルは少しだけ考えつつ……次には筆を動かしてみていた。
止めに跳ね、払いも意識して、書き上げたのは『ふしぎ亭』を意味する東方の言葉だ。
アリエッタは覗き込んでわぁ、と笑顔。
「ララベル、上手だね?」
「ありがとう。でも掛け軸にしたいから、もう一枚書こうかな」
「良いじゃない。私は――」
と、テュリンが書いたのは「手札は切るもの、切り札は抱くもの」。座右の名として、こちらも掛け軸にした。
「でも、正座って思った以上にキツいわね……」
「そうだね」
頷くララベルもしびれを感じて、立ち上がろうとする、けれど。
足に全く力が入らず――どしん。
「きゃっ」
「わぁっ」
よろけて丁度テュリンとアリエッタ、二人を纏めて押し倒す形になる。
「……やっぱりこうなるわね」
「ご、ごめんっ……!」
「――いいわよ、もはや日常レベルの頻度で起こってるから……」
テュリンは起き上がるとアリエッタも助け起こしつつ、呆れたように呟くのだった。
灯籠に淡く照らされて、暗がりに紅葉が浮かび上がる。
そんな美観を眺めながら――手を繋いだキーゼとネーヴェ・グラヌローザは夜の園を散歩してゆく。
「木々が色鮮やかに染まって綺麗ですわね」
「ええ」
ネーヴェの声に応え、キーゼは頷く。
紅、橙、黄色。ライトアップされる色とりどりの紅葉を仰ぎ、感嘆の息を零していた。
その横顔を見やって、ネーヴェは瞳を細めて。また視線を戻す。
「それに灯りがこの街らしくて風情がありますわ」
「あれから3ヶ月程度ですが……これだけ様変わりする物なのですね」
ここの景色も、僕たちの関係も、と。
キーゼの言葉に――ネーヴェは笑みを向けながら、傍のベンチで休憩を提案した。
そうしてそこへ座ると、そっと口を開く。
「覚えていらっしゃいますか? ここへ初めてご一緒した日のこと。あの時はアーテルも一緒でしたけれど」
「もちろん覚えておりますよ。そういえば、今日はアーテルはお留守番ですか?」
ネーヴェはええ、と頷いた。
「呼んでも来なかったんですよね……何故かしら」
首を傾げつつも、木々に目線を向けるとまた多くの想いが巡ってきて。
「あの日の新緑も、今日の紅葉も、とても美しくて……きっと春の桜も、それは見事なのでしょうね」
――叶うならまた、あなたと見たいです。
ネーヴェが紡ぐから、キーゼは周囲を見渡してから向き直る。
「ええ……秋が来て、冬が来て……また、ここでこうして二人でのんびりと歩いていきたいですね、何度でも」
もちろんアーテルも一緒で構いませんよ、と付け加えると、ネーヴェは微笑んで「ええ」と応えた。
それからキーゼがまた木々に目をやるから……ネーヴェはその袖を引いて、向いた顔を見つめる。
「……キーゼさん」
そっと名を呼び、目を閉じて。
「可愛らしいお誘いですね」
そう小さく言うと、キーゼはゆっくりとその肩に手を置いて。自分のもとに引き寄せて口づける。
優しい秋風に、さらさらと木々が揺れていた。
「久しぶりにシャルガネに戻って来たな!」
と、軽く伸びをしながら街へ歩むのは――ハヤト=ガラン=ヴォルファング。
さ~て、と見回しながら。
「いっちょ見て回るか♪」
空気が体に馴染む感覚と共に……景色の変化を楽しみ始める
すると桜は紅に色づき、風も涼しくて。顔見知りの冒険者が居れば挨拶も交しながら――季節に彩られた美しさを確かめていく。
と、その先に見つけたのが――やおよろず亭だ。
「よし。土産でも選ぶか!」
大福は粽を看板犬に、店番をしている所。
色づく景色に薫る風。春の倭桜ノ街も好きだけれど――秋のこの街もまた好きで。
「粽の毛もふかふかになりつつあるのだ!」
もふっと触れつつ、威勢良く呼び込み始めていた。
「いらっしゃいませなのだ~! 秋一番、取れたて! 幻の高級茸のおにぎりはいかがですか~なのだ~」
「お、秋の味か」
と、そこに訪れたのがハヤトだ。
「買っていくのだ? おっ母が握ったおにぎりは世界一美味しいのだ~」
「そこまで言われちゃ、買わねえ訳には行かねえな!」
ハヤトはそれを二人分包んでもらい――焼き芋も購入してゆく。
それから店内を眺めて。
「土産を探してるんだが、お勧めはあるか?」
恋人の為だ、と聞くと……大福が「それなら」と案内したのは着物。
秋色が上品、かつ優美。手ぬぐいや鞄とも揃えると何とも風流で。
「よっしゃ! それにするぜ!」
ハヤトも奮発して一式を購入。上機嫌に店を後にするのだった。
「いい天気だなあー! 絶好のスケッチ日和だ」
フラム・アニムスは翠の園へと歩んできていた。
空を仰いで秋晴れを堪能しつつ、色鮮やかなイチョウとカエデに目を留めて。
「うわあ……圧巻だ!!」
傍のベンチに座ると、バッグから細く削った木炭を出す。
そして木枠に白布を張ったキャンバスに――思うままスケッチをし始めた。
無垢な自然を活き活きと捉えるのが、風景画の楽しさで。
「ここはもっと細かい感じのデザインで、と……」
創造が止まらずウキウキと――フラムは踊るように木炭を奔らせてゆく。
夕刻になると、フラムは大福を迎えに行って。
「来たぞ~!」
「それじゃ、行くのだ!」
と、二人で粽とも一緒に神社へおでかけ。
まずは宮司へ挨拶をして。
「ご無沙汰ですのだ!」
「これは大福さん。のんびり過ごして行って下さい」
言葉にフラムもぺこりと頭を下げて……その後お参り。
それから大福は自身と粽用に健康祈願のお守りを受けた。
「お守りかぁ。良いな」
フラムもこの機に、と一つを選んで受ける事にして――それから街の甘味処へ。芋羊羹を注文して、お茶と一緒に頂く。
「秋は甘味も最高なのだ~」
「ん、美味しいな――!」
優しい甘さと、お茶の相性を堪能して暫しまったりしつつ……栗金団や甘栗も楽しんでいった。
それからフラムはお土産にと、三つお揃いの桜の留め飾りを購入して。
「今日はたくさん回れて楽しかった」
「こちらこそなのだ!」
やおよろず亭にて大福と別れると――帰路へ。
偶然、ネーヴェとキーゼとばったり会うと……「お似合いです」と笑顔で声をかけて。フラムは楽しい一日に満足の心持ちで歩んでゆくのだった。
最近はお仕事頑張りすぎちゃったからのんびりしたいわ、と。
エミリア・シバの言葉にララノアも同意して、二人はピクニックの為にまずは食べ物の買い出しに出ていた。
「色んなお店があるのでし……!」
ララノアはエミリアと共に過ごせる事が嬉しくて、足取りも軽い。
エミリアもそれに微笑みながら歩み……弁当屋で、秋刀魚に秋野菜の天ぷら、炊き込みご飯という贅沢な中身の一品を買った。
次は、甘味屋へ。
「和菓子っていうのは綺麗なものね!」
迷いつつも栗羊羹や練りきりを購入。エミリア用の清酒と芋を使った蒸留酒も買って翠の園へ向かい――
「ピクニックでし!」
るんるんとするララノアと共に美しい秋の桜を眺めて歩いた。
「森の紅葉も美しかったですが、このような紅葉も素敵ですね……」
「そうね。優雅で風流で、癒やされるわ」
それから二人でベンチに座って食事。
「ん、脂がのってるわね」
「とても、美味しいです……」
共に秋刀魚に舌鼓を打つと、天ぷらもさくさくと味わって。ご飯もまた味が染みていた。
「ぁ、お酒お注ぎしますね」
「いいの? ありがと」
ララノアが清酒を注ぐとエミリアは一口。キレと優しさを兼ねた辛口が、何とも弁当に良く合う。
ララノア自身はお茶を入れ、温かさに一息。食後の和菓子も楽しんだ。
「あまり馴染みはございませんが……上品なお味で……美味ですね……」
「ええ」
エミリアは一緒に蒸留酒も一口。風味の強さが和菓子の甘味に相性抜群なのだった。
ララノアはそんな様子に楽しげにしつつ……イチョウの葉をキツネさんにして並べる。
「エミリアさま見てくだしゃい! 可愛いのでしっ」
「あら、上手じゃない」
エミリアが言うと、ララノアは素直に嬉しそうにして。それを手のひらにも乗せつつまた隣に座った。
依頼続きだから、こんな瞬間がほっとする。
友人と過ごす時間の大切さを、一層実感するから。
「また来年もご一緒したいですね!」
ぐっと声に力を込めると、エミリアもまた笑んで頷いていた。
雅な街並みをわくわくと眺めるセオ・ウルジオを――カルフ・オルヴォは案内していた。
「王国とは大分違うだろ」
「はい! 不思議な街だなぁ……あっ、あれなんですか?」
「醤油蔵だ」
「あっちは?」
「籐籠を作っているんだ」
説明するカルフに、セオははしゃいだ様子。
それに目を細めながら――カルフは演奏会の催しを見つけた。
「試すか?」
「はい、やってみたいです」
という訳で参加。三味線に惹かれて練習を始める。
ただ、これが上手くは鳴らなくて。
「撥も独特ですね……」
セオは四苦八苦するけれど――べん、べん、と。隣のカルフは弦楽器にも心得があるからだろう、徐々に音が曲に変わりつつあった。
「すごいですっ――僕も、せめてもうちょっと!」
セオは尊敬の眼差しを向けつつ、より一生懸命に挑む。
夢中にしているその横顔を、カルフはふと見つめていた。
(……いかん、重ねてしまってる)
似ている。同時にあの方とは別なのだと思う気持ちも同居して。
喪失感すら忘れたつもりだったのに。
緩く首を振ろうとした、その時にセオがぽろりと声を零す。
「僕と誰かを重ねて見てるの、知ってるんです」
「……」
「大事な人だったんでしょ? 忘れなくて、重ねて、いいんです」
――思い出ごと、一緒に笑えるといいなって思うんです。
その言葉に、カルフはすぐに返せない。
「出来ました!」
セオが言うとカルフはようやく“安堵”して。
「合わせてみるか?」
「はい!」
短くだけれど、それもうまくいくと――セオの満面の笑みに、「出来たな!」とカルフも言葉を返していた。
――教える筈が、教えられた。
そしてカルフは帰路で、そう思いを吐露する。
「確かに大切な方の記憶だが、それはお前じゃない。そして俺は今を大切にしたいようだ」
セオを見た時、セオとの記憶が蘇る程に、と。
「新たな記憶を重ねさせて貰えるか」
「はい」
セオも頷く。
カルフと一緒の時間がとても嬉しくて。この縁の糸が、今の自分には大事なものだから、と。
ウォーゼルとパルドは調理会へ参加していた。
「それじゃ、作ろっか!」
「ああ!」
応えるパルドは……野営の食事に取り入れられたらウォーゼルが喜ぶ、と。
ウォーゼルもまた、食事が美味しければパルドも喜ぶだろう、と。互いに想いを抱きながら――選んだのは炊き込みご飯に秋刀魚の蒲焼、味噌汁。
「野営向きじゃないか?」
「米も味噌も保存が利くし意外とありじゃないかな?」
言いつつ早速出汁をとり――ご飯も研ぎ、具材を切ってゆく。
秋刀魚も、小麦粉をまぶした切り身を焼き始めた……けれど。
「……」
香り立つそれを見ていると、パルドは段々我慢できなくなって……こっそり摘み食い。
「!」
と、その美味さに耳がピンと立って目が輝いた。
(はっ、バレてないよな?)
思わずちらりと隣を窺う、と――ウォーゼルはその視線に気づいてパルドを見つめて。
何か様子がおかしい……と観察して気づく。
「パルド、ここ付いてるよ」
にっと笑い自身の口端を指し示す。
パルドがあっと慌てて口を拭うと……ウォーゼルは微笑んで。
「ふふ、美味しかった?」
「……ん、美味しかった」
応えるパルドも、照れながらも応えるのだった。
そうして全てが完成すると――実食。ご飯は具材の味が染みていて、味噌汁はほっとする美味。蒲焼きも上手く出来ていて。
「美味しいね!」
「ああ!」
二人は上機嫌で食事を終えた。
それから色々とレシピも持ち帰らせて貰うと――デザートを求め屋台へ。
「甘栗買う! あっちにぶどうもあるって!」
「いいね! 俺は、羊羹かな」
栗の濃い甘味に羊羹の濃厚さ、果実の瑞々しさを堪能し……シャルガネ料理用の味噌や米も買うと、最後に川のほとりで休憩。
「お腹いっぱいだー」
「俺も満足ー」
パルドがゴロゴロすると、ウォーゼルもまた寝そべって。
穏やかな風の下、幸せそうに――のんびりとした時間を過ごすのだった。
「こんなとこもあるんだな」
シャルガネの文化はまだまだ分からない所が多い。
だけに瞳に映る桜紅葉が珍しく――シグルド・オルセンは園の見回していた。
隣に並ぶクオーレル ライアースも頷く。
「他所ではあまり見られない光景だな」
「ああ。ここで食事にしようか」
と、シグルドは近くのベンチに座った。
道中、地酒と弁当を買ってきていたのだ。弁当は秋刀魚の塩焼きが入っていて――出来てたでもあって温かい。
クオーレルはそれを一口食べる。
「……美味しい」
身はほろりとほぐれ、脂がのっている。魚は好きなだけに、満足の心持ちだ。
シグルドも味わいつつ……和酒も堪能。ほのかな辛口と香り高さを楽しんでいた。
「クオーレル、ちゃんと食ってるか? もっと食べないと大きくなれないぞ?」
「ん、食べてるよ」
クオーレルはご飯も食べつつ応える。
斥候としてのルールがあるから酒は積極的に飲まないが……それでも甘酒も一緒に調達してきたのでそれは味わっていた。
「僕は湿地の育ちだから……こういう秋の爽やかな空気というのは……ふしぎなものだ」
そして穏やかな空気に仰ぐ。
「だが、いいな。快い」
「ああ」
シグルドもそれには頷き……また景色を眺めた。
その後二人は神社へ。
「腹ごなしに歩いてきたが、なかなか良い運動になったじゃないか」
「……あれが、拝殿か」
頷きつつ、鳥居をくぐったクオーレルは社を見つめる。作法も聞いてきたから……二人はそのまま参拝した。
「何を考えてた?」
シグルドは歩み出しつつ尋ねる。
自身は信心深い方ではない。クオーレルはどうなのかと、聞いてみたかったから。
「僕も信心深いわけじゃない、けど。……視察だ」
クオーレルは答えた。
本当は竜になってみたいと思う心もある。だから今は、征竜に関するもの以外の場所でどうなっているかを確かめたかったのだ。
そうか、と返したシグルドは……御神籤を発見。
「引いていくか」
それに二人で大吉を引いて――ひとまず前途も明るく、帰路へ向かった。
ナキルは和の色の強い建物の前で立ち止まっていた。
「何だ? ここ」
「ここは書道を行う場所です。是非、どうぞ」
と、中の町人が気づいて招いてくれる。
ナキルはついて行きつつ見回した。
「ショドー?」
「読んで時のごとく、書の道でして――」
言いながら町人が示すのは、皆が和紙に文字を綴る景色。
「おお……」
割と最近になって文字を書き始めたナキルである。作業手順や文字についても教えて貰うと、挑戦心も湧いてきて――
「カンジ。カンジか……よっし、色々試してみるぜ!!」
と、筆を握るが……ペンと違い、筆先も墨も全く言うことを聞いてくれなくて。
「コイツはまた……なんか書くモンでもこんだけちげぇのか……いや。コレが使い慣れない剣と同じならば――」
首を振り、集中。
戦術眼に天眼を発揮して、意志を込める。
「オレは今よりもっと前進するッ!」
修練と鍛錬は裏切らない。
思いを体現するように、人の技も見様見真似に覚えつつ、まずは「道」と一筆。そこから書道の道を邁進し始めるのだった。
「紅葉か……美しいな」
古代紫の瞳に秋色を映し、ラーナフは街を歩みゆく。
スケッチの場所を探しての事だが――道中、浮世絵の噂を聞いてそちらの体験へ。
「ひとつ御指南頂いて良いかな」
勿論です、と応える街の絵師から、まずは顔料での肉筆画を教わった。
筆は慣れてもいるので、独特の色合いにもすぐに馴染み、扇絵や掛物などを仕上げてゆく。
その次は版画だ。
「新しい手法というのは心が躍ってしまうね」
多色を刷って鮮やかな絵を量産する、その精緻さと大胆さに惹かれ――版下絵だけでなく彫師の仕事もしかと身につけて。
「これ、絵葉書にしたら面白いんじゃないかな」
紅葉の景色を完成させるとアイデアも提供したのだった。
その後は神社へ。
妻に昔教わった方法で参拝すると……兎と猫を見つけて。
「ふむ。ちょいと動かないでおくれな」
紅葉と兎、昼寝する猫と、穏やかな景色をスケッチ。
「ありがとうね。これはお礼だよ」
屋台で土産に買った食べ物を猫と兎に渡して……夜の景色も描きに歩み出した。
アリシア・リターナーは屋台で新酒を味わっている所。
スタンダードな清酒から、芋を使った蒸留酒までよりどりみどりで。
「む、これは何とも飲みやすいではないか。こちらはいい香りじゃのう……うむ! 味も濃密じゃ!」
次々に杯を空けながら、楽しげなのだった。
「ワーッハッハ!! おかわり!」
さらに他の酒も注いでもらい堪能してゆく。
同時にアリシアは周りの屋台を眺めてもいた。リターナー家再興の参考にと、繁盛する商売を学んでいるのだ。
「やはり、土地柄のものは強いのう」
元より冒険者家業はいつ死ぬかも知れぬ商売。将来の事は考えておいて損はない思いもある――“食っちゃ寝生活再び”を夢見てもいるから尚更だ。
それでも今は冒険者の身。
「だいぶ涼しくなってきたのう」
冬の足音が近づくだけに、そちらにも備えておく必要はある。
同時に今は、この平和を享受したいから。
「ワンモア!」
また新しい酒を注文し、楽しむのだった。
「これが鳥居ね……初めてでも雰囲気を感じるわ」
ロゼットは神社を訪れていた。
東方の神の社について知りたいと思った為。「予習してきて良かった」と呟きつつ……霊験を感じる鳥居を一礼してくぐってゆく。
それから手水舎にも寄り、拝殿にて二礼二拍手一礼の参拝を行った。
「穏やかな気持ちね――」
不思議と安らぐのを感じながら……宮司に挨拶へ。
「初めまして、西のシグモル火山から参りました」
「これは、遠いところから」
一礼してくれる彼へ、ロゼットは神社の話を請う。
宮司は頷いて話してくれた。
「この社は私達の先祖――漂着された東方の民が建てたと言います」
神も東方にて信仰されていたもの。この地で新たな泰平を、という思いで祀られたと語る。
「思いを受け継いでいるのですね――」
それを心に受け止めたロゼットは……礼を述べて辞した。
後は御神籤で大吉を引いたり、流鏑馬で見事全てを射抜いたり――紅葉と共に兎や猫を眺めて、のんびりと過ごすのだった。
「おおー! 見たことない物がたくさん!」
日用品に、置物、飾り物。
和の色に溢れる土産物の店々を、シェオルは見回していた。
「ふふふ、新しさに触れられる機会っていいよねぇ。見ているだけでも楽しくなっちゃうよ!」
言いつつ、本音は色々買いたいけれど……薬の材料費の為に金欠の身としては、中々そうもいかなくて。
「にしても、桜モチーフの品がいっぱいだなぁ」
眺めつつ歩いていると、桜の加工品が特に多い店に辿り着き――
ふとそこで珍しい物を発見。
「これは……桜の樹皮? 何に使うんだろう」
店員に聞いてみると、漢方だという。
「……漢方ってあれだよね、東方の薬学」
それに自覚なしに強い興味を抱いたのは、薬師のさがだろうか。
「へぇ……これ、薬に……解熱や解毒……へぇぇ……!」
それから「じゃあこっちは」「使い方は」「成程煎じて……」と話を聞いては品々を巡り――
「……はっ」
気づけば桜皮に牡丹皮、葛根に当帰。
幾つもの漢方を手に店を出ており……財布が空になっているのだった。
「夕焼けみたいんにきれい~♪」
フリューリングスルフト=ティエラは街の通りを歩みゆく。
道々を彩る紅葉に見とれながら、はらりと落ちてきた葉を手にとって。
「でも熱くはないんやね。栞にしよかな」
と、カエデやイチョウを数枚丁寧にしまうと――その足で屋台へ。
「お腹が空く秋! たくさん食べるさぁ~」
甘栗をはふはふ、栗羊羹をあむあむと味わいながら……お茶でも喉を潤しつつ。
「ふぁっ、出来立て! それ、それください!」
焼き芋を見つければそれも購入し、温かな美味を堪能した。
そして一巡りした、その先で見つけたのが――演奏会だ。
ジャミラ・アサド・ディヤーは演奏会へ顔を出していた。
「面白そうな楽器が多いわね」
三味線に鼓、龍笛。風流な楽器の数々を見回しながら――まずはその音色に耳を傾ける。
三味線は輪郭がはっきりとしていて、鼓は見目より威勢の良い音で。
龍笛は柔らか且つ力強く。
それらが奏でるアンサンブルは、風雅なもので。
「ゆったりした曲調ね。これに合う舞踏となると――」
ジャミラもふと舞台へ足が向いた。
面白そうな楽器に音色、それを聞けば――踊り子として体が疼くから。そうして即興で合わせ、ゆるりと舞い始めていた。
小川の流れのような、玄妙なリズムに合うのは伸びやかな踊り。
手足を靭やかに伸ばし、時に回り、時にステップを踏み。
華美ではなく音楽に寄り添った優雅な舞いを披露してゆく。
それに皆が視線を奪われていると――そこへフリューもやってきて。
「楽しそうさぁ♪」
自身も踊らずにいられぬと、両手足に鈴を付け、空にも地にも軽やかに舞い始める。
――ひらりゆらり、舞う緋、鮮やかに地面を埋め尽くす。
――かさりくしゃり、音を立てて笑う。
――笑い伝われこのひととき、広がり重なれ共の思い出。
化かし笑わせ伝播せよ、広がるその笑顔に祝福を。
皆で楽しもうと、思いと共にフリューは踊る。
「素敵ね」
言いながら、ジャミラも合わせて舞えば――音楽もまた一層盛り上がってゆくのだった。
マスターコメント
イベントシナリオ(50人)易しい 報酬:標準50 / 4〜50人
2021年10月01日 13時04分15秒 公開
参加者
バクル・バスリー
ヨル・スレイマン
ゲルダ・クライン
コルネリウス・アーラ
ゼラルム・エルホワイト
サニー・フォン・オルライト
ナハシュ
リサ・ベイカー
テス・アウレア
ルルト・アーキス
- イェレミース トゥラ リディリディ
ストレガ・L・リベルガストラ
イズレンディル・パラリム
ロイ・アウレア
ギーゼラ
ヴィナス
ハヤト=ガラン=ヴォルファング
アルマ・ヴァレンタイン
ララベル・サン・ディーベル
カイン・ステラ
フリューリングスルフト=ティエラ
海神 江流
カッシア
テュリン・ヴィング
ロゼット
- キーゼ
ナキル
アリエッタ
ララノア・グラヌローザ
エヴァン・ピオネロ
エミリア・シバ
ネーヴェ・グラヌローザ
- ラーナフ
ガルシア
アリシア・リターナー
フラム・アニムス
ナタリア・フィッツジェラルド
カルフ・オルヴォ
大福
シルヴィア・A・カペル
アルフィー・リッパー
ルーンス・ラグネル
アルバス・ロウル
セオ・ウルジオ
パルド
ウォーゼル
シグルド・オルセン
シェオル
クオーレル ライアース
ジャミラ・アサド・ディヤー
相談掲示板
ロゼットよ。観光に参加させてもらったわ。 行き先の候補が多いから、ちょっと時間を置いて考えるわ。 楽しい時間が過ごせますように。
クオーレルだ。 …観光。楽しみだな。故郷を出たかいがあるというもの。 予定は…まだ考え中だな。何か食いながら見て回ろうか…というつもりだが…
海神江流だよ。 シャルガネは地元の方面なんであれだけど、息抜きに。 今の所一人なんだけど、お声掛けいただけたらガイドするけど、同行してくれそうな人はいるかな? ご討いただけたら嬉しいな。 (誤字につき書き直し
シルヴィアだ。今回はよろしくね。 栗きんとん、栗羊羹……食べたことが無いお菓子があるから説明を聞けたら嬉しいと思っていた。江流、もし良かったら同行しても良いかい? あ、もし別の場所に行く予定なら合わせるよ。 タグを決めて貰えたらプレに書くね。
シルヴィは同行希望の申し出ありがとう。 じゃあ、詳細の方は俺のコミュの方で詰めようか。 もし、他にも同行してやってもいいよって人が居たら教えてね。
ぼっちが寂しい時には幻影を使ってエア友達とか作れば良いかと思ったが、それはそれで余計に悲しくなるのではと考え直しているシグルドだ。 翠の園辺りでちょいゆっくりしようかね。地酒があると良いんだが…
カイン・ステラ、よろしく。 江流、俺も入れてもらっていい? 何度か来てるけど、やっぱ地元のお勧めとか知りたい!
…オルセン、エアともだちという奥義があるのか… 僕も翠の園は散歩に行く予定があるんだ。 考え直す予定なら、一緒にどうだろうか…? 一人旅も嫌いじゃあないが。知人がいるなら、と思った
おっ、カインさんも来てくれるか。 二人と初めてあったのは同じ依頼だったっけね。 それじゃ、「海神邸」↓ https://alpaca-connect.com/world/world0/community/Qs9A1IFR4EFnls7gbvrA にスレッド作ったんで、そっちの方でよろしく頼むよ。
リサです、よろしくお願いします。 今回は、アルフィーさんとシャルガネ料理のお勉強をしに来ました。 時間があれば、他のこともかな?
わしじゃ!アリシアじゃ! 面白そうなので参加したのじゃよ。 よろしくー!!
賑やかな場所も惹かれるけど、今回は神社に参拝に行こうかな。 こちらの神様に挨拶してこないとって。のんびりしてくるわ。 行きがけに、お饅頭くらいなら買っていけそうかしら。
No.14
リディリディです。 よ、よろしくお願いします・・・。 えっと、友人と並木道の方に行ってみようと思っています・・・。
ギーゼラです。よろしくお願いします。 >江流さん 僕もご一緒していいでしょうか? シャルガネは不慣れなもので、案内があるとありがたく。
ギーゼラちゃんもいらっしゃいな。 この3人で同じ依頼受けた事もあったな。なんか懐かしいや。 こっちこそ宜しく。 打ち合わせはコミュの方でやってるから合流してくれるトレ嬉しいな。 https://alpaca-connect.com/world/world0/community/Qs9A1IFR4EFnls7gbvrA
「ナキルだ、よろしくな!! さーて…とりあえず、オレは6のショドーってのが気になってるから そっちにでも行こうと思うけど…他にも見て周れるモンかな…(むむ)」
ヒーラーのナタリア・フィッツジェラルドだ。宜しく。 連れを誘ってはみたのだが、参加が間に合わずソロになってしまった…… シャルガネ文化は非常に興味深く、どれも迷う所はあるのだが、強いて言えば気になる所としては5と7と8だ。 とはいえ、誘ってみようとかいう際は、希望先は向こうに合わせて行うという事もしておくぞ。 ただ気になるのは、何か所まで選べるという制約はあるのか?
アルフィー・リッパーだ。よろしくな。 リサと一緒にシャルガネの料理を勉強するぞ。 前から作り方が気になっていた料理をリサと一緒に勉強できるのが嬉しいな。今日はよろしくな(尻尾フリフリしながら)
大福なのだ。相棒の粽もいるのだ。 今回はやおよろず亭の前で秋の味覚のおにぎりや焼き芋なんかの販売をしようと思うのだ もちろん、やおよろず亭の店内では秋柄の着物や履物に装飾、がま口の鞄なんかも販売するのだ 時間があったら覗いてほしいのだ。よろしくお願いします、なのだ~
ガルシアと申します 江流様 私もご同行いいでしょうか?
フラムです!よろしくー! 俺は日中、翠の園でアクセサリーのモチーフになりそうなカエデやイチョウの葉の スケッチをする予定です。 夕方頃にやおよろず亭に大福さんを迎えに行って、一緒に神社へお参り。
>クオーレル お、お前さんも一緒か。勿論歓迎するぞ。 とりあえずどっか腰を落ち着けて飯や酒を、とでも思っているが、お前さんがやりたいことがあれば付き合うぞ。
>ガルシアさん 同行だね。勿論構わないよ。今の所、食い歩きになりそうな感じだね。それでもよければどうぞどうぞ。 俺のコミュの方で相談してるから、よかったらそっちで詳細を詰めたいな。
>シグルド・オルセン やりたいこと…。あんまり雅なことには教養がなくて…、なあ。 (ふーむ。悩んだ後に) 翠の園での飯に付き合うよ。さけは…、…甘酒とかがあれば? もうひとつ興味があるとすれば、神社かな。あまり信心深い方じゃないが…『征竜』以外のそれがどうなってるのか。ちょっときになる… 飯のあとにでもどうだろうか?
>ナタリア 制約はないと思うわよ。あちこちにちょっとずつ顔を出すか、 1か所にしっかり時間をかけるか。実際の観光と同じね。 私は「8.神社」を観光してるから、気が向いたらよろしくね。 あちらの神職の方なんかに、神社のお話とか聞いてみるわ。
>クオーレル ん、飯の後に神社だな。大丈夫だ。 こっちでの神に対する作法とかも道中で聞いとかないとな。
おーっす! ブレイブファング傭兵団のハヤト=ヴォルファングだ、みんなよろしくな!! 俺もソロ参加になっちまったから適当に故郷をぶらつく感じになるな。 誰か暇してる奴がいれば一緒に回んねーか?
シューターのロイです。ヨロシク! 今回も揺らぐ事無くテスとデートで、コースは やおよろず亭で秋の味覚のおにぎりを頂いて腹ごしらえしてから流鏑馬を考えてます。 皆で秋を存分に楽しもうなー。
>シグルド・オルセン では、そんなかんじで…。 誘った…は、いいが。あとはどのくらい打ち合わせするものなのかな。 訪れる時間帯とかか…?
テス・クラルスです。 例のごとく、ロイと一緒に楽しむよ。 やおよろず亭も、流鏑馬も楽しみだよ。 ではでは、皆様も良い秋日をお過ごしくださいませ。
こんばんは、セオ・ウルジオです。 シャルガネは初めてなので楽しみです。 カルフさんと一緒に、和楽器を体験してみようと思います。 よろしくお願いしますね。
>クオーレル 時間帯は任せるぞ。神社に行きたい時間があればその時に行けば良いし、飯食ってすぐでも良いぞ。
>ロイ、テス 二人で来てくれるのだ?楽しみにしてるのだ~! ありがとうなのだ~!いっぱいおまけするのだ~!
ストレガなのだ。よろしくなのだ。 調理会で調理してるのだ。献立はまだ決まってないのだ。