天に綺羅星、地に蛍
真柄 葉
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シナリオID:1083
オープニング
港湾都市リブラネスタは気温と共に熱気が増すかのように、今日も活気であふれていた。
「いつもご贔屓にしていただきましてありがとうございます」
ここは大陸において屈指の活気を誇るリブラネスタの中でも、実力、規模共に最大級の商会『セルッティ商会』。その荷揚げ場である。
積み上げられた木箱の数と内容を吟味し終えた女性に、商人が握手を求めた。
「こちらこそ、いつも素晴らしい品をご用意いただけて感謝するばかりです」
一方、差し出された手を頭を下げて断った女性『キサキ・アカネ』はニコリと柔和な笑みを浮かべる。
商人はその笑顔に笑顔で答え、伸ばしていた手を引っ込めた。
「これから夏にかけて川魚の美味しい季節になりますね。特に鮎はリブラネスタでも人気があります」
「あら、こちらでも川魚を食べるのですね。確かに夏の鮎はおいしいですからシャルガネの鮎も絶品ですよ。もう少し距離が近ければこちらにもお持ちできるのですが……残念です」
「ええ、まったく。一刻も早くビッグオウムの空輸網が確立することを願うばかりですよ」
社交辞令代わりに雑談を交わす二人。そうしている内にも、仕入れた荷も馬車に積み終えた。そんな時だった。
「キサキ、久しぶりだねえ」
滅多に荷揚げ場に訪れない珍しい人物の登場に、辺りがざわつく。
現れたのはこの商会の主『ヴィルジニア・テレーザ・セルッティ』その人であった。
「これはセルッティ様、ご無沙汰しております」
アカネはゆっくりと近づいてくるヴィルジニアににこりと微笑みかけると、頭を下げる。
ヴィルジニアはアカネのお辞儀に扇子を持った手を上げ答えた。
「今日も沢山買ってくれてありがとうね」
「いえ、こちらでしか手に入らない品をお安く提供していただいているので、私の方こそありがたい限りです」
ヴィルジニアは持っていた扇子を畳むと腰に差し、空いた手をアカネに差し出した。
アカネは相変わらず手を取ることなく、頭を下げて答える。
「いつか手を掴んでほしいものだねぇ」
「そういう文化ですので、申し訳ありません」
「ふーん、文化、ねえ」
互いに微笑み合う二人の間に、一瞬だけ目に見えぬ感情の応酬があった事をこの場の誰が気付けただろうか。
「そうだ、キサキ。ちょっとお願いがあるんだけど、聞いてもらえないかい?」
「お願いですか? はい、私で出来る事でしたら」
数瞬の見えないやり取りを終えたヴィルジニアは、突然話題を変えた。
アカネも何の話なのかと首をかしげる。
「助かるよ。実はギルドの冒険者達をアンタの宿に泊まらせてやってくれないかと思ってねえ」
「はい?」
ヴィルジニアの口から出た提案に、アカネは更に首をかしげた。
「一体どういう事ですか?」
「どういう事って、そのままの意味さ。いつも苦労を掛けている冒険者に慰労の機会を提供しようと思ってるんだよ」
「冒険者の皆さんに、慰安を目的とした宿泊、ですか」
ヴィルジニアの話を聞きアカネが考え込む。
「アタシが無償でそんな事をするのにはきっと裏がある。そう考えてるんだろ?」
「い、いえ、そういう訳では……」
「はは、わかっているさ。でもね、今回のこの件に関しては裏なんてものは無いよ」
「私は別に……」
くくくとおかしそうに笑うヴィルジニアに、アカネは口籠った。
「信じてもらえないかい? 要は先行投資さね。このリブラネスタを盛り上げてくれている冒険者達が潰れてしまっては事だからね。適度に息を抜いてもらうために、一時の休息を提供するのもこの街の代表の務めさ」
「……なるほど」
ヴィルジニアの説明にアカネは頷く。
「で、どうなんだい? アンタのお宿、空いてるのかい?」
「わかりました。そういう事でしたらご提供しましょう。私も冒険者の方々にはお世話になっている身ですので」
「そうか、それはよかった! アンタならそう言ってくれると思ってたよ」
アカネの返答にぱちんと手を打ったヴィルジニアは、どこか子供っぽい笑みを浮かべていた
解説
マスターより
リプレイ
「お待たせ。待った?」
「う、ううん。今出たとこ」
火照った体を団扇で扇ぎながら出てきたアルラ・ニグラスを、ララベル・サン・ディーベルが迎える。
「この服、浴衣、だっけ? ベルによく似合ってるわ」
「そ、そうかな? アルラこそよく似合ってるよ」
二人は湯上りに袖を通した浴衣を互いに褒めあう。
「ふぅ、それにしても熱かったわ。シャルガネのお風呂ってどこもこんな感じなのかしら?」
「う、うん、確かに」
火照った体を冷やそうと、浴衣の胸元を広げ団扇で風を送っていたアルラ。そんな様子をちらちらと見ていたララベルは耳まで真っ赤にしていた。
「うん? ……もぉ、どこ見てるのかな~?」
そんな恋人の仕草に気付いたアルラは悪戯な笑みを浮かべると、ララベルに肌を寄せる。
「でもこの服って動いてるとほら、すぐにはだけてきちゃう。だから、ね?」
「えっ!?」
「なに? 嫌なの」
驚き体を硬直させるララベルに、アルラはむすっと口をとがらせた。
「そ、そんなことないよっ! 僕でよかったら、その……ずっと支えるから!」
そんなアルラの肩をグッと抱き寄せ、ララベルは真剣な表情で恋人を見つめる。
「……ふふ、ありがと。嬉しいわ」
真剣な熱意を向けてくる恋人にアルラは嬉しそうに微笑むと、肩を置かれたララベルの手に自分のものを添えると、耳元に口を近づける。
「こんな所じゃ、みんなに見られちゃうわ。続きは、夜ね」
「よ、夜っ!?」
「それじゃ、行きましょ。何でも願い事が叶うらしいお呪いがあるそうよ」
「え……あ、うん」
二人は互いに支え合う様に、廊下をゆっくりと歩き出した。
●
「流石高級旅館ですね。料理もお酒も一流でした」
「……一人だけ、お酒ずる、い」
「ティトはまだ飲める歳ではないから仕方ありません」
「誰が小さいっ、て?」
「いえ、一言もそんなこと言ってません。言ってませんので、そのナイフはしまってください」
音もなくナイフの切っ先をわき腹に当ててくるティトに、セロンガード・シュタインドルフは両手を上げた。
セロンガードは風呂と食事を済ませ、のんびりと部屋でくつろぐ……はずだったのだが、ティトがどこからか願いの笹の噂を仕入れてきた。期待に満ちた瞳で見上げてくるティトに否とは言えず、セロンガードは彼女に手を引かれるままに玄関へ向かっていた。
「しかし、不思議な風習ですね。植物に呪い札を吊るす、ですか」
「願いが叶うって、キサキさんが、いって、た」
「本当にそれで叶えば、世の不幸は無くなるのですけどね」
「セロンは、信じない、の?」
「効果のほどを実感していませんからね。信じるも何もないですよ」
「……つまらない男」
「ティト……無理に大人ぶらなくても――いえ、なんでもありません。ありませんので、ナイフはしまいましょうね?」
再び両手を上げたセロンガードに、ティトは仕方なしとナイフをしまう。
「あれ、だ」
と、ティトが目的の大笹を見つけ駆け出した。
「まったく、子供……がいればはしゃぎまわりそうなほど広い旅館ですね」
失言を聞き逃さなかったティトがナイフ投擲の構えに入ったのを見て、セロンガードは慌てて話を変える。
しかし、当のティトは大きな瞳を見開き、顔を真っ赤にして固まっている。
「ティト?」
「こ、子供は早い、と思う、の……」
「うん? 何か言いましたか?」
小声で呟いたティトはセロンガードが聞き返す間もなく走っていった。
「ティトは何と書いたのですか?」
早速と短冊に願い事を書いていたティトの手元を覗き込む。
「身長、ですか」
「セロン、は」
「私は……これです」
「『非願成就』? 悲願って、なに」
「それを言ってしまうと願い事が叶わないらしいですよ」
「えっ……」
「と、風の噂で聞きま――」
と、セロンガードは身構えつつティトを見た。
「?」
「いえ、ナイフが来ないなと」
「……バカ」
それきり喋らなくなってしまったティトに、セロンガードは頭を掻きつつ。
「私の悲願は、貴方ですよ」
そう言ってティトの肩に手を回したのだった。
●
「はぁ、やっぱり高級旅館は違いますね。でも――」
故郷にも名を轟かせる『巴屋』に泊れるとあって、喜び勇んで足を運んだが、今日の目的は宿泊ではない。
トーラは玄関に飾られた大笹を見上げる。笹の葉にはすでにいくつもの短冊が飾られており、そのどれにも願い事が書かれていた。
「これに願い事を書けば叶う……」
トーラは脇に置かれていた新しい短冊を手に取り、筆を持つ。
「願い事は……」
短冊に重ねるのはあの人の顔。いつも笑顔を浮かべているのに、その奥ではずっと泣いてる美しい顔を思い浮かべながら、筆を短冊に落とした。
「……なんて書けばいいんでしょう。何を望めばあの人は」
トーラは短冊に記した一点から筆を動かせない。書きたいことは山ほどある。でもそれをここに書いて本当にいいのだろうか。自分が叶えるんじゃない、他力本願で本当にいいのだろうか。
動かない筆を見つめながらトーラはじっと考える。
結局、何度も思い直した結果、短冊に書かれた文字は『お傍に居たいです』という、短い言葉だけだった。
●
「ララベルはなんて書いたの?」
「えっと……これ」
と、手元を覗き込んできたアルラに、自分の短冊を見せたララベル。
「……そう、ベルも」
「え?」
首をかしげるララベルに、アルラは自分のを見せた。そこには――。
『ずっと一緒に居られますように』
まったく同じ言葉が書かれた二つの短冊が並んでいる。
「アルラ……」
「さぁ、早く結んで行きましょう。見たい所はまだまだあるもの。夜は、意外と短いわよ?」
「う、うん……!」
妖艶な流し目にドキリとしたララベルは、急いでアルラを追った。
●
「来てくれたのですね」
「は、配膳をしに来ただけ、です……!」
若い女中は部屋の主と視線を合わせようとせず、たどたどしい手つきで食事の用意を進めていく。
「そんな手際では椀物をこぼしてしまいますよ」
「す、すみません……まだ不慣れなもので」
「ええ、それは初めて見た時から気付いていました」
そう言うと女中は初めて目を合わせてくれた。
「お仕事は楽しいですか?」
「え……?」
「寂しくはないですか?」
「そ、そんな事ありません。皆さんいい人です。私がドジなだけで……」
「……一つ面白い話をしましょうか」
項垂れる女中に向け、キーゼは突然冒険の物語を語り始めた。
女中は仕事中だという事も忘れ、キーゼの話術に聞き惚れる。
「――さて、続きが聞きたかったら……そうですね、酌でもしてもらいましょうか」
物語も佳境、キーゼは突然話を切ると空の盃を女中に向けた。
「で、でも……」
「物語はまだ終わっていませんよ? 大丈夫です、女将と先輩には僕からうまく言っておきます。これでも交渉術には少し自信があるので」
そう言って、キーゼは女中の瞳を見つめ、すっと手を伸ばした――。
●
「お、おぉ……! これがYUKATA!」
アカネに選んでもらった浴衣を羽織り、エルゼリオ・レイノーラが鏡に映る自分をまじまじと見つめた。
「でも、女物でよかったんですか? もちろんよくお似合いですけど」
浴衣を着たエルゼリオに帯を回しながらアカネは問いかける。
「うん、いいんだ! アカネさんが似合うって選んでくれた浴衣だもん、すごく嬉しいよ!」
エルゼリオはくるりと振り向きアカネに笑顔を向けた。
「あっ、動いたらダメですよ。帯が崩れたら浴衣がはだけてしまいます」
「あわっ、ごめん! じっとしてます!」
しかし、返ってきたのはアカネの困った顔。エルゼリオは慌てて正面を向く。
「あ、そうだ、アカネさん。さっきの鮎なんだけど」
エルゼリオはふと、先ほど食べた川魚料理を思い出す。
「あれってやっぱりここでしか食べられないのかな」
「そうですね。鮎はシャルガネの特産品の一つですから」
「とっても美味しかったから、他の地域の人にも食べてもらえないかなって思ったんだ。それでね、ボク考えたんだけど――」
と、エルゼリオはアカネにマジカルポケットを使った輸送方法のアイデアを進言した。
●
「すまねぇな、セヴラン。ちょっと警戒心の強い奴でよ」
「いやいや、気にしないでくれ。見ず知らずの人間を警戒するのは生存本能として正しい」
アーシェル・G・クラインの背中に隠れつつ、ふしゃーと警戒を露にするアルフィー・リッパー。
セヴラン・クアルトが初めて見る親友の友人に挨拶をと手を差し出したのだが、いまだその手は握られない。
「おら、アルフィー。こいつは大丈夫だからさっさと挨拶しろ」
アルフィーはアーシェルに首根っこを掴まれる形で前へと引きずり出される。
「アルフィーさんというんだね、僕はセヴラン。よろしく」
「……」
「ほら」
「……アルフィー、だ」
アーシェルに背を押され、ずっと差し出されていたセヴランの手をようやく取ったアルフィー。
「すまねぇな、愛想なくてよ。慣れてくると、大分柔らかくなるんだけどな」
「そうなんだね。それは楽しみだ。よろしくね」
「……よろしく」
にこりと微笑んだセヴランに、アルフィーはフンとそっぽを向いて答えた。
「ったく、お前は……」
「まぁまぁ、いいじゃないか。そんな事より早く選ばないと、彼女たちを待たせてしまうよ?」
「おっと、そうだったな。アルフィー、お前はどれがいい?」
「別に着替える必要ねぇだろ……どうしてもってんなら、あんたが勝手に選べ」
アーシェルがアルフィーに問いかけたら返事がこれだ。アーシェルは肩を竦めセヴランを見る。
「はは。それじゃ、色々試してみようか」
セヴランは二人を温かく見つめながらそう提案した。
●
「うーん、やっぱりこっちじゃない?」
「そう? これも似合うと思うんだけど」
「あ、それの色もいいわ! 悩んでしまうわね……」
「そうだね。元がいいから何着てもいけそうではあるんだけど、せっかくならベストを追求したいよね」
アンネエルカとクレア・エクレールは色とりどりの浴衣を前に悩みに悩んでいた。
「でも、本当に似合うかわからないから、そこまで真剣にならなくても大丈夫ですよ……?」
「「似合うよ(わ)っ!!」」
「そ、そうでしょうか……?」
グッと身を乗り出してくる二人の迫力に押され、リサ・ベイカーはこくこくと頷く。
お宿で偶然出会ったリサを道連れに、三人は貸浴衣を選び始め、早や1時間が経過していた。
「流石にそろそろ決めないと」
「そうね。あまり待たせすぎるのもいけないわ」
クレアとアンネエルカは互いに選び合った浴衣に決める。長く苦楽を共にした二人だけあって、互いの好みと性格は理解していた。だから、選ぶのにそれほど苦労はしなかったのだが、もう一人の主役リサの浴衣の選定が難航していた。
「そ、それじゃ、こういうのはどうでしょう。浴衣はクレアさんに、装飾品はアンネエルカさんに選んでもらうっていうのは……」
と、悩む二人に向けリサが提案した。
「「それだ(よ)っ!!」」
再びハモった二人。リサの提案に目を輝かせ頷くと、早速浴衣と装飾品を選び始めた。
●
「おまたせー!」
「おせーぞ! 待ちくたびれたじゃねぇ……か」
待ち合わせ場所にようやく現れたクレアに悪態をつこうとして、アーシェルは固まった。
「これは素敵な姿だね。最近ますます綺麗になってきたクレアさんにとてもよく似合っているよ」
「えへへ、そうかな。ありがと、セヴランさん」
セヴランに褒められてもじもじと照れながら舌を出すクレア。
一面黒地の浴衣に真っ赤な大輪の芍薬が咲いた浴衣は、最近ますます妖艶さを帯びてきたクレアにとてもよく似合っている。
「髪もあげてもらったんだ。どう? このうなじとかセクシーでしょ?」
「べ、別に普通だろ」
と、クレアはなぜか視線を外しているアーシェルにぐいぐい行く。
「お、おい、やめろ。こいつが嫌がってるだろ……!」
そんなクレアとアーシェルの間に、アルフィーが割って入った。
驚くクレアを他所に、アルフィーは牙を剥き敵対心を露にする。
「ば、ばっか! 別に嫌がってるわけじゃねぇよ! いらん事するんじゃねぇ!」
「う、うわっ!」
そんなアルフィーの首根っこを掴みぷらーんするアーシェル。クレアに「連れがすまねぇ」と謝った。
「あら、新しいお友達?」
そんな所へ、遅れてアンネエルカがやってきた。
「ああ、アルフィーさんというんだ。アーシェルの友人だよ」
セヴランはアンネエルカに伝えると共に、彼女の姿をゆっくりと見る。
「アンネさんもよく似合っているね」
「えへへ、ありがと。クレアが選んでくれたの」
少し照れたように笑うアンネエルカ。彼女は白地に桃色の色調を足した淡い浴衣を纏っていた。アンネエルカもクレア同様に髪を上げ、少し大人びて見える。
「ふふ、これはアーシェルには目の毒だね」
「目の毒?」
「いや、気にしないでくれていいよ。そういえばもう一人はどうしたんだい?」
首をかしげるアンネエルカにセヴランは微笑みながら問いかけた。
「リサさん? もうすぐ来ると思うのだけれど……」
と、アンネエルカが廊下を見た時――。
「ごめんなさい! 遅くなりました!」
慣れない浴衣で懸命に走ってくるリサの姿があった。
「そんなに慌てなくても大丈夫だよ。――うん、リサさんも素敵だ」
息を切らすリサに手を差し伸べたセヴランは、彼女の姿を見て満足げに頷いた。
リサはアンネエルカとクレアが選びに選び抜いた白地に緑の色調を入れた浴衣に濃緑色の帯を巻いている。そして、特に目立つのが結い上げた髪の毛を止める大輪の花飾り。
「変じゃないでしょうか……?」
「とてもよく似合っているよ。これは二人の仕立てかな?」
と、セヴランはアンネエルカに視線を移すと、「ふふっ、素敵でしょ!」と彼女は胸を張っていた。
「おーい、そっちの三人! 置いてくぞ!」
と、既に玄関から出ようとしているアーシェル達三人が、セヴラン達に声をかけてくる。
「おっと、僕達も行こうか」
「ええ、行きましょう!」
「はい、よろしくおねがいします!」
「ふふ、今日は僕が両手に花だね」
そう言いつつ、三人は先に出たアーシェル達を追っていった。
●
「折角着せてやったのに、それじゃ浴衣の意味がないだろ?」
「あ? 別にいいじゃねぇか。普段、上着なんか着ねぇから変な感じなんだよ」
呆れるヨル・スレイマンに、浴衣をはだけさせていつもの上半身裸スタイルのナハシュは我知らず。
「はぁ……せっかくの趣が台無しじゃないか」
「こっちの方が楽だから仕方ねぇだろ」
呆れるヨルにけらけらと笑うナハシュ。そんな二人は旅館の屋根上へ登り、満天の星空の元、盃を交わしていた。
「しかし、君は一匹狼の割に付き合いがいいね」
相手の盃に酒を注ぎながらヨルが呟く。
「別にお前に付き合ってるわけじゃねぇし。俺は一人で星見て酒飲んでるだけだ」
「なるほど、俺がたまたま隣にいただけだと」
「別にそうは――」
「む、先客か」
屋根上で二人がいつもと変わらぬやり取りをしていると、もう一人の客がやってきた。
「おや、ナハティガル君か」
と、現れた人影にヨルが声をかける。
「お邪魔だったか」
「そんな事は無いよ。よかったら一緒にどうだい?」
「いいのか?」
ヨルの申し出にナハティガル=ラーは意外そうに問いかけた。
「もちろん」
「おいおい、騒がしくするんじゃねぇよ。折角の星見酒がまずくなるだろ」
ナハティガルを招こうとしたヨル。しかし、隣でナハシュが不機嫌に愚痴る。
「ふむ、酒がまずくなるか。それは申し訳ない事をしたな。お詫びといっては何だが――」
そんなナハシュに向け、ナハティガルは一升瓶を取り出した。
「そ、それは……!」
「うん?」
ナハティガルの差し出した一升瓶を見たヨルが驚き、ナハシュが首をひねる。
「あの幻の銘酒『鬼殺し』か……!」
「ほう、知っているのか。女将に頼み込んで出してもらった逸品だ」
「ああ、もちろん知っているさ。まさか、こんな所で拝めるなんてね」
「おい、なんだそれ、美味いのか?」
と、熱のこもる二人の会話に置いてけぼりだったナハシュが口を出した。
「美味いも何も、シャルガネの清酒の中でも最高位と呼ばれるものの一つだ」
当然だというヨルに、ナハシュはごくりと喉を鳴らす。
「邪魔をした。これは別の場所で一人で空けるとしよう」
「ちょ、ちょっと待てよ!」
と、引き上げようとしたナハティガルをナハシュが慌てて止めた。
「ここまで煽っておいてお預けは無しだろ。いいからお前もこっち来いよ」
「いいのか?」
そう言いつつナハティガルはヨルに視線を向けると、肩を竦めて頷いている。
「ならば遠慮なく」
ヨルの同意も得られたことで、ナハティガルは二人に合流すると、三人は屋根に背を預け夜空を見上げた。
「シャルガネの空も悪くない」
ナハティガルが杯を傾けながら呟く。
「ああ、この空だけはあの街と変わらねぇ」
「そうか。二人共あの街の出か」
夜空を見上げる二人にヨルが話しかける。
しかし二人はそれ以上語ろうとせず、じっと空を見ていた。
「……せっかくだし開けさせてもらうよ」
それ以上話しかけるのは野暮だと思ったのか、ヨルはナハティガルの持参した一升瓶を空け、二人の盃に注ぐ。
「いい夜だね」
自分に注いだ酒を口にしたヨルが呟きながら空を見上げた。
「ああ、いい夜だ」
「同意する」
三人はちびちびと『鬼殺し』を傾けながら、ずっと空を見上げていた。
●
「ふぇ……やっと乾いたぁ」
「ふふ、いつも大変ですね」
「いつも手伝ってくれてありがとうね!」
えへへと笑うエルシー・サリバンに微笑みを返すネーヴェ・グラヌローザ。
二人は浴衣に着替え、旅館の裏手の小川に夕涼みにやってきた。
「その浴衣、ネネによく似合ってるね」
月明かりの下、遊歩道を歩きつつ、エルシーは隣を歩く親友を見る。雪のように白い彼女に似合う様にと、淡い桃地に濃い青紫の色調が入る浴衣は紫陽花柄。それに淡黄色と翠色が印象的な半帯を合わせている。常に笑顔を絶やさない彼女にとエルシーが選んだものだった。
「ありがとうございます。エルもよく似合っていますわよ」
エルシーに見つめられ、ネーヴェは嬉しそうに返した。
「そ、そうかな……えへへ」
ネーヴェに微笑まれ、エルシーは嬉しそうに耳をピコピコさせる。ネーヴェに選んでもらった、白地に淡桃色の色調を入れた浴衣は牡丹と菊があしらわれ、とても華やかだ。帯も彼女の快活ぶりを表す様な向日葵色。可愛らしく活動的なエルシーにぴったりだとネーヴェが一目惚れした浴衣だった。
「ネネに選んでもらった浴衣……うれしいな」
エルシーは嬉しさのあまりネーヴェの腕に自分のものを絡ませる。
「私もエルに選んでもらったこの浴衣、とても嬉しいですわ。それに、これ」
と、ネーヴェは帯に手を添えた。
「うん、友情の証!」
ネーヴェに倣う様に帯に手を添えたエルシー。二人の帯には互いに送り合った友情の証であるシルバーナイフが納められている。
「これがある限り、私達の友情は不滅ですわ」
「え、違うよ?」
「え……?」
「無くても不滅だよ!」
「……ふふ、そうですわね」
そんな話をしつつ遊歩道を歩いていると、二人はいつしか幻想的な蛍の乱舞に包まれていた。
「すごい……蛍だ。きれい……命の輝きだ」
「ええ、とても幻想的な光景ですわ」
二人は立ち止りしばし幻想的な光景に酔いしれる。
「ね、エル。ずっと私と仲良しでいてくださいね」
蛍達の舞踏に見惚れていたエルシーに、ふとネーヴェが呟いた。
「そんなの当然だよ。私の方こそ、ずっと仲良しでいてください」
エルシーもまた小さく呟き、そして――。
「ネネ、大好き!」
「私も大好きですわ、エル」
ぎゅっと抱きついてくるエルシーの頭を優しく撫でながら、ネーヴェは幸せそうにそう答えたのだった。
●
「はぁはぁ……ビックリしました……」
旅館の裏手に逃げて来たララノアは、辺りに人気のない事を確認してほっと胸をなでおろす。
振り返れば旅館からは賑やかな声が聞こえた。
「はぁ……うまくいかないでございますね」
賑やかな旅館を少し羨ましそうに見つめながら、溜息をつく。
「結局……これも持ってきてしまいました……」
ララノアは大きなため息をつくと共に、握っている短冊に視線を落とした。
書きかけの短冊。そこには『皆様の願いが』と中途半端に書かれている。
こそこそと一人笹に願いを込めようと思ったら、人が来たので慌てて逃げて来たのだ。
「せめて最後まで書きませんと……願いなど……到底、叶う事などありませんのに……」
ララノアは自分の不甲斐なさを自嘲する。
「ララノア様」
「ひゃいっ!?」
そんな時だった。突然、後ろから声をかけられララノアは飛び上がる。
ぎぎぎと錆びた紋具のように後ろを振り返ってみれば、そこにはシンプルな藍の浴衣を身にまとったイデアが立っていた。
「イ、イデアしゃまっ……!」
「こんな所で会うとは偶然ですね」
ずり下がった眼鏡を必死に戻すララノアに、イデアはゆっくりと近づいてくる。
「ララノア様も酔い覚ましでしょうか」
「あ、あにょ……私、私は……その、ただのモブなのでゅぇ!!」
「そんなに緊張しないでください、誼を結んだ仲ではありませんか」
「ひゃいっ……」
だらだらと冷や汗を流しながら直立不動のララノアに、イデアは困ったように近づくと横に並んだ。
「これは独り言です」
と、ララノアをちらりと見つつ呟くと、イデアは話を続ける。
「高級旅館。話には聞いていましたが、なかなか見事な造りです。ロスガリアのどの国とも違う不思議な佇まいは、旅人の疲れを心から癒すための造りをしているようにも感じられますね」
そう言うとイデアは更に旅館から離れ、谷の下に流れる小川を見下ろした。
「こんな所で緊張して、ストレスを抱えては本末転倒です。ほら、見てください。あそこにも、癒しを与えてくれそうな『光』が漂っていますよ」
ララノアはようやく自分に話しかけているのだと悟ったのか、恐る恐る近づいて行く。そして、谷底にそっと視線をやると。
「わぁ……綺麗でございます……」
蛍の舞う幻想的な景色に心を奪われた。
「なるほど、やはりあれは『綺麗』なのですね」
一方、それを綺麗なものだと『記憶』したイデア。二人はしばらくその場で蛍の乱舞を見つめていた。
●
川の畔を一人ゆるりと歩く。暑い季節の夕涼みには格好の場所だった。
右手に川を見ながらエル=バ=ノイアンは水の流れを追う様にゆっくりと歩を進める。
「静かだ」
藍地に縦縞の入った浴衣を纏うノイアンはどこか寂しげに視線を落とした。
「ノイアン?」
そんなノイアンに凛とした女性の声がかかる。
その聞き慣れた心地よい声に顔を上げれば、そこにはシルヴィア・A・カペルがいた。
「シルヴィア……?」
「君も来ていたのか」
遊歩道にしゃがみ川面を眺めていたシルヴィアは、ゆっくり立ち上がるとノイアンの元へと歩いてくる。
「今日は……髪を上げているんだね」
シルヴィアはノイアンの前に立つと、普段なかなか見られない友人の容姿に少し驚いた。
「ああ、似合わなかったか」
「いや、そんな事はない」
「そう、か……俺の事より、あんたこそ」
「うん? 私がどうかしたかな……?」
見上げてくるシルヴィアに、ノイアンの胸がドキリと跳ねた。
シルヴィアは白地に色とりどりの朝顔が描かれた華やかな浴衣を纏い、ノイアンを見つめている。
「……その浴衣、似合っている」
ノイアンは暗がりの中、自分を見つめる青い瞳から逃げるように視線を逸らすと、小さく呟いた。
「そうか……ありがとう」
すると、少し照れたようなシルヴィアの声が聞こえる。
「……少し歩かないか」
「ああ、喜んで」
短く言葉を交わした二人は、並んで遊歩道を歩き始めた。
川のせせらぎと木々のざわめき、そして二人の下駄の音だけが辺りに響く。
肩の向こうに仄かな温もりを感じた。
触れているわけではない。それでも、相手の存在が熱を感じさせる。
「ノイアン」
しばらく無言で歩いていたらシルヴィアが立ち止り声を上げた。
「どうした……?」
「見るんだ……静かにだよ」
シルヴィアに続き足を止めたノイアンは、彼女の指さす方をゆっくりと見つめる。
「蛍……か」
「ああ、初めて見たよ」
初めて見た蛍に目を輝かせるシルヴィアを、ノイアンは好ましく思う。
「小さいんだね。……でも、ああやって闇夜を懸命に舞う姿は、とても綺麗だ」
「ああ……綺麗だ。――あんたのように」
「……ノイアン」
月明かりしかない辺りは暗く、相手の表情はよく見えない。
二人はそれ以上言葉を交わすことなく、じっと蛍の舞を見つめていた。
そんな二人の少し後ろ。
紺地に青山茶花柄の浴衣を纏い、普段は整える事すらほとんどしない髪を結い上げてもらったルベア・ベルニはチラリと前方へ視線を向ける。
「邪魔しちゃ悪いしね」
前方には知り合いの男がいる。気付いた時には声をかけようとも思ったが、彼の隣に人影を見つけやめておいた。
ルベアは長湯で火照った体を川辺で冷やしつつ、一人川面に映る自分の姿を見る。
月明かりの下、水面に映った自分は一人きり。右を見ても左を見ても、肩を温めてくれる人影はない。
「……やっぱり、ちょっと羨ましいな」
そんな独りぼっちな水面の自分に、ルベアは自嘲気味に話しかけた。
当然、水面に映る自分から返事などあるはずもなく――。
「うわぁ……」
ルベアは嫌な思考を振り払う様に顔を上げる。そこには、いつしか幻想的な光景が広がっていた。
「綺麗だ……」
自分を囲むように蛍の群れが舞い踊り、辺りを明るく照らしている。ルベアは無意識に両手を広げると、ゆっくりとステップを踏み始めた。――それはまるで一枚の絵画のように美しかった。
●
六人はゆっくりと遊歩道を歩く。
辺りは蛍達が作り出す幻想的な光で包まれていた。
綺麗な景色。だがそれは暑くなる季節を前にした一瞬の幻想。
アルフィーは景色にも見惚れながらも、どこか浮かない顔をしていた。
「ルーシェ……」
思わず口を突いて出た言葉に、慌てて辺りを見渡す。聞かれていない……そう確信し、ほっと胸をなで下した。
「アルフィー」
「……大丈夫だ」
友人が声をかけてくれる。それをありがたいと思いつつも、幻想に答えを求めてしまう。答えなどもう聞けないのに――。
「クレア、どうかした?」
「え? なんでもないよ!」
アンネエルカがそんなアルフィーをじっと見つめていたクレアに声をかけた。
「それにしても素敵な景色だね。吸い込まれそう」
「本当に素敵……この光景を何かに残す才がないのが悔やまれるわ」
アンネエルカとクレアは辺りの幻想的な光景に見惚れずっと見入っている。
「皆、これ見てください!」
と、少し離れていたリサが五人の元へ嬉しそうに戻ってきた。
「何か手に入れたのかい?」
セヴランが戻ってきたリサに問いかける。
「小さな幻想をつかまえました」
そう言って、リサはパッと手を開く。すると、一匹の蛍がふわふわと逃げていく。
「これは、とても素敵な幻想だね」
六人はリサの手から離れた小さな幻想が、大きな景色の中に溶けていくのをじっと見つめていた。
●
――カポーン。
「ふぇ……蕩けるぅ」
到着の遅れたサフィラ・アズラク・ナハルハルアリーブは、人気の無くなった露天風呂で疲れを癒していた。
「それにしてもハヤトってば」
少し熱めの湯に鼻まで沈め、サフィラは先ほどの事を思い出す。
部屋に居るはずだったハヤト=ガラン=ヴォルファングと再会できたのは風呂の前だった。なぜこんな所でと首をかしげるサフィラに、ハヤトは「早く風呂に行こうぜ!」と背中を押す――。
『いやぁ、シャルガネの風呂は混浴だからいいよな!』
と、よくわからない理屈をこねて、女湯に入ろうとしてきたハヤト。
驚いたサフィラはハヤトを何とか男湯に追いやり戸を閉めた。
「……ぶっくぶくぶくぶく」
顔半分を沈めたまま呟きつつ、サフィラは風呂を見渡した。入っているのはサフィラだけ。これなら別に混浴でも――。
「って、いいわけあるかー!」
がばっと立ち上がったサフィラ。荒い息を整えつつ、ちらりと見れば男女を隔てる高い壁が立ちふさがっていた。
サフィラが女湯で悶々としている一方、男湯でも別の意味で悶々としている奴がいた。
「こんな塀余裕!」
そう、ハヤトである。
ハヤトは数々の依頼と戦場で培い磨いてきたシーフの技を、惜しみなく駆使し男女を隔てる高い壁に挑んでいた。ハヤトは難なく塀の天辺まで到達すると、そろりと頭を覗かせる。
湯煙に隠れる女湯。人の気配は一つ。もちろんサフィラのものだ。湯気が揺れる中、じっと目を凝らしたハヤトはついに生まれたままの姿のサフィラを発見する。
(うひょ~! 眼福眼福!)
と、興奮したハヤトが更に身を乗り出し――。
――バターーン!!
塀ごと女湯へ倒れ込んだ。
「ってぇ……」
サフィラに見惚れていたのもあって、受け身も取れず落下したハヤト。
痛む頭を摩りながら目を開けると……。
「は、恥ずかしいんだけど……」
あろう事か、サフィラを組み敷いていた。
「サ、サフィラ!?」
四つん這いになったハヤトの下には、一糸纏わぬサフィラの姿。
ハヤトは慌てて退こうと足に力を込め――石鹸に足を滑らせた。
「ふにゃぁぁっ!?」
顔を柔らかいものが包み込むと同時に、サフィラの悲鳴が聞こえる。
「す、すまん、サフィラ! わざとじゃ――」
「う、うん……わかったから! わかったから、その……早くどいてよ……」
「お、おう……」
その後の二人がどうなったのか。それは巴屋の台帳にのみ記されているという――。
マスターコメント
イベントシナリオ易しい 報酬:少ない25 / 4〜25人
2021年07月07日 11時27分24秒 公開
参加者
相談掲示板
満員御礼なのに挨拶が無いのは少し寂しいからね。 セヴラン・クアルトだよ ありがたい事に友人達と寛ぐ予定だ どうぞ宜しくね
言われてみれば確かに……と思いましたので、私もご挨拶をば。 ネーヴェ・グラヌローザと申します。今回は親友とお泊まり会ですの。どこかですれ違いましたら宜しくお願い致しますね。
私も挨拶する~!エルシー・サリバンだよ。 親友とゆったりした日を過ごしに来たの、ヨロシクね。 皆様も楽しい日をお過ごしくださいませ。
私も挨拶を。 シルヴィアだ。今回は友人とのんびりする予定だよ。東方の衣装も楽しみだなぁ……皆が楽しい一日を過ごせますように。
わたしも挨拶させて貰いますね。 ひとりで参加のトーラです。 ぼ、ぼっちじゃないもん!
にゃ!あたしも挨拶しとこっと! ハヤトと参加のサフィラだよっ! ゆっくり温泉に浸かって美味しいご飯たべるのっ!
No.7
イデアです、よろしくお願いいたします 挨拶は大事ですからね。と言いつつ、もうこんなに経っておりましたか ぼっちはぼっちなりにひっそり楽しませていただきましょう
おーっす! ブレイブファング傭兵団のハヤトだ、よろしくな!! サフィラと参加だぜ♪ んじゃ、早速温泉温泉♪(サフィラについていく) ん?シャルガネ温泉なのに混浴じゃねーのかよ!!?
当日だけど…なんか挨拶した方がいいのかなって。 ルベアよ、宜しく。 ……ぼっちなのが自分ひとりじゃなくて正直ちょっと安心してる(
当日の挨拶で悪ぃな。 アーシェルだ。よろしく頼む。 友人達と浴衣を着て蛍狩りを楽しもうと思ってる。 皆にとっても思い出に残る一日になるといいな。
ぅぅ…出発間近になってごのご挨拶でしっっ ヒーラーの…ララノアでしゅ よよよ、よろしゅくおねがい致しましっっ(がばちょーーー ぼっち?(こてり わわわたしは、すみっこでこそそそっと…遊ばせて貰いましで… 楽しみなのでしゅっ 良い日になりましように、でございましてっ