ドンだけど何か質問ある? 俺ァある。
ムジカ・トラス
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シナリオID:393
オープニング
彼方に、あるのだろうか。
●
青い毛並みが、くしゃりと微かな音と共に乱れる。
首筋を撫でるアナンディーンは眼前の人物と相対することに若干の気疲れを自覚していた。
「……それで、依頼をだしたいと」
「おゥとも」
なるほど、自分のところまで話が来るわけだ。『彼』は、いつだって命を狙われていることはアナンディーンもよく知るところである。
黒尽くめで、いずれも名だたる猛者の護衛と同席する精神的負担――はさておき、万が一外敵に襲われた際に生き延びる可能性が高い職員が対応するほうがよい、という上長の判断であろう。
嘘か真か、メドゥの指先にとっても暗殺指定対象だというのだから、引退したとはいえアナンディーンに白羽の矢が立つのは順当、とも思う。
尤も、心労の大半は命の危険などではなかった。
「あのちみったれた犬っころがこんだけデカくなるたァなァ。いくつになった? えェ?」
「貴方はあの頃のままのようだ」
眼前。黒尽くめの部下たちから菓子を受け取っては頬張る、ゴブリンを見やる。
「ドン・ゴーフル」
●
『貴族喰』として知られる吸血鬼、ヤコブ・ヴィリアンがヴァイセントラフ砦に四万のアンデッドを差し向けた事件は記憶に新しい。
アナンディーンも気を揉んでいたのは事実だった。授恵者の集団とはいえ、まだまだなりたてである。結果的には杞憂に終わったわけだが、どう転んでもおかしくはなかった。大勝に湧いたのは、現地だけではない。遠いリブラネスタにもまた、確かな喝采があがっていた。
――そういう観点でいうのならば。
手元に出された資料を眺めながら、アナンディーンは胸中で、思う。
あの戦闘で、労せずして価値を示したのは、ゴールディであった、と。
ビッグオウムを運用した冒険者たちの功績は勿論称賛されるべきであるが、それを提供した――否、所有しているゴールディは今、各地から最も熱視線を浴びている都市国家であろう。
帝国が崩壊した現状、大陸の覇権を伺っているリーンエス王国を筆頭に、ついで、都市同盟。
アナンディーンの体感としても、冒険者ギルドにのみ貸与されているビッグオウムに対しての有形無形の横槍が増えている。
ビッグオウムの軍事的価値は計り知れない。次の大戦があるならばと、意識せざるをえないだろう。
アナンディーンは、資料の一箇所に目を留める。
そんなこと、ドン・ゴーフルは分かり切っているのであろう。
だからこその、この一手なのだ。
「冒険者ギルドとしては、政治を持ち込んでほしくないのですが」
「ハ」
片頬を釣り上げるように嗤ったドン・ゴーフルは指に残った砂糖をちろりと舐め上げながら、
「冒険者には、随分と、知恵者もよォ、いる、らしいじゃねェか……よ。オイ」
「へい」
と言い終えると、片手を掲げた。すぐに側近から差し出された木綿のハンカチーフで手を拭きながら、ドン・ゴーフルはアナンディーンの両の目を覗き込む。
「俺ァ困ってンのさ。歳は食っちゃいるが、なにせ無学のゴブリンだからよォ。ちっちェ頭で少しァ世間さまの風通しよくなるよォにって考えようにも、限界があるわけだ」
なによりよォ、と言ったドン・ゴーフルは、下方から睨め上げるようにして、こう言った。
「俺の初めてのお願いだぜ。アンタらは聞いちゃくれねェのか?」
●
その日、踊る子熊亭は大賑わいであった。もとより広い店舗の一角を、黒い衣服に身を包んだ大小様々なゴブリンたちがならび封鎖している。
ゴールディのマフィア、その最大勢力の一門である『ブラックデス』の面々であることは、見るものが見ればひと目で分かるだろう。
その、向こう側。
「俺の話を聞いてくれや、兄弟」
威勢よく言ったドン・ゴーフルは、左手に切り分けたアップルパイを掲げながら右手で拳を掲げる。
「お前らのおかげで俺たちゴールディの評価は鰻登りだ。俺も鼻が高ェ。ようやく、でけえ商いができるってなモンでなァ。そこで、ものは相談なんだが……」
つい、と。冒険者たちを見渡した。
「ゴールディは、帝国につこうと思ってンだが、どう思う?」
―・―
「ま、ちょいと考えてくれや。ちなみに俺の考えはこうだ。リーンエス王国はヒューマン上等。ゴブリンなんてお呼びじゃねェ。エラトゥーン都市同盟だってそうだ。俺たちが入る多少の隙間はあるだろうが、俺たちの場所はあのくそったれな森のサキッチョにある、猫の額くれェしかねェってのがよォく現状を表している。この俺が、俺たちが汗水と血を絞り出して気張りに気張ってよォやくそれだ。アンマリだとは思わねェか? だったらよ、アガリを目指すなら、帝国しかねェ。簡単だろ?」
アガリ、といいながら天井を指したドン・ゴーフルは、下卑た笑みを浮かべている。
「間の子が生まれるのが俺たちだけってよォ、未だにゴブリンを人間扱いしねェやつは多いわけだ。まァ、そりゃ仕方ねェとは思うぜ。俺だって人間になりてェわけじゃねェ。ゴブリンだからよ。だが、ゴブリンであるだけで舐められたりするのはど~~~にも気に食わねェ。気に食わねェったら気に食わねェ。力があるゴブリンも、智恵があるゴブリンも、弁が立つゴブリンだっているのによ。ゴブリンってだけで席が無ェのは懲り懲りだ。俺だって、同胞たちを此処まで連れてきた以上、こう、責任ってモンがあるわけよ。……チッ、甘味甘味」
んが、と大きくあけた口に、アップルパイを放り込んだ。
しばらく咀嚼する奇妙な間を経て、
「だが、帝国ならそうじゃねェ。あの坊主――おっと、レイウェスト殿下は、何も持ってねェから、帝国の理想と理念を掲げて立つしかねェ。不幸な話ではあるが、席は空いたんだ。俺たちゴブリンが、ごっそり入り込むには丁度いい」
そこまで言って、ドン・ゴーフルは店員に視線をやる。そうすると、それぞれのテーブルに大量の料理や酒が供されはじめた。やおら騒がしくなる一角の中、
「今日は奢りだからよ、好きなもんを食って、気が向いたら俺になンか教えてくれや。なんでもいい。良い話がありゃァ……」
に、と笑みを浮かべたドン・ゴーフルは、こう結んだ。
「顔ぐらい覚えといてやるよ」
解説
マスターより
リプレイ
ララベル・サン・ディーベルの口もとに、赤い舌が這う。
――あっまい……!
蕩けそうになるほどの果糖と砂糖、そして隠し味の塩味がたまらない……!
ドンが食べていた時から気になっていた味に、満足を隠しきれない。落ちそうになる頬に自然と手が伸びる。
もう少し。もう少しだけ、味わってから。
ララベルは基本的に、異論を挟むつもりはない。帝国に協力して恩を売る事自体は、良いことだと思うから。
もう少し様子を伺ってから、と意を固めたのだった。
―・―
「お前ェさん、性格悪いって言われねェか?」
「い、言われないですよ……?」
シャロン・ラ・モリエールは心底心外そうに言った。ドン・ゴーフルの胡乱な目つきが刺さる。
『すべての種族が平和に暮らせたら良いですが』
前置いたシャロンの言葉には、確かに真摯な色があった。けれど、現実としては厳しい。種族ごと、集団ごとに文化や思想に差があるのは事実なのだから。
『悲しいですが、土地を分け、棲み分けるのが現実的ですよね。人の心は容易には変えられませんから……要するに領土の割譲ですね? あるいは帝国重鎮の座と領地、とか』
相容れないものだ、とした上で、もぎ取れと言うのだから。
「……ゴブリンが安心して暮らせる国を作る。素敵ではないですか」
「そうすりゃ殿下の寝首だって取れらァな」
「――っ」
一言に、シャロンは今度こそ、驚嘆してしまった。ドンはしたりと笑い、シャロンの肩を叩いた。
「嫌いじゃねェぜ、嬢ちゃん」
「……いや、そうでなくて、ゴブリンの立場をよくすることを思うなら、クリーンなイメージが必要という話を……!」
「ガハハ! そいつァ面白い冗句だなァ!」
「でも、帝国が乗っ取りや吸収を警戒するのはその通りだとおもうなー」
それまで、スンスン、と静かに香りを嗅いでいたクレア・エクレールが、シャロンに助け舟を出した。
甘い匂い。強いて言えば林檎が近い……? などと見当をつけたところであった。
「国内がどんな状況で、どれぐらいヒトがいるかー、とかまだまだわかんないしね。ゴールディの力が必要なのは間違いないし、帝国も頑張るしかないんだろうけど……」
ドンと視線が絡む。ドン自身は、その先を、どう思っているのだろうか。
「……女の子的には政略結婚は嫌だけど、殿下がドンと縁のあるゴブリナといい感じになったら、帝国とゴールディの蜜月も、詩になったりするんじゃない?」
「もともと、殿下にもそういう腹積りはありそうだしなァ。好色な有力貴族に抱え込まれる前に、仕込んどくほうが良いかもしれねェのは確かだ。しっかし、そうなると誰にするか……」
――好色? 貴族? 腹積り……覚悟完了??
不意打ち気味の言葉に、クレアの胸中に雷霆が奔った。
「……へ、へぇ、そうなんだ……?」
全く取り繕えていないクレアの様子をみて、ドンは何事かを察したのか、生ぬるい笑みを浮かべていたところ。
ひとりの偉丈夫が、言葉を投げた。
「いくつか、尋ねたいのだが」
アスドルバル・ガルシア・ペレイロだ。
「お前はどこまで、上り詰めたいんだ?」
「俺自身がどうってこたァねェよ。これまでも、これからもな」
「……ふむ。であるならば、帝国の為になることに取り組んでいく、ということでいいのか?」
「おゥ。さしあたり、ブラックデスの若い衆を送り込むところからだが……ゴールディを仕切ってる連中だ。そこいらの軍人よりゃ効くぜ……その後は、ゴールディで腐ってる連中か」
アスドルバルはわずかに黙考していたが、振り払う。帝国では士官も兵も――住民ですらも、不足しているのは、想像に難くない。イニシアチブを取られる懸念はあるが、そのときは、帝国もレイウェストも、その程度だということだろう。
「先程の話だが、逆に帝国人をドン・ゴーフルの血縁者の婿として引っ張ってくることはできないかな。そうして、その二人を帝国の顔役にするのはどうか、と……ドンの顔と名は、目立ち過ぎるだろう?」
「まァな。実際、俺ァ帝国に直接行くつもりはねェし……俺自身は大して役に立つでもなし、要らねェヤツを引き寄せるだけだろうしな」
しかし、とドンは言葉を切ると、
「婿にするったって、誰が良いかね。バルディオンか? ――そりゃァ、ちと笑えねェことになりそうだなァ、おい」
そうして、ゲラゲラと下品に笑いあげたのだった。
●
「側近さん!」
「……私ですか?」
「はい!」
黒服に身を包んだ側近のサチコに声をかけたトーラは、返事があったことににっこりと笑みを浮かべた。気難しそうに見えていたが、穏やかな声であったことに、弾みがついた。
「ビッグオウム、飼ってみたいんです! 詳しく教えて下さい!」
―・―
どうしてこうなった。
眼前、陶然とした表情でドン・ゴーフルの偉業を語リ続けるサチコに、トーラは冷や汗を流している。
挙手をし、話を切った。
「つ、つまり!」
「……はい」
「ビッグオウムたちと渡りをつけたのが、ドンさんなんです?」
「正しい理解です。甘味を差し上げましょう」
「わあい! ……あの、どうやったら飼えるかは……」
「もちろん」
サチコはここで初めて、笑みを浮かべた。
「秘密です」
「……じゃ、じゃあ」
断絶に近い反応に、トーラは一瞬で方針を変えることにした。
「ドンさんがどうやってビッグオウムを手なづけたのかが気になります!」
「……いいでしょう!」
ドンに陶酔しているサチコの長話は、ほとんどが修飾的な話ばかりであったが、唯一、参考になったのは。
「ドンは、あの森でビッグオウム達と弁論を交わし、彼らの承認を得たのです」
という一節であった。ビッグオウムとの対話が鍵というが、鳥類との対話は、『獣の魔女』ですら出来なかったとされる事象のはずだった。
―・―
――サチコさんは跡継ぎでもあるのかと思っていましたが……。
雄弁に語るサチコの様子を横目に見つつ、リーズ・クラヴィエは胸中でバツをつける。
あれは、信徒の目だ、と。
「サチコがどうかしたか?」
「いえ……失礼を。興味深い話をしていたもので」
リーズはそこで言葉を切り、笑みを深めた。
「王国は今、冒険者ギルドとの睨み合いや帝国崩壊の謎を解くのに注力していますが……本当はすぐにでもビッグオウムを自分たちのものにしたいんじゃないでしょうか?」
「そりゃァお前、昔っからそうさ。王族にせよ、貴族にせよ、欲まみれよ」
大笑するドンに対し、リーズも慎ましげに笑みを返す。
「でしたら……現状の授恵者に関する取り決めが終わるときまでに、せめて帝国とゴールディが組めば王国にも対抗できるくらいになっていないと困ってしまいますね」
「ハン。最終的に鍵になるのは、俺らでも帝国でも、王国でもねェさ」
じ、と。リーズの目を覗き込んだドンは、
「お前さんらだよ。これはそういうレースだ。……殿下は分かっちゃいねェみてェだが。アンタは先々、どうするつもりだ?」
そう、問うているかのような視線に。
「――さて、どうでしょう」
「難しい話してんじゃねえか!」
応じたところで、闖入者が居た。アレン・ボールドウィン。王国の田舎者だ。
「かーっ! おっさんは酒も入ってねえし! もったいねえな! いやでも今の話はいいじゃねえか。とても……マーヴェラスだ!」
「「……」」
お前のツレか? という視線に、リーズはそっと首を振った。勿論違う。
「……で、冒険者が鍵ってやつ、どういう意味だ? いい話だよな? ン?」
アレンの言葉に、ドンは呆れたように嘆息を零したが、すぐに笑った。
「この歳になりゃ、自分の好みってやつも流石に分かってきてなァ」
「お。いいねぇ、どんな子がタイプなんだ?」
自身の質問の行方に特にこだわりを見せるでもなく、アレンは話題転換に乗っかり、
「嘘つきと」
「おう」
「底抜けの馬鹿だ」
「……そりゃあ趣味悪いな! 今からでも考え直したほうが良いぜ!」
ぐび、と手元の麦酒を飲み干したアレンは、ひときわ大きく声を張った。
「おかわり!」
●
オゴスは、内心の強張りを鉄面皮で覆い隠しながら、ドンの促すような視線に、口を開く。
「俺は……帝国につくことに賛成です」
「理由は?」
「……俺たちへの差別、です。ゴールディは、犯罪の街です」
視線は、逸らさない。
「俺は、それを払拭したい。外面だけでもよくして……品行方正な俺達を責めにくい風潮を作り出したいのです」
「クリィン、ってやつか。ほォん……」
しばし考え込むようなドンを前に、緊張のあまり、大粒の苺を食べているドンのどこか甘い香りに意識を奪われそうになりはじめた頃、
「他になにかあるンじゃねェか?」
「は……」
「ソレだよ」
オゴスが手にしているものを指差す。筆記具と、絵巻のようなそれ。
「……これは……その」
「サインだろ? ほれ」
あっさりと奪い取ったドンは、慣れた手付きでざっと筆を走らせ、オゴスへと投げ渡した。
「俺らが救国の英雄になった頃には値が張るぜ。売らずにとっとけよ」
「……きっと、大事にしてくれます。近所の子供ですが、貴方に憧れているのです」
「ハ」
何が愉快だったか、ドンは薄く笑った。そして。
「ゴブリンらしくねェガキだな、お前さんは」
まっすぐに見つめられて、オゴスはいよいよ、演技で取り繕えなくなる自分を自覚したのだった。
――偉業を為すだけの、人物であるようですね。
イズレンディル・パラリムはオゴスとのやり取りをみて、思う。ドン・ゴーフルは正しく、ゴブリン種の祖だと見えた。自らの種族を擁し、描いた夢を叶える豪腕。
「……たしかに、将来、ヒトによる大戦が起こった時、帝国との協調はゴブリンにとっても最善でしょう」
遠交近攻。その原理は有効に働くはずだ、と。
「ですが、そこまでの道は遠く、険しいもの。……貴方は、どこまで同胞たちを連れて行くのですか?」
「そりゃァ、行けるとこまでさ。あんな森の端にいつまでも置いとくつもりはねェ」
「……貴方は、裏社会の頂点でもあるはずですが」
「必要悪……いや、まァ、それが一番稼げたンだが」
ガハハ、と笑って甘味を頬張るドンの態度は、自然そのものだった。
ゴブリンの身上で人の世に更に踏み込もうとすることを、さて、野心とするべきかどうか。イズレンディルはしばしの思索を要した。
そこに。
「所詮この世は弱肉強食、椅子取りゲームは世の常だ。空席が出来れば誰かが座る。俺達が座らなければ、別の誰かが座るまで……」
支持をする、と。ナハティガル=ラー。銀嶺のような男の言葉に、ドンは薄く笑みを返す。
ナハティガルの眼前にいるのは、ゴールディの頂点に君臨し続けている独裁者だ。あの街の汚泥を被り続けたナハティガルには、ドンが綺麗事だけの人物ではないことなど、わかりきっている。ただの夢想家の類ではないだろう、とも思う。
その先には、現実を変えるための道筋があるだろう、とも。
しかし、冒険者として活動する中で、見えてきたものもある。それは、生半な道ではないのだ。
「だが。アンタが道を誤るのなら、俺はアンタを討ちに行くぞ」
「擦るなよ、坊主。俺の我儘で作った道だ。最後まで歩かせてやるさ。だが……」
絡む視線の中、ドン緑色の手が、ナハティガルの胸元まで伸びる。
「予言しといてやるが、他人事じゃァすまねェ。しっかり励めよ」
「……それは、どういう」
「ハ」
片頬を釣り上げたドンは、こう結んだ。
「いつかわかるさ」
その言葉に、イズレンディルは少しだけ、警戒を深める。
ドンには、何らかの底意がある。それが、波乱をもたらすものかどうかは――未だ、分からないままだった。
●
「ゴブリンが服着てて珍しいか?」
「……いや? なんか、まァ? 角とかイカしてるとはおもうけどよ」
――なんで分かったんだ?
胸中のいらぬ感想が表情に出ていただろうか。ナハシュは軽い動揺を笑顔で塗り込め、盃を掲げた。
「帝国につくにしても、ゴールディはどうすんだ? 飛び地になるだろ?」
「俺ァ捨ててもいいけどなァ」
「いやダメだろ! 酔ってんのか? ……実際、帝国が整うまでは取引先、くらいで良いんじゃねえの」
「そうさなァ……」
角砂糖を口に放り込んだドンは、思索に耽るように天井を仰いだ。
「同じ飯を食い、鉄火場をくぐり、ほんで同じ寝床で寝て、生きる向きがあってりゃ、そりゃファミリーだと俺ァ思うわけだ。これから先、ゴブリンに必要なのはどっちかを、決めかねてンのは確かだなァ」
それが、ただの感傷であるならばナハシュには共感し得ないものであったが、理屈はわかる。商売相手と身内は違う、と。
傍らで聞いていたエルゼリオ・レイノーラも、一緒に云々と唸り込んでいた。
「王国民としては、ゴールディの台頭は複雑な所だけど……」
ちら、と。ナハシュや、この場にいるゴブリンたちを眺め見る。
「……苦しい生活を強いられている人達の暮らしぶりが、少しでも改善されるなら……良いかな、って」
彼にとっては、それもまた見聞の成果だった。同時に、彼自身では手が届かないところでもあり。
良き未来について、考えてしまう。
「もっと経済活動を活発にして、みんなが豊かになれば……流れる血を減らしていくことができるかな?」
真摯な言葉に、ドンは小さく首を振った。
「そりゃ、上手くやりゃァ暮らしぶりは良くなるかもしれねェが、殺し合う理由が変わるだけさ」
「……でも」
「できて睨み合い程度だろうよ。それすらできるが怪しいところだが」
「……」
消沈するエルゼリオを尻目に、ナハシュは酒を呷る。王国が、それを待つ道理がない。経済活動の前に、支配するほうが楽。簡単な話だ。エルゼリオも、それに気づいているのだろう。その表情は苦い、が。
「――つまり、お前らの心がけひとつってわけよ」
「……え?」
―・―
遠いテーブルから聞き耳を立てていたキーゼは、ドンが切り出した言葉に、かすかに表情を変えた。
――そこまで、切り出しますか。
そうなると少しばかり、展望が変わってくるかもしれない、と。思索に耽る。
●
「素晴らしい大志をお持ちだ! ドン! ゴーフル殿ォ!」
「声がでけェよ」
「いやあ! はは! コレは失礼しました!」
ハリス・アル・ターミルの演説がかった声は異常によく通る。勿論、込められた好感に偽りはないのだが、ドンには些か以上に過剰に見える。
「私は一介の農民に過ぎませんが、種族をあげて帝国の復興に尽力する志は素晴らしいものです」
「……おゥ、ありがとよ。だが視線が痒ィわ、お前さん」
「むむっ」
ハリスの眼光が、獣の如く光る。
「虫ですかな」
「違ェ」
―・―
「理想論は承知です。しかし、あの災禍がもし『始まりにすぎない』のならば……かつての聖戦の如く我々は、団結し真の脅威を除くべきだと思うのです」
「……おゥ。言いたいことは解るぜ。だがなァ」
「どうかなさりましたか?」
「や、そン時俺らは居なかったしなって思ってよ……それに今、団結を乱してンのは俺らじゃねェだろ」
言葉に、ハリスの目が大きく見開かれた。
「貴殿らの参加は、むしろ追い風でしたか……」
「……おゥ、そうかも知れねェな……」
●
「『先だっての決戦でビッグオウムの軍事運用価値の有用性は証明されたが、更に上をいく戦略的運用方法を確立して見る気はねぇか?
その為のアイディアや必要な訓練も提案出来る。見返りにビッグオウムの優先使用権を冒険者に認めてくりゃいい。お互い、損はしねぇだろ?』……だギャ!!」
手元の紙を眺めながら、つっかえること無く言い切ったシファー・アルムグニーの晴れやかな顔ときたら!
仕草から攻めてくる。これがますこっとか、とドンは益体もないことを思った。
「おぉ、ちゃんと言えたじゃないか」
シャンテ・フーケはそんなシファーの頭をぐしぐしと撫でる。ぎゃぁ……! という可愛らしいシファーの声を前に、ドンは、
「ハッ! お前さんらには悪ィが、駄目だな!」
と大笑した。
「んギャ~!?」
「――理由を、伺っても?」
驚嘆するシファーにシャンテは苦笑しながら、微笑と共に理由を伺う。
「ハ。そりゃ、うちの出が立てたモンはよォく知ってるとも。ブレイブなんちゃらな」
「ブレイブファング傭兵団」「だギャ~!」
「おう、それだそれ。まず、ビッグオウムには基本俺ら以外触らせねェ。大陸全土でお前らを駆けつけさせるために数もギリギリだ。そンで何より」
声を潜めて、悪友に見せるような稚気を含んだ顔が、シャンテとシファーを交互に見やる。
「俺らが戦略家を気取っちゃァ、目立ちすぎるンだよ。戦場で余ってる分を貸すのは構わねェが……それも戦術程度に留めて欲しいわけだ。特に、冒険者が閃いた活用法! こいつァ大層、都合がイイ」
更に潜められた声が、シファーの側頭部を擽った。
「そうじゃねェと、痛くもねェ腹を探られたり、何かと理由をつけて王国あたりが出しゃばってくる。冒険者よりも、我らの方が、とな。あちらの大義名分とコッチの建前が万が一にも釣り合っちゃァ駄目なのさ」
シファーは小首をかしげているが、シャンテは得心が言ったようで、苦笑を深めていた。
「……新興種族の弱み、かな」
「そういうことよ。今回の件でまァそれなりに無茶はしねェと分かったから、それなりに都合はつけるが、俺らだって他所に取られちゃ困る。本気で睨まれちゃァ、弱ェのさ」
――だから、冒険者が功を上げるのは都合がいい。
そういうことだ、と理解したシャンテは、穏やかな笑みを浮かべた。それならば、僕らの本領だろう、と。
「よく分かったよ。……それじゃあ、ゴブリンとハーフビーストの善き未来の為、乾杯!」
「んギャ! 難しい話はおわったぎゃぁ……? じゃあじゃああのあの! 大脱出の時の話をくわしく聞きたいのギャァ!」
「あァ……? 今か?」
「んぎゃぎゃ……」
怪訝げなドンの視線に、忽ちしゅんとなったシファーであった、が。
「あっ! 僕も聞きたいな!」
と、アップルパイを食べながら相槌を打っていたララベルがたちまち手を挙げた。
ドン・ゴーフルの大脱出も然り、長い人生の中で、冒険譚と呼ぶべきものは多いはず!
ララベルとシファー、二人のきらきらと輝く瞳と――おそらくはその偽りのない憧憬に、ドンは頬を掻いた。大層、居心地が悪い。
「しゃァねェなァ……ちょっとだけだぞ?」
と、彼らが満足するまでの間、サウゼル大森林を抜けるまでの大脱出の頃の思い出を語ったのだった。
●
歓談が終わるのを待って、ヘレム・カースワーズの上げた問題点は三つ。
一つ。他国が帝国を脅威と認定し、妨害を仕掛ける可能性。
二つ。帝国内に反ゴールディ派が生まれ、ゴブリン排斥運動を起こす可能性。
三つ。魔術の進歩により、空を飛ぶ紋具が完成した場合、ビッグオウムの利点が損なわれる点。
「……以上三点については、ゴールディの立場から留意はすべきでしょう。帝国と組むこと自体は、賛成はしますが……」
「他国、なァ……つまりは王国だろうが、お前さん、どう思う?」
と、視線の先には、艷然と微笑む禊萩の姿がある。挨拶がてら、職業柄、高き身分の者と接することがあると匂わせた女であった。
ちなみに、彼女の持参した茶菓子はすでにドンの腹に収まっている。
「如何とも、やりようはあろうかと……ふふ、あまり帝国ばかりに構っていては、ゴールディに足繁く通う方がたが妬きます、と申し上げた通りですわ」
「そりゃ俺らにとっても上客には違いねェが、かといって俺らの味方につく奴らでもねェしなァ」
「ふふ……仰るとおりかと。ですから、ほどほどにでもお気持ちを示してもらえるだけでも、お喜びいただけるかと」
話の推移から、ヘレムは予測の確度を確認する一方で、備える以上の解決策などない、ということに思い至る。
――リーンエス王国との関係は、結局、呑み込むしかないのでしょうね。
上辺だけの付き合いとして取り繕えるほど、甘くはないことはヘレムとて解る。そも、理解した上での提言なのだから。
「帝国に入れ込みすぎれば、将来的に帝国が復興した際、文字通り王国と帝国のバランスがひっくり返りかねない……その懸念は、覆ることはないでしょうね」
ゼラルム・エルホワイトはぽつ、と呟きながら、まっすぐにドンを見つめた。
「だからこそ、まずは着地点を明確にするべきでしょう」
「ほゥ、例えば?」
「王国……そして都市同盟へのビッグオウムの貸与でのご機嫌取りは悪くない選択肢ではあるのでは、と」
言葉に、ドンは深く逡巡したようだった。
「……こいつァちと、難しいな」
単に嗅がせる程度の話では収まらない。王国も都市同盟も一枚岩じゃないことも難しい。
もう一つ、事情はあるのだが。
「まァ、考えとくわ」
「ええ。地理的に近い二国。蔑ろにはできないでしょう」
と、ゼラルムがうなずきを返した、その時のことだった。
「はい! ドン☆ゴーフル!」
「……おゥ」
元気よく挙手したニーラ・メッコに、ドンは若干げんなりした様子。なにか、こう、呼び方に違和感があるらしい。
「ビッグオウムとゴブリン達の労働力を提供するなら、そのときに好感度アップに努めるのはどうかな!」
帝国内部の都市の惨状は予測されているが、今後の展望はどうあれマンパワーはそれだけでも救いとなろう。
「レイウェスト殿下も、ドン☆の助けは嬉しいと思うし、喜んでくれると思うんだよ。報酬の一貫として、そこの便宜を図ってもらうとか……」
「ええ。いまがこうきというのは、そういういみでもまちがいないかと」
やわらかな声が、続く。マレーネ・シェーンベルグ。
「こまっているときにさしのべられたてほど、ありがたいものはありませんもの」
自らの手元を眺める女性の姿には、実感がこもっていた。彼女自身の身の上に拠るものなのだろう、と。聞く者にも伝わる声音。
そのままマレーネは、つ、と遠くを見た。彼女にとっては鮮やかな記憶をたどるように。
「おいしいごはん、ですとか……」
「はァン……」
その時の味わいを回想しているかのように、頬に手を当てて微笑むマレーネに、何を見たか。ドン・ゴーフルは顎に手を当てて考えに耽る。
「銭はともかく、ご馳走の類ならまァできなくもねェな」
「炊き出し! いいと思う!」
ニーラの賛同に苦笑したドン・ゴーフルだったが、飢えの感覚は遠のいて久しい。
そういうもんか、という実感を確かに得られた。
「ほんで……空……なンだって?」
「空を飛べるようになる紋具です」
「いやそりゃァ……」
ドンはしばし考え込んでいたが。
「無理だろ……」
真顔で困惑しているようだった。あれえ?
●
「いい香りですね。香水ですか?」
「……いや、体臭だ」
「……そ、そうですか」
コルネリウス・アーラの困惑顔に、さしものドンも渋い顔をした。
「いつの頃からか、この匂いがな――」
「いえ、その話は……ええと、その、私、花鳥園を経営していて、ポプリなども作ってはいるんですけど、ええと……」
掴みのつもりだったが、あてが外れてしまった。混迷しかけた場は、
「むむむ」
という声で、引き戻された。
――これは、さる病なのではないか?
ネモは訝しんだ。甘いお菓子。不思議な体臭。太い腹。ネモのジト目にさらされたドンは「ウォホン!」と咳払いをすると。
「言うンじゃねェぞ、ガキ。ほんじゃ、コルネリウス。喋ってくれていいぞ」
「……え? ええと」
――喋りづらい……。
躊躇していた、その時のことだった。
「あら」
しゃんと伸びた背筋に、艷やかな髪。麗麗たる美貌の持ち主、ザザ=ステルヴィナ。
ザザは側近であるサチコに星が弾けんばかりのウィンクをしながら、ドンに肉薄し、
「素敵な体臭なのね――ドン」
つい、と首元を触りながらの言葉に、ドンの表情が再び渋面へと転じたのであった。
―・―
「私には、貴方達が帝国につくことが良いことなのか、そうでないのかはわからないけれど……」
たおやかな前置き。続く言葉には、
「少数派が受ける理不尽な扱いを少しでも減らせるなら――悪い事ではないんじゃない?」
確かな実感が、籠もっていた。彼にとっては、それは馴染みのあるものだから。
「俺らにとっちゃァ、そうだな」
「待つだけでは、未来永劫手に入らないものね」
こうして面と向かって、はっきりと理解できた。
ドン・ゴーフルは、ゴブリン種に安住の地を用意したいのだ、と。
ザザ自身も焦がれたことのある、それ。決して楽な道行きではないことも、ザザには解る。
かつてのザザは逃げることで仮初の安寧を得た。対してドンは、勝ちとろうとしている。
その決定が誰かの絶望になる可能性があることも、承知の上なのだろう。だから彼は、『席』と例えた。
故に、蛇足になってしまうだろう。そう思い、ザザは言葉を飲み込んだのだった。
――しばし、静寂が落ちた。
ネモはうむ、と一つ言うと、
「余輩は、帝国につくかどうかは帝国の兵士たちと力試しをしてからでもよいのではないかと思う。此方らとて、自分たちより能力の劣る者達についたら、差別されていたことに憤りが募るだろう?」
「ほォ」
どうだ、と問うくりくりのネモの瞳に、ドンは顎を撫でる。
「ま、求められりゃァ否やはねェがな。そこで白黒つけても、ダメなヤツは結局収まらねェンじゃねェか。帝国人だって、俺たちだってよ」
「むむむ、そうか?」
「多分な。だがまァ……なにか仕掛けるのもいいかもンが」
「友になれるかもしれんぞ?」
「そりゃァ……そうなりゃ、若いモンは喜ぶかもな」
コルネリウスは、苦笑するドンの横顔に、一筋縄ではいかないゴブリンの情念を見た気がした。
けれど、とも思う。
「私は……ゴブリンの方とも友人となり、貴方達が……そして全ての種族が同じ『ひと』であると強く感じていますし、多くの方のゴブリンへ興味が深まるのは喜ばしい事だとも思っています」
少女の言葉に、視線が集う。
――ひと、ねェ。
そんなドンの胸中は、明かされることなく。
「しかし帝国につく事で、警戒される部分もあるでしょうから……相互理解を深める為に、他種族同士が政治的な意図を含めずに楽しく交流をする機会があれば……と」
「そいつァ、俺らにはちょいと、骨が折れるかもしれンなァ……」
「……そう、ですか……?」
しゅん、と耳ごと垂れたコルネリウスの姿に、ドンはたちまち渋面となった。
事実、難しいだろう、というのがドンの所感である。
差別されている事実が厳然と存在する中、被差別者が他者と楽しく交流をすることに前向きになれるだろうか。
とまれ、この場は、と口を開いた。
「俺らのキャラじゃねェんだがな……まァ、考えるか……」
●
さり気なく人払いを求めた少女、ノノアと相対したドンは、眼前の小柄な少女からなにかを察したか、随分と砕けた笑みを見せていた。
「帝国人かィ」
「――はい。ノノアと申します。若輩者ですが、あなた方のやり方には知識があるつもり、です」
それから、と告げると、自らの耳を撫でる。自分たちの種族を想うことも、また。
「これまでのお話、聞かせていただきました……あなた方が帝国の理想や理念を同じものを見てくださる限り、あなたやゴブリン達を帝国民としてお護りすることを、お約束します」
その言葉に、偽りはないのだろう。真っ直ぐな瞳は、ドンの姿勢に価値を見出していることを如実に表している。
「ただ、一つお願いが」
一つだけ。影の住人としての、言及があった。
「……帝国の印象にも関わります。裏のやり方ではなく、平和的な解決をご検討していただきたく」
「ハッ」
慇懃な礼と共に告げられた言葉を、ドンは鼻で笑う。
「カタギになれる機会だぜ? クリィンにやるさ。クリィンにな」
―・―
それぞれに話し終え、会の終わりも見えようという頃。
「いい情報は買えましたか? ミスター・ゴーフル」
「お前さんこそ、聞きてェことは聞けたか?」
キーゼの挨拶に、こんな返事が返ってきた。言質を取られるのも上手くない。それには応じることなく、告げる。
「……ひとつ、伺いたいのですが。何故、貴方は授恵者の動向が重要であることを、再三伝えたのですか?」
こと此処に及んで、ドンの方針に変更が加わるはずがない。ならば、ドンの真の狙いは意見聴取などではなく、授恵者たちを見定めるためというのがキーゼの見立てだった。
――しかし、そうなると授恵者達にその価値を直截に伝えることはリスクを伴う。指し手にとっては、駒は盲目なほうが都合がいい。
依頼の目的と手段が噛み合っていないことに、違和感があったがための、問いだった。対して、ドンは口の端を釣り上げた。
「そうすりゃ全員が、困るだろ?」
本当に愉快そうな声色で、そう思わねえか、と笑うドンに、キーゼはそっと俯いた。これは、持たざる指し手の一手なのだ、と理解して。
「……今後も良い隣人で有りたいものですね」
そう、結んだ。
マスターコメント
イベントシナリオ易しい 報酬:少ない25 / 4〜25人
2021年01月04日 10時41分31秒 公開
参加者
相談掲示板
ニーラ・メッコです! よろしくね!!
ドン・ゴーフル! ドン・ゴーフルが居るギャー! …と名前だけ見て飛び込んでしまったリザードマンだギャ。 どうしよう。
トーラです! ドンさんにビッグオウムのことをいろいろ聞いてみたいと思って来ました!
ハリスと申します、どうぞよろしく。 砦防衛戦ではビッグオウムによる偵察や強襲が非常に効果的でしたね。 敵の戦術や指揮が稚拙であったことを除いても、驚異的な戦果と言えます。 ゴールディの方々の助力は我々の勝利に最も貢献するものだったかと。 そのゴールディの長たる方と会談の機会を頂けるとは、得難い幸運ですね。 >帝国への助力 未だ状況も不透明かつ、強力なクリーパーが大量に跋扈するという帝国本土。 そこへ種族をあげて乗り込み復興の一助にならんとする心意気。感服致しました。 ドン・ゴーフル殿、噂に聞く以上の御仁のようですね…(←嫌味でも皮肉でもない(
ヘレム・カースワーズです。みなさんよろしくお願いします!
シャロンと申します。よろしくお願いします。 ゴブリン種への差別意識があるのは悲しいことですよね。 帝国崩壊を切欠とした、この人類の危機において共闘し、ゴブリンも人類の仲間であるという意識が広まればいいのですが。 何か考えてみますね。
No.7
美味しそうな響きに釣られたが名前だったか… そうだな、相談事も助力できればいいが…何か考えてみよう
俺はオゴスと申します。どうぞよろしくお願いいたします。 マフィア、ブラックデスのドン・ゴーフル……。 ゴールディに住む者としては、なかなか……。いえ。対面するのにかなりのプレッシャーがありますね。 えっ!? ドン・ゴーフルって近づくと良い匂いがするんですか。 男物の香水の匂いか、高級な菓子の匂いでしょうか。 もしもドン・ゴーフルからさわやかなせっけんの香りとか、ひだまりのお花畑の香りとか、もぎたて青りんごの香りとかがしたら、俺はいったいどんな顔をすれば良いのか……。
No.9
――――嗅ごう。 何か糸口がみつかるかもしれない(ない) でもあんなキッチリ服を着ていてくさいのも嫌だぞ… 一応食事を楽しむのもいいようだから、余輩はそちらをメインにする事になりそうだ。
エルフのイズレンディルと申します。よろしくお願い致します。 私は帝国の味方をすることについての意見交換をしてみたいと思っております。 賛成ではあるので本当に意見を交わす程度になるとは思います。 後はドンさんにゴブリン種族全体のことについて様々質問をしてみたいですね。 香水を使われているのですね……。 ドンさんも人と会う時は様々気を使ってらっしゃるのでしょうか……。