【砂塵】闇にさす光

馬車猪

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シナリオID:1896

オープニング

 膨大な歳月は美術品も精緻な飾りも朽ちさせ、しかし偉容は損なわれていない。
 石柱が塔じみた大きさで天井の重さに耐え続けている。
 足音が響く。
 光のない空間で迷い無く進み、玉座ともいえる場所の手前でぴたりと止まる。
「王国が7番砦を攻略しました」
 乾いた空気が声以外の理由で揺れた。
 7番砦は水源がない土地にある。
 人類がどれほど栄えても、ここが砂漠である限り決して陥ちないはずだった。
「逃げ延びたのはオーガが1匹だけです。詳しい情報は……」
 動揺したことを誤魔化すように、闇の中から怒りと殺意が生じる。
「はい、では」
 彼等はビッグオウムに乗るゴブリンに本拠を目撃されたことも、冒険者という新たな力に近づかれていることも、全く気付いていなかった。

●
「砦を捨てて帰りたい」
 立身出世を夢見るただの子供なら武勲の証である砦と土地の放棄など考えないだろうが、セニャ(セニアーラ)は実家の人手不足のため伯爵代理をつとめることもある社会人だ。
 維持するためどれほどの物資と人材が必要か無意識に計算してしまい、その膨大さに恐怖した。
「もう里心がついたのか」
 存在感がある声が聞こえた。
 セニャは高速で表情を貴族令嬢としてのそれに切り替え上品な所作で振り返る。
「閣下」
「ここは王都でも宴の場でもない」
 タンクレーテ辺境伯は穏やかに微笑み、予想以上に薄着なセニャ(貴族令嬢)に気付いて少し視線を逸らした。
「最近の流行りかね」
「回避特化の装備を選ぶとこうなるのです」
 セニャは照れてすらいない。
 砦から一歩外に出れば敵地。いつ敵襲があるかも分からず、辺境伯という要人がいる今は安全を最優先するしかないと考えている。
(これで男なら……いや使える手段が多い男なら高転びをしているか。才もあるが我と欲が強すぎる)
 辺境伯は内心を漏らさない。
 己の娘でも一族でもないからだ。
「セニアーラ嬢、この砦をどう見る」
「性能が高すぎて扱いに困ります」
 中に入れば昼の酷暑も夜の寒さも和らぎ、砂嵐も問題にならないほど頑丈。
 近くに全く水源が見つからないという致命的欠点以外は有用な砦なのだ。
「そうか」
 辺境伯はセニャの視野が王国内部に留まっていることを知った。
 これなら、自らが推す甥(実際には血の繋がりは薄いです)の脅威にはならない。
(南東部の統制が乱れかねないのにどうしてここへ?)
 僻地中の僻地で辺境伯の警備をすることになったセニャは、思考の極一部でそう考えた後で地上の警備に集中する。
 地平線近くに、ビッグオウムが姿を現していた。

●
 王国南東部では、王党派貴族も貴族派貴族も仲良くやっている。
 砂漠からの脅威という勝っても名誉はあっても金にはならない相手と延々戦い続けているので当然ではある。
 だが競争はある。
 冒険者の数度の参戦により亜人の大群を殺しに殺した。
 ここ数週間は砂漠からの襲撃は途絶え、今が絶好の機会と複数の貴族が判断したのだ。
「撤退だ。急げ!」
 その結果がこれである。
 貴族派貴族有志が戦力を出し合い場所が分かっているオアシスを目指して進撃。
 待ち構えていた武装(鉄棍棒)亜人ゴブリンの群れに撃退されるだけでなく追撃まで受けている。
 私兵の個々の強さは非授恵者としてはなかなかではあるのだが、部隊間の連携が拙く亜人ゴブリンに各個撃破されかかっている。
 切り札である授恵者達も最後尾で耐えるのが精一杯だ。冒険者とは経験の密度が違い過ぎ、力の差が大きすぎた。
(後少し下がれば残しておいた兵が我等に気付く。冒険者を呼ぶ機転が……む、無理かもしれん)
 声を張り上げ士気を維持してきた貴族派貴族が、暑さ以外の理由で大量の汗をかいた。

●
 タイミングがあったのは偶然で、だからこそ劇的な効果があった。
 東西から別のビッグオウムが降下し、砦の屋上に優雅に着地したのだ。
「おじさまー! ねーさまー!」
 飛行用の眼鏡をかけた6歳児(次期伯爵)が興奮して手を振っている。
 彼を運んで来た体格の良いビッグオウムが得意気に胸を張り、御者のゴブリナは超高位貴族(タンクレーテ辺境伯)の近くに着陸するという仕事のストレスで今にも吐きそうな顔色だ。
 それが西からの来客。
 東から来たビッグオウムには、ダークスーツを着こなしたゴブリンらしいゴブリンが乗っていた。
 言葉は荒いが腰は低い。
 卑屈にならないぎりぎりの所作で辺境伯に頭を下げ、貴族の嫡子はもちろん影響力のある者達(セニャ等)にも礼を尽くす。
 その如才なさに、王国のヒューマン(貴族とその子女)達は警戒を強めた。
「こんにちはゴブリンさん! 僕、ジョセフ・リーラント! 名前を聞いてもいい?」
 たっぷりの愛情を注がれた結果の無邪気さと、丁寧な教育を施された結果の隙のなさが違和感なく両立している。
 対等の人間として好意と興味を向けられたゴブリン(ブラックデス幹部)は、この子を送り込んだのは余程の性悪(セニャの兄でジョセフの父)だと確信した。
 自己紹介を互いに行った後、辺境伯が悠然と語りかける。
「時間は限られている。新たな交易路について話を始めよう」
 まだ固定観念のない6歳児(ジョセフ)が素直にうなずき、田舎で価値観を育てた16歳(セニャ)が驚愕する。
 他の人類に邪魔されない場所で、次の100年に影響を及ぼすかもしれない交渉が始まった。

●
 交渉が行われている部屋の前で、冒険者ギルド職員が説明を開始する。
「今回、王国南東部からの依頼は4件届いています」
 1件目と2件目はイグノ砂漠浅層に攻め込んだ貴族私兵部隊の援護だ。
 1つは貴族派でもう1つは王党派。敵は武装しているとはいえ特異個体がほとんどいない亜人ゴブリンと思われる。
「3件目は交渉の……援護でしょうか」
 主な出席者はタンクレーテ辺境伯、冒険者ギルドの幹部、ブラックデスの特使の3人だ。
 この砦を中継地として使えばゴールディ・王国間の直接交易路を開設可能。
 だが何を運ばせ何を運ばせないか、収益を誰と誰がどう分けあうか、砦(中継地)の維持は誰が負担するか、国外(特に同盟)が口を挟んだときに誰が矢面に立つかなど、開設するなら決めなくてはならないことが多数ある。
「交渉の場で血が流れないなら誰を援護しても構いません」
 辺境伯は王国南東部と王国を優先し、冒険者ギルド幹部は王家を優先し、ブラックデス特使はゴールディとゴブリンを優先する。
 交渉の場所にリーラント家の人間が2人いるが、片方は6歳児で片方は辺境伯の護衛なので有効な意見を出せないまま負担だけを押しつけられてしまい(マジカルポケットが使える授恵者を砦に派遣させられ)そうな雰囲気だ。
「4件目は砂漠の奥深くへの調査です」
 王国南東部に向かう亜人に武器を与えたのも、王国で開発された知識を集めていたのも同一の部族だ。
 徹底した尋問でも、飲食不要と暗視を重視するという傾向と本拠地のだいたいの方向しか分からなかった。
「地図はなく、嵐が頻繁に発生するのでビッグオウムも投入出来ない場所での長距離調査依頼になります」
 物資は豊富に提供されるが人員は冒険者だけだ。
「一度の調査で終わらせる必要はありません。地図も重要な成果です。生きて戻ることを最優先に行動してください」
 冒険者の実力を特に強く信頼している職員が、何かを恐れるような態度をとっていた。

解説

 王国南東部やイグノ砂漠に介入していく依頼です 1.撤退作戦の支援  オアシスを攻めて失敗した貴族派貴族有志の部隊の撤退を支援します。内訳は全部合計して低レベル授恵者6、非授恵者兵士40以下  部隊が渇きと疲れで弱体化したタイミングで、オアシスから出撃した亜人ゴブリンの群れ(鉄棍棒で武装した80体前後)に襲われて敗走。そのまま追撃を受け続けていたところで冒険者が到着します  亜人を全滅させても成功になります 2.オアシス侵攻作戦へ協力  1.とは別のオアシスです  南東部王党派貴族有志が行うオアシス侵攻作戦に協力します。内訳は全部合計して低レベル授恵者7、非授恵者兵士80以下  貴族間に悪意はないものの連携は劣悪で、私兵部隊の質も高くはないので占領より撤退を優先した方がいいかもしれません  戦わずに撤退させる場合の交渉難易度は「非常に難しい」です  敵戦力は砂の中に隠れるのが得意なサソリ魔獣が最大60  オアシス1つを占領した時点で私兵部隊に余裕はなくなります  また、冒険者が帰還した後に王党派貴族とその部隊がオアシスに残っていた場合、30程度のサソリ魔獣に襲われます 3.砂漠砦で護衛を担当  前回攻め落とした砂漠の砦で護衛を行います  夜間に1度大規模な襲撃があります。警備を始めて何日目に襲撃があるかは分かりません  襲撃してくる戦力は、毒(高強度スリップ)投げと毒注入を得意とするサソリ魔獣、砂漠戦を得意とする非授恵者戦士がそれぞれ10程度 4.砂漠砦で交渉に参加  前回攻め落とした砂漠の砦で行われる交渉に参加します  砦は砂嵐や暑さ寒さの対策も施された建物ですが、あまり大きくありません  出席者はタンクレーテ辺境伯、冒険者ギルドの幹部、ブラックデスの特使、次期リーラント伯爵。近くに護衛としてセニャと辺境伯の部下、他にビッグオウムとその御者も数組います  冒険者が介入しない場合、交渉は決裂します  冒険者が交渉が揉めないようにだけ介入した場合、王国とゴールディの直接交易路は交渉継続、砂漠奥地への遠征への協力は非常に軽いものになり、冒険者不在時の防衛はセニャに押しつけられます 5.砂漠砦から砂漠の奥地へ向かう  今回の騒乱の原因と思われる集団の本拠地を探します  これまでの情報収集と尋問で分かっているのは方向と砂嵐が多いという情報だけです  ビッグオウムの支援は、砂漠砦の近くでしか受けられません  ※最も危険です

マスターより

 連作依頼の第5回オープニングです  今回をあわせて残り4回で完結予定  冒険者の活躍で予定が前倒しになりました  選択肢を提示していますが自由に書くのも大歓迎です

リプレイ

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 リーンエス王国貴族派穏健派閥(王家に逆らう気まではないよ)男爵が、己の目と頭を疑った。
 イグノ砂漠という特級の危険地帯に、白皙蒼眼のエルフメイドがいるのだ。
「皆様の事は、私達がお守りいたしますっ! 皆様が、無事に撤退し、生き延びる為に、全力で……!」
 フロマーシュ・ダイヤドロップは走る様も可憐であるのに速度がえぐい(素晴らしい)。
 砂埃を置き去りにして敗走中の部隊の正面から最後尾まで駆け抜け、全身を使い直径数メートルはある光塊を振り回す。
 男爵の私兵達を鉄棒で殴っている最中だった亜人ゴブリンが、10体近く体を変形させて地面に倒れた。
「撤退できる様私達が支援するぞ! 最後まで諦めるな!」
 フロマーシュとは別の声が戦場の隅にまで響く。
 ライナ・フレイヴァルツの褐色肌は地面からの照り返しだけでなく輝く特大騎士盾(幅1m高さ2m厚さ30cm)にも照らされ神秘的な色合いすら帯びている。
「真っ直ぐに走れ」
 幼い頃から大森林の巫女になるように育てられたためか、あるいは本人の資質のためか非常に説得力がある。
 冒険者が使う術(クレネルウォール)のことなど何も知らない私兵達が何も考えずに前へ駆け、騎士盾をすりぬけたことに20メートル以上走ってようやく気付く。
「事情の説明は後だ」
 術を組み上げる。
 熱い気迫がライナから噴き上がるのが黒炎のようにも見え、その黒の中から眩い星光が戦場に飛び出していく。
 強い魔力が高い攻撃力を生じさせ、2枚の盾に行く手を遮られ密集した亜人ゴブリンを穴だらけにした。
 それでも亜人(ゴブリン)の勢いは衰えない。
 死体や死にかけの同族を踏み潰すのも構わず前進を続け、騎士盾をどうやっても突破できない(壊すには力が足りない)ことに気付いて左と右へ迂回しようとする。
 右側に迂回した集団の前に光の柱が出現する。
 幅は6メートルもないが存在感は抜群だ。
 しかも先頭にいた特に活きの良いゴブリンが中に閉じ込められたので、士気と勢いが明らかに低下する。
「少し……まぶしいですね」
 ネーヴェ・グラヌローザの態度は柔らかでも攻撃は実に苛烈だ。
 自身が出現させた光柱に当てないよう気を付けて、数だけは多い亜人ゴブリンに対して極太エーテル光波を撃ち込む。
 骨まで傷つける光波も凶悪だが轟音と衝撃波もすさまじい。
 未開の部族(亜人ゴブリン)の士気と精神にヒビが入るだけでなく、守られた私兵達も怯えていた。
「少しお待ちを。はい、大丈夫です」
 強い日差しとは異なる暖かな光がネーヴェから放たれ、亜人に影響を与えず私兵だけを癒やす。
 そこまでされてようやく、私兵達は助かった実感を得た。
 フロマーシュは一瞬も立ち止まらない。
 退却してくる貴族私兵部隊を助けるため仕方がなく前に出たが本来の役割はネーヴェの護衛だ。
 蹴散らす時間も惜しんで微かな隙間を走り抜けて騎士盾を通り抜けライナの側に戻る。
 左側を迂回してきた亜人(ゴブリン)と衝突することになるが問題はない。
 白い翼がはばたくようにも見える盾が、武器として鍛えられた鉄棒を完全に防いでみせた。
「とにかくゴブリンをなんとかして、それからね」
 フセイン ラファは中衛担当だ。
 ライナ達が作った防衛線の少し後ろから、小さな氷の矢で本隊から離れた亜人(ゴブリン)を狙う。
 亜人(ゴブリン)は倒れず、だが動けなくなる。
 付与術に長けたラファの術により移動速度が半減より酷くなった亜人(ゴブリン)が完全に囲まれ袋叩きにされる。
「まぁーったく、故郷のそばでなーにやってんだか」
 冒険者ギルドに報告へ戻る途中で寄れる程度に故郷は近い。
 王国は広大で、その南東部に接するイグノ砂漠も広大であり今回の戦場など極々一部でしかないのだ。
「私になら勝てると思った?」
 ライナ達を大きく迂回した亜人(ゴブリン)がラファを襲う。
 ラファは回避に集中して鉄棍棒を回避して、毒々しい光を纏わせた針を亜人の肌に突き立てる。
 亜人(ゴブリン)は、別の亜人と戦うラファに相手にされないまま内側から命を食い尽くされる。
 冒険者の圧倒的攻撃力にさらされ、80人の亜人(ゴブリン)部隊は驚くべき短時間で全滅した。
「ほら、今後は砂漠なめるんじゃないよ」
 ラファはマジカルポケットから輸送用の箱を取り出す。
 中身は熱砂対策のバンダナとほど水が入った壺だ。
「とにかく日陰作って体力消耗しないようにしな」
 砂漠を甘く見た大小は甚大で、貴族派貴族とその私兵は辛うじて撤退できた。

●
「テメェもオレの武勇伝にしてやるぜっ!」
 ナキルの決め台詞が出るたびに、私兵達の士気が上がっていく。
 彼は足を止めて敵と殴りあう戦い方はしない。
 刃にできるほど濃いエーテルを中距離攻撃に用い、強力な打撃をサソリ魔獣に浴びせていく。
 これ以上隠れても無駄と悟った魔獣が砂中から姿を現す。
 針から滴る毒は、少しとはいえ砂を融かしてしまうほど凶悪だ。
「テメェ等、生きて帰りたいなら気合入れろよな!」
 自らを囮兼攻撃役にして、背後に配置した私兵への負担を軽くする。
 巧みな話術で戦術眼に基づいた判断を伝えることで士気と信頼を勝ち取り戦列を維持させて、ナキル自身はサソリとの白兵戦で傷つきながら1桁多いダメージを叩きつける。
「誰一人残さず帰るぜ!! 気合入れろ!!」
 一旦後退するときは殺気で足止め兼攻撃をすることで殿を担当する。
(ま、オレだって帰られなかったら怒られるどころじゃねェからな。それに……)
 勇者の如き態度で戦っていても心は冷静だ。
(このままだとマズイぜ。オレ達がいるときならなんとかなるけど)
 貴族出身の同行者に、強い期待を寄せていた。
「さすが伯爵様のお嬢様だべ」
 私兵達が砂で汚れた顔を輝かせている。
 強く賢い貴族が民を守り導くのは、特に王国で受け入れられやすい理想だ。
 華麗で上品でありながら大重量の凶器でもある艶華扇を振るい、砂漠に適応したサソリ魔獣を炎槍で刺し貫くローザリカ・L・ディオールはその体現だ。
(貴族の集いだ、撤退ひとつするのにも体裁の良さは必要だろう。従弟殿が提案するように敗退ではなく飽くまで仕切り直し、それも冒険者の助言を受け入れる形となるのだから特に)
 ローザリカは事情を完璧に理解した上で、最も面倒なこと(説得)はジュスト・ヴェルジーに任せた。
 だからそれ以外のこと(説得材料確保)は徹底する。
「ロゼ、力を出しすぎでは?」
「逐一回復するよりもまずは敵の数を減らすことが被害軽減に繋がるだろう」
 私達と離れることが恐ろしくなるほど強く印象づけるから後はうまくやれと、信頼しているからこそ困難な要求をしている。
「恐れるな。だが怪我をした戦友は必ず守れ。私がヒールを使ってやるからな」
 ローザリカに向けられる視線は、欲ではなく崇拝であった。
(前回見たレベルを考えると占領より撤退を選んで貰いたいが)
 ジュストは苦戦していた。
 戦闘は前衛のナキルと後衛のローザリカとジュストという形でこの上なくうまくいっている。
 複数の私兵団という扱いに困る存在も、ナキルがうまく使ってくれているのでのこのこと砂漠のオアシスまで来た王党派貴族複数も大満足だ。
(小なりとはいえ一家の主。ヴェルジー伯爵家の名を使っても弁舌だけでは難しいな)
 ジュストの交渉技術は貴族社会で通用する水準にあるが、遠征にリソースを使い過ぎた貴族家を穏便に止めるのは非常に難しい。
(私兵の3割以上が戦えなくなった後なら説得も簡単だが……)
 その場合は1割程度の死者が出ているかもしれないので、死者がまだ0なのは非常に喜ばしく、だからこそ難しい。
「咲き誇れ、燃え盛れ」
 凶悪な火球爆発で砂の奥に隠れた魔獣(サソリ)を焼く。
 これでは隠れても無意味と判断したサソリ達が次々に地上に現れ、既に30は倒しているのに50近くになる。
(占領できても維持は困難。魔獣を根こそぎにできれば破綻の先送りは可能か?)
 戦いながら、非常に難しい問題を考えていた。
 1つの技(スキル)が戦況を激変させることは滅多にない。
 複数の貴族が関わる作戦に変化をもたらすことはさらにない。
「そこに2体。あそこは踏めば陥没します」
 が、ロイ・アウレアが使う孤高者の双波は戦況も作戦も失敗ではなく成功へ塗りかえる。
 エーテルの波で地形も敵の位置も一度に探ってしまうのだ。
 冒険者が去った後に私兵達を襲うはずだった魔獣が、次々位置を暴かれ冒険者によって狩られていく。
「魔獣の都合に合わせる必要はありません」
 見つけてしまった以上、放置するという選択はありえない。
 ロイは1箇所に留まりそれ上見つからなくなるまで敵を探した後、大威力の矢を撃ち込んで魔獣の数を確実に減らす。
(長期滞在でなければ大丈夫とは思いますが……)
 ジュストの役割がますます重要になっていた。
(魔獣相手に私兵は力不足。盾を並べて守りを固めて防戦に徹するなら……なんとか?)
 矢に光を注いで強い気配へ放つ。
 他のサソリの倍ほどもあるサソリ魔獣に刺さって止まる。
 大型魔獣を見て私兵達が怯むが潰走には繋がらない。
 ジュストとローザリカの力(火力)と、ロイの目と矢が信頼されているからだ。
 太陽が砂漠に沈んでいく。
 私兵達の歓声を聞きながら、ジュストがこめかみを抑えて頭痛に堪えている。
「やむを得ないか」
 マジカルポケットを使い異空間から物資を呼び出す。
 撤退のために使わせるつもりだったが、この状況では説得は無理だ。
 私兵を呼び止め物資を納めた箱を解体するよう依頼し、貴族達が今後を話し合っている天幕へ向かう。
 この日、イグノ砂漠の中に王国の拠点ができた。
 占領にも防御を固めるのにも協力した冒険者は既に帰還しており、このまま王国の領土になるかどうかは誰にも分からない。

●
(タンクレーテ辺境伯自身が出てくるとはな。怨むぜオヤジ殿(ドン・ゴーフル))
 マフィア(ブラックデス)幹部であり、都市国家ゴールディの首脳部に一応とはいえ数えられる彼(ゴブリン)は、久々に胃の痛みを感じている。
 帝都崩壊後の王国は大陸唯一の超大国。その南東部を主導する辺境伯は要人中の要人だ。
 人類としてのゴブリンの代表者ともいえるドン・ゴーフルでようやく釣り合うかもしれないほど地位が高い。
(無理をしてでもオウムを増やして学舎の連中を連れてくるべきだったか)
 文武両方で成果を上げ続けて今の地位にあるとはいえ、難易度が高すぎた。
「お邪魔するのだ」
 ノックの音の後に呼びかけがあった。
(のだ?)
「あの、通して良かったですよね?」
 御者の若い(9歳児)ゴブリナがストレガ・L・リベルガストラを連れて入ってくる。
(『のだ』と鳴くゴブリナ! 今代のストレガか!)
 彼は歓喜と安堵を同時に抱き、緊張が解けて崩れ落ちそうになった。
「しっかりするのだ同胞。今回は焦って決定する交渉ではない。交渉材料を引き出して精査し次回に持ち込めばいいのだ」
 骨を被ったストレガが、救いの女神に見えた。
 ゴールディと辺境伯とギルド幹部(王家の代理)の交渉が始まって数時間が経過した。
(手強い)
 冒険者として参加し持ち前の弁論術と交渉術でギルド幹部の代理となったキーゼは、争う意図のない件について合意するまでにいくつか要求を呑まされていた。
「空輸関連施設はゴールディに一任して頂きたい。そこが護られれば彼方の案も多少飲める」
 新規交易路開設にはビッグオウムが不可欠だ。
 ストレガ達ゴールディは、態度だけは友好的に、王国という超大国相手に非常に強く主張している。
「基本的には受け容れられますが、それでは範囲が広すぎます」
 言質をとられる訳にはいかず、複数通りに解釈可能な言葉を使えば当然のように武器として使われる。
 教養と技術と性格の悪さを競う、言葉を使った奪い合いだ。
「王国側の砦管理は、攻略者であるリーラントの主導で適当でしょう。ジョセフ・リーラント様が成人されるまで辺境伯閣下が資金を貸すことで……」
 キーゼが言い終える前にヴィノニスが咳払いする。
 彼女だけは代理や参謀としてではなくただの随員としてこの場に参加している。
「はい!」
 6歳児(ジョセフ)が元気に挙手する。
 名目上(戦力の大部分は冒険者)とはいえ砦(ここ)を制圧したリーラント伯爵の嫡子だ。弱いとはいえ発言権はある。
「実務は冒険者さんにお願いしたいです!」
 ぼくのうちだけが大変になるなら怒るよ、とこの歳で貴族らしい主張をする。
 事前にヴィノニスに説明を受け、今も指示を受けたとはいえ年齢を考えれば秀才以上天才未満の切れ者っぷりだ。
 ただ、6歳児は6歳児でしかない。
「とりさんのお肉を運べばいいと思う! 武器とかは無しで!」
「肉では利益が少ないのだ」
「砦の維持には多額の費用と人材が必要になります。リーラント伯爵家が関与し続けるのであれば重視せざるを得ない要素でしょう」
 これでも精一杯甘くしている。
 じんわり浮かんだ6歳児の涙を、ヴィノニスが甲斐甲斐しくハンカチで拭っていた。
 交渉は休憩という名の作戦会議を挟みながら数日かけて行われる。
「対外にはギルド支部兼ビッグオウム中継路とすべきと思います」
 ギルドの人員を配置しなくても、書類の上でギルドの支部にしてしまえば融通が利く。
「この処置の必要な理由は」
 ドン・ゴーフルの代替わりで外交姿勢変化のリスクがある。
 それを指摘されたブラックデス幹部が動揺を隠すことに失敗し、ストレガも微かに眉を動かした。
(どういうこと?)
(リーンエス王国は国王陛下が亡くなっても王子殿下が引き継ぐのを繰り返しているわよね。ゴールディには代替わりの前例がないの)
 ジョセフとヴィノニスは冒険者でも盗み聞きし辛い程度の小声で通じる(程親密だ)。
(よくわかんない! あとねむたい!)
(相談できて偉いわ)
 不利な状況でも顔色が変わりづらいのは間違いなく自称姉(セニアーラ)の影響だと思った。
「ビッグオウムによる輸送の安定と同様に、それを支えるものも重要です」
 中継点として使うつもりなら、ピュアウォーター(1日最大10リットル)の使い手だけでは不安がある。
 キーゼの発言は、マジカルポケット使いを多く抱えるリーラント伯爵家への圧力でもある。
「砂漠を安全に横断でき、従来より早く王国方面へ物資を届ける事ができる。目指すべき所は同じなのだ」
 ストレガが、ジョセフとリーラント家に恩を売りつつ交渉継続の合意の雰囲気を盛り上げていた。

●
「ふむ……とんだ修羅場に鉢合わせましたね」
 セロンガード・シュタインドルフは真顔で、皮肉でも交渉でもなく本音で言っていた。
「気軽に言うわね。ジョセフくんも巻きこまれているのよ」
 ヴィノニスは不本意であることを隠さない。
 同じ部屋でジョセフが就寝中でなければ、殺気のひとつも漏れていたかもしれない。
「こんな政争は懲り懲りなのよね」
 ソファーに座る所作は上品だが、幼げな顔立ちに隠しきれない疲れがあった。
「武器は扱わないことでまとまりそうですね」
「ジョセフくんが退出してから決めるなんて辺境伯も容赦がないわね」
「そんなものでしょう」
 帝国の諜報分野にいたセロンガードは、主君と仰ぐ少年が置かれている立場も割り切れてしまえる。
 そんな彼を紫と金の瞳が静かに観察している。
 セロンガードにどこからテレパスが飛んで来たか、怪しんでいるのだ(伯爵個人に忠誠を使う者からでした)。
「ジョセフ様の将来を思えば、ジョセフ様に利益が出るようにしたいのですが……」
 予測以上に辺境伯が強い。
 辺境伯は王国南東部に強い影響力を持ち、リーラント伯爵家は金を持っているとはいえ南東部を横断しない限り砦(ここ)と行き来できない。
 砦を攻略した功績と維持手段があっても、リーラントの立場は弱かった。
「ところでセニアーラ様」
 冒険者を引退するまで正式な所属はできないものの、6歳児(次期伯爵)はセロンガードを大事な家臣と思っているしその親(リーラント伯)からの後押しまである。
「ジョセフ様に同い年くらいの付き人を付けていただきたいのです。全部で3人」
 知らないのはリーラント家の中でセニャ(伯爵の妹)だけだ。
「セニアーラ様が推薦する一名とタンクレーテ辺境伯の推薦する一名、そして私が直接選抜し、今後ジョセフ様から離れている際にもすぐに連絡が取れる一名です。私が常に居てあげられるとは、限りません故」
「そろそろ必要な時期かもしれないわね」
 セニャは肯定的な態度だ。
 兄(伯爵)が妹(セニャ)の切り捨てを考え始めたことに、彼女はまだ気付けていない。

●
 熱と風が体力を奪う。
 マジカルポケット使いをビッグオウムで運ぶことにより飲料水大量輸送が行われている状況でも、砦から一歩外に出れば授恵者でも苛酷な土地だ。
「遮蔽は少ないから見張りはしやすそう、だけどねー……」
 アスティン・ヴェルラインは夜以外の警備も担当している。
 冒険者しか頼りにならないからだ。
 一番の腕利きが辺境伯達の護衛にまわされているので、 残りが頑張っても実質的にはカカシにしかならない。
 大鼬のディディが砦の壁の高い位置を歩いている。
 高速なのに進路は常に変わり続け、警備の人間が近くまで近づかれていたことに気付いて驚くことも頻繁だ。
「攻めて来るとしたら夜だろうけど」
 隙が大きすぎれば昼にだって攻めて来る。アスティンも攻撃側ならそうする。
 だから、実質1人と1頭で朝から夕方まで守りを担っていた。
 かつては倉庫として使われていた砦の一室で、ビッグオウムが1羽静かに体を起こした。
「疾風ー?」
 御者のゴブリナは寝ぼけたままだ。
「悪いな。起こしたか」
 ギャメルはドアの代わりに垂れている暖簾を動かす。
「いつも頑張ってんだ。休憩時間はしっかり寝とけよ」
 ビッグオウムと御者の分の食料をその場に置いて、夕方になり温度が下がった砂漠へ向かった。
 サイラスは時間通りに目を覚ます。
 警備も3日目になるとかなり辛い。
 睡眠が短時間で問題ないサイラス以外は、少しずつではあるが体力と気力が消耗している状態だ。
(明日からは朝夕前2回睡眠にする?)
 そんなことを考えながら引き継ぎを受け見回りを始める。
 夜目が利くので灯りはなし。
 しかし盾にも角につけるリングにも見事な宝石を組み込んでいるので、目立とうと思えば目立てる。
(おれを狙うなら楽なんだけどな)
 冒険者以外の兵が放つ光を受けて美しく輝く。
 光を反射していることに気付かないふりをして、サイラスはわざと前の日と同じ経路を歩く。
 きん、と音がした。
 薄い刃が分厚い装甲に弾かれる音だが、微かにねばついた音が混じっている。
「敵襲だ。毒も使っている」
 サイラスの声が響いて、戦いが始まった。
 闇と同じ色の敵が離れて行く。
 重武装のサイラスでは走っては追いつけない。
(非授恵者。覚悟は決まっているようだけど実力の方はどうかな)
 矢を放った弦が綺麗な音を奏で、矢が太い骨を断つ残酷な音をごまかした。
「アンタ達無駄に声を出すな! どこから攻められてるか分かんなくなるぞ!」
 砦から飛び出したギャメルが授恵者ではない兵士を諫める。
(ヒューマンの体格の足音に、こりゃぁサソリの魔獣か? 酸っぱいのは毒?)
 ギャメルは状態異常を目的に閃光塗弾を投げる。
 丁度3秒後に発生した閃光が、どれだけ鍛えても非授恵者でしかない賊の目を痛めつけてその動きを鈍らせる。
 捕らえて情報を聞き出すことも考えたが、ここで逃がして情報が漏れるのが怖い。
 ギャメルは竜骨の魔弓で容赦なく矢を叩き込み、しかしサソリ魔獣の奇襲を受ける。
 針の先端から出た毒が肌に触れた。
 しかしギャメルは手のひらをかざして光を発し、毒が体に染みこむ前に抵抗力を高めて耐え抜いた。
「サソリの魔獣だ! 毒はスリップ!!」
 貴重な情報を、アスティン達が正しく受け取った。
(ディディは兵士の援護を。敵は捜波の効果範囲を知っていますね)
 冒険者や兵士まで100メートルの少しの距離から一気に近づいたのだろう。
 何人と何体かは見つけることができたが、これ以上捜波を使うと迎撃のための火力が減ってしまう。
 アスティンは砦の上部から、前衛が包囲されるのを防ぐため射撃して支援する。
「サソリ魔獣共め、貴様達を倒す!」
 砂漠の苛酷な環境に耐える装甲も、アルベルト=V=シュタールシュヴェーアトの圧倒的な攻撃力の前では紙と変わらない。
 竜鉄の大太刀により振り上げた尻尾ごと上下に両断する。
「毒か!」
 暗視能力を持つアルベルトは、尻尾の針とその周囲の異臭に気付いて眉を寄せた。
「セニャ! 気を付けろ!」
 逞しい美形騎士に守られるという状況は、社会人(伯爵代理)としてすれてしまったセニャですら心を浮き立たせる。
 だが今は仕事中だ。砦の出入り口を守るのが最優先で、アルベルトについて考え続ける余裕はない。
「む」
 アルベルトはサソリ魔獣複数を相手に力負けしないとはいえ、たまに毒が効いてしまうこともある。
 ギャメルによるサルベーションの支援は本当にありがたかった。
 鎧が篝火の光により茜色に染まっている。
 水はもちろん物資(燃料)も乏しいイグノ砂漠中層では、絶対にあり得ないはずの光景だ。
「啓示通りですね」
 フリーダ=ブロムヴィストは特大のキャンプファイアじみた炎を守っているのではなく囮にしている。
 固く(物理防御235)、頑丈で(生命528)で、毒を含めた状態異常に特に強い(抵抗39!!)フリーダに通じるのは圧倒的な質か数だけだ。
 奇襲のつもりだった彼等にはどちらも用意できず、戦力を砦内部に向かわせれば多少の成果はあったかもしれないのにフリーダ相手に無意味に消費してしまう。
 フリーダは視界の悪さを鼻(超嗅覚)と戦術眼で補う。
 闘気槌の光塊の代わりによく分からないものを使ってサソリごと人影を攻撃しているときに、それが来た。
「え」
 動揺が表に出た。
 無用な苦しみを与えず魔獣を殺すつもりだった力が乱れ、大きなサソリが死にきれずに地面で痙攣する。
 全ての敵が倒された戦場で、酷く目立っていた。
「どうしたの?」
 セニャはフリーダの実力をよく知っている。
 新たな敵はフリーダを襲ったのではないかと判断し、全力で警戒しているので全身からエーテルが立ち上っている。
「失礼だったらすみません。セニアーラさんに婚約者がいないのは何故でしょう?」
 アルベルトが動揺する。
 非常に気になる話題だからだ。
「本当に失礼よ!」
 セニャも動揺している。
 フリーダに悪意がないのは分かってはいる。そうでなければ即座に決闘を申し込んで襲いかかっていた。
「平民でもたまにあるでしょ。6年前まで年の離れた妹を後継者にしてたけど男の子が生まれて……そういうことよ」
 妹は結婚することも許されず男の子に子供が生まれた後に放逐されるという展開もあり得た。
「セニャ!」
 アルベルトがセニャの元へ駆け寄る。
 そんな目にあったなら、汚名を甘受してでも帝国に連れて行くのかもしれない。
 セニャはその手をとらない。
 亜人部族を己の手で滅ぼすほど男勝り(古の貴族風)なのに、男女関係に対する価値観は伝統的(口説かれるのを待つタイプ)なのだ。
「兄様(リーラント伯)はそこまではしないわよ。そこまでしないから私のやり方も中途半端に……ごめん、今のは忘れて頂戴」
(『1ヶ月以内に恋愛フラグを立てないと闇堕ちします(立てても闇堕ち展開が消えるとは言っていない)』って、どういうことなんですか。直接話を聞いても事情が……)
 これ以上聞くとセニャが過敏に反応してしまいそうなので、フリーダは口を閉じて曖昧な笑みを浮かべるしかなかった。

●
「獲ったぞー!」
 サフィラ・アズラク・ナハルハルアリーブが黄金の杯を掲げた。
 いつ造られたかも分からないそれは、デザインが古臭いを通り越して原始的だ。
 これを入手したのは砦ではない。
 完全に砂に埋もれていた、双波を使い看破の技術も高い水準で身につけたサフィラでぎりぎり見つけられた廃墟だ。
「これで2つめかー」
 今回の探索行全体では4つめだ。
 サフィラと同じく双波が使えるだけでなく高速シーフでもあるベルク・オスマットとハヤト=ガラン=ヴォルファングが1つずつ見つけている。
「うーん……なかなか思うように行かないねっ」
 今回の目的地は砂漠の宮殿(大規模建築物)。
 または王国南東部やセニャの実家にちょっかいをかけた敵勢力拠点だ。
 収入的には大成功でも依頼成功ではまだない。
「次はどこかなー」
 作成中の地図とペンを手に取り周囲を見渡す。
 目印となる地形が皆無。星や太陽である程度方角が分かるとは言え正直辛い。
(多分クリーパー。引きつけるから背後からお願いねー)
 テレパス受信可能な者がいないので囁くような小声で言う。
 何百年も砂の奥にいた虫型クリーパーが、砂と見分けのつかなくなった手足を動かしサフィラに迫る。
 ほとんど砂に埋まった廃墟とはいえ建物内だ。
 サフィラは手傷を負わせながら簡単に時間稼ぎができた。
 砂の熱さを上回る闘気を伴う拳が真上から突き立てられ、クリーパーは何も為せずにこの世から消滅した。
 その数キロ南に北上を続ける小さな人影があった。
「冬ごもりの要領で食いだめと飲み溜めしてきたが。さて、次も無事に探し出せればいいが」
 ベルクの得意分野は双波だけではない。
 戦闘力(回避と物攻)と高速(移動6)を両立した上で、過酷な北壁山脈で身につけざるを得なかった性質まで持っている。
 真正面から戦うのも強いが、単独での長距離偵察への適性が凄まじく高い。
「蠍魔獣か?」
 多少大回りしても時間の無駄は少なく、魔獣は追いかけようとしても全く追いつけないしそもそも気付くことが困難だ。
 ベルクは隠蔽5(非常に見つけ辛い)なのである。
「砂嵐の多い地帯に潜むか。昔父様に読んでもらった物語にも似たような話があったが。これで敵の本拠地が塔だったら笑えるな」
 合流して休憩した後に再度偵察に向かったベルクは、人間ではありえないサイズの人影を見つけることになる。

●
「痩せたな」
 ハヤトは常に成長し続けている。
 身体能力向上が足踏みしているときも、より良い装備と戦術を常に模索し自らに反映させている。
 老いた特異個体オーガがエーテルを込めた拳を先頭に突っ込んでくる。
 相変わらず強く、しかし砂漠の環境で消耗してもいるのでハヤトとの実力差はあまりない。
 拳と蹴りの隙間に忍刀の斬撃を隠し、水気の失せたオーガの肌を切り裂き筋肉に傷をつける。
「エーテル密度が……」
 エヴァン・ピオネロは特異個体を見て違和感に気付いたが速攻が1番と判断した。
 特異個体を巻き込む形で抵抗不能な重力場を設置して、絶対に近付かず、仮に伏兵がいてもまとめて攻撃可能な範囲攻撃で攻める。
「毒消し(サルベーションオール)は後これだけだよー……」
 特異個体相手についた傷はアルマ・ヴァレンタインが確実に治す。
「逃がすか仕留めるか判断はハヤトさんに任せた……!」
 ハヤトなら因縁があっても正しく判断すると信用していた。
「お嬢サマのダチらしい無茶ぶりだな!」
 ハヤトは鋭く、オーガは重い。
 援護があってもどちらが勝つか分からない程度の実力差で、しかし水分補給と栄養補給の面ではハヤトが圧倒的に上だ。
 何度も癒やされて、白い歯に赤黒い血がこびりつく。
 吠えるオーガがエーテルでまばゆいほどで、故に足場にまでダメージを与えて下向きの砂の流れをつくり出してしまう。
「こんな終わりとはな」
 機動戦術(フェザーステップ)を常時使うハヤトにとっては簡単に躱せる流れだ。
(今からスキル(呼吸耐性等)を身につけるような負のご都合主義が起きない限りこいつも終わりだ)
 諦めないまま砂に飲まれていく特異個体オーガから、濃いエーテルの気配がした。

●
 砂嵐が星も太陽も隠している。
 砂漠に踏み込んだものを足止めして物資の消耗を強いる天然の罠だ。
「今日はサソリを使ってみたよー……!」
 マジカルポケットには設備の整った厨房で作った料理が作った直後のまま保管されているのにこれである。
 アルマの趣味(げてもの料理)に、少なくともエヴァンは真面目につきあっていた。
「意外と言ったら失礼ですけど」
 一口賞味し終わってから口を開く。
 歯ごたえは独特だが味は悪くなく、なにより食欲が沸いた。
 昼でも日差しが少ない状態で改造ゲルの中に半ば閉じ込められている状況では良い気晴らしになる。
「やったー……!」
 アルマは無邪気に喜ぶ。
 そして、彼女にとっての気分転換気はこれで終わりだ。
「物資と気力と体力的には後2週間頑張れるけどそろそろ囲まれるかもー……」
 敵の能力を高く見積もった場合の予想ではあるが、現実とはそれほど離れていない。
 地の利は敵の側にあるのだ。
「狙ったように砂嵐が起きるなら、神具とか人為的可能性がありますね。昼の砂漠なのに冷風とかは吹きませんでしたが」
「ボクらを狙っての嵐の確率はー……半々より少ないくらい?」
「自分自身の体で確かめる訳にはいきませんからね。潮時でしょう」
 エヴァンが食事を終えるとアルマはゲルの中を片付けてひとまとめにして異空間に収納する。
 ゲルの解体はエヴァンの、収納はエヴァンのマジカルポケットの担当だ。
 アルマの通常料理とゲル改で体力を維持出来ているので他のメンバーの状態も万全だ。
「直線ではなく少し迂回して帰還します。申し訳ないですが哨戒と警戒はお願いします」
 エヴァンには位置感覚がある。
 飛び抜けて優れている訳ではないが、誰一人そのスキルがないときと比べれば荒海と平和な海ほどに違う。
 エヴァンが小柄なアルマを庇う。
 冒険者達は、砂漠の大勢力にとっての最大の攻撃を完全に躱して砦へと帰還した。

「尋問を見せるのはどうかと思うよっ」
「思うよー……!」
 サフィラとアルマにじっとりとした目を向けられてもセニャは屈しない。
 イグノ砂漠深層の一部までを記した地図と黄金は功績として大きすぎる。
「報酬を金貨で渡せるほど余裕が無いから情報で払うの。……起きなさい」
 最後の言葉には傲慢さとエーテルがたっぷりと込められている。
 精神的にも肉体的にも限界まで追い詰められた砂漠の人間が、朦朧とした意識で口を開く。
「呪われよ。新秩序(蛮族国家)建設を邪魔するだけでなく我等の聖域に足を踏み入れるとは」
 セニャは肩をすくめて捕虜を物理的に黙らせた。
「頭が良い人(冒険者や学園生)なら思いつくけど現実的ではないと切り捨てる可能性ね。砂漠に棲む賊程度が思いつくなんて予想外だったけど」
 滅ぼさない理由が消えたわねと、冷淡に吐き捨てた。

マスターコメント

1.  窮地に陥った貴族派貴族とその私兵部隊それぞれ複数の救出に成功しました  冒険者が到着してから領地に戻るまで、死者も重傷者も1人も出ていません 2.  王党派貴族有志によるオアシス攻略作戦に協力し大成功に導きました  オアシスとその周辺の地下に隠れていた魔獣を発見し倒すことができたので、オアシスに残った貴族と私兵達も来月くらいまでは無事と思われます 3.  闇に乗じて攻めて来た刺客の殲滅に成功しました  生き残りを尋問した所、「砂漠に棲む賊の集団が亜人と蛮族を利用し大勢力を作ろうとしている」という情報が得られました  賊の集団と解釈したのはセニャなので、実際は違うかもしれません 4.  ゴールディと王国の間で秘密交渉が行われ、冒険者の介入により決裂は回避されました  現在確定しているのは武器輸出制限(禁止の可能性有り)とゴールディによるビッグオウムの厳重管理です  来月には合意が成立しそうです 5.  イグノ砂漠深部への探索が決行されました  全員が探索向きの高度なスキルを使う一行の成果は凄まじく、深部へ続く地図が手に入りました  現時点での完結までの予想依頼数は残り3つ  第6回オープニングは3月1日公開予定です
イベントシナリオ

イベントシナリオ普通 報酬:標準22 / 4〜25人

2022年02月13日 15時38分09秒 公開

成功

相談掲示板

  1. キーゼ

    さて、よろしくお願いします こちらは4に行くとしましょう 大体まとまりましたから

  2. No.2

    サイラスだ、よろしくなー 3にするかなーと。

  3. ジュスト・V・ケレス

    キャスターのジュストだ、よろしく。 俺は2に行くかな。 ある程度戦って蠍の数を減らした上で、占領しても敵の残存勢力的に現在の戦力だとオアシスの占領を保持出来ない可能性が高いことを示唆して、あくまでも仕切り直しの為の撤退を勧めて支援するつもりでいるよ。

  4. ヴィノニス

    ヴィノニスよ。よろしくね。 ワタシは4に行きたいと考えているわ。 ――単に、ジョセフくんがそこにいるからというだけなのですけど。 >キーゼさん 何かもう行動方針は決まっているの? 出来れば将来のことも考えてジョセフくんの顔を立ててあげるように、何か出来ないかとワタシは考えているのだけれど…… 方針が衝突したりしないように、事前に出来る範囲で予定を教えてもらえると嬉しいわ。

  5. サフィラ・アズラク・ヴォルファング

    にゃ!シーフのサフィラだよっ! みんなよろしくね! あたしは5の敵の本拠地探しにいこっかな!

  6. ベルク・オスマット

    シーフのベルクだ、よろしく頼む。 今回は我は5に行こう。 さて、敵は何者なのか興味深いことだ。

  7. キーゼ

    >方針 別に冒険者内で方針が衝突しても良いかと思いますが…? 意見は出しても結果として何を選び何を取るか、は出席者の皆様でしょうから。 むしろ多角的な意見という意味では、下手に纏めない方がよろしいかと思いますよ。

  8. ネーヴェ・グラヌローザ

    ヒーラーのネーヴェ・グラヌローザと申します。どうぞ宜しくお願い致します。 今回は1に参りますね。今のところは光縛封での足止めなどを考えております。

  9. ライナ・フレイヴァルツ

    キャスター、ライナ・フレイヴァルツだ。宜しくな。 私も1に行って、範囲攻撃などで少しでも亜人ゴブリンの群れを減らし 撤退支援ができるよう心がけよう。

  10. ギャメル

    ヒーラーのギャメルだぜ。よろしくな。 3で砂漠砦の護衛につく。 解呪系と暗視は確実に持っていく。 魔法で攻撃できるようにもしとこうかな。

  11. アルマ・ヴァレンタイン

    ヒーラーのアルマだよ、どーぞよろしくねー 引き続き5の砂漠に行く予定だよ 汎用はマジカルポケットとー…もうひとつは考え中

  12. エヴァン・ピオネロ

    エヴァン・ピオネロです。よろしくですよー。 ぼくも引き続き、5の砂漠へ行きます。 汎用はマジポケか…飲食不要にするのもありですね。 行き先は好きなマップで良いと思ってますが、迷われてる方ように整理します。 (敬称略、間違いがあれば手直し下さい。) 1、ライナ、ネーヴェ 2、ジュスト 3、サイラス、ギャメル 4、キーゼ、ヴィノニス 5、サフィラ、ベルク、アルマ、エヴァン

  13. フロマーシュ・ダイヤドロップ

    ウォーリアのフロマーシュ・ダイヤドロップと申します。 皆様よろしくお願いいたしますっ! 私も1へ向かい、撤退する方や支援に向かう皆様をお守りいたしますっ! 少しは範囲攻撃や回復もできますので、そちらの方でも支援していけましたらっ! そして、エヴァン様はみんなの希望をまとめていただき、 ありがとうございますっ! 私の分も追記しておきますのでっ! 1、ライナ、フロマーシュ、ネーヴェ 2、ジュスト 3、サイラス、ギャメル 4、キーゼ、ヴィノニス 5、サフィラ、ベルク、アルマ、エヴァン

  14. アルベルト・V・シュタールシュヴェーアト

    ウォーリアのアルベルト=V=シュタールシュヴェーアトだ。 よろしくな。 俺は、3に向かう予定だ。スキルは『暗視』を持っていく予定だ。 1、ライナ、フロマーシュ、ネーヴェ 2、ジュスト 3、サイラス、ギャメル、アルベルト 4、キーゼ、ヴィノニス 5、サフィラ、ベルク、アルマ、エヴァン

  15. ヴィノニス

    >キーゼさん もちろん完全に意見を合わせる必要はないと、わたしも思ってはいるのだけれど…… >>冒険者が介入しない場合、交渉は決裂します これがあるから、決裂させるかどうか?だけは揃えておかないと、決裂させたい人と決着させたい人がいた場合にはどちらかの行動は完全に無駄になるわけよね? それはあまり皆にとって悲しい結果なんじゃないかしら 教えたくない、というのであればこれ以上は改めてお願い・無理強いするつもりはないわ わたし個人の意見を先に行っておくと、ジョセフくんの顔を立てつつ、ゴールディの資源を十分に王国で活用できるように調整したいと考えているのよ

  16. キーゼ

    >交渉 決裂しようと継続しようと締結しようと、それ自体にさして興味はないですね。 ただ、現状より砦を維持し通商路を開く利点、開かない利点、解決すべき課題、起こりうる問題、はある程度見えていますので、その辺りは言うつもりですね。 最終的に利があるとすれば開くでしょうし、そうでなければ決裂する。 この辺りは辺境伯達がどこまで見据えているかでしょう。

  17. ロイ・アウレア

    ロイ・アウレアです。ヨロシクお願いします。 『2』へ行こうと思う。 連携は劣悪って事だが、戦わず撤退はお薦めではない様なので 兵達に声掛けし連携が出来ないかと考えてます。 あるいは少し痛い目を見て貰って、危機感を持ったところで全員で撤退したいなぁと。 スキルは教導と戦術眼かな?(未定) この流れならジュストさんの考える 『あくまでも仕切り直しの為の撤退を勧めて』と大きな相違は出ないと思うがどうだろう? 策は合わせますので、2へ行かれる予定の方々も宜しくお願いします。 1、ライナ、フロマーシュ、ネーヴェ 2、ジュスト、ロイ 3、サイラス、ギャメル、アルベルト 4、キーゼ、ヴィノニス 5、サフィラ、ベルク、アルマ、エヴァン

  18. セニャ・リーラント

    シーフのセニャよ。一緒に行動するときはよろしくね。 質問があれば、現地に向かう前に分かること限定で回答可能よ。

  19. フセイン ラファ

    ラファよ、よろしく〜 とりあえず私は1でもいいかしらぁ? まぁ人数偏りがあったら別のとこに移るわ 1、ライナ、フロマーシュ、ネーヴェ、ラファ 2、ジュスト、ロイ 3、サイラス、ギャメル、アルベルト 4、キーゼ、ヴィノニス 5、サフィラ、ベルク、アルマ、エヴァン

  20. ナキル

    「えーっと、まぁ、慣れねェから、何時も通り…っと ナキルだ、よろしく頼むぜっ!! 人手が足りてねー所だしオレは「2」に行くとするぜ。 よろしくな、ジュスト、ロイ兄ちゃん。 >2 オレも戦術眼はあるし、連携を指示しながら敵の蠍を叩いていくってトコか。」 1、ライナ、フロマーシュ、ネーヴェ、ラファ 2、ジュスト、ロイ、ナキル 3、サイラス、ギャメル、アルベルト 4、キーゼ、ヴィノニス 5、サフィラ、ベルク、アルマ、エヴァン

  21. ローザリカ・D・ケレス

    ヒーラーのローザリカ。よろしく頼もうか。 行先は2。方針も、最終的には説得して撤退を目指すのに異論はないよ。 ただ尻尾を巻いて逃げるよりもプライドの傷付かない理由をくれてやるのも効果的だろうと思う。 1、ライナ、フロマーシュ、ネーヴェ、ラファ 2、ジュスト、ロイ、ナキル、ローザリカ 3、サイラス、ギャメル、アルベルト 4、キーゼ、ヴィノニス 5、サフィラ、ベルク、アルマ、エヴァン

  22. ジュスト・V・ケレス

    >2 ロイさんとナキルくんはよろしくね。それにロゼも。 戦術眼持ちの二人が連携を私兵達に指示してくれるのは心強いよ。 撤退するにも占領するにも蠍の数は減らさなきゃだし、その為には連携を少しでもマシにする必要があるからね。 「オアシスを一つ占領した時点で余裕がなくなる」なら、ロゼが言うようにプライドが傷つかない理由としてとりあえず一つは占領出来たという成果はあげて良いかもと考えているよ。 ただ「冒険者が帰還した後に王党派貴族とその部隊がオアシスに残っていた場合、30程度のサソリ魔獣に襲われます」とのことだから、俺達の帰還前にヒールで治療、マジカルポケットで支援物資を持ち込み提供、蠍戦の戦術・連携指南等しておくなどのアフターケアが必要かな、と。 勿論状況的にそういったケアをしてもオアシス保守、ないし一か所の占領自体すら難しそうであればある程度蠍を片付けた時点でそれを戦果、オアシス侵攻作戦に必要な情報を持ち帰れたということで納得させて撤退を目指すしかないけどね。 汎用スキルに関しては説得用に交渉で1枠、もう1枠は連携補強用にテレパスか、もしくは王党派の部隊がオアシスに残ることを選択した場合用にマジカルポケットかな。

  23. ロイ・アウレア

    ナキル、ローザリカさん、同意下さり感謝します。 兵達に声掛け連携し、大きな被害が出る前に撤退の流れで行きますね。 ジュストさんの不安はもっともなので オレは王党派貴族とその部隊が一緒に撤退するような声掛けを考えてみるよ。 失敗した時はジュストさんのマジポケ(物資)が役立つね。

  24. ストレガ・L・リベルガストラ

    ストレガなのだ。宜しくなのだ。 4で交渉を見届けたい。ゴブリンが嘗められないようにしたいと思うのだ。

  25. ナキル

    「>ジュスト 了解だ、兵士全体の士気は極力落としたくねーんだが 撤退をした方が良いい理由なんかは、指示飛ばしながら察せる理由を混ぜて置けば 撤退の足並みは揃えられるかもな。 >ロイ兄ちゃん 了解だぜ、ロイ兄ちゃんが中枢の説得に回るなら、オレは撤退時に全体の動き 殿あたりでもやっとくとするぜ。」

  26. アスティン・ヴェルライン

    シューターのアスティン。よろしく。 3がちょっと手薄かな? 探索系のスキルを積んで警戒と前衛の支援射撃にまわるよ。 1、ライナ、フロマーシュ、ネーヴェ、ラファ 2、ジュスト、ロイ、ナキル、ローザリカ 3、サイラス、ギャメル、アルベルト、アスティン 4、キーゼ、ヴィノニス、ストレガ 5、サフィラ、ベルク、アルマ、エヴァン

  27. ハヤト=ガラン=ヴォルファング

    おーっす! 遅くなっちまったが、よろしくな! ブレイブファング傭兵団のハヤト=ヴォルファングだ。 色々悩んだが5で砂漠の奥地に行く予定だ! 超聴覚とピュアウォーターを持ってく予定だから水の心配は無くなると思うぜ!(1日10リットル精製可能) 1、ライナ、フロマーシュ、ネーヴェ、ラファ 2、ジュスト、ロイ、ナキル、ローザリカ 3、サイラス、ギャメル、アルベルト、アスティン 4、キーゼ、ヴィノニス、ストレガ 5、サフィラ、ベルク、アルマ、エヴァン、ハヤト

  28. セロンガード・シュタインドルフ

    遅れました、シューターのセロンガードです。 よろしくお願い致します。 私は4に参らせていただきます。 申し上げる事がありますので。 1、ライナ、フロマーシュ、ネーヴェ、ラファ 2、ジュスト、ロイ、ナキル、ローザリカ 3、サイラス、ギャメル、アルベルト、アスティン 4、キーゼ、ヴィノニス、ストレガ、セロンガード 5、サフィラ、ベルク、アルマ、エヴァン、ハヤト

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0