【聖祭】『征竜の巫女』ともう一つの結末

真柄 葉

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シナリオID:1782

オープニング


「征竜さまはあなた達、現人類の滅尽を決められたわ」

 巨大なハンマーを大地に突き刺しながら、『征竜の巫女』ヒルルクはそう口にした。

 竜の里ドラグエンダで行われた人類と征竜の会談は――――失敗に終わった。
 
 帝国の、そして人類の代表として会談に望んだレイウェスト・バルダスは、征竜の巫女の足元で骸を晒している。いや、まだ微かに息はあるか――――。
 征竜の巫女を通して伝えられる征竜の言葉に、冒険者達は困惑し里の民達は態度を一変させた。
 朗らかだった笑顔が極北の大地の様に凍り付き、その冷笑は冒険者達をねめつける。
 交わしていた盃を剣に変え――――そして、振り下ろした。

 そこに良心の呵責などありはしない。
 敬うべき唯一の対象である征竜の決定だけが全てであり、信徒はただただその決定に従うのみ。
 それこそが征竜信徒の存在意義であり、征竜の決定は絶対だと信じて疑わない。

 征竜の強大なる加護を受けた里の民の一撃は、歴戦の冒険者達の鎧を容易く切り裂いた。

 冒険者達の悲鳴と怒号が里に響く。
 干戈を交える音、魔法の炸裂音、矢の風切り音、神への祈りの声、断末魔――――。
 この数瞬の内に、宴の賑わいは戦場の阿鼻叫喚へと変わった。

「あなたには何の恨みもないけど、これは征竜さまが決定された事なの」

 巨槌を軽々と持ち上げ、ヒルルクがあなたに迫る。

「だから、大人しく受け入れてね?」

 振り上げた巨槌の凶悪さと、征竜身巫女の無垢な微笑みの対比。
 混在するはずのない正邪がそこにある。
 抗うべきなのか、それとも受け入れるべきか。その笑顔が判断を鈍らせた。

 座して死を待つのか。
 理不尽な道理に従って、亡国の皇子に倣い骸を晒すのか。

 否。

 この程度のトラブルに対処できずして、何が冒険者か。
 何のために過酷な極北を越えて来たのか。数多の困難な依頼をこなし自身を鍛え上げて来たのか。
 諦めるのはまだ早い。例え敵わぬ相手だろうと、やり様はある。
 それが冒険者として積み上げてきた経験だ。

 目前に迫る死を前にあなたは行動を起こす。それが例え砂漠に落ちた一粒の砂金を見つける程に困難な行為だとしても、大海に浮かぶ一葉を掬い上げる程に無謀な行いだとしても、まだ『希望』は完全に断たれたわけではないのだから――――。

解説

●目的 一人でも多く生き延びて竜の里から脱出する。 ●場所 竜の里ドラグエンダ。極北にあり征竜の加護する地。 竜の里の民が暮らす簡素な住居や田畑、征竜の碑がある花畑などがありますが、基本的に何もない平地です。 征竜信徒である竜の里の民には征竜から強力なバフがかかります。 ●人物 レイウェスト・バルダス 帝国歴代皇族で唯一征竜との会見を果たした人物。 しかし、その結果は征竜の怒りと嘲笑を買うものだった。 ヒルルク 征竜の巫女。 征竜の怒りの体現者。高レベルの授恵者であり、竜の里の民の中でもとびぬけた戦闘力を誇る彼女が目の前に立ち塞がる。 竜の里の民、総勢100名 厳しい極北の地で生きて来た征竜の信徒達。 その個々の力は、高レベルの冒険者さえ凌ぐと言われる。 ●征竜のバフ ・物理ダメージ半減 ・魔法ダメージ半減 ・状態異常無効 ・精神耐性 ・ステータス大幅向上 ・痛覚遮断 ・自然治癒力向上 ・知覚増幅 ・絶対信仰 等々。 ●補足 もしかしたら、訪れていたかもしれない『結末』。 そんな『夢』を見たら皆様はどのような行動をとられるのでしょうか。 つい先ほどまで歓待の宴を開いてくれていた竜の里の民の態度は一変。盃を剣に匙を杖に持ち替えて皆様に襲い掛かってきました。 という事で、皆様にはほとんど勝ち目のない戦いへ挑んでいただきます。 皆様が生き延びる為にとる行動は、どのようなものでしょうか。 誰かを護り逃がすとか、かっこいいでよすね。逆に誰かを囮にして逃走を図るのもありかもしれません。 対話を試みて時間を稼ぐのは有効じゃないでしょうか。 相手は一応言葉の通じる人間です。道理は通りませんけどね。 里の民の唯一の弱点と言えば、対人戦闘の経験の無さでしょうか。 普段は大型クリーパー相手に狩りをしているような連中ですが、里での諍いはほとんどないがゆえに、経験不足は否めません。強力なバフがあっても彼等も人間です、きっと隙はできるでしょう。 なお竜の里の外に逃げればヒルルク達は追って来ませんので、一人でも脱出する事が出来れば依頼は成功です。この未曽有の危機と絶望の結末を南へと伝えてください。 ※このシナリオは「夢オチシナリオ」です。このシナリオは不思議なキャンドルが見せる夢であり、アニエピカの世界観に一切影響を与えません。報酬は冒険者ギルドからの情報提供料です。

マスターより

あけましておめでとうございます! 真柄 葉です! 今年もよろしくお願いします! さて、新年一発目のシナリオは――――――――『負けイベント』!!! いや、新年一発目がそれかよ!! ってお叱りの声が飛んできそうですが、ずっと書きたかったんですよ、極北連作でのifルート。 レイウェストの対応が少しでも間違っていれば、こうなっていたかもしれない未来を皆様の夢という形でお話に出来たらいいなと思います! ちなみに夢の中なので、別に竜の里に行ってなくても参加していただいて大丈夫です! 夢ですからね! あと、レイウェストは既に虫の息です。何もしなければ1時間持たずに死ぬでしょう。まぁ、助けてる余裕は多分ないですけど!(ヒドイ それでは、お気に召していただけましたらご参加検討ください!

リプレイ

 長閑で和やかな宴は、征竜の巫女の一言で終焉を迎える。
 匙(スプーン)を剣に、叉(フォーク)を杖に。
 竜の里(ドラグエンダ)に住まう信徒達は、冒険者達(世界の異物)の排除を始めた。

「無事か……! くそっ、一体どうなってるんだ!」
 建物の物陰へと避難した海神・江流は先客(アクティオン)と合流した。
「どうやら、皇子が不興を買ったようですね」
「いやいや、いくらなんでもいきなり総出で襲ってくるか!?」
「仔細はわかりませんが、よほどのことがあったのでしょう」
「……くそっ!」
 江流は建物の壁に拳をぶつけつつ、影から広場を見やる。
 そこは悲鳴と怒号と血と涙が交錯するまさに地獄絵図。
「どうすりゃいい。俺はこんな所で死ぬつもりはないぞ……」
「この危機を誰かが南へと伝えなければいけない。……私が囮となりましょう」
「おい何を言って……」
 言って弓を構えだすアクティオンを江流は見た。
 その足元には、おびただしい量の血がある。
「この怪我ではそう長くはもちません。この宣託を。未曽有の人類の危機を、どうか南へと伝えてください」

●
「……そんな死にぞこない(滅尽の元凶)どうするの? 連れて帰って晒しもの(公開処刑)にでもするつもり?」
 足元に転がっていたレイウェストは、ベルク・オスマットが一瞬の隙を突き(天駆で)回収した。
 瀕死の皇子にはギーゼラがありったけのヒールを浴びせている。
「ヒルルク……ヒルルク!!」
 押さえる気もない怒気を爆発させて、トーラは何度も巫女の名を叫ぶ。
「なんで、どうしてこんな事をするんですか! 征竜の巫女のあなたが征竜さまの言葉に従うのはわかりますが、だからと言って、いきなり……こんな、ひどい事を!」
 ギーゼラのヒールを受ける憧れ(レイウェスト)をチラリと見ながら、トーラは短剣を抜いた。
「酷い? 何を持って酷いかを決めるのはわたし達じゃないわ」
「じゃぁ誰だっていうんですか!」
「征竜さまに決まってるじゃない」
「カカカ、やはり貴様は蜥蜴の情婦か。ただその言葉のみに従う言いなりの雌犬よ」
 レイウェストを助け出したベルクがトーラの横に立ち、ヒルルクに静かな怒気を向ける。
「貴様をこの場で切り捨て、図体ばかりでかい蜥蜴をも打倒し、妾ら防人の本懐を遂げるとしよう」
「……はぁ、ほんとよく吼えるわね。犬なのはどっちよ」
 しかし、二人の怒気に当てられたヒルルクは、面倒臭そうに溜息をつく。
「ヒルルク! あなたって子は!」
「カカ! よい。言わせておけ。期せずして妾らの本懐を遂げられるのだ、情婦の小言など金糸雀の囁きにも等しい」
「本当にうるさいわね。来るなら来なさいよ。一瞬で土に還して――」

「はいはーい。ちょっと失礼しますよ」

 言葉をぶつけ合う両者の間に、ギーゼラが割り込んだ。
(貴方達は馬鹿ですか? まともにやり合って勝てる相手だと本気で思ったんですか?)
 すれ違いざまに二人に耳打ちしたギーゼラは、ヒルルクの前に立つ。
「さて、巫女さん。僕達の滅尽が決定事項なのはわかりました。なので、最後に少しお話をさせてもらえませんか?」
「遺言でも残すの?」
「ははっ! そうですね、遺言! いいですね遺言、そうしましょう!」
「……相変わらずね。いいわ、何を話すの」
「おぉ、流石は聡明な巫女殿。話が分かる」
 狂気に顔を歪ませたかと思うと途端に不敵に微笑むギーゼラに、ヒルルクは呆れつつも耳を向けた。
「では――僕が聞きたいのは征竜様の決められたという『現人類の滅尽』の真意です。現人類と指定しているのなら、貴方達信徒も含まれるんじゃないんですか?」
 さぁどう答えるとギーゼラはヒルルクを見つめる。
「……は? そんな事を聞いてどうするの?」
「何ですか。答えられないんですか?
 やはり自分達は特別。征竜を信奉する者達こそ、破壊後の世界の支配者という訳ですか! なんと……なんとおこがましい!!」
「いやいや、何を馬鹿なこと言ってるの。現人類って征竜さまが言ったんだから、わたし達も含まれるに決まってるじゃない」
 まるで狂気に取り付かれたように嗤うギーゼラに、ヒルルクは呆れて溜息をついた。
「…………狂っている。愛しい程に狂っていますね、貴方達は! 人類を滅ぼし、最後に自ら命を絶つ! 素晴らしい! それでこそ、狂った神の狂った信徒に相応しい!!」
「はいはい。もう話は終わりでいい?」
「いえまだです! 征竜は現人類を滅した何もない世界で一体何を成そうというのですか! そんな世界に何の意味があるのですか!」
「あのねギーゼラ。それはわたし達が考える事ではないの」
「またですか。まったく征竜様征竜様って……! 貴方達は自分達じゃ何にも考えられない木偶ですか? 征竜には木偶を並べて悦に浸る趣味でも? ……ははは! 征竜の性癖も大概ぶっ飛ん――――」

――ぐしゃり。

「話は終わりね。さよなら、ギーゼラ――――それで二人はどうする……って、あれトーラは?」
 巨槌にこびりついた血と肉片を振り払いながら、ヒルルクは知り合い(トーラ)を探す。
「これを貴様に渡してくれと言い残して帰ったぞ」
 残ったベルクがお菓子(チョコバー)をヒルルクに放って投げた。
「そう。皇子(レイレイ)はどうせ助からないと思うけど。で、あなたは逃げないの?」
 投げ渡されたチョコを興味なさげに捨てると、ヒルルクはベルクに問いかける。
「妾が逃げるだと? カカカ、嗤わせる。妾ら防人が仇敵を前になぜ逃げねばならん。人類の金糸雀(警鐘役)であるオスマットが、情婦風情から逃げる理由など無い。仲間が貴様らの襲来を告げ、一族郎党皆殺しにする準備を整えるその時まで、貴様らの脚を止めるが妾の役目ぞ」
「……ほんとよく吼える。ううん、金糸雀(カナリア)なら『鳴く』かしら? そんなに狩られたいの?」
「ふん、なんとでもほざくがいい。だが、死界へと踏み込んだ妾をそう易々と屠れると思わぬことだ……!」

●
 巫女(ヒルルク)との思い出が蘇る。屈託のない笑顔を見せる彼女の顔が。
 悪夢であって欲しい。
 アーシェル・G・クラインは何度でも思い出す。とてつもなく重い信徒の一撃を辛うじて盾で防ぎながら。
「アーシェルさん、今は余計な事を考えないで」
 そんな彼の考えている事を見抜いたのか、背を預けるアンネエルカが静かに呟いた。
「……そうだな。すまない、アンネ」
 背中に感じる温もりは今なお熱い。
 生きている。そこにまだ生きて立っている。
 ならば、俺のする事は一つしかない。

「アンネ、絶対に傍を離れるんじゃねぇぞ。俺達がこうやって背を預け合っていれば、いくら強敵だろうが、絶対に破れやしねぇ」

 大剣の攻撃をいなしながら、アンネエルカはその言葉を噛みしめる。
 本当は逃げろと言いたいのだと思う。
 私を本気で案じてくれるのに、意思はちゃんと尊重してくれる。
 沢山の言葉を飲み込んで、背中を預けてくれる――――大切な人。
 こんな所で終わっていいような人じゃない。だからこそ、私がちゃんと言葉にしないと。

「アーシェルさん」
「どうした、疲れたのなら少し休んでろ」
 戦斧の一撃に顔を歪ませながらも、アーシェルの声はひたすらに優しい。
「……約束をしない?」
 その声の優しさに、心が締め付けられた。
 びくりと震えた背中から、動揺が伝わってくる。
「帰ったらデートでもするか?」
「ふふ、それもいいかもしれないわね」
 アーシェルの声が震えていた。
 勘のいい彼の事だ、何を言われるか感づいたのかもしれない。
 それでも、ちゃんと口にしないといけない。『約束』は言葉にしないと伝わらない。

「このまま、背中を合わせて戦いましょう。そして、何があっても振り向かない」

「なっ……!」
「私の全てを貴方に預けるわ。だから、貴方の全てを私に預けて」
「アンネ、何を言って――――」
「本当は指切りでもしたい所だけど、背中合わせじゃできないものね」
 巨大な魔弾を槍の一薙ぎで霧散させながら、アンネエルカは小さく苦笑する。
「……できる」
「え……」
 盾を地面に突き刺す音が聞こえた。
「な、なにをして――」
「なんだ、手を出さないのか? それなら、約束はできねぇな」
 コンコンと肘でわき腹を小突かれた。盾を捨て、空いた手で。
「……できるわ」
 ここまでして、結ぶ約束なんて今まであっただろうか。
 その気持ちに答えなくて、何が仲間(パートナー)か。
 アンネエルカは、槍を地面に突き刺し手を後ろに回した。

「……約束だ」
「約束よ」

 後ろに回した手が強く握られる。
 それだけでいい。そこから伝わってくる熱が全てを語っているから。

「やるぞアンネ!」
「ええ!」

 離した手に獲物を戻す。
 約束のおかげで覚悟は済んだ。
 だから、もう大丈夫。
 何があろうとも、必ず背中の温もりだけは守り抜く。

 アンネエルカとアーシェル。
 二人の……二人だけの戦いが始まった。

●
「む。何の真似?」
 建物の影から飛び出してきた人物は両手を大きく開き、ヒルルクの行く手を阻んでいる。
「ヒルルクさん……一体どうしてしまったの?」
 ヒルルクの前に立ち塞がったエルゼリオ・レイノーラの顔は悲痛に歪んでいた。
「ボクの知ってるヒルルクさんは、こんなひどい事するような子じゃない」
 困ったように首をかしげるヒルルクに、エルゼリオは訴えかける。

 いつも朗らかな彼女の笑顔はここにはない。
 目の前に立っているのは、まるで――――死神じゃないか。

「……やっぱり、そうなんだね」
 その姿を見て確信に変わった。
 この里についてからずっと感じていたものの正体が、彼女の内に見え隠れしているんだ。
「エルゼリオ……? さっきから何を訳の分からない事を言って――――」

『征竜!! ヒルルクさんを返せ!!』

 エルゼリオは石碑の鎮座する花園に向け声を張り上げた。
「無力な者達を嘲笑しながら殺戮するのが、世界の守護者と謳われた征竜のする事なの!」
 きっとこの場を覗いているであろう、神と称されるものに向け。
「この世界が貴方達にとって箱庭に過ぎなくっても――――この世界は……ここで生まれたボク達のものだ。創造主でもない貴方達にボク達の運命を決める権利なんてない。ボク達の未来はボク達で決める。もちろん――――」
 そして、改めてヒルルクに向き直ると。
「キミもだ、ヒルルクさん!」
 ずっと眉根に皺をよせエルゼリオの声を聞いていた彼女に呼び掛けた。
「ヒルルクさん、ボクの声が聞こえているのなら応えて……! 征竜の意志なんかに負けちゃいけない! 貴女はそんなに弱い子じゃないはずだ!」
 征竜の巫女となった事で、きっと逆らえない何かに縛られているはずだ。
 あの優しくて楽しかった彼女がこんな事をするはずはない。
「帰ってきて、ヒルルクさん!」
 だから、何度だって呼びかける。じっと黙ってこっちを睨み付けている彼女に。

「もういい?」

 だが、返ってきたのは心底冷たい声だった。
「……もういいって、どういうこと?」
「そのままの意味よ。それ征竜さまを愚弄するなら、その頭――――」
「ヒルルクさん……!」
 普段の彼女からは想像できない下劣な言葉。
「征竜の支配に負けちゃダメだ!!」
 それでも必死に訴えかける。
 彼女が正気を取り戻し、あの笑顔をもう一度見せてくれると信じて。

 しかし――――。

「もういいわ……さようなら、エルゼリオ」
 エルゼリオの叫びは、ヒルルクに届くことはなかった――。

●
「はぁはぁはぁ……」
 阿鼻叫喚の中を必死で逃げる。
 背中に愛しい人を抱えながら。
 見つからないよう建物の影を渡り。
 気付かれないよう息を殺す。
 仲間達の死さえも囮(カモフラージュ)に、向かうのは里の出口。

「トーラ!!」
「っ!?」

 突然名前を呼ばれ、慌てて建物の影へと身を潜める。
「無事だったか。よかった」
 声が近づいてくる。一体誰が……誰でもいい。この人だけは守らないと――――。
「……ヒールをかける。じっとしていろ」
 まるで子供を守る親獣の様に警戒心をむき出しにするトーラに、フェイサル・セイフは優しく手を差し伸べた。
「フェイサル……さん」
「よくやった。殿下は……まだ息はあるな。すぐにヒールをかける。気休めにしかならんかもしれんがな」
 そう言ってトーラの頭に手を置いたフェイサルは、彼女が背負うレイウェストに癒しの光を浴びせる。
「海神が脱出ルートを探っている。西へ向かえ」
「わ、わかりました。ありがとうございます。……あと、ごめんなさい」
「気にするな。これだけの死線をよく越えて来た、お疲れ様」
 先ほど噛みついた事を謝罪するトーラに、フェイサルはゆっくりと首を振った。
「だが、ゴールはまだまだ先だ」
「はい、わかっています。殿下の身はわたしが必ずお守りします」
「その心意気やよし」
 そう言うとフェイサルは建物へ背を預け、広場を伺う。
「……トーラ、10数えたら西へ走れ」
「えっ……フェイサルさんはどうするんですか……?」
 トーラに加護(ありったけのバフ)をかけながら、フェイサルはカウントをスタートさせた。
「5、4――――」
「フェイサルさん!」
「2、1――往け!!」
「くっ……!」
 最後に背中を押され、トーラは皇子を背に建物の影から飛び出した。

「……望み薄くとも、希望は捨てるな」

 トーラの気配が遠のくのを背中に感じつつ、フェイサルは懐から取り出した薬草を口に含む。
「さて……君達の信仰をとやかく言うつもりはないが、この結末を納得して受け入れろと言われ、はいそうですかと縦に振る『首』を私は持ち合わせていない」
 そして、殺意という名の信仰心を剥き出す信徒達に向け、普段は出さない大声を張り上げた。
「征竜の意志とは、かくも幼稚なものであるのか!」
 信心を揺さぶれ。
「無為の殺戮のどこに魂の研鑽があろうか!」
 信心を否定しろ。
 群がってくる信徒達が、情け容赦のない一撃を見舞っていく。

 絶死の一撃に何度となく耐えながら、フェイサルは思う。
 これが今まで信じた征竜信仰の成れの果て。
 狂信と妄信の行きつく先が、この様なものであられるのなら、自分が目指した信仰とは一体何だったのか。
「これもまた一つの信仰。そして、私がこれから示すのもまた一つの信仰だ!」
 信徒の怒りに体を打ちのめされながらも、フェイサルは携えた刀身を掴む。
「我が信仰の行きつく先を、その眼に焼き付けろ……!」
 張り上げた声に一瞬怯んだ信徒達へ不敵な微笑みを向け、フェイサルは剥き出しの刃を喉へと宛てた。
「この試練にあって『命』をどう使うのか。君等も征竜の信徒として見ておくがいい。これもまた一つの信仰のあり方だと!」
 そしてフェイサルは、剣を――――引いた。

●

「こんにちは、『兄弟』」

「……何のつもり?」
 突然目の前に現れたグレイブ・ヤードに、ヒルルクは巨槌を構える。
「その様に警戒しなくてもいいでしょう。こちらは無手ですよ」
 戦意を誇示するでもなく、挑発するでもない。
 ただそこに自然体として存在する。
「私は貴方達の信仰の犠牲となりに来たのですよ」
 そして、平然とそう告げた。
「随分素直ね。あなたは征竜さまの意志を尊重して、殉じようというの?」
「意思を尊重? 何を言っているのか。そんな訳ないじゃないですか」
「……なに?」
 否定され怒気を膨らませるヒルルクを前に、グレイブの白い仮面がふるふると揺れる。
「どうやら私の意思がうまく伝わっていませんね。わかりました、少し話をしましょうか」
 グレイブは今にも巨槌を振り下ろさんばかりのヒルルクに向けて言葉を投げた。
「私達現人類は、世界の守護者と呼ばれる者に共闘する価値なし、存在する価値なしとの烙印を押されました。そう、世界に必要ないと言われたのです」
「……その通りよ」
 ヒルルクの返事に仮面の中の口が歪む。
「貴方達が信じるものが言う様に人類は間違えた。人類は世界の為に在れなかった。神からすれば一瞬にも過ぎない時の中で、間違え続け過ちを続け、神より与えられた力を己のものと勘違いし、無為に振るい、愚かにも世界の覇者たらんとした。
 人類はいつ間違ったのか。
 最早、その答えを出せる者はこの世にない。
 希うべき立場の人間でさえ、間違えたのだ。
 必要だったのは世界の為に生き、世界の為に働く――――そう、貴方達のような征竜の信者(人形)だったのに」
 人の世の終焉はかくも呆気ないものか。
 強大すぎる意思(神)の前に、失敗作は取り潰される。
 それが世の理ならば、受け入れるのも理の中に生きる者の使命であろう。
 しかし、だからこそ、願うべきものもある。
 二度と愚かしい歴史が繰り返されないように。
「征竜の巫女、征竜へお伝え願えるか」
「何を?」
「この地に、この時代に、そんな愚かしい種が存在したことを覚えていて欲しい、と」
「……気が向いたらね」
「それでいい。ありがとう、『兄弟』――――」
 仮面の中の瞳が閉じるのと同時に、巨槌がその脳天を捉えた――――。

●
「――――おい」
 声が聞こえる。
「生きているのか」
 冷たくなっていく体に、温かい光がしみ込む。
「……生きて、いるようです」
「ならばいい」
 江流を逃がす為の固定砲台となった後、出血により気を失っていたらしい。
 まさか、再び目覚めるとは――。
「すみません」
 目の前に立っている男は、たしか『だわ』と名乗った。
「動けるのなら手伝え。まだ弓は引けるだろう」
「……ええ」
 いつの間にか止血されている。傷もヒールで塞がっていた。この男がやったのか。
 アクティオンは隙無く戦場を窺う男の横顔を見る。
「しかし、リザードマンのお前にも容赦なしか」
 だわの呟きにアクティオンは頷く。
 征竜の信徒達は、共に征竜を崇めるリザードマンにも容赦をしなかった。
 一時は征竜の決定を受け入れる風を装い相手の出方を窺いもしたが、全て失敗に終わった。根本的に、あれ等は信徒以外を信じていない。
「どうやら、彼等の眼は真の信徒を見抜くようです」
 自嘲気味に笑うアクティオンに、だわは何も言わない。代わりに別の事を問いかけた。
「さっき一人ここを離れるのを見た」
「ええ、彼は逃げました」
「そうか……賢明な判断だ」
 今度はちゃんと返事が返ってきた事に苦笑しつつ、アクティオンは西を指さす。
「西か。ならば、俺達の役目は東にあるな」
 だわの卓越した戦術眼が『次』の動きを見据える。
「囮になるつもりですか」
「そうだ。だから、お前の命も貸せ」
「初対面でいきなり命を貸せとは……こんな状況でも無ければ、中々聞けないセリフですね」
「問答している時間はない。可か否か」
「……可。お貸ししましょう。救ってもらった命ですから」
「よし」
 だわは短く答えると、広場で殺戮を繰り返す信徒達の動きを見た。

 あれと似た光景を見た事がある。
 あの日、再び対峙した敵(水の災害)。
 手も足も出なかった。
 自分の未熟を呪い、死を覚悟した。
 だが――。

『行け!!』

 耳の奥に今も残る隊長の声。
 あの時は理解できなかったが、今ならわかる。
 あの人(隊長)は何を思い、俺を逃がしたのか……。

「――単純な事だったんだな」
「何か?」
「何でもない。行けるな」
「ええ、いつでも」
 だわの声にアクティオンは弓を掲げて見せた。
「よし。だが、まともにやりあえばこちらに勝機はない。だから――」
 アクティオンに顔を寄せ、だわが何やら呟いた。
「……奇遇ですね。それは得意分野です」
「よし」
 互いに準備を整え、躍り出るタイミングを見計らう。
 ただ闇雲に出て行っても無駄死にするだけ。そんな無駄の為に、命を繋いできたのではない。相手の虚を突き最高の成果(パフォーマンス)を発揮する時を待つ。
「……この戦は俺達の敗北に終わるだろう。だが、簡単に滅ぼされてやるつもりはない」
「まったく同意ですね」
「ならば、この命尽きるとも、最後の最後まで抗って見せるぞ」
 だわの瞳を真っ直ぐに見返し、アクティオンは深く頷いた。

『竜の試練……かくも厳しいものになりますか。ですが、一人でも命を繋ぐことが出来れば、征竜の意思を乗り越えたという証となりますね』

 アクティオンは思い、弓を構える。

『これで”私”は、あの人(隊長)に胸を張れるだろうか……そして、彼の代わりに国を衛れただろうか――――』

 数千分の一の隙を狙い、だわが飛び出した。

 二人の『撤退戦』は、まだ続く――――。

●
「それは貴方にどうこうできる代物じゃないわ。そこから離れて、アリオン」
「はは……その割には、あまり余裕が感じられないね、ヒルルク」
 一面の花園は無残に散り荒らさている。
 里を包む阿鼻叫喚は、美しかった神秘の園にまでその魔の手を伸ばしていた。
 園の中で息絶えた人影が見える。
 今まさに刃を振り下ろされている者の姿が見える。
 悲鳴が聞こえた。
 泣き声が聞こえた。
 理不尽な力を行使する信徒を呪う声がそこかしこで聞こえる。

 征竜を信奉する者であれば、征竜が守護するべきものが人類ではなく世界そのものだという事を知る者も多かろう。
 その征竜が世界を護る為に、現人類の滅尽を決められた。
 アリオン・リューはその決定を支持する。
 征竜を崇める者として。征竜が護る世界を共に守れるよう、己を高めて来た者として。
 征竜の決定は信徒にとって絶対だ。それは理解できる、だが――――。

「僕は同じ現人類であるあなた達に、自分の運命を委ねるつもりはない!」

 征竜の爪に裂かれるのならば、喜んでこの身を差し出そう。
 粛清の炎で焼かれるのならば、謹んでこの身を捧げよう。

 だけど、同じ人である信徒の手で裁かれるのだけは納得がいかない。
 アリオンは剣を征竜の石碑へ向けた。
「そんな事をしても征竜さまは現れないわよ」
「わかっているさ。でも、こうすれば――」

――カキン。

「グハッ……」
 剣を石碑に振り下ろしたと同時だった。
 天地が反転し、アリオンは地面を舐めていた。
「いい加減にして。やっていい事と悪い事があるわ、アリオン」
 背中に確かな重みを感じる。
 冷ややかな巫女の声が降りそそぐ。
「ああ、そう……だね。やりたい、ことは、やれたよ」
「そんなに征竜さまの碑を傷付ける事が望みだったの」
「はは……違うよ。ここ(花園)に、君を誘う事だよ」
 背を押さえられ表情は窺えない。
 今どんな顔をしているだろうか。
 少し見て見たかったけど、どうやら望みは叶えられそうにない。

「残念だよ。征竜様がヒルルクの眼を通してみた世界が、悪しきものに映っていた事が」

「そうね……わたしも残念だわ」
「そうか。ヒルルクもそう思ってくれるんだね。……よかった、それだけで僕は救われるよ」
 いつもの彼女からは想像もつかない冷たい声。
 だけどそれでもいい。
 征竜の巫女である彼女の手で逝けるのなら、わりと悪くない。

「ヒルルク、世界をよろしく――――」

 その願いだけを託し、アリオンは静かに目を閉じた。

●
「……かか、生きて、いるのか」
「生きて……か。半身潰されて、生きて、いるって、いうのなら……そうなの、かもね」
 血だまりに沈む二人。
「動いて……いるなら、最後まで、あがけ」
「無茶、言うね……そっちこそ随分、失くしてるくせに」
「ふん……この程度、かすり、傷だ」
「よく、言うよ……」
 もう、体の感覚はほとんどない。
「逃げ、られた、かな」
「……当然、だ。誰が、時間を稼い、だと思っている……」
 血を流し過ぎた。視界もぼやけていた。
「殿下……本当に、馬鹿な人、だ」
「……貴様、殿下を、愚弄……するなら――」
「する、なら? …………はは、おやすみ、ベルクさん」
 その言葉を最後に、ベルクとギーゼラは静かに瞳を閉じた。

●
 どれだけの時間が経った。
 どれほどの攻撃を耐えた。
 剣は折れ、盾は曲がっている。
 手は痺れ、感覚はほとんどない。
「アンネ」
「……大丈、夫。聞こえているわ」
 それでも立っていられるのは、背中に感じる温もりがあるから。
 守らなければいけないのは、世界でも現人類でもない。
 ただ、この背中に伝わる温もりさえ守れればそれでいい。
 だからこそアーシェルは立ち続ける。
「辛いなら休め。少しくらいなら、俺が持ちこたえて――――」
「アーシェルさん、来るわ」
 二つに折れてしまった愛槍を二刀流に、振り下ろされる凶刃を柄に滑らせる。
 裂かれるドレス。
 ママが一生懸命縫ってくれたドレス。
 二つに折れた槍。
 パパが精魂込めて作ってくれた槍。
 どちらも、もう見る影もない。そして、それを振るう自分自身も、もう……。
「アーシェルさん、約束……破ったら、ダメよ……」
「何を――」
 背中に感じる温もりが一層熱を帯びた。
 細く華奢で血にまみれた腕が、胸に回される。
「よく、言うぜ……お前が約束を破ってるじゃねぇか……」
 背中から抱きしめられた。
 あれだけ固く結んだ約束を違えてまで、最後の力を振り絞り回された腕。
 その意味する所を分からない仲ではない。

 嫌だ。

 死ぬな。

 死なないで……くれ!!

 抱きしめる力がゆっくりと弱まっていく中、声にならない声で叫ぶ。
 今なら、まだ今なら、生きて会える。
「アンネ……もう、いい。終わりにしよう」
 だから、口に出してしまった。
 決して声に出さないと決めていた弱い自分の本音を。

「……悪い、子」

 びくりと肩が跳ねた。
 弱い自分を見透かされたと思った。
「大丈夫よ、あなたを支えるのは……私の役目だもの」
 背筋を伸ばし立ち上がれと、緩んでいた腕に力が籠められる。
「だから……前を見て。まだ、あなたの……役目は、終わっていない、わ――――」
 ……胸に回された腕が落ちた。

「アンネ!!」

 約束を違え振り向き、崩れ落ちた彼女の身体を抱きしめた。
「泣き虫……」
「お前も……泣いてるじゃ、ねぇか……」
「ふふ……お揃い、ね」
 もう何も見えていないのだろう。アンネエルカの瞳に光は感じられない。
「わたしは……守れた、かしら」
 掠れる声。
「ああ、守れた……世界は、無事だ」
 抱きしめる手に力を込める。
「そう……ありが、とう。嘘が……へたっぴな、アーシェル……さん」
 力のない微笑み。
「アンネ……死ぬな。俺を置いて、いくな……」
 必死で声をかける。
「……アー、シェ――」
 冷たくなった手が差し伸べられて、頬を包んだ。
「アンネ……アンネ……!」

「……だい、すき」

「俺もだ! 俺もお前のことが好きだ!! だから、逝くな……! 逝かないでくれ!! まだ何も始まってねぇ! 俺達は、まだ何――――」
「――――……さよ、なら」
 塞がれた言葉。
 向けられる笑顔。
 ゆっくりと閉じていく――――瞳。

 最愛の者の骸を抱いたアーシェルの慟哭が、竜の里に響き渡った――――。

●
「ちっ、出口はもう目の前だってのに……!」
 里の出口は目と鼻の先。
「逃がすわけないでしょ」
 だが、その前には大きな壁が立ちふさがっている。
「ヒルルク! 退いてください!」
 隣ではレイウェストを抱えたトーラが必死で叫んでいた。

 ちくしょう、どうしてこうなった。
 どこで間違えた。

 江流はトーラの懐で眠る皇子を見る。
 全ての元凶はただ眠り、守られている。
「これを差し出せば、見逃してくれるか」
 江流はトーラに守られた皇子を指さした。

 俺にはやらなければならない事がある。
 生きて、あの娘の元へ。
 その為だったら、なんでもする。
 例え、恨まれようが、蔑まれようが、罵られようが――――。

「そう思ったのなら残念だわ。あなたは征竜さまのご意思をまるでわかっていないのね」

「はは……まぁ、そうだよな」
 だが、返ってきた返事は予想通りのものだった。
 おまけに、トーラにはすごい勢いで睨まれている。

 里の者(増援)が背後から迫るが、今目の前にいる相手(敵)はヒルルク一人だけ。
 彼女さえ抜けば、里の外へ出られる。
 そうすれば征竜の影響も薄れ、逃げきれるだろうか……。

「ヒルルク、もう一度おやつを上げますから、そこを通してください……! 早く……早く! でないと、レイウェストさまが……死んで、しまう!!」

 江流が心を冷たく保ち策を模索する中、腕の中で眠るレイウェストをぎゅっと抱きしめたトーラが枯れた声で叫び続ける。
「そんなもの捨てて行けば?、もしかしたら通れるかもしれないわよ、トーラ」
 しかし、必死の叫びとは裏腹な最低の答えが返ってきた。

 当然の答えだと思う。
 その程度で逃がすようでは、征竜の巫女を名乗る資格など無いだろう。

「……わかりました。ヒルルク、もうあなたとは絶交です!!」
 トーラは隠し持っていた最後の一手(閃光塗弾)を放って投げた。

 辺りを白に染める眩い光が弾ける。

「今のうちに――――」
 眩い光の中、トーラの声が聞こえる。

――ガンッ!

「きゃぁっ!!」
 ついで、悲鳴が。
「そんなもの(レイレイなんて)抱えてるから、逃げられないのよ」
 そして、少しだけ残念そうなヒルルクの声も。
 だが――――隙はできた。

 トーラさん、すまない。

 心の中で謝罪する。恨んでくれても構わないと、声のない言葉で伝えた。
 征竜の巫女は眼下にある。
 隙を付き、視界から消え、上空を駆ければ、いくらヒルルクだろうと、捉えるのは困難なはず。

「――」

 背後からヒルルクの声が聞こえた。
 だがもう遅い。出口は目の前――――のはずだった。

「……なんだ、お前は」

 何の前触れもなく現れた光。それが人の像を結ぶのは一瞬だった。

「まさか……征竜、なのか」

 背後でヒルルクが傅く気配に確信した。

『――――』

 男とも女ともつかない声が、直接心に語り掛けてくる。

「行け、だと……? 何のつもりだ!」

 答えはない。ただ、光の人物(征竜)が道を譲っている。
 征竜の言葉を聞いたのか、ヒルルクも、そして信徒達も追ってくる気配はない。

「……一体なにを考えている」

 小さく呟きつつ、歩を進める。
 好機なのだ。これはもう二度と訪れないかもしれない好機だ。
 例え罠だとしても、今は他の選択する道がない。

『――――』

「っ! ……それが条件か。わかった、必ず伝える」

 再び聞こえた心の声に応えた。
 その内容を否定などできるものか。

 江流は光の人物(征竜)の脇を通り過ぎ、ヒルルク達信徒に見送られ、里の外へと達した――――。

マスターコメント

おつかれさまでしたぁぁ!! いやぁ殺意がすごかった……。 もしかしたらこうなっていたかもしれない結末、いかがだったでしょうか! ちょっと後引く内容になってますが、まぁ、夢ですし、ベッドから起き上がって「はぁはぁ……夢か」ってやってもらえればうれしいなって思います! とはいえ、完全にない話、という訳でもないのがこのシナリオの怖い所。 はてさて、ロスガリアの未来はどんなものになるのでしょうね。 それでは、ご参加ありがとうございました! お楽しみいただければ幸いです!
ロングシナリオ

ロングシナリオ非常に難しい 報酬:標準12 / 6〜12人

2022年01月12日 11時29分47秒 公開

成功

相談掲示板

  1. トーラ

    シーフのトーラです。 新年からあまり良くない夢を見ることになりましたね…。 行動についてはどうしましょうか。わたしはレイウェスト様を置いては逃げれないので、早々に脱落すると思いますけど、他の方はわたしがヒルルクと対峙している間に少しでも逃げて貰えたら。

  2. 海神 江流

    シーフの海神江流だよ。 今回は宜しくってのも変な感じだけど、本年もよろしくお願いします、って事で。 よく必死に走ってる夢は見るんで、これもまぁ違った角度でリアルだなとか思ってるよ。 相手がヒルルクでなくても手練れみたいだし、初めから”此方を殺すつもりで覚悟が決まってる”というだけで厄介極まりないんで、俺は逃げの一手かな。 最低限残して装備も捨てて、移動力確保して、疾風足、エアーライド、ホライゾナルジャンプと用意はするけど、それだけで逃げ切れるくらいなら難易度が非常に難しい。にはなってなさそうなんだよな。 ヒルルクがヒーラーさんを一撃で戦闘不能に近いところまで追い込んでたのをどっかの依頼の報告書で見た気がするんで、対峙するなら絶対に避けきれるくらいスキル盛るべきなんだろうか。 とはいえ、夢だとしても。 今生きてる人間全てが滅尽の対象だってんなら、征竜が現世界の敵になったって伝えないと。って使命感抱えて臨んでると思うわ。

  3. アクティオン

    シューターのアクティオンです、よろしく。 まあ、この夢で悪い運気を使い切っておく、ぐらいですかね…… こちらとしては逃げるのに向いた手段もないので、生きていられる限りは周りのフォロー、ですかね。 レイウェスト君の救出、生存・報告の為の逃走、そういった行動がやりやすくなれば……

  4. ベルク・オスマット

    シーフのベルクだ。よろしく。 臣として主君を置いて逃げるわけにはいかないので我も殿組だな。 頑張ってヒルルク殿を押さえるとしよう。

  5. アリオン・リュー

    僕はウォーリアのアリオン。 夢の中の僕は、征竜様の決断をどう受け止めるんだろう。少なくとも自分が逃げようとは思わないし、積極的に竜の里の味方をしようとも思わないかな。というか、多分向こうは僕の事を同じ信仰のよしみで味方扱いはしてくれないだろうしね。 僕にも征竜様のバフかかったら面白いね、あはは…。

  6. ギーゼラ

    ヒーラーのギーゼラです。よろしくお願いします。 レイウェスト殿下の息があるならば、僕に逃げるという選択肢はありませんねぇ! 足が速いわけでもありませんし、逃げるのは得意な方にお任せしましょう。 スキルは回復系で固める予定ですが、僕自身に耐久力はありませんので あまり役に立たないかもしれません。 ところで「現人類の滅尽」の「現人類」には竜の里の者も含まれていると思うのですが、どうでしょうね? 人類を滅ぼした後、竜の里の者は全員自決でもするつもりでしょうか? もしそうなら、最高に狂っていて面白いですけど!

  7. だわ

    ウォーリアだ。だわと呼んでもらえれば。 新年早々の夢見で死線か。面白い。 俺は……冷静に考えられる状況ならレイウェスト様も見捨てて自国を守るため生き延びるべきなんだろうが……まあ、実際目の当たりにすればとても捨てては行けないだろうな。 となれば、俺に出来ることは時間稼ぎか。前線で可能な限り持ち堪えよう。大して持ちはしないだろうが。 1人でも逃げられれば成功、か。

  8. トーラ

    あ。ギーゼラさんが来てくれたのなら心強いですね。 レイウェストさまへの回復をどうかお願いします! その間、ヒルルクはわたしが何とかしますから。 とりあえず話しかけたり食べ物で気を引いたりして少しでも時間を稼ぎます。 >現人類 里の人は自分たちも含まれておるとは思ってない気がしますけど、自決しろと征竜さまに言われたらやりそうな気もしますね……。

  9. だわ

    俺はこういった動きで行くつもりだ。 ・可能な限り時間を稼いで、逃げる者の撤退補助 ・レイウェスト様の救出も視野に入れる 逃げる者の初動のタイミングか、レイウェスト様が動けるようになればそのタイミングあたりで撤退の隙を作るため閃光塗弾の効果Aを使おうと思う。 状態異常は効かないのだろうが、増幅された知覚に刺さってくれれば恩の字だな。

  10. ギーゼラ

    はい!殿下への回復はおまかせください! 初手でヒール3を掛けに行きましょう。 ヒールをかけている間、ヒルルクさんの抑えはお願いしますね。 閃光塗弾もいい案だと思います。一瞬でも怯んでくれれば回復する隙が出来るかと。 ヒールだけで回復出来なそうならば、何とか距離を詰めてリヴァーオブヴァイタルも使いたいところですが ヒルルクさんに近づいたら一撃で殺されそうですねぇ。 僕が死んでも殿下が生き残ってくれるならば、死んだかいがあるというものですが。 征竜様に自決しろと言われたら躊躇いなくしそうな狂った信仰なんて、最高にわくわくしますねぇ!!フフフフフ!!

  11. アーシェル・G・クライン

    遅くなって悪ぃ。 ウォーリアのアーシェルだ。よろしく頼む。 脱出を明確にしてるのは今の所は江流だけだな。 俺はアンネの意思を聞いてから行動を決めたいと思ってる。 脱出を試みるなら近くでサポートしたいし、皆と同じ様に抑えに回るなら側で戦う。 ……本音は真っ先に逃してぇけどな。 それ以上に本人の意志を尊重したい。 ギーゼラが殿下を回復してくれるのはありがたいな。 よろしく頼む。

  12. アクティオン

    >現人類の滅尽に竜の里の者も入るか 辞書的な意味での言葉の定義なら入っているでしょうが、なんとも、ですね。 ただ、入っていたとしても意に介さないだろう、という想定には同意です。 さて、竜の里の方々は対人戦の経験不足……となると、案外ハッタリやフェイントは通しやすかったりするのでしょうかね。

  13. フェイサル・セイフ

    フェイサル・セイフ、ヒーラーだ。今回は宜しくお願いする。 ……これもまた一つの信仰、と言ってしまえばそれまでではあろうが…… とにかく、我々も”そうなった”からには相応の行動をしなければな。 レイウェスト殿下の事も当然気がかりではあるが、そうだな…… 最低限一人でも脱出を、という事であれば私は海神のように脱出を図る者を支援しよう。 私はかなり早期に打ち倒されてしまうだろうが、その上で残せる物を考えるつもりだ。

  14. エルゼリオ・レイノーラ

    ヒーラーのエルゼリオ・レイノーラです。どうぞヨロシクね! ボクも殿下の回復や皆の脱出の時間を作る為、ヒルルクさんと対峙する予定だよ。 勝てないって事は分かり切っているけど、征竜が現人類の滅尽を決めたからって「はい、そうですか」って大人しく従う訳にはいかないもん。 抗うだけ抗ってみるつもり。

  15. トーラ

    大体の人はヒルルクの足止めに回るみたいですね。 ちょっとお願いがあるんですけど、足止めに回る方で何人かに里の人の対応をして貰えないないでしょうか? どちらにしても手が足りないとは思うんですけど、そちらが手薄なのが気になって。

  16. だわ

    こちらは「相手に拘らず前での足止め」の方針で出す予定だ。 戦術眼も入れて、仮に逃げる素振りを見せれば集中攻撃してくるとしたら撤退するふりをして囮に、とも。 執着が効かない分、カバリングを持っていく。

  17. アンネエルカ

    ウォーリアのアンネエルカよ。 ごめんなさい、行動に迷っていて宣言が遅くなってしまったわね。 アーシェルさんが先に言ってくれているように、彼と一緒に動くつもりよ。 そして方針は「逃げずに戦い抜く」「里の人たちの対応」を考えているわ。 ……この状況がもう覆せないのなら。 守りたいものだけは諦めない。貫き通すわ。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0