【聖祭】いまは遥けき白銀花
弓月 蒼
コメント 31
シナリオID:1699
オープニング
聖なる夜に酒坏を掲げよ。遥けき白銀花の祝祭。
神々すら瞬き止める地上に咲いた花灯り。集え貴き白銀花の祝祭に。
富む者よ貧しき者よ、貴き者卑しき者よ。その手に薔薇を一輪携えて。
聖なる夜に泡沫を奏でよ。愉快な白銀花の祝祭。
歌い明かした一夜の夢に真実が潜む。刻め貴き白銀花の祝祭に。
笑う物よ嘆く者よ、明日を夢見る愚か者よ。その手に奇跡一輪残して。
響け高らかに届け高らかに。花舞い踊る貴き白銀花の祝祭に。
永遠に貴き白銀花の祝祭に。
――――リーンエス民謡『白銀花の祝祭』より
●『白銀』の御令嬢はお祭りへ同行して欲しい
「去年は、帝都崩壊でそれどころじゃなかったから……お休みだったんだけどね」
場所はパンクリアース学園、第一学年第三教室。
わざわざ放課後まで待ってから冒険者達を呼び出したのは、同学園の1年生。
『白銀の薔薇』ことオルファレナ・アルヴァ・クラティアスである。
最近教室内でもお嬢様の化けの皮が剥げかかっていると専らの噂の彼女であるが。
そろそろ学園も長期休暇が迫るとありそわそわが隠し切れない昨今。しかし、どうも今回はそういった。
所謂未知の秘境へ準備もせずに突入だツアーの類ではないらしい。
『白銀』侯爵家家令長のエドワーズが同席していない辺り、その危険の度合も知れよう物だが。
しかして学園屈指の貴族令嬢は、何やら困惑顔を浮かべるばかりで話ももにゃもにゃとはっきりしない。
らしくない、と言えばこの上も無く。けれどそれも已む無き事だったのだと。
それから一時間ほどかけて事情を把握した冒険者達は、事態の厄介さを思い知る。
――――
「フォルトゥナお祖母様……と言うか白薔薇公が代々趣味でやっているお祭りがあってね。
白銀花の祝祭って言うのだけれど……今年は持ち回りで『白銀』が担当で」
それは所謂、聖霊節を独自解釈したようなものらしく。
一部の『白薔薇』系の貴族領内で行われる盛大な無礼講であるのだとか。勿論それだけであれば何ら問題はない。
庶民も気軽に参加出来るようにと祭の代価は薔薇一輪。花の数だけ飲んだり食べたりお土産を買ったり。
毎年領外は愚か国外から観光客が訪れるほどそれなりに派手な年越しのお祭りだそう。なのだがー……
「……このお祭りね。少しめんど……こほん。良くあるこう、貴族的な、願掛けみたいなのが有ってね?」
視線を逸らして説明するオルファレナの様相は、口調こそ相変わらず令嬢らしく無いものの。
かつてないほど端切れが悪く。これより更に暫くもだもだした挙げ句。
「まあ、つまり……最後に残った一輪を、異性に渡すと結ばれる的な。ね? ……分かるわよね?」
妙な圧と共に念押しされずとも。如何にも庶民も貴族も好きそうなロマンがティックで眠れないあれ。
つまり年頃の男女を積極的に結びつけよう的な行事である。今日び珍しくもない。
「……まあ、そういうのなんだけど。何でか今年は自領で開催するからって私も呼ばれてるの。
当然、私が出席することは事前に知られてて……あと何か、私ちょっとした有名人みたいで」
貴族社会にある程度精通し、政治知識を有する人間なら。
『白銀の薔薇』の異名がどれほど一人歩きしているかは今更問うまでもない。
何せ王国貴族の筆頭、白の公爵家直系の血縁者。かつ、唯一の妙齢の女性な訳である。
野心的な貴族令息にとって、その存在がどれほど特大の勝利杯になるか。
「私ももう15歳だし、最悪、見ず知らずの貴族に追い掛け回される可能性もあって……
うわぁん、無理無理無理無理! 駄目! 駄目です! そういうのはまだ早いと思いますっ!!」
さて、熱弁するオルファレナの根幹部分に染み付いたお嬢様が戻ってきている訳だが。
ともあれ自由と冒険を愛する彼女に、男女の鞘当てはまだまだ立ち塞がる壁が高いようで。
●意趣返しにも程がある。
「……全く、悪い冗談だ。色恋などしたい者だけにさせておけば十分だろうに」
黒一色の礼服を身に纏い白い薔薇の花束を無造作に抱えた黒き竜の仔。
『黒の後継』アルベイル・ライゼンナクトが心底から重く長い嘆息を零す。
「ら、ライゼンナクト卿に置かれましては、御心痛察して余り有ります……」
「そういう礼節は不要だと言ったぞジーベック。まあ良い、あの男の罰則にしては甘い方だ」
「……いや、こんな事をやっている場合ではないと言うことが本当に分かってるのか黒竜公は」
「身内の恥以外の何物でもないが、あの男は白薔薇が絡むと少々おかしくなるからな」
「分かっているなら何とかしろ後継者っ!」
眼前には似たような装いをした顔を知る貴族令息が更に2名。
片や『夜鷹』候が令息ジーベック・ファルゲン。片や『黒槍』伯が令息アルガス・コーニッシュ。
『貴族派』全体の盟主『黒鋼竜』直々の戯れと言うことも有り。
年齢的に適齢期として一致した貴族令息が揃えられた訳だが。果たして、その……何だこれ。
「一応確認しておくが。真面目に『白銀の薔薇』に興味が有る者は?」
「『白銀』は……流石にかなりどうかと」
「分かり切った事を聞くな。家格的にも調略的にも学園長は最悪の相手の1人だぞ」
「だろうな、余程の無謀か馬鹿でも無い限り、薔薇を摘む間に家が詰まされるのは目に見えている」
男3人。来年の入学が決まっているジーベックを含めば次期1学年、2学年、6学年。
パンクリアース学園でも有数の貴族令息が雁首揃えて何をやっているのか。
「適当に祝いの言葉を贈り、薔薇を消費してお茶を濁す」
「……やってみましょう」
「一応言っておくが、協力なんか期待するなよ」
「言われなくとも分かってる! 伯爵家如きが『夜鷹』を侮るなよ!」
『白銀花の祝祭』に“祝い"の為に呼ばれた『貴族派』令息3名。黒衣の三連星が。
果たして無事に祭りを終えられるのか、今この時点では知る由もなく――――
――――
例え普段どれほど傍若無人の無鉄砲だろうとも、個人としてのオルファレナはあくまで貴族令嬢である。
幼い頃からの淑女教育と隔離同然に過ごしてきた日々は、彼女を立派な恋愛弱者へと至らせるに余り有り。
「だからその……出来たら一緒に参加して、困った時は助けて欲しいなー、とか……ね?」
そうは言っても貴族にとって"同調圧力"だとか"既成事実"と言った事態は割と洒落にならない。
途方に暮れた彼女が結果的に助けを求めた先が、冒険者だったのも仕方ないと言えば仕方ない事だろう。
彼女にアプローチを掛けてくる貴族達には、決して罪はない。罪がないからこそ厄介とも言えるが。
しかしそこはそれ、当人の本意だとか諸々ある以上、冒険者の仕事はあくまで依頼の達成なのである。
何より。そんな王国民の王国民による地方領内のお祭りに参加出来る機会などそうはない。
当日もオルファレナが困った時を除き自由行動が認められるという事で、これはもう休暇みたいな物だ。
かくして普段より大分弱気を拗らせた“お嬢様"に連れられて。一路向かうは王国貴族『白銀』のお膝元。
白き薔薇咲き誇る、百花の都『リスティール』にて。
年の最後の花灯りの祭り。白銀花の祝祭が幕を上げる。
解説
マスターより
リプレイ
赤、白、黄、青、紫、そしてまた赤、白、赤、白。時々黄色。
色薔薇を模した花灯りが煉瓦造りの橋の左右を彩っていくと、街の門が見える。
銀剣と花弁が一枚落ちた白薔薇の家紋。それが白薔薇系侯爵家『白銀』の証。
その所領は女傑と謳われる名領主フォルトゥナの施政を受け、繁栄と栄華の中にあった。
その聖霊節の祭りが壮大でない訳が無く。白銀の天華と名高い百花の都『リスティール』には。
中止を余儀なくされた昨年の鬱憤を晴らさんとばかりに無数の露店が立ち並ぶ。
「ふわあああ、流石に帝国とは何もかも違いますね……それにほんのり温かい?」
「ツァガーンナル……ナルはリスティールは初めてよね。
沢山飾られた花灯りのお陰よ。あれ、光を発する時少しだけ熱を持つから」
「いや、ほんとすごいね……まだ門を潜る前なのに甘い香りがする」
「白薔薇の醸造酒ね。ほら、あそこで醸造酒の車厘も売ってる」
馬車から身を乗り出した『アルメール隊』ハルハン・ツァガーンナルが歓声を上げると。
王国には慣れた身の筈の『倒れるなら前のめり』エルゼリオ・レイノーラが目を丸くする。
「お、ありゃ鳥の丸焼きか!? なはは、良いねえ!
王国の貴族ってのは上品なモンばっかりかと思えば、やりゃ出来るじゃねえか!」
「ハヤトは相変わらず……あ、でもちゃんと切り分けて貰うんだからね?
丸ごとで、とか言ったら折角持ち込んだ薔薇がすーぐに無くなっちゃうんだから!」
「隣の屋台は薔薇の砂糖漬けね。日持ちするから冒険のお供にも良さそう」
「ロゼットロゼット、ほらほらあれ! 手巾に名前刺繍してくれるみたい!」
『白銀の絆』ハヤト=ガラン=ヴォルファングが豪快さで売る祭料理に目を引かれると。
『慈心のプレギエーラ』ロゼットは甘味に視線を向け。傍らでオルファレナが歓声を上げた。
「えええ、何ですかあれ。酒杯片手に輪になって踊ってるんですけど……」
「エフィは円環舞踊には馴染みが無いかしら。
手を繋いで踊るの。右、左、くるっと回って……あ、お祖母様に挨拶したら行ってみる?」
「リサちゃん、髪飾り! 色違いの髪飾りとか売ってる……!」
「あはは、それなら一緒に買いに行きましょうか」
『学園生徒会 会長』エフィルミアはと言えば、王国と言っても学園以外疎い為。
文化の違いに驚きの声を上げ、視線は一つ所に留まる事を知らず。
『鷹雛の天敵』ゲルダ・クラインが隣合う『学園生徒会 庶務』リサ・ベイカーの手を引くと。
リサもまたゲルダお目当ての髪飾りが並ぶ露店の、色鮮やかな店構えに笑いを零す。
「凄い、人混み、苦手」
(でも、これだけ沢山人が居れば、占いの館も需要有りそう……がんば、る)
「同感ですね……おまけに場所は迷宮じみた街、と」
(おまけに付き人連れた貴族がぞろぞろと……おいおい自殺志願者の群か何かか???)
一方で、人見知り故に小声で呟いた『未来を描く』ユズの声に。
思わず同意を返すゼラルム・エルホワイト。両名の目的は主に祭そのものの方に有り。
「女のよしみ……とでも言うべきか。全く、折角の祝いの日に無粋な男共も居た物だ」
「そこは同意せざるを得ないな。お祭りなのだから、彼女には皆と楽しんで欲しいが」
それらを一歩離れて見る『世界の叙述』ローザリカ・L・ディオールの述懐は。
奇しくも『学園生徒会 副会長』シルヴィア・A・カペルに汲み上げられる。
視線を交えた両者は、思わず苦笑いと共に曖昧な嘆息を溢したか。
女性貴族の悩みなど立場と身分が異なろうとも、案外それほど変わりはしない。
(ん゛ん゛……何だ。今……見慣れた顔が人混みに混ざっていた様な)
それら仲間達の合縁奇縁諸々を、何処か他人事の様に眺めていた。
『同胞への信』ナハティガル=ラーはしかし最後の最後で我が目を疑う事になる。
供も連れず唯一人であれば見間違いも有るだろうが、明らかに知った顔との3人組。
何がどうしてそうなったのか。事情こそまるで分からないにせよ――――
それぞれの想いを他所に、白薔薇の刻印が刻まれた馬車は人の熱冷めやらぬ街中へ。
祝祭の夜は、まだ始まったばかり。
●自由時間<前>
さて。とは言っても常にオルファレナに冒険者が張り付いている必要がある訳でもない。
実際に祭りの最中に紛れ込んでみると、なるほど早々に花を消費して一番乗りを果たそう。
――――という、貴族子息が確かに居るには居るようであり。
そういった輩は主に、消費の容易な串焼き系の露天で一気に花を散らせる為見るだに分かり易い。
「そう言えば、この辺に良く当たる占い師が店を出していると聞いたのですが……」
お付きの者をぞろぞろ連れている彼らは、本丸を攻めなくとも周囲で呟くだけで引っかかる。
主に女性客が中心で並ぶ薔薇の砂糖漬けの屋台主にそんな問を投げ掛けると。
そう言えば何かちっこい嬢ちゃんが天幕を貼ってたなあ、等と応答が得られる。
屋台主がそんな事を知っていたのはまさにその占い師――――ユズの呼び込みあればこそだが。
声が聞こえるギリギリを織り込んで屋台に並んだのはゼラルムの目論見通りと言えた。
案の定、直ぐ側の串焼き屋台に並んでいた貴族子息が半端な所で列を外れていく。
(……は。貴族だ何だと言ってもこんなもんか。中途半端で笑えもしないな)
面白くも無さそうにその後姿を見送りながら、自分は自分で薔薇の砂糖漬けを土産に包んで貰う。
知人3人に幼馴染。送り先は四方、薔薇は十輪。それほど余裕がある訳でもない。
とりあえず2人前、持ち帰り用に簡易包装して貰った物の。
貴族を招く祭だけあってお上品で小綺麗な一方、下町の出店と比べれば明らかに量が少ない。
「……この量で足りるか? 本当に?」
困惑の色が滲むのも仕方なく。しかも誘導してそのまま放置という訳にもいくまい。
森人の少女とその従者への土産はともかくも。幼馴染には何を贈るかすら決めていない。
そして見れば見るほど出店は多く、その合間を縫って催し物が騒がしく。
此処からは時間との戦いだ。花灯りに照らされた迷宮じみた街並みには、商品だけは飽きるほど有る。
――――大きく息を吸って吐いて、深呼吸。
人混みは苦手だし、人と話すのも得意ではない。けれど、それが出来なければ占い師は務まらない。
幸い、到着して直ぐの申請でも場所は借りられた。簡易天幕に机と椅子。必要最小、それで十分だ。
人は心に幾つもの自分を持っている。時と場合によってそれらを切り替えて自然に振る舞う。
ユズにとって占い師の自分とは――――そういった、自らを象る仮面の一つだ。
「――――さぁ、いらっしゃいませ」
朗々と声が上がる。まるで自分ではない様に。言葉がつかえる事もない。それが当然と、思い込む。
「意中の人に振り向いて欲しい、出会いを探している。恋にお悩みの皆様へ。
私の占いを通して、自分らしい道を進む為のお手伝いをさせて下さい」
何だなんだと向けられる視線は幾つもあるが、内片手で数えられる程は熱量が違う。
「ここでお目にかかりましたのもひとつのご縁、お試しにいかがですか?
対価はあなたの持つ薔薇一輪。白銀花の祝祭に華やかな彩りを添えてみせましょう」
口上に釣られたか、お付きの人を連れた如何にも"高貴な血筋である"と言った風体の少年が。
彼ら唯人至上主義者からすればまさに"下賤なる庶民"だろう。
ユズの設けた天幕に恐る恐ると足を向ける。それが果たして、吉と出るか凶と出るか。
勿論、此度のユズの役割は"貴族令息を『白銀の薔薇』から遠ざけること"
「少し良いか。今日の恋愛運について――――」
「勿論です高貴な血筋の御令息様。ふふふ、貴方にとっての幸福を見事示してみせましょう」
である以上少なくとも彼らが望む展開が待っていない事は、自ずから明らかではある訳だが。
とは言っても。占いの館で足を止められる令息は1度に1人。
そしてゼラルム曰く"命が惜しくない"貴族令息は思った以上に多いようだった。
"こちら周辺警護班だ――――遊撃班、状況はどうなっている"
"こちら遊撃班、刺客3名が接近中! わわわ、下心がすけすけですよ!?"
"こちら遊撃班、これは恋とか愛とかじゃないと思います。進路を市長邸宅に向けて下さい"
"こちら同行班です。オルファさんはお買い物に夢中です。対応をお願いします"
"了解"
"了解です!"
"了解しました"
「――――失礼、改めて名乗る程でもないとは思うが。少し良いだろうか」
侯爵家令嬢故の公式的な礼儀作法を最大限活かし貴族として足止めをする周辺警護。
「ボク、こういう風にその気のない乙女に迫るのって、格好悪いと思います」
やや強引に行く貴族令息とその護衛とを笑顔と殺気で強制的に足を止める遊撃班その1。
"更に刺客が2名、周辺警護班の方へ向かっています。少し距離をとって下さい"
人混みに紛れては自由行動な貴族令息の所在を逐一共有し続ける遊撃班その2。
「ねえリサ、何かあっち騒がしくない?」
「そう言えばオルファさん。選挙では応援ありがとうございました」
「どうしたの改まって? リサだって私を助けてくれたじゃない」
「何とか期待に応えられましたか?」
「ふふ、とっても助かっちゃったわ。リサも困った時はいつでも私を頼ってね」
そして話術を駆使しオルファレナの意識を逸らす同行班のテレパスによる連携は。
鉄壁の防衛網で刺客の接近を排除する、王室近衛もかくやの護衛体制。
――――そんな祭の裏側で。嘆息を余儀なくされていたのはナハティガル。
そんな懐刀の様に普段と変わらぬ冷えた眼差しを向けるのは『黒の後継』アルベイルである。
「事情は分かった。分かったが……黒竜公への義理を果たせればそれで良いのだろう?
ならば、白銀の薔薇への祝辞はさっさと済ませてしまうに限ると思うが」
「全く異存はないが、そうもいかん。あの男の仕業だ。
監視の1つ2つ間違い無く付いている。厄介な事に、挨拶は"最後の薔薇"でなければならん」
「黒竜公とはどんな男なのだ……」
「白薔薇が関わると少し可笑しくなる。以外は……そうだな。
――――いわゆる、"怪物"だ。あれを人間と思うべきではない」
面倒ここに極まれり、と言う態度で息を吐く『竜』の少年に。銀髪鬼は一瞬遠くを見る。
"少し可笑しくなった"結果がこれなのであれば、やっていることは悪餓鬼の悪戯と大差ない。
「……分かった、幸い、『白銀の薔薇』とは面識がある。何とかしよう」
「ラー、貴公も大概過保護だな……まあ良い。ならば少し付き合うがいい」
迷宮じみた裏路地を、まるで慣れた道の様に歩き出すアルベイルに。
影が付き従うかのように背を追うナハティガル。これが羽根を伸ばす――――にも繋がれば良いが。
その立ち位置にも慣れた物というかの如く。黒の主従は祭の雑踏へと消えて行く。
●『白銀の薔薇』と冒険者達
「うっわあ――――!」
「ほう……これは大したものだな」
繊細、と言う他ない緻密な薔薇が描かれた陶器群は、リスティールの名物の一つである。
年柄年中発注が止むことがない白薔薇の意匠の茶器はその代表格であると言え。
街の各所、文字通り門前通りから裏路地、はたまた職人街や市長邸近郊に至るまで。
祭の何処か、であれば必ず目に入る程多種多様な"白薔薇"が店に並ぶ。
エルゼリオにせよ、ローザリカにせよ。貴族として"物の良し悪し"はある程度見てきたつもりながら。
それでも思わず声が漏れるほど、その芸術的価値は単純に物品の値として見分けられる物ではない。
「店主、この茶瓶を頂こう。そちらの茶杯は別売りのようだが柄合わせだな?」
「ははは、お嬢さんまだ若いのにお目が高いね。うちの専属画家の新作さ」
「良い仕事をしている。纏めて包んでくれるか」
いかにもこの祭を好みそうな貴族の腐れ縁の姿が無い。
それを逐一確認しなければ安心して土産を買いにも出られないというその事実。
何でそんな所に労力を割かねばならんのか――――と言う理不尽混じりの不平不満は。
ローザリカの行動の方向性を"精々素晴らしい土産を自慢してやろう"という。
傍から見れば若干ならず割と不毛な方向へ全力を傾けるに至る。
そして見立てた薔薇の茶器は彼女の目線において、ディオールの名に恥じぬ一品だと太鼓判が押せた。
次の茶会で持ち出したならさぞ心地良い悪態が聞けるだろうと、受け取った包みを大切に仕舞う。
他方、同様に茶器の類を買って帰ろうと心に決めていたエルゼリオでは有るが。
(やばい、素敵な柄物が多過ぎて逆にこれって決められない……!)
買い物慣れしているローザリカと異なり、エルゼリオは割と趣味の人である。
良いと思った物にはそれほど値を問わない物の。逆にどれも共通代価となると途端に悩みが募る。
薔薇の砂糖漬けにしても保存が効く持ち帰り用のものがあり。
山羊乳に砂糖を混ぜ凍らせて、細かく刻んだものに薔薇を添えたものがあり。
ああいった物もこう……心惹かれる向きがまるで無いでもないのだから尚更――――
「駄目駄目駄目、砂糖漬けと茶器は必ず買って帰るって決めたんだから……!」
これだけ誘惑が多ければ、別に何も手を出さなくとも自然と薔薇の花など無くなる一方だろう。
と、思った視界に何処かで見たような――――顔見知りの黒い騎士に良く似た――――顔が過ぎる。
思わず超聴覚に意識を向け尾行を試みるも。当の伯爵家令息アルガスはとかく薔薇を消費したい様子。
とは言え、これほど面白そうな事態もそうはなく。
日頃屋敷や学園では口にできないであろう「魅惑のジャンクフード」とか勧めてみたらどうなるか。
興味本位で近付いていったことを、果たして誰が責められるだろう。
――――一方で、護衛対象である『白銀の薔薇』ことオルファレナは。
「これが冬とか信じられねえなあ。極北に征竜を探しに行った時は本当に肌が凍るくれえで……」
「うわあああん、ずるいずるいずるうううい! 何でハヤトだけそんな冒険羨ましい!!」
「こんだけ胸熱の冒険譚を聞いたらオーロラも冒険に行きたくてウズウズすんだろ?」
「あはは、学園ではオーロラも随分大変だったものね」
「するに決まってるでしょ! そうよロゼットもっと言ってやって!
私だって慣れない学園で大変だったんだから! それなのにハヤトはー……う、幽界樹? 何何、詳しく」
冒険仲間のハヤトと仲良しのロゼットに囲まれて、聞かされる冒険譚に一喜一憂する有り様。
その空気感たるや、最早侯爵家令嬢の姿など見る影もない。
しかしその一方、貴族たる者が白銀で縫われた盛装に輝く薔薇の意匠を見間違える訳もなく。
薔薇を携え挑まんとする猛者達が一定距離を超えると、ハヤトが殺気を込めた目で牽制している事など。
当のオルファレナは気付く余地すら無いわけではあるが、貴族令息達もそこで心折れる者ばかりではない
一歩踏み込んで来たのは見た目如何にも整った美形貴族。当人も容貌に相当自信が有るのだろう。
「おお、麗しき『白銀の薔薇』よ、私は王国東方に謳われし――――」
「あ、"ごきげんよう御祖母様"」
「へぁっ!?」
ロゼット直伝"恐怖の御祖母様式撃退法"を駆使して乗り切るオルファレナ。
その隙を縫って笑顔のハヤトが威圧感全開で美形貴族に迫る。
「おぅ、白銀のご令嬢に告るたぁ良い度胸だ……
だが、お嬢様に何かあったら打首上等で抱き抱えてでも助ける覚悟があんだろぉなぁ?……お゛ぉ゛?」
打首一歩手前まで行った男の恫喝は一味違う。そもそもが相手は戦場も知らぬ貴族令息である。
半獣人混じりの亜人等という蛮族そのものに凄まれれば。
流石に恐い。普通に身の危険を感じる。震え上がった彼とその護衛の様相は一周回って悲愴なほど。
「はい、そこまでそこまで」
「……こんな仕事もあるのか。冒険者も大変だな」
光の檻に閉じ込められた護衛を一瞥し、ジャンクフードをしこたま抱えたエルゼリオと。
何故か付き合わされた――――変に付き合いの良い――――アルガスが呆れたように声を溢す。
彼の携えた手提げには輪投げだのナイフ投げだので取得した小物諸々入っていたが。
どうも薔薇を消費し切ることには無事成功したようだった。
しかし、何だかんだ流されるままでも上手く行く人間が居ればそうでない者もやはり居る。
(げ、ゲルダ・クライン……!)
人はどんな雑多な環境でも、苦手とするものは本能的に一際早く目に止まるのだと言う。
思わず雑踏の中で視線を泳がせる夜鷹の雛、普段なら必ず付き従う家臣の姿はない。
どうしても劣等感を刺激される竜の仔とも。どうも気が合わない黒槍の御曹司とも。
意図的に行動範囲が重ならないよう単独行動していた事がまさかこんな所で災うとは――――
「リサちゃんリサちゃん、この薔薇の砂糖漬けって美味しいですね!」
「そうですね。お揃いの茶杯も買えましたし、次は何処へ行きましょうか?」
「あ、髪飾り!そうでした。門前通りの――――あれ」
行きに気になっていた色違いの髪飾りを売っていた露天に、と巡ったゲルダの指先の延長線上。
黒に装った少年がはっきりと後退りした。
●自由時間<後>
「私達がオーロラさんを守りますから、安心してお祭り楽しんでください!」
「だーめ、駄目ですそんなの。ほら行きましょエフィ。お祭りは皆で楽しむものだわ」
『白銀の薔薇』は傍若無人が盛装を纏った貴族令嬢である。
決意と拳を固めて宣言したエフィルミアの想いを余所に、手を取って意気揚々と歩きだすと。
同行班に立場を変えたツァガーンナルと待ち合わせ、お祭り見学続行である。
「そういえば、ボクの両親も冒険者だったんですよ。
王国出身の母様は、冒険者になって帝国まで父様を追いかけたんだとか」
「わ、恋物語ね? 国境を超えた恋愛とかとても素敵だと思うけれど……
あ! それじゃあナルはそういうのは無いの?」
「ぼ、ボクですか!? うー……その、ボクは初恋もまだなので……」
「だったら私と一緒ね? うんうん、良かった。少しだけ安心……
――――あれー? 何でエフィは何も言ってないのに目を逸らしてるのかしら」
「わあ、あそこの薔薇の砂糖漬け美味しそうですよ! 食べましょー!」
「あっ誤魔化した! 絶対今何か誤魔化したわ! 行きましょうナル、裏切り者が居るわ!」
エフィルミアを追い掛けるオルファレナは知る由も無いが。
実のところ、主だった貴族令息はこの時点までに冒険者たちの防衛網に阻まれ脱落を余儀無くされ。
「お相手はかの有名な"白銀の薔薇"なのでしょう?
無策で行っても彼女は振り向いてくれませんよ」
「くっ、庶民に貴族の何が分かると――――うわ!」
「おっと失礼。僕の脚が長いばかりに引っかけてしまったようだ。しかし対価として払う薔薇。
それを差し出す本質が分かっていれば例え庶民でも、行っても無駄だと分かると思うけれどね」
「な、何だお前達……ああ、薔薇が!」
数少ない挑戦者達は、祭も後半戦だと言うのに"見えるように薔薇を携えている"為、変に目立つ。
ユズの言を強引に突破しようともローザリカに足を引っ掛けられ、最後の薔薇は明後日へ。
「ええっ、これ私への薔薇ですか? 嬉しい! ありがとうございます!」
「えっ、ちが……」
さらっと掠め取ったエフィルミアがきらきらした笑顔を向けると。
そういった事にはあまり耐性がないらしき貴族令息はしどろもどろである。
そうして一つの野望が潰える中、或いはまた異なる祭の片隅でも――――
「……はあ、あっち行けよ。僕は僕でやることが有るんだから」
「来年からは学園に入学されるんですよね? 何か少しでも手助け出来れば――――」
「いらない……頼んでない! なんなんだよ本当、漸く自分だけの力を試せると思ってたのに!
何で余計なお節介を焼くんだ? 分からない! 僕には全くちっともお前のことが分からない!!」
ゲルダの申し出は、ジーベックからすれば理解不能の極地にある。
何がそれほど苛つくのかも分からないが。邪険にされても笑い掛けられるゲルダもゲルダである。
少女はその価値観が定まりきっているが故に。少年はその価値観がまるで定まらないが故に。
両者の物の見方は見事なほどにすれ違う。
「身分や種族の壁はありますけど。どこかに味方がいるというだけで、きっと心強いと思いますので」
「何だ心強いって。僕は独りだ。庶民の癖に、味方なんていらないし、居ないんだよ」
睨むように見遣るジーベックの視線が、何も言わずにゲルダの後ろに佇むリサへと向くと。
バツが悪そうに視線を逸らす様には中々どうして。この先大変そうだと苦笑いに似た感情が過ぎるが。
「……ほら、お前ら色違いの髪飾りが欲しいんだろ、さっさと行けよ」
それだけ告げてすれ違うジーベックには、少なくとも悪意はない。
そこが分かれば、今のところは納得するしかないのだろうと。リサとゲルダは門前通りへ進路を向ける。
結果として。ここで大きく時間を浪費した彼もまた、『白銀の薔薇』と相対する事は遂ぞ無く。
つまりは結果的にオルファレナの元へ辿り着いたのは、冒険者達が"辿り着く事"を許容した――――
「……ラー。お前は一体あの女に何をどう伝えたんだ?」
『黒の後継』その人のみと相成ったわけで。
「? 黒竜公へ最低限の義理を果たす必要がある為、逃げずに居て欲しいと」
「これに告白の意図はないと伝えたか?」
「――――義理を果たす、では伝わらないものか」
大きく嘆息するアルベイルに。固まってがちがちになったオルファレナが相対する。
「相手を見て言葉を選べ。お前は何と言うか、一言足りない」
祭は大層楽しかったようだが、流石に生来の恋愛弱者は微塵も克服出来る物ではなく。
「我が父、黒竜公より。麗しき『白銀の薔薇』に祭の祝を告げに参りました。
幾千の花咲くこの夜に、貴女の慈悲を賜われるのであれば此方の薔薇をお受け取り下さい」
膝を折って薔薇を差し出すその様は。儀礼に則った仕草でしかないが。
オルファレナはふるふると頭を振るしか出来る事がなく。
(多分、こういう場合断るための規定の口上とかあるんでしょうねー……)
(公衆の面前で……王国の風習って過酷ですね……!)
それを眺めるエフィルミアにもツァガーンナルにも、此処で出せる言葉はなく。
けれど、救いの手は意外な所から差し出される。
「……それ、持て余しているならわたしに頂けませんか?」
門前通りから戻ってきたゲルダとリサ。その後者から上げられた声に。
オルファレナが大きく瞬き、ナハティガルもまた予期せぬ事態に竜と白銀双方を見遣る。
けれど、反応はアルベイルの方が早かった。くつくつと喉を鳴らすように嗤えばこそ。
手に携えた一輪を、リサへ向かって向け直す。
「――――場合が場合であれば、領法ですら死罪を下せると分かっているか? リサ・ベイカー」
「わたしは他国の庶民、祭の逸話なんて知らなかった。それで良いのではないでしょうか」
「詭弁だな。だが……それが同盟流か。悪くはない」
差し出された薔薇は赤く。面白がるように受け取ったリサがオルファレナに目配せすると。
当のオルファレナは膝が抜けたと座り込む。やはり箱入りお嬢様に恋愛沙汰は未だ早いようで――――
そうこうする間にさらっと踵を返す『黒の後継』は、役割は果たしたとばかりに場を辞すも。
後背を追ったナハティガルは、常に無く上機嫌な竜の仔の姿を目の当たりにしたという。
●後夜祭
とは言えどれほど盛大な祭であろうと、必ず終わりはやって来る。
(茶瓶に皿込みで茶器が2組。
卓掛織物に砂糖漬けと茶葉が2人前……まあ、こんな所か)
各地で貴族令息を思う存分焚き付けていたゼラルムは。何だかんだ冒険者達に在って。
これ以上無く祭を満喫していた1人であると言えた。持ち込んだ花束は既に手元に無く。
その分誰より多くの土産物を携えている。その割に自分には一切使っていない辺りは性格か。
「お、なんだそれ。最後の薔薇はどうしたんだ?」
「手造り《ハンドメイド》の催し《サービス》があったので、押し花の書皮にして貰いました。
どうです、生徒会長らしく知的でしょう?」
「もがもがが、もがが」
「ハヤト君に聞いた私が間違ってました……ゲルダさんは凄い良い反応だったのに」
花より串焼きなハヤトを座った目で一瞥し、エフィルミアが大いに嘆く。
尚、話題に上がったゲルダは羨ましくなったのか。最後の薔薇一輪を手に既に姿が無く。
一方祭の最後の挨拶にと市長邸へ向かったオルファレナ、ロゼット、シルヴィアは。
貴賓席に座る初老の女傑。フォルトゥナとの面会を果たしていた。
「御祖母様、こちらシグモルの神官ロゼット様と、カペル侯爵家御令嬢シルヴィア様。
公私に渡って大変良くして頂いています。此度も出来ればご挨拶をと」
「オルファ、猫を被らなくて結構です。御二人とも、一日大変だったでしょう。
孫の面倒を見て下さってありがとう。それで、私に何かお話があるのかしら」
如何にも人の好い穏やかな老婦人。そう思わせる微笑みに思わずロゼットが言葉を選ぶが。
其処にオルファレナが立ちはだかる。
「じゃあ御祖母様、猫を脱いで言いますけれど。
私の友達を威嚇するのは止めて下さい。そういう貴族のやり方ってどうかと思うの」
女流貴族にとって微笑は牽制。そんなやり取り一つ取っても食えない人だと。
認識を再確認したロゼットが、意を決して一歩踏み出る。
「祝祭に場違いな話をご容赦ください。あの学園での宣言について。
あらかじめ冒険者を学園に受け入れ、当事者として巻き込んだのは理解はできます。ただ」
“あのような過激な手段しか無かったのか”―――と、続けようとしたロゼットに。
フォルトゥナは変わらぬ微笑を称えたまま窓の外へ掌を向ける。
「今代の王。ジョージは決して覇道を望むような野心家ではありません。
けれど、帝国が崩れたことで。あの子は選ばなくてはならなくなってしまった」
「選ぶ……とは?」
「未来を。座して待てば、この国は遠からず袋小路に至ります」
緩やかな衰退。それは予測されていた結末。けれど、もう一つの可能性が示された。
「王が王たらんとするならば。内憂を削ぎ落とすのは今でなければなりませんでした。
帝国が再興してからでは遅いのです。王国の未来を、血で贖ってでも斬り拓くのであれば」
今、恐ろしい話を聞いている――――と。政治に疎いロゼットすら理解出来た。
彼女が王国の対立軸に属していたなら。もっと上手く誤魔化してくれたろう。
それはあまりに気宇壮大で、拙速に過ぎるとすら思える国家の方針転換。その一端だ。
つまり王国は。内憂を排した上で中原に対し――――
「……私が無事でいる保証は有りません。どうか、この子と仲良くしてあげて下さいね」
そう締め括ったフォルトゥナに。オルファレナが小さく嘆息を溢す。
その背はいつも以上に小さく見え。彼女が負う物の重さが漸く実感として伝わってくる。
オルファレナはずっと。そんな、国家の趨勢と隣り合わせの死地で生きて来たのだと。
「ではフォルトゥナ様。話が変わり申し訳ありませんが、兄姉制度についてご意見を伺いたい」
「あら、それは学園の運営に関わるお話かしら?」
「制度の概要は追ってお送りしますが、私は学園内から孤独を取り除きたい。
家の事情に縛られない、経済的にも精神的にも負担にならない関係作りがしたいのです」
先の話に思う所は多々有れど。話を転換させるには良い機会だと。
続くシルヴィアの申し出は生徒会の活動に関する事。公約の実現への提案であり。
「それには、先ず賛同者を集う事ですね。生徒会権限下で実験的に実施する。
つまり生徒会主導の催し事として提案してみるのも良いでしょう」
多くがその仕組みを求めれば、自然と学園側も採用し易くなる。けれど逆もまた然り。
『学園長』は承認者ではあれど、あくまで改革を実行するのは生徒1人1人であると。
その言質を取れただけでもとりあえずは一歩である。と、シルヴィアが頷き退くと。
2人を連れ立って部屋から離れつつある頃、暫く黙っていたオルファレナが呟いた。
「2人とも、気を付けてね。御祖母様は多分、皆を巻き込みたがってる。
逃げ場が無いように。離れられないように。味方にしようとしてる……それは、きっと」
冒険者が一番大切にしている自由を、損なうことだから――――と。
「あああ、時間はあった筈なのに茶杯を揃えるのが精一杯だった……」
「し、仕方ないですよ、目移りしちゃいますもんね?」
「そういうハルハンさんは何と交換したの、それ。本?」
「“白銀姫と茨の王”って言う童話です。何でもこのお祭りの由来が描かれているんだとか」
「皆なんか面白そうな物と交換してて良いなあ!」
市長邸宅階下のエルゼリオとツァガーンナルのやり取りに。思わずくすりと笑いを溢すと。
それを待ち構えていた様に、ユズが一足飛びに階段を上がって近付いていく。
「オルファレナさんも、一枚如何ですか?」
「え、なに。これもしかして札占い?」
「占星術です。"転ばぬ先の杖"として、お気軽にどうぞ」
白い指先が一枚を摘まむ。祭が終わる。夜が終わる。聖霊節が過ぎて行く。
ただ平穏に、ただしめやかに。あとどれだけ、こんな夜を迎えられるのだろう。
祭の何処かから笛と竪琴、携琴の陽気な旋律が、逆さに描かれた星の札へ届く。
踊る者よ歌う者よ、未来を彩る子供達よ。その掌一輪に願って。
響け高らかに。届け高らかに。
聖なる夜に星舞い踊る貴き白銀花の祝祭に。
永遠に貴き白銀花の祝祭に
マスターコメント
ロングシナリオ易しい 報酬:少ない12 / 12〜12人
2021年12月22日 02時18分31秒 公開
参加者
相談掲示板
エルホワイトと申します。どうぞよろしくお願いいたしますね さて。まずは依頼内容の確認から “オルファレナが逃げ切りに成功しつつお祭りを楽しむ。”とあります通り、”上手く逃げ切る”事と”オルファレナさんにこのお祭りを楽しんでいただく” 事が必須条件となります 一先ず私の方から提示できる案と致しましては、参加者を3人×4つ或いは4人×3つの班に分け交代をしながら周辺警護を行う、という案になります 流石に12人全員(+1名)で固まって動くというのは幾ら何でも物々しいにも程がありますし、皆様にもご予定や共に過ごしたい方々がいらっしゃるかと思われます ですので仕事の時間は仕事と割り切っていただき、フリーの時間はご自由に過ごしていただくとした方がよろしいかと思われます あとはそうですね。万が一の際の対処法はある程度共有しておきたいかと 一先ずここまで。それではよろしくお願いいたします
リサ・ベイカーです。よろしくお願いしますね。 確かに、ゼラルムさんの仰るとおり、オルファさんの警護、というか一緒にまわってトラブルから守るひとは必要ですね。 ただ、メンバー見た感じ、友人としてずっと同行する人もいそうなので、 場合によっては、全員が全員オルファさんの警護を必須にしなくても良いかもしれませんね。 まあ、オルファさんの立場的には、明らかな警護があっても違和感はないので、警護不要と言うわけではないですけど。 学園での色々事件があったりで、最近まだまだ物騒ですしね。
えと、占い師、ユズ。……よろしく。 リサさんの言う通り、オルファレナさんと常に一緒、したい人、いそう。 そうしたい人、どれくらいいるか、で、警護に割く人数、調整したら良い、かも。 班分け自体は、エルホワイトさんの案、同意する。 とりあえず、需要ありそう、だから、空いた時間はボク、占いのお店開く、予定。 令嬢目当ての男子生徒、引き寄せられる、かも。
シルヴィアだ。今回はよろしく頼むよ。 百花の都に来られるとは嬉しいね。当日は楽しもう。 ゼラルムの班分けに賛成だ。 オルファレナが逃げ切りに成功しお祭りを楽しむこと。そこは必ず達成したい。ただ皆も言ってくれているように、オルファレナとずっと一緒にいたい人もいるだろうから、全員が全員オルファレナの警護を必須にしなくても良いかもしれない。その辺りは相談したいな。 OPを見る限り、男子学生三人衆(入学予定含む)はオルファレナに祝いの言葉を贈りに行くのかもしれないね。何とか、その辺りも上手くオルファレナが楽しめる様にフォロー出来れば……と。警護も必要だと思う。 私はオルファレナの警護に参加する予定だ。後輩は守らないとね。 あとは空いた時間、個人的にお礼を言いたい人と、可能であれば相談をしたい人がいる。字数が足りるか分からないけど会いに行く予定だ……男子学生の日常も眺めたいけどね←
ロゼットよ。よろしくね。 私はオルファレナとの同行を目的に参加したから、長く一緒には 居たいけど、依頼達成のためなら班分けも構わないわよ。 逆に「私はできれば自由行動を多めに…」という人がいるなら、 オルファレナ同行を多めに引き受けるのも、もちろん問題なしよ。 ただ班分けは、前半組と後半組くらいで良くないかしら? 細かい班分けは聞き取り(12人分)も大変だし、最悪、 何人か抜けがあっても、それなりの人数は分けられるでしょ。 強い要望じゃないけど、その方が楽じゃない?って感じで。 >白銀花の祝祭のルール これ要するに、オルファレナに最後の一輪を渡したい人?を 丁寧にブロックするか、接触回避する風に援護すれば良いのよね?
まあ、オルファさんが楽しむ事を考えたら、友人枠で一人か二人と、護衛若しくは“近づかせない“役回り。の組み合わせですかね? 接待役と火消役とでも言う感じでしょうか。 わたしとしては、分けるなら4人×3か、ロゼットさん言う2つに、かな? 取り敢えず、オルファさんと同行希望はどれくらい居ますかね? そのメンバーを基本に分けるのが分かりやすいかな?と。 ちなみに、わたしも、ある程度は一緒に回ろうかなと思ってます。友人として。 と言う事で、まずは同行希望を調査です。 ■オルファ同行希望 ロゼット シルヴィア リサ
ツァガーンナルです!よろしくおねがいします! 護衛で使えそうなものは、超聴覚や天眼を持っています 班分けって、交代・入れ替え必須、という訳でもない。ですよね? ボクも、一緒に回りたい人は、そのまま、お嬢様に同行でいいと思います! 楽しむにも、友人が一緒の方がきっと楽しいですよね あんまり人数が多いと、目立ちそうですけど、お祭りなのでたぶん、大丈夫でしょうか >希望 ボクは特には、同行希望はないので、護衛や近づかせない役回りでも >白銀花の祝祭のルール ボクも、薔薇を渡さず、接触させないようにすれば、問題ないと思います あとは、強引な手段としてはオルファに渡される前に、割り込んだり、代わりに受け取ってしまうのも手、でしょうか
ゲルダです。よろしくお願いします。 >班分け そう、ですね。ゼララム様の班分けもいいかもと思ったのですが、他の皆様のおっしゃる通り、オルファレナ様と同行を希望している方におまかせしてしまう形でも大丈夫かな、と思います。 オルファレナ様も、きっとお友達とご一緒のほうが楽しいですもんね。 あとは、あまりにも希望者が多い場合……目立ってしまうかもしれないので、前半/後半で分担するのがよいかなとも思いました。 >希望 わたし個人としては、オルファレナ様との交友はなくて、噂でお伺いする程度……ですね。 ですので、同行よりは護衛。周囲の状況を確認して、オルファレナ様を探していそうな方をオルファレナ様に近づかないように同行組に注意を促す、ような行動になるかなと。 ……後は、問題のない範囲でお祭りを楽しみたいな、とも。
>班分け そうですね。私から提示させていただいた案はオルファレナさんと同行される事を希望される方がいらっしゃらなかった場合になるべく公平に自由時間を過ごしていただく事を目的としている為、オルファレナさんと同行を希望される方がいらっしゃるのでしたらその方にある程度お任せしてもよろしいかと その上で加えるとすれば遠巻きに火消しをする人員が数名程度、でしょうか? まぁ此度の依頼の難度からして平時の依頼程詰める必要は無いとは思いますし、程々で良いと思われますが 元よりほぼオフのような物と明言されていますし >希望 一先ず私は必要であれば火消しの方へと回れますね 自由時間を最低限いただければ、ですが
おーっす!ブレイブファング傭兵団のハヤト=ヴォルファングだ、よろしくな!! 俺もオーロr…オルファレナとは顔馴染みなんで一緒について回ろうと思ってんぜ。 あわよくばって連中も女子だけの集団より強面の野郎がいた方が近寄りづらくなんだろーしよ。 花を渡そうとしてくる輩にゃちょっとした試練を乗り越えれるか試して貰おーかと思ってんぜ! ■オルファ同行希望 ロゼット シルヴィア リサ ハヤト
えっと、ハヤトさんはずっとオルファさんと同行ですかね? 何となく、誰かしらはオルファさんと一緒にいれそうですし、 ざっくりと、オルファさん同行も 前半、後半に分けますか。 もちろん、両方も可能と言う事で。 遠巻き警護も、前半後半に分ける感じが良いですかね? わたしは、途中までで、その後は他の行動取ろうかな?と。なので、前半ですかね。 〉ゲルダちゃん で、ゲルダちゃん、前半は警護と言う事で、 後半、一緒にお祭り見て回りませんか? ■オルファ同行希望 ロゼット シルヴィア ハヤト 〉前半 リサ 〉後半 ■周囲警護(遠巻きに) ハルハン 〉前半 ゲルダ 〉後半
じゃあ、ボク、周囲警護、回る。 占い、前半した方が、ホットな気がする、から、警備は後半、で。 ■オルファ同行希望 ロゼット シルヴィア ハヤト 〉前半 リサ 〉後半 ■周囲警護(遠巻きに) ハルハン 〉前半 ゲルダ 〉後半 ユズ
分担を前半と後半に分ける事、了解だ。 私はオルファレナとは学園の廊下で会ったきりだから、同行より護衛の方が良いなと思う。前半に周囲警護をして、後半アルベイルとフォルトゥナ様に会いに行く予定だよ。 ■オルファ同行希望 ロゼット ハヤト 〉前半 リサ 〉後半 ■周囲警護(遠巻きに) ハルハン 〉前半 ゲルダ シルヴィア 〉後半 ユズ
シーフのエフィルミアです!よろしくお願いしますっ。 分担を前半後半で分ける件、了解しました! それでは私は後半を希望しておきますねっ。 最後の一輪なら後半の方がオーロラ(オルファレナ)さん狙いに来る人は多そうなので! 誘惑とおしゃれさんで男子を惑わせて、薔薇を掠め取っちゃおうと思います! ■オルファ同行希望 ロゼット ハヤト 〉前半 リサ 〉後半 エフィルミア ■周囲警護(遠巻きに) ハルハン 〉前半 ゲルダ シルヴィア 〉後半 ユズ
すまん、顔出しが遅くなった。 シーフのナハティガル=ラーだ。今回は宜しく頼む。 分担の件は了解した。 俺は……そうだな。オルファレナと同行した場合、逆にアルベイルに警戒される可能性がある為―― いっその事、護衛としてアルベイルに張り付き、オルファレナへの接近をそれとなく阻めないか試みてみようかと。 一応テレパスをセットして行く予定なので、オルファレナと同行する者にテレパス所持者が居れば此方側の動向を送信するつもりだ。 アルベイルが本気でオルファレナに薔薇を渡したいと考えているのなら話しは別だが…… 本人としても最低限の義理さえ果たせればそれで良いらしいからな。 ただ、その義理を果たす意味で挨拶位はさせてやりたい、とは思っている所。 薔薇も最後の一輪でないのなら、渡す事に問題は無い筈。 ■オルファ同行希望 ロゼット ハヤト 〉前半 リサ 〉後半 エフィルミア ■周囲警護(遠巻きに) ハルハン 〉前半 ゲルダ シルヴィア 〉後半 ユズ ■その他 ナハティガル
ヒーラーのエルゼリオ・レイノーラです。ヨロシクね! んーっと。ボクは前半を自由時間に充てさせてもらって、激戦が予想される後半に周囲警護をしようかと思ってるよ~。 ■オルファ同行希望 ロゼット ハヤト 〉前半 リサ 〉後半 エフィルミア ■周囲警護(遠巻きに) ハルハン 〉前半 ゲルダ シルヴィア 〉後半 ユズ エルゼリオ ■その他 ナハティガル
フォルトゥナ様は私でも面会可能なのかしら。 なら私もちょっと小用があるから、分かれようかな? どちらでも構わないけど、前半に名前を入れておくわ。 様子を見ながら変更とかも考えるから。 ■オルファ同行希望 ハヤト 〉前半 リサ ロゼット 〉後半 エフィルミア ■周囲警護(遠巻きに) ハルハン 〉前半 ゲルダ シルヴィア 〉後半 ユズ エルゼリオ ■その他 ナハティガル >テレパス ナハティガル、なら私はテレパスをセットしておくわ。
ヒーラーのローザリカ。よろしく頼むよ。 僕も護衛対象と接点はないから遠巻きな護衛に徹しようかと思っている。 別段希望があるわけでもなし、終盤の戦力でも補強しておこうかな。 ■オルファ同行希望 ハヤト 〉前半 リサ ロゼット 〉後半 エフィルミア ■周囲警護(遠巻きに) ハルハン 〉前半 ゲルダ シルヴィア 〉後半 ユズ エルゼリオ ローザリカ ■その他 ナハティガル
俺は特に一人で回りてーとこもねーしな。 終始オーロラについて遊び方ってのを教えてやるつもりでいんぜ。 祭りの神(何)の本領発揮ってやつだな!!
>ロゼット フォルトゥナ様には面会可能だと思うよ。身内のオルファレナから依頼を受けた冒険者だ、挨拶に行くのはおかしなことではないし……ロゼットと私は前半組だから、もしかしたらタイミングが重なるかもしれないね。ロゼットの用事が聞かれても構わない話なら一緒に行くのも歓迎だけど、どうかな?(難しい場合は遠慮なく断ってね)。 >薔薇 「祭の代価は薔薇一輪。花の数だけ飲んだり食べたりお土産を買ったり」で、「最後に残った一輪を、異性に渡すと結ばれる」だから、誰かに渡す薔薇は告白の時の最後の薔薇だけかも。オルファレナも男子学生組も、全部の薔薇をお祭りを楽しむために使ってしまって良さそうだね。 アルベイル達も義理は果たした方が良いだろうし、挨拶して貰うのは賛成だよ。
>シルヴィア ありがとう。聞かれる分には全然構わないわ。 ただ祝祭に関係のない個人的な、学乱絡みの相談だから シルヴィアの雰囲気を悪くしてしまわないかだけ心配が。 同行の方が描写をまとめられて字数には優しそうだけど。 こちらからは指定しないから、判断はお任せして良いかな。
>ロゼット 私も祝祭には関係のない相談……言ってしまうと兄姉制度についてのご意見を伺いたいと思っている。学乱絡みの相談も気にならないよ。気に掛けてくれてありがとう。 プレには「ロゼットとの同行OK」と書かせて貰うね。同行になったらよろしく頼むよ。
間が空いてしまいました、ごめんなさい……! >リサちゃん はい。リサちゃんさえよければ、ぜひ一緒にまわりましょう! 護衛は午前担当で、午後というのも大丈夫です。 えへへ、……よろしくお願いしますね。 >テレパス わたしも離れた場所から護衛になるので、テレパスは持っていこうかなと。 私の方でも何かありましたら、ロゼット様に宛にご連絡いたしますね。
>テレパス では、アルベイル(と共に行動しているのなら、他の令息二名含む)の動向は定期的にロゼットとゲルダ宛に送信する事にしよう。
>テレパス オルファレナとの同行者が持つという話かと思っていた。申し訳ない(汗 確かに周辺警護組も持っていた方が良さそうだし、私もテレパスを持っていこう。「何かあればテレパス所持者に連絡する」と書かせてもらうね。 今日出発か。現地ではよろしくね。
は、遅くてすみません、 わたしも、テレパス持って行きますので、 アルベイル様の動きとか知りたい時に、ナハティガルさんに連絡させて頂きますね。 ちなみに、アルベイル様とオルファさん、早めに会わせたほうが良いかな?と思ってます。 問題無ければ、早めに会わせるように誘導したいなと。
あー、んじゃ俺もずっとオーロラと一緒にいるつもりだからテレパス持ってっとくな!
>テレパス 了解した。俺の方からは『テレパス所持者に動向を連絡』と記載しておく事にする。 >リサ アルベイルがどう動くかにもよるが、俺の方でも出来るだけ速い段階でアルベイルとオルファレナを会わせる方向で考えている。 此方側がオルファレナ方面に向かう際は連絡を入れるので、2人が会いやすいよう誘導して貰えると有り難く思う。宜しく頼む。
ボクもテレパスは用意しておきますね 近づきそうな人が居たら状況を伝える予定です! 大丈夫そうな様子なら、お祭り。見て回りたいですね 色々食べ歩き楽しそうです!
では私は前半の周辺警護でしょうか 私の方でもテレパスは活性化させていただきますので活用していただければと
テレパス所持ありがとうございます! 私は汎用スキル枠がいっぱいで、持って行けそうにないのですが テレパス持ちの人から情報を貰って行動するようにしますねっ。