ライリュウ追撃戦
おおくまねこ
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シナリオID:3312
オープニング
「急な来訪にも関わらず、快く出迎えていただき、このコウガ、心より感謝いたします、シグルラン殿」
年老いたサムライが深々と頭を下げると、ドワーフ王国の王――と言っても、リーンエス王国とは異なり、世襲制ではなく、鍛冶の腕で選ばれた国の代表者である――は、ひょいと手を上げ、ニカッと笑った。
「まあまあ、そう固くなるなよ、ジイちゃん。あんたのトコの殿様とはダチだったしさ。楽にしてよ、楽に。正座ってしんどいでしょ?」
「ははっ。ではお言葉に甘えて」
シグルランに促され、老兵は正座からあぐらに姿勢を変えた。シグルランは老兵の正面に座り、話を聞くモードになる。と言っても、お土産にもらったシャルガネの地酒の瓶はしっかり手元にキープしていたが。
「で、本題だけどさ。受付のオッサンからだいたい話は聞いてるよ。ドワーフ王国の対邪竜兵器を貸してほしいんだって?」
「はい。殿の仇を討つ為、ぜひともお願いしたいのです。恥ずかしながら、サムライでは空を自在に舞うあの竜を捕らえることは難しく。魔獣『ライリュウ』を首を落とすには、貴国の力添えが必要なのです」
コウガが仕えていたシャルガネのとある地方を治める領主、ヒガン・ハガネマルは数か月前、城下町を襲った巨人型クリーパーと。雷を操るドラゴンとの戦いで討ち死にした。それは最期の瞬間まで領民の身を案じて戦うという、誇り高きサムライの名に恥じぬ、見事な散り様であった。だが、モンスター達はというと、父の遺志を継いだ息子コガネマルが雇った冒険者により、巨人の方は討たれたが、ドラゴンの方は空へと飛び去り、まんまと逃げおおせてしまった。
(殿……なぜこの年老いた儂を置いて先に逝ってしまわれた……)
巨人とライリュウとの戦いでは、領主だけではなく、多くのサムライが死んだ。だが、コウガはたまたま湯治で領を離れていたため難を逃れた。しかし、先代最大の忠臣であったコウガは戦うべき時に戦えなかったことを深く恥じており、なんとしてもライリュウを討ち取ろうと心に決めていた。老いた身で『天然の要塞』とも言われるドワーフ王国の険しい山道を通り、自らシグルランの元まで協力を乞いに来たのも、その覚悟の現れである。
「うん、まあいいでしょ。貸してあげるよ、対邪竜用の兵器」
「まことですか! ありがたき幸せ!」
「ほんとはおいそれと国外に出していいもんじゃないけど、アンタのとこなら、悪いようにはしないでしょ。それに、ハガネマルはアタシの飲み友なんだ。仇を討ちに行くなら、アタシも行く」
「おお、かたじけない……今、なんと?」
先代との友誼を理由に協力してくれるというシグルランの言葉にコウガは感涙したが、今、聞き捨てならない言葉が聞こえた。『アタシも行く?』
「うん、アタシもライリュウ狩り、付き合うよ。新しく打った刀も試したいし……何より金色のドラゴンなんて、珍しい魔獣だしさ」
シグルランは何かの骨で出来た大太刀をジャキン、と親指で抜き、不敵な笑みを浮かべた。
●
「というわけで、冒険者の方々にもぜひお力添えをお頼み申す。サムライだけできゃつを討ち取りたいのはやまやまだが、あのライリュウ相手では授恵者でなくては戦力にならぬゆえ」
数日後。幼き新領主、コガネマル・ヒガンはシャルガネの冒険者ギルドにライリュウ討伐作戦の依頼を貼りに行っていた。ビッグオウム便でコウガからシグルランの協力を取り付けたという話はすでに聞いているが、歩いてシャルガネ戻るのは時間が惜しいので、コウガはシグルランと共にビッグオウムで直接現地に向かうらしい。
(一国の王自ら出陣して下さるとは驚きだが……コウガの交渉術、おそるべしだな……)
シグルランのノリの軽さを知らない新領主は、コウガの外交手腕を過大評価していたりもするが、それは余談である。
「我が領を襲ったライリュウは高山の頂上を根城にしております。翼もないのに空を飛ぶかの竜を捕らえるのは難事ですが……ドワーフ王国のシグルラン王が率いる邪竜兵器部隊が力添えをして下さいます。冒険者の皆様には、邪竜が網にかかった瞬間に一気に強襲をあけ、ライリュウが拘束から逃れる前に、奴を葬っていただきたい」
今回の討伐作戦はスピード勝負だ。まず、ドワーフ王国の対邪竜兵器がライリュウを邪竜用の網と頑丈なワイヤーで拘束し、地上へと繋ぎ止める。それからドワーフ達がライリュウが逃げないようにライリュウと綱引きをするので、ドワーフ達が力尽きるまでに冒険者達がライリュウを仕留める、というシンプルな作戦だ。
「現場にはシグルラン王と、うちのサムライであるコウガもいる。シグルラン王やドワーフ達はもちろんだが、コウガも死なせないでいただけると幸いだ。あの者は死に場所を探しているような言動が目立つゆえ。危険な作戦ゆえ、無茶な願いであることは承知しておりますが……どうか、よろしく頼み申す」
解説
マスターより
リプレイ
「やっほー! 今日は頑張ろうぜ!」
「「がはは! よろしくな! 一緒にドラゴンをぶちのめそうぜ!」」
戦場に現れたシグルランは気さくに挨拶し、御付きの屈強なドワーフ達は冒険者の前で声を張り上げた。
「シグちゃん、久しぶり。最近は何かと竜絡みの事柄が多いですね。シャルガネのは些か形が異なるようですが」
ヴィルヘルミナは前に進み出ると、シグルランと握手を交わした。
「平穏な生活は確保したいよね、わかるよ……」
ディレイン・オールドケイジはうんうんと頷いた。
(ただ、新しい武器を試したい、で最前線に出てくる国主かあ……下の人たち大変そうだ。でもその分、士気は上がる……のかな?)
「お初にお目にかかる。トラノ・コウガと申します。かのライリュウを討ち取らねば、民に真の安息はありませぬ。儂は刺し違えてでもあの龍の首を取る所存です。どうか、この老骨にお力添えをお願いいたします」
依頼主に仕える老侍、コウガは深々と頭を垂れた。
(死に場所を探している……ですか。色んな人がいますね……とはいえ今回は死なせないで欲しいと言われてますし、生きるために殺さないといけない敵というわけでもないですし……ここを死に場所にさせるわけにはいきませんね)
ラティア・ミゼリアはコウガを見て表情を引き締めた。依頼人の領主はコウガのことをずいぶん気にかけていた。ここを彼の死地とするわけにはいかない。
「わたしも、お役に立てるようにがんばりますねっ! ですので、一緒にがんばりましょう!」
ゲルダ・クラインはコウガたちにニッコリと微笑みかけた。今回の依頼には前回ライリュウと戦った冒険者達もたくさん参加している。冒険者達は前回の戦いで得た情報をもとにドワーフ達と綿密な作戦を立てていた。
「理性を持って戦えば必ず勝てる相手です。コウガ様も、作戦を遵守してくださいね!」
「お任せくだされ」
ゲルダは話しかけると、コウガは頷いた。こう言っておけば、いきなりやけになって突撃したりはしないだろうとゲルダは踏んでいた。
●
討伐隊が山頂にあった龍の巣と思しき場所で待つこと約一時間……。やがて、晴れていた空に黒い雲が立ち込めた。冒険者達は自然と空を注視する。そして……。積乱雲を切り裂き、黄金に輝く鱗を持つ龍が姿を現した。
――ゴルァアアアアアアアア!!
巣穴を荒らされた怒りか、ライリュウは怒りの咆哮を上げた。
「あれが……ライリュウ!」
ゲルダは剣を抜き、しっかりと握り締めた。
「うおー! すげー! マジで金ピカじゃーん!」
太刀を構えながら、目をキラキラさせるシグルラン。
「出たな。ここで会ったが百年目だ!」
コウガは静かに闘志を燃やし、二刀を構えた。
「王様! やる気を出すのはいいが、まだ突っ込むなよ! ちょっと待ってろ!」
「まずは、逃げられねえようにとっ捕まえるぞ!」
ドワーフ達はライリュウを包囲し、対邪竜兵器『エドゥノーグ』を一斉に投げつけた。
「よし、繋いだぞ! みんなで引っ張れ!」
「ギャオオオオ!」
ドワーフ達は左右からロープ状にした網を引っ張り、手際よくライリュウを地上へと繋ぎ止める。ライリュウは脱出しようともがくが、4人のドワーフ達が地上に引きずり降ろそうと網を引っ張り始めた。ライリュウの力が強すぎるのか、完全に地面には引きずり降ろせず、ライリュウは二メートルほどの高度を維持したまま、拘束に抗っていた。
「みんな、命を大事に!」
ディレインが強化魔法をゲルダとイヴェール・イリュジオンにかけ、すぐさま冒険者達はライリュウを包囲した。
●
「とにかく電撃が厄介だな……てか、前より強くなってねーか? あれじゃ、近づくだけで黒焦げになっちまう。まずは様子見だな」
ハヤト=ガラン=ヴォルファングは岩陰に身を隠し、まずは「見」に回っていた。
「羽無いのに飛ぶんだ、不思議だなぁ」
ララベル・サン・ディーベルはしげしげとライリュウを眺めた後、距離を保ったまま、細剣を一閃した。
「喰らえ、烈風飛来刃!!」
ザンッ!
放たれた不可視の衝撃は網に絡まってもがいていたライリュウの長い胴に命中し、黄金の鱗を切り裂いた。
「まずはわたしがお相手します!」
ゲルダは勇ましく宣言すると、仲間から離れた位置に移動し、剣の切っ先をライリュウへと向けた。剣から飛んだ闘気の塊はライリュウの顔に当たり、ライリュウはゲルダの方をギロリ、と睨み付けた。ゲルダはライリュウから目を逸らさず、己もライリュウを睨み返す。
「そうです! 来なさい!」
「ギャオオオオ!!」
ライリュウは口を大きく開き、ゲルダへと稲妻を吐き出した。強烈な電撃はゲルダの鎧を容易く貫き、その身を焼き焦がす。
(なんて、威力……!)
「おい、金ピカ。俺とも遊んでくれや」
ただ一人フリーの状態になっていた特戦隊のドワーフは、ライリュウへとエーテルの手裏剣を投げつける。今度はライリュウの眉間に見事命中し、ライリュウは怒声を上げた。
「あの帯電は厄介ですね」
ヴィルヘルミナもライリュウが纏っている雷の鎧を警戒し、十メートルほどの距離からエーテルの刃を飛ばした。白銀の巨剣から放たれた剣圧は、黄金の鱗を易々と切り裂き、一際深い傷を刻む。
「殿の仇! その首、斬り落としてくれる!」
コウガは岩場を駆け抜けると、龍の背まで跳躍し、ライリュウへと斬りかかった。十字の剣閃がライリュウの鱗を切り裂くが、コウガもライリュウが纏った電撃に身を焼かれ、ぶすぶすと肉が焦げる嫌な臭いがした。
「おい、じーさん! 命を粗末にすんじゃねーぞ!」
「この程度、亡くなった殿を想えば、傷ついた内にも入りませぬ!」
見かけたハヤトが声をかけるが、コウガが退く気配はない。
「本当に金色ですね……何を食べて育てばあのようになるのか……」
イヴェールはゲルダを追い、ライリュウの正面へと回り込みながら、『幻想器イリュジオン』で虚空を突いた。突撃槍のような形状の魔剣から放たれた衝撃は空気を渡り、龍の腹を打った。
「リベンジマッチですね。ここで逃がせば次はどこに出てくるかわかりません。ここで確実に仕留めましょう」
(啓示でも『最近はマラ=ソンしなくなった』という情報がありました。この一回で倒せるということに違いありません)
フリーダ=ブロムヴィストはコウガの傍まで走ると、大太刀を一閃した。太刀の本来の間合いより遥か遠くまで飛んだエーテルの刃は、龍の鱗を切り裂いた。
「コウガさん、その距離だと危険です。もう少し下がって下さい!」
「無茶は承知! 主の仇を前にして引くことなどできませぬ!」
フリーダはコウガに呼び掛けるが、コウガはやはり下がらない。
(誰も死なせない。無事に帰るまでが討伐です。シグルラン氏もコウガ氏もドワーフの方々もね)
グレイブ・ヤードは決意を新たに、焦げているゲルダへとヒールをかけた。ゲルダは囮役だ。常にヒールをかけ続けていなければ、あっというまに黒焦げにされてしまう。
「早く倒さないとコウガさんが死んでしまいますね……私もがんばらないと」
ラティアは弓の有効射程ギリギリの位置から矢を放った。矢は命中し、まとわりついたエーテルがギシギシとライリュウの体を切り裂き始めた。
「おりゃー! その鱗をよこせー!」
シグルランは威勢よく叫び、大太刀で居合斬りを放った。真空波がライリュウに命中し、ライリュウは血をこぼす。
「ヤロー、どこへ逃げたかと思ったらこんな所にいたか……今度はキッチリトドメ刺してやらあ」
アーテミシアは発生した黒雲に向けて戦槌を叩きつけてみた。しかし、黒雲は手ごたえ無くすり抜けてしまい、破壊することはできなかった。
「全く迷惑なヤローだぜ。水に漬けたらどうなるか見ものだな、ええ?」
「コウガさん、もう少し離れて!」
ディレインは一向に下がる気配のないコウガに再生魔法をかけた。これでコウガが接近戦を続けても、黒焦げにはならずに済むだろう。
「みんなで生きて帰ろうね」
●
「ギャオオオ!」
龍の咆哮と共にパン、と大気が弾ける。ライリュウがゲルダへの執着を振り払ったのだ。
「グルルルルル……」
ライリュウが唸ると、雷気を孕んだ黒い雲がコウガの周りにたちこめた。
(ちょっとずつ体に纏ってる雷が弱まってるな。もうちょい待てばあの雷の鎧は消えるか……?)
ハヤトは岩陰に身を隠したまま、ライリュウの隙を伺っている。
「ライリュウが暴れます! 『エドゥノーグ』を! こっちです! ライリュウ!」
ゲルダはドワーフ達に声をかけながら、再びライリュウに闘気を浴びせる。しかし、今度はライリュウはゲルダの闘気を弾いてしまった。
「よっしゃ!」
シーフのドワーフがライリュウの背中側まで跳躍し、『エドゥノーグ』をライリュウの背中に引っ掛けた。
「ゴアアアア!!」
ライリュウは網に引っかかり、ばたばたもがきながら、大きく口を開いた。
「今です……!」
ラティアは開いた口に向かって矢を放つ。矢は喉へと深々と突き刺さったが、ライリュウは構わずに電撃のブレスを吐き出した。稲妻の速さで放たれたブレスを躱し切れず、ヴィルヘルミナは光の奔流に呑まれた。
(やっぱり駄目でした……でも、喉ならダメージはもしかしたら……大きい、かも)
「ぐっ……!」
「ミーナ! だいじょぶ!?」
「なんとか」
シグルランが悲鳴を上げる。ダメージは決して小さくはなかったが、ヴィルヘルミナはなんとか電撃に耐えきった。
「烈風飛来刃!!」
ララベルが遠距離攻撃を叩きこむと、ライリュウの鱗が切り裂かれ、血が零れた。
(トラノさんが無念に思っている気持ちに協力したいし、それに放っておいてまた犠牲者が出るようなことには絶対させない!!)
カッ!
黒い雲から稲妻が炸裂し、コウガが電撃に呑まれた。しかし、咄嗟にフリーダが割って入ったため、コウガは無傷だった。
「はっ!」
ヴィルヘルミナの鋭い衝撃刃が再びライリュウの鱗を深々と切り裂く。電撃に焼かれながらも、彼女の太刀の鋭さは失われていない。
「ヒール下さい!」
ぶすぶすと焦げているフリーダは後衛に呼び掛けながら太刀を一閃し、飛ぶ斬撃をライリュウへと叩きつけた。
「そこです」
イヴェールはもう一度ライリュウの腹を狙い、魔剣の一突きを放つ。不可視の衝撃がライリュウを切り裂いた。
(長期戦はやはり不利ですか。ヒールが切れる前に終わらせないと)
グレイブはヴィルヘルミナにヒールをかけた。
「フリーダちゃん、ナイスアシスト!」
ディレインはフリーダにヒールをかけた。
●
「ったく、相変わらず可愛げのねえ攻撃してきやがる」
アーテミシアはすぐ近くの岩が電撃のブレスで木端微塵に吹き飛んだのを見て、悪態を吐いた。ライリュウは抵抗力が高く、ゲルダのシーザーロアは既に枯渇している。常に怪我人が出続けているため、回復役のグレイブとディレインは大忙しだ。
「これでも喰らいやがれ!」
アーテミシアは戦槌を力任せに振り回し、ライリュウの顔面に衝撃の刃を叩きつけた。
「今度こそ……!」
イヴェールの魔剣から放たれたエーテルがうねり、とうとうライリュウの蛇腹を貫く。イヴェールは同じ箇所を何度も攻撃していたため、傷口が開いたのだ。
「ギャウウウウウ!!」
内臓まで達するダメージを受けたことで、大きくのけぞるライリュウ。その瞬間、ライリュウを取り巻いていた雷の鎧がフッと消えた。
「ようやく消えたな!」
その瞬間、岩陰に身を隠していたハヤトが疾風の速度でライリュウへと駆ける。
タン、タン。
ハヤトは戦場を超高速でジグザグに走破しながら、力を蓄える。そしてハヤトは、赤い嵐となってライリュウに突撃した。
「勇牙無限撃!」
ギャリリリリ!
ハヤトの具足と双刀がライリュウの肉を裂き、四条の傷を刻んだ。
「今です! 畳みかけましょう」
フリーダはすかさずコウガの隣に移動し、大太刀で直接ライリュウを斬りつけた。
(今、重心が全くぶれておらんかったような。この娘、一体どれほどの鍛錬を……?)
コウガは一瞬フリーダの移動術に見惚れたが、すぐにライリュウに意識を戻した。
「いいぞ、段々弱ってきたみたいだ。でも油断はしないで」
ディレインはゲルダにヒールをかけた。
「ようやくか!」
アーテミシアはバラした状態で借りていた『エドゥノーグ』を構え、ぶん、とライリュウに向かって放り投げた。狙うはライリュウの首。アーテミシアの投げた鉤縄は見事にライリュウの角に引っかかり、結び目を作っておいた輪の部分がぎゅっと締まる。そして、ワイヤーの先端はアーテミシアの腰にも結ばれていた。
「角に引っかかったか……へし折れた時は知らねえ!」
アーテミシアはひっかけたワイヤーを手繰り寄せ、ライリュウの背によじのぼろうとした。少し宙に浮いていたライリュウはもがき、アーテミシアは宙づりになった状態で激しく揺られた。
●
「オラァ!」
なんとかライリュウの背までよじ登ったアーテミシアは、戦槌を振り上げると、ライリュウの頭目掛けてフルスイングした。
ガン!
ライリュウの頭の中で火花が散り、一瞬意識が途切れる。しかし、ライリュウは地に墜ちることなく、アーテミシアを振り落とそうと、激しくもがいた。
「おい、急げ……!」
ライリュウを拘束し続けていたドワーフ達の握力も限界が近づいている。冒険者達は力を振り絞り、激しくライリュウに攻撃を加えた。そして――。
「うるぁ! これで終いだ!!」
ザンッ!
乱回転しながら放たれたハヤトの斬撃がライリュウの首を引き千切り、地面へと叩き落とした。
●
「うん、なんとか、全員無事だね。コウガさんは後で一応診せてね」
グレイブと手分けし、負傷者達の治療を終えたディレインは汗をぬぐった。
「さすがドワーフ製だな。しかし、これでやっとケリが付いたか」
ついぞ千切れなかった『エドゥノーグ』を見下ろしながら、アーテミシアはため息を吐いた。
「かたじけない、皆様。儂はここで果てる覚悟でしたが、生き残ることができました」
冒険者達から手厚いフォローを受け、目立った傷もなく戦闘を終えることができた(電撃はかなり浴びていたが)コウガは深々と頭を下げた。
「生き残ってしまったモノは、生き残れなかったモノの事を語り継ぐ役目もあります。貴方以外に、最も先代の世代の方々を知る者はいないのでしょうから」
「重ねて感謝いたします。グレイブ殿。この拾った命、殿の忘れ形見を支える為に使いましょう」
グレイブがそう声をかけると、コウガは初めて笑顔を見せた。
「よっしゃ! この後はライリュウの素材を確保して、打ち上げだな!」
「「おう!」」
「ドワーフなら、当然の流れですね」
盛り上がるシグルランほかドワーフ達に混ざり、ヴィルヘルミナは頷いた。その後、シャルガネではライリュウの討伐を祝し、派手な酒宴が開かれたという。
マスターコメント
ショートシナリオ難しい 報酬:多い10 / 5〜10人
2023年11月16日 09時00分08秒 公開
参加者
相談掲示板
シューターのラティア・ミゼリアです。 私自身はへっぽこですけど、話を聞いた限りでは射程で上回れてますし近づかずに攻撃できますし、まあ皆さんの邪魔にはならずに行けるかな、と思ってお邪魔させていただいてます…… 可能な限り射程外から……と言ってもあちらが移動したら簡単に射程内に捉えられるであろう程度の差しかないですけど。射程外から積極的に攻撃して早々に帯電を剥がすのを狙うことになるかと思います。 単に威力を高めた攻撃をしていくか、スリップも織り交ぜていくかは悩んでます…… 何かあったら言っていただければ対応します。私なんかが対応できるかは置いておいて……
ヒーラー、グレイブ・ヤードです。 まぁ後始末は大事ですよね?
ウォリアーのアーテミシアだ。 しばらく放ったらかしてたから何処へ行ったかと思ってたけどな とりあえず魔防のが重要かね
ヒーラーのディレイン・オールドケイジ。よろしく。 帯電が前衛で攻撃する人たちに与えるダメージが生命力の10分の1…とはいえ、そこに普通の攻撃手段も乗ってくるわけか。 こまめにしすぎると回数足らなくなりそうだけど、帯電が切れるまでは頑張りどころなのかな。 範囲ヒールと単体ヒールを持ってくつもり。レベル的に新スキルは習得できてないんだけどね。
ヴィルヘルミナです。今回はよろしくお願いします。 攻撃方法を見るにあまり固まり過ぎると一網打尽にされそうです。NPCだけでも7名いますので分散も難しいでしょうが。 対邪竜武器による拘束は限りがあるようなので、なるべく早めに弱らせたい所ではあります。 拘束が解けると、近接攻撃は届かなくなりそうですし。 対邪竜武器はこちらも借りられるようなので、何かアイデアがあるなら借りるのも手ですね。 帯電は射程0の攻撃に対してなので間接攻撃できるスキルを使えばダメージは防げますね。 ウォーリアならエーテルブレードという手もありますけど、特性枠を使ってしまうのが何とも。 特性はショップで新しいのが追加されたのでそちらを投入したい方もいるかもしれませんし。
ウォーリアのフリーダです。よろしくお願いします。 帯電している間は近接攻撃時に毎回生命力10%ダメージは厄介ですね。 必然的に遠隔攻撃スキルはほぼ必須になるでしょうか。 防御面については魔法メインの様ですし、魔防を固めておけば安定しそうですね。
ウォーリアのゲルダです。よろしくお願いしますね。 どなたかが【執着】を付与して味方がいない方角に雷撃砲を誘導 その隙に遠距離攻撃を主体に生命力を削る――といった方針がよさそうでしょうか。 あとはコウガ様はガシガシ近接での攻撃をされそうなので……説得も必要そうですね。
とりあえず近接組は飛び道具用意するか、岩から背中に飛び乗って攻撃するしかねえか ネットをどう使うかだな。飛び乗るならワイヤーにして投げ縄みたいにクビにでも括り付けられれば落とされる心配もなく殴り放題だ。 まあ体力が保つかってハナシでもあるけど
ライリュウのスキル自体はもう皆さん見てるからわかってる前提でしょうけど >帯電 すごく極端な話なのですが、これウォーリアのエーテルブレードで射程伸びたら問題ないのでしょうか? いえまぁ、特性一枠潰れますけど。 >雷撃砲 口からということは、顔の前にさえ陣取らないようにすればいいとか、横合いから思いっきり殴れば逸らせるというのでもいいのですかね? >降雷オブジェクト これ、壊せる手段とか思い当たりますかね? 一応私自身は回復に特化するか一部バフを乗せるかで考え中です
>対邪竜武器 ワイヤー状にして使用するのは帯電が解けたあとが個人的には望ましいかなと。括る際に感電しそうですし。 >スキル 衝撃刃を多めにセットして序盤は接近戦は避けようかと。相手が弱ってきたら接近戦を仕掛ける形になると思います。 >帯電 個人的にはダメージは射程0の攻撃を行った場合なのでエーテルブレードを装備して射程1から攻撃した場合は問題ないと思います。 また飛び道具による攻撃でも敵との距離が射程0の状態で仕掛けてしまうとダメージを負う形になるのではないかなと。 距離なのか、何であれ伝達する感じで触れるのが不味いのかイマイチ良く分かりませんけどね。
イヴェール・イリュジオンです。どうぞよろしくお願い致します。 ワイヤーにして首に括り付けるのは有りかと思いますが、言われてます通り、帯電中は避けた方が良い気がします。 常に治療出来る距離にいるとは限りませんし。 リスクを踏まえた上でやるなら英雄再起があると安全でしょうか? >コウガさん 素直に説得を聞いてくれるかどうか…カバーするの前提で誰か付く必要もあるかも知れませんね…
とりあえず本気で近接戦(射程0戦闘)を挑む方がいらっしゃるのであれば(コウガ氏に限らず)リジェネレーション(毎ターン再生)orホーリー・リチュアル(範囲継続回復)を準備しようと思っています。 最初から0距離戦闘挑む予定の方、おります?
近接どうするかねえ…衝撃刃で削るのもありっちゃありだけど、威力はお察しだしな ワイヤーにするのも時間がどのくらいかかるかね。1ラウンドで使えるか とりあえず自前の回復は持つ。あとは雷撃砲に纏めてひっかからないようにバラけた方がいいな。
おじさんもリジェネレーションは使えるよ。 ゼロ距離でないと攻撃力が今ひとつなら、痛いのは多少我慢してもらって早めに削るのもやむなし、ってところ。 どのみち無傷では済まなそうな相手みたいだしね。
では、わたしはライリュウに【執着】を付与して雷撃砲を誘導しますね。 そのまま真横に移動して雷撃砲が斜め方向になるように誘導すれば、ヒール等の支援も届くかなと思いますので、(付与盛り分で下がった防御性能分の)フォローをいただけると大変ありがたいです……! 対邪竜用捕獲ネット『エドゥノーグ』やワイヤーの活用については……【執着】回復のタイミングがよさそうでしょうか。
そういえば…… シグルランさんって、コウガさん以上に死なせちゃいけない人ですけど…… コウガさんほど無茶もしないはずですし、特別に気にしなくても、他の近接の皆さんと同様のフォローを入れる程度で大丈夫でしょうか……?
ではゲルダさんのフォローは私がしましょうか… カバリングの都合上、雷撃砲はともかく降雷は避けられませんがまぁ耐えられるでしょう。 シグルランさんに関してはその認識で大丈夫と思います。 私はゲルダさんに合わせるつもりですが、今のところ衝撃刃中心で0距離での戦闘は考えてません。
それではコウガ様のフォローはこちらで行いましょう。 執着が付与されている前提であればまず攻撃は飛んでこないとは思いますが、 万が一飛んできた場合に備えてカバリングをセットしておきます。 攻撃面は衝撃刃が中心になりますので遠距離戦が主体になる形です。
では、「リジェネレーション」と一応「神迅縛鎖」の準備をしておきます。 後者に関しましては、道具である以上の限界(使い切った)の可能性を考えての念のためです。使う機会がなければいいですが。 アクションはヒール関係で埋めてますので、適宜使用するつもりです
あ、すいません。 リジェネレーションとホーリー・リチュアルを入れ替えました。
僕はシーフのララベル・サン・ディーベル。 みんな、宜しくね。 帯電が解けるまでは、衝撃刃で離れて攻撃して、帯電しなくなったら3回攻撃で畳みかけていくつもりだけど、時間的にまずい場合はダメージ覚悟で接近戦するかも知れないから、その時は回復して貰えたら(3回攻撃だと30%ダメージ貰うよね・汗汗)。 移動も上手く使って、なるべく分散して戦えるようにもしてみるね。
じゃあリジェネレーションはおじさんのほうで。 ゲルダちゃんとイヴェールちゃんのサポートメインでいくつもり。
帯電を警戒しすぎて攻めあぐねるのも拙いので、状況によっては重い一撃を早めに入れようと思います。 邪竜武器が使えなくなったタイミングで衝撃刃が切れると攻めの圧力が減ってしまいますし。 あとはヒールでも持っていきます。それなり程度には回復できるはずなので。 使うとして攻めより回復が必要な状況でしょうが。攻撃が届かないとか。
衝撃刃を一つ。削り用の破鎧砕を一つ。削った後の強打を一つ。自前回復のヒール こんなトコだな オブジェクトは壊せるならさっさと壊したいところだけど、一応やってみるか
おーっす! ブレイブファング傭兵団のハヤト=ヴォルファングだ、よろしくな!! ま~た面倒くせぇ奴が相手だな! とりあえず帯電が切れるまでは衝撃刃で削ってそっから勝負に出る感じで考えてんぜ!!
イヴェール様、ディレイン様、フォローありがとうございます! よろしくお願いしますね……! こちらから近付きはしませんが、ライリュウ側が接近してくる可能性は高い想定ですので わたし個人は帯電が切れるまでは攻撃しない形になるかと思います。 【執着】付与の成功率と持続力を上げるために攻撃性能抑えめの武器を装備していく予定ですので、攻撃面に関しては他の皆さまにおまかせする形になりそうです……!