セクシー乱舞!? 雪百合騎士団・くノ一部隊爆誕!

おおくまねこ

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シナリオID:2770

オープニング

●雪百合定例会議1223
「今日は重大発表があります。雪百合騎士団にエルフ忍(シノビ)部隊を設立することが決定したわ」

 メイアの突然の宣言に、騎士達はどよめき、口々に質問を投げかけていく。
「メイア団長、エルフシノビ部隊とは何ですか?」
「エルフによるくの一部隊よ。諜報活動やベールコート住民向けのPR部隊を主な任務とするつもり」
「なぜエルフなんですか?」
「ただのくの一よりも、エルフの方がPR力が高いからよ!」
「なるほど!」

 エルフと言う種族は総じて美しい外見を持つ種族であり、その存在に幻想を抱いている者も多い。そのイメージを活用するつもりなのだと、メイアは説明した。

「では、私と当主様でくの一エルフ隊に抜擢したメンバーを今から発表します。今から名前を呼ばれた人は前に出てきて。1番、エルディア」
「えー、アタシかよ! めんどくせえなあ」
 ヤンキー系エルフのエルディアは文句を言いながら立ち上がった。エルディアはいわゆる不良団員だが、優れた射手(シューター)であり、斥候としての能力は非常に高い。雪百合騎士団のメンバーの中では、最も「くの一」向けの人材と言えるだろう。
「文句を言わない! 成績優秀者には当主様から特別手当も出るのよ。なんと、噂の『アザラシ魔獣』が貰えるわ」
「ご指名頂きまして、光栄であります! この任務、私にお任せください!」
 実は可愛いモノ好きのエルディアは一瞬でやる気を出した。
「分かればよろしい。はい、これ新しい制服」
 メイアはエルディアにピッチリしたカラフルなコスチュームを渡した。雪百合騎士団の兵器開発顧問が製作した、軽くて丈夫なくの一装束だ。
「うわ、このスーツ薄……。外で着たら寒くね?」
「防御力は折り紙付きらしいわ。PR任務もあるし、セクシーさも重要よ」
「チッ……。アザラシのためだ、我慢するか……」
「ではメンバー発表を続けるわね」
 ……。
「9番、ユズリハ」
「え、私ですか? やったぁ!」
 名前を呼ばれ、ユズリハはぴょんぴょん飛び跳ねた。ユズリハは今年になってから雪百合騎士団に入団した新人団員だ。入団してから日が浅い為、まだ訓練の成績(雪百合ランキング)はパッとしないが、エルディアと同じく団員の中では希少な授恵者(レシーバー)なので、これからの成長が期待されている逸材である。

「くの一部隊なら、シャルガネ人もいないとね。まだ新人だけど、訓練も真面目にやってくれてるので抜擢しました」
「分かりました! 頑張ります!」
 ……。
「以上で忍部隊のメンバーの発表を終わります。選抜されたメンバーは一月後の『公開訓練』まで、冒険者の人達と共に特別訓練に励んでもらいます。成績優秀者には当主様から褒章も出るので、みんな頑張るように!」

●おまけ
 以下は、メイアが酒の席(めっちゃ酔ってる時の勢い)で作った「くノ一エルフ隊の規則」からの抜粋である。
 第一条、くの一たるもの、スタイリッシュであるべし。
 第二条、くノ一たるもの、美しくあるべし。寝る前には歯を磨くべし。夜更かし厳禁。
 ……。
 第十七条。セクハラは天に代わりて誅すべし。発見した際は武力行使を許可する。

解説

目標:雪百合騎士団の新設部隊「くの一エルフ部隊」(仮称)の訓練をする。 依頼人:雪百合騎士団 舞台:都市同盟/ベールコート 状況: 雪百合騎士団にくノ一エルフ部隊が設立されることになりました。冒険者達には「くの一エルフ」に選ばれた騎士達を訓練し、一か月後の公開訓練までにある程度サマになるように仕上げることが求められています。 ●くノ一エルフ隊(仮称)の訓練について 小隊規模での戦闘訓練がメインですが、マスコット部隊の側面もある為、公開訓練を盛り上げるシノビっぽい企画の立案も歓迎されます。なお、くの一エルフ部隊の名称はまだ未定なので公募がかかっています。 ※プロのくの一を育てるには1か月程度の訓練には時間が足りないので、「くノ一風部隊」が限界です。戦い方がスタイリッシュであれば公開訓練としては成功でしょう。 ●登場NPC メイア エルフ 雪百合騎士団団長。非授恵者だが、凄く鍛錬しているので並の授恵者よりは強い。訓練の際はぱつんぱつんのくの一装束を着用する。 エルディア エルフ ヤンキー系シューター。くノ一エルフ部隊の小隊長。勤務態度は不真面目だが、戦闘力においては団長メイアを上回る。過去シナリオにも何度か登場している。エーテルリンクのペットは栗鼠。可愛いもの好き。 ユズリハ シューター つい最近入団した新入団員。エルフではないがベールコートでは希少なシャルガネ人(ついでに巨乳)なのでくノ一部隊に編入された。まだ新人なので戦闘力は非授恵者のメイアに劣る(騎士団の訓練成績準拠)。なお、くの一衣装は私物らしい。 なぜかグランスパーダで指名手配されている※泥棒の似顔絵に顔がよく似ている。 ※容疑がただの窃盗なので、指名手配自体がグランスパーダの騎士団、衛兵およびそれらに近しい人々にしか知られていません。また、国際指名手配犯でもありません。 くの一エルフ部隊 数名 団員からエルフの団員やシャルガネ系人種を選りすぐったメンバー。エルディアとユズリハ以外は非授恵者だが、戦闘訓練は積んでいるので総じて運動神経は良い。装備はセクシーでカラフルなくの一衣装(PR部隊なので見栄え重視)と、シャルガネから輸入した忍者刀や苦無などを使用する。 ドクター・アルヴィース ドワーフ 雪百合騎士団の兵器開発顧問。眼鏡で貧乳枠。実践的な忍者グッズは鋭意開発中で、とりあえず鎧代わりの衣装だけたくさん用意した。 ※冒険者の分も忍者装束はあります。

マスターより

こんにちは。おおくまねこです。今回はくの一テーマのリクエストシナリオです。特別ゲストでセクシーくの一登録NPCも登場しております。 くノ一エルフ部隊の部隊名はまだ正式には決まっていませんのでプレイングで提案が可能です。小隊が幾つかあるため、複数採用されることもありえます。文字数に余裕があればご一考下さいませ。 ●ARUTOは全巻読みました。推しはうちは●タチです。 補足:ミルドレッド領『雪百合騎士団』((ワールドガイドより抜粋) ミルドレッド領地はエラトゥーン都市同盟、都市ベールコートに属する。領地内では十数軒の百合茶農家である年老いたヒューマンを雇っている他、かつてこの地に流れ着いたエルフの一団も住み着いている。 また、ミルドレッド領にはお抱えの騎士団『雪百合騎士団』が存在し、団員はミルドレッド領に住まう容姿端麗巨乳の若い女性のエルフとヒューマン合わせて25名を中心に、ベールコートから一般兵を募り、合計で100名ほどの規模を有している。中心を担うエルフやヒューマンは子へと引き継がれる形で騎士団を維持し続けている。 現団長はメイアという金髪のエルフであり、ミルドレッドの当主と仲が良い。

リプレイ

●
「PR活動を考えると、基本的に隊員は顔と名前が公開される事を前提で考えた方がいいと思う。諜報活動も想定しているみたいだけれど、それについては身分を隠して行うものより、知られている事を前提に活動方針を考えるべきかと」
 海神(ウミガミ) 江流(エル)は団長のメイアと話していた。この場には、部隊の中核メンバーであるエルディアとユズリハもいる。
「何が言いたいかってーと、PR活動が念頭にある以上、オープンに、かつ、守るべき領民の支持を得られるやり方がいいかと。ある意味ファンサービス活動だと思うんだ。その分プライベートはちゃんと守ってあげないとね」
 江流は熱烈なファンによる迷惑行為についても言及した。
「なるほどです」
 新人団員のユズリハも頷いている。
(この子はどっかで見たことあるような気がしなくもないな……でも雰囲気が似ているだけかもしれないし……)
 江流はユズリハの顔を見ていると、なんとなくグランスパーダで見かけた『謎の泥棒』の手配書を思い出していた。その手配書の人物は、江流の友人の話によれば、冒険者と(メドゥの指先構成員であった)ニコラ侯爵夫人との戦いに乱入して夫人から神具を奪い、リーンエス王国騎士団に包囲された建物から脱出した手練れだという。

「授恵者の二人はシューターなんだね。二人が戦力の要になるだろうから、強みを活かせるように視野を広く持てる立ち回りを考えるべきかな」
 この部隊で一番強いのはやはり授恵者のエルディアとユズリハの二人だ。二人共シューターなので、実戦に出るならば「遠距離からの砲撃」を軸に部隊の戦術を構築するべきだと江流は言った。

「隊員の装備が忍者刀や苦無、防具も薄手の物なのだから、身軽である事を活かせるといいと思う。その運動量を維持できるフィジカル面の強化をしていこう」
「つまり、走り込みですね」
「うん」
 メイアの問いに江流は頷く。団員達は「うえ~」と不満そうな声を上げた。ランニングは地味な訓練なので、苦手なものが多いのである。
「小隊規模で動くわけだし、チームワークを活かせばスタイリッシュに見せやすいと思う。
 俺はチーム戦の戦法を伝授するよ」
「はい、お願いします」 
 江流自身は豊富な武術知識を活かし、くの一達に自分より敵のほうが間合いが広い場合の対峙の仕方や、切り崩し方を伝授する方針を固めた。

●
「うむ、きっと作るんだろうなと思っていたが忍ばず目立つ方向でいくとは驚きなのだ。今頃キサキ・アカネ殿が複雑な顔してそうなのだ」
 くの一部隊創設の一報を聞き、駆け付けて来たストレガ・L・リベルガストラはシャルガネ自治区の顔役を思い浮かべた。
「メイア殿。忍ばないのであれば暗殺者や諜報の類でなくシーフである。今回は時間ないしそういう認識であるとよいのだ」
「なるほど、分かりやすいですね。暗殺任務とかはあまり雪百合騎士団向けではないですし」

 ストレガは自分用にもらったくの一衣装に袖を通してみた。
「うむ、とても目立ちそう。これはたとえ防御性能があるとしても囮として回避行動を求められているな」
 ストレガは苦無を手に取り、かっこいいポーズを取った。ぴっちりした衣装なので、ストレガのセクシーなボディラインが露わになっている。
(うむ、これならごろつきの類なら油断もするだろう。あとは利便性なのだ)
 ストレガは衣装担当のドクター・アルヴィースにベルトをポーチを腰につけて道具を即座に使えるよう改良の提案をした。
「ドクター、鉤縄装備は? あれで壁を駆け上がればとてもシノビっぽい」
「あるわよ。シャルガネのお土産(みやげ)屋で買ってきたやつを参考に、ドワーフ王国で頑丈なやつを作ってもらったわ」
「うむ、ならば強度も問題なかろう。あとは人間並の対象を捕縛できる網の投射アイテムがあるとよいな」
 ストレガは筒を投げると中から網が出てくるような道具を絵に描いて見せてみた。
「なるほど! それぐらいの道具ならあたしでも作れるかも!」

●
「くの一というからには、普段の自分と違う姿を使い分けるのも必要になると思うわよ」
 シンディー・ホシカは騎士達に「くの一」として役立つ心得を説いていた。
「情報収集をするなら、相手や場所に自分を合わせるのも必要よ。場違いな人間が来たと思われたら、最初から警戒されてしまうから」
「変装をしろということですか?」
「そこまでしなくても、髪型や服装を変えたり、化粧や香水で印象はかなり変えられるわ」
 シンディーは育ちの良さそうな服装からツンテールの踊り子風の衣装に着替え、妖艶なダンスを披露した。
「ね、あたしの踊りはどうだった? なんてね」
 そのほかにも、シンディーは持ち込んだ衣装をとっかえひっかえし、シンディーが七変化してみせると、騎士達はおー、と盛り上がった。

「広報と諜報の兼任とはまた変わった部隊ですね」
 ゼラルム・エルホワイトは騎士達の訓練風景を観察しながら呟いた。
(実用性より見栄え重視、と。まぁ広報が主らしいので妥当と言えば妥当だが)
「諜報活動……と、PR活動も兼ねると……なぁるほど……」
「忍(シノビ)なのに目立つのか……まぁ諜報部隊がいるというのも牽制にはなるからいいのか?」
 隣にいたルイドは難しい顔をし、ベルク・オスマットも首を捻る。
「人員も見目麗しい方ばかりで見栄えもいいですし、そも仮に諜報部隊として運用するとして、その存在を公表などある筈もないですからね。諜報は対外的なフェイクで、広報部隊と捉えた方がいいと思いますよ」
「まあ、公開訓練までに見栄えよく仕上げるのが優先ってことでいいよな」
「であるな」
 ルイドとゼラルム、ベルクは手が空いていた訓練生に声をかけ、自分達も訓練を開始した。

「変装はこんなものでいいか」
 ベルクは一応素性を隠す為、赤毛のウィッグを被り左目の傷も化粧で隠し、ハミトと名乗ることにした。衣装はメイアに打診すると、希望通りの赤色がもらえた。

●
「シーフめいた近接武器の扱いは本職に任せるとして、私は苦無などの投擲物や、鍵縄などの補助忍具の使い方を教えましょう」
 ベルクがパパッと作ってくれた人型の的の前に立ち、ゼラルムは騎士達に教授を始めた。
「公開訓練では見栄えも重要です。足を止めた状態なら、止まっている的には当てられる程度には仕上げましょう。そうしておけば石でも投げておいた方が威力的にも命中精度的にもマシという誹りは避けられるでしょうし」
 彼の担当は投擲物……すなわち苦無(クナイ)の訓練である。

「む……。ふんっ! これ難しいですね!」
「お、けっこう簡単だな!」
 騎士達がゼラルムを真似て、苦無を投げると、明暗はハッキリ分かれた。シューターのエルディアとユズリハはすぐに狙った場所に命中させられるようになったが、他の者はやはり難しいようだ。
「公開訓練の際に観客の方にも体験していただくのもいいでしょう。苦無を当てることの難しさを体験していただければ鍛錬の成果を効果的に伝えることができます」
「なるほど。さあみんな、公開訓練の日に恥をかかないよう、練習よ!」
 メイアが号令をかけ、騎士達は必死に苦無を投げる。

「確か苦無は壁を登るのにも使用されるのでしたか。見栄えとしては些か地味になりかねませんが、鉤縄と合わせて余裕があればそれも訓練しておいて損はないかと」
「訓練用のアスレチックの建造は拙者に任せるでござる!」
 ゼラルムが訓練用の教材作成の打診をすると、ベルクはドンと胸を張った。

●
「ちょっとぴっちり過ぎて窮屈ですね……」
 フェミナ・ノ・リビディーネのところに回ってきた衣装は少しサイズが小さく、窮屈だった。ぴっちりすぎると少し窮屈なので、フェミナはドクターに頼み、背中側の生地は全部取っ払ってもらった。露出度アップでハヤト=ガラン=ヴォルファングは大喜びだが、フェミナ本人は自分のお色気に無自覚だった。

「そういえば、くノ一とはどういう由来なのでしょうか?」
「ああ、それはですね。シャルガネの文字でくとのと一を書くと『女』という文字になるのです」
 新人団員のユズリハは地面に指でシャルガネの文字を書いてくれた。
「なるほど。……さて、まずはくノ一エルフ隊の規則を全部教えていただきたいのですが」
「はい、それはこれを見た方が早いですね」
 ユズリハは折り畳みの一枚の紙をフェミナに渡した。そこには二十項目ほどの「くの一っぽいルール」が書かれている。フェミナがしげしげと掟を読んでいると、部隊長のエルディアが声をかけてきた。
「それ、ぶっちゃけ団員でそれっぽい項目を考えてどんどんつぎ足しして作ったやつだから、あんまりガチガチに考えなくてもいいぞ」
「そうなのですか……あと個人的にシャルガネに伝わるという東方の鍼治療なるものを学びたいのですが、ノウハウはあったりします?」
「えーと、指で敵の秘孔(ひこう)を突くと、相手は死ぬ。みたいなスキルだよな?」
「いえ、そんな物騒な物ではなく。医療行為のはずなのですが……」
 残念ながら、雪百合騎士団に鍼治療のノウハウは無かった。

●
「PR部隊としても求められてるという面も満たさないとね」
 そう前置きすると、ホシカは両手でそれっぽい印を結び、掌からエーテルの水流を放出した。
「忍法・水遁の術! なんてね」
 シンディーがウインクすると、メイアが複雑そうな顔をした。
「忍術風の魔法ですか。公開訓練ではウケると思いますが、授恵者にしかできないのがネックですね……紋具で派手な攻撃魔法を再現するのは不可能ですし……」
「いや、そうでもないぞ」
 そこでルイドが口を挟んだ。
「ハッタリだけならなんとかなる」
「何か具体的な案があるのね?」
 ドクター・アルヴィースが顔を寄せてきた。
「火遁の術? とかいう火を使う術を聞いたことがあるんで、それを試してみよう」
 ルイドは松明(たいまつ)と蒸留酒を用意し、一同に少し離れるように言った。

「確か……やり方は、聞いた感じだと……こうして……」
 ルイドは口に蒸留酒を含むと、、松明の火に向け吹き付けた。
 ボウッ!
 その瞬間、蒸留酒に火が付き、火炎が発生した。
「――こうだな。ちと難しいから水での練習を推奨だ」
 初めての芸だったため、ちょっと唇が焼けてしまったルイドが言った。

「……で、公開訓練以外での用途だが。実戦では相手に吹き付けるんじゃなく、燃え上がり易いものに着火するとかで視界遮ったり注目逸らしたりするために使うらしいぜ」
「なるほど、真面目に練習すれば『術』と呼べるものになりそうですね」
 ルイドの言葉に、メイアが頷いた。

●
「さて、あの歩き巫女にも声をかけておかねばな」
(我の勘が正しければユズリハは訓練で手を抜いている。以前の依頼報告書の内容を考慮するとあんなに弱いはずがない)

「……所属不明の『歩き巫女』がこんなところで何してるでござるか?」
 ベルクは意を決し、ユズリハにそっと声をかけた。
「あれ? あなたは、前に砂漠で見かけた難民の子?」
(覚えていたか……そういえばあの時は子供のフリをして接触したのだったな)
 ベルクはユズリハに突っ込まれ、以前の設定を思い出した。向こうもこちらに見覚えがあるらしい。
「……何が目的かは知らぬが、妙な真似をしたらメイア殿に告げ口するでござるよ」
「分かった、覚えとくね、ハミトちゃん」

●
「いいかお前ら! ド派手に教えるぜ!!」
 シャルガネ出身のハヤトはかつてないほど張り切っていた。

「よく見てろ! これが『縮地』だ!」
 白い頭巾を被ったハヤトは重心を低く構え、獣のような姿勢を取った。次の瞬間、ハヤトの姿が騎士達の視界から掻き消える。
「消えた!?」
「ここだ! うるぁ!」
 屋根の上から飛び降りたハヤトは風車のように回転しながら、訓練用の丸太を籠手の一撃でへし折った。

「よし、今みたいに、派手に立ち回る動き方の訓練だ!」
「「はいっ!」」
「いい返事だ! よし、じゃあまずはユズリハから。『回避全集中の構え』を伝授するぜ!」
 ハヤトはどさくさに紛れ、ユズリハの露出した背中や肩をぺたぺたと触る。
「もう、ハヤトさん。セクハラはいけませんよ」
「すまん、わざとじゃないんだ。げへへ」
 ハヤトは「めっ」と怒られたが、叱られ方がぬるかったため、調子に乗った。
(この子はおっぱい触っても許してもらえる気がする!)
 そしてハヤトは、組手にかこつけ、魅惑の横乳へのタッチを試みる! だがハヤトがユズリハの胸に手を伸ばした瞬間、いつの間にかハヤトの背後に忍び寄っていた江流が彼の手をがしっと掴んだ。背後を取られるというシーフにあるまじき失態だが、ハヤトはユズリハのおっぱいしか見ていなかったので仕方ない。

「ハヤト、ちょっとあっちで話そうか。みんなが待ってるぞ」
「ぐっ……! 無念……!」

●
 翌日。ハヤトは性懲りもなく騎士達へのセクハラに励んでいた。
『いいかお前ら! くノ一の最大の武器は何だと思う? ……そう! 女の最大の武器、色香を自在に操ることだ!! というわけでこれから『雪百合騎士団・遊郭潜入作戦』に備え、忍法『湯煙蜂罠(バスタイムハニートラップ)』の実技訓練を――ふべぼ!?』
 ハヤトが、卑猥な内容の訓練を開始しようとしたその時だった。ストレガの放った重力場とフェミナの光縛封が炸裂し、ハヤトはベルクに取り押さえられた。

「堅気(かたぎ)の娘さんらに何を教え込もうとするでござるか!」
「セクハラには死を……それが雪百合のくノ一の掟です」
 メイアは目が笑っていない笑顔だ。
「これも規則ですので……」
 フェミナは連行されていくハヤトの為に祈りを捧げた。

●
「皆様、これより雪百合騎士団のくの一部隊、『雪影』の公開訓練を始めます!」
 訓練が始まって約半月後……ベールコートの広場にて、くの一部隊の公開訓練が行われた。雪百合のくの一達はエルディアの小隊『め組』、ユズリハの小隊『女光(おんみつ)』、そしてメイアの小隊に分かれ、公開訓練を開始する。ちなみに訓練内容にはハヤトを騎士達が追い掛け回し、苦無の的にするという実践的なメニューも組み込まれた(市民は「あれ、これ公開訓練じゃなくて公開処刑? と困惑した)。フェミナの支援魔法もあり、雪百合騎士団の動きはかなり良かったが、ハヤトはなんとか死なずに逃げ切った。

「とう!」
 ストレガは指からエーテルの糸を放った。メイアは魔糸に絡め取られ、ぴっちりしたボディラインがさらに強調され、ギャラリー(主に男性)から溜息が漏れる。公開訓練を意識したセクシー攻撃である。その後、騎士達は垂直壁登りや鍵縄での民家の屋根移動、火遁の術など、修行で学んだ数々の技を披露していった。

「最後はくの一ダンスです!」
 くの一達は整列し、妖艶なダンスを踊った。セクシーなダンスだ。振り付けはシンディー全面監修だ。
 ぱちぱちぱちぱち!
 ベールコート市民(見物客の大半は男性)の盛大な拍手が鳴り響く。こうして雪百合騎士団のくノ一部隊は産声を上げたのだった。

マスターコメント

公開訓練は盛り上がったので大成功とさせていただきます。特に男性市民は大満足だったかと。公開訓練、定期的にやれと言われそうですね! また、このシナリオには次回作の構想があり、謎の泥棒ユズリハが雪百合騎士団に入団した目的が明らかになる予定です。ご縁がありましたらよろしくお願いいたします。
ショートシナリオR

ショートシナリオR普通 報酬:多い8 / 4〜8人

2023年02月27日 00時28分33秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. シンディー・ホシカ

    シンディー・ホシカよ 依頼は成立ね。 私はPR部隊の側面を重視して、見る人を楽しませる「舞踏」要素を教えたいと思うわ。 あと、化粧とかで印象を変えるとかね。 女の子達がガチの戦いを見せるっては、それはそれで需要があるのかもしれないけど、趣旨としては違うかなって。 よろしく。

  2. ユズリハ

    こんにちは。新人のユズリハです。よろしくお願いいたします。 (EXCキャラクターの相談所での発言権はMSではなく登録されたユーザー様にある為、ユズリハとメイアさんのいわゆる背後霊は異なりますます)

  3. メイア

    そうね、シンディーさんが先に言ってくださいましたが改めて 依頼成立いたしましたね。皆様ご参加の程ありがとうございます 雪百合騎士団団長のメイアよ。今回はよろしくね

  4. ベルク・オスマット

    シーフのベルクだ、よろしく頼む。 …西の方で見たことがある歩き巫女がいるような気がするが、気のせいか?(棒) くノ一といえば忍びだが、忍ぶのではなく目立つのか…。 であれば苦無での的当て訓練などが目立ちやすいかな?

  5. ハヤト=ガラン=ヴォルファング

    おーっす! ブレイブファング傭兵団のハヤト=ヴォルファングだ、よろしくな!! くノ一部隊の訓練… シャルガネ忍びの免許皆伝の俺様がバッチリ仕込んでやるぜ!! くノ一と言えば…そう! まずは忍法『湯煙色香』に始まり数々の房中術を仕込まねばなるまい…(;//́Д/̀/)'`ァ'`ァ

  6. ベルク・オスマット

    …(無言でハヤト殿を一別してから何かを書き付け) 的当てついでにアスレチックを整備してアスレチックをやりながら流鏑馬みたく投擲、というのも言いかもしれんな、ちょっと考えるか。

  7. フェミナ・ノ・リビディーネ

    ヒーラーのフェミナ・ノ・リビディーネと申します 皆さま今回はよろしくお願いいたしますね ではハヤト様が体を張って動く的あての的になってくださるということですので、最初はうまくいかないけど最後はうまく当たっていただくというのはどうでしょうか?

  8. ルイド

    ルイドだ。良しなに。 忍者といや忍法とか忍術とか、俺もそういうのは欲しくなるな。 例えば火を出したりすりゃそれらしく派手で盛り上がってくれるかね? なんか考えとくわ。

  9. ストレガ・L・リベルガストラ

    ストレガなのだ。よろしくなのだ。 頼まれればハヤト殿捕縛しとくのだ。 とまれ、目立つ方向で行くなら尚更訓練しないといけないので忍具とかなんやかは考えとくのだ。

  10. メイア

    相談時間24時間を超えましたね 出発は明日の朝ですので プレイングと持ち物やスキルのセットをお忘れなく それでは、現地ではよろしくお願いいたします

  11. ハヤト=ガラン=ヴォルファング

    Σ(゚д゚;)!!? なんか俺に対する扱いヒドくねぇか?!!

  12. 海神 江流

    海神江流だよ。遅ればせながら今回はよろしくお願いします。 隊全体の運営方針とか戦術についてご提案しつつ、それが実現できるような訓練を一緒にできればと考えてます。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0