【鬼哭】小鬼たちの王は神座を目指す

真柄 葉

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シナリオID:2747

オープニング

「なんだって!」

 普段声を荒げる事の無いヴィルジニア・テレーザ・セルッティが、椅子を倒さんばかりの勢いで立ち上がった。
「……何て馬鹿な事を。自分の身体がどういう状況なのかわかっているのかいっ!」
 部下が持ってきた『置手紙』には、ドン・ゴーフルの直筆でやらなければならない事が出来たからサウゼル大樹海へ行くと記されている。ヴィルジニアは『置手紙』を持つ手を怒りで震わせながら部下へ問いかけた。
「誰か、ドンを見た者はっ!」
「ブ、ブラックデスの構成員が見ていたようですが……」
「何で止めなかった! あいつらのボスだろう!」
 ヴィルジニアが机に手を叩きつける音に、部下達は一様に背を伸ばす。
「すぐに捜索隊を組織するんだよ。あの身体じゃそう遠くまではいけないはずだ。今からでも追えば間に合う!」
「し、しかし、ドンはゴブリン達のリーダーです。ビッグオウムを使えるんじゃ……」
「ちぃ……!」
 部下の進言に歯噛みしたヴィルジニアは、机の引き出しから白紙の手紙を取り出した。

●
 静かな湖畔の別荘から眺め見る湖に波紋が広がった。
 ヒルルクは窓辺に寄りかかり、その景色をただ無為に眺めている。

 あの日、征竜さまから下された命令に従いドン・ゴーフルの命を狙った。しかしそれは友人達冒険者の献身と、命令を下した本人(征竜さま)の一言によって未遂に終わる。
 自らの心を殺し、友人達に刃を向けた。なのに、その決意はあっさりと裏切られたのだ。

「……征竜さま、なんで」
 もう何度も口にした疑問。あれから一度として征竜さまの声は聞こえない。

 あの時、征竜さまは言った。

『冒険者と敵対するつもりはない、退け』と。

 理由がわからなかった。神に至り世界に混乱を招く者を誅殺して、この世界を守るんじゃなかったのだろうか。冒険者が立ち塞がっただけで退けだなんて、そんなに冒険者が怖いのだろうか。それとも、あの命令はただの気まぐれだったのか……。

――――違う。

 征竜さまがそんな事で自分を動かすはずはない。きっと、何か遠大な考えがあっての事だ。なら、どんな考えが? わからない、ただの巫女でしかない自分が征竜さまの真意なんて推し量れるはずがない。もう、自分は必要ないのだろうか。いや、それはない。征竜さまは目と耳を必要としている。じゃあどうすればいい? どうすれば、征竜さまのお役に立てる?

「……そうだ。まだ、あの命令はいきてる」

 そう、征竜さまは退けと言った。だけど、ドン・ゴーフル誅殺を止めろとは言っていない。

「きっと……きっと、あのご命令を達成すれば、征竜さまもお声を下さる……」

 そうだ。私が冒険者なんかに邪魔されたからいけないんだ。
 今度こそドン・ゴーフルを誅殺して、命令を果たせば、征竜さまもきっと声をかけてくださる。

 その日の夜、ヒルルクは軟禁状態にあった屋敷から、人知れず姿を消した。

●
「今度はヒルルクだって……! 見張りは何をしていたんだいっ!」
 それは先日出したレイウェストへの手紙の返事が届いたその日だった。返事を読み冒険者ギルドへドン・ゴーフルの捜索依頼の手はずを整えた矢先、ヒルルク失踪の報が伝えられる。ヴィルジニアは表情を一変させ激怒し、部下を叱責した。彼女はすぐにヒルルクの行方を探す様に部下へ指示を出し、退室させる。

「……まだ諦めていないのかい。征竜から止められたんだろう」
 誰もいなくなった部屋で、ヴィルジニアは独り言ちた。

 ヒルルクが冒険者に連れられリブラネスタへ来た時は驚いた。そして、何をしようとしていたのかを聞いた時には思わず絶句した。だが、それがヒルルクの本意でないことはすぐにわかった。彼女が無暗にヒトの命を奪うような人物でないことは、交流の中で知っていたから。極北の民にこちらの常識や法が通用しないとは言っても、ドン・ゴーフルの誅殺なんて凶行を彼女が自ら進んでやるわけがない。そもそも彼女にドンを殺す理由もメリットもないだろう。ならば誅殺の指示を出したのは征竜だ。まさか、あの征竜がこちらの世界に興味を持つとは思わなかったが、やはり神へと至ろうとする者が現れた事が気に食わなかったのか、それともなにか別の意図があるのか……。

「何を考えているか知らないけど、手下に全てを押し付けて高みの見物とは趣味が悪いね」
 征竜ほどの力があれば、ドン・ゴーフルの始末など容易いだろうに、わざわざヒルルクへ命じたその根性にヴィルジニアは嫌悪感を覚えた。
「ヒルルク、アンタは自分で考えられるはずだ。自分で選択できるはずだ。見誤るんじゃないよ。それにアンタはドンの居場所を知らないだろう。闇雲に探し回っても見つけられるもんじゃない。だから、帰っておいで……怒りはしないから」
 ここに居ない誰かに話しかけるようにヴィルジニアは呟いた。

●冒険者ギルド
 今日も多数の冒険者で賑わうリブラネスタ冒険者ギルド。
「ドン・ゴーフルの捜索ねぇ。いくら何でもアバウトすぎるだろ」
「ちがいねぇ」
 掲示板に張り出された依頼書を眺める冒険者達が、がははと笑い声をあげた。
 冒険者達が別の依頼を探そうと掲示板の前を退いたのと入れ替わり、ローブ姿の人物が依頼書の前に立つ。
「……サウゼル大樹海」
 ローブ姿の人物は、依頼書を見上げ小さく呟くとすぐに身を翻した。

「あれ? あれは……」
 ギルドから出ていく人影を見つけて、受付係のホリーは首をかしげる。
 その姿に見覚えがあった。フードをかぶってはいるが多分間違いないだろう。
「でもなんでこんな所に……?」
 ホリーは人影を気にしながらも、慌ただしく業務に追われる――――。

●サウゼル大樹海
 ゴールディで情報収集をしていた冒険者達の元に、ブラックデスの構成員を名乗るみすぼらしいゴブリンが接触を持ってきた。下卑た笑みを浮かべるゴブリンにチップをはずんでやると、彼はドンが単身でサウゼル大樹海へと入っていったと話す。冒険者達は半信半疑だったものの他に目ぼしい情報が無かったことから、構成員を名乗るゴブリンの情報を頼りにサウゼル大樹海へと向かった。
 ゴールディの街を抜けるとすぐに大樹海が広がる。街の付近はまだしも、30分も歩けばもうそこは未開の地。狂暴な魔獣や毒虫たちが跋扈する魔境だ。そんな中を冒険者達は構成員の情報を元に慎重に進んでいく。そして――――。

「お前等、冒険者か……」

 冒険者達は大木の根元に腰を下ろしていた人影を見つけた。息も絶え絶えに蹲り、このまま力尽きそうなほどに生気のない人物。なのにスーツ姿で伊達姿を誇示し不敵に笑うのは、そう、探していたドン・ゴーフルその人だった。

「丁度いい所に来たじゃねェか。こんな辺鄙な場所に来るくらいだ、どうせ暇なんだろう? ちょっとツラ貸せや」

 ドンは突然現れた冒険者達を見上げ口元をゆがめると、親指で大樹海の奥を指さしたのだった――――。

解説

●目的 ドンと共に大樹海の奥にある遺跡を目指してください。 ●人物 ドン・ゴーフル 昏睡より目覚めてすぐ、置手紙を残して姿をくらませました。 大樹海の奥にある遺跡に行きたい様で、冒険者へ同行を求めます。 ヴィルジニア・テレーザ・セルッティ ドンを保護していたリブラネスタ市長。 失踪したドンを追う為に、冒険者ギルドへ依頼を出します。 ヒルルク 先日の一件(シナリオ:【鬼哭】『征竜の巫女』の選択)以降、ヴィルジニアによって保護という名の軟禁状態にありましたが、脱走し行方をくらませました。 ●場所 サウゼル大樹海。 ゴールディを抜け、大樹海へ入った付近でドンを発見します。 未開の大樹海は危険の宝庫ですが、道中はドンが特殊な能力と秘密のルートを使い、皆様を目的の遺跡まで案内します。 ●補足 ヴィルジニアからの依頼はドンの発見とその身の安全を確保する事ですが、もしドンの要望があればその護衛として行動を共にするようにともありました。結果的にドンの要請で皆様には大樹海の奥へと赴いていただきます。なお、ドンと接触したことは同行していたヴィルジニアの部下がギルドへ伝えに戻っています。 遺跡まではドンが特殊な力を使い案内するとは言っても危険が0ではありません。何が起こってもいいように戦闘準備は整えておいてくださいね。 道中ではドンとの会話の機会がありますので、何か質問があれば話しかけてみてください。 なお、ドンは遺跡に辿り着くとその力を使い果たしますので、同じルートを使っても容易に遺跡へはたどり着けません(いわゆる片道切符)。 ここだけの話ですが、ヒルルクはこっそり皆様のあとをついてきています。当然ドンの姿も確認していますが、冒険者と敵対するなと征竜に言われていますので出てこれません。本人は隠密状態ですが、高レベルの索敵スキルであれば彼女の存在に気付けるでしょう。※征竜の加護があるヒルルクの抵抗値は結構高いです。 ヒルルクの存在に気付いた後どうするかは皆様次第です。撃退するか、説得するか、それとも無視するか。色々な選択肢があると思いますので、気になる方はプレイングにてお願いします。 冒険シナリオの体をとっていますが、メインは登場人物から情報を引き出す依頼になります。世界の趨勢にかかわるような凄い情報も飛び出すかもしれないので、うまく話を運んでみてください。

マスターより

お世話になっております。真柄 葉と申します。 今回の依頼は【鬼哭】連動のお話になります! 皆様には快癒したかと思えば、突然失踪してしまったドンを追って、サウゼル大樹海へと向かっていただきます! ドンが向かっている遺跡は、『左腕』ちゃんも知っていたりするなんだかいわくありげな遺跡なんですが、一体何があるんでしょうね。ドンが行きたがっているくらいなので、一週間祈祷して蝋燭の火が消えなければ寿命が延びる儀式(わかる人にはわかる)とかできるんでしょうか……いや、流石にそれはないか。ない……よね? ヒルルクの動向も気になる所ですね。このままいけばメンヘラ一直線な気がするので、何とかしてやってください(他力本願 何か質問がありましたらヴィルジニアかホリーが答えます。相談掲示板へ「Q:」の形で質問してください。 それでは今回のシナリオもよろしくお願いします!

リプレイ


「おいおい、そんなに警戒しねェでもこの道は大丈夫だ」

 ドン・ゴーフルの言葉が如何に自身に満ち溢れていようと、この雰囲気に包まれれば否が応でも周囲の警戒に意識が向いてしまう。
 サウゼル大樹海の緑の匂い濃い道なき道を往く。体調の芳しくないドンは、時折ギャメルに掴まりつつも、その目線と言葉、そして目指す先に迷いがない。
 しかし、いくらドンに大丈夫だと言われても、視線を巡らせるだけで見た事もない毒虫や小型の魔獣、蠢く植物等々……、まるで脅威の見本市かと言いたくもなるような密林で、警戒するなと言うほうが無理な話だ。冒険者達は最大限の警戒を維持しつつ、襲ってきそうな毒虫や小型の魔獣には先制打を浴びせつつ、ゆっくりと進んでいた。

「強さは大したことはないが……数が多いな」

 鼠型の魔獣に突き刺さった矢を抜きつつ、セリオス・オーガストが独り言ちた。
 ドンは大丈夫だというが、冒険者からしてみれば未知のジャングルである。どの様な事が待ち受けているかわからない。更には要人を護送するという名目がある以上、小さな脅威も見逃せない。セリオスは数多の索敵スキルを駆使しつつ、隊へ降りかかる脅威を事前に排除し続けていた。

「ここにも……一応な」

 セリオスは獲物から引き抜いた矢で、手近にあった木に目印を刻む。
 このジャングルに入る前、ドンから進む道は一方通行だと聞かされた。しかし、『決められた道』であっても、途中に何があるかわからない以上、できることは全てする。それが今まで長い間培ってきたセリオスの生存術だった。
 セリオスは目印を刻むと後方へと視線を移す。そこには仲間達に護られるドン・ゴーフルの姿があった――――。

「ドン、疲れたらすぐに言ってくれよな。行動食もたっぷり用意してきたからな!」
「ははっ、そんなァ食いしん坊じゃねェわ」

 体調に気を遣いつつ、何度も声をかけてくるギャメルの頭を、ドンは乱暴に撫でた。

「それにしても大樹海なのに、ほんとに平和だ」

 ギャメルは払いのけた大きな手の向こうに広がる大樹海を改めて見る。
 ゴブリン達の生まれ育つ秘境『サウゼル大樹海』。そこは原始的な弱肉強食の世界であり、常に危険と隣り合わせだ。しかし、この道はどうか。時折、虫や獣が襲ってくるものの、冒険者にとって脅威にはならない。

(一体どんな力が働いてるんだろう……)

 大樹海の日常を知る者として、この異様な道に興味が湧いた。ギャメルは魔法知識を総動員し、この不思議な現象を探ってみるが……。

「無駄だ無駄。てめェらの知識じゃわからねェよ」

 考えを見透かされたのか、ドンが隣で笑っている。ギャメルは驚くと共に大きくため息をつき、この不思議な道は不思議な力が働いているとだけ納得して、調べるのを止めた。

●

「ドン、謝っておくことがある」

 【超嗅覚】で近くに脅威を見つけたと離れたギャメルと入れ替わる様に、ヨル・スレイマンが彼の隣に立つと、ドンの身体を支えつつ、先日自身が携わった『事件』について語り始めた。

「サチコ君の行動を止めることが出来なかった。いや、もしかしたら俺は彼女の背を押してしまったのかもしれない」

 結果的にサチコは自らゴブリンの神へ至ると宣言した。それがヨルの行動の結果という訳では決してないだろうが、一端を担っていないとも言い切れない。

「でも彼女の気持ちもわかる。もし俺が同じ立場なら、同じことをしたと思う」
「……神になるか?」

 そう問いかけるドンには答えず、ヨルは再び口を開いた。

「ドン・ゴーフル。君はとても言葉が少ない。いや、雄弁なのは知っているが、子に対して向ける言葉が足りないのではないか? 親子だから言葉なんてなくても理解できる。それが信頼なんだと言われればそうなのかもしれないが……一度、彼女とはしっかりと意思の疎通をすべきだと思う」

 ヨルは「子のない俺が言っても説得力がないかもしれないけど」と少しおどける様に添える。

「そうだな、それが出来てりゃ苦労はない」
「……できない事なんてないさ、まだ間に合う。そして願わくば、君とサチコ君が手を取り、ゴールディを、そしてゴブリン達を背負い立つことが出来ればいい。何より、『大事な人』が自分を顧みないことほど辛い事はないからね」

 そう言いつつ、ヨルは樹上で警戒を続けるナハシュにちらりと視線を向けた。

「うん? 呼んだか」

 そんな視線に気づいたのか、ナハシュは木から降りてくる。

「別に呼んでないさ。辺りの様子はどうだ?」
「今のところは目立った脅威はねえな。お、そうだ」

 と、ナハシュは何か思いだしたのかベルトポーチをもぞもぞと漁り出す。

「じゃーん! どうよこれ、珍しくないか!」
「……捨ててこい」
「なんでだよっ、美味いかもしれねぇだろ!」

 ナハシュが見せたのは、ドブに浮いた廃油の色とでも表現するのか、とにかくヤバそうな果実だった。

「なんだよ、折角採ったのに……あ、ドン、食うか?」
「ああ、それは旨いぞ」
「マジかっ! ほら、ヨル見てみろよ!」
「ただし、食った後、三日三晩ケツが――――して――――するがな」
「……」

 無言でポイっと果実を捨てたナハシュに、ヨルは溜息をついた。

「それはそうと、俺も聞きたい事があるんだけどいいか?」

 ヨルに支えられるドンの正面へ回り込んだナハシュが、後ろ歩きに問いかける。

「俺に答えられることなら、構わねェぞ」
「お、流石我らが王様! そんじゃ、まずは――――」

 ドンの快諾にナハシュは笑みを作り質問し始める。

「ドンにしろサチコにしろ、ゴブリンが『神』って奴になったら何が起きるんだ?」
「んなもん、なってみなきゃわからん」
「は? わかんねぇのかよ」
「ったりめェだろう。ただまァ、神になった者の望みを叶えることが出来る……って、感覚はあるな」
「はぁ? 感覚かよ……って、望みをかなえる? それはゴブリンが正式に『ヒト』になるって事か? んんん? んじゃ、別の種族と子供作ったら必ずゴブリンになるっていう『仕様』は解消されるのか?」
「さァな。だから、なってみねェとわからねえよ」
「んだよ、結局何にもわかってねえじゃねぇか」

 色々と期待していたナハシュの落胆に、ドンはカカカと笑った。

●

「この先に草原があるぞ!」

 隊の先頭を行っていたハヤト=ガラン=ヴォルファングが戻ってきた。ハヤトがドンに状況を報告すると、彼はそのまま進めと指示を出す。
 冒険者たちがドンの指示に先へと進むと……。

「広い……こんな所があったんだ」

 ゴブリンであるギャメルからしても、目の前の景色は驚きだった。鬱蒼とした密林が突如として開け、まるで帝国の大草原かと見紛う景色があった。

「皆、ここからは隠れる所がない。更に警戒を強めて行こう」

 見通しのきかないジャングルも脅威であるが、見通しが良すぎる草原もまた脅威だ。その危険性をわかっているからこそ、ジュスト・ヴェルジーは改めて仲間に注意を促した。
 ドンを中心に置き、冒険者達が全方位を警戒しつつ草原を進む。下草は膝あたりまで茂っており地面は視えない。

「ドン、足元が悪いから気をつけろよ。何なら掴まってくれててもいいぞ」
「はは、そこまで耄碌しちゃいねェ――――おっと」
「ほら、言わんこっちゃない!」

 ドンの容体を気にかけるギャメルが、ふらついた身体を素早く支える。

「ちょっとつまずいただけだろぅが。大げさなんだよ」
「そうは言っても、オレは昏睡状態だったドンを見てるからな、心配にもなるぜ」

 しつこいくらいに心配してくるギャメルにドンも折れたのか、「好きにしろ」と言ったっきり、なされるがままになった。ギャメルはドンを言い負かした事に内心ちょっと愉悦を感じつつも、表には出さずケアを続ける。

「そういえばドン、アンタはなんでイダや征竜の巫女に命を狙われるんだ? ゴブリンの神が誕生するとそいつらが何か困るのか? ……いや、でもそれじゃイダがサチコを神にしようと唆したのが妙か……」
「何ブツブツ言ってやがる。まァ、それは気になるよな。だけどよ、正直な所、俺にもわからねェんだ。気まぐれなのか、単に気に食わないのか。直接本人に会って聞きゃいいんだろうが、わざわざ罠にはまりに行ってやる義理もねェしな」
「わからないって……そんなのあんまりじゃないか! 訳も分からずに命狙われてんのか!?」
「ま、そうなるわな」
「そうなるわなって……自分の命――――あ! それじゃ、今ドンがしようとしてる事って、イダへの対抗策なのか! アイツをぶっ倒すための!」
「ああ、そうだ。冒険者達に直接殴りに行ってもらうための裏口を開けようとしてんだ」
「へぇ、裏口……は?」
「サチコが向かってる場所へ通じる道を開く為――――奇襲を吹っかけるために俺は動いてんだよ」
「……き、奇襲!? そんな話はじめて聞いたぞ!」
「そりゃ、言ってねェからな」

 驚くギャメルに相変わらず人を食ったような笑顔を浮かべるドン。

「そういう大切な事は先に……はっ、そうか……アダムがアキュアリスタの遺跡に逃げ込んで転移装置みたいなもん起動させてたのって……」
「ほう、そんなとこにもあったのか。そりゃ知らなかったが、そうかそこにもあるなら裏口が二つになったな。こっちの裏口はサチコも予測してるだろうから、もう一個の裏口があるのなら奇襲の成功率は増すな。いい情報だ、よくやったな小せェの」

 ずっと謎だった部分がいきなり繋がった事に理解が追い付いていないギャメルは口をパクパクと動かしている。

「面白れぇ話だな。俺もあんたに聞きてぇことが色々あるんだが、いいか?」

 そんな二人の話が耳に入ったのか、最前線で警戒に当たっていたハヤトが戻ってきた。
 ドンは「ああ、構わねェよ」と承諾し、ハヤトの質問に耳を傾ける。

「俺がこういうのもなんだけど、ゴブリンはなんでヒトになれたんだ?」
「なんだ大雑把な質問だな……まあ正直な所、その辺よくわからねェんだ」
「わからない? あんたがやったんだろ?」
「まあ俺が導いた事に間違いはないが、ヒトにしたわけじゃねェ……そうだな、幼く純粋だったドン少年が一生懸命『カミサマ』にお願いしたから――――かもな」
「かもなって、んな適当な……。うん? それじゃもしかして、ドンが導いたから、アダムはこっちに寝返ったのか?」
「そう、それ! オレもそれが気になってんだ! アダムはどうしてこちらについたんだ。洗脳でもしたのか?」

 ハヤトの話を聞いていたギャメルも加わり、ドンへの質問は熱を帯びてくる。

「まずあれだ。俺への敵意を無くす」
「敵意を無くすってどうやって……ああ、そういう」
「何考えてるのかァ知らねェが、やり方は色々あるからな。んで俺に絶対服従するように意識を上書きしてやった」
「そ、そんな事が出来るのか……ドン、すげぇ……意識を上書きしたからアダムはドンに服従する様に……うん? それじゃ、古ゴブリンもそうやってヒトにしたのか?」
「鋭いな。まぁ、似た様なもんだ。ヒトにしたって訳じゃねェが、古ゴブリン達の無かった部分を育ててヒトもどきにしてやった。アダムのような上書きじゃなく、新しく書き込んだってのが正しいか」

 様々な情報が明るみになり驚きっぱなしの二人は、この機を逃すまいと更に質問を続ける。

「ドンはゴブリンの未来に何を望んでるんだ?」
「そうだな……亜人ではないヒトとしての未来、だろうな」
「そういう未来が本当に来るのか? オレはずっとゴブリンがヒトの一員として暮らしていける事が願いなんだ」
「なる。その為に俺ァ生きてきたからな」

 きっぱりと宣言したドンに、二人は視線を合わせ力強く頷いた。

「その為にもやらなきゃなんねえことがある。なぁドン、イダの狙いはなんだ?」
「狙いか……何考えてんのかわかんねェ奴だからな。ただ、あいつは俺に『種族(ゴブリン)への献身や愛情に感動したから、その重荷を取り払ってあげるわ』とかぬかしやがった。ったく、偉そうに」
「イダがそんな事を……それじゃ、征竜の方はどうなんだ? 巫女まで使ってヒトが神に至るのを拒む理由がわかるか?」
「んなもん征竜に聞けよ。それか巫女にな。俺だってむざむざ殺されたかねェよ」

 ハヤトの質問に、ドンは北を向きながら唾を吐き捨てた――――。

●

「一先ず偵察に出る。お前達は少し休憩していろ」

 草原を渡り切ると目の前にはまた密林が広がっている。セリオスは仲間達をその場に止めると、偵察に行くと一人密林へと入っていった。
 他の者達はセリオスが戻るまで休憩をとる。刈った草で火を焚き、腰を下ろすと、今までの疲労と空腹が一気に襲ってきた。
 各自が警戒しつつ食事をとり、まだまだ続く密林行の為に体を休める――――。

「隣いいかい」
「あ、うん。どうぞ」

 食事をとっていたエルゼリオ・レイノーラの元へ、ルチル・プルメリア・グレイハーツが歩み寄り、隣に腰を下ろした。

「よかったらどうぞ」
「ありがとう。だが、悠長に食事をとっている暇はなさそうだ」
「え?」
「……もうすぐあの子がここに来る」

 ルチルの言葉にエルゼリオは無意識に腰を浮かせる。

「焦るんじゃない。まだ草原の向こうだ」
「そんな……こんな所まで追ってくるなんて」
「アタイはあの子を待つ。アンタはどうする?」
「待つよ」
「そういうと思ったよ。それじゃ、話をつけてくる」

 力強く頷いたエルゼリオを残し、ルチルは他の仲間達の元へと向かい事情を話した。

「そうか……彼女が。わかった、こちらは任せて欲しい」
「すまないね。そちらは頼む」

 話を聞いたジュスト達は彼女等の想いを悟り、護衛から離れる旨を了承する。ルチルは「俺も話がある」と手を上げたハヤトを連れ、エルゼリオの元へと戻った。

 一行が食事をとり終える頃、セリオスが戻ってくる。セリオスはこの先に大河があると伝えると同時に、面子の数が足りない事に気付いた。

「何人か見えないが」
「ああ、ちょっと野暮用でね」
「……そうか」

 応えたジュストにそれ以上返さず、セリオスはドンの元へ。

「遺跡まではまだかかるのか」
「そうだな、あと3時間ってェとこか」
「なら、そろそろ出発した方がいい。安全なルートとはいえ夜は魔が出るぞ」

 セリオスの助言に皆は頷き、手早く出立の準備を始めた――――。

●

「いじわるね」

 草原に佇むローブ姿の人影が、掌に乗せた栗鼠を差し出した。

「気遣いだと言ってほしいね」

 栗鼠(ラト)は人影の手を離れルチルの元へと戻ってくる。

「それにしても妙な所で会うね。観光かい?」
「……目的を知ってるくせに、ほんといじわる」
「すまない。こういう性分なのはアンタも知っているだろう?」
「……知らないわよ」
「そうか、それは悲しいね」

 距離をとり対峙する両者は、互いに間合いを伺いながら言葉を交わす。

「ヒルルクさん、話がしたい」
「わたしはしたくない」

 エルゼリオがヒルルクに声をかけるが、すぐに拒絶の言葉が返ってきた。
 ヒルルクの瞳から『心』はうかがい知れず、ただただ暗く深い。それでもエルゼリオは言葉を投げ続ける。

「ボクの推測が間違っていないなら、キミは自らの意志でドンを誅殺しようとしている――――何故?」
「話したくないって言ったわ」
「……あの時のこと、ボクは怒ってないよ。あれはキミが征竜様からいただいた大切なご指示を実行するために必要な事だったんだよね」

 エルゼリオは先日大きな怪我を負った。そして、その怪我を負わせたのが目の前にいるヒルルクなのだ。エルゼリオは怒りなど微塵も感じさせない優し気な笑顔を向け続けた。

「手を止めてくれたのは征竜様がやめろと言ったの? それとも自分の意志でやめてくれたの? ボクは後者であってほしいな。キミが本当はとても優しい子だって知っているから」
「……」
「ねぇヒルルクさん、キミは自分がずっと泣きそうな顔をしているのに気付いている? とても辛そうで悲しい瞳をしているよ。
 キミにとってボクは何でもない存在なのかもしれないけど、その零れ落ちそうな涙を拭いてあげることくらいはできると思うんだ。だって、友達じゃない」

 そう口にしたエルゼリオの心を視えない針がチクリと刺す。それでもエルゼリオは笑顔を曇らせる事無くヒルルクに話しかけた。

「ボクはドンの護衛についている。どうしてもキミが彼に刃を向けるのなら、ボクが身代わりになる。こうすれば、キミは手を出せないでしょ? ちょっと卑怯な手かなって思うけど、ボクは護りたいんだ。ドンも、ヒルルクさんも」

 気持ちのこもった精一杯の言葉を受けてもヒルルクは何も応えず、無感情で三人を見つめる。エルゼリオは再びヒルルクに話しかけようとするが、それをハヤトが制した。

「なぁ、お前にとってドンは悪なのか?」

 ハヤトは何か言いたげなエルゼリオに、少し交代だと小声で告げると、ヒルルクに向かう。

「エルゼリオも言ってたが、どうせ征竜の命令でやらされてるんだろ? そんなに征竜が大切か」
「……」
「だんまりか。それって肯定してるのと一緒だぜ? ……まあいい、お前が征竜様一番ってのはよーくわかってっからな。だけど、もし征竜が自死しろって命じたら、お前は自分を殺すのかよ。違うだろ?」
「……違わないわ。それが征竜様のご意思なら喜んで死ぬわ」

 ハヤトが期待した返事はヒルルクの口から聞こえない。代わりに聞こえてきたのは彼女の頑ななまでの信仰だった。

「お前……自分で何言ってっか――――」
「ハヤト、交代だ」

 自分の身を蔑ろにするような発言に、ハヤトは思わずヒルルクに向かおうとする。しかし、踏み出す脚はルチルに遮られた。

「ヒルルク、アンタは前に言ってたね。征竜さまの言葉に従っていれば幸せだって。それは今も変わらないのかい? 悪いけど、アタイにはアンタが幸せな顔をしているようには見えない。大好きな征竜さまに従って動いているのに、なんで幸せな顔をしていないんだ?」
「……」
「だんまりかい。いいよ、アタイが教えてやる。アンタは覚悟に水を差されて、疑ってしまったんだろう? そして、疑った自分をごまかすために、無理を重ねようとしている。間違えたと思った時、間違えたまま続ける理由を探すのは悪い癖だ」

 饒舌に語るルチルの骨面から覗く鋭い眼光を、ヒルルクは睨み返す。その仕草自体が肯定を表すとわかっていても、それを認めることが悔しかった。

「だけどね、それはただ従うのではなく自分の頭で考え始めた証でもある。アンタは確かに変われているよ。アンタの中には今まで出会った人々の存在が息づいている。信仰を疑うのは辛いだろうが、これまでの日々を殺さないでくれ」

 いつも厳しいルチルの声音は、今とても柔らかい。まるで母が娘を包み込むように、ヒルルクを言葉の温もりで包もうとしている。

「こうやってみんなに心配されているんだ、苦しい時は頼ればいい。誰もそれを嫌だとは言わないさ。なぁ、二人共?」

 そういうとルチルはエルゼリオとハヤトを見る。二人もルチルの言葉に深く頷いた。

「俺はお前のこと好きだぜ。だから戦いたくねぇ」
「うん、ボクもす…………ええっ!? なになにどういう事ッ!? え、え、え……ハヤトさん、そうだったの……?」
「そうだったのって何……そ、そういう意味じゃねーしなに勘違いしてんだっ!?」
「そうだったんだ……全然気づかなかった……ボクもうかうかしてたら……うん……」
「おい、聞いてんのかっ!?」

――――ゴンッ!

「落ち着きな。まったく……」

 頭を押さえて蹲る二人を見下ろし溜息をついたルチルは、改めてヒルルクに向かう。

「見苦しい所を見せた……いや、違うな。ヒルルク、こっちは楽しいだろ? アタイ達といればこんな楽しい事が毎日続く。そう、以前のようにね」

 そう言うとルチルはヒルルクに手を差し伸べた。

「そうだぜ、今は色々と悩んだり迷ったりしてるかもしれねぇ。でも、お前が心から納得できる道を進めよ。じゃないと、後悔するぜ」

 ルチルに倣い、ハヤトがヒルルクに手を伸ばす。

「もしヒルルクさんが征竜さまの命令に従ってドンを誅殺すれば、きっと多くの人達に恨まれる。折角温めてきた人々との絆は永遠に壊れてしまうかもしれないんだ。ボクはキミにそんな未来を迎えて欲しくない。
 ボクにとって、その……キミは、命を懸けるに足る存在だと思っているから。帰ってきてよ、ヒルルクさん」

 最後にエルゼリオが手を差し出した。

「……」

 自分に向け真っ直ぐに差し伸べられた三つの手をヒルルクはじっと見つめる。三人はそれ以上何も言わずに、ヒルルクが手を取るのを待った。
 しかし、ヒルルクはフードを目深にかぶると三人の手を取ることなく踵を返す。そして、何も告げる事無く草原を引き返していった――――。

●

「お帰り」
「ただいま」

 渡河を前に準備を進めていた一行の元に三人が戻ってきた。出迎えたジュストは彼等の表情を見て、望んだ結末ではなかったのだと悟る。

「行けるかい?」
「ああ、もちろんだ。アタイ達の目的はドンを遺跡まで運ぶ事だからね」
「……そうだね。それじゃ行こう。もし仮に追跡者がいるとしても、この大河を渡るのは容易な事じゃないだろう。離岸さえしてしまえば、ひとまず安心だ」

 あえてそう口にしたジュストにルチルたちはゆっくりと頷いた。

 ジュストが皆に【ウォーターウォーク】をかけ、いよいよ渡河が開始される。

「水の中に何かいるかもしれない。索敵範囲を全方位に広げてくれ」

 途中、ジュストが何度か魔法をかけ直しつつ、一行は大河を渡った。警戒範囲が広がったとはいえ、渡るのに1時間近く要す。
 無事対岸へと辿り着いた一行はドンの容態を確認すると共に、周囲の警戒とこれから進むべき道の偵察を行った。

「この先に人工物らしきものが見えた。随分と崩れているが、あれで間違いないか」

 偵察に出ていたセリオスが密林の奥で発見した『遺跡』らしきものを報告すると、ドンは「間違いねェ。そこが目的地だ」と返すと、ようやく見えた終点に冒険者達の顔にも安堵の色が浮かぶ。

「エルゼリオ君、行けるか」
「……うん、ごめん。行けるよ」

 一人対岸を見つめていたエルゼリオにジュストは声をかけた。エルゼリオはジュストの気遣いに礼を言うと皆と合流する。
 そして、最後の行軍が始まった――――。

●
 最後の道中もやはりドンの『不思議な力』の影響下にあるのか、目立った脅威は現れる事無く、1時間ほどで目的の遺跡へと辿り着いた。冒険者達は今にも崩れそうな遺跡の手前でキャンプを張り、調査の打ち合わせを始める。

「ドン、この遺跡はどういう場所なんだ」

 皆が探索計画を練る中、ジュストはチョコを土産に木にもたれかかるドンに問いかけた。

「世界を守る『障壁』が薄い場所だ」
「世界を守る……? まさか、あちら側の世界に近い場所なのか?」

 驚くジュストが問いかけると、ドンはこくりと頷く。

「ここが極北と同様に障壁が薄い場所なら、あの『瘴気纏う腐緑獣』を呼び寄せた場所はここか。ならば、この崩壊具合はあの超大型クリーパーが出現した時のものか? 確かに破壊の跡はそれほど古くないように見えるな……」

 ドンから得た情報にジュストは深く思考の海に沈んだ。

「ジュスト君、準備が整ったぞ。突入の用意……おや、取り込み中かな?」
「世界の理に触れて楽しんでんじゃねェか?」
「世界の理?」

 カカカと笑うドンと考え込むジュストを交互に見てヨルは首をかしげる。

「まあいい。ドン、後は君の合図を待つだけだ」
「悪ィが、もう少しばかり時間をくれ」
「そうか、無理はよくないからね。しばし待つとしよう」

 ヨルはドンの横に腰を下ろし、持ってきた水筒を手渡すと、周りには聞こえない小声で呟いた。

「……ドン、イダを殺す方法を知っているか」
「おうおう、随分と物騒な事で」
「あれは人を殺し過ぎた。誰かが止めなければならない」
「それをてめェがやろうってのか? やめときな」
「何故だ? 君なら彼女を殺す方法を知っているのだろう」
「知らねェよ。あんなバケモンどうやって殺すんだ」
「それを知るために……いや、知らないのならいい」

 ヨルは言葉を飲み込むように水筒の水を煽る。

「ドン、質問しても?」
「ククッ、さっきのは違うのかよ。いいぜ、なんでも聞きな」

 先ほどまでの鋭い声とは対照的に世間話でもするかのように問いかけてくるヨルに、ドンは含み笑いしつつ応えた。

「では。君たちゴブリンに神は本当に必要なのかい? もし理由がわかるならそれも教えて欲しい」
「ゴブリンに、か。正直な所、俺にも神が何なのかよくわかってねェからな。必要かなんて聞かれちゃァ、わからねェとしか答えようがねェな。ただ俺はゴブリンが本当の意味で『ヒト』になる事を望んでんだ。それにはカミサマって奴にならねェといけないらしい」
「らしい?」
「なってみねェとわからねェからな」
「それが君の望む未来、か……。確かにゴブリン達にとってはそれはこの上ない幸福だろうね。ただ……ドン、君にとっては幸福なのかい?」
「……さてなァ」

 フードの隙間から覗くヨルの視線を受け流し、ドンは肩をすくめる。

「質問が悪かったかな。それじゃ、ゴブリンに真の意味での『ヒト』としての自由はあると思うかい?」
「ははっ、てめェの言う、ヒトとしての自由ってェのは何だ? ヒトってのは『自由』なのか、逆に聞きてェな」
「……そうだね。確かに君の言う通りだ。ヒトの自由。難しいね」
「だろ?」

 二人が同時に肩をすくめていると、ジュストがようやくヨルの存在に気付く。

「あ、すまない」
「いや、気にしなくていい。もうすぐ準備が終わるから、やり残した事が無いようにね」

 慌てて謝罪したジュストにヨルは口元に笑みを浮かべ立ち上がると、仲間達の元へ戻っていった。

「ドン、まだ質問は受け付けてもらえるだろうか」
「ああ、いいぜ」
「ありがとう。では」

 そう言うとジュストは咳払いを一つ。改めてドンに問うた。

「ドンはゴブリンという種を亜人からヒトにしたいから神に至る資格を得たのかい? それとも神に至る過程で亜人をヒトにする力を得たのかい?」
「ん? 俺ァゴブリン達をヒトにする力なんて持っちゃいねェぞ。俺が持ってるのはせいぜい『ヒトもどき』にする力だ。資格についちゃァわからねェな。いつの間にか神になる資格を得てたみてェだからな。そもそも、神に近づいた時に初めて、これ以上は無理であるか、それとも更に先に行けるかってェ境界線みたいなもんが見えたんだ」
「いつの間にか資格を得ていた……それは、ドン自身がヒトとして意識を萌芽させたのと関係があるのだろうか。」
「んー……ヒトだって意識したのは、大脱出の時に新天地を目指す意思を持った時かもしれねェな。もう200年も前だ。その後、てめェら『人類様』の文化に触れて、これを身につければ生き延びられるかもしれねェって思った」
「壮大な話だ。では神に至る者としての自覚は?」
「そりゃァ、征竜に脅された時だな。100年くらい前か?」
「な……」

 ここにきて征竜の名が出るとは予想していなかったジュストは驚いた。

「まさか征竜が関与しているのか……いや、世界の守護者を名乗るのだから当然か……はっ、それならドンがゴブリンの神になれば、サチコは神にはなれないのか? 種族で二神を仰ぐことになる。そもそも、神へと至るには本人のスペック以外に必要なリソースが存在するのなら、ドンとサチコに共通する資格はなんだ。近年の授恵者爆発や多数の超越者の出現……ドンのような神に至る資格を得る者……」
「はは、インテリは難しい事考えるな。わりィがその辺はわからねェ。俺自身の身に起きた事なら多少わかる程度で世界の理についちゃァド素人もいい所だからな」

 再び思考の海に沈みつつあるジュストにドンは苦笑する。

「ドン! 聞きたいこと思い出したぜっ!」

 ジュストが浮かぶのを待っているドンの元へ、ナハシュがやってきた。

「『ブレアの焔』だ。あれについて教えてくれ」
「うん?」
「そもゴブリンが何でヒトに混ざる事になったのか……そのきっかけだろ『ブレアの焔』は!」
「いや、違うぞ?」
「そうだよな、やっぱ俺のおも……違うのかよっ! それじゃ誰が何のために燃やしたんだ! ゴブリンがヒトを目指す最初の転換点だろ。それが無けりゃ今もまだゴブリンはここ(サウゼル大樹海)の中でゴブゴブやってた。違うのか?」
「ああ、そこに関しちゃァ間違ってねェよ。ただ、『消えない炎』は関係ねェ。話しゃァ長くなるから割愛するがな」
「そうなのか……俺はてっきり焔を得たからゴブリンがヒトに近づいたのかと思ってたぜ」

 純粋な興味で聞いた話ではあったが、予想とだいぶ違う内容に、ナハシュは肩を落とす。そんな時だ、ギャメルがこちらに駆けてきた。

「ドン、準備が整ったぞ。行けるか?」
「おう、そろそろいくか」

 ギャメルはジュストとナハシュの二人にも声をかけると、立ち上がろうとするドンの身体を支える。

「……これで色々決着つくのか?」

 ギャメルは先行する二人の背中を見ながら、小声でドンに聞いた。

「さァな」
「……なぁ、ドン。もし、今サチコに会ったらなんて言いたい?」
「そうだなァ、『ったく、馬鹿な娘だな、てめェはよォ』だな」
「馬鹿な娘……か。そうなのか。それじゃ、ドンの負担を減らす為にも――――」
「ああ、馬鹿娘をよろしく頼む。言ってきかねェ様ならぶん殴って止めてくれ」

 実の子をぶん殴れなんて言うドンに、ギャメルは吹きそうになった。しかしそれがドンの親としてのけじめであり、優しさなのだとギャメルは気付く。

 ついに遺跡へと辿り着いたドンと冒険者達。この今にも崩れそうな遺跡で、小鬼たちの運命の歯車は回り始めるのか、それとも止まってしまうのか。それは神のみぞ知る――――。

マスターコメント

お疲れさまでした! 魔境『サウゼル大樹海』の旅はいかがでしたでしょうか! ドンのおかげで平和(?)な旅となりましたね。目的地である遺跡は来月の決戦で重要な役割を果たすでしょう。 ドンへの質問の数々、ありがとうございました。 運営さんと相談しながら解凍させていただいております。遺跡の事、ドンの能力や思想、神について、イダや征竜の事……本当に色んな質問がきました。質問者さまにとってドンの回答は満足のいくものだったでしょうか? 少しでも世界の真理に近づけていれば幸いです。 ヒルルクの事も気にかけてくださってありがとうございます。 彼女に向けられた言葉は、彼女の心に何を落としたのか。その答えがあの行動なのかと思います。 え? わからん? そうですね、女心は複雑です(逃げた 鬼哭連動も来月でいよいよクライマックス! さてさて、ゴブリンたちの運命や如何に!!
ロングシナリオ

ロングシナリオ難しい 報酬:多い8 / 6〜8人

2023年01月31日 14時25分17秒 公開

成功

相談掲示板

  1. ジュスト・V・ケレス

    キャスターのジュストだ、よろしく頼む。 今回相談した方が良さそうなのは大まかにドンについてとヒルルク殿にしての二点だね。 1)ドンの護衛について ・遺跡迄どんな備えを用意するか ・隊列を組むならどんな形にするか ・戦闘含めドンの身が脅かされそうな場合の行動 ・ドンと何を話すか 2)ヒルルクへの対応 ・対話・説得or索敵はするがスルーor交戦も検討等々の対応方針 ・方針に沿った具体的な方策 他にも相談した方が良いこともあるかもしれないけれど、現時点でざっと思いついたのはこんなところ。 ドンやヒルルク殿にしたい質問などは擦り合わせなしで各自自由でも良いかとも思ったけれど、聞きたいことや話したいことが一人ではおさまらない場合は誰かと分担しても良いかなと思って一応相談事項案として挙げてみたよ。

  2. ジュスト・V・ケレス

    Q1: 解説の補足に 『本人は隠密状態ですが、高レベルの索敵スキルであれば彼女の存在に気付けるでしょう。※征竜の加護があるヒルルクの抵抗値は結構高いです』 とあるんだけれど、ここの文脈での抵抗値は看破に対する抵抗という意味で隠蔽値のことだろうか? それとも足止めなどのBSがかかりにくいという意味で普通に抵抗値のことを指しているのだろうか? ガイドだと索敵スキルの捜波について 捜波:X=X + (対象隠蔽値-(対象隠蔽スキルLv×4)) + (使用者命中値/10+(使用者看破スキルLv×4) - 対象との距離(hex数)) によって求められる値を 看破目標値とし、判定を行なう。 で、 対象を察知できた場合に付与できる【マーク】はバッドステータス解除スキルや自然回復判定で解除できない とあるから隠密と抵抗値の関連が解らず、ちょっと引っ掛かってしまって。 細かい所で申し訳ないが、該当文脈の解釈に悩んだので回答頂ける範囲ならご回答頂けると幸い。

  3. ギャメル

    ヒーラーのギャメルだ。よろしくな! >ドンの護衛 ウォーリア不在でとっさにカバリングができねぇってのは意識しといた方が良さげだな。 オレはなるべく防御重視の装備で、ドンの近くにいようかな。 ヒーラーのオレにとれる手段としては、光縛封で攻撃遮断、 ライフアンカーやヴァイタルによる死亡判定への対抗、 決死の覚悟のスケープセイント、ってあたりか。 >ヒルルクへの対応 索敵はするがスルー、って感じになりそうだ。 オレはこれまでヒルルクとの関りがなくて、彼女に心理的に適切な対応できるかは、ちょっと自信がないぜ……。 ただ、登場人物から情報を引き出す依頼だってのと、縁がなくてもヒルルクのメンタル状態が穏やかになってほしいってのはある。 対話・説得がしたいって人がいるなら、その思いを支持するぜ!

  4. ホリー・アッテンボロー

    はいっ、質問ですね。 Q1: 解説の補足に 『本人は隠密状態ですが、高レベルの索敵スキルであれば彼女の存在に気付けるでしょう。※征竜の加護があるヒルルクの抵抗値は結構高いです』 とあるんだけれど、ここの文脈での抵抗値は看破に対する抵抗という意味で隠蔽値のことだろうか? A1:捜波で言う所の『隠蔽値』の認識で問題ありません。他にも汎用スキルの「看破」など、スキル全般に適用されるとものして『抵抗値』と書かせていただきました。ややこしくて申し訳ありませんっ。 捜波でしたら命中を高めてみたり距離を調整してみたり、汎用スキルでしたらレベルを上げたりして、試してみてくださいねっ!

  5. セリオス・オーガスト

    ・・・ん、シューターのセリオスだ、よろしくたのむ 今回はウォーリアがいないようだからギャメルの言う通りいざというときまずいと思うから索敵を最大限高めて奇襲を避ける方向でいきたいところだな。 索敵するならとりあえず索敵を高めるホークアイや看破、捜波などは持っていけるのでそれで索敵するつもりだ

  6. ルチル・プルメリア・グレイハーツ

    情報屋のルチルだ、よろしく。 >ドンの護衛 アタイも護衛のために索敵をするつもりだよ。 命中を高めて看破、野外ならホークアイを足せばそれなり以上の成功率は出せるはずだ。 >ヒルルクへの対応 各人ヒルルクに対して思う事がある者や、逆に関わりが薄すぎて特段言うべき事が思いつかない者もいるだろうが、アタイはここで見つけて話しておきたい。 あの状態を放置してはますます拗らせるだろうし、何より言ってない事が山ほどあるからね…。 代わりにドンへの質問に割ける手は薄くなりそうだから、アタイの聞きたい分は他に託すつもりでいるよ。

  7. ジュスト・V・ケレス

    ホリー殿はご回答ありがとう、把握したよ。 >護衛 冒険者が傍にいる限りヒルルク殿はドンを攻撃できなさそうだけれど、俺達がドンと引き離されたり、はぐれてしまったらその好機は逃さないだろうね。 ドンと離れないようヒルルク殿の介入の他、遺跡迄の道中にある障害等々にも気を払いたいと考えているよ。 一応障壁設置系の魔法は一つ持っていく予定。 >ヒルルクへの対応 ヒルルク殿の説得は反対しないよ。 縁がある人は積極的に働きかけて良いと思っている。 ただ、どこで彼女と話す? 彼女の存在、位置を捕捉次第彼女に対応する人とドン護衛に分かれるかい? それとも向こうが尾行以上の行動に出るまで泳がせる? 個人的には目的の場所まで辿り着いた場合、征竜からの新しい神託が下って冒険者がいてもドンを殺めようとする可能性があることを危惧しているから前者かなと思ったんだが。

  8. ルチル・プルメリア・グレイハーツ

    >ヒルルクへの対応 >>どこで話すか? 「ドンの護衛」という観点で見るなら安全なのは途中で分かれて捕まえる事だが、危惧しているのは別班との合流が難しくなる事だ。 その時は来た道を戻ればいいだけにみえるが、道案内だけでなくドンのおかげで危険な相手との遭遇率まで下げられているとしたら途中で別行動を取る事は得策と思えない。 ヒルルクへ新たな信託が下る危険を考慮するなら、こちらの可能性も有り得ると思ったさ。 まあ遺跡まで到達して力を使い切ったドンに何が起こるか想像つかんし、道中休憩時間を取る時に引っ張り出せたらと思うがどうかね。 ドンの状態も良くなさそうだし、恐らく一息で歩き切るような距離でもないだろう。 >ドンへの質問 やはり気になるのはアダムの件も含め300年間ドンがゴブリンという種族に何をやって来たか、ゴブリンの神となる力を得るために何をしたか、サチコの件にこの騒動を止めさせるために何か算段があるのかという事か。 最後はは遺跡についてからのお楽しみになるかもしれないがね…。 ゴブリンを亜人から人間に仕立てたのであれば、ドンには初めから「周囲と違う」認識もあったかもしれないから、そこはとても気になるね。

  9. ハヤト=ガラン=ヴォルファング

    おーっす! ブレイブファング傭兵団のハヤト=ヴォルファングだ、よろしくな!! まずはヒルルクを察知する為には看破Lv7と超嗅覚の二段構えを考えてんぜ。 まずは見つけねぇ事には意味がねーだろーしな。 発見したら説得はしてみるつもりだ。 対話で止められなきゃ力づくもやむなしになっちまうだろうけどな… ヒルルクへの接触は二手に分かれるよりは一緒にいる時に呼びかける方を推すぜ。 理由は万一戦闘になっちまった際には全員で対応出来た方が対処出来る確率が高まると思うからな。 ドンにも聞きてぇことは色々あるからな。 この機会に聞いときてぇことは質問してみるつもりだぜ。

  10. ジュスト・V・ケレス

    >ヒルルク対応 >対応タイミング、場所 そうだね、別れて対応というか行動する場合のデメリットも大きいし、対話自体はルチル女史が挙げてくれたような休息時間等に誘い出して全員がいるタイミングが良さそうだね。 ただ、ヒルルク殿と交戦状態になってしまった時に全員で対応するのは賛同しかねるかな。 そうなってしまった場合俺はドンの安全を優先したいので、ドンを護衛してその場を離脱する者とヒルルク殿対応をする者に別れることを提案するよ。 合流を意識してヒルルク殿対応者も時間をかけずに切り上げるか、合流は考えず最後までヒルルク殿を対応するかは希望者によるけれど。 もし全員で交戦するなら戦闘で相手を無力化するというより、ヒルルク殿が俺達を追跡不可能なように道を塞ぐ等の方向性の方が良いのではと考えている。

  11. ヨル・スレイマン

    ヒーラーのヨル・スレイマン。宜しくね。 >ヒルルク君への対応 索敵をして話をするのは全然止めないし、良いと思う。俺自身も協力したい気持ちはあるけど、ちょっと索敵自体が得意ではないので無理な気がするね。この辺りは長けた方が多いようなのでお任せするよ。 >>対応タイミング、場所 基本は一緒にいる時に呼びかけるので賛成を。ジュスト君の意見と同じく、交戦状態になった場合は分かれるのがいいと思う。守りながら戦うのは素直に難易度が高いし、ドンの状態から考えてヒルルク君の対応に時間がかけられなくなることになる。戦いながらでも声かけをしっかりしたいなら、分かれたほうがいい気がするよ。 ただ少なくとも現状、こちらから攻撃を仕掛ける者はいないようだし、戦闘になる可能性自体は高くはないと感じている。なるべく戦闘にならないように留意して対応して、そうならないように動くのが良いんじゃないかなと思う。 >護衛 罠解除とかの汎用は持っていけるかな。あとは念のため回復とBS解除、もしもの時の光縛封あたりを持っていくことを考えている。

  12. ナハシュ

    シーフのナハシュだ。今回はよろしく。 >ヒルルク 索敵した結果見つかるのは仕方ねえからな! とはいえ現状そこそこ多そうに見えるから、コッチは索敵以外に木を回そうと思ってる。 対応するタイミングは休憩時間中というのは賛成だが、ヒルルクは今精神的に良くねえんだろ。 誘い出す行為がそれにあたるのかもしれねえが、先ず希望者、もしくはこの状態のヒルルクと対話できるものたちだけで会話を試みる、又はペットなどで接触を図る等のワンクッションを入れた方が良くねえか? 今のヒルルク的にただの邪魔な冒険者が多く、かつ目の前に殺したい対象がいる中での説得は結構精神不可がすごい気がするし、接触を図る間此方がきっちり警戒、護衛をしていれば一緒に対応してるのとほぼ変わらねえと思う。 戦闘も同じく此方が仕掛けない限り早々ならねえと思っているが、前回の報告書の様子を見る限り、正直二手に分かれてる余裕はねえんじゃねえのか。別れたとしてドンの護衛に最低1~2人、他はほぼヒルルクの相手くらいしないと止められそうにねえと思うんだが。 道をふさぐ、向こうの脚を止めるのを目標にやるなら、前回も嵌めていた穴掘り紋具の落とし穴が最良と思うが、2回同じ手にかかるかな!必要と思うなら持って行ってもいい。 >個人 ヒルルク対応を兼ねた索敵は足りてそうだから、護衛メインか前方の索敵、ルート上の危険把握に専念しようと思う。 あとは生活魔法も持って行っておくか。休憩用の。 ドンにはなんか適当に聴いてると思うぜ。情報収集という点ではルチルが言っているので同意見だ。

  13. エルゼリオ・レイノーラ

    ヒーラーのエルゼリオ・レイノーラです。どうぞヨロシクね! >ヒルルクさん 索敵は得意じゃないから他の参加者頼りになっちゃうけど、 索敵でヒルルクさんらしき存在を察知⇒頃合いを見計らってヒルルクさんを誘い出して対話を試みる、 ……って流れに賛成だよ。 対話の際はナハシュさんも言ってるように、まずは希望者でヒルルクさんと対話を行って様子見。 希望者以外はドンの護衛に当たる方向が安全な気がする。 >個人 ボクもヒルルクさんとの対話を希望させてもらうね。 ドンへの殺意を消す事ができるかは分からないけれど――今のボクにできる精一杯の事を伝えたいと思ってる。 最悪の場合、ドンを護る肉壁になってでも凶行は止めるつもりだよ。 ドンにも聞きたい事は色々あるけど、ヒルルクさんの事が落ち着いて余裕があれば……って感じかな?

  14. ギャメル

    >対応の分担 ヒルルクとドンの対応に分かれるんなら、オレはドンの護衛を継続してぇな。 ヒルルクとどこで話すかやタイミングについては、難しくて判断に迷ってるぜ……。 >索敵 オレは魔獣とか樹海の普通の脅威に絞って警戒しとく。 秘密ルートの恩恵で普通の敵とはそんなに出くわさないだろうし、オレ自身の索敵能力も高い方じゃない。 一番の狙いは、高い索敵能力を持つ人がヒルルク探しに専念できるようにすることだ。ちょびっとでも役に立てれば嬉しいぜ。 >ドンへの質問 ゴールディのゴブリンの未来に繋がる話が聞けたら、と思ってるぜ。 あと、サチコの行動全部は肯定できねぇけど、高齢のドンへの負担が膨大ってのはオレもそう思うんだよな。一人にめっちゃ負担かかる体制は長続きしねぇ。 ドンの負担を軽減するためにゴブリンに何ができるか聞きたいぜ。

  15. ジュスト・V・ケレス

    >ヒルルク対応 ひとまず交戦は避ける方向で良いかな?  既に触れられているけれど、戦ってドンを守り切れる保障がないし、二手に分かれる余裕があるかも危うく、交戦状態からの足止めも難しそうだ。 ナハシュ殿が挙げてくれた懸念は同意するというか、ドンとそれを守る冒険者が複数眼前に揃っている状態では対話が成立しない可能性があるんだよね。 タイミング的には目的地にたどり着く前、休憩時などで良いと思うんだけど。 その前にワンクッション挟んだ上で、休憩時に周辺警戒という名目で対話希望者が少し離れた場所で接触というのがヒルルク殿的には一番話し易いのかなと思うけれど……この辺りはヒルルク殿のことをよく知っている方の考えを尊重したい。 全員がいる場でヒルルク殿と対話できるならそれはそれで良いけど、もしそれが難しいなら俺はヒルルク殿とは顔見知り程度だし、対話の邪魔になる気がするからドンの傍にいようと考えている。 >索敵 これは得意な面々にお任せするよ。 一応灯りは用意できるし、敢えて目につきやすくすることでヒルルク殿を誘導することなどは可能だと思う。 >ドン護衛 危険がゼロではないとのことだから障害に対する戦闘手段として識別可能な範囲魔法複数と、威力高めの単体魔法は持っていくね。 >ドンに対する質問 ドンがゴブリンの神になった場合、サチコ殿は神に至れないのか? またその逆も有り得るのか。 というのが気になっているかな。 神に至るのは種族ごと先着順、というか本人のスペック以外に必要な外部からのリソースが共通かつ有限だからなのか……その辺りも聞いてみたいところ。

  16. ルチル・プルメリア・グレイハーツ

    >ヒルルクへの対応 徒に刺激せずヒルルクへこちらの存在を伝える手段として栗鼠を寄越そうと考えていたから、もしアタイより先に尾行に気づけた者がいたら教えて欲しい。 以前にも栗鼠を使って自分の存在をヒルルクに教えた事があるし、「冒険者と戦ってはならない」という制約がまだ生きてるなら冒険者とリンクで繋がっているペットにも下手な事はできないはずだ。 ヒルルクとの会話の現場はドンが見なくてもいい所だと思っているから、合流が容易な程度にわかれるのは構わない。 しかしまあ、皆が皆ガチガチに戦闘する準備はしなくてもいいようにはする。 勿論可能性としては考慮すべきだが、言われている通り立って歩けているだけでも奇跡なレベルのドンを保護しながら戦うのは非常に困難だろう。 何人かが身を挺して時間を稼いでも護衛対象の分機動力が落ちるし、本気でドンを始末する気なら突破して追い縋って来るだろうという合理的な所が一つ。 もう一つは、ヒルルクと対話の時間をもらった上で戦闘に発展したならそれは事実上自分にとっての「負け」だからだ。 まあそうなったら潔くその場に残りでもするさ。 それと穴掘り紋具はヒルルクに見られず準備をする時間があったのと初見だからこそ成功した策だと思っている。 特に前者は重要だが今回は尾行されているからその条件を満たせない。 つまり別の事に字数を使う方がいい気がするね…。 >個人 最初に言ったように索敵と、ヒルルクをどうにかする事へ手を割くつもりだ。 その分疑問点にはここで軽く触れておいたので、ドンへの情報収集を頼みたい。

  17. ヨル・スレイマン

    >ヒルルク君の対応 交戦は避ける方向がいいと思う。この状態で人を攻撃してほしくないとも俺は思うよ。 二手に別れる場合、ドン側は1名か多くて2名だと俺も思っていたな。今回ウォーリアがいないから、単純に射線を通さないようにするのがかなり大変だと思っている。先行して進まないにしてもヒルルク君の攻撃範囲内にはあまりいてほしくはないし、それでも前衛を抜けてくる可能性があるならなるべく距離は取って欲しい気持ちはあるな⋯⋯。 >個人 ワンクッションおいてヒルルク君と対話するのは賛成。その時は俺もドン側にいる。 その場に留まって全員戦う、ないしそれに近い状況になった時のために、俺もスケープセイントを持って行っておくことにするよ。あとは一応1回は射線を切れる光縛封になるかな。 ドンへの質問はかなりしっかり皆書いていてくれそうだから、純粋に護衛に多めにリソースを割いておこうかな。 当日は宜しく。どちらの件も上手くいくといいね。

  18. ジュスト・V・ケレス

    では俺はルチル女史の分までドンからの情報収集につとめよう。 ヒルルク殿側は交戦に至る可能性は低いと思うし、文字数は目的地に至るまでの諸々の障害排除とドンへの質問に多めに割かせて貰うね。

  19. ナハシュ

    >ヒルルク オーケーオーケー、ワンクッション置いて適度に距離を保った状態から会話を始めてくれるならこちらとしても安心だ。交戦も同じく可能な限り避けれられればと思うぜ。 紋具も距離をとっているなら仕込みようはあると思うが、言う通り2回目なんだよな!やめておくぜ。ありがとさんだ。 >個人 ギリギリになっちまったが、以前書いたのの他に今の所どうしてもヒルルクとの交戦を避けられない場合の緊急避難でプリズムシャドウを持って行こうと思っている。メイン移動で10sq以内で移動→ドンにプリズムシャドウで強引に距離をとらせることが出来るかと思ってな。 とはいえ一時的にだがドンを一人にしかねねえから、問題があるなら言ってくれ。

  20. ギャメル

    >プリズムシャドウ シーフってこんなことできんのか! すげぇな、ナハシュ! 対象は1シナリオ1名限定だけど、回数自体は4回なのか。 ドンと光縛封持ちのヒーラーが至近距離にいた場合 移動4さえ確保しとけば射程6の光縛封で孤立したドンをガードできるぜ。 >特性スキル 緊急時にヨルがスケープセイントを使ってくれるなら、オレはヴァイタル用意するな。 ヴァイタルは接触しねぇと使えねぇから、離れすぎてるとかけられねぇけど……。 予備の光縛封もあった方が良いかな? オレも用意しておく。

  21. ナハシュ

    >ギャメル オーブ高いけどな!光縛で囲えるならかなり安全と思う。そしたら万が一の時は出来るようにしておこう。ないに越したことはねえけどな!

  22. エルゼリオ・レイノーラ

    >特性スキル ボクも最悪の事態を考慮して、【スケープセイント】はセットして行く予定だよ。

  23. ギャメル

    ドンへの質問はこんな感じになったぜ! 答えたくねぇって言われるかもだけど、思いつく限り聞いてみる。 「イダや征竜の巫女に命を狙われる理由」ヒルルクのいない場所で質問 「樹海に来た目的はイダへの対抗策のためか。何をするのか」 「アダムが使おうとしたアキュアリスタの遺跡の転送装置について、ドンも知っているか」 「アダムに施した支配力は、古ゴブをヒト化させたのと同じ力なのか別なのか」 「サチコに会ったらなんて言いたい」 「ドンが描くゴブリンの未来」 「ドンの負担を減らすため一般ゴブリンに何ができるか」

  24. ギャメル

    おっと、書き忘れてた! ヴァイタルは致命傷を受けた人にかけるようにしてあるから、エルゼリオがスケープセイントを使った時も対応できるぜ。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0