【学祭】舌鋒携え死地を踏む

弓月 蒼

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シナリオID:2487

オープニング

●白と黒
 青き血とは懐に刃、筆を盾とし、盛装を以てしろしめす。己こそが国家の旗手たると。
 絢爛優雅なる語らいは万象を瀟洒に彩るも。時に舌鋒携え死地を踏む。礼節とは、高貴を繋ぐ細糸なり。

                      ――――ウォルナス・デュフォード著 王国礼法概論

 ――――

「――――さて。これは招待に応じて頂き光栄至極。ごっこ遊びはもう良いのかな『白銀の薔薇』(アルヴァ・クラティエ)」

「御招待、並びに過分なお心遣い大変有り難く存じます。
 ですが……私は此度について、対等の立ち場でお話させて頂きたく思っております。至貴き『黒の後継』(アルベイル)様」

「……ほう。今まで貴族の義務と権利を拒否し続けた貴公が何を語る」

 特別教室棟、大会議室。相対するのは黒い礼装(タキシード)の貴公子。白い盛装(ドレス)の姫君。
 場が、『黒の後継』アルベイル・ライゼンナクトが開催した"夜会の真似事(パーティ)"――――だと言う点を加味すれば。

 縁故ある同級生として一応は招かれたと言え、明らかに“社交辞令”でしかない貴族派の会合に。
 現学園内『王党派』の代表格である『白銀の薔薇』オルファレナ・アルヴァ・クラティアスが姿を現したこと。

 これはいわゆる宣戦布告と取られても仕方がない。事実、周囲の空気は張り詰め今にも破裂しそうだ。

「――――未来を」

 はっきりと応じた白銀の姫君の要望には彩が無い。それはそれ、或いは月光めいた美しさはあるものの。
 普段の、まるで今にも弾けそうな陽射しを想わせる少女の姿は其処には無い。

 強いて言うなら、『学園長』として壇上に立つ際の"彼女の祖母(フォルトゥナ)"にこそ良く似て見え。
 その、まるで自らの弱さを自覚的に切り捨てた直後とでも言う様な。硬質的で無感情な眼差しを受けた竜の仔。

 アルベイルは自ら設えた"立食パーティ"の形式を放棄し、壁際に寄せて片付けられた椅子の1つを引き寄せた。

「……当会の参列者諸兄。真に申し訳ない事だが、王党派の姫君は夜会の礼儀を知らぬらしい。
 本来粛々と執り行われるべき食事会ではあるが故。主催者として改めて参列者の皆に謝罪申し上げる」

 最近声変わりの兆しを見せつつある、少年から青年への過渡期と言った高い声音(テノール)に。
 貴族派令嬢達が古式ゆかしい羽根扇で以て口元を隠し笑いを噛み殺すも。こんな物は形式美に過ぎない。

 "此処が敵地(アウェー)である"と言う事を強く意識させておくことは決して悪意ばかりに依る物ではなく。
 今貴様が挑もうとしているのはこれら万軍である。と言う応手である。白銀の姫も理解の色を瞳に過ぎらせる。

「その上で。王党派、学園派、無派閥。そして貴族派諸兄。俺は彼女の蛮勇にも近しい勇気に機会を与えたい。
 如何か。卿らの内で貴族の誇りを示しその慈悲を、この勇気ある花へ贈呈する事を厭わぬ者は承認を願う」

 疎らな。けれど確かな拍手が方々より響いた。それは勿論――――貴族派の、余裕の産物だと言って良いだろう。
 彼らは、自派閥の勝利を疑わない。――――唯一人、主催者たる竜の仔を除けば。

●選挙演説
「私は、現在の学園の在り方に疑問を憶えています。
 何故、貴族は貴族と共にしか在る事が出来ないのか。何故、庶民は庶民の隣にしか寄り添えないのか」

「それは、この学園が変化を拒み。そういった変化への拒絶そのものを直視する事をすら拒むから。
 私は第2学年――――来年第3学年となる者として。このままの学園を認める訳にはいきません」

「その為に、先ず一度そういった垣根を取り去る必要が有ると私は思います。
 折角の多種族、多文化をクラスに押し込めるなど、学びの機会をみすみす失おうとでも言う様なもの」

「私達はもっと広く、遠く、遍く人々の心に目を向けなければなりません。畏れず、理解していかなければ。
 その為に、私は先ず生徒会がその主導者として真っ先に泥を被らなければならない――――と、思います」

 それは――――恐らく。オルファレナが彼女なりに考えた選挙公約なのだろう。
 生徒会への協力者の拡張と相談窓口の常設化。学園内の問題を学生達で片付けようと言う学生自治の形。

「学園生同士が互いを理解しあう為、現在の。聴講生に頼りきりの学園自治を必ず改善してみせます。
 この想いが支持を得られた際には。どうか皆様とも貴族の派閥と言う垣根を超え、手を取り合えませんでしょうか」
 
 或いは、誰もが学園に対し愛着を持ち。先達が後輩を導く事を是とする様な場であれば理想的なのかもしれない。
 しかし貴族派の面々はその話を聞いて、如何にも興が冷めた様に乾いた拍手で応じた。

 当然だ。彼らにとってパンクリアース学園とは"貴族の物"――――だ。多文化クラスとは其処に割り込んだ異物。
 例外(イレギュラー)に過ぎず。彼らが相談を投げ掛けた結果、生徒代表と言う錦の御旗を生徒会が掲げるのであれば。

 結果として貴族達はただただ、歴史の積み重ねによって得た既得権益を奪われるだけ。と言う事になり兼ねない。
 今迄そういった疑似的な学園の自治を担って来たのは貴族達の貴族達による共同体(サロン)であるからだ。

 そういった物を損なって、誰が得をするかと言えば教師陣に権力圏を持つ王党派が一方的に得をするだろう。
 当人にその意図は無くとも――――背後にはその支援者であろう、学園長(フォルトゥナ)が透けて見える。

 『白銀(クラティアス)』と言う。王党派屈指の家格を以てすら、苦言らしき物が方々で滲んだ。
 当然、『黒の後継』はそれらを扇動したりはしない。むしろ、彼へ視線を向けた面々へ頭を横に振りさえする。

 同調が無いことは分かり切っていた。それほどに、あの『学園長』がこの学園に刻んだ爪痕は深いのだから。
 オルファレナの言う拒絶反応(アレルギー)の根本的な原因を、彼女自身が分析しきれていないこと。

 それを幼さと。未熟さと評するはあまりにも無体だろうが――――

「――――さて、これも良い機会だ。生徒会役員立候補者やその支援者は未だこの場に居るのではないか?
 折角だ。諸兄らも自らが選挙に勝利した暁にはかくの如く道を示すと表明しては如何だろう」

 ――――アルベイルは、其処で敵に塩を送る程相手を過小評価はしていない。彼女の確かな人望を。
 腹心の同胞にすら"詰めが甘い"と度々称される自らの欠点から、目を逸らしたりはしない。

「我ら貴族派が卿らの意見、余すことなく受け止めよう。此度は議論の場ではない。対話と交流の夜会だ。
 我こそはと思う者、彼の姫君の勇気に報わんとする者は速やかに手を挙げよ!」

 さりとて古来より『竜』とは非情なもの。王国社交界と言う伏魔殿で覇を唱える以上は。
 例えば自らに助けを求める者にすら――――必要ならばその爪牙を振り下ろす。そういう存在(もの)なのだから。

解説

 パンクリアース学園生徒会総選挙を知る者来たれ!(降って来る金貨) ●成功条件  『黒の後継』主催のパーティが恙なく完了する。 ●失敗条件  『黒の後継』主催のパーティで人傷沙汰を超えるトラブルが発生する。 ●状況  パンクリアース学園選挙期間。授業後に実施された『黒の後継』主催の食事会中。  参加資格は貴族であるか冒険者であること。(”授恵者であること”が厳密に無い)  また、『黒の後継』と個人的縁故を結んでいる冒険者には招待状が届いている。  飛び入りを許容している為、招待状の有無を問わず参加資格を満たしていれば参加して良い。  ただし、貴族の夜会(の真似事)である為、ドレスコードは”正装or準正装”であること。 ●演説  行動選択の1つ。対貴族派(穏健派、過激派含む)に対して行う選挙演説。  主催者である『黒の後継』の呼び掛けに応え壇上で自らの主義主張を訴える事が赦される。  演説順は当事者同士の合意が無い場合乱数決定されるものとする。 ●立食パーティ  行動選択の1つ。曲りなりにも公爵家令息が主催する食事会である。  王城のそれと比すればともかく学園内でも最高峰と言える料理が並べられている。   特に作るのに手間暇が掛かる帝国牛のローストや鮮度を保つのが難しいシャルガネ風海鮮丼。  ドワーフの火酒やサウゼル大森林産木苺のタルトなど各国の主要食材が潤沢な事が特徴。 ●『白銀の薔薇』  オルファレナ・アルヴァ・クラティアス。『白銀』侯爵家の姫。学園長フォルトゥナの孫娘。  第二学年第三教室所属ながら、ここ数週間は授業を休み選挙活動に専念している。  同教室への出席も無い為、何処で何をしているのかも不明瞭。  今回の食事会への参加も、事前連絡無しでの飛び入り同然。会場内には滞在している。 ●『黒の後継』  アルベイル・ライゼンナクト。黒の公爵家、『竜』ことライゼンナクト公爵家の次期家督継承者。  第二学年第一教室所属。生徒会総選挙では生徒会長に立候補しており着実に足場を固めている。  食事会もその一貫で、主な支持者である貴族派のみならず冒険者との交流を目的としたもの。  立場としては性急に過ぎる改革に否を唱える、対学園長派閥。 ●注意事項 ・場の空気感と言う物がありますので、親貴族派寄りの主張をする方が快く受け止められます。 ・選挙立候補者にとっては公約以上の主義主張を唱える機会となります。是非ご利用下さい。    

マスターより

 シリアス&ダークな展開を求めて三千文字。学園です。選挙です。想いの丈をシャウトするもじゃ。  弓月蒼です。パンクリアース学園生徒会総選挙応援回と言う事で、選挙演説会をお送りします。  いわゆる公子様とお姫様が丁々発止とやりあってますがご飯食べに来ました。でも全然OKです。  なお、選挙そのものの趨勢には影響を与えませんが、得た評価。積み重ねた物。人物の立場や心情。  今後の生徒会の対外的立ち位置などは取り返しがつく物ではありませんので、予めご了承下さい。

リプレイ


●夜会と言う戦場

 真似事、とは言え確りと整えられ絨毯が敷かれ、煌びやかに飾られた部屋はとても学園の一室とは思えない。

「ごっ……招待、ありがとうございます!」

「いや、良く来てくれたゲルダ・クライン。見事な振る舞いだ、今宵は楽しんで行ってくれ」

 招待者に恥をかかせまいと、きちんと盛装指定(ドレスコード)を守って来た『黒竜の小盾』ゲルダ・クライン。
 流石に緊張は押し隠せなくとも、『黒の後継(しゅさいしゃ)』への一礼は第五学年として堂に入った物。

 感心した様な一言に、けれど――――表情はあまり晴れない。

「アルベイル様、お招き頂きありがとうございます。ところで――――直ぐ登壇させて頂いて構いませんか?」

 続いた『1221年度パンクリアース学園生徒会 庶務』リサ・ベイカーは開口一番微笑んで斬り込んだ。
 誰より早く壇上へ上がった『白銀』の姫の影響だろう。今会場は、話題が生徒会役員選挙一色に染まっている。

 選挙について提言を述べるのにこれ以上はない好機であり……機運を逃して“商人”は名乗れない。

「無論構わん。存分に行って来ると良い、リサ・ベイカー」

 冷えた笑みで首肯するアルベイルと、何処か不安げなゲルダに頷きを返しリサが壇上へ向かう。
 その合間を縫うように、彼の眼前に進み出て一礼を投げたのは一組の貴族令嬢、令息だった。

「第五学年、ローザリカ・L・ディオールと申します。此度は夜会の主催有り難く存じます」

「同じく、第五学年。ジュスト・ヴェルジーです。どうぞ以後お見知り置き」

「ようこそ『竜』の夜会へ。ヴェルジー卿は"異種族交流会"に参加していたな、見覚えがある。
 リベラの商大祭には父(あれ)が感心していた。両名とも、望む通り見知り置こう」

 『指し手』ジュスト・ヴェルジーに『リベラの天秤』ローザリカ・L・ディオール。
 それぞれ王党派と無派閥の生徒会役員立候補者であり、家同士も縁のある2人ではあるが。

 付添え(エスコート)と言うのはする側より、される側の振る舞いが付添人の評価を直接左右する。
 求められているのは"極力穏便に"、"波風立てず"かつ"自らの主張を浸透させる"と言う難題への解だ。

「そこで提案が有ります」
 
 本来。主催者と客の会話に割り込むなど無作法も良い所ではあるが。
 『黒の試金石』アウレーリア・フォン・ネーベルベルクは元『帝国』貴族令嬢。社交界には多少知見がある。

 "訪問客"と"招待客"には配慮に差がある事を理解した上で声を放った。
 勿論、容認するかは主催者次第だが――――『黒の後継』は実利主義者だ。感情を成果に優先させない。
 
「ネーベルベルクの姫君か。何だ」

「此度の夜会。極力派閥間対立を表に出さず。あくまで紳士淑女として護るべき一線を維持する。
 との確約を行っては如何でしょうか?」

「それを夜会へ訪れた客人に遵守させろ……と?」

「いいえまさか。ただ誰も彼も貴族である以上。その程度の鷹揚さは持っておきたい所では……と。
 御挨拶が遅れました。アウレーリア・フォン・ネーベルベルク。お招き感謝致します」

「ナタリア・フィッツジェラルド、右に同じく。どうぞ宜しくお願い致します」

 此方は主従、と言う形を押し出すことで作法慣れしないナタリアはあくまで護衛。
 と言う立場を明確にする心積もりか。ある種の詭弁ではあるが、アルベイルは鷹揚に頷くに留める。

 そうして、これらのやり取りは公共の発言と受け取られる。結果は言うに及ばずだろう。
 "暗黙の了解"とは貴族の夜会における最も基本的な。そして重要な作法なのだから。

 "生徒会庶務を勤めさせて頂いている、リサ・ベイカーです
 『学園派』ではありますが本日は派閥関係なく、生徒会選挙に臨む皆さんへお願いに参りました"

 かくして――――リサの演説は始まる。

 ■
  
 "選挙活動は公正・公平であって欲しい。昨年わたし達は勝たされた、という思いもあり。
 今年は純粋に、候補者の主張を生徒各自が判断し、決めて欲しいと思っています"

 "学園は王国の縮図です。庶民が入学したことでより鮮明になりました。
 王国は貴族が主導するように、学園も貴族主導は自然――――とは思います"

 "ですが、貴族だけが良ければ良いのでしょうか? 貴族は庶民を導くものだとするなら。
 より良い王国はどうあるべきか、その為の生徒会選挙であったなら……良いな、と願っています"

 幾らかおざなりながら。けれど先に明言のあった"紳士淑女として護るべき"程度の温度で以て。
 ある程度の拍手の下、リサは壇を降りた。少なくとも、今伝えるべきは伝えた筈だ。

 勿論、古い貴族派の貴族達からすれば呆れる様な話だろう。庶民とは貴族を栄えさせる為に居る。
 未だにそう考える者は少なくない。この国に"均等"と言う概念はあれどそれは"平等"を意味しない。

 けれどゲルダとオルファレナは嬉しそうに拍手をしていた。其処は、事実として在る。
 続いて壇上へ身体の向きを変えたのはアウレーリア。それに頷く一方で。
 
 どうも他の令嬢令息より随分準備に時間を掛けたのだろう。化粧と盛装を確りと。
 "夜会の真似事"の域を完全に超えて整えた『夜に咲く白月』レティシア・レインフィールが到着した。

「至貴き『黒の後継』アルベイル様。今宵はお招き頂き、恐悦に存じます」

「どうも過分に気を遣わせた様だ。ようこそレインフィールの姫。卒業生ともなれば慣れた物か?」

「いえ、それほどは……――――アルベイル様、背が、伸びられましたか?」

 言われてみれば……程度の微小な差ではあるが。声音と良い、どうも遅めの成長期らしいと。
 肩を竦めて見せた彼にふと問い掛ける。それは確か。以前告げられた内容をなぞる様に。

「私も、成長出来ている……でしょうか」

「さて……努力は報われぬこともあるが、自らが自らを育む術は他にない。とは思うがな」

 ……例えば。と続いた言葉に釣られる様にして壇上に視線を向けてみれば。
 其処には、次の手番を捥ぎ取ったネーベルベルクの主従の姿が有った。

 自らの名と"融和"と"効率化"を軸とした公約に加え、『貴族派』派閥属と告げると暫く場がざわつくが。
 『帝国』貴族には一目置くのが『学園』での貴族の基本姿勢だ。少しすると、動揺は静かに収まって行った。

 "この一年、『学園』は嘗てない波乱を迎えました。在校生と新入生、貴族と平民、唯人(ヒューマン)と他種族間。
 これらの大小様々な対立。森人(エルフ)至上主義の蔓延等は風土を顧みぬ改革の反動。予見された事態ですらあります"

 "ですが、これらの鎮静化は幸運と部外者である冒険者の尽力であり自浄ではありません。
 急進性の裏には追従しきれぬ大勢の取り零しの声があり、新たに生み出される対立と苦痛があったでしょう"

 "緩和策が必要。それは教師でなく、当事者たる学生が主体的に行うべきではないでしょうか。
 アルベイル様の公約は、平和裏に外部を受け入れる現実策となる筈――――私は、その支援を行いたいのです"

 それを見上げる形で『黒の後継』が瞳を細める。表情こそ冷めた笑みから変わらぬ物の。

「見るが良い。没落した家、祖国は亡び、尚も自ら飛ぶべく異国の地で必死に声を上げている。
 あれは雛鳥だ。未だ脅威足り得ないが……その心根は、独善独歩の化身と言えよう」

 貴族ならばあの位で良い――――と結ばれたその言葉に思わずレティシアが瞬く。
 それは、彼女が教えられた"通り一辺倒の王国貴族観"とは、明らかに一線を画する物であったのだから。

●正しき道は鮮血の上に

「……亜人がアンタの傍にいては体裁が悪かろうと思ってな」

「ラー。お前は自らの武器の出来を由来で決めるのか?」

 『銀の双刃鬼』ナハティガル=ラーは大きく息を吐き自らの髪を抑えた。『黒の後継』にはこういった部分がある。
 普段は達観も過ぎる程全てを冷めた目で観測しながら、時折我儘じみた無理難題を突き付けて来る。

「――――誰もがアンタの様に考える訳じゃない。外聞と言う物があるだろう」

 と、事前に念押しして壁の華となるに当たり。彼は確りと唯人(ヒューマン)に見える様変装を施している。
 其処に音も無く歩いて来たのは銀糸の盛装(ドレス)の貴族令嬢。面識もある。『白銀の薔薇(オルファレナ)』――――だ。

「御機嫌よう、ナハティガル様。アルベイル様とは親しいのですか?」

「さてな。しかしそうして見ると流石は生粋の姫君と見える。アンタに政は不向きかと思っていたが」

「……私もそう思う」

 ――――裏社会などに長く浸かっていると、"苦手"と"不得手"の間に大きな乖離がある人物、と言うのがたまに居る。
 恐らく、オルファレナはそういうタイプなのだろうと彼はその仕草、振る舞いを観測してそう結論付けた。

 彼女は政が苦手だ。権謀術数に向く気質ではない。今も、恐らく情緒を極力圧し殺して此処に居るのだろう。
 だが同時に。恐らく今のは"相手が敵か味方か"を見定める所作であり、"味方を増やす為の"応答だ。不得手、とは言い難い。

 疲れた様に淡く笑う様は、ナハティガルの様に立場を明確に決めていない人間ならば心配になるほど不安定に見える。
 しかし、その瞳は揺れていない。覚悟を――――或いは、決意を固めた者の眼だ。

「決断と、責任を取る覚悟があるのなら、全てにおいて優れる必要はない」

「うん。でも私……本当は誰かを巻き込みたくも無いんだ」

「……そうだろうな」

 不可能であると分かっていて、その道を選んでおいて、誰も傷付けたくはないと言うのは、我儘だ。
 竜の仔と白銀の薔薇はある面良く似ていた。それは同時に――――相容れない、と言う事でもあるのだろう。

 ――――他方。アウレーリアが壇上を降りジュストと入れ替わる最中。
 護衛とは別の意味での壁の華と化していた『黒の後継』の元へ、やって来たのは小さな淑女、ゲルダ。

「ゲルダ・クライン。貴公は立候補は考えていないのか」

「わたしは、考えていません。――――今の学園の改革を……あまり歓迎できないんです」

 お互いに、壇上へと視線を向けながらのやり取りに。横目で見ると、アルベイルが首肯するのが分かった。

「商人の子、かつ小人(ハーフリング)と言う立場からすると……複雑か」

「はい。ですが、大なり小なり……変化を避けられないことも、事実だと思います」

「――――では、その時貴公はどうする」

 困惑の色を強く滲ませ、ゲルダは視線を赤い絨毯へ落とした。恐らく、彼はこう言いたいのだろう。
 "何かしなければならなくなった時に、力が無いのでは何も出来ない"――――と。それは、分かるけれど。

「わたしの立場だからこそ、出来ることがあって。せめて、悲しむ人を少しでも少なくできたら……」

「であれば戦わねばな。一歩引いて見ていた者の言葉は、"軽い"」

 びくりと、ゲルダの背が跳ねた。改めて目線を向ければ、『黒の後継』の赤い瞳と鉢合わせる。

「自ら血を流す覚悟があるならば"意志"を示せゲルダ・クライン。
 "己が哀しみを止めるのだ"と――――そう言えぬ者が、変化などと言う濁流に抗うことは適うまい」

 厳しい、言葉だ。ゲルダの中にその問への答えは無い。ただ、身動きが取れないまま気が付いた。
 ――――最初に会った時からそうだった。この黒い竜の仔はいつでも先ず自分が血を流してから問うのだ。

 "貴公はそのままで本当に良いのか"――――と。 

■

 ……時は、遡ること暫し。

「僕から、行く」

「待った、こういった場は先に動く方が負担(リスク)が大きい。なら、俺から行くべきだ」

「こういう時ばかり女性優先(レディ・ファースト)を反故にするのは如何な物かと思うね、浮名の高い婚約者殿」

「っ、それは卑怯だ……! この場でディオールの名を掲げる以上、損益計算を忘れるなよロゼ」

 何故直前になって揉めるのかと言えば、お互い意地っ張りだからとしか言いようがない。
 曲りなりにも『竜』の夜会。お互い私人ではなく"貴族"としての振る舞いを求められる場。

 両者『貴族派』属ではないとなれば安全策は無く。傷付くのは自分だけで良いと思えば、譲るにも譲れない。
 などと、そうこうしている間にアウレーリアの演説は終わり。

「いや、やっぱり俺から行く」

「あ、こらそんな強引なのがあるか! 卑怯なのはどっちだ……!」

 ローザリカの不平不満を余所にジュストが強く一歩を踏み出せば、力尽くで抑える訳にも行かず。
 そうして、3人目の演説者は『王党派』からと相成った訳だが。

 "先ず、私が公約で掲げた誰にとっても学び易い環境、というのは当然貴族や非授恵者も含まれています。
 自分も変わっていく学園に戸惑った身。学園自治に貢献してきた貴族が遠ざけられるは、遺憾と言えましょう"

 彼の言の多くは『貴族派』に大きく配慮した物であり。特に自らを貴しとする『過激派』から評価を得るに至る。
 一方で、会場に数少ないながら滞在している『王党派』や『無派閥』からは少なからず眉を顰められつつも。

 "とは言え王意に応え、学園を拓く事に助力するのも臣下たる貴族の務め。
 「学生議会構想」もその一環であり、生徒会外の生徒や各共同体から学園へ要望を通す、自治の一手段なのです"

 最終的に軌道修正して纏める事で印象を極力"丸く"収める事で最大多数の支持を狙うと言う、優れた弁舌を披露した。
 未だかつてない多くからの拍手を受けジュストは手応えを感じるも。

 それを見たローザリカは思わず心配の色を滲ませる。確かに、ジュストの論は上手く受け入れられた。
 但しそれは"この場では"と言う但し書きが付く。商談であったなら、彼女はこれを悪手と捉えたろう。
 
 彼がしたのは"期待の前借り"だ。借金と言い換えても良い。耳障りの良い言葉は確かに支持を買い易い。
 だがそれでいざ当選した時"思った物と違う"結果を出せば、落胆は"売り相場"として現れる。即ち、暴落だ。

(普段散々余計な世話を焼く癖に、またそう危ない橋を……!)
 
 敵ならば座して見守るが、政敵である"前に"ジュストは年下の幼馴染であり、婚約者だ。
 放っておくのは余りに寝覚めが悪い。取れる手は……然程多くは無いが。少なくとも、商談経験は幾らか勝る。

「第五学年、ローザリカ・L・ディオールと申します。
 ディオールが掲げる中立の下、『無派閥』として会計に立候補いたしました」

 入れ替わりで壇上に上がり告げると共に気合を入れ直す。さあ、覚悟の見せ所だ。 

●誠無くば死す、志無くば生きず

「ディオールがリベラ商会の名において掲げる中立の下、無派閥として会計に立候補いたしました。
 掲げた公約が意図することは貴族と庶民、双方が各々の利を得られる環境作り」

「部活動や共同体主導の催しを増やすことで、功績や後ろ盾の獲得機会など。
 各人の技量や力量に対して付加価値を生むことを目的と致します」

「それぞれの価値がそれぞれに対し拓かれる事で、双方に利が有ると考えておりますわ」

 ローザリカの論は非常に『利』に偏ったもので、"経済感覚に乏しい"令嬢、令息達にはあまりピンと来ない。
 逆に、この公約をじっと見定めるように聞いていたのは彼らに尽き従って付いて来た"商人達"――――だ。

 貴族の庇護下で経済を支配する『王国』商人達は、『同盟』商人に比して処世術に長けている。
 彼らは主人に対し夜会の後改めてローザリカの提案の価値を説明するだろう。当然自らの見解として。

(……少なくとも、こういうやり方をすれば直前の演説の印象はある程度拡散される)

 会場の半ばで演説に耳を傾けていたリサが頷く。上手い手だと思った。
 と言うのも。アプローチの方法が真逆だからだ。ジュストは『心情』に、ローザリカは『論理に』訴えた。

 となれば、思考は後の演説に方に引っ張られる。"期待"は"理性"によって一定鎮静化する筈。
 彼女なりに、婚約者を護る手段を模索したのだろう。その思考は酷く"商人"的で、彼女にも共感出来る物だった。

「……ナタリア、どう思う?」

「語りが上手いのは前者でしょう。少なくとも、ライゼンナクト卿からは一目置かれている様ですし。
 ただ、知性を感じるのは後者だと思います。彼女は"自分が出来る事"をとても良く理解している」

「貴女から見ればそうなるのね。では『白銀の薔薇』は?」

「現時点では検討に値しません。彼女は"法"と"摂理"を軽視し過ぎています。
 感情に訴える事は得手と見えますが、異なる理念を持つ者を納得させる為に必要なのは"情動"では無い筈」

 一方、壁際で壇上を見ていたネーベルベルクの主従は『帝国』の民と言う一歩離れた距離から。
 次々と語られる演説を観察し、熟考する。最早失う物は無い。何もかも亡くした後なのだから。

 だからこそ、彼女らは如何に"得る"かに貪欲だ。例えば今後誰と協調し、どの派閥が力を得るのか。
 主導でなくて良い。けれど機会は生かさねばならない。価値を示す事こそが、未来を築く唯一の手段なのだから。

 そうして――――演説を望む選挙立候補者が一通り済んだ頃。続けて進み出た人物に多くの学園生は数度瞬いた。
 何せ殆どの生徒にとっては全く面識の無い相手。彼女はあくまで"卒業生"である。

 それも卒業後2年以上経過している。"誰だ?" "いや、心当たりは無いな" "百合園会の御令嬢では?"等と。
 方々からひそひそ声が上がるのも止む無い事。そんな場で声を上げるには当人も余程の勇気を必要とした――――が。

 "肥沃の大地と多くの民。彼らを外敵から守り続けた誇りある貴族を有する王国が
 何故『帝国』『同盟』と共に三大国と謳われたか。不思議に思われた事は有りませんか"

 "『帝国』は能力至上主義による圧倒的な軍事力。『同盟』は徹底した合理性により成り立つ経済力を持つが故。
 本来在り得ない筈だった王国北方の不作で『王国』の優位性は揺らぎつつあります"

 この時点で、レティシアの誤算は2つあった。先ず、ただの学生(鈍感なもの)達が"北方の不作"なる事態を当事者意識で捉えていなかったこと。
 そして2つ目。常に矛先を内側へ向けて来た学園生達は、『帝国』にせよ『同盟』にせよ。

 現状然程脅威と感じていない――――特に『貴族派』は領地を内陸に持ち、生涯外敵と接点を有さない者が大半だ。

 "ヴァルザード侯爵家やゴルティエ侯爵家の事件により、民に貴族の存在価値を問われかねない今。
 世界が大きく変化しつつある以上、『王国』や『学園』もまた、変わらなければならないのです"

 結果……ぽかん、とした空白が場を満たした。それはレティシア自身全く想定していない状況だった。
 その乖離を目の当たりにする事が無かったレティシアは、此処に来て漸くこの『王国(くに)』に"危機感を覚えた"。

 "これからの未来を見据えた、矜持ある投票や活動を私は願います"

 貴族達の大半に、殆ど響いていない事が実感として理解出来た。そしてそれが何故かと言えば――――
 ――――彼らは、国の外側に"あまりにも無関心"なのだ。突き付けられたそれは、無理解より更に厳しい現実である。

(……知っている、つもりでしたが……)

 世界と言う目線が、この場の多くの学園生(貴族)達にはない。これでは不味いと、自分(レティシア)ですら分かると言うのに。
 
 ■

「……オルファレナ様」

 何処か消沈した様に声を掛けたゲルダに。帰り支度をしていたオルファレナが視線を向けた。

「はい。何でしょうか、クライン様」

「この一年間で、わたしたち異種族にとって学園は過ごしやすいものになったでしょうか」

 その問に。『白銀の薔薇』は少し考える様に口元へ指を当てた後。静かに頭を横に振った。
 それはゲルダの見解を裏付ける物であり。同時に、彼女がその事実を正確に理解している証左でもある。

「学園の改革が進むほど――――対立が進むほど。一部の貴族の方からの視線は強くなるばかり。
 異種族は"弱者"です。少なくとも今の『学園』ではそう。今のまま"対等"になんてなれません」

「私も、そう思います。それを無理に捻じ曲げれば、必ず何処かが軋み、弱い者へ矛先が向く。だから私は――――」

「そうです。そして此処から"貴族派の方々の意識"を変えるためには、理想を語るだけでは不十分な筈」

 ゲルダ自身。かなり意識して"厳しい"言葉を選んでいる自覚が有る。けれどそうしなければならないとも思っていた。
 オルファレナは。『白銀の薔薇』の言葉は綺麗だ。だが、改革と言うのはきっと、そういう物ではない。

 アルベイルとの対話を通じてそれを思い知らされた。彼女の言葉はきっと――――未だ、"軽い"のだ。

「彼らが真実"納得する"だけの、改革を是とするだけの理由が必要です」

「でも、理想の無い変化では先ず人の心が離れてしまいます」

「だからこそ"理想"を背負った上で、"現実"を変えられる指導者が必要だと、わたしは思うんです」

 それは言外に。今の彼女では"足りない"と突き付ける物であり。そして事実、そうなのだろう。
 オルファレナは彼女なりに努力している。けれど彼女が見せる未来には"現実感"がない。ゲルダは、支持出来ない。

「……私たちが"弱者"を守る。それでは、足りないと仰るんですか?」

「その"盾"が消えた時わたしたちがどうなるか……考えてみて下さい」

 沈黙が落ちる。ゲルダが一礼を送って踵を返す。それをナハティガルが遠目で見ていた。
 その背の側にはアルベイルが在り。彼もまた、一連のやり取りを聞いていた様だった。

「あの『白銀の薔薇』が向かう先。アンタが目指す先。それ程大きく差はない様に見える。
 だが、であれば当代一人で成し遂げるには過ぎた、気宇壮大な夢だ。覚悟はあるのか?」

「何故、今の権力構造が今後も持続すると考えた」

 問の意味を考えて、ゆっくりと振り返り目を見開く。それは、余りにも危険だ。
 知恵とは独占する事に意味がある。其処を無理に啓けば――――起きる激動は想像すら絶する。

「……まさか、庶民の眼を啓くとは」

「『貴族派』を掌握次第、『竜』が後ろ盾となり調整を施す」

 今植えているのは、その種だ。庶民の中に政治の専門家を生む、土壌造り。
 彼らの知識を貴族が吸い上げ政に反映した時――――それは必ず何処かで、主客の転倒(マジョリティシフト)を引き起こす。

「ラー。今は、まだ黙って見ていろ」

 弱者に盾を翳し護ると言う『白』と、弱者に矛を持ち立てと宣う『黒』。いずれにも善悪は無いとして。
 その道のどちらもが、”等しく鮮血で敷かれていること”を知る者は――――

 ――――――――この時点では、未だほんの僅かだと言えた。

マスターコメント

 皆様お疲れさまでした。弓月 蒼と申します。   この度はご参加ありがとうございました。この様な結末に至りましたが如何でしたでしょうか。  皆様至って真面目に政治討論して頂けたので無事『成功』と相成りました。  MVPは此度の演説で最も支持を受けた方にお贈りします。  その他、興味深い演説を頑張られた方で主催者が全くノーチェックだった方には、  黒い仔竜から称号を贈らせて頂きます。お受け取り下さい。  それでは、選挙期間もそろそろ終盤。ご縁がありましたらまた次の機会にお会いしましょう。
ミドルシナリオ

ミドルシナリオ易しい 報酬:無し8 / 8〜8人

2022年10月09日 07時44分29秒 公開

成功

相談掲示板

  1. リサ・ベイカー

    こんにちは、現生徒会庶務、リサ・ベイカーです、よろしくお願いします。 さて、今回、立候補者としては、 アウレーリアさん、ジュストさん、ローザリカさん が、既に立候補を表明され公表されていますが、他に立候補されている、もしくはする予定のかたいらっしゃいますか? 立候補のかたは、【1】で演説でしょうか? ちなみに、わたしは立候補しないのですが、アルベイル様、オルファレナ様両名及び全体に対して、 選挙活動に際するお願いとして、 【1】でお話させて頂きたいと思っています。 それで、順番などについて、問題が無ければ最初にお話させて頂きたいなと思い、皆さんへご相談です。 ちなみに話すことは、基本的に、 正々堂々やりましょう。 な感じで、どこかの派閥を応援する予定はないです。

  2. ジュスト・V・ケレス

    今回副会長に立候補させて貰ったジュスト・ヴェルジーだ、よろしく。 俺は今回【1】で演説だね。 順番についてはリサ嬢が最初にということも、内容についても俺は全く問題ないよ。 派閥については俺が王党派、ロゼが無所属、アウレーリア嬢が貴族派という内訳だけど発表順でリサ嬢のように希望があれば教えて欲しいね。 俺は今の所希望はない。 順番によってどういう風に話すかは少し考えようと思っているけれど。

  3. ローザリカ・D・ケレス

    会計に立候補している、ローザリカ・L・ディオールだ。 よろしく頼もう。 折角だから僕も【1】で演説をしたい。 順番については僕も特に希望はないかな。 無所属という気も一番楽だろう立ち位置だ、適当なところに配置して貰っても構わないよ。

  4. ナタリア・フィッツジェラルド

    ヒーラーのナタリア・フィッツジェラルドだ。宜しく。 私は特に立候補はしていないが、失敗条件の「人傷沙汰を超えるトラブルへの発展」を懸念して、貴族派のガス抜きに動けたらと思っている。 「場の空気感と言う物がありますので、親貴族派寄りの主張をする方が快く受け止められます」とある。 貴族派で立候補するリアが居るから、ヘイトコントロールやガス抜きは大丈夫だろうけど。 【2】の立食パーティが演説終了後と仮定すれば、終わった後のトラブルの可能性も無きにしも非ず。 応援演説という形で1にするか、終了後のトラブルの警戒という意味で2にするかは考え中だ。

  5. アウレーリア・フォン・ネーベルベルク

    ご紹介に預かりました通り、庶務で立候補させていただいております。 アウレーリアです、どうぞ宜しく。 私も此度は【1】にて候補者演説といたしたく。 順番につきましてもさしたる希望はございませんので、冒頭は先代庶務にお譲りいたします。 そちらでもお言葉頂けるかと思いますが、それぞれ候補者という以前に依頼を受けたる冒険者。 万一にも失敗条件を満たさぬよう、演説は相互に抑制的な対応に努める方針で合意頂けるものかと存じますが、宜しいでしょうか。 都合貴族派より出馬させていただきます身ではありますが、場は半ば一触即発の様相。 こちら、爆発させますのは私としても不本意でございます故……身勝手なお願いかとは存じますが、何卒宜しくお願いいたします。

  6. ジュスト・V・ケレス

    演説に関しては元々挑発的な内容にならないように留意するつもりだったし、人傷沙汰を超えるトラブルが発生するようなことにはならないように努めるのは異存ないよ。 ただ『相互に抑制的な対応』に関しては内容というか意味合いによっては承服しかねるから確認させて欲しい。 俺としては極力他の人の主張に対する言及はしないつもりでいたから、相互に抑制的な対応というのが他の派閥や主張に対する牽制を指すなら遠慮したい。 ただ抑制的な対応の意味合いが不必要に干渉・刺激しないということならその方針に否やはない。 アウレーリア嬢の意図としては後者の方で相違ないかな?

  7. アウレーリア・フォン・ネーベルベルク

    基本的にはその文脈で取っていただいて構いません。 有り体に申し上げれば、「煽り合い」に発展しかねないやり取りはお互い避けましょう、という明示的な安全保障、紳士協定のご提案です。 というのも、既にOPの時点で鞘当ての兆候が見られる次第で……。 ――えぇ、正直に申し上げれば周囲のNPCに対するポーズです。 或いは小芝居と呼んでも差し支えございません。衆人環視の中、口にする事に意味が有り。 主催者より促された者同士、眼前で合意されれば傍観者が勝手に剣を抜く道理もなく。 白々しくも八百長にお付き合いいただけたらと思う次第でございます。

  8. レティシア・R・クラティアス

    ごきげんよう。 卒業生のレティシア・レインフィールと申します。 皆様、よろしくお願い致します。 行動選択として『演説』と『立食パーティ』がございますが どちらかを選択して専念されるのもよろしいですし 均等、あるいはどちらかを重視した上で両方選択される、という手もございますね。 無論、選択を絞らない分だけ選択に対する行動は薄くなってしまいますけれど……。 私も此度は特定の方や派閥を応援する予定はございませんが 場合によってはリサ様とは少々方向性が似たようなものとなりますけれど 卒業生として学園の未来を担う後輩の皆様に矜持のある投票や活動をして頂けるよう お願いをさせて頂く事も視野に入れております。 仮に行う場合、私も順番に関しては拘りはございません。 ただナタリア様の仰るように演説終了後の立食パーティーや 演説中のトラブル防止も重要ですので、そちらを重視させて頂く可能性もございます。

  9. ゲルダ・クライン

    在校生のゲルダです。よろしくお願いいたしますね。 アルベイル様との『個人的縁故』といってよいのかは分かりませんが、おそらく条件は満たしていると思いますので、アルベイル様より招待されての参加、という形を予定しています。 現時点では生徒会役員への立候補は考えていませんが、立場的には無派閥――中立と捉えていただければと。 行動としては、立食パーティの参加者として『皆様の演説を聞く』ことを予定しています。 貴族派の集まりに後ろ盾を持っていない異種族の学生が招待され、これを受ける――という行動の意味は理解しているつもりです。 オルファレナ様も覚悟を以ってのことだとは思いますが、これ以上周囲の(主に過激派貴族の方々を)刺激をしないように、基本的には大人しく……はい、大人しく、している予定です。 ただ、個人として学園の変化(平民や異種族の大々的な受け入れ)を快く思っていないということは、オルファレナ様とアルベイル様にお伝えしようかなと思っています。 変革で最初に傷付くのは、――巻き込まれただけの、なんの力も持たない平民や異種族ですから。わたしたち異種族の学生は、票田としての数は心許ないかもしれませんが、彼らにとって無視できない規模にはなるとは思います。 諸々を承知の上での現在の公約――のような気もしますが、改めてこの場でお話しておきたいな、と。

  10. ナハティガル=ラー

    ナハティガル=ラーだ。――宜しく頼む。 俺はアルベイルとの『個人的縁故』で参加する形となる。 立場的にはアルベイル派となるが、だからと言ってパーティで応援活動をするつもりはない。 今回は『人傷沙汰を超えるトラブル』等が発生しない様、パーティが始まって終了する迄の警備を担当する予定だ。 不審な行動を取ろうとしている者が居た場合、即座に取り押さえられる様にパーティ中は会場を巡回していようかと。その過程で参加者に話を聞く事があるかも知れん。

  11. ジュスト・V・ケレス

    そういう協定なら謹んでお受けしよう。 演説の他には……オルファレナ様のお近くについて、頃合を見計らってお声はかけるつもりでいる。 本来ならこういう場で俺から声をかけるのは失礼なことなんだけれど、今のオルファレナ様は自分から声をかけるようなことは無さそうだし。 同じ派閥だから支えたい応援したいというよりは、単純に色々と心配なご様子だからね。

  12. ローザリカ・D・ケレス

    協定についても承知した。 元より、自身の公約によって目指すもの、得られると考えている利を示すなどを考えていて、 他派閥をどうこうしようというつもりはなかったし……此方としても問題はない。 口調についても、今はあえてこんな感じだが。 夜会ではそれに相応しい貴族としての振る舞いを心掛けるとも一応表明しておくよ。 態度ひとつとっても火種になろうものだしね。

  13. リサ・ベイカー

    ありがとうございます。 では、とりあえず最初に、前座として上がらせていただきますね。

  14. ナタリア・フィッツジェラルド

    発言が大分遅れてしまった。 他の面々がライゼンナクト卿との交友から招待状を得たり、選挙の立候補者や過去に学園の関係者だった者も居る以上、私が出過ぎた真似をするのもいかんか。 なら私は2に専念する。 表明が遅れたが、その意味では私からもベイカーが最初に表明する事に異論はない。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0