【夏果】うみあかり、夏、満ちては引き
奇古譚
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シナリオID:2349
オープニング
●
夏のフルーツなら、何処が良い?
――切欠はそんな小さな一つの問いかけだった。
ある女は言う。都市同盟のさくらんぼ。
ある少女が反論する。ゴールディのマンゴー。
ある女が高らかに言う。シャルガネのメロン。
そうしてああだこうだと言い争う彼女たちに、商人たちは新たな契機を見出した。
夏。トロピカルなフルーツ! 海の青、空の青、そしてフルーツの瑞々しい色!
次のブームはトロピカルフルーツだ!
斯くして商人たちは、あの手この手でブームを巻き起こしていこうと智慧を巡らせるのである――
●
辺境都市群の一角。其処に其の湖はある。
年に一度姿を現すアキュアリスタほど大きくはない。傍に立つカフェコテージから一望できるくらいの、小さめの湖だ。
其の湖には「うみあかり」が住んでいる。湖なのに“うみ”と呼称されるのは、嘗ての人々が海を夢見たからか。
うみあかりとは何か。其れをカフェを営む老夫婦に聞けば。
「さあて、何でしょうな」
なんて、曖昧模糊とした返答が返って来る。
うみあかりは湖に灯る細々とした青い輝き。
夏の間にだけ起こるものなのだという。
ことに夜によく見えて、まるで漣のラインを縁取るように輝く様は筆舌に尽くし難い。
発光器官をもつ小さな虫。
エーテルの摩擦。
いやいや、湖底での自然現象。
あらゆる議論が交わされてきたけれど、結局原因は判らないまま。
近くに立つカフェ“うみあかり”はそんな学会の紛糾など知らず、経営を続けている。
そういえば、今年はトロピカルフルーツが良いんですって。
流行に敏感な奥方の一言で、亭主は次のメニューを決める。
フルーツジュースに、トロピカルパフェ。シャーベットやゼリー。
成人しているならカクテルもお勧めだ。
テラスから見下ろす湖は、海のように青く輝いている。
其の輝きに照らされながら、今しかない今年の夏を楽しもう。
夏のフルーツなら、何処が良い?
――切欠はそんな小さな一つの問いかけだった。
ある女は言う。都市同盟のさくらんぼ。
ある少女が反論する。ゴールディのマンゴー。
ある女が高らかに言う。シャルガネのメロン。
そうしてああだこうだと言い争う彼女たちに、商人たちは新たな契機を見出した。
夏。トロピカルなフルーツ! 海の青、空の青、そしてフルーツの瑞々しい色!
次のブームはトロピカルフルーツだ!
斯くして商人たちは、あの手この手でブームを巻き起こしていこうと智慧を巡らせるのである――
●
辺境都市群の一角。其処に其の湖はある。
年に一度姿を現すアキュアリスタほど大きくはない。傍に立つカフェコテージから一望できるくらいの、小さめの湖だ。
其の湖には「うみあかり」が住んでいる。湖なのに“うみ”と呼称されるのは、嘗ての人々が海を夢見たからか。
うみあかりとは何か。其れをカフェを営む老夫婦に聞けば。
「さあて、何でしょうな」
なんて、曖昧模糊とした返答が返って来る。
うみあかりは湖に灯る細々とした青い輝き。
夏の間にだけ起こるものなのだという。
ことに夜によく見えて、まるで漣のラインを縁取るように輝く様は筆舌に尽くし難い。
発光器官をもつ小さな虫。
エーテルの摩擦。
いやいや、湖底での自然現象。
あらゆる議論が交わされてきたけれど、結局原因は判らないまま。
近くに立つカフェ“うみあかり”はそんな学会の紛糾など知らず、経営を続けている。
そういえば、今年はトロピカルフルーツが良いんですって。
流行に敏感な奥方の一言で、亭主は次のメニューを決める。
フルーツジュースに、トロピカルパフェ。シャーベットやゼリー。
成人しているならカクテルもお勧めだ。
テラスから見下ろす湖は、海のように青く輝いている。
其の輝きに照らされながら、今しかない今年の夏を楽しもう。
解説
●目的
カフェ“うみあかり”で一時を
●立地
辺境都市群の片隅にある小さな湖と、其の湖畔に立つコテージ+テラス型カフェ“うみあかり”が舞台です。(時刻は夕刻~夜のみとします)
湖はこの時期「うみあかり」があらわれて、青く輝きます。様々な仮説が学者によって立てられて来ましたが、真実はいまだ明らかになっていません。
害がない事だけははっきりとしています。
波に乗って「うみあかり」は湖面を揺蕩い、ゆるやかな漣の形に周囲を彩ります。
今回冒険者たちは「うみあかり」の偵察依頼を請けたという形になりますが……名目だけの話です。ゆっくりと夏の夜風を楽しんで下さい。
●出来る事
カフェで一時を過ごす事が出来ます。
この年はトロピカルフルーツが流行る、という事で、パイナップルやさくらんぼなど、夏が旬のフルーツで作られたスイーツが沢山あります。
カフェ“うみあかり”は夜はバーの顔を持っており、カクテルをお願いする事も出来ます(未成年者は強制的にジュースになります)
過ごす場所は選べます。
カフェの中でゆったりと過ごすのもよし。
テラス席で「うみあかり」を見ながら談笑するのも良いでしょう。
●トロピカルポイント(TP)
シナリオ結果によって溜まって行くワクワクなポイントです。
溜めると良い事があるかもしれません。
●注意事項
迷子・描写漏れ防止のため、同行者様がいればその方のお名前(ID)、或いは判るように合言葉などを添えて下さい。
また、やりたいことは一つに絞って頂いた方が描写量は多くなります。
マスターより
こんにちは、奇古譚です。
夏! ですね!
という訳で【夏果】参加シナリオです。他にも素敵なシナリオがありますので、見てみて下さいね。
今年の旬はトロピカルフルーツ! という事で、フルーツ一杯パフェを食べたり、フルーツのカクテルを頼んだりするのも良いのではないでしょうか!
目一杯楽しんで行って下さいね!
●
イベントシナリオではアドリブ控えめとなります。
皆さまが気持ちよく過ごせるよう、マナーを守ってイベントを楽しみましょう。
では、いってらっしゃい。
リプレイ
●
夜の湖がライトブルーに輝いく。
「うみあかり」は悠々と煌めきながら、風に吹かれる漣の軌跡を残している。
ゼラルム・エルホワイトはカフェ“うみあかり”のテラス席、柵に身を預けて其れを見下ろす。サニー・フォン・オルライトは其の現象が何を原因とするものであれ、美しいと思う。
ライトブルーとトロピカルカラーに彩られた夏が、此処にある。
●
沢山の“二人”が、カフェでの一時を楽しんでいる。
レティシア・レインフィールは其の中で一人、度の弱いフルーツカクテルを傾けていた。
友人、家族、或いは恋人。様々な関係があるのだろう。
偵察依頼、として請け負ったものの、「うみあかり」はライトブルーに輝くばかりで変わった様子は見られない。
このまま何もなければいい。そう思いながら、レティシアはまた一口、カクテルを喉に流し込む。
――誰か、誘うべきだったでしょうか。
そう思ったレティシアが思い浮かべた顔は、元は騎士、今は傭兵となった彼の顔。
誘ったら受けてくれるだろうか? ……。いや。こんな誘いを受けられるような状況にはない人だ。そしてそんな立場ではないと言うだろう。
何より、連絡手段がない。故にレティシアは、彼を誘う事は出来ない。
けれど……
レティシアは耳飾りを外した。蒼玉が美しい耳飾りだけれど、いま自分の手にあるのはこの一つだけ。もう片割れは彼が持っている。彼も何処かで、同じ空を見上げているのだろうか。どうか無事であってほしい。怪我などしてはいないだろうかと、不安が胸に蹲る。
――いつか。いつか彼の汚名を晴らし、奪ってしまったものを返したい。
罪人などというレッテルを剥がして、この景色を――例え自分が隣にいなくとも、彼一人でも眺めて、美しいと思って貰えるように。
其の為なら、
「私は、」
何だって、出来るのに。
●
「うみあかりも勿論興味深いですが、“とろぴかるふるーつ”なるものも気になっていましたの」
レイラ=ルナフィニスはそう言って笑う。水瀬・希と二人でテラス席について、注文を済ませた後の事である。
一方の希はそうやねと笑いながらも、少しだけ元気がない。内心では“こげんのんびりしとーとやっぱり落ち着かん”、そう思ってそわついているのだ。
「うみあかり」は気になる。けれど、動きたい。しんどい。
「うみあかりは見えるのかと気になっていましたが、此処からの眺めは素晴らしいですわね」
レイラは横に視線を移す。そう、其処からは夜に輝く湖が一望出来る。ライトブルーの「うみあかり」がゆらゆらと揺らめく様を美しいと思うのは、レイラも希も同じ。
「そーやね。ほそぼそゆーことば、蛍と似たよーな感じかもやねぇ」
「“ほたる”……ですの?」
「うん。レイラさんは知らんと? 青くはないんやけどね、丁度この時期に綺麗なんよ」
「まあ! そうなのですね」
「蛍、見た事なかね? じゃあ今度見にいこーかぁ」
「素敵ですわ! で、其の“ほたる”というのは……
レイラはまだ知らぬ“ほたる”に興味津々だ。其れは何かしら、と聞こうとしたところで、頼んでいたフルーツ盛り合わせが運ばれてくる。レイラの興味はふんだんに飾られたトロピカルフルーツに移って、ねえ希さん、と愛らしい笑顔を向けた。
「食べ合いっこしませんこと?」
「ええよぉ。でも何や、恥ずかしか。レイラさんは恋人さんともそう言う事すると?」
「え!」
オレンジを剥いて希に差し出そうとしていたレイラが、吃驚して声をあげる。…瞬きを一度、二度。そうすると白い頬に赤みが差して。
おやおや、と希は笑う。
「ええやんええやん! そうや、蛍も恋人さんと見に行ったらよかよ。デートスポットが増えたとね~?」
「まあ、まあまあ……わたしの思考が判りますの? 恥ずかしいですわ」
“ほたる”を恋人とも見に行ってみたい。そんな考えを言い当てられてしまった恥ずかしさを紛らわすように、レイラは希の為に剥いていた筈のオレンジを己の口に運んだ。
其の愛らしい仕草を見て、希は己にも恋人が出来ないものかと思案する。だが、こればかりは天の運んでくる縁だ。
世の中、難しいことばかりばい。
希は湖を見下ろした。「うみあかり」は何も言わず、ゆらゆらと揺らめくように光るだけ。
●
トゥーリとハリス・アル・ターミル、二人の想いが通じ合ったのはつい最近だった。
一年前にトゥーリが想いに気付いたのは、果たしてハリスより後だったのか、先だったのか。ハリスは掌中の珠よろしく、トゥーリを大切に大切に扱った。
互いに真面目だったのだ。相手を大切にしよう、この想いを大事にしようと思う…思っていたから、漸く最近になって一輪の恋の花を咲かせた。一年…いや、もっとかもしれない。時間をかけて、大切に育ててきた恋。
だから。
だから、こういう時くらい恋人らしいことがしたいと思うのだけれど、何をすればいいのかとトゥーリは首を傾げるばかりだ。
向かい合って座る二人。薄着のトゥーリに向けられる男たちの視線に、ひっそりとハリスは睨みを返した。自分の恋人なのだ。そう胸を張って……良いと思う。だから、男たちを睨み返すくらいの権利は自分にもあるはずなのだ。
――トロピカルフルーツ。
其の流行を耳にしたときにハリスが一番に考えたのは「恋人と共に楽しもう」ではなく「フルーツ栽培についての知識を得たい」であった。勿論すぐに自己嫌悪に陥った。“耕す者”の意を名に掲げる者としては間違っていないのだが、恋人を持つ男としては間違っているのではないかと思案に耽った。
誘ったのははて、どちらからだっただろう。トゥーリが勇気を出して誘うのも、ハリスが自己嫌悪から立ち直り誘うのも、きっと同時だったかも知れない。
そうして、二人の間には一つのパフェ。
パイナップルの黄色に、マンゴーのオレンジが柔らかく彩りを添える。赤いさくらんぼがちょこんと一番上に載っていて、とても愛らしいフルーツパフェ。
「――えっと」
スプーンを取ったのはトゥーリだった。恋人らしいことって、なんだろう。そう考えた末に手に取ったロングスプーンだった。夏の熱気にとろりと柔らかくなったアイスをひとさじ掬うと、ハリスに差し出して。
「巧く出来るか判らないけど。あーん?」
差し出す彼女は愛らしい。多分、世界で一番。
ハリスは頬に赤みがのぼっていやしないかと、己の顔を心配した。
トゥーリ殿は恋人だ。だから、こうして過ごすのも悪い事ではない筈だ。だが、矢張り面映ゆい……というより恥ずかしい。
だからハリスは、口を開けてパフェを享受するまでに数秒を要した。長い長い数秒。ぱくり、と恋人の持つスプーンから受け取ったパフェは、……きっとトロピカルフルーツで美味しい筈なのに、味を感じる事が出来なかった。
食べて貰えて良かったと笑う恋人の顔が、余りにも可愛かったから。味なんて判る筈もない。
●
夏の夜。熱く燃える太陽が沈んで、風を涼しく感じる。
ヨル・スレイマンとナハシュは二人、カフェのテラス席に座っていた。湖でゆれる「うみあかり」が良く見える席だ。
「どんなもんかと思ったら、本当に光ってるだけなんだな」
「そうだね。何か起こる訳でもないし……起こっていたら、此処にカフェなんて立っていないだろうけれど」
笑って肩を竦め、ヨルがカクテルグラスを揺らす。二人が嗜む酒にもトロピカルフルーツが使われていて、流行を身近に感じる。そしてヨルの前にはもう一つ、愛らしいトロピカルパフェが鎮座していた。パフェを頼む大の男を見て、腹を抱えて笑っていたナハシュが頼んだのは、サングリアとフルーツ盛り合わせ。
「本当に相変わらずだな! 甘いのに甘いのか、後で一口くれよ」
「滅多に食べられるものではないからね。一口と言わずナハシュも頼めば良いのに」
「一個食べられる気はしないんだよなぁ。一口で良い」
笑われても慣れたもの、じゃあ一口ね、とヨルは頷き、グラスを掲げる。
「さあ、乾杯! 程よく見学して程よく飲もう。何事も過ぎたるはってやつだ」
「そうだな。乾杯」
ちりん、とカクテルグラスが触れ合って、二人は仕事という名の談笑を楽しむ。うみあかりに異常なし。フルーツカクテルは美味しくて、酒が程よく回ってきた二人は最近の冒険や世情で話に花を咲かせる。
そうして二杯目に行こうかというところで、ナハシュが「うみあかり」を見下ろして呟いた。
「ああ光ってるとさ」
「うん?」
さくさく。
パフェのフレークをスプーンで砕いてクリームに混ぜながら、ヨルがナハシュに顔を向ける。
「中に飛び込みたくなるよな」
……沈黙が落ちた。
「……駄目だよ!?」
「はっは! 冗談だよ冗談! 過保護だなー」
「暗いし、何かあったら困るからね!?」
「大丈夫だって、判ってるよ」
果たして本当に判っているのか。
美しくカットされたオレンジの皮を剥きながら笑うナハシュを見て、ヨルは酔いが醒めそうになるのを感じていた。本当に飛び込まれたら……己も飛び込んで助けるしかない。
そう思ってしまうあたり、彼の言う通り過保護なのだろう。
一人は楽しげに、一人は不安げに「うみあかり」を見下ろしながら、二人の夜は更けていく。
●
エル=バ=ノイアンはさくらんぼとキウイフルーツのパフェを。
シルヴィア・A・カペルはマンゴーにココナッツのマカロンを飾ったパフェを、それぞれ頼んだ。
飲み物はココナッツジュースとサングリア。
酔いが少し回ったろうか。シルヴィアのほんのり赤い頬を夜風が撫でる。ランタンに囲まれたテラス席、ソファに並んで座り「うみあかり」を見下ろす。
「とても綺麗だ」
ぽつり、シルヴィアが呟いた。そうだな、とノイアンも同意する。
「景色もそうだが、……食べ物も凝っている。トロピカルフルーツが流行り出したのは最近だったと思うのだが」
「そうだね。店主殿の努力や発想力には頭が下がる思いだよ」
「……」
「……ノイアン?」
パフェをつつきながら喋ったから、巧く聞こえなかったのだろうか。
沈黙を落とすノイアンを不思議そうにシルヴィアが振り返ると、はっ、と気が付いたようにノイアンは顔をあげ、すまないと呟いた。
「こういうものを作ってやれたら、と考えていた」
「ああ。君は料理上手だからね。作ってもらえるのは嬉しいし、そんな日が来たら良いとおもうけれど……まずはこの店のメニューを楽しもう」
きっと其の為の“偵察依頼”だから。
シルヴィアが笑って、ロングスプーンにパフェを掬うとノイアンに差し出す。
はい、あーん。
言わずとも、そう雰囲気が語っている。
ノイアンは勿論、恥ずかしいと思ったが……シルヴィアのそんな仕草はきっと普段は見られないものだし、折角の誘いを断るのも勿体無い。口を開くとパフェを一口、相手のスプーンで頂く。……マンゴーの甘みが、クリームの控えめな甘さと交じり合って美味しい。
「……される側になると、……成る程。これは少し、気恥ずかしいな」
つまり普段はしていると?
おっと失礼。
ノイアンはもぐもぐとパフェを咀嚼して。シルヴィアは其れを、柔らかく優しい視線で見詰めていた。
夜だから。
知り合いがいないから。
色んな理由があって、何とでも言いようはあるけれど、まあつまり結局は君に食べて貰いたかっただけなんだ。あと、ちょっと照れる君も見たかった。
「――私にあげられるものは、決して多くはない」
「?」
「でも、君の為に“ただのシルヴィア”が出来る事があるなら、何でもしたいと思うよ」
これはサングリアの所為だ。
こんな言葉が心中から舌にのってころりと零れ出るのは、酔いの所為。
「……」
シルヴィアを見詰めて、ノイアンは静かに頷く。
「……感謝している」
其処に籠もるのは万感。共にいてくれる事。時間を共有してくれる事。
“ただのシルヴィア”として、いま、傍にいてくれる事。
何もかもに感謝している。其れ以上の言葉をノイアンは見付けられずに、だから、己のパフェをスプーンで掬うとシルヴィアへ差し出した。
カペル家の令嬢でもなく、授恵者でもない、ただのシルヴィアへと。
●
ジュスト・ヴェルジーとローザリカ・L・ディオールは二人、夜のテラス席から「うみあかり」を見下ろす。ライトブルーの光が時に混じり、時に分かれて輝く様は美しいの一言に尽きる。
二人とも頼んだものは同じ、さくらんぼと桃のパフェ。フルーツとして外れのない二つの組み合わせだ。
「其れにしても幻想的な光景だね」
「そうだな。他の場所ではあまり見ない輝きだ」
と言いつつも、ご令嬢の視線はパフェに真っ直ぐ注がれている。乙女は美しいものも好きだが、甘いものも好きなのだ。ジュストは勿論其れを心得ているので、指摘する事はしない。可愛いなあと思いはするけれども。
パフェをつつきながらそういえば、とローザリカが呟いた。
「さくらんぼといえば、口の中でへたを結ぶなどという技があると聞くが」
「へた? ああ」
聞いた事はある。そして其れが出来る者が一体どういう印象を受けるのかも。――ローザリカは其処まで計算して呟いたのだろうか? いや。妙な所で鈍い彼女の事だから、単純に知識の“前半分”だけ聞きかじったものを呟いたのだろう。
なら、恋人として全部教えてあげるのが宜しかろう。ジュストはパフェの上に載っていたさくらんぼのへたを指でぷつりと切ると、口に運んだ。
「え?」
目を丸くして、ローザリカがジュストを見る。
そうして数秒もせずに、ジュストは舌の上に乗せたへたをローザリカに見せた。少しはしたないけれども。しっかり結んであるのが見えるだろう?
「な……な! 本当にやる奴がいるか!?」
「話を始めたのは君の方じゃないか、ロゼ。――知っているかい? へたを結ぶ事が出来ると」
――キスが上手い証左だ、なんて言われているんだよ。
ジュストの追撃に、ローザリカはまさに薔薇の如く頬を真っ赤に染めた。
舌で、へたを結んだ。……いつも朗々と愛を語る、ジュストの舌。
……。あああああ!!
「破廉恥」
「心外だな、出来る事をしただけさ」
「うるさい! 変な記憶ばかり残してくれるな、この莫迦! ……ただでさえ、いつだって思い出すのは」
君の事ばかりなのに。
余りに恥ずかしくて、想いが正直にまろび出る。
パフェなんて食べられる心理状態ではない。スプーンで意味もなくつつきながらそう言葉にしたローザリカに、今度はジュストが目を丸くする番だった。
――俺の事ばかり思い出す? 本当に?
「へえ」
「……なんだ」
「其れは嬉しいな、と思って」
「……」
掌の上で遊ばれているようで、何とも居心地の悪い。
ローザリカはつついていたパフェを口に運び始める。口では相手に勝てないと判っているから。
ジュストはそうして邪念を払おうとしている愛しの令嬢に、優しい視線を向けていた。
可愛いロゼ。
そうして、俺の掌の上にいるとずっと思っていて欲しい。
そうすれば、君は俺の掌から何処にも行かないだろう?
夜の湖がライトブルーに輝いく。
「うみあかり」は悠々と煌めきながら、風に吹かれる漣の軌跡を残している。
ゼラルム・エルホワイトはカフェ“うみあかり”のテラス席、柵に身を預けて其れを見下ろす。サニー・フォン・オルライトは其の現象が何を原因とするものであれ、美しいと思う。
ライトブルーとトロピカルカラーに彩られた夏が、此処にある。
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沢山の“二人”が、カフェでの一時を楽しんでいる。
レティシア・レインフィールは其の中で一人、度の弱いフルーツカクテルを傾けていた。
友人、家族、或いは恋人。様々な関係があるのだろう。
偵察依頼、として請け負ったものの、「うみあかり」はライトブルーに輝くばかりで変わった様子は見られない。
このまま何もなければいい。そう思いながら、レティシアはまた一口、カクテルを喉に流し込む。
――誰か、誘うべきだったでしょうか。
そう思ったレティシアが思い浮かべた顔は、元は騎士、今は傭兵となった彼の顔。
誘ったら受けてくれるだろうか? ……。いや。こんな誘いを受けられるような状況にはない人だ。そしてそんな立場ではないと言うだろう。
何より、連絡手段がない。故にレティシアは、彼を誘う事は出来ない。
けれど……
レティシアは耳飾りを外した。蒼玉が美しい耳飾りだけれど、いま自分の手にあるのはこの一つだけ。もう片割れは彼が持っている。彼も何処かで、同じ空を見上げているのだろうか。どうか無事であってほしい。怪我などしてはいないだろうかと、不安が胸に蹲る。
――いつか。いつか彼の汚名を晴らし、奪ってしまったものを返したい。
罪人などというレッテルを剥がして、この景色を――例え自分が隣にいなくとも、彼一人でも眺めて、美しいと思って貰えるように。
其の為なら、
「私は、」
何だって、出来るのに。
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「うみあかりも勿論興味深いですが、“とろぴかるふるーつ”なるものも気になっていましたの」
レイラ=ルナフィニスはそう言って笑う。水瀬・希と二人でテラス席について、注文を済ませた後の事である。
一方の希はそうやねと笑いながらも、少しだけ元気がない。内心では“こげんのんびりしとーとやっぱり落ち着かん”、そう思ってそわついているのだ。
「うみあかり」は気になる。けれど、動きたい。しんどい。
「うみあかりは見えるのかと気になっていましたが、此処からの眺めは素晴らしいですわね」
レイラは横に視線を移す。そう、其処からは夜に輝く湖が一望出来る。ライトブルーの「うみあかり」がゆらゆらと揺らめく様を美しいと思うのは、レイラも希も同じ。
「そーやね。ほそぼそゆーことば、蛍と似たよーな感じかもやねぇ」
「“ほたる”……ですの?」
「うん。レイラさんは知らんと? 青くはないんやけどね、丁度この時期に綺麗なんよ」
「まあ! そうなのですね」
「蛍、見た事なかね? じゃあ今度見にいこーかぁ」
「素敵ですわ! で、其の“ほたる”というのは……
レイラはまだ知らぬ“ほたる”に興味津々だ。其れは何かしら、と聞こうとしたところで、頼んでいたフルーツ盛り合わせが運ばれてくる。レイラの興味はふんだんに飾られたトロピカルフルーツに移って、ねえ希さん、と愛らしい笑顔を向けた。
「食べ合いっこしませんこと?」
「ええよぉ。でも何や、恥ずかしか。レイラさんは恋人さんともそう言う事すると?」
「え!」
オレンジを剥いて希に差し出そうとしていたレイラが、吃驚して声をあげる。…瞬きを一度、二度。そうすると白い頬に赤みが差して。
おやおや、と希は笑う。
「ええやんええやん! そうや、蛍も恋人さんと見に行ったらよかよ。デートスポットが増えたとね~?」
「まあ、まあまあ……わたしの思考が判りますの? 恥ずかしいですわ」
“ほたる”を恋人とも見に行ってみたい。そんな考えを言い当てられてしまった恥ずかしさを紛らわすように、レイラは希の為に剥いていた筈のオレンジを己の口に運んだ。
其の愛らしい仕草を見て、希は己にも恋人が出来ないものかと思案する。だが、こればかりは天の運んでくる縁だ。
世の中、難しいことばかりばい。
希は湖を見下ろした。「うみあかり」は何も言わず、ゆらゆらと揺らめくように光るだけ。
●
トゥーリとハリス・アル・ターミル、二人の想いが通じ合ったのはつい最近だった。
一年前にトゥーリが想いに気付いたのは、果たしてハリスより後だったのか、先だったのか。ハリスは掌中の珠よろしく、トゥーリを大切に大切に扱った。
互いに真面目だったのだ。相手を大切にしよう、この想いを大事にしようと思う…思っていたから、漸く最近になって一輪の恋の花を咲かせた。一年…いや、もっとかもしれない。時間をかけて、大切に育ててきた恋。
だから。
だから、こういう時くらい恋人らしいことがしたいと思うのだけれど、何をすればいいのかとトゥーリは首を傾げるばかりだ。
向かい合って座る二人。薄着のトゥーリに向けられる男たちの視線に、ひっそりとハリスは睨みを返した。自分の恋人なのだ。そう胸を張って……良いと思う。だから、男たちを睨み返すくらいの権利は自分にもあるはずなのだ。
――トロピカルフルーツ。
其の流行を耳にしたときにハリスが一番に考えたのは「恋人と共に楽しもう」ではなく「フルーツ栽培についての知識を得たい」であった。勿論すぐに自己嫌悪に陥った。“耕す者”の意を名に掲げる者としては間違っていないのだが、恋人を持つ男としては間違っているのではないかと思案に耽った。
誘ったのははて、どちらからだっただろう。トゥーリが勇気を出して誘うのも、ハリスが自己嫌悪から立ち直り誘うのも、きっと同時だったかも知れない。
そうして、二人の間には一つのパフェ。
パイナップルの黄色に、マンゴーのオレンジが柔らかく彩りを添える。赤いさくらんぼがちょこんと一番上に載っていて、とても愛らしいフルーツパフェ。
「――えっと」
スプーンを取ったのはトゥーリだった。恋人らしいことって、なんだろう。そう考えた末に手に取ったロングスプーンだった。夏の熱気にとろりと柔らかくなったアイスをひとさじ掬うと、ハリスに差し出して。
「巧く出来るか判らないけど。あーん?」
差し出す彼女は愛らしい。多分、世界で一番。
ハリスは頬に赤みがのぼっていやしないかと、己の顔を心配した。
トゥーリ殿は恋人だ。だから、こうして過ごすのも悪い事ではない筈だ。だが、矢張り面映ゆい……というより恥ずかしい。
だからハリスは、口を開けてパフェを享受するまでに数秒を要した。長い長い数秒。ぱくり、と恋人の持つスプーンから受け取ったパフェは、……きっとトロピカルフルーツで美味しい筈なのに、味を感じる事が出来なかった。
食べて貰えて良かったと笑う恋人の顔が、余りにも可愛かったから。味なんて判る筈もない。
●
夏の夜。熱く燃える太陽が沈んで、風を涼しく感じる。
ヨル・スレイマンとナハシュは二人、カフェのテラス席に座っていた。湖でゆれる「うみあかり」が良く見える席だ。
「どんなもんかと思ったら、本当に光ってるだけなんだな」
「そうだね。何か起こる訳でもないし……起こっていたら、此処にカフェなんて立っていないだろうけれど」
笑って肩を竦め、ヨルがカクテルグラスを揺らす。二人が嗜む酒にもトロピカルフルーツが使われていて、流行を身近に感じる。そしてヨルの前にはもう一つ、愛らしいトロピカルパフェが鎮座していた。パフェを頼む大の男を見て、腹を抱えて笑っていたナハシュが頼んだのは、サングリアとフルーツ盛り合わせ。
「本当に相変わらずだな! 甘いのに甘いのか、後で一口くれよ」
「滅多に食べられるものではないからね。一口と言わずナハシュも頼めば良いのに」
「一個食べられる気はしないんだよなぁ。一口で良い」
笑われても慣れたもの、じゃあ一口ね、とヨルは頷き、グラスを掲げる。
「さあ、乾杯! 程よく見学して程よく飲もう。何事も過ぎたるはってやつだ」
「そうだな。乾杯」
ちりん、とカクテルグラスが触れ合って、二人は仕事という名の談笑を楽しむ。うみあかりに異常なし。フルーツカクテルは美味しくて、酒が程よく回ってきた二人は最近の冒険や世情で話に花を咲かせる。
そうして二杯目に行こうかというところで、ナハシュが「うみあかり」を見下ろして呟いた。
「ああ光ってるとさ」
「うん?」
さくさく。
パフェのフレークをスプーンで砕いてクリームに混ぜながら、ヨルがナハシュに顔を向ける。
「中に飛び込みたくなるよな」
……沈黙が落ちた。
「……駄目だよ!?」
「はっは! 冗談だよ冗談! 過保護だなー」
「暗いし、何かあったら困るからね!?」
「大丈夫だって、判ってるよ」
果たして本当に判っているのか。
美しくカットされたオレンジの皮を剥きながら笑うナハシュを見て、ヨルは酔いが醒めそうになるのを感じていた。本当に飛び込まれたら……己も飛び込んで助けるしかない。
そう思ってしまうあたり、彼の言う通り過保護なのだろう。
一人は楽しげに、一人は不安げに「うみあかり」を見下ろしながら、二人の夜は更けていく。
●
エル=バ=ノイアンはさくらんぼとキウイフルーツのパフェを。
シルヴィア・A・カペルはマンゴーにココナッツのマカロンを飾ったパフェを、それぞれ頼んだ。
飲み物はココナッツジュースとサングリア。
酔いが少し回ったろうか。シルヴィアのほんのり赤い頬を夜風が撫でる。ランタンに囲まれたテラス席、ソファに並んで座り「うみあかり」を見下ろす。
「とても綺麗だ」
ぽつり、シルヴィアが呟いた。そうだな、とノイアンも同意する。
「景色もそうだが、……食べ物も凝っている。トロピカルフルーツが流行り出したのは最近だったと思うのだが」
「そうだね。店主殿の努力や発想力には頭が下がる思いだよ」
「……」
「……ノイアン?」
パフェをつつきながら喋ったから、巧く聞こえなかったのだろうか。
沈黙を落とすノイアンを不思議そうにシルヴィアが振り返ると、はっ、と気が付いたようにノイアンは顔をあげ、すまないと呟いた。
「こういうものを作ってやれたら、と考えていた」
「ああ。君は料理上手だからね。作ってもらえるのは嬉しいし、そんな日が来たら良いとおもうけれど……まずはこの店のメニューを楽しもう」
きっと其の為の“偵察依頼”だから。
シルヴィアが笑って、ロングスプーンにパフェを掬うとノイアンに差し出す。
はい、あーん。
言わずとも、そう雰囲気が語っている。
ノイアンは勿論、恥ずかしいと思ったが……シルヴィアのそんな仕草はきっと普段は見られないものだし、折角の誘いを断るのも勿体無い。口を開くとパフェを一口、相手のスプーンで頂く。……マンゴーの甘みが、クリームの控えめな甘さと交じり合って美味しい。
「……される側になると、……成る程。これは少し、気恥ずかしいな」
つまり普段はしていると?
おっと失礼。
ノイアンはもぐもぐとパフェを咀嚼して。シルヴィアは其れを、柔らかく優しい視線で見詰めていた。
夜だから。
知り合いがいないから。
色んな理由があって、何とでも言いようはあるけれど、まあつまり結局は君に食べて貰いたかっただけなんだ。あと、ちょっと照れる君も見たかった。
「――私にあげられるものは、決して多くはない」
「?」
「でも、君の為に“ただのシルヴィア”が出来る事があるなら、何でもしたいと思うよ」
これはサングリアの所為だ。
こんな言葉が心中から舌にのってころりと零れ出るのは、酔いの所為。
「……」
シルヴィアを見詰めて、ノイアンは静かに頷く。
「……感謝している」
其処に籠もるのは万感。共にいてくれる事。時間を共有してくれる事。
“ただのシルヴィア”として、いま、傍にいてくれる事。
何もかもに感謝している。其れ以上の言葉をノイアンは見付けられずに、だから、己のパフェをスプーンで掬うとシルヴィアへ差し出した。
カペル家の令嬢でもなく、授恵者でもない、ただのシルヴィアへと。
●
ジュスト・ヴェルジーとローザリカ・L・ディオールは二人、夜のテラス席から「うみあかり」を見下ろす。ライトブルーの光が時に混じり、時に分かれて輝く様は美しいの一言に尽きる。
二人とも頼んだものは同じ、さくらんぼと桃のパフェ。フルーツとして外れのない二つの組み合わせだ。
「其れにしても幻想的な光景だね」
「そうだな。他の場所ではあまり見ない輝きだ」
と言いつつも、ご令嬢の視線はパフェに真っ直ぐ注がれている。乙女は美しいものも好きだが、甘いものも好きなのだ。ジュストは勿論其れを心得ているので、指摘する事はしない。可愛いなあと思いはするけれども。
パフェをつつきながらそういえば、とローザリカが呟いた。
「さくらんぼといえば、口の中でへたを結ぶなどという技があると聞くが」
「へた? ああ」
聞いた事はある。そして其れが出来る者が一体どういう印象を受けるのかも。――ローザリカは其処まで計算して呟いたのだろうか? いや。妙な所で鈍い彼女の事だから、単純に知識の“前半分”だけ聞きかじったものを呟いたのだろう。
なら、恋人として全部教えてあげるのが宜しかろう。ジュストはパフェの上に載っていたさくらんぼのへたを指でぷつりと切ると、口に運んだ。
「え?」
目を丸くして、ローザリカがジュストを見る。
そうして数秒もせずに、ジュストは舌の上に乗せたへたをローザリカに見せた。少しはしたないけれども。しっかり結んであるのが見えるだろう?
「な……な! 本当にやる奴がいるか!?」
「話を始めたのは君の方じゃないか、ロゼ。――知っているかい? へたを結ぶ事が出来ると」
――キスが上手い証左だ、なんて言われているんだよ。
ジュストの追撃に、ローザリカはまさに薔薇の如く頬を真っ赤に染めた。
舌で、へたを結んだ。……いつも朗々と愛を語る、ジュストの舌。
……。あああああ!!
「破廉恥」
「心外だな、出来る事をしただけさ」
「うるさい! 変な記憶ばかり残してくれるな、この莫迦! ……ただでさえ、いつだって思い出すのは」
君の事ばかりなのに。
余りに恥ずかしくて、想いが正直にまろび出る。
パフェなんて食べられる心理状態ではない。スプーンで意味もなくつつきながらそう言葉にしたローザリカに、今度はジュストが目を丸くする番だった。
――俺の事ばかり思い出す? 本当に?
「へえ」
「……なんだ」
「其れは嬉しいな、と思って」
「……」
掌の上で遊ばれているようで、何とも居心地の悪い。
ローザリカはつついていたパフェを口に運び始める。口では相手に勝てないと判っているから。
ジュストはそうして邪念を払おうとしている愛しの令嬢に、優しい視線を向けていた。
可愛いロゼ。
そうして、俺の掌の上にいるとずっと思っていて欲しい。
そうすれば、君は俺の掌から何処にも行かないだろう?
マスターコメント
お疲れ様でした。
「うみあかり」は今年も静かに、何も起こさずにいたようです。
そして多分来年も其の次の年も、何も起こす事はないでしょう。
夏はこれから。皆様に楽しんで頂けて何よりでした!
ご参加ありがとうございました!
イベントシナリオ(50人)易しい 報酬:標準13 / 4〜50人
2022年07月27日 23時16分25秒 公開
大成功
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