【砂塵】夢の向こう
馬車猪
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シナリオID:2055
オープニング
壮大な宮殿は風化した石材の積み重なりに。
蛮族国家建設に用いられるはずだった知恵は無能の妄想に堕した。
変わったのは現実ではなく認識だ。
緑を手に入れようとも砂を緑に変えようともしなかったはるか過去の時点で、人類に負けていたのだ。
「だが、まだ終わりでは」
飲食不要の性質を持つ授恵者が残っている。
しかしたった数十人でしかない。
それを理解できない者が徹底抗戦を叫び、理解できる者は溜め込まれた金を抱えて逃げようとする。
蛮族帝国建設を夢見た野心家もその部下達も、王国の地や砂漠で冒険者と戦い散っている。
「逃げた馬鹿者を連れ戻せ!」
最も歳経た砂漠の男の怒鳴り声が、人体が壊れる大きな音でかき消される。
剥き出しの床に中年後半の男が衝突。懐や背負い袋から古い金貨や金細工が零れた。
正門からオーガが歩いてくる。
痩せこけ乾ききっているのに威風堂々だ。
エーテルの扱いを身につけ、砂中で磨り減った命を見事なまでに有効活用して獲物の命だけを立つ。
「砂人形を出せ!」
長が玉座から命じる。
制御できませんという反論ができず、できたとしても受け入れられないのが彼等の限界だ。
獲物達が玉座の間から逃げ出す。
外に逃げる者はオーガが既に狩った。
砂漠の賊達がが向かうのは、宮殿で最も頑丈な場所だ。
大広間に溢れたサンドゴーレムが玉座に間に入り込む。
オーガが怨敵と戦っていた頃なら同族全員で立ち向かっても勝てるかどうか分からない相手だ。
エーテルと重ねた拳が砂でできた筋肉を貫く。
エーテルと重なる脚が床を蹴り砂でできた拳を回避する。
怨敵をなぞるような戦い方で、人類にも脅威として知られる砂人形数体を討ち取った。
老いたオーガが玉座に腰掛ける。
エーテルで補っても飢えも渇きも息の苦しみも消えず、息苦しさも砂中と変わらない。
もともと無理な強化なのだ。安静にしても数日後には死に追い付かれる。
だが彼はここで待つ。
彼にとって価値あるものを殺し尽くした怨敵が、ここまで来ると確信していた。
●
釣書が引き千切られる。
ペンだこと剣だこのある白い指が何度も何度も引き裂いて、最後は宙に投げ捨て紙吹雪に変えた。
「帝国騎士との婚姻に反対するだけまだ我慢はできた」
防諜のために窓を締め切っているのに、憤怒に染まったエーテルで毒々しく照らされている。
「代わりがこの男なんてね」
侯爵家次男。唯一優れていた顔も生まれてから30年の暴食で無惨な状態の、貴族派貴族子弟の典型的悪例だ。
特に女癖は最悪。これがリーラント家の血筋なら人格が変容するまで修正されていただろう。
「リーラントの守備隊との連絡は?」
「異常なしと。照会した商会も全て同じです」
セニアーラ・リーラント個人に仕える側近が動揺している。
最近リーラント家で設立された諜報部門がこれほど有能なのも予想外だし、兄が妹の排除を今決断したのはそれ以上に予想外だった。
だが外から見れば当然なのだ。
伯爵領の内外の脅威が消え跡継ぎが育ちつつある今、必要以上に有能な身内は必要ない。
「学園卒業までは待ってくれると思っていたのだけどね」
セニャは無理矢理に深呼吸をして気持ちを落ち着かせようとする。
本人は上品に怒りを表現しているつもりなのに、顔からは血の気が引いていた。
「結婚することになっても内側から食い破ってやるわ」
空元気にすらなっていない。
「だめですお嬢様」
側近は厳しく教育されたことも忘れて叫ぶ。
「婚姻に恋愛感情がないのはあたしの階層でも珍しくないです。でも敬意も抱けない相手はっ」
「ありがとう」
有力伯爵家の実質ナンバー2から政略結婚の駒に落ちた少女が、それでもついて来てくれる部下に例を言う。
「そうじゃなくて! 肌も口も貪られて耐えれるかって言ってるんですっ」
メイドの目にあるのは憐れみでも怒りでもない。
主が壊れることへの恐れだ。
「何を……」
セニャは無意識に想像する。
気付いたときには、うずくまって嘔吐していた。
メイドが汚物を処理した後背中を撫でてくれているが、空っぽになった胃から吐き出すのが止まらない。
嫌悪感を制御できずに震えて涙を流すセニャは、まだ16の少女であった。
側近は必死に宥め、必死に考える。
「あの方に助けを求めるのは?」
エーテルが弱まった主から威は感じないが忠誠は消えない。
10年間リーラント領で亜人と戦い平民に平穏をもたらしたのは主であり、祖父母から甥姪まで受けた恩を考えれば駆け落ちに付き合うなど朝飯前だ。
「地位を捨てて逃げてなんて言えない……」
流麗な言葉使いは失われ普通の子供のようだ。
涙を流し、鼻をぐすぐすいわせるセニャは、彼の逞しい体とそこに刻まれた修練の跡を思い出す。
告白の言葉も思い出す。
少し前に想像したことを登場人物を変えて想像する。
今度は、涙も胃液も出なかった。
「そうね、どうして今まで気付かなかったのかしら」
生気が薄れていたはずの瞳に光が戻っている。エーテルも普段より少し弱い程度まで回復している。
「基本は自力救済よね」
「セニアーラ様、伯爵家から出奔したらお嬢様はお金持ちでもないただの授恵者ですよ。現実を見て下さい」
「聞きなさい。丁度良い獲物がいるでしょう?」
セニャはイグノ砂漠の深部がある方向を指さす。
王国南東部に被害を与えた勢力の本拠があり、一部の冒険者が少量ではあるが黄金を手に入れた場所だ。
「砂漠の賊が隠し持っているとでも?」
「可能性はあるけど期待はしないわ。私が狙うのは賊自体よ」
セニャが邪悪に微笑む。
「賊とはいえ人間で授恵者。使い道はいくらでもあるわ」
「……お嬢様、既に指先入りしていたとか言いませんよね?」
側近がドアの鍵を開けて通報する姿勢を見せている。
「法律と倫理すれすれなことをするつもりはあるけどメドゥの指先はあり得ないわ。死罪確実な賊を有効に使うだけよ」
セニャはマジカルポケットを解除する。
異空間から現実に現れたのは、予備の装備一式と遠征用の物資が入った大型容器。
その中から、自身の才覚だけでこっそり稼いだカネを取り出し指示を出す。
「イグノ砂漠深部まで略奪に行くわ。冒険者を雇うから手配して頂戴」
実家から実質的に見捨てられたのに、驚くほど強気で真っ直ぐな目をしていた。
●
「条件が悪いですね」
冒険者ギルドの職員は依頼を受け付けるのを渋っている。
「取得物は全てセニアーラ様の物という条件も悪いですが、奴隷狩り目的というのはさすがに……」
「悪意のある表現ね。捕虜をとれたら労働させるつもりってだけじゃないの」
そう回答するセニャに、物は言い様だなという目を職員が向ける。
マジカルポケットを覚え込ませて道具として使うのか。婚約できるなら戦力として北の地につれていくか。
上品なやり口では絶対にない。
「一応受付はしますが」
冒険者の目を意識して話題を切り替える。
「タンクレーテ辺境伯もリーラント伯爵もイグノ砂漠深層に興味がないので、この依頼が現在唯一の依頼になります」
グレーゾーンな依頼なのでセニャの言うことを全て聞き入れる必要はない。
王国南東部に被害を与えた賊に止めを刺し向かってもよいし、一連の依頼で出会った人の元へ出向いて交渉を持ちかけてもよい。
不利な立場にあるセニャを利用した、自由な依頼であった。
解説
マスターより
リプレイ
逞しい手のひらが、セニアーラの肩を強く掴んだ。
「セニャ、俺は『伯爵家の子女』を好きになったんじゃない『努力を重ねる一人の女の子』を好きになったんだ! 俺と、一緒に来てくれ!」
真心から出た愛の言葉なのに、アルベルト・V・シュタールシュヴェーアトの顔には焦りが浮かんでいる。
だから嬉しいはずのセニャも戸惑いが半分で混乱していた。
「この世の全てが敵になっても俺はずっとセニャのそばにいる! だから、捕虜に労働させるとかそんなことはやめてくれ」
魂から血を流すような懇願だ。
セニャは、長い睫毛のまぶたを何度も上下させている。
「アルベルト卿?」
捕虜とは言っても人類社会の外にいる者達ですよと言いかけて、セニャの実力を評価はしているゴブリンの態度に気付く。
(オレは色んなことをしらないままで済ませてきた。オウムの秘密死守、目撃した謎の地図をスルーしたリナとの思い出。だがそうもいかねぇ人もいるんだろうな)
おぞましくもある利害のぶつかりあいを垣間見てしまったギャメルは、精神的な成長の痛みに耐えている。
厳しく引き締まった表情は、ゴブリンでない女性からも黄色い声が聞こえそうな凜々しさだ。
「グレーとはいえギルドを通った依頼だからな」
セニャはようやく、冒険者と自分自身の価値観に大きな違いがあることに気付く。
だが具体的にどう違うかが分からない。
「強制労働はゆくゆく邪魔になるだけだと思うぜ」
アルベルトを示しても見てもセニャが理解しないので、ハヤト=ガラン=ヴォルファングはセニャと特に仲の良いハーフリングに助けを求める。
「死ぬまで働けーっ!? な方針なんてびっくりだよ……」
アルマ・ヴァレンタインはあくまで冗談めかして、しかし目と表情で分かり易いほど分かり易く意思疎通する。
そんな、愛の告白から始まった一連の流れをユークリア・フィナンシェが瞳をきらきらさせながら見つめている。
セニャと同じ伯爵令嬢だが国も違うしずっと善良だ。
(冒険者の皆さんの期待に応えて下さいセニャさん!)
セニャと同じ意見だけはあり得ない。
なお、置いてけぼり気味のアルベルトはなかなか返事が来ないので緊張している。
大型クリーパーに突撃するときの方がずっと気楽だった。
(ねぇ、セニャっち。セニャっちはアルベルトと結ばれたい?」
サフィラ・アズラク・ナハルハルアリーブが気配を消し音量を極限まで抑えてセニャにたずねる。
(あたしは、貴族のセニアーラ・リーラントじゃなくて親友としてのセニャっちを応援するよ!)
(それは……)
実家が付加価値ではなく負債に変わった状態での求婚だ。
邪悪な一面を持つセニャでも非常に嬉しいしアルベルト以外の目がなければ唇もそれ以上も受け入れた可能性があるくらいに嬉しい。
(でも、だからこそ、この人に見捨てられたら私2度と立ち直れないわよ)
セニャが今考えているのは捕虜の扱いだけだが、実際はそれどころではなく価値観が違う。
ここまでの告白をしたアルベルトが言葉を翻しても多分非難されない程にだ。
(理屈っぽいにゃー。そんな顔で言っても説得力ないよー)
サフィラにつんつんされているセニャの頬は、すっかり緊張感が抜けてしまっている。
「諫言をお許し下さい」
エヴァン・ピオネロがセニャから見て違和感がない礼をする。
「今日まで守って来たリーラント家とセニアーラとしての矜持を結婚を提示されたからと捨てないでください。あなたの行動力があるなら、実家に対してきっぱり拒否し従わない強さを示して、新しい時代の貴族女性として進む道もある筈です」
セニャが新しい時代の貴族女性になれではなく、新しい時代の貴族女性に収まるよう行動しろという意図であるかもしれない。
「今回の件を調査してる者も居ますし。個人的に支えに成りたい人達も居ますから」
「感謝するわ」
セニャの調子が元に近づく。
ただし普段は白い頬が上気して、金と紫の瞳も潤んで色気がある。
「アルベルト」
今のセニャは実家との繋がりも曖昧な存在だ。
だから貴族のあり方から一歩踏み出した言葉を話す。
「嬉しい」
逃げるのではなく前へ進み、アルベルトの大きな胸に自らの額を当てる。
揺れる髪と甘く感じられるにおいに、大柄な体が動揺する。
「侯爵家の復興の邪魔になる私を受け入れてくれるなんて、涙が出るほど嬉しい」
一生日陰者として過ごすならともかく、授恵者としては最精鋭の冒険者に匹敵するセニャの正体を隠し通せる確率は非常に低い。
「それ、は」
「だからね」
悪戯っぽい声が響く。
フリーダ=ブロムヴィストがイベントが増えますねという顔になる。
「将来の……つ、妻として私もがんばるわ」
声に、明らかな照れが混じっていた。
ブレイドが咳払いをする。
砂漠の砦からイグノ砂漠深層に向かうための荷造りとマジカルポケットへの収納は既に終わって数分経過している。
敵がいつまでもそこにいるかどうか分からないので、そろそろ出発する必要があった。
セニャが婚約者から離れて準備へ向かう。足取りがとても軽い。
「砂漠の依頼、いつぞや以来だが大きくコトが動きそうだな」
癖はあっても馬鹿ではなさそうだと、ブレイドはセニャを見て判断していた。
●
見上げるほどには高くなく、しかし分厚い建材が膨大に用いられた巨大建造物であった。
しかし違和感が酷い。
以前は辿り着く前に徹底した妨害があったのに、今回は移動こそ苛酷であるが障害らしい障害が全くなかった。
(でけぇ)
ギャメルの感想は素直だ。
(風化した砂漠の宮殿か。観光地にするには立地が悪すぎる)
テテリカは真面目な顔で少しずれたことを考えながら、エーテルリンクを通して大鼬から情報を受け取っている。
敵の姿はなく、1つ1つが非常に大きな建材が揺れて細かな砂が落ち小さな亀裂が生じている。
間違いなく中で何かが起きている。
「なんか盛り上がってるな」
最近政治知識を学んだサイラスは、建材の様子からの推測と同じくらいにセニャとその周辺の騒ぎに意識が向いている。
「今冒険者やってる人物はそっくりなだけの他人です、名乗ってた慰謝料です的な理由の賄賂に財宝使うとか必要なら政治関連で後でフォローする必要あんのかね?」
「依頼人は社会人だと聞いた。何を成すべきは分かっているだろう」
テテリカは、獲物の気配に闘争本能を刺激されているらしい相棒にリンク越しに言い聞かせて撤退させる。
建物内についた傷が、ペットでは荷が重い敵の存在を告げていた。
ギャメルが注意を促す。
はるかな昔は正門だった場所を通り過ぎ、迷路でもないのに侵入者を惑わす巨大な敷地を位置感覚と天眼で迷うことなく進んで迎撃に向いた場所を先にとる。
まだ喉仏の出ていない喉がごくりと鳴る。
壊れて剥き出しになった馬鹿馬鹿しいほど大きな廊下から、オーガよりも大きな砂人形がのそりと姿を現した。
「特等席で研究の息抜きなんだから結末が貧相なのはねー」
重武装のサイラスが万力鎖を回しながら前進する。
鎖が風を切る音は不吉であり、鎖を覆うエーテルの輝きはさらに禍々しい。
「なかなかっ」
武器も持たない砂の拳がサイラスの体を揺らし、物理的には強くても魔法的にはそうでもない砂の体が鎖に抉られた。
「誘き寄せて数を減らすには最適か」
テテリカは倒れた建材の陰に隠れ、ベニテングに着弾観測を任せて魔法の矢を山なりに放って中てる。
戦いで生じる砂煙は予想より多く細かく、目と鼻と口を覆ったテテリカ以外はかなり苦労していた。
「まず1つ」
手広く学問と知識を身につけているサイラスが、改めて戦士としての力を証明する。
接近戦では無類の強さを誇るはずのゴーレムが、威力と頑丈さで負けて中心からただの砂に戻り崩壊する。
「敵増援1、じゃなくて2ぃ!」
ギャメルはサイラスの傷を癒やした直後、魔力を治癒から攻撃にまわして50メートルの距離にある新手にぶつける。
物理に特化した砂の体は、ギャメルのよく練られた魔力に対抗しきれず奥まで傷を負う。
「強行突破の必要がないのが幸いか」
テテリカは攪乱射撃で敵の実質的攻撃力を下げた上でグラヴィティボルトを使いゴーレムの移動を事実上封じる。
「有利な地形に可能な限り引きつけよう」
既に突入している主力を支援するため、2人のゴブリンと1人のリザードマンが砂人形相手の死闘を繰り広げていた。
●
閲兵式すら可能な巨大な広間に、砂人形がたむろしていた。
1つ1つが人間の倍以上大きいので巨大な空間が狭く見える。
「囲まれると不利よ! 壁を背にして戦いましょう!」
ロゼットは広間に最初に跳び込んだ。
通路から皆が出て展開するためだ。
近くにいた1体が手を伸ばす。
拳も握らぬ中途半端な一撃であったのに、盾越しに受けた衝撃が骨と内臓まで揺らす。
(重いっ)
だがロゼットは一歩も下がらない。
盾の後ろに彫り込まれた「人を守り、人を癒し、人を救え」の人は仲間だけではない。
王国南東部に大きな被害をもたらしかねない砂人形はこの場で必ず滅ぼすつもりだ。
「攻撃を強化するわ!」
正面の敵が少ないうちに仲間の武器を透明な光で強化する。
何体も、ひょっとしたら10以上が近づいてくる。
大型砂人形に光の矢を当てるが1体にダメージを負わせるだけでは全く足りない。
「天井と床に亀裂が多数だ」
だわと名乗る青年が濃厚な殺気で結界を張る。
ロゼットに向かっていた4体のうち3体が青年に向かい、技はなくても威力と頑丈さが桁外れの拳を青年に向かって突き出す。
シアンブルーの光刃が迎撃して威力を削るが元が強すぎる。
青年は量に限りがあるエーテルを使って加速。
直撃しそうな拳を選んで致命傷を回避する。
(長くは持たないな)
冷静に計算しながら味方の援護を待っていた。
「逆に地形地物を破壊してはならんのが此方の辛いとこなのだ」
援護をほぼ1人でやってのけるのがストレガ・L・リベルガストラだ。
光壁を2つ出現させる。
砂人形全てを食い止めるのは無理だが冒険者後衛を守るには十分で、光壁と光壁の間から術を放てば拳が大きすぎる砂人形とは違って自由に攻撃可能だ。
(範囲攻撃が良く効くのだ)
放てば5体以上に命中するのは気持ちが良い。
同時に冷徹なほどの判断も行っている。
(これ以上敵の増援が現れたら無理なのだ)
常に退路を確保し、維持しながら、厳しい戦いを続行する。
一見よく鍛えられただけの何の変哲もない太刀が、ガルシアの素晴らしい腕力と剣技で何度も高速で振るわれる。
長衣がひるがえるたびに砂の体に裂傷が刻まれ、太刀の切れ味は鈍らず砂人形の存在する力を削っていく。
ストレガが放ったエーテルが収束して凶悪な氷嵐に変わる。
切り傷から入った冷たさが芯まで届き、長年血を吸ってきた砂のゴーレムをただの砂に戻した。
「代わります!」
負傷の状態が重体に近づいた青年に代わってガルシアが前へ。
決して劣らぬ殺気を放ち、太刀から光の刃を伸ばして敵の攻撃を待ち受ける。
重く硬い拳が長衣をかすめる。
ぎりぎりで躱したことを安堵する余裕もなく反撃を高速で繰り出し、敵の第1陣に致命傷を与えた。
(明日喰うだけの稼ぎじゃ足りないな)
ダムド・フィリスは吹き付ける殺意で汗を滲ませても動きは鈍らせない。
精妙なエーテル操作で柱に着地し自力で再度跳躍。
建造物の奥へ向かう冒険者別働隊に向かおうとした砂人形を後ろから刺す。
致命傷には遠く、しかし毒として働くエーテルを注ぎ込んで内側に継続的ダメージを与える。
当然反撃は猛烈だ。
しかし一撃離脱と瞬間的加速に足場の利用を組み合わせるダムドには追いつけない。
(残弾は少ないからな)
味方前衛に向かう砂人形は防御を崩す一撃を入れてまた別の個体を釣る。
ストレガの詠唱にあわせて、苦労はしたが6体も集めて見せた。
重力が変わる。
決して高速とは言えないゴーレムの移動速度が激減して、重力場が続く限り無力化された。
(まだまだ故郷は騒がしいままね……勿論黙って見過ごすわけもないけどね)
宮殿と故郷は地続きで、広い意味ではここも故郷の一部といえる。
フセイン ラファはお得意の隠密術をエリアサイレンスによる音消去で高め、手数が減った分をスキルで補う。
緑色光弾で砂の結合を弱めてからの打撃と毒だ。
正面から殴り合えば1対1で勝てない砂人形が、時間はかかってもラファの前で息絶えていく。
(品切れね)
毒が途切れても問題ない。
ラファの付与術の腕があれば、ただの氷の矢も凶悪な足止め技と化す。
魔法攻撃が低くダメージは出にくいが、その程度欠点にもなりはしない。
「あら危ない」
遊撃に徹してもいつかは確実に敵の攻撃が届く。
が、付与術に長けるラファは実質的攻撃力をほとんど落とさず回避に集中することが可能で、そこからさらにエーテルを使うことで短時間なら鉄壁に近い防御が可能だった。
「これで、とどめ!」
宗教的な装飾の施された細い棒が、砂の巨体に深々と突き刺さる。
眩い光に覆われた一撃はサンドゴーレムの砂だけでなく核というべきものを抉る。
既に毒に内側を侵されたゴーレムは耐えきれず、鮮血のかわりに乾いた砂を流して崩れ落ちた。
「依頼主に事情はあるようだけど」
ロゼットは傷と疲労に苛まれても屈しはしない。
「私は私の務めを果たすわ」
襲いかかる敵に、武力と癒やしの力で立ち向かう。
「サンドゴーレムか……正面からでは骨が折れる」
ブレイドは床で戦っていない。
崩れゆく天井と折れゆく柱を足場に、砂人形に上から攻撃する。
足を離すと落下するので跳躍できず天井や柱に近付くだけでも危険。
だが慣れない攻撃からの防御を敵に強いる効果は絶大だ。
エーテルを張り付きだけでなく加速にも一撃離脱にも用いる様は、天井や柱の至近を飛んでいるようにしか見えない。気付いた冒険者仲間が驚くほどだ。
「クセになりそうだ」
敵に気付かれても効果のある不意打ちを毎回するようなものだ。
しかしブレイドがはしゃいでいるのは表面のみ。
五感を酷使し天眼に変換し、デッドラインを冷静に見極めている。
「感覚器官はなし……内側か?」
ダムドはブレイドと協力してゴーレムを誘導する。
特に優先するのは離脱を試みた個体だ。
「余計な所に行くな。こっちの手が分散して困るんだ」
彼個人の攻撃の効率は落ちるが、それ以上の効果があった。
シアンブルーの光刃が振るわれるたびに多数の剣筋が空間に残る。
柱も床も天井にも決して当てぬ高速斬撃は、サンドゴーレムだけに的確にダメージを積み重ねる。
物理攻撃なので1度あたりのダメージは小さく、しかし友軍誤射も障害物も一切気にせず使えるので非常に効率が良い。
たった3度の攻撃で術と毒で負傷したゴーレムが瀕死の状態になる。
だわを名乗る青年が当初の半数を割った砂人形を見つめる。
冒険者はまだ誰も死んでいない。
けれどスキルは尽きかけていて、撤退するなら最後の機会だった。
●
彼は王でもないし英雄でもない。
小さな群れの中で争い、ときに遭遇する人間を殺し、ときに同族を殺し、たまたま長く生きていただけの1体のオーガだ。
徐々に増えていた同族が減り始めたのはいつからだろう。
弱い連中が激減した頃か、人間が遠くに住み処を動かした頃か、今となっては分からない。
ただ、飢えと渇きと息苦しさに苛まれている今も桃色髪の人間の姿が脳裏に焼き付いて離れない。
怨敵は食料を集めに向かった若者を殺し、主力が不在時の村にいた子供を殺し、人間の住み処を狙った戦士を群れで囲んで殺した。
残った全てを賭けて挑んだ戦いも、怨敵を殺しきる前に別の人間に襲われ群れ自体が崩壊した。
だからもう彼には守るべきものは何もない。
わずかに残った命を、怨敵を殺すために躊躇無く投げ出した。
●
激しい戦闘が行われる大広間であまり戦わず突破したのには理由がある。
熟練の戦士である冒険者達が、放置してサンドゴーレムと合流したら危険と感じたからだ。
「切り札がまだあるなら既に切ってると思うけど」
セニャは敵の壊滅を確認だけして大広間に戻るつもりだ。
(どことなーく危うい感じー……)
アルマはセニャを良く見ている。
アルベルトに視線を向ける頻度が増えているのは微笑ましく感じられるが、普段より動きに思い切り過ぎるので敵が雑魚ならともかく強敵なら危ない。
視線を向ける。
シルク・メイプルリーフが無言で頷き、信仰する神へ祈りを捧げた。
「慎重ね」
ふわふわした怪しいピンク色のオーラは自身の心情が反映されているようで恥ずかしい。
そんなことを、死が間近に迫っているセニャが考えてしまっていた。
「玉座の間?」
証明がないのでセニャの目には奥まで見通せない。
それはハヤトも同じだが危機感が違う。
微かに漏れるエーテルが浮き上がらせた巨体を、2つの瞳でしっかりと確認した。
そのまま気配と音を消す。
セニャのことも含めて仲間達を信頼し、機会を待つ。
「どこかで見たことがあったかしら」
決して油断はしていない。
気力が充実して手足の指先まで意識が行き渡り、必中攻撃か不運な一撃でない限り確実に躱す。
実力と実績に基づいた確信は、それを上回る実績で打ち砕かれた。
(しまっ)
玉座から立ち上がり、駆け寄り、拳を突き出す。
怨敵を殺すことを除く全てが削ぎ落とされた一撃は、セニャの回避と反応を軽々と上回る。
拳に詰め込まれたエーテルは膨大で、回避に特化した分脆いセニャでは当たれば確実に戦闘不能だ。
「啓示では「どう転んでも短縮要素は無いので、適当に選んでどうぞ」との事ですが……」
フリーダが思考を意図して口にする。
いつも通りな態度がセニャの焦りを減らし、もちろんその間もフリーダの動きは止まらない。
3メートルの巨体とセニャの間に割り込んで、鈍く光る拳を竜鱗の盾で受け止めた。
「砂漠の平定を決める大事な戦いだけあって」
高次元の魔法防御を誇るフリーダでも強い痛みがある。
「なかなかです」
しかも追撃が来る。
狙いはかなり甘いが威力が酷い。
セニャなら最初の一撃で戦闘不能になり追撃の拳で確実に命を絶たれている。
フリーダが盾の向きを微かに変える。
威力最優先の拳が盾表面で滑って少しだけ向きを変え、防御が非常に得意とはいえ回避も苦手ではないフリーダが躱せる程度になる。
空振りした拳の延長線上で、堅牢な床に拳の形をした穴が開いた。
「どれだけ固くても!」
足を止めての殴り合いはアルベルトの得意分野だ。
セニャを庇う役割はフリーダにとられてしまったが、巨体の割に機敏なオーガに当てた上で押しきる剣は常に有効だ。
傷口から血の代わりにエーテルが漏れているのに気付く。
それに気を取られた訳では絶対にない。
フリーダがカバリングを使い切ったまさにそのタイミングで、オーガは冒険者の迎撃を全て無視してセニャに向かい跳躍する。
腰に深い裂傷が刻まれふくらはぎは切り裂かれて骨まで届いた。
それでもオーガは、怨敵への跳躍飛び蹴りを成功させた。
ユークリアの上体が揺れた。
セニャから全て引き受けたのダメージは、膨大な生命力を誇るユークリアでも苛酷だ。
「ぁ」
セニャは守られていたのに、たった一撃で意識も奪うはずだったことを実感して表情をひきつらせている。
これに耐えているユークリアへの評価と感謝の気持ちも強く滲んでいた。
「お前はぁ!」
アルベルトが強引に突撃してセニャから引き剥がす。
エーテルと筋肉で支えられた鎧がぶつかり火花を散らす。
「いけません騎士さん」
ユークリアに詳しく説明する時間はない。
いつもより薄く感じられる天地のエーテルを集めて自らを至急回復させる。
直後、ぬるりとしか表現できない奇怪な動きでオーガがアルベルトを躱しセニャに蹴りを見舞う。
(お前の因縁だ。結果的に囮にしたのを謝りはしないぞ)
ハヤトが踏み込む。
怨敵相手に全力を出したため無防備になった広大な背中から、力が入った筋肉がなくなる箇所とタイミングを正確に読む。
エリアサイレンスが消える。
音を小さくした加速は被弾時よりもハヤトを傷つける。
(今度こそトドメだ!)
殺意を爪牙に収めて背中から内臓を貫く。
ただでさえ顔色の悪いオーガが、死人じみた表情と気配に変わった。
「未来の侯爵夫人、じゃなくてセニャさんどれだけ恨まれているんですか!」
ユークリアは自らではなくセニャに対してリヴァーオブヴァイタルを使う。
蹴りで抉られた足が回復はしたがしばらくセニャは動けそうにない。
エーテルで金色に光る槍を構え、ユークリアはフリーダと一緒にセニャを庇った。
「テメェはここで仕留めるぜ」
怒りが籠もった声と共に閃光塗弾を握ったままナキルが顔面パンチ。
衝突と破裂の衝撃でナキルの手が痛み、しかしオーガの視覚へのダメージはそれ以上だ。
精妙な身体制御が乱れ、飛び抜けていた命中と回避がセニャと同水準まで落ちる。
ナキルは痛みに耐えて蒼剣アルサリアを抜く。
真の闇に近い玉座の間に透き通った蒼い刀身が浮かび上がる。
「テメェもオレの武勇伝にしてやるぜッ!」
一欠片の注意も体力も無駄にせずにただ1回の薙ぎ払いに賭ける。
オーガはナキルの斬撃より早く反応した。
だが雷神剣の速度は稲妻にも似て、健在時のセニャと同程度には速いオーガに追い付き肉を切り裂き骨を壊す。
水気が失せても太い腕が1本、だらりと垂れ下がった。
「命が大丈夫のは分かってるから治すだけ治すよ。援護、切り替え!」
アルマはセニャの治療を素早く済ませ、ハウリング・オブ・ブルーフレアを使ってシルクからバフを引き継ぐ。
「我らが愛する人類に害なすものは例え人類であろうと駆除されるのが我が神の望みです」
アルマと共にセニャの治療を終わらせたシルクが、セニャとは別の種類の上から目線でオーガをみつめて魔力を操る。
「豊穣の大地に一度抱かれ生まれ変われた時には再び神の恩恵を受けられるでしょう」
オーガのエーテルは猛り、しかしシルクの魔法攻撃に対抗する手段がない。
厚い胸板が肺側に凹み、息を吸うのも困難になった。
オーガが踏み込む。
全ての力を速度に変えて、音も残さず床に亀裂を残して再びセニャへ迫る。
守るフリーダにスキルはなく、しかしこれまでの戦いで得た情報がある。
白金の聖印が何かの注目を浴びたかのように輝き、それとは無関係にフリーダの斬撃がぶれてその後ぴたりと嵌まる。
向きも位置も力の加減も完璧だ。喉元から入った刃が鎖骨と肺を裂き、床に達して激しい音を立てた。
(……本当の難題はアルベルト様が彼女をどうするか、になるでしょうが)
息を吐く。
息絶え崩れ落ちたオーガは、床とぶつかると衝撃に耐えきれずに砕けて散る。
何もかもが、使い尽くされていた。
●
セニアーラ・リーラントのように倫理観が薄く頭も切れる人間の相手をするのは、それ以上に頭も切れて容赦もない冒険者ギルド職員である。
依頼中に合法的に入手した品のうち体積の3割は冒険者が受け取る。
その3割を選択するのは冒険者。
依頼料も手数料も全額負担なのに、最終的に確定したのはセニャに厳しく冒険者に優しい依頼契約であった。
●
生活痕のある部屋から離れて人の痕跡のない通路を行く。
常人なら建築の専門家でも何も見つけられない場所に、シファーは探波での調査結果をもとにスカウトの心得と看破術を駆使してそれを見つけた。
「サフィラ」
「すごい! よく見つけたね!」
シファーと同種のスキル持ちのサフィラでも見落としかねない仕掛けだ。
その後2人がかりで探しても、埃で覆われた起動レバーを見つけるのに結構な時間がかかった。
現れたのは隠し通路。
空気の淀み具合は凄まじく、これまでここを支配していた者も知らなそうだ。
「短期決戦でもゴーレムの相手は厳しいね」
コハクはメモはとらずに記憶する。
常人なら覚えたようで忘れてしまうものだが、授恵者になるほどの才人であり記憶力まで身につけたコハクにとっては簡単なことだ。
簡単でないのは、古代の宮殿かもしれないこの巨大建造物だ。
「アルベルト卿の方針で行くにしろセニアーラ殿が自分で道を決めるにしろ、活動資金が多いに越したことはないからな、頑張って集めてくるとしよう」
どちらかというと武力担当のベルク・オスマットではあるが調査面でも頼もしい。
双波で対生物と対建造物の調査を行えるのは非常に有用だ。
双波2人と探波2人がいれば、今の住人より詳しくなるのも容易であった。
(しかしアレだけの才姫を豚にくれてやろうとか、政略結婚にしてもありえん話だな)
姫と称せるほどの者を雑に扱うことで欲を満たす輩が実在することは知っている。だから余計に腹が立つのだ。
ベルクが立ち止まる。
サフィラがうなずき、コハクが力任せに隠し扉を蹴り開けた。
虚を突かれるとはこういうことだ。
サンドゴーレムから逃げて宝物庫に籠もっていた賊が、何が起きたのか全く理解できない。
シファーは鋼の短剣を手にエアーライドで敵集団へ跳び込む。
敵は20人と少し。
試合でならシファーは確実に負けてしまうほどの強者揃いで、しかし軽装の戦士が無防備でいる今は全く別の展開になる。
喉に刃を当てて滑らせる。
鎧で覆われていない脇から突き入れる。
彼等が精神を再建する前の10秒ほどでシファーは2人を片付け、今度は後ろ向きに跳び逆襲に備えた。
蹴り開けた分宝物庫侵入が遅れたコハクだが侵入してからの活躍は壮絶だ。
空間の狭さを活かして無防備な賊に蹴りを叩き込む。
反動を活かして並の戦士の3倍ほどの速度で、並の戦士など比較にならない威力の蹴りを乱舞させる。
しかも護りが薄い者を見つけて近づくのも平行して行っている。
悲鳴と血が溢れ、床に並べられた黄金を禍々しく装飾した。
「お前達はっ」
ベルクは敵の気配を全員分把握しているが聞く耳は持たない。
財宝を壊す可能性があった賊を数人殺し終え、今度は真正面から賊に対す。
これで戦いが成立すると思ったのは賊だけだ。
「奥まで届くな」
刀身が黒い短剣を起点に巨大光塊を出現させる。
何をされるか気付いて止めようとしても、賊の技術では非常に優れたシーフに攻撃を当てられない。
光塊が三度賊全員を襲う。
既に負傷していた賊は耐えきれずに戦闘不能となり、生き残りも3人のシーフが手際よく処理をする。
光塊が消えたとき、聞こえるのは床からのうめきと宝物庫の扉の向こうから殴りつけてくる音だけだった。
「今日のお仕事はこれだけでいいの?」
「おうちに変えるまではお仕事だよ!」
サフィラはシファーに答えながら、蒼の洞から大きな空箱を出現させる。
コハクは財貨の回収を手伝おうとして、嫌な予感に襲われ手を引っ込めた。
「きぞくの人のあれこれは難しくてシファーにはよくわからない。でもお宝盗、持ってきてその人に渡す。お宝、シファーも一つくらい持ってってもバレない? だめ?」
孤独だった頃、生きるために何より必要だった金に手を伸ばしながらシファーが伝える。
「だめじゃないよ。報酬も高額だからいい記念品になると思うし、それに……」
砂漠で回収したことのあるものに似た、しかし明らかに気配が異常な美術品も金貨も手当たり次第に収めていく。
「これ以外はセニャっちに任せた方がいいかも」
嫌な気配が全くしない金細工をシファーの手のひらに載せて、大きな箱を蒼の洞に収納した。
ベルクも異空間への回収を終えた。
「これを使いこなす程度の才覚は期待していいだろう」
伯爵代理や学園に通う公爵子女の側近などという様々な役割を持っていたセニャは、今は帝国騎士の婚約者でしかない。
だからこれをどう使うつもりか、ベルクには予測ができている。
(成功しても失敗しても殿下の邪魔にはならんだろう)
床でうめく賊を一瞥し、人足にも使えないと判断して意識すらしなくなる。
直接ふれないよう注意しながら高価な品から袋に詰め込むシファーを手伝い、3つめの異空間をいっぱいにした。
凄まじい戦果と共にシーフ4人が隠し通路から去る。
揺れが大きくなる。
分厚い扉に対する打撃だけでなく、大広間での激戦や玉座の間での大技によりいくつもの柱が傷つき天井を支える柱が足りなくなった。
残された銅貨の上に乾いた砂塵が降ってくる。
ここに至ってようやく危険に気付いても、既に賊には立ち上がる力も残ってはいない。
扉が破壊される。
サンドゴーレムが複数入ろうとして入り口につっかえ、無理矢理通ろうとして破壊を拡大させる。
長い間イグノ砂漠で勢力を誇っていた部族が、降り注ぐ砂塵と瓦礫の中に消えていった。
●
謁見の間から戻ってきた冒険者に背後からも襲われ、サンドゴーレムの主力は撤退もできずに全滅した。
しかし多数の柱が壊れている。破壊は柱から天井、そして宮殿全体へと急速に広がっていく。
「またっ」
セニャが細剣で砂の肌を抉る。
危険になる前に速度を活かして撤退するつもりなのだろうが、ガルシアは気力をかき集めて「依頼人が前に出るのは邪魔です」と言うしかなかった。本当に邪魔だったのだ。
ガルシアは落ち込むセニャを逃がしてから殺界を解除。
足を活かして距離をとり、エーテルを飛ばして足の遅い冒険者に向かわせないようしつつそれ以外は逃走に専念する。
宮殿から出ると、最初に目に入ってくるのはエヴァンだ。
「皆さん揃ってますね?」
エヴァンにとっては戦闘ではなく皆を人類領域へ帰還させることが本番だ。
念入りに点呼して、傷の治療はヒーラーの面々にお願いしつつ帰還の号令をかける。
「最短ルートで戻ります。戦闘の可能性もありますので警戒をお願いします」
崩壊する宮殿から立ち上る砂塵は、砦から見えるほど高く立ち上っていた。
●
「この地に住まう賊は残念でした」
シルクは賊についてはこれ以上考える必要ないと伝え、旅立つセニャを見送ってくれた。
「コレ、持ってけよ。道中気ィ付けて」
ナキルは水分は大事だと水袋を渡してくれた。
「あの店の鶏肉旨いからな、今後も贔屓にするぜ。先輩」
後輩は、冒険者ギルドに対して行方不明報告もしてくれるのだろう。
セニャは今、空にいる。
東進するビッグオウムの背から、砂色から徐々に緑が濃くなる大地を楽しんでいる。
実家は敵ですらあり、これまで自らの身分を保障していたものは1つを残して消えた。
きっと、全て消えていたら遠くに行ってしまったのだろう。
だが婚約者と約束という暖かな鎖が、家名を無くしたセニャを日の当たる場所へ留めている。
「参ったわね」
楽しい。
ほとんど何も無くしてしまったというのに、これから何をしようか考えるのが本当に楽しい。
「お客さん! そろそろです!」
御者の宣言の後、ゆっくりとした降下が始まる。
これから新たな人生が始まるのだと大地を見下ろし、そこにいるはずのない顔を見つけて思考が停止した。
「ねーさまー!!」
勢いよく手を振る6歳児がいる。
護衛然として付き従うのはセロンガード・シュタインドルフで、セニャが初めて見るばつの悪そうな表情をしている。
「事情を」
着陸手順の全てを無視して地上へ跳ぶ。
「お客さんんんっ! 落下事故だぁっ」
超人的な足腰でも衝撃を受け流しきれず、血の代わりにエーテルの飛沫が飛び散り桃色の髪を彩る。
「説明してくれるかしら?」
抱きついてきた次期伯爵を抱きとめる手は優しく、しかしセロンガードを見る目はエーテルで底光りしてこめかみには血管が浮いていた。
●
時間は1週間ほど遡る。
セニャ達がイグノ砂漠深層へ向かった頃、数人の冒険者がリーラント家の邸宅に正規の手順で訪れていた。
「所詮は貴族ということなの? セニャの企みが成功したとてジョセフに与える悪影響は免れない。彼は聡いからきっと後から気付いてしまう」
リーラント伯爵嫡子ジョセフの師としてこの場にいるヴィノニスが、怒りのあまり普段隠している思いも吐露してしまう。
越権行為でありこの場で師の立場を取り上げられることも覚悟の上とはいえ、何事にも我慢の限度というものがある。
「露悪的に表現すれば価値ある資産を無駄に捨てるのと同じです」
言葉を穏やかにしても内容は厳しい。
セニャとの濃厚な血の繋がりを感じさせる男が、疲れたような息をかすかに吐く。
「世継候補から排斥した程度で息子の立場が盤石になればよかったのだがな」
ヴィノニスは、これは駄目だと直感してしまった。
伯爵は妹を非常に高く評価している。
本来の継承順を捻じ曲げるほどの実力をいずれ必ず持つと確信し、今回の非情な手段を選択したと分かってしまった。
「他国に嫁げばそんなことには」
ヴィノニス自身、これでは届かないと思ってしまった。
伯爵は静かに聞き終えた後、特に罰も言葉も与えず退出を命じた。
ヴィノニスは無意識に拳を握りしめる。
必要とはいえ、嫌悪している理屈に基づき交渉を持ちかけたのが辛い。
手や指を洗い何度もうがいをしても、使った言葉の余韻は消えないのだ。
「小さな先生。少し、お話してもいいかしら」
授恵者に護衛された婦人が話しかけてくる。
リーラントでここまで厳重に守られているのは、ジョセフを除けば伯爵夫人のみ。
化粧をしても隠せない、今のヴィノニスと同じくらいに酷い顔色をしている。
「セニアーラさんの婚約は本当……なのですね」
ヴィノニスの態度は言葉よりも雄弁で、夫人は罪悪感と嫌悪で体を小刻みに震わせた。
そこから徒歩1分以上かかる書庫にロイ・アウレアがいる。
「早く出発してセニアーラ様のもとへ向かいたいんだが」
旅装束というより国外まで移動するつもり装備の男女がロイに文句を言う。
若者もいるが家督を子供世代に譲ったくらいの年代が多い。
(反乱予備軍というよりセニャ派で特に忠誠篤い者達ですか)
倫理観を無視して考えれば、伯爵がセニャ排除を決めた気持ちも分かってしまう。
「伯爵がリーラント家内の分裂や乗っ取り、断絶狙いの何者かから精神操作を受けている可能性はありませんか?」
ロイが問うと、代表らしき最年長が肩をすくめた。
「閣下の内心までは分からんよ」
我々はセニアーラ様個人に恩や借りがあるだけだと、世間話をするかのように平然と言った。
「そうですか。そもそも、セニャ……様は当主に成りたいのでしょうか」
ロイも含めた男女の目が、書類を漁っている旅装束のメイドに向く。
「私に聞かれましても……。伯爵様とは30も歳が離れていますから、後でジョセフ様に譲るつもりがあるかどうかはともかく爵位を継がれても自然だと思います」
セニャの公的な婚約者についての書類を、ばっちいものであるかのように抜き取りロイへ渡す。
「これはひどい」
アルマにしてもらった潜入用の化粧が少し崩れるほど表情が動いた。
(これを分かった上での婚約ですか。麻薬・人身売買等、貴族でも許されぬような犯罪の気配はなし。一部が腐っていても侯爵家ですか。別れさせ屋程度では本人は別にしてお付きが阻止してしまうでしょう)
「冒険者殿。気持ちは分かるが政治ではまだセニアーラ様は伯爵様には勝てん。諜報部もそろそろ気付くぞ」
「……セニャの関与と疑われぬよう撤退は迅速に」
ロイがセニアーラと呼ばないことで、ロイがセニャに信用されているとセニャ派に思わせていた。
「もう姉様と会えないの?」
気丈に振る舞っていても、既に才能が開花しつつあってもまだ6歳だ。
ジョセフ・リーラントは信頼する部下に見せてはいけない本心をセロンガードに見せる。
セロンガードは、計画を口にするのに覚悟と少しの時間が必要だった。
「嫡子が居なくなれば、ひとまず時間は稼げましょう。それに、ジョセフ様に広い世界を見せたいのです」
紫の金の瞳がセロンガードの姿を映す。
セニャと色は同じでも輝きが純粋すぎて、セロンガードは目を逸らさないよう意識して努力する必要が有った。
ティトは2人を見ていられなかった。
6歳児でもわかる範囲で状況を補足説明しても、6歳児を辛い目にあわせているだけに思えてしまう。
一言断り、身バレしないようにした潜入用の装束のまま次の目的地へ向かう。
「私はリーラントの諜報に携わっておりますが、仕えているのはリーラント家ではなくジョセフ様なのですから。裏から手回しをしてセニアーラ様が逃げられるようにしておきましょう」
そう伝えられたジョセフは、涙を拭かずに腕を組んで考え始める。
多少の才気はあっても6歳児は6歳児。
政に手を出すのは不可能。
ただしそれは、信頼できる有能な部下がいなければだ。
「ねえセロンガード」
とても嫌な予感と、とてもやりがいがある仕事の予感が同時にした。
遠くに屋敷が見える厩舎で、ビッグオウムの御者が追い詰められていた。
「それって誘拐っ」
「しー、だよ」
可愛らしいハーフビーストにお願いされて、御者がひんと泣いた。
(でも、誘拐なんて上手くいくの、かな? 一筋縄では行かないと思う……よ)
ティトはジョセフの寝室に残ったセロンガードのことを考える。
危険な企みに協力するほど信頼はしているが成否についての考えは別だ。
(冒険者の仕事は残っていない、から)
ここは発着場の隣に建てられたビッグオウム用厩舎だ。
外には広大な農地が広がり、さらに進めば最近亜人が殲滅された土地がある。
今行われている牧畜は、いずれ大規模な農業に切り替わりリーラント家とリーラント地方に膨大な利益をもたらすだろう。
だがそれには飛び抜けた武力も特殊な才能も必要ない。既にここはもう、冒険の舞台ではなくなったのだ。
こほん、と咳払いの音が聞こえた。
この厩舎では、ゴールディから派遣された人員が外から監視されながら、外へ情報を漏らさないよう気を付けて環境を維持している。
王都と王国南東の間にある拠点の1つなのだ。
その人員が、気付かないふりをするのはそろそろ限界だと伝えてきていた。
小さな足音が外から近づいて来る。
広い厩舎を傍若無人に使っていた体格の良いオウムが立ち上がり、鞍をつけろと相棒に身振りで要求する。
「リナー! ティトー!」
セロンガードに肩車されたジョセフが手を振り、疾風がウォーミングアップを始め、御者が諦めきった表情で飛行用の装備を人数分用意する。
「ねーさまに会いにいくよっ」
伯爵夫人手製の弁当を上機嫌で2人と1羽に渡す。
御者、護衛、客。
3人とも小柄なので無理なく1羽に乗れた。
朝日を浴びてビッグオウムが飛び立つ。
西へと平原がどこまでも広がり、吹き付ける風は厳しくも爽やかだった。
●
そして現在。
「私とあなたが死んだらリーラント家は断絶するのよ分かってるのジョセフ!」
膝に抱いた甥の頬をむにむにすることでセニャが怒りを露わにしている。
滑らかな肌に髪の毛一筋分の傷もつけないのは、理性でも損得でもなく愛情故だ。
事故死させるのが最も簡単な権力掌握手段であることを理解した上で、そうしようとする者もこうさせようとする者も潰して来たのがセニャである。
「セニャ、さん。無事につれてきた、よ!」
ティトがむんと胸を張り、巻きこまれた御者が生気の失せた目で相棒にご飯を食べさせている。
「ありがとう。もう家名は名乗れないけど、ただのセニャとして心から感謝するわ」
ジョセフを拘束しているので立ち上がれないが、感謝する態度は本当に真剣だ。
弟の守護者として、ティトの名がセニャの心に深く刻まれた。
「誰かさんには感謝したくないけど」
じろりとセロンガードを見る。
たすけてー、と助けを求めるジョセフの目の温度差が激しい。
「罰にもならないかもしれませんが諜報部門から追い出されました」
「そう。ジョセフが学園に入学する頃にはほとぼりも冷めるでしょ。ティトもヴィノニスもね」
3人ともリーラント伯爵嫡子からの信頼は厚いままだ。
爵位継承が近づけば自然と元に戻るはずだ。
「8年後、くらい?」
ティトが小首を傾げる。
「4年だと贔屓目が過ぎるかしら」
学園中退が確定したセニャが、少しだけ寂しげに微笑んだ。
「セニャっち! お宝いっぱい持って帰ったよ! このお宝、セニャっちが独り立ちする為の資金として使ってね!」
固い地面が揺れた。
サフィラ達が運び込んだ財宝はマジカルポケット3つ分。
生半可な地位と能力では換金も難しい巨大な財だ。
「改造ゲルもこれで使い終わりかなー……」
アルマはイグノ砂漠東進に使ったゲルを手入れしている。
もとの状態に改造すれば本来の用途でも使える。
しかし砂漠の行軍で何度も使い必須の存在だったこれを再改造するのは、もったいなくも感じた。
「あの賊は2度と表に出てこないでしょうけど……」
非授恵者が生き残っている可能性はあるが、主戦力である授恵者をあれだけ失ったのだから砂漠にいる他の勢力に潰されるだろう。
ひょっとしたら普通の人間のふりをして王国や他国に紛れ混むこともあるかもしれないが、その場合はいずれ血も文化も恨みも飲み込まれて同化吸収されるはずだ。
「またイグノ砂漠で依頼があるかもー……?」
「私達の生きている間くらいは平和であって欲しいけどね」
「そだねー……」
2人は東を見てため息をつく。
なお、投資された財宝が呪われているとしか思えない気配を放っていることに気付いてセニャが頭を抱えるのは、この数分後のことである。
「既にご存じかと思いますが、伯爵家は彼女を切り捨てることにしたようで……冒険者側も色々と彼女を助けようと手を回しているらしく」
「ここまで空虚な言葉を聞いたのは久しぶりじゃな。まったく派手にやりおって」
タルクレーテ辺境伯は秘密裏に訪れたキーゼに酒を勧めた。
香りだけでどれだけ貴重な品か分かる。辺境伯は物理的な肴はないのに上機嫌に杯を重ねている。
「感謝いたします。辺境伯についてはご機嫌麗しく……その後、実入りのほどはどうですか?」
「投資分儲けるには時間がかかる。儲かった分も今回の騒動の穴埋めで消えるわい」
彼は王国という超大国の東部の責任者だ。
影響下にある経済の規模は、新しい交易路1つと比べると桁がいくつも違う。
「情報の扱い方はお任せします。将を失った軍がどうなるか、と考えれば、今後のリーラントはなかなか厳しくなるでしょうね」
辺境伯は鼻で笑う。
今代のリーラント伯は戦下手の評判があってもやっていけるほどの辣腕だ。
近くに脅威がなくなったリーラント程度、自在に切り回すことができるだろう。
つまり本題は前半だ。
「我意を通すなら能力と実績を要求されて当然。このまま見守るのが筋ではあるが……」
辺境伯から見れば、婚約を利用して侯爵家相手の陰謀と殺戮を仕掛けられないセニャは潔癖な小娘でしかない。
「放置して暗殺事件が起きるのは面倒だ。侯爵家の馬鹿共に渡す情報には細工しておく」
次男坊相手との婚約取消を借りと思う必要はないが、奴を上回らない限り王国に戻ることは許さぬ。
セニャへ伝わることを確信した上でキーゼに声をかけた。
「お優しい」
「見込みのある若者には優しいとも」
辺境伯は久々にキーゼを通して冒険者を見ている。
武力は当然。生まれに関係なく儀礼を理解し上位者相手の交渉をやり抜く技術と胆力を備えている。
1人2人なら偶然で片付けることもできるが、キーゼだけではないのだ。
「酒と面倒の分は話していけ」
キーゼは夜更けまで、辺境伯相手に冒険譚の詳細について語ることになった。
1.古びた巨大建造物は崩壊しました。賊とサンドゴーレムは生き残りがいたとしても崩壊に巻き込まれ死んでいるでしょう。
2.リーラント伯爵はセニアーラ・リーラントが行方不明になったことを公に認めました。激しい夫婦喧嘩の最中です。
3.ゴールディに桃色髪のヒューマン姉弟(叔母と甥)が一時滞在中のようです。
マスターコメント
イベントシナリオ(50人)普通 報酬:多い27 / 4〜40人
2022年04月16日 16時06分58秒 公開
参加者
相談掲示板
ウォーリアのアルベルト・V・シュタールシュヴェーアトだ。 ・・・よろしくな。 俺は・・・本音を言えば、セニャを救ってやりたい。 なのに、俺にそのための策も・・・知恵も無い。 一体どうすればいいんだ。
皆さんお願いします。 俺に知恵を貸してください。
救う、といいますが。そもそもそちらのいう救う、とはどういう状態を指すのか、ですね。 伯爵家内での復権しての血肉の争いですか? それとも貴族としての格を捨てさせ、ただのセニアーラにすることですか? あるいは彼女を擁立し伯爵家を掌握することですか? 現状、既にセニアーラ嬢は自力で解決策を見出しそれを履行しようとしていますし…何より家格を捨てさせるのは、懸想しているそちらには都合がいいとは思いますが。 何をもって救いと考えているのか、どういう状態に持っていきたいのか。 それがわからないことには何も言えませんしできませんよ?
ウォーリアのフリーダです。よろしくお願いします。 最終的な着地点はともかく、目的としては特異個体とゴーレムを排除し、 そこから何とかして蛮族とその財宝を支配下に置く形になるでしょうか。 今後の流れを考慮するとなるべく早く現場に駆けつけて制圧に乗り出したい所ですね。 なるべく無事な状態で確保する事ができれば拠点としても使用できるかもしれませんし。
>キーゼさん 俺が言う「救う」というのは『血肉の争い』でも無ければ『伯爵家の掌握』でもありません。 セニャを「リーラント伯爵家の子女」ではなく「一人の16歳の少女」として、俺と帝国に来てもらうことをもって「救う」と言いました。セニャが「リーラント伯爵家の子女」である限り伯爵からの排除、冷や飯食いからは逃れられないでしょうし。 セニャが自力で解決策を見出しているとは言え、それは「奴隷狩り」(冒険者ギルド職員談)の様な法律と倫理すれすれ(かなり黒寄り)な行為であり、実行はさせたくないというのが俺の意見ですね。
にゃ!シーフのサフィラだよっ!よろしくね! うーん…何だかセニャっちが窮地に立たされてるねっ とりあえずあたしは1-4の宝物庫でお宝ハントしてセニャっちの今後の資金として提供出来ればなって思ってるよ! >アルベルト まずはセニャっちが何をしたいのか把握するところから始めたらどうかなっ? そこからセニャっちの希望に沿うようにプランを組み立てて行くのがいいんじゃないかなっ そこでまた詰まるようなら知恵は貸せるよっ
「ナキルだ、よろしく頼むぜ。 さて……一先ず。個人的な希望から言っちまえば 【1ー3】特異個体オーガの野郎とケリを付けたいって気持ちは強いな。何度となく取り逃がしちまったし。 一先ず、表明。」
おーっす! ブレイブファング傭兵団のハヤト=ヴォルファングだ、よろしくな!! 個人的には因縁のあるオーガと決着つけに行くつもりでいんぜ! >アルベルト なるほど… アルベルトがその腹づもりなら、自分が養うつもりだから身ひとつで駆け落ちしようくれーのことをぶつけてみたらいいんじゃねーか? リーラント伯爵家からは追われる身になる可能性が高ぇだろうけどよ。 もしくは直接リーラント伯爵家に乗り込んでセニャを嫁にくれって直談判しに行くくれぇしか思いつかねーな。 こっちを選択すんならセニャに奴隷狩りをすんのを止めさせる方向で説得するくれーなら力になんぜ?
ウォーリアだ。だわと呼んで貰えれば。よろしく頼む。 セニアーラ嬢の件をどの方向性に持っていくかは任せるとして。 説得等で変わらなければ、依頼内容は第一に「賊の捕獲」、次に「財等の回収」か。 目的地である大型建造物へ急行し、依頼主が落命しないよう護衛に人員を割きつつ手分けして賊と財を抑える形になるだろうか。特異個体オーガは此処で殺すことになるな。 ギルドから目的地への移動はビッグオウムが使えないか考えている。 今のところ、俺は砂人形対応に回ろうかと。 > 1-1.縦にも横にも広大な大広間で大量の砂人形と決戦する
「>アルベルト 選択肢に【3】その他、があるな。……まぁ、具体的な選択肢はこの際、そんな問題じゃないか。 セニャ先輩の思惑、「自力救済」策を、挫いて、阻んで、その上で道を示すってコトで そう言うコトでイイんだよな? ……オレ、個人の所感だと。あの眼が持ってる貴族の誇りっての、結構なモンだと思ったぜ。 引かせるのも、突き進むのも、命懸になりそうな気がするな。 …この辺は、問うのも愚問だよな。」
>『救う』 ふむ。と、なれば。 1.セニアーラの説得 2.家格の放棄、あるいは社会的に死亡させる 3.当座の避難先又は身を潜める先の選定 この辺りは必須ですね。 1は言わずもがな。 2に関しては、セニアーラ個人の存在が邪魔ではありますが。 少なくともリーラント家令嬢としては利用価値が十分にあります。すでに出ている政略結婚用の駒、他に現リーラントに二心や因縁があるものが担ぎ上げる、という使い方もできる。 そういった事例を防ぐためにも、公的に家名を捨てさせる。もしくは今回の依頼中に不慮の事故などで死亡する、等の工作が必要になります。 3については、1,2が通った場合、当然今までリーラントとして暮らしていた以上全ての生活環境が変わる。 最終的にアルベルト氏が連れていきたいといったところで、現状帝国が復刻できるかすら未知数です。それまで、あるいは復刻できない場合でも身を寄せて活動できる一定の環境を整える必要があります。 選択肢の一つとして、隣接するゴールディなどですかね。 それと…当座の資金として今回の賊の隠し資産はともかく。ここを拠点にするのは避けた方がいいでしょうね。仮にある程度構造を残せたとしても。砂漠にはびこる賊として潰される可能性が高いです。
シーフのベルクだ、よろしく頼む。 さて、同じ主君に仕える同胞の願いを叶えるにはどうしたらいいか。 まぁとはいえどの案になろうがセニアーラ嬢の今後のために先立つものが必要だろうな。 ということで我は1-4で財貨の回収に行くとしようか。 ここで多くの財貨を集められればそれを対価に手切れ金としてリーラント家との決別に持っていけるかもしれんしな。(セニアーラ次第だが) (正直リーラント当主闇討ちしたい気分である)
ヒーラーのアルマだよ、どーぞよろしくねー セニャさんに春がきた~…と思ったら急展開だねー… 今後の身の振り方とかいろいろ考えないといけないことは多いけど 戦わなければ生き残れない!だし 1-3でセニャさんの支援にまわるねー 場合によっては戦死を装って身を隠すとかあったりするー?のかな
>キーゼさん 助言ありがとうございます。 1については、セニャの説得を頑張ってみます。 2については、選択肢「1-3」に同行し、オーガを倒した後に『セニャと俺(アルベルト)はオーガとの戦闘中に戦死した』ことにできればと思っています。これについては、皆さんの協力(「目撃証言」等)も必要になってくると思われます。同じ選択肢に向かう皆様のご協力を賜りたいと思います。ご協力の程よろしくお願いします。 3については助言をいただいておきながら申し訳ありませんが、2人にとってほぼ縁も所縁もない国(ゴールディ出身の方、申し訳ありません・・・)に行くよりは、俺の故郷である帝国に行く方がまだどうにかなると俺は考えています。(帝国の都市のヴィントも復興してきていますし) また、貴族派貴族出身のセニャがゴブリンの国に行きたがるかは難しいと考えます。(確かに帝国が復興しておらず身を寄せられるかが困難であることは理解もしていますが) 出発までに、またご助言をいただければ幸いです。 3については「拒否」ではありません。あくまでも「俺はこう考えている」レベルです。俺の考えに甘いところがあればご指摘いただければ幸いです。出発まで俺自身もどうすべきか考えます。 >ナハルハルアリーブさん 助言ありがとうございます。 もし、考えに詰まることがあったらお知恵を拝借したいと思います。 >ヴォルファングさん 助言ありがとうございます。 説得の内容については、助言の内容を踏まえて考えていきたいと思います。 >ナキルさん 助言ありがとうございます。 理想はその方向で行ければと思っています。 ※長文申し訳ありません
>オスマットさん ご協力感謝します。よろしくお願いいたします。
「>アルベルト あぁ、了解したぜ。 オーガ対応に最終的に行くかは、この後の流れに寄る所もあるけど 応援してるぜ。 後は、ちっとアレだな 後続の参加者や、各対応箇所の相談と混同しない工夫や、相談場所を他に設けるのも 一考してもいいかもな。 本筋の相談を、他の参加者がやりやすいかどうかは、個人差が出ると思うし。 オレは別にこのままでも気になったらやっちまうし。気にならなかったら何もねーんだけどな。」
エヴァン・ピオネロです。よろしくお願いします。 アルベルトさんの方向性が定まって来て何よりです。 セニャさんの説得と擦り合わせが上手く行くように応援してますね。 ぼくは『1-5』砂漠での移動補助等をメインにしますね。 位置感覚とあと一つは超視力か何か…まだ決めかねてますが 皆さんが迅速に動けるようフォローしますね。
ヒーラーのユークリアです、宜しくお願いします。 セニャさんとは共感する部分もありますし、アルベルト侯爵閣下に協力はしたいのですが、何にしろオーガと戦ってみたい欲がですね( 結果的に参戦になるのでまあ! 戦死の口裏は合わせますよ! 帝国に栄光あれなのです。
ヴィノニスよ。 特異個体にもセニアーラさん自身にも特に興味はないけれど、彼女のしようとしていることはジョセフくんの将来には影を落とすことは間違いなさそうね。 その意味では協定違反だし、セニアーラさんに対面して言いたい事もあるけれど時間がなさそう。 わたし自身の行動としては選択肢2といいつつ、口裏合わせやあとの調整ぐらいはお手伝いしてもいいかなと思ってるわ。
No.21
サイラスだ、よろしくなー とりあえずなんか変に盛り上がってるけど、普通にやって問題ないな?まだ続くのならナキルさんの言う通り他所に相談場所設けた方が良いと思う。 何処が依頼内容でネームド関係なのか頭で仕分けるの面倒だし。 1–2いなさそうなんでそちらにいくわ 選択肢(敬称略) 1-1 だわ 1-2 サイラス 1-3 アルベルト ハヤト ナキル ユークリア アルマ(セニャ支援) 1-4 サフィラ ベルク 1-5 エヴァン(移動補助メイン、位置感覚+α) 2 ヴィノニス 多分分けきれずにミスや見落としとかあるかもやけどその場合は追加とかしといてなー
ロイ・アウレアです。よろしく。 サイラスさん、纏めてくれてありがとう。 今回は【3】その他で 結婚相手についてや、結婚で何かしらのメリットを得る存在(黒幕)を調べたいが 今の人数では手薄な場が多いので、その他に行くかが悩ましい… 誰か、似たような事を調べる予定の方は居るかな? その場合はお任せして、1の選択肢のどれかに行こうと思ってます。 選択肢(敬称略) 1-1 だわ 1-2 サイラス 1-3 アルベルト ハヤト ナキル ユークリア アルマ(セニャ支援) 1-4 サフィラ ベルク 1-5 エヴァン(移動補助メイン、位置感覚+α) 2 ヴィノニス 3 ロイ(移動可)
シューターのセロンガードです。 よろしくお願い致します。 ふむ、ジョセフ様を誘拐しようと思いましたが、ひとまずこの事をジョセフ様に伝えるか悩みますね…何も知らない嫡子、と記述があるので何か鍵になりそうだと思ったのですが…。
ヒーラーのギャメルだぜ! よろしくな。 オレは砂人形の相手をしにいくか。 1-1にいく。もし極端な人数の偏りができたら、1-2に回ることもできるぜ。 選択肢(敬称略) 1-1 だわ ギャメル(1-2へ移動可) 1-2 サイラス 1-3 アルベルト ハヤト ナキル ユークリア アルマ(セニャ支援) 1-4 サフィラ ベルク 1-5 エヴァン(移動補助メイン、位置感覚+α) 2 ヴィノニス 3 ロイ(移動可)
No.25
シスターシルク参上しました 愛のない婚姻など我が神は認めません さて何処に参りましょうか
>方針 それでは私は1-3に向かおうと思います。 極端に人数差ができてしまったら別の場所に変更しますね。 選択肢(敬称略) 1-1 だわ ギャメル(1-2へ移動可) 1-2 サイラス 1-3 アルベルト ハヤト ナキル ユークリア アルマ(セニャ支援) フリーダ(移動可) 1-4 サフィラ ベルク 1-5 エヴァン(移動補助メイン、位置感覚+α) 2 ヴィノニス 3 ロイ(移動可)
>アルベルト 他の面子からもセニャ対応についてと今回の依頼そのものの相談はちと切り離した方が良さそうだからよ、良かったらうちの傭兵団の野営地に遊びに来ねぇか? https://alpaca-connect.com/world/world0/community/BL95hacTWpq5LK1hh5pn ちと、気になる点もあるしセニャへの対応に関してはこっちで話そうぜ! あ、アルベルト以外でも提案や意見があればこっちに来てくれよな!大歓迎だぜ!!
セニャよ。よろしくね。 質問があれば、出発前の冒険者が行動せずに分かること限定で回答する予定よ。 質問は【質問】という感じで目立つ形だと非常に助かるわ。 また、この場で私にされた質問等は、私は聞いていない扱いになる……らしいわ。
ロゼットよ。参加するわ。よろしくね。 とりあえず純戦闘で、人手がいりそうなのは1-1かな? ロイみたいに、やりたいことがある人は優先して欲しいし。 1-4も賊が20数人と多いけど、会話可能なら上手くやれば 仲間割れや逃亡を促して、戦闘の負担を軽くできるのかしら。 選択肢(敬称略) 1-1 だわ ギャメル(1-2へ移動可) ロゼット 1-2 サイラス 1-3 アルベルト ハヤト ナキル ユークリア アルマ(セニャ支援) フリーダ(移動可) 1-4 サフィラ ベルク 1-5 エヴァン(移動補助メイン、位置感覚+α) 2 ヴィノニス 3 ロイ(移動可)
ストレガなのだ。よろしくなのだ。 人手が入りそうだから1ー1にするのだ。 選択肢(敬称略) 1-1 だわ ギャメル(1-2へ移動可) ロゼット ストレガ 1-2 サイラス 1-3 アルベルト ハヤト ナキル ユークリア アルマ(セニャ支援) フリーダ(移動可) 1-4 サフィラ ベルク 1-5 エヴァン(移動補助メイン、位置感覚+α) 2 ヴィノニス 3 ロイ(移動可)
■1-1 大広間。近接型の強力なクリーパーが20体、だな。 制御を受け付けず目に付いたものを破壊しているようだが、もしも一度に襲ってきたら流石に厳しい。その場合は足止め・分断している間に数を減らしていきたいところだ。 こちらは殺界を準備していこうかと。 広さに応じて柱も点在しているのだろう。建物の崩壊を避けるため攻撃に巻き込まないよう立ち回るつもりだ。
「>サイラス まとめサンキューな!助かったぜ。 >ロゼット あぁ、確かに。そう言う会話を使った手段は良さそうだな… 実際、捕まったら奴隷化させられたりするんだし、それを聞いたら逃げ出すやつも居そうだよな。 >だわ 最終的に崩壊させても良いかな、なんて話をしつつ… そう言えば決戦の結果で重体者がいたよな…これ、この時間と今回の任務なら 問題なさそうってカンジか?ちょっと焦ったぜ。 対オーガは、セニャまっしぐらだろうからな。そのスキを付いて閃光塗弾(効果B)で目潰しでもしてやろうかと思ってる所だ。 図体デケェ癖に身のこなしがヤバかったし、デバフ系スキルも一向中だぜ。 スキルは「雷神剣」「戦術眼」このあたりは決定かな。」
>選択肢1-1 敵数が多そうだから、だわの殺界やストレガみたいに範囲攻撃を 使えそうな人へ「輝甲3」で攻撃アップをかけていこうかなと。
シーフ、シファー。 よろしく。 人、少ないし宝物庫に行こうと思ってる。 選択肢(敬称略) 1-1 だわ ギャメル(1-2へ移動可) ロゼット ストレガ 1-2 サイラス 1-3 アルベルト ハヤト ナキル ユークリア アルマ(セニャ支援) フリーダ(移動可) 1-4 サフィラ ベルク シファー 1-5 エヴァン(移動補助メイン、位置感覚+α) 2 ヴィノニス 3 ロイ(移動可)
テテリカ、シューターだ。 よろしく頼む。俺は1-2で戦う。 選択肢(敬称略) 1-1 だわ ギャメル(1-2へ移動可) ロゼット ストレガ 1-2 サイラス テテリカ 1-3 アルベルト ハヤト ナキル ユークリア アルマ(セニャ支援) フリーダ(移動可) 1-4 サフィラ ベルク シファー 1-5 エヴァン(移動補助メイン、位置感覚+α) 2 ヴィノニス 3 ロイ(移動可)
No.36
とりあえず皆様の生存率を上げるために1-3にて回復と補助支援に当たらせていただきます むしろこの場は【魔物の手により完全に崩壊してしまった】としてもらった方が死亡工作にしろ行方不明工作にしろ財宝を何者かに持ち去られるにしろ何かと都合がよろしいいので 選択肢(敬称略) 1-1 だわ ギャメル(1-2へ移動可) ロゼット ストレガ 1-2 サイラス テテリカ 1-3 アルベルト ハヤト ナキル ユークリア アルマ(セニャ支援) フリーダ(移動可) シルク 1-4 サフィラ ベルク シファー 1-5 エヴァン(移動補助メイン、位置感覚+α) 2 ヴィノニス 3 ロイ(移動可)
ロゼットさん、お気遣いありがとうございます。 どの枠も平均的に埋まって来てるので 皆さまに感謝しつ、このまま3へ行かせて貰います。 正直なところ……的外れな事をしようとしてる気もしますが… やれるだけやろうの精神で、行ってきます。 >ジョセフ様 知れば動きが有りそうだなぁと思うが… 知らせる知らせないは、日頃から身近で動いてる方に一任します。
今のところの参加人数だと1-1のままで良さげだな。 正式に1-1参加ってことで固定しよう。 回復の他に、メテオライトとか範囲攻撃の魔法も用意していくな。 だわの殺界の外の敵に招霊呪怨縛。 もし他の人が移動妨害系の魔法を使う予定なら、オレは回復系の特性スキルにチェンジもできるぜ。 選択肢(敬称略) 1-1 だわ ギャメル ロゼット ストレガ 1-2 サイラス テテリカ 1-3 アルベルト ハヤト ナキル ユークリア アルマ(セニャ支援) フリーダ(移動可) シルク 1-4 サフィラ ベルク シファー 1-5 エヴァン(移動補助メイン、位置感覚+α) 2 ヴィノニス 3 ロイ(移動可)
1-1 クレネルウォール設置してそこからメテオライトとか投げるのだ。 あとはグラビティフィールドで足止めするのだ。
とりあえずセニャの対応は行方不明扱いにしてひとまずゴールディに匿うって方針で話が纏まったんで共有しとくぜ!
遅くなってごめんなさい とりあえず1-1で敵の数減らすわ
No.42
人数が足りないので全ての敵を討ち取るのはおそらく出来ないでしょう。 無理はせずに退路は確保しておいてくださいね
重体判定が解けたのかどうか分かりませんが、とりあえず飛び入り参加で 1-1に向かいます
飛び入りのダムドだ、宜しく。 1-1にしとくよ。 選択肢(敬称略) 1-1 だわ ギャメル ロゼット ストレガ フセイン ガルシア ダムド 1-2 サイラス テテリカ 1-3 アルベルト ハヤト ナキル ユークリア アルマ(セニャ支援) フリーダ(移動可) シルク 1-4 サフィラ ベルク シファー 1-5 エヴァン(移動補助メイン、位置感覚+α) 2 ヴィノニス 3 ロイ(移動可)
あまり顔を出せずすまない。 ■1-1 最終的に崩落させるのもありか。 ひとまず、戦闘中に崩れないようには気をつけておこうと思う。大広間が潰れれば連鎖的に建物全域が崩壊しかねないからな……。 退路確保も必要だな。助かる。 個人行動としては、殺界など範囲攻撃多めで出している。