【魂禍】生きた意味

望月誠司

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シナリオID:1860

オープニング

 帝国の、攫われた人々だった。
 凶作により口減らしの為に売り払われた少年少女達。

『ホムンクルス』

 人の尊厳を塗り潰すように殺され、その上で賢者の石を埋め込まれ人造授恵者として甦らせられた存在。

 賢者の石とは――数多の魂が結晶化したもの。
 巨大クリーパー『魂喰らう黒泥晶』が捕食した魂が圧縮され結晶化したものだという。
 この喰われた魂の群れの石が、ホムンクルスの肉体と魂とを繋ぎ合わせている。
 ホムンクルスの命はこの魂の石、すなわち賢者の石によって成立しているが、同時に数多の魂を内包する石はホムンクルスを蝕む。
 賢者の石に封じられた魂達は肉体の支配を求め心身を蝕むからだ。
 ソレが完全に成った瞬間、ホムンクルスは魂の情報量に脳が耐えきれず狂死するという。

「――神々の名に懸けて、弄ばれている命だ。悲劇の為に産み落とされた作為的な悲劇だ。まっとうな悲劇ですらない。いっそ全部爆破して皆殺しにしてやった方が良いんじゃないか。それが慈悲だ」

 フラスコ――辺獄にあるアリの巣状に広がる横穴を利用して作られた地下工房――に突入する依頼を受けた際、同行した冒険者の一人が吐き捨てるようにそんな事を言った。ハーラル・トールソンという名の男だ。
 長剣と円形盾を手に持ち鎧下服(ダブレット)の上から鎖帷子(チェインメイル)を着込み、そして鼻当付鉄兜(ネイザルヘルム)をかぶっている。

 貴方達は辺獄の横穴を進み、アリの巣のように在るその中のうちの小さな部屋を一つ制圧した。
 そこでクリーパーに襲われていた五人のホムンクルス達のうち四人は既にクリーパーが振るった爪によって事切れており間に合わなかったが、一人を救出する事に成功した。
 そしてその少年は正気を取り戻したらしく、彼を保護して帰還しようとする冒険者達へと向けて少年は言ったのだ。

『自分はまだホムンクルスになる前の子供達が集められている部屋への道を知っている。案内する。彼等はまだ命がある筈だから、助けてあげて欲しい』

 と。
 するとハーラルが鼻で笑った。

「命がまだある筈ぅ? 本当か?
 ここでは既に四人も死んでいたのに、この奥でどうしてそんな事が言い切れる。
 この世は悲劇で形作られている。どうせ無駄骨になるに決まってる。

 道案内だと?
 まだ俺達に奥へと進めというのか? この危険な工房内を?

 俺達はお前という成果を手にしたのだから、もうこれで切り上げて良い筈だ。
 それで依頼は達成だ。
 ギルドは依頼料を支払ってくれるだろうよ。
 お前だって、余計な危険を冒さずにここで真っ直ぐに俺達と共に地上を目指せば、狂い死にするまでは、そのクソッタレな紛い物の命を永らえさせる事ができるのかもしれんのだぞ」

 ハーラルはそう言ったが、ホムンクルスの少年はお願いできないだろうかと再度懇願した。

「何故、真っ直ぐに脱出しようとしない?」

 鉄兜の男は再度問いかけた。

「家族や友人でもそこにいるのか?」
「いない。知らない人達だ」
「なら他人だ。何故、見ず知らずの他人を助ける。そんな事をやってお前に何の得があるってんだ」
「もうオレは自分の名前も思い出せない。アンタの言う通りオレはもう偽物の紛い物の命だから、また死ぬまでには生きた本物の意味を残したい、オレが生きた意味」

 茶色の髪の痩せた少年がボソリというと、鉄兜は少年の琥珀色の瞳を仏長面で無言でじっと見下ろした。

「…………だ、そうだが」

 やや経ってからハーラルは貴方達の方を振り向いた。

「どうする?」

解説

■失敗条件  名を失ったホムンクルスの少年が死亡し、かつ、彼が目指した部屋の少年少女達を一人も生還させられなかった場合。 ■状況  現在、NPC二名と共にPC達がいる小部屋から奥へ進むにせよ地上へと戻るにせよ、道程には黒い泥状の小型クリーパーが徘徊しており、危険が存在しています。 ■光源  光る苔が道やホール内には存在しているので、薄暗くて見えにくいですが光源が無くても一応見る事が可能です。 ■味方戦力 ・ハーラル  Lv35ヒーラー  特性はリヴァーオブヴァイタル  スキルはヒール  魔法攻撃力と防御力が高め ・名失少年  粗末な貫頭衣に身を包んだ13歳程度の外見のホムンクルス  Lv10の授恵者程度には戦える  徒手空拳の格闘で戦う ■以下PL情報 「まだ命が在る少年少女達が居る部屋」はそこそこの大きさのホール(直径10hex程度)  十数名の少年少女達は手枷と足枷を嵌められて虚ろな瞳で転がされている。  ホール内には手足が手足が無数の触手状に改造されたホムンクルスの少女が三体居る。  彼女達は少年少女達を定期的に拷問するように甚振っており、彼等が絶望しきった頃合いを見て殺している。  改造ホムンクルス少女三体はPC達がホール内に侵入すると問答無用で襲いかかって来る。 ●敵戦力 ・改造ホムンクルス(少女型)  腰に紐を巻いた粗末なチュニックに身を包んでいる。  青髪ショートカット、金髪ロング、赤髪ポニーテールと髪型がそれぞれ違い。身長も普通(150cm)、矮躯(140cm)、長身(175cm)と個性がある。  触手は数本、先端が刃状になっている物が混じっている。 ・基礎能力  青髪はバランス型  金髪はスピード型  赤髪はパワー型  互いの距離を2hex程あけていて、また移動する際も分散を心がける  触手はある程度自在に伸縮し最大射程は6hex ・霊斬手  刃状の触手に紫色の光を纏わせて攻撃する。物魔撃。威力が高い。 ・捕縛手  サブアクションで使用可能。魔法的な力も用いた束縛攻撃。命中判定を行い命中した場合、ダメージを与え抵抗判定を行う。抵抗に失敗した対象は、失敗の度合に応じて強度が強くなる【束縛】のバッドステータスを受ける。    ・カウンター  1ラウンド中1回のみ、攻撃してきた相手へと行動無消費で反撃出来る。 ・特記  洗脳は深く深くかかっている  また反乱の恐れがないよう脳の一部が切り取られており、洗脳が解けた場合魔獣と変わらぬ危険生物になる

マスターより

 フラスコへようこそ、望月誠司です。  貴方は奥へ、進みますか?  ご興味惹かれましたらご参加いただけましたら幸いです。

リプレイ

 辺獄の工房(フラスコ)。
 地下にアリの巣状に広がる横穴を利用して作られている。
 多数ある空洞のうちの一つでは、生える光苔が闇をぼんやりと照らしていた。

「――先へ進もう」

 どうする、という問い。
 金色の髪と鱗を持つ半獣人の少年は、薄闇の中に金色に輝くその瞳で、鼻当付鉄兜(ネイザルヘルム)をかぶった屈強な大男を真っ直ぐに見つめた。

「まだ救えるかもしれない命があるのに、諦めるのは性に合わない!」

 リザードマンがギシュム族出身の十六歳の少年ライオネル・ギシュムだ。
 ライオネルに続いて毛先が白い赤髪の若い娘もまた言った。

「行く」

 フリューリングスルフト=ティエラである。
 丸い茶色の耳と丸みを帯びた黒尻尾を持つ半獣娘は、名を失った少年へとその琥珀色の瞳を向けると、

「君が抱いた願いをうちは叶えたいさぁ」

 そう瞳を柔らかく細めて、微笑んだ。

「冒険者となっても神徒の矜持は捨てられん」

 地下の室内に屈強な男の声が響く。
 齢は四十程度に見えるだろうか。実年齢は一二八を数える、長年ボルガニスク神殿に仕えてきたドワーフ。ヴェイグ=ベーリングである。

「それに英雄を目指す身としてはこのような所で退けんなぁ、わはは!」

 グレーの髪を持つ戦士は豪快に笑った。
 精悍な男はハーラルを見て、

「……危険は承知、無駄骨かもしれん、無理強いなぞ出来る訳もないが、助力願えんか? 貴殿にも付き合って貰えると心強い」
「……ふん」

 鎖帷子姿の男はヴェイグを見つめ返すと鼻を鳴らし、

「お前達はそれで良いのか?」

 他のメンバーを見渡した。

「聖職者の私には答えるまでもないわ。それにハーラル――」

 ブロンドの髪を頭の後ろで結い上げポニーテールにしている女神官が言った。
 ロゼットである。

「貴方もそこで私たちに問うあたり、その目を見て何も感じていないって訳じゃないみたいね」
「気紛れだ。明日には今日の事なんぞ忘れてるだろうよ。明日を迎えられれば、だがな」
「既に皆さん、腹は決まっているみたいですよ」

 緑髪紫瞳のドワーフ娘ヴィルヘルミナが言った。

「まあ……放ってもおけないでしょう。原因を取り除かないとまた同じ事の繰り返しですし」
「……なるほどな」

 ハーラルが頷き、

「生きた意味は、何かを成さなければ得られないようなものではないと思っていますが……」

 思案するように述べたのは茶色のフードをかぶった白鱗のリザードマン、アクティオンだ。

「その思いは生きる力になる」

 ホムンクルスの少年の意志に関して彼は言っていた。

「いずれにせよ、自分も出来ることをせずに退いては己の生きた意味が難しくなりますし、その話に乗りましょう」

 アクティオンの言葉は実にリザードマンらしいものだった。彼等は『魂の階梯を上げる』という目標を持って生きている。例外的な存在もいるが、多くはそうだ。彼もまたリザードマンの基本に誠実だった。

「先を急ぎましょう……どうやらまだ終わりではないようです」

 銀髪金瞳のエルフ娘マリイ・パルティスが全員が奥へと向かう意志があるのを見てとってハーラルへと言った。

「ハッ! 物好きな奴等よ」

 大男はあくまで毒づいたが、反対ではないようだった。

「では奥へと進もう。ただ、その前にちょっと尋ねても良いかな」

 赤髪の吟遊詩人キオルティスが声をあげる。

「子供達が集められている部屋に関して、知っている限りの事を教えて貰えないかな」
「――わかった」

 名を失った少年がこくりと頷く。
 それにライオネルが言った。

「あ、名前がないと呼びづらいから、琥珀色の瞳からとってアンバーって呼んでいいかな?」
「アンバー……」

 茶色の髪の痩せた少年はその透明感のある黄褐の瞳を驚いたように瞬かせた。

「アンバー、良い名じゃないか」

 薔薇色の髪の若い娘が言った。ディオール伯爵家の令嬢ローザリカ・L・ディオールである。
 それにフリューもまた笑って言う。

「名前は大事さぁ♪」
「……有難う。それじゃ、オレの事はアンバーと呼んでくれ」

 頷いた貫頭衣の少年の様を見やってローザリカは思う。

(……さて、これでもう紛い物の命とは呼べないと僕は思うがね)

 他の皆はどう思うだろう? わからない。しかし、他人の考えに口を出して懐が暖まることもないとローザリカは知っている。
 だが、だからこそ皆が先へ進むこともまた揺るがないのだろうと。

「ハーラル殿、アンバー君の護衛だけでも構わない。どうか力を貸してはくれないだろうか」
「双頭の鷲とて前と後ろに同時に進む事は出来ない」

 ハーラルは不機嫌そうに唸った。

「なら前に立つのは俺じゃなくお前らの仕事だ。俺はこの餓鬼の側で楽させて貰うぜ」

 つまりアンバーの傍で直衛につく事を了解してくれたらしいと判断してローザリカは「有難う」と礼を言った。
 それにロゼットもまた言う。

「ハーラル、私たちの大事な『成果』なんだから、しっかり守ってあげてね」
「ふん、こんな地底くんだりまで来て無駄骨のタダ働きなんぞは御免だからな。言われずとも、やらせはせんさ」

 そんな言葉を交わしている隣で、

「とりあえず、その部屋に囚われている子供達の人数はどれくらいか、わかるかな?」

 ヴェイグが問いかけており、アンバー少年は訥々と彼が知っている限りの事を語り始めたのだった。

●
「――酷い話、だね。けど、一人一人にとっての慈悲は一人一人、違うと思うんだ」

 話を聞き終えキオルティスが感慨を洩らしていた。

「教えてくれてありがとう。案内お願いしますね」

 マリイがアンバーへと礼と共に依頼し、痩せた貫頭衣姿の少年は頷いた。
 一行は光苔に照らされる洞穴内の薄闇のさらに奥へと進みだす。

「なに、アンバー君はどんと構えておいてくれ。君の同胞を助け出した後、抱き起す手が血に汚れていては格好がつかないだろう」

 赤髪の令嬢が悠然とした態度でアンバーへと語り掛けている。不安を抱かせないよう、というローザリカなりの心遣いからだったが、それがこのどこかぼんやりとしている少年に通じているかどうかは不明だ。

「目的地についたらハーラルさんは入口でアンバーの護衛をよろしくね! 部屋の中は俺達で何とかするよ!」

 ライオネルが部屋に辿り着いてからの段取りを改めて伝えている。

「部屋にクリーパーが入らないよう見張りをお願いします。この子もつけますので」

 とペットの白狼コルデラをさして言うのはマリイだ。

「ああ、守りに専念するさ。俺は余計な事はせんから後ろは気にせずやれ」
「アンバー、君は道案内してくれただけで十分だから。絶対飛び出したりしないで。いい?」
「……わかった」

 アンバー少年はこくりと素直に頷いた。聞き分けは良いらしい。
 先頭に立つフリューが暗視と看破、スカウトの心得を駆使し、マリイも捜波を放ちながら狭く薄暗い通路を進んでゆく。途中何体か遭遇した泥状の小型クリーパーを連携して被害を抑えて蹴散らし、回復を挟みつつ進みやがて一行は開けたホールへと出た。
 フリューが暗視で見渡せば、広さはおよそ直径50m程度だろうか、そこそこの大きさを持つ地下空間だった。
 襤褸の貫頭衣姿の痩せた少年少女達が十数名、手枷と足枷を嵌められ地に座り込み、あるいは横たわっているのが見えた。
 ここが件の部屋で間違いないようだ。
 立っているのは中央付近に散っている粗末なチュニック姿の三人の少女だけで、彼女達は手足が異形のものに変形していた。太い糸状の束、不気味な触手を両手両脚より生やしている。

(この子らが番人?)

 先ほどアンバーに尋ねた時、彼は虜囚を監視・拷問する異形の番人達が居ると言っていた。この三人が恐らくそれだろう。
 青、金、赤の髪色をそれぞれ持つ異形の少女達は、冒険者達がホールに侵入するとそれに気づいたか振り向いた。即座にフリューは精神を回避に集中させ地を蹴って駆け出す。

「赤翼一番風! フリューリングスルフト!」

 矢の如く空間を突き抜け、最も直近、金髪を長く伸ばしている小柄な異形少女へと一気に肉薄する。

「――疾く来たさぁ!」

 右腕に嵌めている腕甲と一体化している爪を一閃、即座に左手に握る竜牙の細剣を追撃に振るい、さらに振り抜いた右爪を切り返し薙ぎ払う。
 三連の閃光が一瞬で巻き起こり、金髪ロングの娘は体を半身にひねってすり抜けるように爪撃をかわし、上体を反らして刃をかわし、後方に飛び退って三撃目も軽やかにかわした。

(――速い?!)

 黎明の太陽光に似た瞳を赤髪の半獣娘は見開き、金髪改造ホムンクルスは桜色の唇を開いて奇声を発し着地すると、身をくねらせざま触手状の左腕と右腕を振るった。
 蠢く不気味な大量の触手がフリューの視界を埋め尽くさんばかりに迫り、さらにその陰より紫光を纏った刃状の触手が唸りをあげ迫り来る。

 フリューは素早く地を蹴り横に飛び退いた。間一髪、直前までフリューが居た空間を触手の群れが突き抜け、さらに空中にて迫り来た刃の触手の先端を、赤髪娘は細剣で打ち払ってかわす。
 こちらも恐ろしく速い。
 しかし、その着地先へと目がけて三撃目、ブロンド少女から放たれた大量の触手がフリューを鋭く捉えた。

「くっ!」

 群がる触手が赤髪娘の華奢な身に絡みついてゆき強烈に締め上げる。軽量級の金髪ロング娘は力は弱めだった。だが、フリューもまた装甲が薄い。骨が軋み、痛みが身に走ってゆく。

 他方、

(異形、ですか。仮に自意識があっても、これでは……)

 アクティオン、奇声を発し襲い来る改造少女達を見据え金瞳を鋭く細めた。眉間に皺が寄る。
 生存者の救出のためにも、長引かせられない。
 白鱗のリザードマンは意識を攻撃に集中させると、バイアーディスの骨腱で作られた複合短弓に矢を番え目いっぱいに引き絞った。
 弓と矢が急速に光輝いてゆき、太陽の如く鮮烈な光を発し始める。

(数の差が大きくなるほど楽になる)

 故に最初から全力攻撃だ。エーテルを全開に解放し、輝きが最高潮に達した瞬間、光の矢を解き放つ。
 狙いは、最も力が強いだろうとアンバーが述べていた赤髪ポニーテールの長身少女。
 旋転する烈光の矢が薄暗いホール内を一瞬で貫き、吸い込まれるように赤髪少女へと突き刺さった。錐の如く骨肉を抉りながら深々と入った光矢が、その凶悪な衝撃力を体内へと炸裂させてゆく。チュニックが赤く染まり少女の身が大きく揺らいだ。
 異形の少女は赤瞳を爛々と輝かせアクティオンを睨み返すと、反撃(カウンター)に触手状の右腕を振るった。

(――そこから届く?!)

 部屋の中央、25m程度はあるだろうか。その長大な距離を渡り、大量の触手がアクティオンへと迫り来た。
 白鱗のリザードマンは咄嗟に飛び退く。が、攻撃に意識を集中していたので反応が遅れた。かわしきれず触手に捉えられ、その身を強烈に締め上げられ束縛されてゆく。
 長身な赤髪少女のそれは金髪少女よりも速度で劣るが力は遥かに強かった。アクティオンの骨がミシミシと軋んで全身に激痛が走り、肺が絞られ口から息が洩れてゆく。

 他方、

――守りきるには要救助者の数が多すぎる!

 それなら敵の注意をこっちに向けた方が安全だとライオネルは判断していた。

「俺は赤髪を引き付ける! あと二人の引き付けよろしく!」

 仲間達へと叫びつつエーテルを解放、爆発的に加速し前方へと飛び出す。
 ポニーテールの少女の眼前へと踏み込むと至近距離より気合の声と共にエーテルを噴出した。シーザーロアだ。
 咆吼を受けた長身の娘はライオネルへと反応、小柄な金髪少年を見下ろし左腕を蠢かせた。
 左腕の付け根から新たな触手が大量に生え、爆発的にライオネルへと襲い掛かる。ライオネルは咄嗟に左の盾を翳す。が、蠢く触手は盾をかわして迫り来た。その全身が蠢く触手に絡みつかれ強烈に締め上げられてゆく。
 半獣人の金髪少年の身が軋み、苦悶の息が洩れる。赤髪少女は赤眼を爛々と輝かせながら奇声を発し、さらに右腕の触手を鞭の如く振るった。
 紫光を宿した刃状の触手が迫る。ライオネルは歯を喰いしばった。触手に拘束されながらも全霊を絞って身を動かす。光の触手刃が鎧の厚い箇所と激突し、壮絶な衝撃が巻き起こった。装甲を貫通してくる衝撃に息が詰まり、激痛に視界が揺らぐ。

(……きっつ!)

 ライオネルは非常に高い防御力を誇っている。しかしそれでももう一発は触手刃に耐えられるかもしれないが二発は耐えられそうもない。改造ホムンクルスの中でも特にパワーに優れる赤髪少女の破壊力は凶悪だった。

 他方、

(今対峙している少女たちも……同じ目に合ってここにいるのでしょうね)

 マリイはホール内に広がっている惨状を目の当たりにして衝撃を受けていた。
 まだホムンクルスにされる前の、とアンバーは言った。この触手状の手足を持つ異形の少女達は、されてしまった後なのだ。絶望に沈められた後に殺され、そしてその骸を利用してこの改造ホムンクルスに仕立て上げられた。
 マリイは悔しくて、悲しくて、腹立たしたかった。
 猛威を振るっている赤髪少女を見つめる。

(ごめんなさい。先に倒れていた子たちも、あなた達の事も、決して無にはしませんから)

 意識を攻撃に集中させ傘を翳す。一見、美しいだけの雨傘に見えるがその実、魔法杖としても使用可能な仕込み傘である。
 光が傘の先端へと収束してゆき、やがて球形を象ると、金色の瞳で少女を見据え勢い良く撃ち放った。魔弾だ。薄闇の中、光輝く球体が唸りをあげて飛び、アクティオンとライオネルを拘束している赤髪少女の身に迫り炸裂、壮絶な大爆裂を巻き起こした。
 チュニック姿の少女の身の一部が爆ぜ飛び、夥しい赤色が宙へと飛び散ってゆく。

 他方、

(洗脳の解除は……そこまでの余裕はなさそうですね)

 ヴィルヘルミナは胸中で呟いた。
 それに、手遅れの可能性が非常に高そうだと。
 暗視でホール内を見渡しつつそう判断すると、アメジストに似た紫瞳で青髪の少女を見据え、殺気をエーテルに乗せ撃ち放った。シーザーロアだ。
 さらにヴィルヘルミナは優美な曲線を描く、銀色の太刀を両手で握り振り上げるとエーテルを解放、踏み込みと共に鋭く振り抜いた。
 遥かに剣の間合いの外だったが、三日月状に振るわれた刃の軌跡より衝撃波が唸りをあげて飛び出した。衝撃刃だ。
 空圧が青髪少女に炸裂し凶悪な打撃を与えた。少女の均整の取れた身が大きく仰け反り、しかしすぐに身を振り戻し、同時にヴィルヘルミナへと左腕を反動を乗せ振るった。
 大量の触手が爆発的に伸び緑髪のドワーフ娘へと迫り来る。

(――捕縛用かな)

 泰然自若に構える娘は、冷静に触手の種類を見切ると、かわすべく身を捌きつつ銀月を横に払った。
 迫る触手群と銀色の鋼とが激突し、触手群の軌道が逸れ、ドワーフ娘の脇を掠めて抜けてゆく。

(これも捕縛用)

 さらに青髪少女が放ってきた触手群に対し、太刀を引き戻しつつ再度かわさんとしたヴィルヘルミナだったが、今度は避けきれなかった。その細身が触手に捉えられ絡みつかれて強烈に締め上げられてゆく。が、ヴィルヘルミナはそれなりに頑強である。束縛はされたがダメージは軽かった。
 が、

――まぁ、本命が来ますよね。

 動作を著しく阻害されていたが、身を捻り太刀を翳して防御姿勢を取る。
 次の瞬間、唸りをあげて飛来した紫光纏う触手刃が、緑髪のドワーフ娘を貫いた。凶悪な破壊力にヴィルヘルミナの身が揺らぎ、触手刃が引き抜かれると真っ赤な血が噴出してゆく。

「……助けてあげられなくて、ゴメンなさい」

 ロゼットが戦槌を握り締め呟いた。

「せめて貴方たちに、望まない人殺しなんかさせないわ」

 女神官は己自身と鎚と盾、身を包む竜鉄の鎧らからエーテルを引き出すと増幅、強い光と成して解き放った。
 眩い光を浴びたヴィルヘルミナの身より急速に痛みがやわらいでゆき、その傷が塞がってゆく。
 そしてロゼットは赤毛少女へと向かい猛然と駆け出してゆく。

 ローザリカもまたドレスの裾を靡かせながら駆けつつ、薔薇色の宝石で彩られた洋扇を素早く翳した。
 癒しの力を秘めた光球が扇より放たれライオネルの身に命中、吸い込まれるように消えてゆくと同時、少年の身体から痛みが和らぎ傷が急速に癒えてゆく。サイドヒールだ。赤髪の令嬢が赤髪の少女へと迫ってゆく。

「そちらの金髪娘は俺が止めようぞ!」

 グレーの髪のドワーフが弩矢の如く爆発的に加速した。
 小柄な少女へと一気に接近したヴェイグは裂帛の気合と共にエーテルを放出する。シーザーロアだ。
 フリューを睨んでいた金髪ロングの娘は、吹きつけるエーテルに反応しその黄金の瞳をヴェイグへと向けた。

 キオルティスはエーテルを解放、一瞬で超加速してホール内を稲妻の如く駆け抜けると、蹲っている少女のもとに辿り着いた。

「可哀想な小さなレディたち……今、その鎖を切るよ」

 赤髪の吟遊詩人はシーフズツールを用いて手枷と足枷の解錠を開始する。

 ハーラルはアクティオンへと命の河(リヴァーオブヴァイタル)をかけ全回復させてから、アンバーを連れホールから出て通路を後退した。ホール入口は敵の射程内なので、留まるは危険と判断した為だ。

 フリューは金髪ロング少女から伸びる触手に締め上げられ束縛されながらも捜波を放った。
 改造ホムンクルス達は分散しているので、一度に一発の捜波の範囲内に入れる事は出来ない。故に赤髪少女と金髪少女へと放ち、それぞれにマークを付与する。

(カウンターも覚悟の上!)

 マリイ、とにかく攻撃を優先したい。
 引き続き意識を攻撃に集中させつつ雨傘の先端に光を集め球形と成し撃ち放つ。
 眩い光の球が薄闇を裂き唸りをあげて飛び、赤髪少女に命中、再び壮絶な爆裂を巻き起こした。直後、爆発的に大量の蠢く触手群が押し寄せて来る。銀髪エルフ娘は輝くエーテルを黒衣に強く纏い防御する。絡みつく触手が光膜越しにもマリイを強烈に締め上げ束縛してゆく。

「――大丈夫、押し通します!」

 エルフ娘は苦痛に歯を喰いしばりつつも耐え、叫ぶ。

「承知!」

 アクティオンもまた触手に束縛されつつも攻撃集中態勢を維持。矢筒から二本の矢を引き抜くと目にも止まらぬ速度で矢継ぎ早に二連射する。
 絡みつく触手によって不完全な態勢ながらも、二本の矢は閃光の如くに鋭く赤髪少女へと迫り、狙い違わずその胴へと吸い込まれるように命中した。錐の如く旋転する矢が骨肉を抉って深々と突き刺さり強烈な衝撃を連続して巻き起こしてゆく。

 直後、ロゼットは赤髪少女へと踏み込むとエーテルを解放、ダマスカスの鋼塊を振り上げ渾身の力を籠めて振り下ろした。
 ハンマーが唸りをあげて迫り、赤髪少女はかわさんと身を捻りステップする。しかし雷霆の如く走った戦槌は逃さずに赤髪少女の肩を強打し、鈍い砕音を鳴り響かせた。破脚砕だ。肉体を蝕むエーテルが赤髪少女の身に絡みついてゆく。

「俺は盾として、ここで倒れるわけにいかないんだよな!」

 ライオネル、意識を防御に集中させつつエーテルを解放、触手に束縛されながらも裂帛の気合と共に強引に大剣を振り下ろす。
 迫る鋼の刃に対し赤髪少女はかわさんと身を捌く。束縛と防御集中により大幅に精度が低下している少年の剣は、パワー型の少女でも回避できるタイミングだった、通常ならば。しかし、ロゼットの破脚砕によって赤髪少女もまた動きが鈍っており、避けきれずに肩口から大剣が喰い込み、鋭い刃がその白肌を斬り裂いて抜けてゆく。
 盛大に鮮血が噴き上がる中、赤髪少女は金髪少年の身を再度強烈に締めあげ、紫光を宿す触手刃で斬りつける。
 束縛されつつも防御に集中しているライオネルは巧みに鋼の盾を傾斜させ紫光刃を受け止めた。轟音と共に衝撃が荒れ狂い、盾の表面に火花を巻き起こしながら刃が抜けてゆく。
 ライオネルは突き抜けて来る衝撃に腕に激痛が走り、麻痺する程に痺れていたがまだ立っている。タフだ。

 ローザリカは、ハイヒールを履く右足を高々と振り上げた。救えない命、やるせない気持ちを覆い隠すようにエーテルを全開に解放、ヒールに薔薇色のエーテルを纏わせつつハンマーの如く振り下ろす。
 薔薇色の光が走り、赤髪少女の顔面に炸裂、湿った砕音を轟かせ宙に赤色を散らしながら少女が仰向けに倒れてゆく。

「――どうかそのまま眠ってくれ」

 令嬢は小さく呟いた。

 他方、金髪ロングの少女がヴェイグへと触手を放って締め上げ、間髪入れずに紫光を纏う触手刃を振るっている。
 屈強なドワーフ男は束縛されながらも武具にエーテルを収束、迫る紫刃に対し光輝く盾を翳した。
 光と光とが激突し轟音と共に光粒子が散る。
 金髪少女の一撃は雷光の如く素早かったが、ヴェイグの守りを崩せる程の破壊力ではない。一撃を危なげなく捌いたヴェイグは、絡みついている触手に触れエンパシーを発動、その感情と感覚を受け取った。
 瞬間、

「――むぅっ?!」

 頭部と胸の奥の神経と筋肉とがヴェイグの意志を無視して勝手に強張り、締め付けられるように蠢いた。心臓が激しく跳ね上がる。精神の弱い者ならそれだけで発狂しかねない壮絶な怒りと悲しみ、そして恐怖がヴェイグの中へと流れ込んで来る。
 正気を失い意識が飛びそうになるが、長年神徒としての修業を積んできた齢百を超えるドワーフは、その時の流れに鍛えられた精神を振り絞り抗った。

――俺は、誰よりも強く……負けはせぬっ!

 信念のもと歯を喰いしばって堪え、意識を保つ。
 
 他方。
 青髪少女がヴィルヘルミナを締め上げながら紫光の触手刃を振るい斬りつける。
 真っ赤な血飛沫が噴出してゆく中、緑髪のドワーフ娘は冷静に精神を防御に集中させて負傷を抑えつつ、己の身へと左手をあて癒しの光を放出した。
 激痛が若干和らぎ傷が塞がってゆく。ヒールだ。
 ハーラルもまた通路から癒しの光を放ちマリイを回復させてゆく。

 キオルティスは枷を外した少女の容態を医療・薬学スキルを用いて観察してゆく。一ラウンドはおよそ五秒なので攻防の間に出来る事には限りがあったが、外傷が無数にあったので、かなり傷めつけられているという事は一見してすぐにわかった。

 可哀想、悲しい、許さない、そういった心をフリューは持たなかった。
 分からないから、寄り添えない。

――けれど。

 赤髪の半獣娘はエーテルを全開に手足を振るい身を捩った。身に絡みつき束縛していた触手を振りほどき脱出する。

――己の速さが誰かの命を救えるなら。
――君の願いを叶えるのに役立てるなら。

 心奮わずには、いられなかった。

「疾く疾く駆けろ、風より速く陽よりも鮮烈に焼き付けろ!」

 裂帛の詩を詠いあげるように踏み込み、右爪の振り上げ、左剣の横薙ぎ、右爪の振り下ろしの三連撃を放つ。
 ブロンド少女は上体を反らしてかわし、後退してかわし、横にスライドしてかわす。即座に腕を振るい爆発的に触手の束をフリューへと撃ち放つ。高速の攻防。

「こっちさぁ!」

 太陽色の瞳の少女は風の如く駆けステップして迫る触手を鮮やかにかわしてゆく。
 赤髪の改造ホムンクルスが倒れ、触手から解放されたアクティオンは精神を集中させつつ重撃射を発動、矢にエーテルを収束させて金髪少女へと撃ち込み、その動きを鈍らせる。同じく触手から解放されたマリイもまた攻撃集中を維持して雨傘より本日三度目となる魔弾を発射、回避速度の低下した金髪少女へと命中させ壮絶な爆裂を巻き起こしてゆく。
 金髪少女は金色の瞳を輝かせつつ憤怒の奇声を発しヴェイグを締め上げ霊斬手で斬りつけ、屈強なドワーフ男は武具を強く光輝かせながら盾を翳しがっしりと受け止める。
 触手から解放されたライオネルは猛然と駆けると裂帛の気合と共に苛烈に大剣を振るった。鋭く走った一閃を、金髪少女は素早く飛び退いて鮮やかに回避。速い。アクティオンの重撃射で回避は低下していたがそれでも並ではない。
 ロゼットはホールの奥、子供達の方へと抜けつつヴィルヘルミナへと解呪の光を放った。光を受け抵抗力を増大させた緑髪のドワーフ娘は、触手を振りほどき青髪少女へと向かい湾曲する銀の刃を鋭く一閃、衝撃波を唸りをあげて飛ばし、空圧の打撃を叩き込む。
 青髪少女は反撃に霊斬触を放ち、ヴィルヘルミナは太刀を使って斬り払ってかわした。続く捕縛触手を避けきれず喰らうも振り払い、しかし直後に鞭の如く翻った霊斬触で叩き斬られ鮮血を盛大に宙に噴出させる。
 ローザリカはエーテルを全開に右手に握った扇をヴィルヘルミナへと向けて癒しの光を放出し、左手に握るパゴダ傘をヴェイグへと向けて癒しの光球を飛ばした。光(ヒール)と光球(サイドヒール)をそれぞれ受けたヴィルヘルミナとヴェイグの傷が急速に癒え、痛みが和らいでゆく。ローザリカのそれは癒しに対する効率的なエーテル操法により通常よりも大幅に効果が高かった。
 ヴェイグは防御に意識を集中させつつ、裂帛の気合の声と共にエーテルを噴出、シーザーロアを浴びせてブロンド少女からの執着を重ねさせつつ、触手に束縛されながらも竜鉄の大太刀を一閃。唸りをあげて赤く輝く刃が走り、しかし金髪少女はこれを素早くバックステップして回避した。やはり速い。
 キオルティスはバックパック内から水筒を取り出し少女へと手渡して飲ませようとしたが、少女の方はホールの中央から入口付近にかけて巻き起こっている冒険者達と改造ホムンクルスの死闘を固唾を飲んで凝視していた。自分達が解放されるかもしれない思いがけない希望と圧倒的な力を誇り少女達を甚振ってきた恐怖の権化が激突している。

「心配はいらないよ」

 キオルティスは少女を安心させるように微笑した。

「俺の仲間達は強いからね」

 ハーラルがフリューへとヒールを放って回復させてゆく。
 フリューが三連撃を金髪少女へと仕掛け、少女はかわしざまにカウンターの触手を放ち、フリューは素早く機動して回避。
 攻撃に精神を集中させているアクティオンが閃光の如くに矢を撃ち込み、同様に集中しているマリイが魔弾を爆裂させた。小柄な金髪少女は回避と命中に優れていたが引き換えに攻撃力と耐久度は低かった。マリイの一撃についに耐えきれず大きく吹き飛び、地に転がって動かなくなる。

 青髪少女はいまだ健在だったが、もはや単独となっては冒険者達の総攻撃には抗しえず、ロゼットの破脚砕で回避を下げられた所へ、ヴェイグの赤光纏う大太刀が一閃されて斬り裂かれ、さらにフリューの爪と細剣による三連撃を受け、ついに倒れた。
 それを見て傷だらけの少女は安堵したように表情を綻ばせ、キオルティスから水を受け取って涙を流しながら飲んだのだった。


 戦後、冒険者達はアンバー少年や手枷足枷をとかれたホールの少年少女達から深く感謝された。
 ヴェイグは豪快に笑うと、

「まだ地上に脱出するには危険が残っているが、安心するが良い、必ず護る故な。不安ならば俺の背に隠れよ!」

 そう述べて、痩せ、負傷し、衰弱し、困憊状態にある子供達を勇気づけた。
 また、ロゼットはハイパーヒーリングオーラを連続して発動させホール内に光を放ち、全員の傷を回復させ、ヴィルヘルミナ、マリイ、ローザリカもまたヒールや召喚術で皆を回復させた。
 ヴィルヘルミナ、ライオネル、ローザリカはピュアウォーターや持参した水袋、生活魔法などで用意した水を子供達へと配り、またヴィルヘルミナはパウンドケーキを、ライオネルは氷砂糖(クリスタルシュガー)を少量だが配り、子供達からとても喜ばれた。

 子供達が一息ついている間、

「……酷いことを。痛かったでしょう、安らかに眠りなさい……」

 ロゼットは改造ホムンクルス達の骸に禍々しい施術の痕を見て、その冥福を祈った。

「……どうかその命が二度と弄ばれませんように」

 マリイもまた祈りを捧げ、穴を掘って埋め、弔った。

「……君たちを終わらせる事でしか助けられなくてごめん、間に合わなくてごめん」

 ライオネルは簡素な墓前にて手を合わせ呟いた。

「……フン、お前達に謝らねばならぬ責任などあるものか。神々の名に懸けて、こんな事をしでかした馬鹿どもが悪い」

 ハーラルはライオネルへとそう言った。


 諸々を終えた後、一行は少年少女達を連れ地上を目指した。
 帰路、キオルティスは進行方向だけでなく背後にも注意を払いつつ、ライオネルもまた殿を務めて後方を警戒した。

「一つ一つ、悪意の悲劇を潰していくしかできることはない、か……」

 アクティオンはフリューやマリイらが捜波でさぐりあてた泥状クリーパー達へと炸光矢を撃ち込んで薙ぎ払いつつ呟いた。
 冒険者達は帰路も油断なく進み、やがて子供達をつれて、地上への帰還を無事果たしたのだった。

マスターコメント

 この度はご参加とプレイング、誠に有難うございました。  このような結果となりました。  ご満足いただける内容になっていれば幸いです。
ロングシナリオ

ロングシナリオ難しい 報酬:標準9 / 6〜10人

2022年01月31日 22時32分37秒 公開

成功

相談掲示板

  1. ヴェイグ=ベーリング

    ウォーリアのヴェイグだ!よろしく頼む! いやはや、ハーラル殿が言う事も最もだな。 然り、冒険者とは依頼によって働く者。ここで切り上げるのが在るべき姿であろう。 だがすまんな。俺は百年余、シグモルの神徒として生きて来た者故。冒険者となっても今更神徒の矜持は捨てられん。 何より俺は英雄になりたいのだ、このような所では退けんなぁ、わはは! うむ、そのような訳で俺は救出に向かいたいがどうか? 救出に向かう場合は仕事が増える故な、考える事が多いな!主にこの2点になるか? ○改造ホムンクルス3体との戦い方! ○救出後の脱出方法、即ち黒い泥状の小型クリーパーへの対処! 改造ホムンクルスの「捕縛手」が厄介に見えるが、ウォーリアの俺とは相性はそう悪くない故な。 前衛として動き、攻撃を引き受けていくつもりで考えている。 だが射程が6hexもある故、後ろの者にとってもそこが要注意だな。 名失少年の護衛、という意味でもな。思わぬところから狙われる恐れもある故、ここも対策を考えておきたいな!

  2. アクティオン

    シューターのアクティオンです、よろしく。 >切り上げるか、先に進むか 英雄に興味はありませんが……まあ、純粋に寝覚めが悪い。 依頼内容(ホムンクルスの少年確保)は絶対ですが、その上でならもう一働きも問題ありません。 報酬のことは別として、放っておいたらこの奥の件もいずれ依頼になりそうですし、そうなれば二度手間ですしね。 >改造ホムンクルスとの戦闘 とりあえず部屋に入ればこちらを猛攻してくるとのことで、戦闘中の少年少女たちの保護はあまり考えなくとも良さそうですかね? カウンターのこともありますし、基本的には一体ずつ集中狙いで各個撃破といきたいところですが。 >道中クリーパー 「NPC二名と共にPC達がいる小部屋から奥へ進むにせよ地上へと戻るにせよ、道程には黒い泥状の小型クリーパーが徘徊しており、危険が存在しています。」とありますが、これ、小部屋には小型クリーパー来ないんですかね? それであれば、ホムンクルスの少年はひとまずここに残ってもらうのも手の一つなんですが…… 少年少女たちを救出した場合は変える際にホムンクルスの少年+少年少女達も護衛対象になるので、往路は急ぎたいところですがスキル温存しつつ入念に、復路は範囲スキルがあればそれも使って確実に蹴散らしながら、といった動きが基本でしょうか。

  3. ロゼット

    ヒーラーのロゼットよ、これで依頼は成立ね。 >名失少年 部屋への道案内が彼だから、置いていくことは出来ないわね。 戦闘参加はさすがに危ないから、部屋の入口で待たせるか、 拘束されてる少年少女のところで、まとめてしてしまうか。 >戦闘中の少年少女の保護 改造ホムンクルスは、私たちへの攻撃を優先はしそうだけど、 見境がなくなってるとも言えるから、あまり安心もできないわね。 霊斬手は射程が長いから、簡単に届くでしょうし。 ハーラルに頼むか、または私が解放と保護にまわっても良いけど。

  4. アクティオン

    >名失少年 >道案内だから置いていけない 道順を聞ければと思いましたが、口頭の説明で間違う可能性や、やはり部屋に残して他の脅威が迫った場合を考えると同道となりますか。 部屋までは露払い役と直衛に分かれる感じで良いですかね。部屋についてからは……目標の少年少女達と敵の位置関係も分からない(下手に纏めようとすると敵の間を突っ切る羽目になったりする可能性もある)ので、入り口で待ってもらう、が妥当という気がします。

  5. ロゼット

    >改造ホムンクルス戦 1体ずつ撃破は良いとして、フリーにさせておくのもなんだし、 近接系で分担して、シューターや他で加勢して順番に撃破かな? ダメージを考えると、パワー型から倒した方が良いかしら。

  6. ライオネル・ギシュム

    ウォーリアのライオネルだよ。よろしくね! >切り上げるか、先に進むか 俺は勿論先に進むよ! ハーラルさんのいう事は冒険者としては正しいのかもしれないけど…。 目の前にまだ救えるかもしれない命があるのに、諦めるのは性に合わない! >名失少年 名前がないと呼びづらいから琥珀色の瞳からとって、アンバーって呼んでいいかなって提案したいな。どうだろ? 入り口で待ってもらうなら、ハーラルさんに護衛としてついててもらうのが安全かな? >改造ホムンクルス戦 今ウォーリアが3人いるし、1人ずつシザーロアで引き付けるのはどうだろう? 少年少女達十数名を全員守りきるよりも、引き付けちゃう方が安心かなって思った!

  7. キオルティス

    シーフのキオルティス。キオでもルティスでもお気軽に。 今回は宜しくね。 >切り上げるか、先に進むか 助けることが出来る可能性がある少年少女たちが居ることが 分かっていて助けないのはスマートじゃないね。 クールじゃないのは行動はしたくないね…ってワケで。 俺も救出に向かう…かな。 >名失少年 ライオネルさんの言うように名前を付けるのは良いかも。 きっともっと全員の…ハーラルさんも含めて…少年の存在が 大きくなると思うし、大切になると思う。 1人の…人間として扱えるんじゃないかな。 基本的に入口待機、その上でハーラルさんに護衛して貰うのも 特に他にやりたい人が居なければ、それでも良いかな…と思うよ。 >戦闘中の少年少女 もし良ければ俺がやろうか? シーザーロア付きの敵に対して、移動力5で疾風足は勿論、壁歩きや ホライゾナルジャンプを併用すれば、比較的簡単に少年少女の許へは 辿り着けると思う。 ただ、十数名を護る手段はさすがに無いかな…。 どうしても攻撃的防御になってしまうね。おこさえクリア出来ればって感じ。 >改造ホムンクルス戦 パワーかスピードから倒すと良いかも。何にせよ特化は怖いしね。

  8. ヴィルヘルミナ

    ヴィルヘルミナです。よろしくお願いします。 どうする?と言われていますが、皆さん腹は決まっているようですし救出でしょうか。 ここまでに消耗があるなら回復しておきたい所ですが、クリーパーとの戦闘があったようですし。 光源があるお陰で視界は一応確保できていますが若干薄暗くて見えにくいようなので、 気になるなら暗視やらで補強してもいいでしょう。 ホムンクルスは互いに距離を取っているので範囲攻撃でまとめるには工夫がいりますが、捕らわれている子らを誤って巻き込む危険もあるのでやらない方が無難でしょうね。

  9. アクティオン

    >フリーにさせるのは怖いので近接系で分担 >シーザーロア 執着をとってもらえるのであればありがたく。 優先して狙うのは、パワー型からでどうですかね。それぞれウォーリアの方に抱えて頂くとして、長引くと一番困りそうなのは打点のあるパワー型でしょうし。 >少年少女の保護 執着が確実にとれるなら、冒険者が近づかない方が危険度は下がる気もしますが…… 追い詰められた際の行動変化などもあるかもしれないので、無理やりいくまではせずともいけそうなタイミングがあればいってもらう、ぐらいでしょうか。 >名失少年の名前 自分としては反対の理由は特にありません。 まあ本人の意思にもよりますが、いずれにせよ今回の救出完了まで名無しでは困るから呼びやすいように、ということであればそこまで戸惑われもしないでしょう。

  10. ローザリカ・D・ケレス

    ヒーラーのローザリカだ。よろしく頼もう。 先に進み、ハーラル殿に少年の護衛を頼み戦闘を行うことに異論はないよ。 最悪、形勢があまりに悪い時に彼を連れて撤退して構わないとでも言えば頷いてくれるだろうか。 無論、黒い泥状クリーパーの存在があるから此方に協力する方に利があると説くのも外せないかな。 >名失少年の名前 名を付けることにも賛成だよ。アンバーという名も良いと思う。 生きた意味を残したいと言う彼だ、きっとその名を大切にしてくれるだろう。 それに、少年少女救出の際に「喪うものがもう何もない」という理由で 名失少年が無茶をするような事態を防ぐキッカケにもなればいいと、そう願うよ。 >改造ホムンクルス戦 パワー型を一番先に沈めたいと、僕も思う。 高威力の攻撃を早めに潰したいのは勿論、 スピード型を先に潰そうとして、思ったよりも攻撃が当たらず手間取ると面倒そうだ。 それならば、潰しやすそうな方から確実に減らせたらと思ったかな。 僕自身の動きとしては、引き付け役の傍でのヒールと、 【束縛】のバッドステータス解除あたりは必須になるかな?

  11. マリイ・パルティス

    すみません、ちょっと遅くなりました。 シューターのマリイと申します。よろしくお願いしますね。 そうですね、先に進むことに異論はありません。 しかし、改造ホムンクルス達が相手ですか。彼女たちも被害者達の慣れの果てと思えば可哀そうですが……救出対象も多いですし、状況がまた厳しいですね。なんとかしてあげたいですが、PL情報でしょうが狂暴化してるようですし難しいかな。 少年の護衛> ハーラルさんにお任せするのですね。 万が一クリーパーが来た時の事も考えておきたいですし、私もペットの狼を一緒に置いておこうと思います。 戦闘> 方針も了解です。引き付けてもらえるのはとても助かりますし、なるべく早く仕留められるよう攻撃優先に動きますね。現状だとキャスターさんもいませんし、杖と魔法攻撃を持っていこうかな。 行きの道中もある程度急ぎたいので、敵が複数来た時の為に範囲攻撃を持っていこうと思います。

  12. ヴェイグ=ベーリング

    先へ進むで良さそうで安心した! メタ的にこの依頼の流れで進まんという事はないとは思ったがな、念の為というのもあるが……半ば相談の場を借りた自己紹介ではあったな、わはは! うむ、皆の人となりも知れて嬉しく思うた。表明に感謝だ。 >名失少年 うむ、俺もハーラル殿に護衛を頼む方針で異存はない! アンバーというのも良い名前ではないか、俺もその名で呼ばせて貰おう。 >少年少女達 ギシュム殿の提案が良いのではないか!護るには人数が多すぎる故な、改造ホムンクルス達が余所見できん程に戦いを激化させる方が良かろう。 うむ、1人は俺がシーザーロアで引き付けよう。 >改造ホムンクルス戦 まずはパワー型からであろうなぁ。 引き付け中にディオール殿の支援を貰えるのはありがたい。 【束縛】の解除もありがたいが、余裕があればで構わんでな!俺の場合は【束縛】あまり痛手にはならん故な。 その他は…そうだな……シーザーロアでの誘引も行うが、攻撃も率先して行おう。 俺の火力はさほど期待できんが、カウンターを誘発させておきたいのだ。俺に使ってくれるかどうかはわからんが、試しておいて損はなかろう!

  13. フリューリングスルフト=ティエラ

    遅くなってしもうてごめんなさい! シーフのフリューリングスルフト、長いからフリューって呼んでさぁ! 少年に「アンバー」って名を贈るのと、ハーラルさんに護衛を頼む事、パワー型から倒す事、引き付けて戦う事、諸々賛成さぁ 奥に進むとき、地上へ戻る時、あとは戦闘中も。 常時、双波と看破など使って索敵し。黒い泥状のクリーパーにマーク付与と情報共有していこうと思っているさぁ

  14. ロゼット

    参加者が増えてだいぶ楽になったわね。 名失少年の仮名は構わないわ。記憶、戻ると良いのだけど。 部屋の入口で待機と、ハーラルさんに付いてもらうね。了解。 そのあたりは、私の方でもプレイングに入れておくわ。 スキルは特性にハイパーヒーリングオーラを持っていくわ。 終了時に冒険者と少年少女、全員に回復をかけられるから。 特に少年少女には、できれば自力で歩けて欲しいし。 あと、非戦闘員が多いから事故防止にスケープセイントを。 残りはローザリカと同じく、ヒール3と解呪あたりかな? >キオルティス 少年少女の側に立つの、やって良いと思うわ。 シーザーロアもあるしね。すぐには行けないけど、 私も立ち回りながら、そちら側にまわりにいくわ。 >マリィ 戦闘はやむを得ない…と思うわ。洗脳の支配が弱かったり、 圧倒的に優勢ならともかく状況、特記もあって厳しいなと。 首謀者に無念を晴らすことを約束してあげることぐらいしか…。

  15. ヴィルヘルミナ

    定員まであと一名ですか。誰か来るでしょうか。 ウォーリアはシーザーロアで引き付ける案が出ていますが、誰がどのホムンクルスを引き付けましょうか。 特に言及はされていませんが、適当で宜しいので? 名付けは特に反対するような事もないのでお任せします。

  16. ライオネル・ギシュム

    改造ホムンクルス達も被害者だと思うと心が痛むけど…。 もう救えないところまで来てるだろうから、俺達は終わらせる事しか出来ないって割り切っていくしかないね…。 せめて今救えるところにある命を救える様に頑張ろう! キオルティスさんとロゼットさんが少年少女側に付いてくれるんだね。 引き付けも100%じゃないから、側に居てくれるの助かる! >名失少年 名前に賛成ありがとー! 名前を持つ事が少しでも彼の希望になったらいいな。 >ウォーリアはシーザーロア ヴェイグさん引き付けオッケーありがとー! ヴィルヘルミナさんにもお願いして大丈夫かな? 俺が言い出した事だし、一番危なそうなパワー型は俺が担当するよ。 防御スキルは結構あるし何とかする!

  17. ロゼット

    >ウォーリアのシーザーロア ライオネルがパワー型、これだけ決まりで良いかな。 後の2体は申し訳ないけど、適当なりウォーリアにお任せするわ。

  18. ヴィルヘルミナ

    >シーザーロア では、私はバランス型に行きましょう。

  19. キオルティス

    >ロゼット じゃあ一足早く行ってるね。応援に来てくれるの、待ってるよ(微笑 さて、俺でも出来ることをしなくちゃね。

  20. ヴェイグ=ベーリング

    >シーザーロアも分担 分担は承知した!俺がスピード型担当と指定しておく……のだが、1つ問題がある。 敵の能力は全てPL情報、戦ってみんことにはわからんのだ! 対象を事前に決められんし、即座に敵の誘引をせねばならんだろう。 ひとまず対策として、俺の方で名失少年に敵情報を聞いてみよう。知っているかはわからんが。 加えて戦闘中に敵の情報を把握出来るよう努める。 洗脳状態に関してはエンパシーを使用し確認する予定だ。

  21. ヴェイグ=ベーリング

    見落としておったわ!すまん! >ティエラ殿 道中の索敵ありがたい! 特に帰りは護衛対象が多い故な、奇襲等は怖くてかなわん。頼りにさせて貰う!

  22. フリューリングスルフト=ティエラ

    お、お、お? おー!任せてさぁ♪ 索敵とホール内の戦闘では主に攪乱、遊撃、ハーラルさんの不利時に駆けつけなどなどしていくつもりさぁ よろしくね!

  23. ライオネル・ギシュム

    そっか、PL情報だ!?ごめん! 一応赤髪狙いって書いとくけど、上手くいかなくても現場判断で何とかしよう…!(ぐっ)

  24. マリイ・パルティス

    と、間が開きました。すみません。 そうですね……ありがとうございます。できることを精一杯しましょうか。 道中の捜波は私も持っていきますね。帰りなどは特に気を付けたいですね。 改造ホムンクルス達> そういえばPL情報でしたね! こちらもとりあえず先に体格が良くてつよつよそうな子を狙うようにかいておきます!

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0