【帝国】エーテル浄化者と祓凶の祭【燃纛】

望月誠司

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シナリオID:1608

オープニング

 元気に育ちますように、と願いながら苗木に水をやる事は、少女にとって日常的な事だった。
 元気になりますように、と願いながらしおれている草花に水をやる事は、少女にとって日常的な事だった。

「……えっ?」

 しかし、水をやった直後にしおれていた草花が目の前でみるみるうちに元気になってゆく姿を見るのは、十二年生きた彼女の生の中では、初めての事だった。

●
「エーテル浄化者?」

――神々は我々を見放してはおらぬ。

 帝国の将軍バルディオンはそう述べたらしい。
 昨夏から戦いに向いた授恵者が増えたことと同様、土地を癒す事ができる授恵者もまた生まれてきているのだと。

「悪しき存在(もの)にエーテルを吸い取られ汚染された土地。それを再び甦らせる者……それがエーテル浄化者です」
「へぇー」
「つまり、それが貴女なのです」
「へぇぇぇぇっ?!」

 孤児院も兼ねている教会のシスター・ヨハナに告げられ、帝国南部の辺境の町アルサーラムの、平凡な普通の孤児であったシェリルの日常は終わりを告げた。

●
 かつて原因不明の大凶作が起こった時、一人の聖女が神に祈りを捧げる儀式を執り行った所、凶作は去ったという伝説がアルサーラムの町には伝えられていた。

「祈りの儀式って、具体的に何すれば良いんですか?」

 ブカブカな法衣に小柄な身を包んでいる年の頃十二歳程度の長い黒髪の少女が小首を傾げた。シェリルである。

「君がしおれた花を甦らせた時は何を考えていたのかね?」

 頭に白布を巻いた初老の男――アルサーラムの町長ゼファナイアは皺の刻まれた顔に笑みを浮かべ少女に尋ねた。

「えっと、元気になりますようにって考えてました」
「ならば、町全体に対して元気になりますように、と祈ってみてくれ」

 ゼファナイアとしてもそれが正しい方法なのか確証は無かったが、何分前例に乏しい事態――前例らしきものはあるにはあるが曖昧な伝説だ――である為、試行錯誤して(トライ&エラーで)いくしかないと考えていた。
 シェーラは素直に「わかりました」と町長の言葉に頷いた。

「それと伝承によれば……祈りの儀式では人々が神に対して出し物を行う必要があるのだそうだ」

 なんでも伝承が語る所によれば、大地から実りを司る神が遠ざかってしまったが為にその大凶作というのは起きたものであり、神を再び呼び戻す為には出し物を催すのが効果的なのだという、伝説の聖女が伝承の中で町の人々へと語った所によれば。
 聖女曰く、人々が大いに楽しんでいれば、その気配を察した神が『なんか楽しい事やってんな?』と興味を惹かれ戻ってくるのだそうだ。
 神が戻って来ると、大地の力も甦るのだという。

「そして、君もその催しを見て大いに楽しむ必要があるらしい。さらには沢山、美味い料理を食べて飲む必要があるのだそうだ」
「えっ? そうなんですか? それは嬉しいです!」

 孤児院暮らしで普段あまり良い物を食べていない少女は破顔した。

「伝承が語る所によれば、そうやって楽しみつつ、聖女は節目節目で祈りを捧げていったようだな」
「へー、そんなんで良いんですね。祈りの儀式ってなんだか聖女役や参加者にとってとってもオトクですね」
「町の財布と物資は痛むがな」

 ゼファナイアは苦笑した。

「しかし、一晩の祭り一つで凶作を祓えるというのなら安い投資だ。賭けてみる価値はある。当日、町の皆の為にも頑張ってくれ」
「はい!」

 町長の言葉にブカブカの法衣に身を包んだ幼い少女は笑顔で頷いた。

 その後、冒険者ギルドに依頼書が張り出された。
 一行目には、

『求む、祭りを盛り上げてくれる者!』

 との文字が記載されていたのだった。



解説

 この依頼に参加されたPCさんは、アルサーラムの町で執り行われるエーテル浄化を補助する目的の祭『祓凶祭』を盛り上げる係として雇われた冒険者達、となります。  伝承(人々と聖女が楽しんでいる方が大地に力が戻って来る)に基づき、周囲を楽しませつつ自分も楽しむ事が目的となります。  当日は町の広場に四角形の舞台が組まれ、その付近に聖女(エーテル浄化者)の祈所が置かれます。  時刻は夜で、広場内には篝火が沢山焚かれます。  また広場には多数の屋台が立ち並びます。  また係員が使用出来る野外調理場も設けられます。  盛り上げる方法は例として、 ・舞台上で歌を歌う ・舞台上で踊りを踊る ・舞台上で曲芸をする ・舞台上で模擬戦(寸止めのポイント制、あるいは拳闘など)をする ・料理を作って聖女や祭参加者に食べさせる(海魚、砂糖は使用出来ない。帝国南部において一般的な食材なら大体経費で使用可能) ・屋台を出す(ただし世界観的に実行可能なもの) ・お客として屋台を巡る(NPC達が出している屋台は後述) ・シェリルと会話する  などがあります。個人で実行しても複数人で相談し共同して行ってもOKです。ただし共同する場合は誰と一緒に行うのか互いに明記しておいてください。  アルサーラムの町中で実行出来ることでかつ、これやったら観客楽しいのでは? という発想があったら例以外のものでもやってしまって構いません。  ちなみに『盛り上げる方法』は一人で複数やる事も可能ですが、あれもこれもと複数やろうとするとその方の描写は基本的に薄めになりますので、多くても三つ程度に絞っておいた方が良いでしょう。 ■広場にNPC達が出している屋台 ●揚げ物屋  ジャガイモの素揚げやタマネギとニンジンの掻き揚げ、鶏肉の唐揚げなどが売っています。 ●焼き物屋  川魚や猪肉や鹿肉を焼いたものが売られています。 ●飲み物屋  エール、ワイン、シードル、林檎ジュースが売っている。杯は持参か貸し出し(後で返す) ●木彫り屋  アルサーラムの町の特産品である木彫り細工品が売られています(アイテムデータは無い。フレーバー)  売られている例としては、木彫飾りの櫛、ブローチ、神々の像、鳥獣の像、箱、小物入れ、皿、カップ、キツネのお面などなど ●射的屋  おもちゃじみた小型弓で、棚の上に並べられた景品へ離れた所定位置から射かけ、景品に命中させ落とせれば景品を手に入れられる  景品は木彫り屋で売られている物

マスターより

 枯らされた大地を浄化するお祭り会場へようこそ、望月誠司です。  背景は色々ありますが、とりあえずお祭りで周囲を盛り上げかつ自分も楽しめばOKなシナリオです。 【燃纛】タグがついていますが舞台となっている町が共通というだけでストーリー的な連続性は弱いですので、これまでのシリーズの事をまったくわかっていなくても問題ありません。 (強いていうならシェリルは「【燃纛】湖畔の水遊び」で冒険者達が引率したMOBな子供達の中の一人だったという事くらい(普通に泳いでた普通の子供達グループに居た))  ご興味惹かれましたらご参加いただけましたら幸いです。

リプレイ

 祭りの前日、アルサーラムの町の役場内。

「こんにちは、シェリルさん。私はマリイです」

 銀髪金瞳のエルフ娘マリイ・パルティスは身を屈めてにこっと微笑むと、

「あっ、マリイさんこんにちは! お久しぶりです!」

 長い黒髪を持つ、十二歳程度の小柄な少女はにぱーっと笑顔を返してきた。

「以前遊んだ時は森に行っていたのでお話しできませんでしたが……私の事、覚えていらっしゃいましたか」
「はい! 友達がワンコ好きになってずっと毛並みの素晴らしさを語ってます!」

 狼なんだけどなぁと思いつつ、

「シェリルさんも後で触ってみます?」
「えっ、良いんですか?」
「ええ」
「やったぁ!」

 十二歳の少女は喜色を浮かべ歓声をあげた。
 そんな会話をかわしつつふと、

「シェリルさんの法衣って私が直しても良いですか?」

 マリイは傍らに立つ町長(ゼファナイア)へと問いかけた。
 小柄な身に合わない大きさの法衣を纏っているシェリルの姿を見て、

(ぶかぶかで可愛い。初々しい)

 とは思いつつも、仕立て屋としては気になるらしい。
 頭に白布を巻いた初老の男答えて曰く、

「うぅむ、古くから伝わる聖女用の装束なので……傷めない範囲であれば」

 マリイは裁断や裁縫はせず、紐や留め金などを使用してシェリルの法衣を調節する事にした。
 生地を用意してリボンを作り、調節兼飾りとして法衣に結びつけてゆく。

(あくまで法衣……フリルは……! フリルは……ッ!)

 大のフリル好きとしてはフリルを付けたい衝動が湧き上がって来るが、はぁはぁと息を切らしつつもなんとか堪える。
 息を荒げているエルフ娘を仰ぎ見て少女がマリイさん? と小首を傾げた。

「――いえ、お気になさらず。可愛いですよシェリルさん。お祭り、楽しみですね!」

 にこっと微笑みつつ法衣の調節が済んだ所で余った生地で髪用のリボンも作り、艶やかに長い黒髪に結んだのだった。

●
 エーテルを浄化すれば穢されてしまった土地は元に戻る。

(良かった……)

 大きな瓶底メガネをかけたローブ姿の金髪エルフ少女――ララノアはその事実にひとまずはほっと息をついた。
 しかし、

(その為に皇子様は倒れてしまったのですよね……)

 風の噂に聞いた所では皇子レイウェストは浄化のし過ぎで倒れてしまったのだという。

「シェリル様も……大丈夫でしょうか……」

 ララノアとしては心配だった。
 他方、

(ふむ、劇的に効果があるという話ではなく聖女に多大な負担を強いるかもしれない。でも誰も知らないのだからやってみようという事なのだ?)

 銀髪赤眼のゴブリナ、ストレガ・L・リベルガストラは今回のエーテル浄化儀式の説明を受けて最初そのように思った。
 皇子は倒れたと聞いているから、負担はあるのだろうとストレガとしては思う。しかし、町長達は負担に関して触れていなかった。
 アルサーラムは辺境の町だ。
 皇子が倒れたという話を町長達はまだ耳にしていないのかもしれない。

(……あるいは、町長達は聖女にそれほどの負担があるとは思っていないのだ?)

 実際に負担はあるのか無いのか、あるとしてもどの程度の負担なのか、負担の大小というのは浄化の出力等の諸条件にも関係はするだろう。
 宝剣の力を借りる事によって大規模な出力で浄化能力を発揮する皇子と、どの程度の出力かは未だ不明だが天然の浄化能力持ちでその身一つで浄化を行うシェリルの負担が同等のものなのか?
 またこれから行われる浄化を補助する儀式――祓凶祭というのは浄化出力や負担に影響を及ぼすのか? そのあたりも気になる所だった。

「……まぁうまくはいかなくても伝承は伝承。祭はヒトを元気にするのだ」

 ストレガは盛り上げる為に微力ながら力を尽くそうと思う。
 祭には食べ物。
 食は万世共通の幸福なれば――

●
 聖女――エーテル浄化者。

 伸ばしっぱなしの髪に睡眠不足で隈の濃い青瞳を持つ長身の男エル=バ=ノイアンは、その存在に興味があった。
 しかし、

(何? まだこんなガキじゃないか)

 十二歳の小柄な少女の姿を見てノイアンは胸中で呟いた。

(……小さいな)

 男はしばし考えた後、町長へとぶっきらぼうな口調で問いかける。

「祭の当日は、竈を借りられるか?」

 初老の町長は「用意しよう」と頷いたのだった。

●
 白く長い髪と碧に近い青の瞳を持つ麗人がアルサーラムの町を囲む城壁の上に立ち、大地を見下ろしていた。
 シルヴィア・A・カペルである。

(あるべき姿に戻そうとする力……神の祝福の別の形)

 カペル家の侯爵令嬢が見つめる先には畑が広がっていた。
 作物が実っているが、いずれの葉も萎れていて元気が無いように見える。
 帝国崩壊後の数多の授恵者の出現と同じ理屈であるとするならば、エーテル浄化者の出現は喜ばしい事である反面。

(この大地の状態はそれ程までに……)

 シルヴィアは世界の未来へと思いを巡らせるのだった。

●
 秋の夜空に黄金の満月が輝きながら浮かんでいる。
 地上では壁に囲まれた町の広場に煌々と輝く篝火が無数に並べられ、多くの人々が集っていた。
 広場中央に四角形の舞台が組まれ、その付近に聖女の祈所が置かれている。
 町長とシェリルが立ち上がって挨拶と共にエーテル浄化儀式の簡単な説明をして祭りの開幕を宣言した。
 祓凶祭の開始である。

(いやあ、祭りとはすばらしい)

 白髪紫瞳の雅(みやび)やかな風貌の細身の青年が胸中で呟いた。
 ヒーラーのような恰好をしているがその実シーフな青年ラモンである。
 祭りは楽しいだけでなく、神に日々の感謝を伝えるための絶好の機会だ。

(実りを司る神。火生の神ボルガニスクの別側面でもありましょう)

 であれば、敬意を払うのは当然である。
 ラモンはエーテル浄化の儀式と力に関してそのように理解していた。
 一方、

(どういう理由で開かれるお祭りかはよくわかりませんでしたが、お肉を食べても良いということとお酒を飲んでも良いということは理解しました)

 きりっとした表情で、長く柔らかな金色の髪を持つ美女が火光に照らされながら会場を歩いている。
 食べた栄養はその華奢な身の一体何処に消えているのか? 誰が呼んだかフィルエス大森林の青眼の白肌肉食獣(ブルーアイズ・ホワイトビースト)リディリディ・トゥラ・イェレミースである。ずるい燃費を持つ女。
 華奢なエルフ娘はまずは軽くジャブとばかりに控えめな口調で魚肉、猪肉、鹿肉の串焼きをそれぞれ四本づつ計十二本注文した。
 ダースな注文に複数人用の買い出しにでも来たのかと思っていた屋台店主の眼前で、瞬く間に十二本の串から肉が消えてゆく。

「あ……もう六〇本ください」

 なかなか美味だったのでリディはたおやかに追加注文し、驚愕している店主からどっさりと串焼きが入った大袋を受け取ると、食べ歩きながら飲み物屋の屋台へと向かう。
 召喚リディリディ、消滅のバキューム・ストリーム、場(フィールド)の食べ物は消去される。

 他方、

「ふむ、辛気臭い祈り顔よりも賑やかな空気を好むとは。随分と趣味が良いと見た――ああいや皮肉ではなく、純粋に僕としてもその方がよほど好感が持てる」

 と語っていたのは、薔薇色の長い髪に黄水晶(シトリン)色の瞳を持つ十八歳の少女ローザリカ・L・ディオールである。
 数多の商会の後ろ盾にして自らも商会を保有・運営することで富を築き上げてきた王国貴族ディオール伯爵家の令嬢だ。
 ローザリカとしては現実にただ打ちひしがれる者より、前に進もうと奮闘する者にこそ投資したくなるのが道理であった。

「その前進によって『明るい未来』という成果が得られるよう、僕も協力するとしよう」

 薔薇色の髪の令嬢は、買われた労働力分は報いる主義である。
 自ら行動を起こした者を称賛したい。

 他方。

 ノイアンは竈の前に立っていた。
 分厚いミトンを両手につけ、竈の扉を開くと、中に入っていた陶器製の二つの器を取り出し、卓上の鍋敷きの上に置いた。
 器の中では所々に緑色が混じった狐色に焦げ目がついたホワイトソースのグラタンがぐつぐつと煮えていた。

 かぼちゃとゆで卵とホワイトソースのチーズグラタンである。

 シルヴィアと共に調理した物だ。
 普段食べない料理をたくさん食べるだろうから、胃にそう負担をかけないものがいいだろうとノイアンが選んだメニューである。
 なお分担の内訳は味付けや焼き加減はノイアンが行い、シルヴィアは道具を用意したりかぼちゃを切ったりした。
 ノイアンは一対の片手斧を愛用しその苛烈な戦いぶりから味方の傭兵団からすらも恐れられた凄腕の戦士であるが、料理が上手い。
 超人的なまでに極まって上手かった。

 故に料理に最近ようやく少しづつ慣れて来たというレベルのシルヴィア――侯爵令嬢なのだから料理が出来ないのは当然ではある――は作り方や手際の良さを勉強させて貰っていた。ノイアンの調理技術は達人過ぎて横から見てても意味がわからない場面もしばしばあったが。
 シルヴィアはシェリルは孤児院暮らしだと聞いていたので、色々な料理を食べて欲しいと思い、心を込めて手伝った。

「……味見してみるか? シルヴィア」
「良いのかい?」
「その為に二つ作ったからな」
「ありがとう」

 シルヴィアは礼を言うと、片方の器へとスプーンを入れて掬い、とろけたチーズが糸を引く熱々のグラタンを口の中へと運んだ。
 バターの良い香りに、ホワイトソースの濃厚な味わいと滑らかな舌触り、秋野菜の食感とそしてかぼちゃの甘味が口の中に広がってゆく。

「……うん、やっぱり君の料理は美味しい」

 白髪青瞳の娘がほわっと笑顔を零す。
 侯爵令嬢の舌さえも満足させる絶品であった。

 料理を完成させた二人はシェリルのもとへと運んだ。

「わ~、グラタンだっ! 有難うございます!」

 色鮮やかなリボンで要所が留められた法衣に身を包み、白いリボンでポニーテールに長い黒髪を結い上げられている少女は、ノイアンとシルヴィアへと礼を言うとスプーンで口元に運び、はふはふと冷ましながら食べ「凄く美味しいです!」と目を輝かせた。
 勢い良く食べる少女の様子を眺めてシルヴィアは柔らかく目を細めつつ、少しでも励ませたらと思い声をかけた。

「お祭り、楽しんでる?」
「はい! おかげさまで!」

 おいしー、と笑顔でグラタンに頬を落としつつシェリル。

「それは何より、突然の出来事に驚いたかもしれないけれど……肩の力を抜いて、いつも通りの君でいれば良い。神様は君が好きだから、その力を君に託したんだ。だからありのままの君でいてね」
「はい!」

 シェリルはえへへと笑いつつ元気良く頷いた。

「――お前の力は特殊で……貴重だ」

 気の利いたことは言えないし怖がらせるから、と対応をシルヴィアに任せていたノイアンが口を開いた。

「周りにいた奴らの態度が変わるかもしれない 良くも悪くも。特別になるというのは、孤独になるということだ」

 シェリルが笑顔を消してノイアンを見上げた。

「寝て起きたら、昨日親しく話していた相手とは、もう以前のように話せなくなっているかもしれない――」

 隈の濃い男は青い瞳で黒髪少女を見つめる。

「そうならないうちに……伝えておきたいことは伝えておくといいぞ」
「…………はい」
「――不安になった時は誰かを頼って。私達も君の味方だから」

 シルヴィアはそっと言った。
 黒髪少女は顔をあげ、青い瞳の侯爵令嬢を見つめると、また笑顔になって、

「ありがとうございます!」

 と元気よく言ったのだった。

●
 広場中央に組まれた四角の舞台。
 祈所の町長や聖女、周囲の観客達からの視線が集まる舞台上では燃える篝火から放たれる橙色の炎光に照らされ、緑髪紫瞳のドワーフ娘が立っていた。ヴィルヘルミナだ。手には木剣が握られている。
 対するは赤銅色の髪を持つエルフの少女コルネリウス・アーラ。手にはやはり木剣が握られている。

 係員が桴(ばち)を振るって銅鑼へと叩きつけた。重く木霊する金属楽器の音が周囲に響いてゆく中、ヴィルヘルミナとコルネリウスは舞台中央へと進み出て、木剣と木剣を互いに掲げるように突き上げた。切っ先が軽く打ち合わされ互いに敬意を交わす。
 ワァァァッと周囲から歓声があがった。

「コ、コルネ様がんばってくださいましー」

 ララノアが友人へと声援を飛ばしている。

「良い試合にしましょう!」

 火光に橙色の瞳を煌めかせながらエルフ少女が言う。
 スキルは使用しないが、これまで培った剣術で迫力のある模擬戦が出来るようにしたいとコルネリウスは考えていた。その上で勿論、手は抜かない。
 紫瞳のドワーフ娘は頷くと、

「ええ、良い試合にしましょう。よろしくお願いします」

 今回は祭りだし魅せる感じでやった方が良いのかな、と思いつつ木剣を八双に構え、相手を見つめる。
 赤銅色の髪のエルフ少女は細い体を半身に中段正眼に木剣を構えていた。
 ヴィルヘルミナは右足のつま先を相手に向けつつ斜め前方に急加速して踏み出すと、カーヴするように横手に回り込みながら袈裟に一閃した。体重の乗った重い一撃。
 エルフ少女は上げていた踵を床につけ上体を後方に素早く引いた。眼前、拳一個前を風を裂く鋭い音を巻き起こしながら木剣の切っ先が突き抜けてゆく。
 コルネは踵を床についた反動を利用して素早く前方へと踏み込み、回り込んで来ているドワーフ娘の側頭部目がけて水平に斬りつける。
 半月を描いて木剣が迫り、緑髪の娘は咄嗟に膝を抜いて低く身を沈めた。
 頭上を鋭い風圧が突き抜け、ヴィルヘルミナは低く踏み込み様に下段を薙ぐ――と見せかけつつ、膝を使って伸びあがりざまに突き上げるようにしてエルフ少女の喉元を狙う。
 フェイントから唸りをあげて迫る切っ先に対し、コルネリウスは風車の羽のように剣を捻りながら旋回させた。
 木剣と木剣とが激突し、横からの衝撃によって突きの軌道が逸れ、ヴィルヘルミナの木剣の切っ先がコルネリウスの首を掠めながら虚空を貫いてゆく。直後に旋回するエルフ少女の木剣が弧を描きながら一回転して緑髪のドワーフ娘の頭部へと襲い掛かる。
 ヴィルヘルミナは咄嗟に身を捻りつつ木剣を持つ腕を捻り引き戻しながら頭上に翳し、次の刹那、鈍い音が鳴り響き、木剣と木剣とが激突した。
 観客達からどよめくような声があがってゆく。
 ヴィルヘルミナは互いに激しく押し合う鍔迫り合いの状態からエーテルを解放して瞬間的に加速、後方へと飛び退き間合いを一旦外した。

「流石ですね、簡単には勝たせてくれませんか」

 赤胴色の長い髪を靡かせながら飛び退いたエルフ少女が正眼に木剣を構え直す。

「そちらもやりますね」

 ドワーフ娘もまた火光に紫瞳を煌めかせつつ上段に木剣を構え直した。
 二人は互いに隙を探って睨み合うと、同時に床を蹴って前方へと踏み込んだ。

●
 ドワーフ娘とエルフ少女の剣闘試合は、その後も互いに激しく剣技を応酬し合うも一進一退で決定打が入らず、時間一杯となって引き分けとなった。
 歴戦の授恵者同士のド迫力の試合に観客は盛大な歓声と拍手を贈り、ヴィルヘルミナとコルネリウスは舞台上で互いの健闘を称え合った。
 二人の試合を食い入るように見ていたシェリルは緊張が解けたように深く息を吐いた。

「ごきげんようシェリル君、楽しんでるようだね」

 ローザリカが声をかけると黒髪少女は振り向き「はい、皆さんのおかげ様で」と笑顔を返してきた。

「それは何より。ところでシェリル君、良ければ僕に君の時間を少しばかり買わせてくれないか?」
「時間、ですか?」
「ああ、折角だ、一緒に屋台を回ってみないかい? 分け合えばより多い種類の料理を味わえるだろう」

 シェリルが町長へと視線を送ると、護衛付きなら問題無い、との返答だった。

「レディ・ローザリカ、我々もご一緒させていただきますが、よろしいですか?」

 羽付き兜をかぶった若い女兵士(ツェツィーリア)が問いかけ、薔薇色の長髪の伯爵令嬢は、

「勿論、構わないよ」

 と頷き、ローザリカとシェリルは四人の護衛兵と共に祈所から降りて屋台を巡る事となった。

「おや、そこにいるのはシェリル様」
「あれ、シェリル様も広場に出られましゅ?」

 途中、ラモン、ララノア、コルネリウスとばったりと会って、三人とも一緒に屋台を巡る事となった。

(大変なお役目……わ、私でしたら緊張してしまいましで……少しでも心をほぐしてさしあげたいでし)

 新緑色の瞳のエルフ少女はシェリルに対しそう思う。

「シェリル様も楽しんでおいでですか? 気負ってはいませんか?」

 白髪紫瞳の雅やかな神官の男(ラモン)が問いかける。
 法衣姿の少女は笑顔で頷き、

「不安もありますけど、皆さん優しくしてくだされるので、大丈夫です!」
「ふふふ、それは重畳」

 ラモンは微笑し、

「――難しく考えることはありません。敬意と感謝。この気持ちがあれば、神は応えてくれるものです」
「敬意と感謝、ですか?」
「はい。つまるところ、『神様のおかげでたくさん楽しいです。いつもありがとうございます』という気持ちですね。あとは『神様も一緒に楽しんでくれたら嬉しいです』も加えれば、もう言うことなしの完璧ムーブです。パーフェクト」
「なるほど、お話聞くにお祭り好きの神様っぽいですもんね! わかりました!」

 笑顔で頷く少女を見つめつつコルネリウスの心の内に懸念がよぎった。

(ある日突然『聖女』としての役割を背負った少女が、これから先、日常に戻る事は……難しいでしょう)

 これから先、大人達に利用され諍いに巻き込まれないようにと願う。

「何かあれば、いつでも気軽に声を掛けてくださいね」

 コルネリウスは突然聖女とされた少女に今、伝えられるだけの言葉を掛けた。

「有難うございます!」

 白いリボンの黒髪少女は笑顔で礼を述べた。

「美味しい物、いっぱい見つかると良いですね」
「はい!」

 元気の良い楽しそうな少女と会話をかわしつつ、一行は広場の人混みの中を歩き、焼き物の屋台の前までやってきた。

「ふむ、焼き物屋。ボルガニスクの信者としては是非いただきたいところです」

 というのはラモンである。
 一行は各々店主に注文し串焼きを購入する。

「これはどう食すのが作法かな?」

 こういった形式での飲食は初めてな伯爵令嬢(ローザリカ)が一本の串焼きを手に小首を傾げている。

「そのままもうダイレクトに齧りついて食べる感じですね」

 地元娘なシェリルが言って串に刺さっている肉塊の一つにかぶりつく。

「なるほど、ワイルドだね」

 ローザリカは見様見真似で甘辛いタレがつけられ香ばしく焼かれた肉に齧りつき、咀嚼する。

「これは……猪肉ですか。ふむふむ、なかなかに噛み応えが」

 神官ラモンが猪肉の串焼きに舌鼓を打っている。

「こんがりとした焼き具合も堪らないですね。まさに自然の恵みと火の恵みの調和。素晴らしい」

 火(ボルガニスク)は偉大だ。生では危険で食べられない野生動物の肉も、火が人間にも食べられるように変えてくれる。

「こちらは鹿さんでしゅね。おいしいでし」
「お魚も美味しいです。脂が乗ってますね。旬な味がします」

 もぐもぐと串焼きに齧りついてララノアとコルネ。

「シェリル君、残り交換してみないかね」
「良いですよー」

 ローザリカとシェリルは半分程食べた所で猪と魚の串を交換した。

「うん、実に美味だった! 店主殿、良い腕前をしているな!」

 伯爵令嬢が店主を褒めている。

「飲み物が欲しくなりますね。そういえばさっきシードルが売ってたような……」

 ラモンが言って、一行はわいわいと食べ歩きながら会場内を移動する。
 すると飲み物屋には、焼き串を食べつつごくごくと凄い勢いでエール、ワイン、シードルをおかわりし続けている金髪エルフが居た。
 貸し出される杯はお一人様一つだけなので空の杯は無かったが、もし一杯ごとに杯ごと変える形式であったのなら今頃、空になった杯がうず高く積まれていた事だろう。飲み物屋の店台(カウンター)の端に大量に肉串が詰まった大袋が置かれていた。

「わわ、リディさん相変わらず凄い飲みっぷりですね!」
「え、エルフ的には普通です……そういう貴方はシェリルさん。お久しぶりですね」

 杯を左手、肉串を右手に耳の先まで赤らめさせているリディリディが振り向いて、面識があるらしきシェリルとそんな再会の挨拶をかわしている。
 同じエルフのララノアとコルネリウスは、

((エ、エルフ的?))

 と疑問に思ったが口には出さないでおいた。
 フィルエス大森林育ちのエルフではもしかしたらそれが常識なのかもしれない。同種族でも地域差はあるものである、多分。

「――それでは再会を祝して聖女様に乾杯しましょう。あ、勿論貴女はジュースですよ」

 一同は飲み物屋でエール、ワイン、シードル、林檎ジュースのうちのいずれかを各々注文すると杯を掲げて乾杯した。
 折角なのでリディも共に屋台を回ろうという事になり、総勢十名となった一行はゾロゾロと食べ歩きを再開したのだった。

●
 他方、ストレガは荷馬車を持ってきて甘味の屋台を開いていた。荷馬車を引くミニビヒモーのフォルゴーレは現在は宿で休んでいる。
 焼き窯、作業台、販売棚、調理器具、食材、前日からの準備でセッティングは既に済んでいた。水も広場の井戸から十分な量を汲み上げて来ている。

 ストレガが屋台で売り出しているのはチョコレートパイだった。この広場に足りないのは甘味であると判断した為である。
 銀髪赤瞳のゴブリナは作業台にて器に小麦粉とバターを入れると混ぜ合わせて練り、生地を作成してゆく。
 溶かしたチョコレートに水飴と蜂蜜、そしてアーモンドとカシューナッツを砕いて混ぜ込んだ。
 型を作ってチョコを流しこみ、溶き卵を塗り、釜に入れ焼き上げてゆく。
 焼き上がって冷ましたら完成だ。

 完成までには時間がかかるので、ストレガは前日のうちにあらかじめ沢山作り置きして箱に詰めていた。
 販売棚には作り置きから並べておいたのだが、祭りが開幕するや否や、たちまちのうちに美味い美味いと評判になり、飛ぶように売れていったので、結構な数を作り置きしておいたにも関わらず、棚の中身は本日焼き上げた物と既に入れ替わっていた――というか供給速度が販売速度に追いついておらず、棚の中は現在空になっていた。
 そんな中、ゾロゾロと団体客がやってきた。

「やぁ店主様、景気はどうですか?」
「大盛況なのだ。商品補充が追いつかないのだ」
「それは凄いな!」

 ラモンの問いにストレガが答えローザリカが称賛する。

「……良い匂いがしています。焼き上がりはもうすぐですね?」

 リディリディが問いかけると超人的な調理技術を持つゴブリナ店主は頷き、

「うん、もうすぐ次が焼き上がるのだ。聖女も冒険者もどうぞ食べていくといいのだ。大地の実りの最もわかりやすい例が食べ物なのだ」

 という訳で一行はチョコレートパイを注文した後、焼き上がりまでしばし舞台を眺める事にした。
 現在舞台の上ではマリイが大きなリボンを首に巻いた白狼と共にショーをやっているようだった。

「この子はコルデラと言います。見ての通り非常に可愛い子なので、見てください!」

 なんだか飼主(親)馬鹿っぽい事を言うマリイであるが実際コルデラは可愛い。
 マリイが木の枝で作った輪っかを手に持ち、不規則に左右に動かしていると、白狼は舞台上をたったかと駆け跳躍、鮮やかに輪の中央を潜り抜けた。
 マリイがくるくると回りながらステップして輪を振り、コルデラは反転して跳躍してまた潜り、それを何度も繰り返してゆく。
 観客席から歓声が上がって、銀髪のエルフ娘は白狼と共に一礼し、次に木の輪を放り出して沢山の球を取り出した。
 マリイが球を次々に宙に放り投げジャグリングしてゆく。
 だがやがて手元が狂ったのか球の一個が明後日の宙へと飛んでゆく、しかしその先にコルデラが風のように駆け回り込んで鼻先で球を小突いた。
 弾かれた球がマリイの手元へと戻ってきてジャグリングに復帰する。
 エルフ娘はまた連続してボールを明後日の方向へと飛ばしたが、白狼が次々に回り込んで突き返し球を戻してゆく。
 マリイとコルデラが一礼し観客席からさらなる完成と拍手が沸き起こった。
 最後にマリイは木箱を積んで障害物を作った。
 コルデラが障害物の間を素早く移動して回りつつ、マリイが翳す手から放たれる光を次々に裂けてゆく。
 出し物を終えマリイとコルデラが礼をすると盛大な拍手が贈られたのだった。

「マリイさんとワンコちゃん凄い!」

 パチパチとシェリルが手を叩いていると、

「丁度良い頃合いなのだ」

 とのストレガの声がかけられた。
 一行はチョコレートパイを受け取ると、焼きたてのそれにかぶりついた。
 パリッとサクサクに焼き上げられた生地にとろりとした熱いチョコの甘味が口内へと広がってゆく。

「う~ん、実に美味だ。これほどのものは貴族でもなかなか食べられない」

 ローザリカがストレガの腕を褒め称えると、

「お褒めに預かり光栄なのだ。ただこれは実は冷めた方が美味かったりするのだ、好みはあるが」
「おぉそうのかい。それじゃもう一つ包んで貰おうかな」
「まいどありなのだ」

 一行はストレガの屋台を後にすると、次に木彫り屋へと向かった。

「ブローチ……んー。イヤリング……」

 瓶底メガネの金髪エルフ娘がシェリルと共に装飾品を選んでいる。
 ララノアはシェリルに一つ贈り物をする事にしたのだ。

「青い石やガラス? の耳飾りなどいかがでしょう? 絵本では青は幸せを運ぶ色だとか」
「わぁ、とっても素敵です! でも私がイヤリングとか……変にはなりませんか?」

 耳飾り等今までにつけた事が無いらしく孤児の少女は躊躇いがちだった。

「つけてみましゅ……良く似合ってますよ。ちょっとオトナな感じになりましゅ」
「オトナな女……良い響きです。有難うございます。これにします!」

 大人に憧れがあるらしい十二歳の少女はとても嬉しそうな笑顔でララノアへと御礼を言って、かくて青硝子のイヤリングがララノアからシェリルへと贈られたのだった。

●
「お祭りを楽しむ人々の笑顔はどの国も同じなんだね」

 故郷の人々を思い出し、シルヴィアはふとノイアンへと微笑んだ。

「子供に優しいところ、嫌いじゃないわ」

 思わず口から零れた言葉は、祖父を真似るようになってから使わなくなって久しい本来の自分の口調だった。
 目元に隈を持つ男は驚きに目を見張ってシルヴィアを見た。
 青い瞳の麗人は、普段と変わらぬ表情をしていた――実はシルヴィア自身も内心では驚いていたのだが、素知らぬ顔で誤魔化そうとしていた。
 彼女の胸中を知ってか知らずか、ノイアンは驚きを声に出す事はせずに、

「……別に優しいわけじゃない。ただ……痩せていたりチビを見てると昔の俺がいるようで……嫌なだけだ」

 そうぶっきらぼうに言ったのだった。

●
 模擬戦を終えたヴィルヘルミナは屋台へと移動すると卵と小麦粉、乳飲料、そして甘露アリの蜜を用いてパンケーキを焼いていた。
 ふんわりキツネ色に焼き上げて、上にバターや蜜を乗せてゆく。

「うーむ、シンプルな料理ながら美味い。貴殿の素晴らしい腕が光った結果だな。存分に誇るといい!」

 ローザリカがふんわりながら中がしっとりとしているパンケーキを食べ、称賛した。ヴィルヘルミナの調理の腕前もまた超人的なレベルであった。

 ショーを終えたマリイはコルデラに猪の焼肉を与えてよしよしと撫でるとシェリル達に合流した。
 入れ替わるようにララノアが舞台へと上がる。

(わ、私に出来ることは……これくらい……)

 それだけにしっかりとやりたい。
 学園の音楽祭でも歌えた、あの時は友達と一緒で、今は独唱だが、しかしあの時にもあったこの顔を隠すヴェールがあれば――

(大丈夫――う、歌えましッ)

 ララノアは己のセカイを広げて行きたかった。
 びくびくとしつつもエルフの少女は大きく息を吸い込み、澄んだ声音で歌声を響かせ始める。

 どんな神様がいるのかも分からない。
 けれでも祈りが救いとなるのなら――

(私たちの声が届くというのなら……)

 ララノアは心を籠めて祈りながら歌をうたった。

 神へ
 町の皆へ
 シェリルへ

 大地の再生と皆の幸せを願って――

 やがて歌い終えると、四方からの万雷の拍手が舞台上の少女を包み込んだのだった。

●
「ララノアさん、凄かったです! お歌、物凄く上手なんですね!」

 シェリルが興奮したようにララノアへと言った。

「お、お褒めに預かり恐縮でし……」

 エルフ少女は言葉を交わしつつ共に祈所へと戻る。
 そして法衣を纏い、リボンを結び、青硝子の耳飾りをつけた黒髪少女は、瞳を閉じて手を組み頭を垂れ、祈りを捧げた。この地の教会の祈りの作法だった。
 ララノアもまた寄り添うように立って共に祈りを捧げた。

 エルフの少女も、両親を知らない。
 だからだろうか、なんだかシェリルを応援したくなるのだった。



 やがて祭りが終わって一晩明け冒険者達は城壁上に立って大地を見下ろし驚いた。

 先日まで萎れていた作物達が今では瑞々しく伸びやかに甦っていたのだ。

 祭りと儀式で大分くたびれたのか、未だぐっすりと熟睡していて目を覚ます様子が無いシェリルのエーテル浄化者としての力は、どうやら本物のようだった――

 また、アルサーラムにおいて祭り無しでの浄化儀式が行われた事はまだ無かったから比較は出来ないが、今回の祭りは大いに盛り上がっており、それもまた本当に伝承の通りに効果があったのかもしれなかった。


マスターコメント

 この度はご参加とプレイング、誠に有難うございました。  このような結果となりました。  ご満足いただける内容になっていれば幸いです。
ロングシナリオ

ロングシナリオ普通 報酬:標準10 / 6〜10人

2021年11月23日 09時59分26秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. ラモン

    お祭りの気配を敏感にキャッチ!な私ことラモンです。お気軽にモンチョとお呼びください。 お祭りを楽しむだけでお賃金をいただけるだなんて素敵な依頼もあるんですね。いやはや素晴らしい。 当日はシェリル様と会話したり屋台で食べ物を頂いたり食べ物を頂いたり食べ物を頂いたりして目一杯楽しむ所存です。 どこぞでお会いしましたらよろしくお願いしますね。 ああ、でも。絶賛金欠中ですので奢ったりはできません。悪しからず。

  2. エル=バ=ノイアン

    ノイアンだ。知人の誘いを受けてきた。よろしく頼む。行動としては聖女に料理を作る側だな…ちょっと料理LV5を試したい(うずうず というわけで、当日はよろしく頼む。皆にとって楽しい1日となるように。

  3. ララノア・グラヌローザ

    ぇと…あの…ヒーラーの…ララノアでしゅ(がばちょーっ よろしゅくお願いいたしましで… わ、私…私……出来る事が少ないので…ぇと…お歌を…歌ってみようかと…(へぅぅ シェリル様とも…あ、遊べたらいいなって…ちょっと思っていましゅ

  4. シルヴィア・A・カペル

    シルヴィアだ。今回はよろしく。 モンチョは前回の依頼ぶりだね。お互い楽しもう。 ノイアンと一緒に料理を作る予定だ。作った料理をシェリルに食べて貰いたい。その時に彼女と話をしてみたいと思っているよ。 舞台も楽しみにしている。皆、良い時間を過ごせますように。

  5. ヴィルヘルミナ

    ヴィルヘルミナです。よろしくお願いしますね。 私は料理と……何かしようかと。まだ決まっていませんけど。

  6. No.6

    えと、リディリディです・・・。 今回はその・・・、よろしくお願いします。 私はたぶん焼き物屋や飲み物屋あたりで飲食していると思います。

  7. コルネリウス・アーラ

    コルネリウスです、よろしくお願いします。 私は模擬戦をしたいなと思っています。 あとはシェリルさんとも少しお話が出来れば、でしょうか。

  8. ヴィルヘルミナ

    >コルネリウスさん 模擬戦ならお相手がいると思いますし、良ければ私が相手しましょうか? 他にあてがあるという事でしたら、そちらの方にお任せしますが。

  9. コルネリウス・アーラ

    >ヴィルヘルミナさん わ、良いんですか? もし他にいらっしゃらなければ、お祭りの一般参加者相手に無双になるのかなとやや大人気ないことを考えていました…。 ヴィルヘルミナさんが良ければ、お相手を是非お願いしたいです。

  10. ヴィルヘルミナ

    >コルネリウスさん では、私がお相手させて頂きますね。お柔らかに。 模擬戦の形式くらいは決めておくべきでしょうか・・?

  11. コルネリウス・アーラ

    >ヴィルヘルミナさん はい、よろしくお願いします! そうですね…寸止めのポイント制、あるいは拳闘との事ですし、どちらかは決めてしまいましょうか。 拳闘よりも剣の方が得意ですが、私はどちらでも大丈夫です。 剣の場合は木の剣を用いますね。

  12. マリイ・パルティス

    マリイと申します。よろしくお願いしますね。 シェリルさんのお召し物がぶかぶかなようですが!?祭には特別な衣装をか用意するのでしょうか? もしそうじゃないならサイズを合わせてあげたいですね。そして許されるなら可愛くアレンジしたりしたいですね!ええ! あ、他は考え中です。当日は何しましょうか……折角ですしペットと芸でもしてみようかな?

  13. ヴィルヘルミナ

    >コルネリウスさん では、剣にしましょうか。得意なものの方がいいでしょう。 私も木剣でお相手させていただきます。

  14. ストレガ・L・リベルガストラ

    ストレガなのだ。よろしくなのだ。 屋台出してると思うのだ。揚げ物焼き物はあるし甘物か米になると思うのだ。考えとくのだ。

  15. コルネリウス・アーラ

    >ヴィルヘルミナさん ありがとうございます、では木剣での模擬戦にしましょう。 改めて、宜しくお願いしますね。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0