【呪輪】エルフと故郷の森の再生

空色みなも

コメント 11

シナリオID:1476

オープニング

●
「あたしの故郷のことで、あんたたち冒険者に色々と手伝って貰ってたけど、それがどうにか良い方向に収まりそうでね」
 カウンターの向こうで依頼書を整理しながら、女神の賽子亭の女将、シリス・アローゼアが告げる。
 女神の賽子亭は、エラトゥーン都市同盟にあるエルタ・リコという小さな町で、冒険者ギルドの業務を担う宿だ。
 故郷のこと、と話を切り出したシリスの顔をよく見れば、桃色の髪の隙間から、長く尖った耳を覗かせている。
 サイコロの耳飾りが揺れるその長い耳は、シリスがエルフであることを示していた。
 そして多くのエルフにとっての故郷にあたるのが、フィルエス大森林という大きな森であった。

 フィルエス大森林では、植物型魔獣の出現に起因して森の土壌が悪化し、木々が枯死する事件が起こっていた。
 それがこのたび、植物型魔獣を森に蔓延らせていた元凶が討伐されたという。

「でも原因は取り除かれたとはいえ、それですぐ森が元通りになるわけじゃあない」
 シリスは言う。
 枯れた森が再び緑を取り戻すためには、荒れ果てた土壌を蘇らせる必要があると。

「そこで、これまた依頼になるんだけど、あんたたちに森の再生を手伝って欲しくてね」
 結果として豊かな森を取り戻すためになることであれば、その関わり方は自由にしていい、と語るシリス。

「今回、宿には応援を頼んで、あたしも里へ向かおうと思う。ささやかだけど歓待の宴もあるようだから、楽しんでもらえると嬉しいよ」
 シリス曰く、宴では森の恵みを用いた料理が振る舞われるという。
 ぐるりと冒険者たちを見回したシリスは、茶目っ気を出して片目をつむってみせた。

●
「あねさん、帰ってきてくれるみたいですよ。よかったですね、族長」
「む……ついこの間にも、帰ってきたばかりだろう」
 大森林にあるスピネルの氏族の里へ、依頼受理の報告に戻った族長補佐のマルス・アリアーナ。
 それを出迎えたのが、族長と呼びかけられたそのままの肩書の、モーリス・アローゼアである。
 モーリスはその姓から分かるように、シリスの父親でもあった。

「そんなこと言って、嬉しそうな顔が隠せていませんよ」
「馬鹿なことを言っていないで、早く冒険者の方々を出迎える準備に移るんだな。到着まで、そこまで間があるわけでもあるまい」
 からかうマルスを、モーリスは叱りつけたうえで追い払う。

「まったく……」
 モーリスはマルスの背中を見送りながら、誰も見ていないことをいいことに相好を崩していたのだった。

解説

●目的  スピネルの里の南東に広がる、枯死した森の環境整備をする。  氏族の歓待を受け、交流を深める。 ●状況  フィルエス大森林を襲っていた樹林の枯死事件も、いよいよ元凶が除かれました。  冒険者の皆さんは、大森林にあるスピネルの里より依頼を受け、次のような作業に従事することになります。  【戦】枯れた森に未だうろつく、はぐれた植物型魔獣の退治。  【除】枯れた森の土壌に残されていると考えられる、植物型魔獣の種子などの除去。  【土】枯れた森で植物の生育に適さなくなっている土壌の改善。  【植】枯れた森の本来の植生を取り戻すための植樹。  【宴】スピネルの里で開かれる歓待の宴への参加。  【他】その他、環境整備のために役立つ行動など。  主に従事したい作業を一つほどプレイングに記入してください(【戦】~【他】のタグは字数短縮のためにお役立てくだされば幸いです)。  二つ以上の作業をプレイングに記入することも可能ですが、その場合、一つ一つの場面での描写が薄まりますのでご注意ください。  NPCのうち、シリス・アローゼアとマルス・アリアーナは全ての場面に呼び出すことが可能です。  モーリス・アローゼアは【戦】などの戦闘を含む場面には同行しません。  なお【戦】で登場する植物型魔獣はごく弱いもので、駆け出しの冒険者でも一対一で相手することが十分可能な敵とします。 ●登場NPC  ▽シリス・アローゼア   スピネルの氏族出身のエルフにして、エルタ・リコにて女神の賽子亭を切り盛りする女将。  里周辺の復興を手伝うため、宿をギルドの手伝いに任せて里帰りしている。  自身が授恵者でもあり、魔法を操ることが可能。  ▽マルス・アリアーナ  スピネルの氏族の族長補佐の男性。  授恵者でもあり、戦いでは主に弓を扱う。  ▽モーリス・アローゼア  スピネルの氏族の族長であり、シリスの父親。  マルスを通じて、娘のシリスが営む女神の賽子亭まで今回の依頼を出した。  戦う能力もなくはないが、族長という立場上、負傷の可能性がある戦闘へ積極的には赴けない様子。

マスターより

 お世話になっております、空色みなもです。  連動【呪輪】でのリリースとなります。フィルエス大森林の事件も収束に向かいつつあります。あとは皆さんの手で、森が蘇るのを手助けして頂ければと思います。  関連NPCにシリス・アローゼアが紐づけられています。  相談掲示板では基本的に出発48時間前までに行われた質問に回答します。  スケジュールの都合により納期を延長しておりますので、ご了承のうえご参加頂けると幸いです。  森を再生へと導く皆さんのプレイングをお待ちしております。

リプレイ

●
「よっと!」
 アステルがつい先ほどまで立っていた地面を、植物の蔓がピシャリと打った。
 かと思った瞬間、群青の閃きが軌跡を描き、蔓は中ほどで千切れてしまう。
 反撃としてアステルが短剣を振るったのだ。

「森を復活させるにも、変な魔獣がうろついてたら、エルフのみんなが安心して暮らせないもんなー!」
 アステルは植物型魔獣の残党を討伐するため、フィルエス大森林を訪れていた。
 短剣の紫紺が降ろした夜の帳を背景に、暗器の赤い煌めきが星となって瞬く。
 アステルが三連撃を見舞うたび、魔獣が一体、また一体と散り果てる。

「森が枯れる原因にもなってるみたいだし、雑草みたいにどんどん湧いてくるのもなぁ……雑草といえば、除草剤?」
 アステルは戦いながらも、効果的な魔獣の退治方法を思案する。

「……森の植物にも効いちゃいそうだし、却下だな、却下! やっぱ狩って狩って狩りまくるぞ!」
 魔獣の種子を取り除くためにも、冒険者の手で邪魔な魔獣を排除するしかないと、アステルは思い直し。
 一陣の風と化して、アステルが魔獣の群れに飛び込む。
 光の刃が嵐のように吹き荒れたかと思うと、枯草に覆われた地面に魔獣の骸が積み重なった。

●
「江流、そっちはどうだい?」
「ここはまだ外郭だからか、汚染はそこまで酷くないみたいだ」
 シルヴィア・A・カペルに問いかけられ、屈み込んで土を掘っていた海神・江流が顔を上げる。

「土壌汚染ですか……放置しても景観が良くないですし、できる限りは頑張りましょう」
 ガルシアもこの地質調査に同行しており、その手許では縦に掘り進められた地面が土壌断面を形成していた。

「ふむ、雨水による汚染の浸透が深刻なら、早急に土壌を掘り起こす必要があったところですが」
 土壌断面を観察し、汚染土壌の深さを計測するガルシア。
 現在調査中の一帯では、汚染はまだ深く浸透していないようだったが、中心部に近づけば状況は変わると予想される。
 ガルシアの考えるように、汚染が地下へ浸み込んでいく性質を持つのであれば、汚染される前の土を表層に移動させる作業が必要になるだろう。

「掘り返せばついでに土も柔らかくなるし、堆肥や腐葉土を混ぜれば土の栄養にもなるね」
 やせた土壌を蘇らせる手段にもなるだろうと、シルヴィアは天地返しを行う案を支持した。
 人手は必要になるが、そこは同じく依頼を受けた他の冒険者に頼ってもいいだろう。

「まずは調査結果をスピネルの里へ持ち帰ろう。彼らの持つ方策も知りたいし、相談しておきたいこともあるからね」
 一通りの調査を終え、江流たちは枯れた森を後にした。

●
「大森林の枯死事件も解決したが、願わくば首謀者の研究資料押収の為にも捕縛が望ましかった。しかし、それもあくまで私個人の感慨に過ぎんな」
 枯れた森を見渡しながら、ナタリア・フィッツジェラルドは物思いにふけっていた。
 首謀者を捕縛できなかったことを惜しむのも、学者としての矜持がそうさせているのだろうか。

「あの草は汚染の中にあっても枯れていないな」
 ナタリアは生き残った草本を見つけると、失礼、と口にして採取する。
 どちらにせよ一帯の土は後で掘り返すことになっているので、そのまま生やしていても肥やしになるだけだ。
 であれば、汚染された環境に強い植物を研究して、今後に生かすほうがためになるだろう。

「枯れ木を集めてきてやったぞ」
「ああ、すまない。感謝する」
 そこにベルク・オスマットが枯れ木を腕いっぱいに抱えて現われた。
 振り返ったナタリアは、ベルクに枯れ木を置く場所を指示する。

「いくらでも枯れ木は横たわっている。それだけ、もともとが生い茂った森だったことを窺わせるな」
 ドサッ、と音を立てて枯れ木を降ろしながら、ベルクは森を回って目にした状況を報告した。
 遺骸が存在するということは、そこにもともとは命が存在したということを示すのである。

「枯れ木も放置しては植樹の邪魔だが、腐葉土とすれば肥やしとして役に立つ」
 ベルクは枯れ木を拾うことで、整地がてら腐葉土の材料を集めようとしていたのだ。
 同じくナタリアも腐葉土を作ろうとしていたため、協力することになったらしい。

「時間はかかるが、これが将来的な森の養分になるだろう」
 腐葉土とするべく、地面に掘った穴を枯れ木で埋めていくベルク。
 ナタリアの知識により、廃棄する食材なども混ぜ込んである。
 貝殻のように石灰質を含んだものも、土壌の改善に役立つとのこと。
 発酵を促すため、そうした材料を詰め込んだ穴には、たっぷりと水をかける。

「ああ、だからこれは未来への投資。それはそれとして、今できることも進めねばなるまいよ」
「違いない」
 ナタリアは腐葉土を作る準備を進めると同時に、被害を受けていない森から健康な土壌を融通してもらえるよう、手配していた。
 それを聞いたベルクは深く頷いてみせながら、自身は行った投資が実を結ぶのを願ったのだった。

●
「森を再生させたいのに、魔獣のほうが再発生でもしちゃったら大変だものねぇ」
 シェオルが胡散臭い笑みを浮かべながら言うと、フラグでも立てたいかのように聞こえるかもしれないが、別にそういうわけではない。

「僕は大森林の出身ではないけれど、森の大切さはもちろんよく分かるから、できる限りお手伝いさせてもらうね」
 続く言葉から窺えるように、シェオルは純粋に森のことを想って再生作業に従事しようとしているのだ。

「えーっと、とりあえず残留している種子を探すとして……」
 シェオルはエーテルの波動を走らせることで、周囲の地形を頭に入れる。
 魔獣の痕跡が残された地形に、種子が残されているのではないかと考えたのだ。

「あった。このあたり、種子が残されているね」
 エーテルによる捜索が功を奏し、シェオルは広い森の中から魔獣の種子が残された地帯を特定した。

「あとは、どうやって種子を取り除くかだけど……魔獣の種子だけに効く除草剤とか、作れたらよかったんだけどね」
 シェオルはもともと薬師である。
 除草剤の使用を検討はしたが、土壌への配慮から避けたほうがいいという判断になった。
 こうした判断から分かるように、シェオルも世間で噂されているように薬を悪用する危険人物ではないのだ。

「それなんだけど、やっぱり野焼きをしたほうがいいんじゃないかと思うんだ」
 残された種子が発見されたとの報せを受け、駆け付けたエリザ・A・ミシャールが提案する。
 もともと、魔獣の種子を除去する必要性を里のエルフたちに訴えたのは、エリザであった。
 その際、方法として野焼きを進言するも、火を扱うことに長けていないエルフたちのみでは、実行できていなかったのだ。

「心苦しいが、弱っている木々については間引きをしてしまったほうがいいかもしれないね」
「それに賛成するのだ。枯死した草木を焼いて灰を作り、それを土に混ぜ込む方法があるのだ」
 エリザの提言に対して、ストレガ・L・リベルガストラも賛同の意を示した。
 ストレガは知を求める者として、地質に関する知識も引き出しにあるのだ。

「あるいは湖底などから無事で肥沃な土を持ってきて、そこで植物を育てる方法もあるのだ。ただ、これは運ぶ量と労力が問題になるのだ」
 代替手段も用意しつつ、ストレガはそれに伴う問題点も同時に指摘する。

「それなんだけど、野焼きについては俺が族長に話を通しておいたよ」
「僕が監督するということで族長から許可は出ています。皆さんよろしくお願いします」
 そこへスピネルの里へ寄ってきた江流が、族長補佐のマルス・アリアーナを伴って合流する。
 里へ向かう際に江流が口にした、相談しておきたいこと、とは野焼きのことであったのだ。

「となれば、あとは火事にならないよう、計画的に焼くのだ」
「ああ、燃え広がることのないよう、表層の土をさらって一か所に集めよう」
 ストレガと江流の指示により、辺り一帯の表土が集められていく。
 燃え移るような枯草が周囲に残らないように、作業は慎重に行われた。

「いいですか? じゃあ火をつけますよ」
 ガルシアが持ち込んだ松明を灯し、集めた土に近づけた。
 途端、土に炎が立ち上る。
 ガルシアの提案で、油を染み込ませた枯草や籾殻などが混ぜられていたため、土は実によく燃えた。

「どうやら特別に火に弱いわけでもないみたいだけど、これだけの炎であれば、魔獣の種子も燃えるみたいだね」
 シルヴィアは炎にまかれた魔獣の種子が灰になっていくのを認め、ふぅと息を吐く。
 種子が燃えなかったときのために、魔法で破壊する準備もしてきたが、どうやら魔法の世話にならずに済みそうだ。

「しっかり燃やした後は、水で消火して、土をかけて数日放置すれば、草木灰の完成なのだ」
 ストレガは土が順調に灰となっていく様子を確認し、満足げに頷いている。
 ついでに燃やしている植物型魔獣の遺骸も、灰になってしまえば土の栄養になるだろう。
 枯死した樹木も放置するのは虫害の温床となるため、骸は灰にして肥料とするなり、有効活用するのが筋である。
 あとは骨粉や油粕、野菜屑などを混ぜることで、さらに肥沃な土となってくれるはずだ。

「複雑そうな顔をしているね」
「……ええ。なんというか木々の葬式をしているような気分になりまして」
 エリザに声をかけられ、青い瞳に炎を映したマルスが、神妙な面持ちで答える。

「大森林は久しぶりだが、変わった部分もあり、変わらない部分もあり。ある意味、安心するね」
 それを聞いたエリザは、ふっと息を漏らすように笑った。

「野焼きが終わった後は、確認をかねて地道に土壌を耕していくことになるね。アタシも鍬を手に汗を流そう。ある程度の深さまで灰と空気を混ぜてやれば、とりあえず草はすぐ生えてくるさ」
 エリザも燃え盛る炎を見つめながら、マルスに語りかけていく。

「木がしっかりと根付くには時間が必要だが――アンタらならやり直せるだろう?」
「――はい、ありがとうございます」
 エリザの問いかけに、マルスは視線を炎に向けたままながらも、しっかりとした声で答えた。

●
「おまちどおさま、近くの森から土が届いたよ」
 シルヴィアが土を詰め込んだ麻袋を台車に乗せ、枯れた森に届けに来た。
 ナタリアにより手配されていたものが送られてきたのだ。

「あまり大量に、とはいかなかったようですが」
「贅沢は言えないさ。提供してもらえるだけありがたい」
 ガルシアと江流も、袋を台車から降ろすのを手伝っている。

「あとは地面を掘り返して、届いた土や、野焼きで作った草木灰を混ぜ込んでいく作業が必要なんだけど」
「その作業、おれにやらせてくれないか」
 荒れ果てた大地を見渡しながらシルヴィアが呟いたとき、進んで役目を買って出たのがカルフ・オルヴォだ。

「ああ、お願いできるかい。もちろん、私も力になろう」
 シルヴィア自身も、作業に従事すべく農具を手にしていた。

「表面は傷んでいるが、奥には健康な土も残っているみたいだな」
 土を深くえぐって、土壌の状態を確認するカルフ。
 野焼きの際に表土をある程度さらっていたため、汚染された層もそう深くはない。
 とはいえ野焼きの主な目的は種子の除去であったため、汚染された土を処理する必要は残されていた。

「おらよっ」
 手にした鍬を勢いよく振り下ろし、カルフは地中の奥深くにある土を掘り起こしていく。
 これを汚染された表土と入れ替えることで、正常な土が露出した状態を作ろうというのだ。
 その際、草木灰と、シルヴィアたちが運んできた土もしっかりとすき込んでおく。

「授恵者の力があっても結局、最後は人海戦術か。汗を流すのも悪くはねえな」
 カルフは額を伝う汗を拭いながら、黙々と地面を耕している。
 疲れた時も、数分の睡眠さえとれば、カルフにとっては十分だ。
 すぐに活力を取り戻し、カルフは作業へと戻っていく。
 辺りには、作業中に迷い込んできた植物型魔獣の遺骸も転がっていた。
 もちろん、カルフが退治したものである。

「森との関わりなんぞ、何十年も忘れてたぜ。そのうち、おれもここで世話になる……それまでに元通り育ってろ」
 自らの死後、還ることになるはずの大地を、カルフはじっと見つめていた。

●
「エルフの里、ですか……いえ、なんでもありません。私たちも作業を手伝いましょう」
 そう呟いたルーカ・ルンガルディエールの美しい金髪からは、長く尖った耳が覗いていた。
 すなわちルーカもまた、エルフである。
 エルフとして周囲に馴染めず、村を出た過去を持つルーカにとって、今回の依頼元には思うところがあったのだろう。

「ルーカのためにも、エルフたちの未来のためにも頑張らなあかんな……!」
 エリック・ハルトマンは、改善された土壌に苗木を植えようと、ルーカと行動を共にしていた。
 舞台である大森林がエルフに所縁ある土地のため、ルーカを守りたいというエリックの気持ちは、普段よりいっそう強いものとなっている。

「苗木は将来、大きく育つことになります。それを見越して、場所を広く取って植えましょう」
 ルーカは成長後の日当たりなども計算にいれ、計画的に苗木を植えていく。
 今でこそ遮るものなく、眩しいほどの日照があるが、本来、うっそうと茂った森というのは薄暗いものなのだ。

「こないな感じでええんか、ルーカ?」
「ええ、上手にできていますよ」
 見よう見まねで作業するエリックの手つきは、決して器用とは言えないものだったが、ルーカはそれを温かく見守っていた。

「元の森に戻るまでは長い時間を要しますが、何もしないではどれだけ時間がかかっても元に戻らないですからね」
 手許から視線を上げ、ルーカは変わり果ててしまった森の光景を見回す。
 するとルーカの優れた視力が、遠方に動く影を捉えた。

「エリック」
「ああ、わかっとる」
 ルーカが短く声をかけると、すでにエリックも招かれざる客の存在を察知していたようだった。
 植物型魔獣の生き残りが現れたのだ。
 魔獣は蔓を鞭のようにしならせ、二人へ向かおうとしていた。

「植えたばかりの苗木を潰されては話になりません。絶対に守りましょう、エリック」
「ああ、エルフの森は死んでも守り抜くで! 愛するルーカのためにもな!」
 魔獣に向かってルーカが駆け出したのを見て、エリックも後に続く。
 ルーカの振るった祭刀が、魔獣の蔓を切り落としたかと思えば。
 その隙に魔獣の懐へ飛び込んだエリックが、渾身の力を込めて剣を振るい、魔獣の茎を両断する。
 二人の完成された連携により、魔獣は一瞬で死体となったのだった。

●
「この森には今までどんな植物が生育してたの?」
「ああ、それはですね――」
 エルシー・サリバンに尋ねられたマルスが、地元のエルフを代表して森の植生を答えていく。
 どうしても人の手を入れる必要があるとはいえ、できるだけ元の植生を再現しようというエルシーの計らいだ。

「それじゃあ、近くの森から少しずつ苗木を分けてもらおう」
 枯れた森に赴く前に、エルシーは枯死の被害を免れた森を訪れる。
 そこで見つけた苗木を、大切そうに周囲の土ごと掘り出すエルシー。
 根を傷つけることのないよう、作業は優しく、慎重に。

「お待たせ、苗木を届けにきたよ」
「あ……ありがとうございます」
 エルシーが掘り出したばかりの苗木を土産に枯れた森へ行くと、そこにリディリディ・トゥラ・イェレミースの背中を見つけた。
 振り返ったリディリディは、人馴れしない様子ながらも、感謝を口にする。

「枯れてしまった森が元通りになるには、長い年月がかかりますね……エルフの寿命を以ってしても成長が見られるか分からない樹もあるでしょうが、待つしかありません」
「そうだね、寿命の短い種族にとってはなおさらだけど。次の世代への贈り物、みたいなものになるのかな」
 再び枯れた森へと視線を移したリディリディの言葉に、エルシーも同じ先を見つめて答えた。

「さあ、そのためにも連れてきた苗木を植えてあげよう。掘り出された状態のままじゃ、苗木も不安だろうから」
 エルシーは気持ちを切り替えるようにして、運んできた苗木を植える作業に取り掛かる。

「根付くまでは、お母さんの手作りお弁当で過ごしてね」
 地面を掘って生まれた窪みに、エルシーが苗木をはめ込んでいく。
 その根には、苗木がもともと生えていた森の土がついている。
 土壌改善に汗を流してくれた冒険者を信じているため、栄養の心配はしていない。
 それでも、知らない土地にいきなり連れてこられた苗木を気遣ってのことだ。

「ハイアルヴよ……」
 苗木を植えようとする前に、リディリディは小さく祈りを捧げていた。
 リディリディもまた、フィルエス大森林に生を受けた、ハイアルヴを信奉するエルフの一人である。
 しかし、祈りを捧げる代わりに見返りを期待しているわけではない。
 木々の健やかな成長を願う心が、自然とリディリディをそうさせるのだ。

「立派に育ってくださいね」
 そうしてリディリディが植えた苗木は、無事に成長すれば青々とした葉をつける広葉樹となるだろう。
 いつか樹が実らせるどんぐりは、また次の命を育むことになるはずだ。
 こうした命の連環を、大いなる森はこれまで内包してきたのである。

「この後も定期的に見回りや水やりが必要だけど、地元のエルフさんたちで手は回る? 不足なら暫く滞在するけど」
「ありがとうございます。もし必要であれば、また改めて依頼として出させて頂きますね」
 エルシーは後々のケアに必要な人手のことも気遣っていた。
 植樹の様子を見守っていたマルスは、その気持ちを喜んでか、柔らかい笑みを作って答えたのだった。

●
「壊れた森の再生って、何年かかるのかしら」
「根付くまで時間がかかるからね。人が踏み入らないようにするとか、何かしらしないとな」
 サシャ・テーリングとダムド・フィリスは連れ立って森の整備にあたっていた。

「順調なら森の動物たちも帰ってくると思うし、そうなって欲しいけど、育ち切る前に来ちゃうと丸裸になっちゃうわね」
 サシャの懸念も尤もで、動物もまた森を構成する一員であると同時に、植物を食べてしまう存在でもある。
 成長した木であれば葉を少し食い荒らされたとして生きることができるが、苗木はそうもいかない。
 ダムドの手を借りながら、苗木の周囲にロープを張っていくサシャ。
 音で動物を驚かせるため、ロープには鳴子も取り付けられている。

「自然界は巨木が苗木の守りになって、風雨や直射日光を遮る。でもここは……みんな枯れちまってるからなぁ」
 屈み込んで何やら作業していたダムドの手許を見れば、苗木の周囲に衝立のようなものが立ててあった。
 まだ細い苗木が強い風に直接さらされることのないよう、風除けとして設置したのだ。

「しばらくは私たちで水やりなんかの面倒も見てあげないとね」
 サシャは里にしばらく滞在し、エルフたちと共に苗木の面倒を見るつもりであった。
 排除しきれなかった植物型魔獣の種子が発芽しても、芽のうちに摘み取れるように見回りも必要だろう。
 育った苗木のバランスを見て、足りない場には新たな苗木も植えなければならない。

「ああ。それに、自然の雨でも森が育つように水捌けを見てやらないとな」
 ダムドの言うように、今は人の手が必要でも、最終的に森は自然の中で自立しなければならない。
 その基盤となる水路は、今のうちに整えておかなければいけないだろう。

「あら? ごめんなさいね、この木は食べちゃダメなの」
 サシャの視線の先に、どこかから迷い込んできたのであろうか、苗木を物欲しそうな眼で見つめる小鹿の姿があった。
 優しく言い聞かせるようにしながら、サシャは豊かな森がある方角へ小鹿の鼻先を向けさせる。

「もう少し待っててね。育てばお前たちが飢えない程の草木が茂るし、実も生るから」
 サシャの見送る先で、小鹿は何度か振り返りながらも、最後は豊かな森へ向かって走り去った。

「一本でも育てば、それが次の苗を護る。森はそうやって力を合わせて育て合い、根が地に水を溜めるって、俺の面倒を見てくれた人が聞かせてくれた」
 そうして一本の苗木が守られたのを見届けたダムドは、自らの経験を思い起こしていた。

「だから次は俺が森の面倒を見てやる……ってのは流石に難しいけど。根付くまで世話に通うからな」
 決意を胸に、ダムドは残る作業のため枯れた森へと引き返していった。

●
 笛の音を背景に、酒を酌み交わす人々の声が歌を成す。 
 枯れた森を整備する作業も一通り落ち着いた頃。
 スピネルの里の広場にて、冒険者を歓待する宴が開かれていた。

「……ふう」
 宴の喧噪を余所に、キーゼは静かに杯を呷っていた。
 大森林に深い由縁はないが、タダ酒を飲める機会は見逃さない。
 それがキーゼという男である。

(さて、今回の一連の流れ。指先が、というよりは、指先の一員とやらが一人で暴走していた節がありますが……)
 酒を口の中で転がしながら、過ぎ去った事件について思いを馳せるキーゼ。

(色々と仕込むなら、一段落して気が緩んでいる今なのですよね……折角の構成員を使い潰したことですし)
 考え事をしながらも、キーゼの含んでいた酒が喉を通って胃に落ちていく。
 宴に出された酒は、森の果実を発酵させて作ったものだったので、フルーティーな香りが喉を抜けて鼻腔をくすぐった。

「どうかなさいましたか、キーゼさん?」
 ネーヴェ・グラヌローザが、酒を飲みながらも思案顔をしているキーゼに気付いたようで、声をかけた。
 といっても、表情の乏しいキーゼの顔は、見る者によっては普段とほとんど変化がないように感じるかもしれない。
 そうしたわずかな変化すら見逃さないのは、二人が恋人どうしであるがゆえか。

「いえ、流石に無関係のところにタダ酒を飲みに来るのは申し訳なかったかな、と思いまして」
「あなたも同じ戦場にいましたし、決して無関係では無いと思いますが……」
 キーゼが何かを誤魔化しているのに気づきながらも、ネーヴェは指摘することはあえてしない。
 せっかくの宴の席で、問い詰めるような真似をするのも無粋だろう。

「眉間に皺が寄ってますわ。歓待の宴ですから、今は楽しんで、ね」
「……そうですね。せっかくですから族長のアローゼア氏へお酌にでも参りましょうか」
 ネーヴェに窘められたキーゼは表情をかすかに緩めると、酒の満ちた器を手に席を立つ。

(……それにしても、一連の事件を機に大森林にあるエルフの里をいくつか訪れましたが)
 ネーヴェは、キーゼの背中を見送りながら、冒険者ギルドからの依頼で訪ねることになった、いくつかの里を思い浮かべていた。

(既視感は特に感じることはなく。そして、懐かしさも無かった……ということは、私の故郷はここでは無いどこか、ということなのでしょうか)
 自らの来歴が記憶から欠け落ちているネーヴェは、エルフという自らの種族から、大森林のどこかに故郷があるのではないか、との期待を抱いていた。
 しかし大森林の各所を巡った今も、未だに記憶が蘇ることはなく。
 故郷の予想を変更すべきかと、ネーヴェは思案する。

「……いえ、これはまだ早計ですね。それはさておき、森に平穏が戻って何よりでした。私こそ、宴を楽しみませんとね」
 ネーヴェは小さく首を横に振って浮かんだ考えを振り払うと、宴で出された果物を一粒、手に取って口に放り込んだ。

「この度は宴に招いて頂きありがとうございます」
「ああ、楽しんでもらっているだろうか」
 キーゼは宣言通り、族長のモーリス・アローゼアの席を訪れていた。
 それを見てモーリスが空にした杯に、キーゼは手にした器から酒を注いでいく。

「ええ、それはとても。しかし、お気を付けください。何もない、というのが一番ですが……最も仕込みやすいのは、気が緩んでいる今ですから」
「ご忠告、痛み入る。我々のほうでも、気を引き締めておこう」
 キーゼがモーリスへ酒を注ぎに来たのは、里のエルフたちに懸念を伝えるためでもあった。
 モーリスが堅物であることも幸いしてか、宴の最中にあっても、忠告は素直に聞き入れられたのだった。

●
「他氏族の宴に参加するということは、今までなかったから何か新鮮だな。マーシュの里は、他の氏族を呼んで盛大に宴を行ったりしたことは?」
「他の氏族の宴への同席は、私も初めてですので、期待も緊張もいっぱいですっ。そういえば、故郷にいた頃に、来客の方の歓待はしたことがありましたね」
 宴の席でライナ・フレイヴァルツに尋ねられ、フロマーシュ・ダイヤドロップが自らの故郷に思いを馳せる。

「思い返してみれば、その頃から人に喜んでもらうことが嬉しくなる性分だったみたいですっ」
「私のところは、頻繁にではないが、歓待の機会があればやっていたな。手伝いに奔走して忙しかった記憶が……」
 メイドらしい答えを返したフロマーシュに、腕組みして目を瞑り、当時の記憶を呼び起こすライナ。
 フロマーシュもライナも、ともにエルフであり、故郷を失った経験を持つ。
 それだけに今回、エルフの里を自分たちの手で守ることができた、という実感が得られる宴は、二人にとって喜ばしいものだった。

「しかし、これがスピネルの里流の宴か。シリスさんとは初依頼の時に出会ったが、まさかこうして宴に招かれる程になるとはな」
「思い出すねえ、あれは薬になるキノコを採ってきてもらう依頼だったね」
 ライナの冒険者としての初依頼を斡旋したのは、女神の賽子亭の女将であるシリス・アローゼアだったのだ。
 駆け出しだった冒険者が一年のうちにずいぶんと成長したものだ、とシリスは懐かしそうに目を細める。

「いつもはおもてなしをする側なので、される側なのが新鮮なのですっ」
 フロマーシュは宴に並んだ料理が、自らの故郷とはまた違うのを見てワクワクと胸を高鳴らせていた。
 緊張感と言うべきか、不思議な高揚感も感じるのは、ライナが隣にいるからでもあるだろうか。

「このお料理、とても美味しいですね! どうやって作るのでしょう」
「ああ、それはですね。里に特別に設えられた竈で、焦がした油と木の実を和えてソースにしているんですよ」
 早速、フロマーシュは料理を口にして、里のエルフたちと話の種にする。
 マルスも宴の準備に携わっていたらしく、料理の話題には積極的に食いついてきた。

「せっかくの交流機会だ。森の外での実体験など聞きたい者はいないか?」
「あ、それなら、あねさんが普段どんなお仕事を冒険者の皆さんに回しているか知りたいです」
 ライナが振った話題に対しても、マルスが強い反応を見せる。
 なお、マルスの言うあねさんとは、族長の娘でもあるシリスのことだ。

「ふふっ、人気者なんですね、シリス様」
「やれやれ、マルスのやつときたら……まいったね」
 その様子にフロマーシュが笑うと、シリスはバツが悪そうに頭を掻く。

「はは、いいだろう。シリスさんから私が受けた初依頼は、怪鳥が巣食うキノコ型大岩の上に、キノコを採りにいくというものでな――」
 そんな微笑ましい様子に、ライナも嬉しそうに自らの経験談を語ったのだった。

●
「シリスさん、以前に宿でやったゲームですが。この場で開くのも一興ではないかと」
「え、あれをここでやるのかい?」
 Alexandra・Hexe・Claudiaはシリスの開催する遊戯に参加したことがあった。
 それが人々の集まる宴の場にぴったりではないかと勧めているのだ。

「えーと、街でやってるような遊びが、里の皆に合うかは――」
「あねさんが普段やってることを体験できるんですか? 是非ともやらせて欲しいですね」
 シリスがなんとなく気まずそうな様子でいると、マルスが食い気味に言葉を被せてきた。
 それを聞きつけたエルフたちがなんだなんだと集まり、あっという間に人だかりができる。

「し、しょうがないね。じゃあ、あたしがまた進行役をするから、参加者側に入ってくれるかい?」
「ありがとうございます。あと、もしよければこちらのカードも加えてみませんか?」
 とうとう観念したシリスへ、Alexandraは二枚のカードを見せる。
 そこには、商人や宗教家のような人物がそれぞれ描かれていた。

「怪盗と警備員たち以外に、第三勢力を加えるってことかい?」
「ええ、これは仲買人と教団員のカードになります」
 シリスがこれから開催する遊戯は、もともと二つの勢力で攻防を繰り広げるものである。
 Alexandraはそこへ、新たな勢力を加えようというのだ。

 一つは仲買人。
 警備員か怪盗が勝利条件を満たした際、現場に残っていれば勝利を横取りする。
 金の力で護身し、怪盗に誘拐されることはないが、正体を暴かれると失踪してしまう。

 一つは教団員。
 毎夜、一人を指定して入信させるが、その際に勢力は変化させない。
 自身が現場に残っており、さらに現場に残る全員が入信した状態になった時点で、単独勝利が決まる。

「面白いじゃないか、やってみよう。さあ、あんたたち。あたしのところへ集まっておくれ――」
 エルフたちに一通りの説明を終えたシリスは、参加者の役割を決めるカードを配布していく。
 なお、こうして開かれた第一戦で、教団員を引いたAlexandraが布教を成功させ、一人勝ちを決めたという。
 神の教えの前に、怪盗も警備員も、仲買人すらも仲良く跪きましたとさ――。

●
 賑わいに時が押し流されていくように、宴の夜は更けていく。
 ロスガリアの地で、油断のならない情勢は続いているけれど。
 せめて今だけは、エルフたちに一時の安息を。
 そして、新たな森の未来を祈って乾杯を――。

マスターコメント

 お疲れ様でした。空色みなもです。  このたびは当シナリオにご参加頂き、誠にありがとうございました!  皆さんの幅広い助力により、エルフの森の未来は明るいものになることでしょう。  また皆さんにシナリオ参加して頂けるのを心よりお待ちしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
イベントシナリオ

イベントシナリオ普通 報酬:標準21 / 4〜25人

2021年10月13日 09時40分01秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. ナタリア・フィッツジェラルド

    ヒーラーのナタリア・フィッツジェラルドだ。宜しく。 今の所は学者らしく、【土】に参加して肥料の考案にあたるつもりだが。 プレイングが思いつかなければ【戦】も考慮に入れるつもりだ。

  2. No.2

    あの・・・、リディリディと言います。 よろしくお願いします・・・。 私は森の様子が気にかかりますし、【土】か【植】で参加しようかと今のところは考えています。

  3. 海神 江流

    シーフの海神江流だよ。今回は宜しくね。 【土】か【除】で参加しようかなと思ってるところ。

  4. ダムド・フィリス

    シーフのダムドだ。 【他】で環境整備をするよ。【他】が多いようなら【戦】も候補、ヨロシク!

  5. アステル

    シーフのアステル、みんなよろしくー! オレは【戦】でとにかく狩りまくる予定だぞ!

  6. Alexandra・Hexe・Claudia

    クラウディアです。 今回は…ふむ、【宴】に少しばかり花を添えてみようかな…? いつぞにシリスさんが主催したゲーム、此処でも楽しめるとよいのですが。

  7. シルヴィア・A・カペル

    シルヴィアだ。今回はよろしくね。 今の所、【土】か【除】に参加する予定だ。

  8. カルフ・オルヴォ

    カルフと言う、宜しくだ。 【土】で動く、その流れで【戦】【除】にも関わるかもな

  9. エルシー・サリバン

    エルシー・サリバンだよ。お世話になるね。 【植】で働くよ。

  10. ライナ・フレイヴァルツ

    ライナ・フレイヴァルツだ。 一度この里の依頼に関わったこともあるし、【里】で宴の参加にしたいと思う。

  11. フロマーシュ・ダイヤドロップ

    フロマーシュ・ダイヤドロップと申します。 私もこちらの里の依頼に関わった身ですし、ライナ様と一緒に【宴】に参加していきたいと思います。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0