星のスイーツハンター
七海真砂
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シナリオID:1242
オープニング
蜂蜜がよく取れるこの村では、昔から年に一度、8月7日になると子供達が各家庭を渡り歩いて、蜂蜜を使ったお菓子を貰うという風習がある。
お菓子を食べた子供は一年間健康に恵まれると言われており、子供にお菓子をあげた大人達には幸運がもたらされるという。
ところが……。
「最近の子供達は、昔ながらの行事を古臭いとか言って、あまりやりたがらないんじゃ。子供たちと触れ合うのを楽しみにしている、わしのような老人も多いのじゃが……」
よっこらせ、とギルドの椅子に座ったのはゲルタおばあさん。その背中は、どこか寂しそう。
「それでな、今年の8月7日を、ひとつ冒険者の皆さんに盛り上げてもらえんかと思うんじゃよ」
子供達を上手く誘って、一緒にみんなの家を回ってくれるのでもいい。
子供達が欲しがりそうなお菓子を用意して、子供達が積極的に行事に参加してくれるように促すような形でもいい。
方法は任せるので、みんなが楽しめて笑顔になれるような、そんな盛り上げ方を工夫して欲しい、とゲルタおばあさんは言う。
「お菓子は昔から、蜂蜜を使って、星の形をしたお菓子を作ることになっているんじゃ。この2つさえ守られていれば、お菓子はどんなものでもいい。もちろん、わしらの所に冒険者さんが来たら、冒険者さんにもお菓子をあげるからのぅ」
ゲルタおばあさんは、寂しそうだった背中を少しだけ伸ばして、どこかわくわく期待した眼差しを向けながら言った。
解説
マスターより
リプレイ
マグノリア村の集会場を訪れたイヴェール・イリュジオンは、用意されたたっぷりの蜂蜜を前に目を輝かせていた。
「良い蜂蜜はそのまま舐めるのが一番美味い! ……解っている、それを言っても何も始まらないことは」
蜂蜜の入った瓶のひとつを抱え、実際に舐めてみながら頷いたハッタ・ムラムラは、この村の決まりと向き合う。
しかし、この良質な蜂蜜を前に思わず本音が出てしまったハッタのことを、誰も責めることなどできやしないだろう!
実際に味見してみた冒険者達も皆、その美味しさに相槌を打ちながら、この味を最大限に生かしたお菓子作りを考える。
「我が神の教えに、『ケーキは小さく、そしてたくさんあるのが良い』とあります」
レイヤ・ダライ=カホールの前にあるのは、小さな星の形の型。これを使ってケーキを焼こうと、小鍋にバターを溶かし始める。
焼き菓子は他の冒険者達からも人気だ。イヴェールも故郷のレシピを使って、自分の好物である、蜂蜜をたっぷり掛けたパンを用意しようと張り切っていたし、サマエラ=フォリウムは2種類のパウンドケーキを仕上げようと持参したレモンに手をかけている。
(他にも甘い菓子があるからな、合間に挟んでリフレッシュできるような味にしたい)
そう考えたサマエラは、紅茶とレモン果汁を混ぜた生地を用意すると、次はレモンピールとビターな味わいのチョコレートを使った、大人向けの生地に取り掛かる。
(……大人用と言えば、背伸びしたい年頃なら手を伸ばすやもしれないな、ふふ)
微妙な年頃の子供達の心をくすぐるアイディアも一緒に混ぜ込んで、生地を仕上げていくサマエラだった。
「米粉と野菜を練り込んで……パンはどうやろ?」
「パンだと硬くなりすぎて食べにくいかもしれません。クッキーの方が適していると思いますよ」
「なるほど、ええな」
ルーカ・ルンガルディエールとエリック・ハルトマンは相談しながら何を作るか決めると、栄養のバランスもとれたお菓子に仕上げようとクッキーの生地を用意していく。
「力仕事ならうちに任せておき!」
エリックは張り切って、日頃鍛えた肉体を生かして力仕事をこなす。それを星の形の型でくり抜いたら、蜂蜜を塗って焼いていく。オーブンからは、美味しそうな匂いが漂って……。
「エリック、どうですか?」
「ん~♪」
味見だと、一枚取ったクッキーをエリックの口へ運ぶルーカ。それをもぐもぐ食べたエリックが親指を立てれば「ふふっ、上手に作れたようですね」とルーカも笑顔だ。
「よしよし、後は包むだけだな」
きつね色に焼けたフィナンシェを前にニッと笑ったフラム・アニムスは、一つ一つ丁寧にラッピングしていく。女の子用には桃色の、男の子用には青いリボンを飾って……それとは別に、白い小花を添えた紫のリボンでラッピングした物も用意する。
「俺からのサプライズ、喜ぶといいなぁ」
こっそり用意したそれを受け取る姿を思い浮かべながら、フラムはどきどきそわそわしつつ、お菓子を入れた箱を抱え上げる。
「どうでしょうか、ミツキ様?」
「とても可愛らしいクマさんね、すごいわ!」
スィーリーンが作ったのは、クマの顔になる飾りだった。飾りはいくつものパーツに別れていて、全部集めて組み立てることで、可愛いクマさんになる仕掛け。これを、各家庭で配るお菓子に付けて貰うことで、いろいろな家を回る楽しさを子供達にアピールしようと考えたのである。
「じゃあ、行ってくるわ」
ミツキはパーツごとに分けた物を袋に纏めると、それを各家庭に預けに向かった。
「蜂蜜を使ったお星様型のお菓子って、至高の可愛さなのに……古いなんて、そんな事絶対無いです!」
これは何としても、みんなにその素晴らしさに気付いて貰わなくちゃ! とリゼット・ブランは気合が入っていた。
「そうね、頑張ろうね!」
頷いて一緒に歩くアンネエルカは、リゼットの憧れの人でもある。ついはわわっと顔が赤くなりそうになるのを押さえつつ、二人は一緒に村を回っていた。目的は、星のお菓子マップ作りと、星のチャームが付いたリボンを配るためだ。
色も太さも色々なリボンは、アンネエルカの宝物。チャームは別行動中のアーシェル・G・クラインが作ったものだ。
(素敵なリボンになりましたね……うっう、でもアーシェルさんってば、なんでアンネエルカさんの隣にいても平然としていられるんでしょう……!)
「?」
うっとり見つめつつ、別の意味でアーシェルを羨んだリゼットは、怪訝そうにしているアンネエルカに向かって、
「いっ、いえいえ! さあ次のお家にれっつごーです♪」
そう首を振りつつ、とにかく楽しもうと次のお宅を訪れる。
「これ、良かったら使ってください!」
(個性はいろいろ、だけど皆で作り上げる楽しいイベントだものね!)
きらきら輝く大きさも色もバラバラな星たちに、そんな願いを込めて、集める楽しさを村の皆さんに託すアンネエルカ達である。
「こんな感じでどうかしら?」
そうして集めた情報を元に、マップを描くのはエミリア・シバ。デフォルメした家やお菓子、それに小さな子たちをイメージしたキャラクターを添えて可愛らしく仕上げたそれを、星のイラストが彩っている。
(仕事で留守の家なんかも分かるようにしたから、大丈夫なはずよ)
誰もいない家に行って、お菓子が貰えない……なんて悲しい事故が起こらないような工夫も、こっそり仕込んでおいたエミリアである。
「素敵です。じゃあ、こちらのご家庭にスタンプを預かって貰って……」
「俺のお菓子は、ここに隠そうかなっ」
ネーヴェ・グラヌローザはスタンプラリーにしたら楽しくなるのではないかと、小さなスタンプをたくさん持参していた。お菓子を配る冒険者にはもう預けてあるから、残りを村の人達の元へ配りに向かう。一方、フランのお菓子は宝探し風の演出をするため、『お菓子が隠れているよ!』スポットとして地図に書き加えられる。
「じゃあ、後はこれを量産して……っと!」
裏面にスタンプラリー用の枠をつけてデザインが完成すると、エミリアはバリバリ地図の量産にかかる。
その間に、アルマ・ヴァレンタインや大福は、お菓子作りが苦手だけど参加したいというご老人たちの家をまわり、自分達が作った琥珀糖や寒天を配っていく。いろいろな色の、数字が付いたそれを集めると大福から景品が貰えるという、子供達があちこち巡りたくなっちゃう仕掛けつきで、ご老人達はゲルタおばあさんのようにウキウキ、わくわくしていた。
「実はな……今年は、一味違うぜ」
そんな星集めイベントを、子供達にアピールしに向かったのはアーシェルである。村に冒険者が来たことは既に噂になっていたらしく、アーシェルが遊んでいた子供達に声を掛けると、すぐに彼らは集まって来た。
「食べてみたくない? キミたちが知らないお菓子!」
ハルハン・ツァガーンナルはしゃがんで、小さな子達と目線を合わせながら笑いかけた。
そんな二人の誘い文句に、子供達はすっかり興味を持ってそわそわしている。
「ボクと一緒に行かない? 早く行かないと、無くなっちゃうよ?」
「……行く!」
「ぼくも!」
ツァガーンナルの誘いにひとりの子供が頷くと、それが呼び水になって他の子供達も声をあげて。ここはもう大丈夫そうだな、とアーシェルはマップ作りの加勢に向かう。
「アンネ、リゼット、休憩も大事だぞ」
集会所の一角は地図量産スペースと化しており、エミリアの作った地図の模写が続けられている。「て、手が……」と酷使される手の重さに呻く彼女達に、そう声を掛けるとアーシェルは紅茶を淹れ、エミリア達にも差し入れると、自らも作業に加わった。
「さぁ、空からの贈り物、美味しいケーキはここだよ!」
集会所の外でパフォーマンスをするのはララベル・サン・ディーベル。壁を歩いて登ると、星の蜂蜜ケーキがラッピングされた袋をゆらゆら振って、更にエアーライドで空中を駆けてから着地する。
「えっ、すごい」
「どうやったの!?」
目を丸くした子供達が集まって来るのを見ながら、コハクは「……あれ?」とちょっぴり小首を傾げつつボウルの中の生地をこねくり回していた。
「おかしい……どうしてこうなった? 自分はお菓子を貰いに来ただけなのに……?」
その筈だったのに気付いたらボウルを抱えてパフォーマンス要員になってしまっているこの現実である。
(……ま、いっか)
子供達にせがまれて、もう一回パフォーマンスを披露しているララベルを見ていると、たまには自分も頑張ろうという気に思えてくるから不思議なものである。
「よっ、はっ」
「凄いですわ! ボウルが空中に浮かんで、勝手に!!」
エーテルを操って空中にボウルを浮かべると、更に泡立て器を動かして、空中でふわわあっと不思議な曲芸のように生地を捏ねていくコハク。そんなコハクのパフォーマンスを指差しながら、ネーヴェがわあっと沸いて盛り上げている。
その声に、今度はコハクの方に子供達が集まってきて。
(……こうやって、誰かの為に頑張れることは、この二人の美徳だ)
ララベルも、ネーヴェも。子供達の為に手を尽くしているから、それを手伝おうと、子供達が好みそうなパフォーマンスを交えてお菓子作りを進めていくコハクである。
「♪~ 一年に一度だけの秘密の儀式 何処に行けば良いのか お前達には分かる――♪」
竪琴を奏でて歌うのは、神秘的な預言者――風の恰好をしたキオルティス。仮面でその目元を隠し、口ずさむ謎めいた歌詞は、隠されたお菓子の場所を示すものだ。
「知ってる! この地図の宝のマーク!」
「でも、ここ畑だよ? 畑のどこにあるの?」
「――さあ、よくお聞き。お前達ならこの歌に秘められた、本当の謎が解るだろう……」
神秘的な雰囲気作りを心掛けつつヒントを出すキオルティスの言葉に、真剣な顔で、子供達はもう一度歌を聞きながら謎解きに挑んでいる。
「迷子になってしまった森の動物さんがいるの。お菓子と一緒に飾りを集めて、その子を探してあげてね」
絵本風のイラストをつけて、子供達に説明しているのはミツキ。小さな子供達は頷いて、探しに出ようとしてくれる。そんな一角で、おっかなびっくり子供達が輪を作るのは、『七色の星を集めてお宝をげっとしよう♪』という看板を下げた狼の粽と、大福だ。どちらも、星の被り物をしている。
「キラッキラで宝石みたいなお菓子があるんだよー。行ってみよー?」
「さあ、全部のお菓子を貰って来た奴が『スイーツハンター』だ!」
にこにことアルマが笑いかければ、アーシェルがそう子供達に発破をかける。
そんな冒険者達の工夫で、すっかり気分が盛り上がった子供達は、ゲルタおばあさんの話が嘘みたいに乗り気だ。
「さあ一緒にお菓子を貰いに行きましょう~!」
横笛をひと吹きして、歩き出すのはエルナ・クルプファルツ。子供達の歩幅に合わせてエルナが歩けば、子供達がその後ろをついて歩く。みんなの一番後ろを歩くのは、はぐれる子が出ないように見てあげて欲しいとエルナから頼まれたリスさんだ。
まずは、集会所の冒険者を相手に練習も兼ねてお菓子を貰う!
「まずは大きな声で呼んでみましょう! こーんにーちはー!」
「こーんにーちはー!」
すかさずドラムロールを奏でる中、開いた扉に突撃です! と子供達と入ってお菓子を貰い、次は本番。村の皆さんの家を目指す。
「おっ、ちょうどええじゃろ。エルナちょいストップ」
そんな一行を野原の途中で止めたのはジョン・ベアー。怪訝そうな皆に向かって、ジョンはニッと笑うと、子供達にある提案をしたのだった。
「こんにちはー!!」
「まあまあ、こんなにたくさん。いらっしゃい」
嬉しそうに目を細めて子供達を出迎えたのは、ゲルタおばあさん。「はい、どうぞ」とゲルタおばあさんがくれるお菓子は、蜂蜜色のあま~いキャンディ。
「わぁ、ありがとー!」
これでボクも一年健康で過ごせるねっ! と笑うアルマ。順番に配られていくキャンディが行き渡った後、子供達から差し出されたのは、さっきジョンの呼びかけで摘んだお花だ。
「なに、貰うてばかりよりも『花』があるじゃろ?」
この方がお菓子をあげる側だって嬉しいだろうし、子供達も日頃のお礼を乗せて言いやすいだろうと考えたのだ。ゲルタおばあさんは目を丸くしたあと、とても嬉しそうにそれを受け取っている。
「なるほど、これがマグノリアのキャンディ……」
早速キャンディを舐め始めたレイヤは「マグノリアの他のお菓子も知りたいです、次へ行きましょう!」と子供達を促す。
「はい、順番ですよー」
蜂蜜をたっぷりかけて完成した、焼き菓子パンを切り分けるイヴェール。パンはパンでも『びっくり★ぱん』と名付けたパンを用意したのはナハシュである。
「よくきたな! これはただのパンじゃねえし、どれが当たるかは俺にもわからねえ! 天に祈りな!!」
とナハシュが言う通り、パンの中身はジャムやマーマレード、果物やカツ、ケチャップに辛いソースやマスタードなどなど幅広く様々で、当たりからハズレまで色々なものが仕込まれている。
「チーズだ~」
「ひゃあ!」
喜ぶ声もあれば悲鳴も上がる。子供達はとっても賑やかに、びっくり★ぱんを食べている。
「へえ、相変わらず器用だね」
自らも小瓶に詰めたお菓子を配りつつ、種類の多さに感心した様子なのはヨル・スレイマン。彼の用意した小瓶にかけられたリボンは長く、首から下げて歩けるようになっている。
「はいどうぞ。他のお菓子も貰っておいで」
「ありがとう!」
嬉しそうに首から下げて、また次の場所へ向かって駆け出す子達の姿は楽しそうで、なんだか、自分まで嬉しい気持ちになってくる気がするから不思議だ。
(子供と触れ合う機会は、今まであまりなかったけど……)
こういうのも良いものだね、とヨルは口元に笑みを覗かせる。
「これは『蜂蜜と果物のぷるるんるん』だ」
ハッタが取り出したのは、星型の器に入れて冷やすことで完成する、GP教に伝わる秘伝の涼菓。なんとびっくり、ぷるんるんるんする魅惑のお菓子である!
「ゼリー? ジュレ? 違う、これはぷるるんるんだ」
さあ、よく味わって召し上がれ……と、GP教の秘伝を惜しみなく披露するハッタである。
「よく来たの、さて、最後の仕上げを手伝って貰いたいのじゃ」
という夕霧が用意していたのは、蜂蜜のシロップを絡めて固めるポン菓子と、小麦粉を使った焼き菓子である。
星形の型の中に、子供達が自分の手で材料を入れることで、子供達に楽しむ要素を用意できないかと考えたのだ。
(要するに古臭いというのは、地味だし退屈だという事じゃろ?)
ならば、そうではない物に仕立ててやればよかろ……というのが夕霧の考えで、そして子供達の様子を見る限り、それは的中しているようだった。
「あとは焼けば出来上がりじゃ。焼くのは時間が掛かるから、その間に他の所に行くのが良いと思うのじゃ」
待つだけの時間はきっと退屈だろう。「焼き番などはわらわに任せておくがよい」と、夕霧は子供達を送り出す。
そんな子供達の中に、独特な衣装を羽織ったり、小物を手にした子供達が混ざり始める。それは、大福が景品として配っている、シャルガネ風のお姫様や王子様になれる変身アイテムだ。
「それ、なぁに?」
「これはね……」
と、興味を持った子供達の間で噂が流れて、それがまた子供達を呼んでいく。
「君、どうしたの? 迷っちゃった?」
迷子らしき子供を見かけ、声を掛けたエミリアは、リゼットたちが居る大きな地図の傍まで連れていく。
「道に迷ったんですか? 今はここです。このお家にはもう行きましたか?」
地図を指し示しながら、近くの家で配っているお菓子を詳しくアピールしていくリゼット。字が読めない子でも大丈夫なように、とアンネエルカと練習した甲斐あって、話を聞いた子供はわくわく目を輝かせて、今度は迷わないように気を付けてお菓子を貰いに向かっていく。
「……よし! じゃあ今のうちに、お菓子を貰いに行きましょう! アーシェルさんはそちらのお家を!」
そんな案内の隙を突くようにして、自分もお菓子を貰いにダッシュするリゼットの様子に、アーシェルは思わず笑いながら「急いで転ぶんじゃねぇぞ」と見送りつつ、頼まれたお菓子を貰いに向かった。
そんな風に、今年のマグノリア村は大賑わい。大勢の子供達が賑やかに村中を回る声や、たくさんの笑顔に包まれながら時間は過ぎて、大盛況の中、8月7日は過ぎ去ろうとしていた。
「今年の行事は新鮮なことがいっぱいあったでしょ?」
「うん!」
最後にツァガーンナルは子供達と話をしていた。楽しかった! とたくさんのお菓子を抱えている彼らに、ツァガーンナルはにっこり笑う。
「じゃあ、来年はキミ達も新しいことに挑戦してみたら、もっと楽しい行事になるんじゃないかな」
冒険者達がいろいろなことをしてみたように、みんなが色々な事をしてみたら、きっと来年だって……いや、来年の方がもっと楽しい行事になるに違いない。
「ね、楽しみになってきたでしょ?」
「大丈夫かな……できるかな?」
「できるよ!」
みんなで頑張ったら、きっと楽しいよとツァガーンナルは子供達に言う。そう、きっと、今日みたいに!
「コハク、はいこれ」
「?」
ララベルに呼ばれたコハクは怪訝そうに振り返り、そして本格的に驚いた。ララベルが渡したのは、お菓子でいっぱいになった袋――合間合間にこっそり、みんなから集めて貰っておいたお菓子、だったからだ。
「ふふふ、食べたかったんでしょ? これ、コハクの分だよ!」
「あ、ではコハクさんにも……」
ネーヴェはスタンプラリーのゴールで配っていたリボンを使い、お菓子でいっぱいの袋の口を結ぶ。どうやらお菓子を食べたくてこの村へ来ようとしていた事は、すっかり筒抜けだったらしい。
「二人ともありがとう」
ここは素直に受け取るべきだろうと、るんるん気分でお菓子を抱えて歩くコハクである。
一人分、取り分けておいたお菓子を持ったヨルは、それを無造作にナハシュへと渡した。
「あげる。確か一年間の健康をもたらすらしい。……願掛けは大事だ。健康と幸運、両取りするのも悪くないだろ」
お菓子を食べたら健康に恵まれ、お菓子をあげたら幸運がもたらされるなら、これで両方になるはずだ。そう告げるヨルに「じゃあ」とナハシュもお返しに、びっくり★ぱんを一つ渡す。
「中身が何かは知らないけどな」
「えぇ……」
ちょっと抗議の声を上げるヨルだったが、こういうのは縁起物だ。中身はどうあれ食べてみようと口へ放り……激甘練乳ソースに、別の意味で咽せて咳き込むヨルだったという。
「ゲルタばあちゃん、これ……ばあちゃんの焼菓子には敵わないと思うけど……」
最後にフラムは、紫のリボンを掛けておいた小袋をゲルタおばあさんに渡した。「まあ、まあ!」とゲルタおばあさんは嬉しそうに顔を輝かせて。
「最後までこんなプレゼントがあるなんて、嬉しいねぇ。今日はたくさんの子供達が遊びに来てくれたし、みんな本当に楽しそうにしていたよ。もちろん、わしもじゃ」
ニコニコと目尻の皴を深めながら、ゲルタおばあさんは言う。
「冒険者さん達のおかげじゃなぁ。ありがとう」
マスターコメント
イベントシナリオ易しい 報酬:標準25 / 4〜25人
2021年08月13日 02時43分46秒 公開
参加者
相談掲示板
ハッタだ。世話になる。
ムラムラさんに続いて…フラムですー! よろしくお願いします!
フラムさんにつづいて…レイヤです! よろしくお願いしますね! ケーキは至上にして至高です。わたしからは以上です。
レイヤ様に続いて……ネーヴェです。 どうぞ宜しくお願い致します。 どうしようか悩んでおりますが……左様にございますね、楽しんで回れますよう、宝の地図みたいなものでも作ってみましょうか。
ネーヴェさんに続いて、ミツキ・アインホルンよ。よろしくお願いするわ。 スィーリーンさんと一緒にお菓子に付ける飾りを作るわ。 全部の飾りを繋げたら大きな形ができるような感じで、盛り上げられたらと思うわ。 よろしくお願いするわ
ミツキ様に続きまして、スィーリーンと申します。 よろしくお願いします。 ミツキ様と一緒にお菓子に付ける飾りを作ります。 子供達が楽しんでくれたら嬉しいですね。
ジョン・ベアーじゃ!よろしゅう頼む! 蜂蜜を使うた美味いお菓子が食えると聞いてきた!!! ……ほう、基本は子供達の行事なのか。 がはは!なら一緒に回っとこぼれをもらうかな!
リゼット・ブランです 憧れのひとと一緒に色々考えてみるつもりです 私もラッピングとか凝ってみたいな… まだ考え中ですけど、 宜しくお願いします!
エルナです!皆様よろしくお願いしますね! 子供たちと一緒に回れる工夫! 以前別の依頼でやった、笛を吹いて先導しつつ子供たちの行列と街を巡る ハーメルンの笛吹エルナをやってみようかなと思います! 各お家の前でとまってはおじいさんおばあさんを子供たちと一緒に大声で呼んで、出てきてもらってみたり!
集会場をお借りして蜂蜜を使った焼き菓子を作ることにしましたー! >ネーヴェさん 宝の地図を作るご予定っぽいので、地図に沿う形で村のあちこちに 焼き菓子の入った袋を隠してもOKでしょうか?
挨拶が遅くなってごめんなさいなのだ。大福と相棒の狼の粽なのだ~ 大福は蜂蜜を借りてシャルガネのお菓子「寒天」を七色で作ってみるのだ もちろん星型にくり抜くのだ~ 色別に得点を決めて集めて貰うのだ。高得点の子にはお宝も用意してるのだ 大人の人達にはフルーツ入りの牛乳寒天を差し入れするのだ 子どもも大人も皆が楽しめると良いのだ☆彡
>フラムさん 先刻お手紙でもお返事致しましたが、構いませんわ、大丈夫です。 こちらこそどうぞ宜しくお願い致しますね。
アーシェルだ。よろしく頼む。 ラッピング関連で何か手伝えたらと思ってる。 子供達の笑顔が見れる一日になるように頑張らねぇとな。