【嵐竜】対邪竜武器を運搬せよ

七海真砂

コメント 11

シナリオID:3118

オープニング

「嵐逆巻く魔海竜の件で、ドワーフ王国まで行って欲しいのじゃ」
 冒険者ギルド直営の酒場である『踊る子熊亭』にやってきた冒険者達を見て、『預言の魔女』オペラはそう口にした。

「嵐逆巻く魔海竜からリブラネスタを防衛するにあたって、武器がやや心許ないという話になってな。かつてドワーフ王国で開発された『対邪竜武器』を借り受けることになったのじゃ」
 もちろん、海軍が有する軍船には、対魔獣用の石弓や投石機といった大型兵器が搭載されてはいるのだが、今回の敵は超大型クリーパー『嵐逆巻く魔海竜』。できれば、もう少し武器が欲しい。
 そこで注目されたのが、ドワーフ王国に現れた邪竜との戦いの折に開発された兵器群だった。
「バリスタ・レーヴァテイン、バリスタ・リジルと呼ばれる、大きな弩が三連結されたバリスタをドワーフ王国から借りられることになったのじゃ。これを運搬する一行の護衛を頼めないかのう?」
 これらの兵器はドワーフ王国から海岸線に運び出された後、海路でリブラネスタまで運ばれる。
 だが、近海には海の魔獣やクリーパーが出現することがままある。
 そこで、護衛の冒険者が必要――というわけだ。

「最近目撃されたのは、トビウオのような姿をした魔獣の群れと、鮫のような姿をしたクリーパーだそうじゃ」
 トビウオ魔獣は飛び跳ねながら襲い掛かり、体当たりを行ってくるという。船の上にいる船員達や、船に搭載された兵器が傷付くような事になれば一大事だ。
 鮫クリーパーの方は、水中を泳いで船に体当たりをしたり、鋭い歯で噛み砕きながら船を沈めようとしてくるという。船に万が一の被害が無いよう、気を付けなければならないだろう。
「これらの兵器が無事に到着するかどうかによって、防衛戦で与えられるダメージも大きく変わって来るじゃろう。嵐逆巻く魔海竜との戦いを有利に運ぶためにも、皆の力を貸して欲しいのじゃ」
 道中のこと、どうかよろしく頼む……と、オペラは頭を下げた。

解説

 『対邪竜武器』バリスタ・レーヴァテインとバリスタ・リジルを運搬することになりました。  リブラネスタまでは、魔獣やクリーパーの出現が予想される海を移動することになります。トビウオ魔獣や鮫クリーパーから船と武器を守りつつ、リブラネスタまで護衛をお願いします。  なお、バリスタ・レーヴァテインとバリスタ・リジルは運搬の為に梱包された状態となっています。このシナリオでは、兵器として使用することができません。その為、護衛の皆さんが頼りです! ※バリスタ・レーヴァテインとバリスタ・リジルの詳細については、下記ページの「関連用語・情報」にあります(読まなくても大丈夫です)。  https://alpaca-connect.com/world/world0/event/event14_db_detail

マスターより

 こんにちは、七海真砂です。  今回のシナリオは、『対邪竜武器』バリスタ・レーヴァテインとバリスタ・リジルの運搬! 嵐逆巻く魔海竜との戦いを有利に運ぶためにも、武器は欠かせません。どうかお力を貸してください!  それでは、ご参加をお待ちしております。

リプレイ

「今回護衛するのは、この船だな」
 現地に到着した一行は、すぐさま目的の船に乗船し始めた。
 ふとリューイ=ヴァレンゴルトは視線を感じると、そちらへ視線を向ける。それは、重装備に身を固めたリューイ達を、頼もしそうに見つめる船員たちの物で。
(任せてくれ。これでも授恵者だ、船上で盾に甲冑でも、しっかり動けるさ)
 例の物は必ず守ってみせる――と、小さく手を挙げてアイコンタクトするリューイの様子に、安心した様子で船員たちは出発の準備を整えていく。
「デカブツ相手にはでかい武器が必要なんだろうけど……こりゃ大変だ」
 そんな船の甲板に並べられたバリスタ・レーヴァテインとバリスタ・リジルを眺めて、ディレイン・オールドケイジは思わず呟く。バリスタシリーズは重量のバランスを取るように船の左右に分けて載せられているのだが、一緒に用いられる矢やカートリッジも搭載されている事もあって、必要最小限の通路を確保して他は全部荷が積み込まれているような状況だ。なんとも、物々しい。
「リブラネスタの防衛に必要な、大事な武器です。無事に送り届けましょう!」
「うんうん。あ、この布、ちょっと手伝って貰っても良いかな?」
「良いですよ。これは……?」
 トーラの言葉に頷いて、ハーヴィは用意しておいた布を広げる。首を傾げたトーラだったが、すぐ布には猛禽類の絵が描かれている事に気付く。
「なるほど、偽装ですか」
「うん。魔獣でもトビウオなら避けていくかもしれないなって」
 故郷を守る為の武器を運ぶ大切なお役目、ちょっとでも出来る事はしておきたいと準備してきたのだった。手の空いている皆で手分けして布をかけていくと、フクロウが止まっていたり、タカが羽ばたいているかのように見える。
「遠くからでもハッキリ見えそうですね。あとは……あの見張り台に立たせて頂いても?」
「勿論です」
 ゲルダ・クラインの問いかけに船員が頷く。「しっかり見張って、護衛がんばりますねっ」と笑顔を返して、ゲルダは見張り台に向かうと船の前方をしっかり見つめる。
「出航します!」
「出航!」
 準備が済むと船員たちが駆け回り、船を動かし始める。セロンガード・シュタインドルフは船の縁に寄りかかると、揺れる海面を見つめながら、感覚を研ぎ澄ませて気配を探り始めた。異変があればすぐに察知できるよう、目を凝らして様子を観察する。
「兵器が壊れてしまっては元も子もないからな。俺は兵器を守ることに専念するつもりだ」
「では、ここはお任せしますね!」
 バリスタシリーズの傍にはリューイ達がいる。それなら、とトーラは船の後部側へ移動し、探知用のエーテルの波動を走らせていく。
「何か変わった事があったら、おじさん達に教えてくれる?」
「勿論です」
 船の左右には、操船を担当する船員達も配置についている。どうせなら彼らの手も借りよう、とディレインが声を掛けて回ると船員達は気さくに頷き返した。そんな彼らの合間に立ったハーヴィは、耳を澄ませて気配を探る。
 操船の物音、船員達の呼びかけ合う声――その向こう、海の波間から不穏な気配が無いかを確かめ続ける中、船は南へと進んでいく。

 異変を真っ先に察知したのは、前方を見つめていたゲルダだった。波間を跳ねるトビウオ魔獣の群れを発見すると、すぐにそれを知らせながら見張り台を降りる。
「OK集まって」
 バリスタシリーズの近くにいた皆へ呼びかけて、ディレインはエーテルの波動を開放する。鬼火のような蒼白い光を全身より立ち登らせた一人であるリューイは、剣を抜いて構えた。
「我が刃にエーテルよ、あれ」
 声と共に剣が纏ったエーテル光が刃と成り、いつでも近付いてきた魔獣を切り裂けるように伸びる。その間にぐんぐん接近してくる群れの只中目掛けて、セロンガードはエーテルを籠めた光の矢を番えた。放たれた矢は炸裂すると、無数の光破片と化しながらトビウオ魔獣達へ突き刺さる。
「出ます!」
 ゲルダはハーヴィにウォーターウォークを付与して貰うと、船から海の上へと飛び降りていく。そのまま魔獣の群れを目指しながら巨大な光塊を天槍『アルクトス』に纏わせ、強く強く振り下ろす!
 途端に爆ぜたエーテルが一気にトビウオ魔獣達を押し潰していく。そこに、泳ぎながら合流するのは、後方には敵影が無い事を確認したトーラだ。
(魔獣が固まっているなら、ちょうど良いですねっ)
 海中で抜いたセルリアンエッジとシアンブレードから伸びた光を振るえば、衝撃の波が強く走る。それに呑まれたトビウオ魔獣達が次々と海中へ沈んでいく。
 攻撃を受けて足を止めるトビウオ魔獣もいれば、なおも船へ接近しようとするトビウオ魔獣もいる。それを見たハーヴィは、迫り来るトビウオ魔獣達の只中へ向かって、不可視の波紋を走らせた。
「一気に行くよ! それっ、どっかーん!」
 爆発的に広がる衝撃波によって、トビウオ魔獣達が切り裂かれていく。セロンガードが更に放った矢がトビウオ魔獣を貫いていく中、反対に迫ってくるトビウオ魔獣達の体当たりがゲルダやトーラを襲う。
「大丈夫かい? すぐに回復するからね」
「ありがとうございますっ」
 ディレインのヒールを浴びながら、ゲルダは『アルクトス』にエーテル光を纏わせ長大な刃と成して構え、同時に不可視のエーテルを張り巡らせる。その範囲外を更に跳ねるトビウオ魔獣の方へ、トーラは向かうと二刀流による超高速三段連撃を繰り出した。
 船員達はトビウオ魔獣の群れを迂回するように船を操るが、その動きは戦闘を避けようとする一部のトビウオ魔獣達とかち合う。それを見たハーヴィは、投網に母蜘蛛糸のロープを結び付けた物を放つ。
「上には登らせないよっ」
 網に絡め取られたトビウオ魔獣は、エーテルの通ったロープに引っ張られて海へ引き戻される。それをすり抜けて船の方へ跳ねるトビウオ魔獣もいたが、
「兵器に手を出させる訳にはいかない!」
 リューイが繰り出す命中を重視した素早い一撃が叩き込まれ、セロンガードからも矢を浴びると、すぐさま船の外へと跳ねて逃げ去っていく。
「怪我は? すぐに手当てするから言って」
 船員達の方へ駆け寄るディレインから、かすり傷程度だけれど一応、と交代で処置を受けながら船員達は船を動かし続ける。前進と旋回によってトビウオ魔獣の群れを越えた船の後部にトーラとゲルダが戻って来ると、ハーヴィは後方めがけて稲妻のような光が無数に荒れ狂う空間を出現させた。
「船を深追いしてくる個体はいないみたいだけど、一応ね」
 こうしておけば近付けないだろうとハーヴィが言う通り、傷付いたトビウオ魔獣達がアーケインストリームの只中へ突っ込んでくる様子は無い。トビウオ魔獣達は反対に、船から離れるように飛び跳ねながら泳いでいく。
「ところでトーラさん、それは……」
「トビウオ魔獣を、ちょっと回収してみました。その……船乗りの人の話で、船に飛び込んで来たトビウオを塩焼きにしたら、美味しかったという話を聞いたことがあるのでっ!」
 厨房に持ち込んで、晩御飯にプラスして貰おうかと、と話すトーラに、なるほどとゲルダは頷き返して。僕にも分けて欲しいなと覗き込むハーヴィに、勿論ですみんなで分けましょう、とトーラは笑みを覗かせる。
「一応、バリスタに破損が無いかも見ておこうか」
「トビウオが近付いたのは、この辺りだ。――割れたりはしていないようだな」
 念の為、覆っている布をずらしてディレインとリューイが確認するが、被害は特に無く。一行は胸を撫で下ろしながらも、再び警戒に戻っていった。

 陽が沈み、夜になると交代で休息を取りながらも航海は続いていく。そんな夜更けにセロンガードが感覚を研ぎ澄ませながら、探知用のエーテルを走らせた時だった。
「何かが、一直線に近付いて来ていますね」
「潜って見てきます。セロンガードさんは皆さんを」
 頷き返したセロンガードが皆を起こして回る中、海中に潜ったトーラは気配を辿るように泳ぐ。暗い海の中で、やがて見えて来たのは鮫――クリーパーの姿だ。
(体当たり、させる訳にはいきませんね!)
 セルリアンエッジとシアンブレードを構え、超高速三段連撃を仕掛けていく。衝撃に仰け反ったクリーパー目掛けて、海上に降り立ったゲルダが、殺気と共にエーテルを叩きつけると、怒りを呼び起こされたクリーパーは唸りながらゲルダへと向かい始める。
「船の上からの攻撃は控えた方が良さそうですね。私にも頼みます」
 セロンガードはハーヴィにウォーターウォークを掛けて貰う。せっかくゲルダが気を引いてくれているのに、敵の意識が船へ向いては元も子も無いだろうと、慎重に位置取りながら矢を放ってクリーパーの動きを牽制していく。
「今のうちに迂回して進める? トビウオの時みたいに」
「やりましょう」
 皆が敵を引き付けている間に進めないかとディレインが船員達を振り返れば、慌ただしく船が動く。その動きを横目で捉えながら再びトーラがトリプルファングを繰り出すと、ダメージに唸ったクリーパーが反撃に出る。ゲルダは神材の盾を構えつつそれを受け止めると、威力を重視したとても鋭い一撃を突き立てた。
 船上から回復が届くギリギリの距離になっていたが、ディレインは身を乗り出しながらゲルダにヒールを届ける。それを受けながら構え直したゲルダの、後ろ側へ回ったセロンガードが再び矢を放つ。
「アーケインを展開するよ!」
 船の側面から後方にかけての位置に駆け付けたハーヴィは、稲光をクリーパーに纏わりつかせて移動を阻害する。このまま、船の速度を生かして振り切ることも視野に入れて、だ。
「一撃入れて、離脱しましょう!」
「了解です。わたしは最後に退きますね」
 クリーパーからの執着が緩んだのを見、呼びかけるトーラにゲルダが頷く。トリプルファングが炸裂すると、大きく呻いたクリーパーに向けて、セロンガードが更に矢を射る。そのダメージに生じた隙を突くように下がるゲルダを、クリーパーは追っては来なかった。
(無事、振り切れそうか)
 兵器や船員達に被害を出すことなく乗り切れそうだと、警戒を続けていたリューイは密かに胸を撫で下ろす。

 こうして、敵との接触を凌ぎながらも船は進み続け――リブラネスタが見えてくる。
「バリスタを無事に下ろすまでがお仕事……だけど、まあ、これで一安心かな」
 ここまで来れば、もう敵との接触も無いだろう。ディレインは港を遠くに見ながら、張りつめていた神経をほんの少しだけ緩めた。
「ここのところゆっくり寝てられないような騒ぎ続きで、おじさんは布団が恋しくて仕方ないよ」
「船の上でも仮眠ばかりだったからなあ」
 ぼやくように口にするディレインの言葉に、今夜は久々に寝慣れた枕と布団で眠れそうだなとリューイが応えれば、授恵者だけでなく船員達も一緒になって笑みを覗かせる。
 リブラネスタの危機そのものが去った訳ではない。だが、明るい兆しは確かに、見え始めていた。

マスターコメント

 この度はリプレイの公開が予定よりも大幅に遅れてしまい、大変申し訳ありません。  ご参加、ありがとうございました。
ショートシナリオ

ショートシナリオ普通 報酬:標準6 / 4〜6人

2023年08月19日 18時48分42秒 公開

大成功

相談掲示板

  1. トーラ

    シーフのトーラです。 よろしくお願いします! 今回は船と積み荷である対邪竜武器の護衛ですね。 まだ成立はしていませんけれど、前衛が多ければ杖を持って魔法で、少なければ近接攻撃が出来るようにしようと思います。 後は捜波での策敵でしょうか。

  2. ハーヴィ

    キャスターのハーヴィだよ、よろしくね。 大切なお役目だね。一緒に頑張ろう! 僕は範囲魔法で攻撃していくつもり。 海上戦だし、ウォーターウォークを持って行こうと思ってるよ。 後はアーケインストリームで船後方を囲って、後を追っかけてくる敵の数を減らせないかな?って思ったり。

  3. リューイ=ヴァレンゴルト

    ウォーリアのリューイだ。 ウォーリアとして、運搬する武器の防衛に専念するつもりだ。 よろしく。

  4. ディレイン・オールドケイジ

    ヒーラーのディレイン・オールドケイジ、よろしく。 基本的にはバフと回復なんだけど、船の上にいるか海に降りるか、ちょっと悩み中。

  5. ゲルダ・クライン

    ウォーリアのゲルダです。よろしくお願いしますね。 基本は近接武器での迎撃に回ろうかなと思います。 ハーヴィ様にウォーターウォークをいただけるのであれば、鮫のクリーパーをシーザーロアで惹き付けて水中からの船への攻撃を抑えられるかなと。 わたしも攻撃はしますが、シーザーロアが切れる前に倒したほうがいいと思いますので 遠距離からも攻撃をしていただけると大変助かりますっ

  6. トーラ

    満員ですね! 改めてよろしくお願いします! 後衛は十分な様なので前衛に出ますね。 ハーヴィさんにウォーターウォークを使って貰えるなら海面から攻撃したり、場合によっては海に潜って真下からの攻撃を阻止しようと思います。

  7. ディレイン・オールドケイジ

    おじさんは船の上にいることにしたよ。 船員の護衛を兼ねて、飛んでくるトビウオを叩き落として回るつもり。 もちろん回復もするけど、海の上までは届かないかもしれないな…

  8. トーラ

    では、ヒールの届く距離をキープして船からあまり離れないようにしますね。 離れた敵は船の上からの遠距離攻撃で数を減らして貰えたら。 攻撃はトリプルファングと衝撃波で、防御は見切りしかないので傷を受けたらヒールを頼りにさせて頂きます!

  9. トーラ

    あ。それと調べたら海面から水中への近接攻撃は届かせるのが難しい(深度が違うので射程がマイナスされる)ので、わたしは最初から水中に入りますね。 なのでウォーターウォークは貰わなくて大丈夫です!

  10. ハーヴィ

    ウォーターウォーク了解! ゲルダさんや必要な人に付与する、ってことにしとくから、他にも欲しい人がいたらウォーターウォーク貰う旨を一言書いて貰えると間違いなく付与できると思うよ。 遠方からの攻撃は任せて! 頑張ろうね!

  11. ゲルダ・クライン

    ウォーターウォーク、ありがとうございますっ では、鮫クリーパーは水上に出てシーザーロアで惹き付ける、という形にしますね。 船上からの攻撃も必要ですし、こちらも船からはあまり離れないように気を付けますっ

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0