【樹謂】光輝く聖なる石
七海真砂
コメント 9
シナリオID:2261
オープニング
それは、創造神によって生み出された大地の守護者である。
かつて英雄ジド・ルウと小さき神々が塞ごうとした、アストラル界との境界の『穴』。今もなお残り続けるその穴を、己の身をもって塞ぎ、アストラル界から迫るクリーパーの侵攻を防ぎ続けている――。
フィルエス大森林に住まうエルフ、その中でも『源流の5氏族』の長にだけ密かに伝えられてきた世界樹の真実が明かされた時、『灰火の守部』グレイオンスはこうも語った。
フィルエス大森林で起きている異変は、大地の守護者である世界樹の力が弱まっているのが原因ではないか、と。
「伝承によれば、かつて大型級クリーパー『混沌の残滓たる大腐樹』を討伐した折には、世界樹の力の源となる『核』に、『光輝く聖なる石』をくべることで力とし、『混沌の残滓たる大腐樹』の討伐を成したそうですの。……この『光輝く聖なる石』か、それに代わるような何かがあれば、世界樹は力を取り戻せるかもしれませんわ」
源流の5氏族のひとつ、湖水の巫女であるエルフ・ニルヴァーナが口にした言葉を、レイウェスト・バルダスは噛み締めていた。
(伝説の英雄ジド・ルウと世界樹、世界樹と光輝く聖なる石……ジド・ルウと、光輝く聖なる石)
それは、冬に巻き起こった帝国東部での『聖地』にまつわる騒乱の際に明らかとなった、あの『エーテル石』のことでは無いだろうか?
(確か、ケンタウロスはジド・ルウとの盟約があると語っていたらしいと、そう報告を受けている)
だとしたら、エーテル石は世界樹が力を取り戻す一助となるかもしれない。
(父上が何を考えているのかは解らないが、軍勢が目指す先には世界樹があるという。まさかとは思う、思いたいが……)
シグモル火山帯で、父たるヨゼフ・バルダスが行った狼藉が頭をよぎる。
「……世界樹が力を失っている状況は、好ましくないと思う」
ヨゼフの侵攻に備える為にも、それが必要に違いないと、レイウェストは決断した。
「そなた達の言う『光輝く聖なる石』に心当たりがある。到着したばかりではあるが、これより帝国へ引き返し、その『光輝く聖なる石』を持参しようと思う」
「本当ですか! 皇子、詳しいお話をお伺いしてもよろしいでしょうか?」
頷き返し、詳細を説明したレイウェストの言葉に、ニルヴァーナは感服した表情で「でしたら、わたくしも共に、その『聖地』へ参ります」と申し出た。
「亜人相手とはいえ、ケンタウロスとの交渉が必要となるのであれば、エルフの代表も必要でしょう。帝国として呑めぬ条件を掲示された際に、わたくし達なら呑めるという場面もあるやもしれません」
「なるほど、そうだな」
レイウェストが頷き返すのと見ると、ニルヴァーナは氏族の長達からも自分が代表となる旨の承諾を取り付ける。
長達は今回の大事件を前に、大森林を離れる訳にはいかない。源流の5氏族のひとつ、アエリゼルの巫女として長に近い場所にいるニルヴァーナはその代理として、十分に適任であると認められた形だった。
「交渉にあたっては、冒険者にも同席して貰えたらと思う。聖地やケンタウロスに関わりのある者、事情に詳しい者、交渉事を得意とする者など、正直なところ私よりも適格な者がいることだと思う。ぜひ力になって欲しい」
●神石と守護者
エーテル石を譲渡願いたいという申し出は、先触れの兵を通してケンタウロス達へ伝えられたものの、ケンタウロス達は難色を示していた。
「エーテル石の守護者を名乗る部族が、会談には応じるとのことでしたが、あの様子ですと……」
「なるほど、わかった」
帝国領へと引き返したレイウェストと一行は、そのような兵士達からの報告を受け取っていた。
「……帝国は以前、『聖地』を無条件でケンタウロスに返還すると約束した立場だ。そこに新たな条件を付ける事は難しい。何らかの方法で、新たにエーテル石を譲り受けなければなるまい。が……」
「その条件や方法が難問、というわけですわね」
ニルヴァーナの言葉にレイウェストは頷き返す。
聖地の無条件返還ですら、帝国側が譲歩した形となっている。これ以上の、ケンタウロス側が優位となるような交渉は、帝国の立場としては難しい。
エルフ側はケンタウロスとのしがらみが無い分、可能なことは多い、かもしれない。だがしかし、それによってケンタウロスが勢力を増すようなことがあれば、それは帝国を脅かすことに繋がるかもしれない。ニルヴァーナとしても、そうした条件の掲示は難しいだろう。
この状況下で、どのような交渉をすべきであろうか……。
『神石はジド・ルウから託されし秘宝。メドゥの左腕には略奪を許してしまったが、かのような事が二度と起こらぬよう、我らは厳重に神石を護らねばならない』
そう語り合い、誓い合った一部のケンタウロス達は今、聖地を巡回し、外敵に備える暮らしをしていた。
そんなケンタウロス達の頭領は、名をルカンドラといった。男のケンタウロスで、ジド・ルウを敬い、鍛錬を欠かさぬ暮らしをしていた、屈強なケンタウロスである。
『人間が神石を寄越せと言っているだと?』
『はい。我々と詳しく話をしたいと言っているそうで』
仲間のケンタウロスから、報告を聞いたルカンドラは苦々しい顔をする。
『メドゥの左腕から聖地を奪還してくれたことは感謝している。だから話は聞こう。しかし……』
また同じように奪うつもりであれば、断じて許すことはできない。
ケンタウロスがジド・ルウから託された大切な秘宝だ。どのような理由があり、人間が神石を求めているのかは知らないが、そう易々とくれてやる訳にはいかない。
――今度こそ!
『気を引き締めよ』
ルカンドラの号令に、ピリピリとした空気が走った。
解説
マスターより
リプレイ
(これは、酷い有様だな)
メドゥの左腕がエーテル石を略奪する為に、この場所で無法を働いたことは知っている。
ただし、あくまでもそれは報告の上でのことに過ぎなかった。
その爪痕は数カ月を経た今もなお、ハッキリと理解できる形で残っている。当時どれほど一体この地が蹂躙されたのか……直接目にし、その上で想像したからこそ、レイウェストは目を顰めたのだ。
「同じ人類が相手だからと撥ね付けられてしまいそうなものですのに、こうして話を聞いて頂けるのは、帝国と冒険者の皆様が為した事のおかげですわね……」
同じように無残な光景を目にしたニルヴァーナが、眉を寄せて息を吐き出している。
これまでに積み重なってきた結果を、更に生かして成果に結びつけなくてはならない。その覚悟と、緊張感から、レイウェストの表情は真剣そのものだった。
一行が促されて辿り着いたのは、広場として整えられた一角のようだ。既に待ち構えていたケンタウロス達と人間側、どちらも武装した状態で向かい合った両者の間に、ピリッとした緊張感が走る……が。
「ま、とりあえず」
沈黙を破って動いたのはサイラスだった。取り出したのは武器でも何でもなく、ただ茶色い液体がなみなみと注がれた器――チョコレートファウンテンである。
『な、なんだ?』
『飲み物、か?』
困惑するケンタウロス達を余所に、果物やお菓子が並べられていく。
「これを、こう付けて食べる訳だ。美味いぞ」
「元はこういうお菓子なんですよ」
実演して見せるサイラスに続き、ユークリア・フィナンシェが開いたチョコレートの詰め合わせから一粒取って、さりげなく口へ運ぶ。
「……人間は、これを親睦を深めたい相手と一緒に食べますのよ」
にこりと微笑みながらニルヴァーナが紡いだ言葉によって、この場におけるチョコレートは友好の証だと位置付けられた。
『なるほど、食べ物か』
『どうする?』
『客人の好意を無下にするものでもあるまい。食べるとしよう』
真面目な顔で果物やお菓子に手を伸ばし始めるケンタウロス達。反応は悪く無さそうだと見たサイラスが追加の果物を剥いていく。少し緩んだその空気の中で、最初に口を開いたのはナタリア・フィッツジェラルドだった。
「メドゥの左腕の被害からの復興はどうだ?」
『少しずつだが進んでいる。こうした広場もその一つだな』
何か困っている事は無いかと尋ねるように語り掛けたナタリアだったが、弱みを見せまいとしたのか、そうした部分には触れない返事が戻って来る。
「……君達の無念を晴らすために、私達が出来る事はあるだろうか」
ならば、とナタリアは更にもう一歩踏み込んでみせる。ケンタウロス達の視線が、ある一体のケンタウロスへと集まり、そのケンタウロスが口を開いた。
『いや、既に結ばれた協定で十分だ。得られた物資には感謝している』
食糧や医療物資はケンタウロス達が体制を立て直すのに役立ったらしく、感謝の言葉が出たものの、ケンタウロス達はそれ以上を求めようとはしなかった。
ナタリアとしては、特に医療面が気に掛かっていたのだが、あれから数カ月を経ている事もあり、尽くせる手は既に十分に尽くしたとの考えが彼らにはあるようだった。
もちろん、彼らが十分だ、大丈夫だと答えるのは、その代償がエーテル石になる、ということを理解しているからでもあるのだろうが……。
ともあれ、チョコレートを囲みながら会談は始まった。先程、代表として受け答えしたケンタウロスはルカンドラと名乗り、人間側もレイウェストが代表して挨拶をすると、ベルク・オスマットが本題に入る。
「単刀直入にこちらの事情も込みでお話しさせていただきたい。すべてはあなた方の古き友、ジド・ルウの為しえたことを無に帰さぬためにも」
『ジド・ルウだと?』
どういう事だろうかとザワつくケンタウロス達に向かって、サイラスが地図を広げ、ベルクはその中のフィルエス大森林――世界樹の方を見ながら続ける。
「我々の間では、このように伝えられている。かつてジド・ルウは自らに宿るエーテルをもって、マテリアル界とアストラル界の境界を修復した、と」
「しかし、アストラル界との境界には穴が残り続けています。クリーパーが現れるこの穴を塞ぐ役割を続けているのが、ここにある世界樹です」
ユークリアが更に、世界樹の真実について語るのに合わせて、サイラスは世界樹の絵を出す。イメージ図を添えながらの説明に、ケンタウロス達は頷いたり、驚くような顔をしたりと、思い思いの反応を見せている。
「その世界樹に異変が起きている。このままでは、ジド・ルウと小さき神々が塞ごうとした境界の穴が開いてしまうかもしれない」
それを防ぐ為にエーテル石が必要なのではないかと考え、今回このように聖地を訪れたのだと、バーネット・フォーサイスが一度説明を締めくくる。
(これまでの交渉で、多少なりとも信用を得られているなら、検討はして貰えるはずだ)
まして彼らが節々に言及していたジド・ルウ絡みの案件である。心情的にも耳を傾けたくなるはずだ――そう考えたバーネット達の狙いは当たり、ケンタウロス達は冒険者達の説明にじっくりと聞き入っていた。
「ルカンドラさん達の間で、そのような伝承は残っていませんか?」
かつて大型級クリーパー『混沌の残滓たる大腐樹』とその眷属に世界樹が寄生された時、『光輝く聖なる石』を捧げたことがあるのだとトーラは説明する。同様の伝承があれば、『光輝く聖なる石』がエーテル石の可能性は高いだろう。
が、
『いや、少なくとも俺は知らぬ』
首を振ったルカンドラはケンタウロスの皆を見るが、居合わせた他のケンタウロスもそうした話は知らないらしい。
『だが、この聖地はかつて、ジド・ルウがその身を境界と化す前にエーテルを磨く修行をした場所であり、神石はその修行に用いられたとは言い伝えられている。……その境界を、今も塞ぎ続けている世界樹、か……』
関連があるかもしれないと、一行が考えた理由については伝わったのだろう。ルカンドラは考え込むような仕草を見せる。
それは、冒険者が語った内容が真実なのかどうか、ケンタウロス側に知る術がない以上、判断に悩んでいるという意味合いもあるのだろう。
証拠などを用意できる訳ではないから、内容が真実だと保証する事は難しい。だからこそ、せめて、とロイ・アウレアは真摯に語り掛ける。
「ジド・ルウが秘宝として神石を託したのは、それは自分が居なくなった後にまた危機が起きたら、これを使い世界を守って欲しいと、そう考えたからじゃないかと、思うんだ」
ケンタウロスとジド・ルウの間で交わされた盟約は、その為にあったのではないだろうか、とロイは主張する。
「ジド・ルウがその身と代え守ったものを、俺達も守りたい」
「対価としてわたしたちが用意できるものは少ないですけど、出来る限りの事はします。魔獣退治などなら今すぐにでも手伝えますので!」
『う、うむ。そうした手が足りぬ際に助けが得られるのは良いのだが……』
身を乗り出したトーラの勢いに押された様子で答えながらも、ルカンドラは沈黙する。そうした交渉であれば、と、更に掲示したのはシルヴィア・A・カペルだった。
「世界樹がもしここで斃れて、境界の穴が開いたら本末転倒な事態になってしまうかもしれない。世界樹の元で暮らすエルフの部族はそう考えている。そこで……」
「はい。わたくし達としましては、世界樹を救う手立てとなり得る可能性のある神石と、それをお持ちのケンタウロスの皆様に是非お力を貸して頂きたいのですわ。わたくし達の危機を救って頂くのですから、皆様方に危機があれば、お助けするのは当然の事。今後聖地に何かがおありの際には、出来る限りの支援をいたしますわ」
地図を使って、帝国よりも更に離れた世界樹の元で暮らすエルフの部族がいることをシルヴィアが説明しつつ、代表としてニルヴァーナが申し出る。
ロスガリア大陸の西部にあるフィルエス大森林と、大陸東部に近い聖地での間の約束だ。帝国との協定と違い、防衛のために駆け付けると言っても限度があるだろう。実際には冒険者を派遣したり、物資を提供するような間接的な形での支援になるかもしれないが、そういった意味合いも含めて、ニルヴァーナは『できる限りの支援』という表現を用いていた。
「エルフってのは言ってみれば、世界樹を祀り暮らしている部族だ。ジド・ルウを敬いながら暮らすアンタ達のこともよく理解できるし、尊重できる関係になれると思うんだ」
森の外の生まれではあるが、同じエルフとしてエリザ・A・ミシャールも説得に動く。
「アタシらは聖地が欲しいわけじゃない。エーテル石も、世界樹にくべた後で残るようなら持ち帰って貰って構わないんだ。エーテル石はアンタらのもの。それを侵そうとする意図は無いよ」
ケンタウロスから何かを奪ったり、取り上げるつもりでは無いのだという事をエリザは強調する。その言葉に『ふむ』と頷いたルカンドラは、探るような視線を一行に向けた。
『申し出は有難い。が……』
たった今、存在を知ったばかりのエルフの部族。彼らの人柄と、その口が約束する未来の話を、どこまで信じられるか――。
問題はやはり、その点にあるのだろう。耳ざわりの良い内容だとしても、それが果たして、どれだけ守られるのか。ケンタウロス達には、絵空事なのではないかという危惧が拭いきれないに違いない。
「懸念は解ります。ジド・ルウから託された唯一無二の秘宝が騙し取られるかもしれない、メドゥの左腕のような悪人に利用されるかもしれない、と――」
セロンガード・シュタインドルフが静かに頷く。ケンタウロス達は沈黙しているが、それこそが彼らの答えであるかのようにセロンガードには思われた。
「であれば、こうするのはどうでしょう。エーテル石を我々に預けるのではなく、代表の方にエーテル石を持参の上、世界樹の元までお越し頂く。現場をその目で見て、事情をその耳で聞いて、それから協力するかどうかを決めて貰う、というのは?」
ケンタウロス達の同行については、一行の半数が具申していた内容でもある。通訳がそれを伝えると、ケンタウロス達はザワついた。
「……そう言って連れ出して神石を奪い取るつもりじゃないだろうか、とか、世界樹は安全な場所なのか、とか……色々と心配事が噴出しているように見えますわね」
「そうか……」
ケンタウロス側の通訳は詳細を訳さなかったが、ニルヴァーナの囁く言葉にレイウェストは小さく頷き返す。
(大森林は今、父上の侵攻によって危険な状況にある……彼らの危惧は正しい)
ケンタウロスが同行するなら、間違いなく護衛が必要となる。新たに帝国軍を動かすか、冒険者に依頼するか……しかしそれだけでは事態は解決しない。本当の意味で彼らが案じているのは、レイウェスト達が信用できるかという一点であるからだ。
レイウェストの脳裏によぎったのは、聖地への移動中にミィアと交わした会話だった。
「たとえば、の話ですけれど『帝国の兵士さんの命が必要です。対価はどれくらいがいいですか?』と聞かれて答えられるでしょうか?」
「……対価などというもので贖えるものでは無いな」
「まあ、そうですよね。これが『世界を脅かす超大型クリーパーが出現しそうです、食い止めるために戦っていただきたい』でしたら話は変わると思います。つまり『世界樹の意義』をケンタウロスの人々に伝えられるような交流が必要だと思います」
(その為に、多くの冒険者が言葉を重ねたが、我々とケンタウロスの間には、やはり隔たりがある)
人間とケンタウロスは、これまで多くの血が流れ合った間柄でもある。歩み寄ろうとする者がいる一方で、警戒するケンタウロスがいるのも当然である。少なくとも、互いに互いの言葉を盲信できるような関係では無い。
(なら、どうすべきか――命の対価を差し出すべきでは無いだろうか?)
帝国の兵士……言い換えればケンタウロスの戦士の、代表者の対価とは、何だろうか。
――レイウェストの中で、答えは導かれた。
「ルカンドラ殿。そなたらの代表がエーテル石を携えて世界樹を訪れる間、私がこの聖地に残るというのはいかがでしょうか」
それは、ケンタウロスの代表が無事に戻らなければ、レイウェストも無事では済まないことを意味する。
レイウェストは、自らの命をその天秤にかけることにしたのだ。
(そ、それって人質ってことじゃないですかレイウェストさまーっ!?)
驚いたのはトーラだけではない。臣下であるベルクも、帝国の民であるユークリアやナタリア、セロンガードも、王国の貴族であるシルヴィアも、エルフのニルヴァーナ、ロイ、エリザも……同席していた誰もが目を見張る。
その間に、ケンタウロスの通訳によってレイウェストの言葉が伝えられると、彼らは一斉に目を見合わせた。帝国の代表であるレイウェストが聖地に残るという言葉の意味は、彼らにもしっかりと伝わったようだ。
『なるほどな。帝国の代表であるアンタがここに残るって言うなら、その世界樹とやらには俺が行こう』
『頭領!』
『お前らは俺が帰るまで、レイウェスト殿を丁重にもてなしとけ。ただし、もし俺が帰らなかったら……その時は、首を叩き折ってバルディオン将軍に届けてやりな』
ケンタウロスの通訳は彼らの会話を訳さなかったが、ルカンドラの剣呑な口ぶりと眼差しから、何を喋っているかは容易に予想がついた。
「殿下、それなら……」
「供はいらない。ここに残るのは私一人で十分だ。――彼と、世界樹の事を頼む」
案じたベルクが奏上しようとするのを遮って、レイウェストは首を振る。
今はとにかく、世界樹の危機を救うことが重要だ。父であるヨゼフ・バルダスの軍勢も世界樹に迫っている今、自分の身柄がどこにあるかよりも、エーテル石が無事、世界樹の元へ届けられることの方が重要だと、レイウェストは考えているのだろう。
「…………御意」
ぐっと言葉を飲み込み、ベルクは頭を垂れる。
かくして、交渉は終了し――聖地に残るレイウェストと入れ替わる形で、同行することになったルカンドラを連れ、一行は世界樹への道を急いだ。
マスターコメント
イベントシナリオ難しい 報酬:多い11 / 4〜25人
2022年07月01日 07時30分07秒 公開
参加者
相談掲示板
シーフのトーラです。 世界樹のためエーテル石の入手ですね! 話し合いで譲っていただくのがいいと思うんですけど、ケンタウロスと面識のある方が居れば交渉もやりやすいでしょうか? あとはどんな方法で譲って貰うかですね。 ちょっと考えたんですけど、魔獣など外敵がいるならその討伐を申し出たり、メドゥの指先によって荒らされた集落の復旧を手伝ったりしてその対価に石を貰えないか交渉してみるのはどうでしょうか?
ヒーラーのナタリア・フィッツジェラルドだ。宜しく。 この局面ではトーラの言うように話し合い、ひいては交渉が肝といえようか。 私からは指先と交戦した際の敵の情報や特徴、ならびにケンタウロス側の損害状況・台所事情を聞いておきたい。 戦死者や傷痍軍人(?)の中に、戦闘に耐え得るだけの有望な若者が特に多いとなれば、当然襲撃時の防衛策や損害箇所の復興という力仕事の難易度にも響く。 そういう意味ではケンタウロス側のインフラ、生活状況も聞いておくべきか。 別の報告官における交渉事の二番煎じになるが、お互いに利用し合う事、ギブアンドテイクという風だな。
バーネット・フォーサイスだ。 まぁ、よろしく頼むわ。 ひとまず、こっちの事情もある程度正直に話した方が良いとは思う。 利用目的不明じゃあ、こちらを信用しにくいだろうし。 「ジド・ルウと小さき神々が塞ごうとした境界の『穴』が、再び開かれる事を防ぐため」 という感じで説得したら、多少は心情的にも抵抗感は薄れるか? それはそれとして、提供してもらうんだから見返り自体は必要だな。 ただまぁ、交渉材料自体はOPでも言及されている様に、ケンタウロス達に譲歩しすぎたり 旨味が有り過ぎる案は控えた方が良いだろうから、 その辺の匙加減をレイウェストとニルヴァーナに確認しながら調整する形になりそうだ。
ユークリアです、宜しくお願いします! オープニング冒頭に書いてあるような正当な歴史的理由とかからしかお話できないのうきんです。 正攻法でいきます…! 本当は対価とかちゃんと考えた方がいいんですが、さりげなく美味しい物置くくらいしか今のところしようとしていません。
ベルクだ、よろしく頼む。 人馬族とジド・ルウとの繋がりは以前から出ているのでその線からエーテル石の必要性を説いていこうと思う。 ジド・ルウの偉業が無に帰そうとしているなれば協力を得られるかもしれんし。
エリザだ。よろしく。 >世界樹の力の源となる『核』に、『光輝く聖なる石』をくべる これは一方通行の拠出になるんだろうか? 付けはずしできるようなものなら交渉のやり方も少し変わってきそうなもんだが。 とりあえず過去の報告書でも読んでくるかね……
No.7
サイラスだ、よろしくなー とりあえず英雄の行った事を無に返さない為にもといい、復旧とかやって対価にして、雌側中心にチョコ撒いて賄賂にするくらいかねぇ?
ロイ・アウレアです。ヨロシク。 同じく正攻法しか思いついてないので、誠実に相談させて貰うよ。
ギリギリの参加で申し訳ない。 シルヴィアだ。今回はよろしくね。 誰の不利益にもならないよう気をつけつつ、私も誠実に交渉させて貰おう。