おぜうsummer
革酎
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シナリオID:2149
オープニング
リーンエス王国メルゲンガー伯爵領都アジェルマハーでは、幾つもの富商がそれぞれの屋号を構えている。
ウーゴ商会もそれら富商のうちのひとつであり、アジェルマハーから東方へ連なる村や集落等に商圏を持つとされている。
そのウーゴ商会が隊商ルートとして用いている馬車道の近くに、野盗団が出没する様になったとの報告が舞い込んできた。
既にウーゴ商会傘下の隊商が数度に亘って襲撃を受けており、その都度、少なくない損害を被っている。
ウーゴ商会の若き会頭アヌ・ウーゴは、自らが抱える傭兵団を率いて野盗団征伐を計画した。
そろそろ初夏の陽気を感じ始めたある朝、ウーゴ邸の庭先に大勢の傭兵団が武装に身を固めて整列している。彼らの前に立つのは会頭アヌ・ウーゴだ。もともとウーゴ商会は武闘派商会として知られており、野盗団の如きバルバロイは、自分達の手で蹴散らしてみせるという変な戦闘意欲にまみれた集団でもあった。
「お兄様、お待ちを!」
いよいよ野盗団征伐に出発しようかというその時、邸内から着慣れない革鎧を身に纏い、古ぼけた長剣を腰から吊るしたひとりの娘が飛び出してきた。
アヌ会頭の妹であり、ウーゴ家唯一の授恵者テフィアナ・ウーゴが、自分も野盗団征伐に加えろと、昨晩から煩く申し入れていたのである。
しかしアヌ会頭やテフィアナの許嫁チャド・ベルガ青年は、女性には無理だと口を酸っぱくして、何度も何度もたしなめていた。
そうはいっても、ウーゴ家ではただひとりの授恵者がテフィアナなのである。本人にしてみれば、自分がこの中で一番強いという変な自負心ががっちりと根を下ろしていた。
「お兄様、わたくしが居ればゴミにカナブンですわ!」
「そぉれをいうならぁ、鬼にぃ金棒ぅだぁ。第一テフィアナァ、お前はまぁぁぁだ嫁入り前ッだぁろう。年頃の娘がぁ、そんんんんんんなはしたない真似をしようとぉ思うんじゃなぁい。さぁ~、さっっっっっさとぉ家ん中にぃ戻ってぇぇぇぇろぉ」
アヌ会頭はテフィアナの主張になど全く耳を貸さない。許嫁チャド青年も、危ないからお屋敷で待っててねと優しく笑うばかりである。
結局、野盗団征伐隊はテフィアナを置いて出発してしまった。
テフィアナは、女だからという理由だけで征伐隊から除外されたことに怒りが収まらず、ふんすふんすと鼻息を荒げながらアジェルマハーの冒険者ギルド支部へと駆け込んだ。
「お冒険者の皆様方を、お雇いしとう御座いますわ! わたくしとお冒険者の皆様とで早々に野盗団をぶちのめし差し上げて、お兄様のお鼻を明かしてやりとう存じます!」
「あ、はぁ……然様でございますか」
受付嬢ティマニ・エレザンは見るからにドン引きだったが、これも仕事である。テフィアナの為に野盗団征伐に協力してくれる冒険者の募集告知票を、その場でささっと適当に書き上げた。
●いや、あー、それね、あー、うん、いや、まぁー、困ったね、困っちゃったかな
一方、こちらは野盗団のアジトたる、どこかの洞窟内。
黒髪をぴっちり綺麗に切りそろえた美しいボブカットとは対照的に、凡人の1.3倍ぐらい顔がデカい中年男の口髭野郎が、部下のひとりから、ウーゴ商会の傭兵団が近づきつつあるとの報告を受けた。
「あぁー、そのぉ傭兵団ね。んんんんんん~、前からね、そう、前からね、そのうち攻めてくんじゃないかなぁーって、んんん~、そんな気はね、まぁ、してたのよ。まぁそのぅ、所謂アレだね。討伐隊ってやつね」
「いや、だからお頭、さっきからそういってんじゃないですか」
野盗団の首領ジリオン・サ・トゥの早口なんだかのんびりしてるんだかよく分からない応答口調に、部下の野盗は見るからにイラっときていた。
ジリオンは授恵者であり、戦闘力も強襲戦術もそれなりに確かなのだが、何故か喋り方とか日頃の態度とか顔つきとかが妙にひとをイラつかせることが多い。よくこれで首領なんぞが務まっているものだなと、世のひとびとは不思議に思うかも知れない。
「そりゃまぁね、来たいってんなら来ても良いけどね、良いけどね、うんんんんんんんん、まぁ、そうね。どこでチョメチョメやっちゃおうとかね、こっちもね、そりゃあやっぱりね、色々とね、考えないとね」
「……いや、もう分かりやした。取り敢えず迎撃地点と人選だけお願いしやす。後は俺達でやっとくんで」
部下の野盗はこれ以上話してるとイライラが絶頂を迎えそうだと考え、そこで話を打ち切ることにした。
それでもジリオンは迎撃戦力の配置や反撃タイミング等については、極めて的確な内容で指示を出した。こういう優秀な部分があるから、野盗達も大人しく従っているのかも知れない。
かくして、野盗団vsウーゴ商会傭兵団+テフィアナお嬢様雇用冒険者隊の激突が――いや、恐らく激突といって良いぐらいの激しい戦いになるとは思われるのだが――幕を開けようとしていた。
解説
マスターより
リプレイ
ひと言でいうと、弱かった。
野盗団のアジトである洞窟内で、女ばかりの冒険者達は徹底的に叩きのめされ、呻き声を上げながら悶えている盗賊共を半ば呆れる様な想いで眺めていた。
今回の依頼内容は盗賊団を誰よりも早く討伐するというものであったが、こんなにあっさり終わるとは、依頼を受けた冒険者達は誰も予想していなかった。
ただひとり、依頼主たるテフィアナ・ウーゴだけは興奮した口ぶりで何やら勝利の言葉を早口にまくし立てている。
「あぁはいはい、分かった分かった」
相棒の栗鼠ラトを肩に乗せ、頭蓋面の奥でいささかうんざりした表情を浮かべつつ、ルチル・プルメリア・グレイハーツはテフィアナからの賛辞を適当に受け流していた。
(盗賊団の討伐と思って受けたらアレだな……面倒なことになりそうだ)
依頼そのものよりも、後の人間関係的ケアの方が何かと揉めそうだと直感したルチル。ここは余り深く関わらない方が吉だと、情報屋としての経験が声高に警鐘を鳴らしていた。
今からおよそ、小一時間程前。
メルゲンガー伯爵領都アジェルマハーを全員が騎乗で出発した冒険者は全部で八名。いずれも女性ばかりであった。
「テフィアナさん、この盾を」
鞍上に跨る直前に、イヴェール・イリュジオンはテフィアナに初心者用の盾を手渡した。その有用性を手早く説明すると、テフィアナは随分と感激した様子を見せた。その反応からドが付く程の戦闘初心者ぶりが伺え、本当に大丈夫なのかと内心で不安を募らせたイヴェール。
(私がテフィアナさんを守らなければ)
相手が何者であろうと、依頼者である以上は絶対に守り抜くと決めたイヴェール。光源として準備したランタンをベルトに吊り下げてから、自前で連れてきた馬の背に跨った。
(女性を理由に侮られるのは確かにイラっとしますけど……)
野盗団討伐に臨むに当たり、やけに大はしゃぎして浮かれているテフィアナを見ていると、これは侮られているというよりも、ウザがられているのではと思ってしまった。
「野盗さん退治、頑張ります! テフィアナ様のお力、お兄様に見せつけちゃいましょうね!」
「勿論ですわ! お冒険者の皆様方と、このわたくしテフィアナのマーヴェラスでファビュラスなお剣技のお作法で、お兄様とチャド様をゲフンゲフンいわせて差し上げますことよ!」
既に騎乗しているゲルダ・クラインの元気な声を受けて、テフィアナはますます調子に乗って強気な発言を吐いてみせたものの、一部表現に誤りがあることは当人も気づいていない。
まだこの時点では、ゲルダはテフィアナ個人の問題点に対しては余り気にする素振りを見せていなかったが、リサ・ベイカーとヴィルヘルミナは思わず顔を見合わせた。
「レティシア先輩が受けるというからついてきましたけど……何となく面倒臭いニオイがしますね」
「依頼自体は普通ですが、動機が当てつけ気味なのがなんともはや……」
それぞれが抱いた妙な危機感を、小声で囁き合うリサとヴィルヘルミナ。
ふたり共、テフィアナの気持ちも分からなくはなかったが、後々非常に面倒な事態に巻き込まれそうな気配をビンビンに感じていた。
多分、ゲルダも後になってヤバい依頼主だったかと後悔するのではないだろうか。
●突入
野盗団のアジトと思われる洞窟には、案外あっさりと到着した。
道中、待ち伏せや罠、伏兵等を警戒していた冒険者達だが、彼女達が馬の脚の速さを利用して迂回路を取ったことと、敵がテフィアナの兄であるアヌ・ウーゴ会頭率いる傭兵団のみを警戒していたのか、そちらにばかり防衛網を張り巡らせていたらしきことが幸いした。
「傭兵団の皆様は相当、苦戦してらっしゃる様ですね」
黒汗馬を走らせ、傭兵団の移動ルートを覗いてきたレティシア・レインフィール。手にした地図には、テフィアナから聞き出したアヌ会頭達の進行予定路が朱書きで記されていた。
「んじゃ、今のうちにさっさと終わらせてしまおうか」
深い森の中で突然現れた岩山。その麓にぽっかりと口を開けている洞窟前で地上に降り立ったローザリカ・L・ディオールは、手早くランタンに灯を入れて腰に吊るし、テフィアナの下馬を手伝ってやった。
「では、私が先頭に立ちますね」
愛馬きんにくの手綱を近くの茂みに繋いでから、壁エルフのお姉さんコルネリウス・アーラが一歩早く洞窟内へと踏み込んでゆく。敵の実力が不明である為、まずは囲まれないことを念頭に置いて、温度の変化をじっくり観察しながら歩を進める。その足元を、ルチルの相棒ラトが素早く駆け抜けていった。
ある程度踏み入ったところで、今度はゲルダが先頭に立った。斥候役として更に奥の状況を確認し、罠の有無を調べる。
ラトを連絡係として同伴することで、常にルチルの視界内で動くゲルダ。幸い罠や巡回の類と遭遇することも無く、野盗団が集まって寛いでいる最奥の広間まで接近した。
傭兵団の対処に向かっている野盗は20名程で、残りの10人ちょっとがこの洞窟内に残っている様だ。リーダー格らしき男が広間の左手で、お手製の簡易藁ベッド上で寝そべっている。油断の塊の様な男であった。取り敢えず髪型が変なのと、顔が妙にデカいのが印象的だ。
敵が一カ所に集まっていることが確認出来たところで、レティシアが仲間達を自身の周囲に呼び集める。それからややあって、冒険者達とテフィアナの体が淡い蒼光に包まれた。
「さぁ、それでは参りましょう」
レティシアの号令を受けて、ヴィルヘルミナが閃光塗弾を広間に放り込んだ。一気に阿鼻叫喚の様相。その直後に、冒険者達とテフィアナが一斉に広間へと雪崩れ込んだ。
「開幕は僕に任せて貰おうかな」
踏み込んだ直後、ローザリカの火棘槍が炸裂した。慌てて臨戦態勢に入ろうとしていた野盗共は一斉に薙ぎ倒され、防御姿勢もままならない。
ここでテフィアナがやぁやぁ我こそはと名乗りを上げているのだが、何故か敵の首領も呼応して、
「あぁここで名乗りね。うん、良いですよ良いですよ。お嬢様方、とってもキュート。僕ね、ジリオン。ジリオン・サ・トゥ。覚えててくれるとね、もうホントにね嬉しくて涙チョチョ切れちゃうの」
しかしコルネリウスは首領ジリオンの口上など最後まで聞くつもりはなく、さっさと間合いを詰めて接敵していた。
そのすぐ後に、ヴィルヘルミナとゲルダが続く。ふたり共、こんな奴に耳を貸しては駄目だ、と本能的に悟っていた。
●イラっときたらビンタでOK
敵の首領ジリオンは授恵者であり、それなりに手強かったが、残りの野盗共は雑魚揃いで、然程に手を焼くことも無かった。
イヴェールとリサでテフィアナをしっかりフォローしつつ、そのテフィアナ自身にも敵をひとり叩き伏せるぐらいのことはさせてあげることが出来た。勿論テフィアナが血気に逸って前へ前へ出ようとするのを、イヴェールとリサが上手く誘導して危険らしい危険は全て排除したのも大きかった。
「女子の皆さんね、ここ危ないところだから、早く帰った方が良いよ。あ、でも、ちょっとぐらいなら僕お相手してあげようかな。僕ね、優しいからね。しかもイケメンだらかね。お嬢様方、いやんばかんって恥ずかしがってくれても良いかもね。僕もう最高にテンション上がっちゃうから」
直後、乾いた音が鳴り響く。良い加減イラっときたコルネリウスが殺界で動きを封じた上で、強烈なビンタを放ったのだ。ジリオンという男、少々のことでは黙らないらしいので、盛大に一発ブチかました方が良いという判断だった。
尚も何か口走ろうとするジリオンに、今度はゲルダの掌が下からアッパー気味に打ち込まれた。これはビンタというよりも掌底と呼んで良いかも知れない。ジリオンの無駄口にイラっとしそうになったが、それを見切りで躱すという離れ業をやってのけたのは流石だった。多分、無駄口を駆使した精神的苦痛攻撃に対して見切りを使ったのは、これが人生初ではないだろうか。
更にジリオンがしつこく口を開いたものだから、ついでだとばかりにヴィルヘルミナも華麗なる紫電ビンタを叩き込む。ヴィルヘルミナ自身も、ビンタの為に紫電一閃を使うことになろうとは思いもしなかった。
三発目が威力抜群だったこともあり、今度こそ、やっと黙り込んだ。
そして戦闘自体はものの数分で終わった。
後衛に控えていたルチルが援護射撃の為に弓を構えていたものの、ほとんどやることが無く、野盗共が隊商を襲って掻き集めた戦利品を呑気に目利きするだけの余裕があったぐらいだった。レティシアに至っては、光縛封で下っ端をひとり封じた後は、ルチルと一緒に木箱に腰を下ろして仲間への声援に終始する有様だった。
「はい、終わり終わり。いやぁ、手早く済んで良かったですね」
叩きのめした野盗共をリサが用意した縄で、ヴィルヘルミナとゲルダ、コルネリウス、イヴェール達が次々と縛り上げていく。その様子を横目で眺めつつ、リサは何故かほっとした笑みを浮かべていた。
「……そんなに面倒臭かったんだ」
ルチルが頭蓋面の奥で苦笑を漏らした。一応リサは、とんでもないとかぶりを振った。が、この直前までリサが物凄く面倒臭そうな顔で眉間に皺を寄せていたことについてはルチルのみならず、レティシアやローザリカもばっちり目撃していた。
それにしても、敵の残りがまだ帰ってこない。未だ傭兵団とやり合っているのだろうか。ラトの分身を洞窟入り口に残してきたルチルだが、野盗団も傭兵団も姿を見せていない現状を素直に語った。
「差し出がましい気もございますけれど、見に行ってみましょうか」
レティシアの提案に、反対の声は上がらなかった。仲間は誰も、それこそ擦り傷ひとつ負わなかったことでほとんど仕事らしい仕事が無かったレティシアにしてみれば、余力が有り余って仕方が無かった。ジリオンとその部下達は、縄でがんじがらめに戒めてある為、逃げる心配は無いだろう。
「テフィアナ君に危険が迫るってことも無かったし……もう少し、冒険してみるのも悪くないかな」
ローザリカの声で方向性は固まった。
ラトの分身を一体だけ残し、冒険者達とテフィアナは傭兵団の予定進路を逆に引き返す格好でアジェルマハー方面へと向かった。
やや汗ばむ程の陽気が降り注ぐ馬車道を徒歩で呑気に進んでゆくと、30人を超える人数が乱戦している場面に出会った。
その中にはアヌ会頭やテフィアナの許嫁チャド・ベルガの姿もあった。
●アフターケアもお仕事の内
ここで再び、テフィアナがやぁやぁ我こそはと変な口上で名乗りを上げた。
「……まぁ、ここはご家族にアピールしても良さそうな場面でしょうか」
イヴェールもこの場では敢えてテフィアナを止めようとはせず、彼女の傍らでいつでも庇える態勢を取りながら、テフィアナの自由にさせた。
野盗共は、女が九人増えたぐらいで何が出来るとせせら笑ったが、その表情が恐怖に凍り付くには数分と要さなかった。
今回も最初に突撃したのはローザリカだったが、その獰猛な勢いと火を噴く様な攻撃力に、すっかり油断していた野盗共は泡を喰った。
直後にコルネリウス、ゲルダ、ヴィルヘルミナと続き、驚異的な接敵能力と圧倒的な破壊力、防御力を駆使して野盗共を次々に薙ぎ倒してゆく。
一方、アヌ会頭やチャド、そして傭兵達は女性冒険者達の鬼の様な強さにただただ茫然とするばかりだ。
「んぉぉおおいテフィアナァ。お前こんんんんな強い助っ人ぉ連れてくぅるなんてぇ、ちょっっっと反っっっ則だぁろぉ」
アヌの粘っこい声音での抗議に、テフィアナはざまぁみろとばかりに高笑いしたが、後方で暇を持て余し気味に控えているルチルとレティシア、リサの三人はアヌ会頭の特徴的過ぎる喋り方が気になって気になって仕方が無かった。
「……よくあれで、商売が出来るものですね」
「まぁ実際の交渉事は専門の渉外担当とかが居るんでしょうけど」
レティシアの率直な疑問にリサが商人としての知識で応じたものの、リサ自身も、アヌ会頭の独特過ぎる口調には内心で相当に首を捻っていた。
ともあれ、アヌ会頭や傭兵達をさんざんに苦しめていた野盗共は、女性冒険者達の圧倒的な強さの前には為す術も無く沈黙した。
チャドは素晴らしい、お見事だと素直に称賛していたが、アヌ会頭は何ともいえぬ微妙な表情でこの結末を眺めていた。
戦闘終結後、冒険者達の行動は見事な程にくっきりとふたつに分かれた。
下手に関わり合いになると面倒だといわんばかりのヴィルヘルミナとリサは、捕えた野盗共をチャドや傭兵達と一緒になって次々と縛り上げてゆく。その黙々とした作業姿は、話しかけるなといわんばかりの拒絶オーラを撒き散らしていた。
リサに至っては面倒臭そうな話に巻き込まれるのは真っ平御免だという空気を滲ませているのが、誰の目にもよく分かった。
その一方で、イヴェールは心情的にはテフィアナの味方ではあったものの、敢えて何もいわなかった。
そんな中で最初に口火を切ったのは、ルチルだった。
「あんたさ……今回は偶々上手くいったが、身の安全を心配する他者の気持ちもよく考えろよ」
テフィアナに軽く説教を加えてから、返す刀でアヌ会頭にもひと言。
「過保護になる気持ちは理解するが、妹の潜在能力を考慮した上で、きっちり話し合え。以上」
この後ルチルは、ヴィルヘルミナやリサと合流し、事後処理へと取り掛かった。本音をいえば、下らない兄妹喧嘩に付き合わされるのはもう懲り懲りだ、というところであろう。
次いでレティシア、ローザリカ、コルネリウスがそれぞれの意見も交えてアヌ会頭やチャドに今後のテフィアナへの接し方について進言したが、ゲルダが自身の体験談をもとにした訴えを口にした時には、アヌ会頭も流石に、そういうものかと頷く様になっていた。
しかし逆に、アヌ会頭が女性だからという理由だけでテフィアナを討伐任務から除いた訳でも無いことを、冒険者達はこの場で初めて知った。
テフィアナは周囲への迷惑も顧みない脳筋思考の持ち主であり、加えて他者を称賛する際にはやたらとゴリラを例えに出す悪癖があるらしく、傭兵達の機嫌を損ねない為にという意味合いでテフィアナを除外したという経緯もあった様だ。
事実テフィアナは自らが雇った冒険者達を讃えるに際し、片っ端からゴリラを比喩表現に使っていた。
「あぁ、成程……」
ゲルダは思わず納得した。
「これは、確かに……」
レティシアは合点がいったとばかりに頷いた。
「私も余りひとのことはいえませんが……」
ネーミングセンスに難のあるコルネリウスですら同意せざるを得ない。
「そうか……僕は、ゴリラか……」
ローザリカは恐らく人生初のネームド・ゴリラ化という経験を果たした。
マスターコメント
ショートシナリオR普通 報酬:標準8 / 8〜8人
2022年05月15日 17時07分03秒 公開
相談掲示板
※取り急ぎになりますが私含め、八人でのリクエストを行ったのですが 本来参加予定であったお二方の参加処理が出来ていないようです。 これから運営様にご確認とご対応をお願いする為 参加予定者の方以外の通常参加は控えて頂けると有難いです。
No.2
しまったぁぁぁぁ下までスクロールしていませんでしたわ
ごきげんよう。 ヒーラーのレティシア・レインフィールと申します。 改めて皆様、この度はお付き合い下さり誠に感謝を致します。 テフィアナ様のお考えやお言葉はその……少々極端ではございますが お怒りになられるのもご尤もですので、お力になりたく存じます。 >移動手段 アジト近くの馬車道自体は平坦で馬を借りることも可能との事でございますし 傭兵団の皆様よりも早く討伐を目指すのでございましたら 基本的にはそれぞれ馬に騎乗されるのがよろしいでしょうか……? >索敵 アジトは丘と森が連なるエリアの洞窟内で 周辺は色々な地形が複雑に絡み合った見通しの悪い場所が多い事から 待ち伏せ等の警戒は必要不可欠でございますね。 >テフィアナ様 彼女も戦闘に参加出来なければご満足頂けませんでしょうから さり気なく護衛や援護を行いつつ 彼女個人の戦闘は一対一ぐらいの形になりますよう 調整が出来ますとよろしいかもしれません。 ※運営様や皆様、ご対応やご配慮を感謝致します。 そして革酎MS様、素敵なシナリオをありがとうございます……!
ヴィルヘルミナです。此度はよろしくお願いします。 アジトは洞窟内みたいですね。頭上に隙間でも空いてない限りは視界は悪めと見ていいでしょうか。 向こうの拠点ですし野盗側で照明などを設置している可能性はありますね。 こちらが攻め込む状況ですし、あちらの罠や伏兵なども考慮に入れておくべきかもしれません。 相手の手の内がわかるなら逆手に取れもしたのでしょうが。 洞窟内は照明が無いと真っ暗なら、暗視系スキルを用意して照明を潰す…というのも一回考えましたが、テフィアナさんがいるので難しそうです。 依頼者の兄達より先に野盗の討伐をとの事なので、彼らは戦力として頭数には入れない方がいい感じですか。 野盗達の注意が傭兵団に向くなら囮に使えそうな気もしましたが。漁夫の利を狙う感じで。 首領以外の授恵者は確認されていないので、相手の戦術に翻弄されない限りはこちらが後れを取る事はなさそうです。
ウォーリアのイヴェール・イリュジオンです。 今回はお誘い頂きありがとうございます、どうぞよろしくお願い致します(ぺこり) >移動手段 傭兵団より早く到着するなら基本的には馬で行くのが私も良いと思います。 ただまぁ…全力疾走で走っていくのも脳筋のアマゾネスらしくてありかなとも思いました( >索敵 見通しの悪い場所で丘に森と潜むには十分な地形ですしね…罠にしても待ち伏せにしても無い方が不思議とも言えますね… 今回はシーフの方がおられないので索敵に時間をかけざる負えないのですが、時間をかけると傭兵団が到着する恐れもあるのであまり時間をかけられないかも知れませんね… >傭兵団 来てしまったら仕方ありませんが、基本的には頭数には含めず来る前に討伐してしまいたいところですね… 依頼主が求めてるのが自分達だけでの夜盗団討伐な訳ですし。
ヒーラーのリサです、よろしくお願いしますね。 商会の傭兵団より早く倒さなきゃならないということですし、上手くいくかはわかりませんが、偽の情報でも流しますか? 違う場所に潜んでるという偽の目撃情報などを伝える感じで。 上手く行けば時間稼げるかも?
ウォーリアのコルネリウスです。 お誘いありがとうございます。 女性のパワァー!の見せ所ですね!よろしくお願いします。 >移動手段 なるべく早く到着したいと私も思いますので、お馬さんに乗っていくことで異論ありません。 チャージングや全力で走っても勿論構いませんけれど! >洞窟 テフィアナさんのことも考えて、視界確保の手段はあると良さそうですね。 見通しの悪さなども考慮して、索敵しやすいようにサーマルアイなども私は少し検討しています。 >傭兵団 そうですね、傭兵団よりも早く討伐するのですし、来る前に片付けられるようにというイメージでした。 純粋に此方が早く到着できれば良い気もしますが、リサさんの仰るように傭兵団の方を遅らせるように攪乱するのもひとつでしょうかね?
ウォーリアのゲルダです。よろしくお願いします。 ぱわーー! レティシア様は諸々の調整ありがとうございました……! 無事に参加できてよかったです。 >移動手段 現状の、馬を借りるという案に異論ありません。 もちろん徒歩でも大丈夫ですが、体力的な面を考えると馬を借りた方がリスクは少ないかな、と。 >洞窟までの森 伏兵の他にも、罠にも警戒しておいた方がいい、ですよね。 サーマルアイ、とってもよさそうです! 他には看破などがあれば便利かなと思いました。 後は、ルチル様へのお願いになってしまうのですが、シューターの索敵スキルがあると助かるかな、と。 >洞窟内 地の利は敵にありますし、もしもの時のために照明はあったほうが便利かな、と思いました。 エンライトでしたら持っていけると思います。 >テフィアナ様 そう、ですね。 できれば、依頼主の方にもご満足いただけたら嬉しいなと思いますので、危険のない範囲で野盗団のお相手をお願いする、と言う方針でよいかな、と思います。 その場合は……1対1でよりも、わたしたちと共闘と言う形で2~3対1となるようにした方が危なくないかなと。
ヒーラーのローザリカ、よろしく頼もう。 依頼主の彼女が憤慨する気持ちもよくわかる。全力を尽くしてあげようじゃあないか! >傭兵団 これは僕の個人的な意見でもあるんだが。時間稼ぎのための撹乱などをするよりも、 単に早く討伐してしまう方が男性陣の鼻を明かせて気が晴れるのではないかと思ったかな。 どうせ見せつけるのなら徹底的に、苛烈にだ! >移動手段 先に述べた理由からも早めに着くに越したことは無いし、馬に乗りたいな。 殿方の繰る馬の後ろに乗せられるだけの僕らでもないしね。 >索敵 防御に一過言有る者とヒーラーが多いから最悪突っ切る手もあるだろうが…… さすがに脳味噌まで筋肉だと揶揄されそうな方法かな。 使えそうな汎用スキルを持ち込むのに僕も賛成だよ。
情報屋のルチルだ。よろしく。 ……まあなんだ。大変だな……。(他人事) >索敵 出遅れたもので先に言われてたが、ペットと捜波による索敵手段を用意していくつもりだ。 ペットを置いて孤高者の双波を取れば探波も使えるようになるね。 時間をかけ過ぎるという懸念があるなら捜波に絞って栗鼠を先行、と見ているが他の意見も聞きたい。 >移動手段 馬を借りる方向で異論はない。 体力的にもそうだが、その方が足並みを揃えやすいだろうさ。 >テフィアナ 重篤な負傷を負わせないというのは勿論だが、「やってやった」という感覚を持たせた方が依頼人の満足度も高いだろうね。 クラスというか適正はわかってないが近接寄りだろうか? であればウォーリアの誰かが直衛についてもらう形で共に戦った方がフォローを入れやすいと思うが、どうだろうかね? >傭兵団 陣営的には味方ではあるが目的上は基本戦力としてカウントできないという微妙な立場だね。 偽情報の流布も足止めとして有効と思うが、先に傭兵団が出発して後から我々冒険者が出るという形になると見ている。 これだと偽情報を渡すのにやや手間取りそうというべきか。 やるなら受付嬢に頼んで…という形になりそうだがそれならいっそ、さっさと盗賊団ぶっ潰した方が速かろうという気持ちはある。
>移動手段 それでは、基本的には馬をお借りする方向として。 騎乗状態で敵襲を受けるのは少々不安がございますので アジト周辺に着く少し前に降り、樹に繋げさせて頂くのがよろしいかもしれません。 >索敵 こちらについてはルチル様を頼りにさせて頂けると有難く存じます。 勿論、汎用スキルでお手伝いさせて頂く事に私も異論はございません。 ルチル様のスキル選択は悩ましいのですけれど 探波で隠蔽状態の罠を察知するには相応の備えが必要となりますので 罠に関してはゲルダ様が仰るように看破で対応する方がよろしいかもしれません。 >洞窟内 エンライトを始めとした照明を用意される方向で異論ございません。 規模等が不明ですので想定以上に広かった場合に備え 閃光塗弾で随時目印を付けておくのもよろしいでしょうか? >傭兵団 ギルドが依頼を受けたのが彼らの出発後ですので 仮に偽情報を流すのでしたら先回りをして情報提供者を演じる形となりそうですけれど 既に挙げられておりますように、迅速に討伐を行われる方がよろしいかもしれません。 ただ彼らが戦闘中に追い付いてしまった場合の備えと申しますか 方針をある程度は固められておいた方が現場での混乱は少ないかと存じます。 >テフィアナ様 確かに、お一人で戦われるよりも共闘させて頂く形がよろしいかもしれません。 戦闘経験が殆ど無いとの事ですので実際に実戦の空気に触れた際 思っていたように動けない、という可能性は充分にございますし。 その辺りのフォローも出来ますとよろしいかと存じます。
>洞窟内 サーマルアイでも装備していこうかと。 暗視もありますが、潜む相手ならこちらの方が察知しやすそうなので。 >閃光塗弾 二つ持ってるので、持っていきましょうか。目印用と牽制用で。 >馬 今回は早さを求めらている感じなので、借りる方向で異論はありません。 ただ、人数分借りると目立ちそうですね。野盗もそうですが、傭兵団の方々にも気づかれるかも?という感じではあります。 あとは足を狙った罠とかですか。 >テフィアナさん 脳筋との事ですけど、罠や策など正面から叩き潰せば良いのですわ!というレベルだったりするとブレーキ掛けるの大変そうですねとは。 撃ち漏らした相手とかを任せれば多少は危険も減るでしょうか。
>移動手段 では馬を借りる方向で。 確かに目立ちますし、傭兵団とは同じルートを通る事は出来ないでしょうね…迂回する事になるでしょうか? >テフィアナさん こちらが制止する前に突撃していく可能性はありそうですね。 罠や策を正面から叩き潰す方向ならまぁ個人的には分かり易いので付いて守るだけですが… 逆に委縮するようでも常に誰かが付くなら大丈夫でしょうか…特に誰もいなければ私がついておきますが?
〉傭兵団 まあ、確かに仕込みをする手間を考えると、微妙ではありますね。 追いつかれたら追いつかれたで、力を見せつけてしまうのも良いかな? とも思いますね… ハッキリ言って、ここにいる皆さんの戦闘力はかなり高いですから…
>移動手段 事前に周辺地図が入手出来ますとよろしいのですけれど テフィアナ様がご存じであれば 傭兵団のルートとは別のルートを伺ってみるのもよろしいでしょうか。 >洞窟内 サーマルアイや閃光塗弾をお持ち頂けるのであれば有難く。 私の方からは念の為、ランタンをご用意させて頂きますね。 >テフィアナ様 汎用スキルで話術と戦術眼をご用意させて頂きますので 彼女がご無理をなされないよう、さり気なく言葉での誘導をさせて頂こうかと。 もし希望者がいらっしゃらなければ イヴェール様について頂けると頼もしく存じます。 >傭兵団 私は攻撃面等はあまり自信はございませんが 確かにリサ様の仰る通り、全員での戦闘力はかなりのものかと。 ……一応同士討ちを割ける為、洞窟の入り口に張り紙でも置いておきますか? >個人 特性は援護用としてハウリング・オブ・ブルーフレアを もう一つは護衛や足止め等に有効な光縛封をご用意させて頂きます。 前者は敵首領との接敵時での使用を想定しておりますね。 基本的にはヒール3での回復か 魔矢での援護が中心となるかと存じます。 >依頼後フォロー あと、こちらに関しては依頼の成否には関係無いのですけれど。 テフィアナ様のお兄様や許嫁の方、あるいは彼女自身に 何かしら申し上げるのもよろしいかもしれません。
>移動手段 テフィアナさんに伺っておいたりなどで別ルートを把握しておけそうなら、その方が良いかもしれませんね。 アジトの少し手前で降りておくというのも賛成です。 >テフィアナさん イヴェールさんが付いてくださるなら安心出来るかなと思います。 私もなるべく気に掛けるようにはしますので。 >依頼後フォロー こちらは私も余裕があればフォローしておきたいです! 色々と互いに思うこともあると思いますので。
>移動手段 そうだね。現地の地図や依頼人の情報から傭兵団とかち合わずに洞窟まで行ける道を見つけておいた方がよさそうだ。 道中の罠次第だが、馬で洞窟の中に入るわけにはいかないだろう。 そうなれば……先回りできた場合の話だが、後から来る傭兵団は“何故か”洞窟前に繋がれている馬を見つける事になる。 貼り紙を残すなら馬を目立つように置いてそこに残すのはどうだろうか。 ついでに「冒険者が先に来ている」旨の書き置きを残していれば――調べてその通りに行動してくれるかは描く体ではないが、多少の足止めにもなるだろうかと。 >索敵 では罠は看破で対応して特性スキルは捜波とエーテルリンクを持っていく。 >洞窟内 照明をつけていく方向で異論はない。 こちらも照明器具を用意していこう。 戦闘の方は、首領以外は授恵者とも書いてないし配下は大した戦力ではなさそうだね。 それでも数の多さは厄介だ。首領の足止め策も上がってるし、こっちは範囲攻撃で頭数を減らしておこう。 >フォロー まあこんな事をしたら後々拗らせる事は確定だろうね。 関わってしまったからには何か言っておくのがいいか…。
洞窟手前で馬を降りて書き置きを残す件、光源を用意する件承知した。 僕もランタンなどを携えていこう。 個人の行動としては……そうだな。 超聴覚で、移動中の傭兵団や武器を構える敵の音などを拾えないか気にかけて見ようと思う。 戦闘時は前に出て近接戦闘がしたいかな。 >フォロー 僕も男性陣に少しばかり声を掛けようかと。 ……ああ、一応言っておこうか。喧嘩を売るつもりはないから安心してくれて構わない。
>移動手段 依頼人の方や地図の情報から、傭兵団とは別のルートで移動、ですね。 はい、異論ありません! 洞窟の前に馬を止めておく――というのも、とっても良い案だと思います。 >索敵 ルチル様、ありがとうございます! とっても頼もしいです……! わたしも看破を持ち込み予定ですので、一緒に頑張りますねっ >フォロー ううん、現状では特に思い浮かばずで……。 もしかしたら何か入れるかもしれませんが、変なことは言わないはずです!……たぶん。 >個人行動 回避主体のアタッカーとして先陣を切るかたちで動こうかなと思っています。 ジリオンさん?は結構強い――とのことですので、彼以外を相手にするときはスキルを温存しておこうかなと。