【人馬】隘路にて【祈樹】

炙りとろ左門

コメント 8

シナリオID:2052

オープニング

 ケンタウロスたちの襲撃により被害を受けた集落は多い。
 ディルクラムとセイアッドが前回、新生派ケンタウロス「タ=ラグ」率いる一党の討伐を依頼した由となった、帝国の街「メーデル」。以前の暮らしを取り戻すために人々が身を寄せ合い、ともに希望を抱いていた——それを嘲笑うような襲撃だった。
 街は悲嘆に包まれていた。此度の戦いで命を落とした帝国軍人、義勇兵、子供、家族、友人——失ったものは大きく、得たものはない。ようやく築き上げてきたものは目の前で瓦礫と化し、それを前に呆然としている。
 それでも、やらねばならぬことがある。そう思う人々は遺体を集めて燃やし、弔いの準備を始めた。しかし一括で火葬ともなれば、遺族の手元に残るものはない。嘆き悲しむ遺族を宥めて火葬場へ運ぶ。それに従事する人々の目は虚ろだ。
 どうして。どうして。どうして。
 ディルクラムは人々の嘆きを感じ取っていた。見えない目のかわりに、鋭敏な聴覚で。
「セイアッド」
「私は大丈夫です」
 隣に立っているセイアッドが得る情報はもっと多いだろう。ディルクラムが気遣わしげに声をかければ、セイアッドは即答した。
 何も感じていないわけがない。セイアッドの瞳は昏く、とある光景を見つめていた。今いる場所からは離れたところであるため、ディルクラムの耳に届いていないのが幸いか。
 捕らえたケンタウロスに人々が石を投げている。何事かを泣き叫びながら。ケンタウロスはすでに虫の息であり、地面に倒れ伏していた。
 と、その二人に縋りついた者があった。
「巫女さま! お助けください!」
 巫女、とはディルクラムのことである。エーテル浄化者としてこの街を訪れた際についた呼び名だ。
 髪を乱した女は二人の前に跪く。
「甥が、妹夫婦の忘れ形見が、仇を討つと言っていなくなってしまったのです! どこを探しても見つからず……お願いします、お助けください!」
「それは大変……セイアッド、確か昼過ぎに冒険者さんたちが復興援助に来てくれる予定でしたね」
「はい。彼らに手伝ってもらえるか聞いてみましょう」
 ディルクラムやセイアッドだけでは手が足りない。ディルクラムは女を慰めながら、冒険者たちの到着を待つのだった。

解説

皆さんはケンタウロスの襲撃により甚大な被害を受けた街「メーデル」の復興を依頼されました。 メーデルの人々はケンタウロスたちを恨んでおり、彼らとケンタウロスの間に和解の余地が生まれる可能性は低いでしょう。ですが、悲しみに暮れる人々を助けることはできるかもしれません。 ■できること 【1】復興援助  瓦礫の撤去、炊き出し、破壊された街並みの修繕など、求められている役回りは多く、街の人々は冒険者たちの援助を必要としています。 【2】死者の追悼  ケンタウロスの襲撃で亡くなった人々の弔いはまだ進んでいません。あまりにも数が多いため、また衛生保持のために広場で一括の火葬が選択されており、遺族は死者の証すら残らないことを嘆いています。 【3】消えた子供の行方を探す  親の仇を討つのだと言って消えた子供がいるようです。近所の人々が心配し、冒険者に捜索を依頼しました。そう遠くには行っていないはずとのことです。なお、子供が見つからずともシナリオの達成度には影響しません。 【1】〜【3】の他、自由に行動することができます。 ■NPC ★セイアッド  エルフ/男/外見年齢20代後半  ディルクラムに見出され、フィルエス大森林から出てきたエーテル浄化者の青年です。ディルクラムを守るためでもありますが、厭世的で他人に対する警戒心を隠そうとしません。 ★ディルクラム  ヒューマン/女/16歳  セイアッドと共に旅をしている盲目の少女で、エーテル浄化者です。過去に負った疵のため、杖なしでは歩行に難があります。ケンタウロスたちにさらわれましたが、冒険者たちの活躍により無事救出されました。 ■特記 プレイングで指定しなければ、モブ含むNPCの描写は最低限か、登場しません。 字数の都合でNPCとのやりとりがカットされる場合もございます。ご了承ください。 マスターページは参照しなくても判定に影響はありませんが、上記の他、描写やマスタリングに関する項目があります。

マスターより

初めましての方は初めまして。こんにちは、炙りとろ左門です。休憩回です! 本シナリオはシルトラース帝国を舞台とする「【祈樹】」シリーズの第3話にあたります。途中からでも参加可能であり、前話を知らなくても問題ありません。 本依頼にはOPにも登場したNPC「ディルクラム」が関連づけられており、挨拶をしたり、必要に応じて応答します。質問の際はコメント冒頭に【Q】をつけてください。 それでは皆様のご参加&プレイング、お待ちしております!

リプレイ

 荷馬車に食材を詰め込んで、ストレガ・L(ライブラ)・リベルガストラは開けた街角で炊き出しを行う。
 心身ともに弱り果てた者もいることを鑑み、鶏出汁の粥を作る。刻んだ生姜、人参、椎茸、他薬草を出汁炊きした米と合わせ、卵を溶き、スープと刻んだ鶏肉を合わせる。
 感情が波立つのも、空腹や寒さのせい……ということはよくあることだ。まずは暖かく美味しい食事で気持ちを落ち着けること。やがて、煮炊きの匂いにつられて人が集まってきた。
 ゴブリン(亜人)であるストレガの姿を見た人々は、一瞬警戒を見せる。しかし子供たちというのは正直だ。
「おなかがすいただろう?」
 ストレガがそう声をかければ、おずおずと寄ってくる。
「まずは空腹で無くなること。今後のことは、それからでいいのだ」
「……ありがとう」
 粥で満たされた器を、少年は大事そうに抱える。そしてその場では食べず、通りの向こうへと持ち帰った。おそらくその先には、動けない家族か、あるいは大切な人がいるのだろう。
 しかしこのままでは若干効率が悪い。ストレガは顎に手を当て、思案した。


 ストレガの要望もあって、トーラの手で急遽「復興支援本部」が設置された。布で仕切られた簡易的なものだが、それぞれがばらばらに動くよりは効率が良くなるはずだ。
 トーラは端材を組み合わせて作った机の上に筆記用具を広げ、住人の要望をもとに必要なものをまず書き出していく。
 だいぶ暖かくなったとはいえ、王国ほどの環境は期待できない。魔獣やクリーパーの存在を考えれば、夜に備えるのは必然だ。人手や物資が足りずとも、できることはなんでも検討する。1人でも多くの命を明日につなげなくてはならない。
「伝言板も必要ですね」
 意思疎通の手段はいくつあってもいい。文字の読み書きができる対象に限られるがないよりは役立つはずであるし、読み書きできる人物に読み上げや代筆を頼めば機能はするはずだ。
「では、そちらは我々で請け負いましょう」
 本部近くに伝言板を設置したところで、セイアッドとディルクラムが助力を名乗り出る。
「ありがとうございます。救援物資については?」
「貴方の指示通り、配布しやすいように小分けにしてまとめておきました。……リフが街に入ることができれば、彼女にも手伝ってもらうのですけど」
 ディルクラムは「怖がる人もいるので、さすがに」と付け加える。
「ともあれ、貴方も休息が必要でしょう」
「いえ、もう少しだけ」
 トーラはうっすら滲んだ汗を拭う。
「……あの方なら、きっと手を止めないと思うから」


「他に具合の悪い人はいるかな?」
 ジュスト・ヴェルジーは公会堂の中を見渡した。そこには治療が必要な怪我人が集められている。彼と、彼に帯同しているローザリカ・L(リベラ)・ディオールの治癒魔法によって多くの人々の苦しみが取り除かれたが、やはり魔法も万能ではないということを、ジュストは改めて認識した。
 人々の表情は暗い。体の痛みが消えても、心の痛みは魔法では癒せないからだ。ジュストは集配所からマジカルポケットに詰めて持ってきた救援物資を引っ張り出すと、荷を解く。
「手伝おう」
「ありがとう。崩れないように支えていてくれるかい?」
 紐を解き、毛布や茶葉、携帯食糧などの山を崩していく。それがひと段落したら、皆に毛布を配り、鎮静効果のある薬草を煮出した茶を作って振る舞う。柔らかな香りと暖かな飲み物。膝を抱える人々の顔に、血色が戻ってくる。
「さあロゼ、君も」
 立ったり座ったり、人々の間を行き来したり——忙しなく動き回るローザリカを引き留め、ジュストは華奢な両手に茶を注いだ器を握らせる。
「俺達が倒れてしまっては、元も子もないからね」
「わかっている……が、それは僕が君に言いたい。僕を休ませたければ、君も息抜きをするといい」
「それは……」
 自分達の小さな両手で掬えるものは多くなくとも、それは手を伸ばすことを諦める理由にはならないのだ。そしてそのようなローザリカの性格を、本人もジュストも把握してしまっている。
「やはり君とは趣味が合わないが。……ありがとう」
 と、言い忘れていたとローザリカが小さく呟き、茶を一気に呷る。貴族令嬢としてはあまり行儀が良くないと言われたとしても、山積する問題を片付けるという目的の前には些事だ。
「……仕方ないな」
 ひとりではなく、ふたりで。そう言われては弱いのだ。ジュストも自分用に注いだ茶を飲み干して、器を片付ける。
「さあ、もうひと頑張りだ。ロゼ」
「僕より先に音をあげてくれるなよ」
 ふたりは視線を交わすと、再び、悲しみに沈む人々の輪の中に入っていく。この経験が、この時間が、彼らにとっていつか立ちあがるための力になると信じて。


 パヴェル・A(アレクサデル)・サムルガチェフは、大きな瓦礫を脇に退けた。一般人ではどうにもならない重さの瓦礫も、授恵者であれば話は別だ。祝福は万能ではないしろ、役立つ場面は多い。
「ありがとうございます。どうにかしたくても、我々では難しく……」
 住民のひとりがパヴェルに頭を下げる。その手には小ぶりの槌があった。大きな塊を破壊しようとしたのだろうが、道具や腕が負けてしまっていたようだった。
「みんなで支えあって行こうって、いった矢先だったんですけどね……」
 パヴェルは曖昧に相槌を打った。
 ケンタウロスへの恨みは理解できる。が、その感情に深入りはできない。同じ人として、助けが必要であるから自分はここにいる——それだけだ。
「いや、すみません。こんなこと言われても困りますよね。お水を持ってきます」
 住民ははっと我に返ると、そそくさと場を離れた。その足取りは若干、重い。
「……俺は、できることをするだけだ」
 積み上げた先から壊される。帝国を取り巻く環境は、そんなものばかりだ。
 あらかた大きな塊を退けたところで、パヴェルは住民が戻ってくるのを待たず、セイアッドたちの姿を探した。


「鍛冶屋っていうか、土木作業員っていうか」
 サイラスは「なーんでだ?」と首を傾げつつ、マジカルポケットに瓦礫を詰め込んでは運ぶことを繰り返していた。それが終われば今度は復興用の資材を詰めこむ。
「できればこういうのは、街の人間にやらせるんがいいんだろうけど」
 とにかく頭を空っぽに、体を動かし続けることで紛れる思いもあろう。が、今回は救援要員として呼ばれている以上、任された仕事はこなさねばならない。
 捕らえられたケンタウロスは、先ほど息を引き取ったらしい。怨嗟の声も人垣もすでになく、ぼろぼろになった遺骸が放置されているのみだ。
 誰も片付けないなら自分が行こうか、とサイラスは首を巡らせる。弔うためではない。その遺骸から何か剥ぎ取れないか、そのためだ。
 残された人々の気は少しでも晴れたのだろうか——それも、サイラスにとっては関心の埒外だ。
 遺骸の損壊は激しく、無残なものだった。正当性さえ己の内にあると思えば、なんだってできるのが「ヒト」だ。そしてそれを冷めた目で見下ろしているサイラスもまた——ヒトなのだ。


「行方がわからない子供……そうか、仇討ち、か」
 サマエラ=フォリウムは、泣き崩れる女を支え、優しく肩を抱く。海神(うみがみ)・江流(える)はそれを見ながら、静かに言葉を紡いだ。
「はじまりがどうあれ、ここに住んでいる人々には関係のなかったことだ。その上で、財産や家族が奪われては……」
 和解や、交渉の余地はないだろう。仇討ち自体も、江流に否定できるものではない。
「だからこれ以上、悲しむ人が増えないようにしないとな」
 今こうして、憎悪に駆られる少年のために涙を流してくれる人のためにも。
 ナタリア・フィッツジェラルドは静かに状況を見守っていたが、そろそろ動くべきだと口をひらく。
「いなくなった子供の特徴をもとに、地道に聞き込みだな。子供の足だ、そう遠くには行けないはず」
 とはいえ、ケンタウロスはその一個体においても強力であり、まして子供が敵う相手ではない。遭遇すれば仇討ちどころではなく、ひとたまりもないだろう。
 サマエラと江流、ナタリアは捜索範囲にあたりをつけると、手分けして子供の痕跡を辿った。ひとりでは探せない範囲も、3人がかりとなれば容易い。やがて手がかりを得たところでサマエラが馬を借り、全員現場に急行した。
 江流やサマエラが名前を呼んでも反応を示さなかった少年は、最終的にナタリアのサーマルアイによって、共益林を流れる小川のほとりで途方に暮れていたところを発見された。
「こんな日陰に……寒かっただろう」
 サマエラは自分のマントを脱ぐと、それで少年を包む。少年は恥じ入るように俯いた。ケンタウロスと相対し、恐れをなして一目散に逃げ出したのだという。
「……見逃したということは、穏健派のケンタウロスだったか」
 ナタリアはほっと胸を撫でおろす。そして、少年にことのあらましを語った。
 邪竜との戦い。利用されたエーテル石。混迷の中心にいたメドゥの指先。そして、聖地を追われたケンタウロスたち——新生派と古老派という存在。
「憎むなとは言わん」
 憎むことすら、新たな悲劇の中心となる覚悟がいる。
「だから……怒りは糧にしろ。なすべきことを、学ぶべきことを見つけ、求める力は理想を成すためのものだ、と」
 悲嘆に喘ぐ世界は、怒りや憎しみでは救えないのだから——。
「……そうだね」
 江流はナタリアの言に、少年にかける言葉を飲み込んだ。彼女の言う通り、今、少年の手に必要なのは血濡れた剣ではない。
「時には、今よりもっと勇気のいる……そんな困難が待ち受けるかもしれないから。その時は、俺たちを頼ってほしい。……さ、みんな心配してる。帰ろう」
 江流は少年を軽く抱え上げる。少年は鼻を啜りつつも、小さく頷いた。

 少年を連れてメーデルへ戻ると、少年の伯母と、少年をよく知る住人たちが総出で4人を出迎えた。泣いて安堵する者、叱責する者、神に祈る者とさまざまだったが、冒険者たちはその人の輪に少年を託した。
「……お兄ちゃん、お姉ちゃんたち、ありがとう……」
 少年の手には、剣の代わりに江流が手渡した菓子がある。刻まれた帝国章を見つめ、少年は頭を下げ、そして最後にサマエラに抱きついた。
「優しい匂いがする。お母さんに似てる……」
 サマエラはそう肩を震わせる少年を抱きとめる。
「……お前の気持ちは否定しない。すべて涙と一緒に流してしまおう」
「ううっ……おかあさん……おとうさぁん……!」
 人々の嘆きは深い。しかし少年は、この日を糧に歩き出すことができるだろう——。


 マルミットは辺りを見回した。遺族は遺骸から引き離され、遺骸を載せた組み木に火がつけられる。
「亡くなった人が多いのと、衛生的な理由もあって、火葬にすることにしたんだ」
 そう語るのは、生き残った傷痍軍人のひとりだ。今回の戦いで片足を失いながらも、杖をついて歩き、街の復興に協力しているのだという。
「そっか……」
 生前身につけていたものなどが、唯一遺族の手元に残る遺品となる。それにやるせない思いを抱きながらも、マルミットはナジクを振り返った。
「……ナジク、顔色が悪いね」
「こういうのを見るのは初めてじゃあないが……慣れないもんだな」
 きっと、慣れてはいけない。ナジクは本能的にそうも感じていた。
 青白く、腐りかけた肌、死肉が燃える臭い——死というものを恐怖するためにあるのではないかと思うほど。
「墓標を、」
 燃え盛る炎を見つめたまま、マルミットが小さく呟く。
「墓標を……作ろうか」
「作って、何になる?」
「みちしるべに、なるはずだから……ボク、字が書けるし」
 土葬資材の運輸のために用意していたマジカルポケットに、縄でまとめた木材を詰める。遺族の協力を得て、2人は街外れの丘に墓地を作ることにした。
 土の下には何も埋まっていない。だが、しるべさえあれば、花を手向けることができる。
「まあ、こんな土地じゃ花を手に入れるのも苦労しそうだがな」
 そうため息混じりに呟くナジクの手の中には、紙で折った花があった。
「何もないよりは、ましだろ」
 マルミットが打ち立てた木材に死者の名を刻み、その下にナジクが造花を添えていく。その繰り返し。
 ——いや、慣れてはいけない。ナジクはマルミットに続き、ひとりひとりの名を小さく読み上げる。やがて様子を見に来た遺族が、知る者にも知らぬ者にも、祈りを捧げていく。そうしてできた列を振り返り、ナジクの頭の中に『葬列』という言葉が浮かんだ。
 その列の向こうにたなびく煙を見上げる。
 彼らの魂は、天に還ることができたのだろうか、と。


 ベルク・オスマットは腕を組んで、目の前の光景を見つめていた。
「……あのケンタウロスども。またずいぶんと派手に暴れてくれたものだ。よくも……」
 そして、奥歯を噛む。
「よくも。帝国の同胞たちを」
 火葬のために組み木を作った。物言わぬ屍と化した同胞らをその上に運んだ。その全てが、自分が守ることができなかった命だ。
 この人手では、火葬にするほかない。遺骸の腐敗はやがて疫病を招く。遺品の取り扱いひとつ取っても気を遣わねばならないのだ。残された人々に寄り添い、理想通りにこなすには、あまりにも時間が足りない。
 いつのまにか、ベルクのそばにコハクが戻ってきていた。
「みんな、仕方ないって納得はしてる」
 それはコハクをはじめとした冒険者たちの行動の結果だ。残された人々は、明日を生きなければならない。そのためには、状況に応じた最善の手が尽くされねばならない。
 失われたものは戻ってこない。だから、これを別れの時としよう——コハクは静かに、魂を弔う歌を口ずさむ。ベルクがそれに合わせて横笛を奏でた。集まった人々はそれに聞き入りながら、燃え盛る炎を無言で見つめていた。

 やがて、炎が消え、細い煙が立ち上る頃。焼けた木材の下の灰と骨を掻き出す作業に移る。
 こんなところで死にたいとは、誰も思わなかったはずだ——コハクは丁寧に、書き出された灰と骨を麻袋に詰めていく。これらはひとつにまとめられ、今後ひとつの墓石の下に納められる予定だという。
「せめて、安らかに……」
「そうだな」
 ベルクもまた隣で、麻袋の口をしめる。
 あと、どれほど。
 あとどれほど繰り返せば、安寧が戻ってくるのか。
 答えるものがなくとも、彼らの魂がふたたびこの地に戻ってくる時には——ベルクは想いを胸に、夕暮れの空を見上げた。

マスターコメント

お疲れ様でした! 行方不明の少年も見つかり、瓦礫も片付けられ、死者を弔うこともできました。 結果は、今後のシナリオにも影響することとなるでしょう。 それではまた、お会いしましょう〜
イベントシナリオ

イベントシナリオ普通 報酬:標準13 / 4〜25人

2022年04月16日 15時37分26秒 公開

成功

相談掲示板

  1. No.1

    サイラスだ、よろしくなー 【1】に行くわ。

  2. 海神 江流

    シーフの海神江流だよ。 【3】で動こうかな。生きてる人間が優先だ。

  3. トーラ

    トーラです。 子供を探しに行こうかとも思ったんですけど、海神さんに行って貰えるなら【1】に回りますね。 何処かに復興支援の本部を作って、街の人からの要望を纏めて作業の優先順位などを決めれないかと考えています。

  4. ディルクラム

    ご挨拶が遅れて失礼を…ディルクラムです。 この度は皆様のお力をぜひお借りしたく存じます。 今のところ特に大丈夫…だとは思いますが、ご不明な点があれば可能な限りお答えしますので、よろしくお願いしますね。

  5. ナジク

    ゴブリンのナジクだ。どうぞよろしく。 この依頼からの途中参加者だ。 俺は【2】にいく。 故人の服の目立たない箇所、髪の一房、爪の先だのを遺族に渡す用に切り取らせてもらうぜ。 タイダルストリームあたりで地面に穴を掘って土葬を可能にする方向も頭によぎったが、なにぶん死者の数が多い。 穴の上限で死者の土葬と火葬がわかれることになったら、メーデルの街の遺族の間に禍根を残しそうでよ。

  6. パヴェル・A・サムルガチェフ

    よぉ。パヴェルだ。 【1】に参加して荷運びを手伝うぜ。

  7. コハク

    コハクよ、皆よろしく。 今回は【2】に行く予定。

  8. ベルク・オスマット

    ベルクだ、よろしく頼む。 【2】に行く予定だ。

アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0