【人馬】帝国・人馬会談
おおくまねこ
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シナリオID:2040
オープニング
「聖地での戦い、大儀であった。さっそく本題に入るが許してほしい。そなたらに頼みたいのは他でもない。数日後、バルディオン将軍が我ら帝国の代表として古老派ケンタウロス達との交渉に赴く。それに同席してもらいたい。少し長くなるが、話を聞いてくれ」
ヴィントの酒場で冒険者達を待っていた皇子レイウェスト・バルダスは単刀直入に切り出した。
冒険者の活躍で新生派ケンタウロスの攻撃は防がれ、帝国軍も民間人もおおむね被害が少なく、同じく冒険者の活躍で『聖地』のメドゥの指先側戦力を撃破または撤退させることにも成功した。
「今も帝国南部付近にいるケンタウロス達の処遇についてだが……これについては、軍でも意見が分かれている」
現在の帝国において、ケンタウロス――特に古老派の扱いはかなり微妙だ。ケンタウロスの古老派は冒険者や帝国軍が聖地へ向かうことを黙認する程度のことしかしておらず、聖地やエーテル石に関する情報提供が行われた状況も「窮地を救われたケンタウロスが情報を提供した」側面があるため貸し借りは無く、帝国から見れば「情報提供は有難く、無暗に人類と争わぬ集団がいたことは良い発見だったが、ケンタウロスが一連の騒動の解決に助力したとは評価し難い」というのが帝国での評価である。
また、一連の騒動の中でケンタウロスとそれなりに良い関係を築けそうな雰囲気になった地域もごく一部にあるが、それでも不作や元難民の不安定な生活の中で村の近所にケンタウロスの居住を認められるか? となると簡単には答えが出せない民も多いだろう。特に、戦友を殺された兵士や部下を失った士官、家族を奪われた元難民の帰還民などの対ケンタウロス感情は最悪で、殲滅しろという声もやはり小さくはない。
「だが、私やバルディオンとしてはケンタウロス側に聞く耳があるなら彼らと交渉し、できれば帝国民の脅威とならない場所へ移動してもらうことで解決を図りたいと考えている。我らが提案したいのは、『ケンタウロスによる聖地の監視』だ」
聖地とは、帝国東部にある元々ケンタウロス達が住んでいた土地だ。その実態は長らく謎だったが、この度の騒動でエーテルを活性化させる力を秘めた石、『神石』の鉱脈であることが発覚した。現在、聖地は再びメドゥの指先の手に落ちぬよう帝国兵によって見張られている。
「しかし、今の帝国軍には聖地に兵を配備し続ける余力は正直ない。大人数の冒険者を長期間雇用し続ける資金も……な」
そう言って金欠皇子が遠い目をすると、咳払いをしたバルディオン将軍が説明を引き継いだ。
「そこで我々は、元々聖地を守っていたケンタウロスに聖地の監視を任せられないかと考えている。聖地を外敵から守らなければならないのは帝国もケンタウロスも同じであるはずだからな。
つまり、『ケンタウロスには、元々彼らがいた聖地へ引き揚げてもらい、今まで通り聖地を守ってもらう。友好関係ではなく利害一致に近いが、今後もし聖地へ何者かの襲撃が行われた場合はケンタウロス側から帝国へ情報の伝達を行う』という取引を交わしたいのだ。
交渉の相手となるのは、冒険者達の報告にあったレミーラという名のシャーマンが率いる古老派ケンタウロス達の部族だ」
件の部族は帝国による聖地攻撃の少し前、帝国過激派との関与が疑われるゴブリン・ロードの襲撃で相当な痛手を受けたと報告書には書かれていたが、元々は大部族の長だったはずだ。もし交渉がうまくいけば、今は地方に散っているケンタウロス達との交渉役としても役立ってくれるかもしれない、という期待もある。もっとも、帝国憎しでケンタウロス達が意志統一されれば、それは帝国にとって少なくない痛手となるので、賭けでもあるのだが。
「彼らにとっても決して悪い話ではないはずだが、相手は我ら人類とは異なる文化・価値観を持つ亜人であり、我ら帝国とケンタウロスは歴史的に敵対関係だ。交渉の鍵を握るのは君達冒険者になるだろうと我々は考えている」
冒険者の中には、各地のケンタウロスと接触した際、一般の帝国民とは異なる感情を彼らに抱いている者もおり、少数だがケンタウロスと友誼を結ぶに至った者もいる。ならば、交渉の席に冒険者達も同席してもらった方が良いだろう、と帝国上層部は考えたのだ。
「これは私の護衛のみの依頼ではない。君達冒険者も建設的な提案があればどんどん発言してもらって構わない。逆にケンタウロス側が興奮したり、交渉に難色を示した場合はうまくとりなして貰えると大変ありがたい。我々としては、ケンタウロスの脅威が帝国から当面の間取り除かれるのなら、多少の要求は呑むつもりだ」
「頼むぞ、バルディオン将軍。これは帝国の未来を占う重要な会談となるだろう。どうかそなたらも力を貸してほしい」
そう言って、レイウェストとバルディオン将軍は冒険者達に頭を垂れた。
●
『レミーラ様。帝国の斥候と会ってきました。今日、帝国の代表者が来るそうです』
『そうかい。交渉と言いつつ、奇襲を仕掛けて来るかもしれない。いつでも出られるようにしておけと戦士達に伝えな』
『かしこまりました』
『やれやれ。本当に帝国が聖地を落としちまうとはね……』
古老派ケンタウロス達の指導者たるシャーマン、レミーラは溜息をついた。彼女達は数日前、帝国の軍隊が聖地へと行軍していくのを座して見送った。事前に接触してきた『ボウケンシャ』と名乗る人間達からとりあえず、人里を襲撃しない限りは帝国に自分達と交戦する意志はないということを聞かされていたからだ。
ならば聖地を襲った連中と帝国軍を戦わせ、趨勢が決した所で漁夫の利を狙おうと、老獪なレミーラは考えていたのだが――。
(実際にはアタシ達は聖地の奪還はできなかった。直前に邪魔が入ったからね)
帝国軍による聖地攻撃が始まる少し前、謎のゴブリン・ロードが率いる魔獣達の襲撃を受け、レミーラの部族は壊滅的な被害を受けた。幸運にも近くを通りかかった『ボウケンシャ』の加勢がなければ、レミーラも戦死していただろう。魔獣との戦いで重傷を負った戦士も少なくなく、今は食事を切り詰めてなんとか部族を維持している状況である。正直、今聖地に攻撃を仕掛けたところで、帝国兵から聖地を奪い返せるかと言われればかなり苦しいだろう。相手はあのバカでかいドラゴンも倒しているのだ。しかしなんのつもりか、帝国は聖地の管理に関して交渉を申し込んできた。これまで人類と長い間争ってきた歴史もあり、レミーラは帝国などまるで信じていないが、人類の中にも少しぐらいは信用できる連中がいることも知っていたので、聞くだけ聞いてもよかろうと交渉のテーブルに着くことにしたのだ。
『アタシの部族が今厳しい状況にあるのは事実だ。だが、聖地を盾にされても帝国の連中に尻尾を振るつもりはない。元々、あそこはアタシ達の土地なんだ。ランラン。どんな交渉になっても、アタシの言葉は正確に通訳しとくれよ』
『はい、承知しております』
レミーラの険しい表情にランランも緊張した声音で返答したのだった。
解説
マスターより
リプレイ
帝国の斥候に案内され、冒険者達はバルディオン将軍と共に古老派ケンタウロスの集落にまで来ていた。
「こちらです、バルディオン将軍。以前よりも東に移動していますが、この辺りに連中の集落があります」
「うむ。冒険者諸君。悪いが、一足先に集落の様子を見てきてくれないか? 君達の中にはケンタウロス達と面識のある者もいるのだろう? 私は入口で待っている」
「心得ました。将軍殿」
ベルク・オスマットはぺこりと頷き、他の冒険者達と一緒にケンタウロスの集落に入っていく。
「ランランさーん!」
アリッグ・レイダーはぶんぶんと手を振り、ランランに駆け寄った。
「オ久ブリデス、アリッグ」
「嬉しいなあ。僕の名前、覚えててくれたんですね!」
集落の入口で冒険者達を待っていたのは、集落で人語を操れる唯一のケンタウロスであるランランだ。周りには彼女の親衛隊と思しき、戦士ケンタウロス達が張り詰めた様子で冒険者達の様子を窺っていた。
「あの時のメイド服の姉ちゃんじゃねぇかぃ? 通訳してくれて、ありがとうなぁ」
パヴェル・A・サムルガチェフは大きく手を振り、ランランに声をかけた。
「オ久ブリデス」
(小さい頃に逢ったケンタウロスには借りがある。違う部族だったとしても力になれるのだったら手を貸したい)
「俺たちの大将が聖地をお前さんらに譲りてぇと言ってる。度々ですまねぇがレミーラ様への交渉について説明してもいいか?」
「スミマセン、レミーラ様ハ交渉ガ始マルマデハ姿ヲオ見セニナラナイデス。お話、私ガ聞キマス」
「そうか、じゃああんたに聞いとくかぁ。何か部族で困ってることとかねえかい?」
「ソウデスネ、食糧ノコトトカ、色々アリマス」
「見たか、キーゼ」
「ええ、ヴォルファング氏」
今回が古老派ケンタウロス達と初接触のキーゼとハヤト=ガラン=ヴォルファングは深く頷き合った。
「ランランって言ったか。あのケンタウロスのお姉ちゃん、すげえ乳だな」
「ええ。なぜメイド服を着用しているのかは分かりませんが、通訳さんがスタイルの良い美人なのは結構なことです。ケンタウロスは身長が高いこともあり、見応えがありますね」
「ああ。向こうの方が身長があるから、胸を見上げててもバレねーだろうしな!」
ひそひそと語る二人の女好き達。もしランランの取り巻きのケンタウロス達が人語を理解していれば、袋叩きに遭いそうな会話であった。
「なるほど、これは見目麗しい。どうです、このあと1杯? いい蒸留酒があるんですが」
キーゼはタイミングを見計らい、ランランに声をかけてみた。だが、キーゼのナンパな気配を察知したのか、ピリピリした様子の若い男ケンタウロスがぞろぞろとランランの周りに集まってきた。
(警戒を逸らしたかったのですが、逆効果でしたか。彼女はこの部族のアイドルのようですね……)
キーゼは肩を竦め、適当に雑談を切り上げた。
●
数時間前。
「まず、我々帝国が今回の会談で目指すべき目標について共有しておきたい。それは『ケンタウロスと帝国の棲み分けの徹底』だ」
道すがらバルディオンがそう口にすると、冒険者達の表情が少し曇った。その言葉には多分に「ケンタウロスと距離を置きたい」というニュアンスが含まれていたからだ。
(そうでしょうね。過去因縁の存在は無視できないもの)
アウレーリア・フォン・ネーベルベルクは溜息を吐いた。彼女は帝国の武家の家系だ。この国とケンタウロスの間にこれまでどれだけの血が流れてきたのかは、この場の誰よりも知っている。
「ケンタウロスと仲良くしよう、ではなく帝国とケンタウロスの消極的利用関係の確立を目標とする、ということですね」
「うむ」
キーゼの言葉にバルディオンは頷いた。
「じゃあさ、聖地の近くにビッグオウムでの交易定期便や交易所を設置する、ってのは無理か?」
「帝国の回答としては『無理』だな」
ハヤトの問いに、バルディオンはきっぱりと答えた。
「ありゃ、中身も聞かずにノーかよ。なんでだ?」
「帝国民のケンタウロスへの印象は『敵』であり、恐怖の対象なのだ。古老派と新生派の違いを理解しているものすら上層部のごく少数。わざわざケンタウロスと交易したい、と思っている者など殆どいないはずだ。可能不可能を度外視すれば、『ケンタウロスと和平に成功した』の一報よりも、『ケンタウロスの殲滅に成功した』という知らせの方が民も兵も喜ぶ、というのが正直なところだ。この会談すら、『ケンタウロスと交渉して聖地を返還せざるを得ない』ということについての不満をレイウェスト皇子殿下に抑えて頂いている状況なのだ」
バルディオンが厳しい眼差しでそうこぼすと、場に重苦しいムードが流れた。自力である程度ケンタウロスに対抗できる冒険者と、非授恵者である一般人のケンタウロスへの印象は大きく乖離がある。こればかりは冒険者達がいかにケンタウロスとの友誼を望んでも一朝一夕には変えられない現実だ。しばし沈黙が流れた後、バーネット・フォーサイスが口を開いた。
「棲み分けの徹底を目標にするってことは、今回の停戦協定で帝国側がケンタウロスと定期的に使節をやり取りをしたり、交易を申し出るつもりはない、ってことだな?」
「うむ。そういうことになる。ケンタウロス側に人類と積極的に交流する意志があるかどうかも怪しいしな。万が一、ケンタウロス側から申し出があった場合は取引の材料にはなるが、正直なところ、国土全域がクリーパーだらけの現状では聖地との交易路を整備・維持する余力などない。政治・軍事・経済の事情を総合すると、帝国とケンタウロスの関係は『棲み分けを徹底する』以上のことは今は不可能だ、というのが私とレイウェスト皇子の意見だ」
バルディオンは溜息をつく。
「だが、冒険者ギルドやゴールディ、あるいは他国が冒険者を通じ、ケンタウロスと積極的に交流しようというのなら我々も邪魔はしない。そこについては、我々帝国ではなく冒険者ギルドとケンタウロスの間で個別に対応すべき案件としてほしい」
「そうか……分かった」
「ま、帝国とケンタウロス間の信頼なんざ、ゼロどころかマイナスなんだ。まずは単純な利害関係から始めて、付き合っていくしかないな」
ハヤトとバーネットは頷いた。
●
「聖地の扱いについてだけど、無条件での返還を提案するわ。ケンタウロス達は聖地を盾にどんな要求をしてくるかを警戒していると思います。その状態ではそもそも交渉が始められませんから」
ロゼットがそう言うと、アウレーリアも首を縦に振った。
「同意します。元々が外地であり彼らの土地である以上カードとするのは彼らからの不要な敵意と警戒を買うだけでございます。そも聖地は帝国領外、安保上の理由で一時確保しただけ。人馬が指先を退けるなら、直接占拠は軍事外交共に不要と判断します」
すらすらと、軍人的見解を口にするアウレーリア。それもそのはず、アウレーリアは帝国南東部の武家出身の貴族である。
「私も無条件の返還に同意します。我々が介入せざるを得なかったのも、バイアーディスが備蓄していたエーテル石の存在のせいです。並びにそこを抑えていた指先の幹部や腐緑獣の力の増長ゆえ。今も帝国各地で目撃されている新生派ケンタウロスの帰還場所としても、彼らの聖地が最適かと」
帝国従軍治癒士の経験があるナタリア・フィッツジェラルドも続いた。
「むう……軍の見解としては、『ケンタウロスは聖地攻略に対し特に協力はしていないので、戦利品を要求する資格は無い』というのが主流なのだが……他の者達も同じ意見か?」
バルディオンがそう問いかけると、冒険者達はみな首を縦に振った。
「分かった。帝国出身の者も含め、聖地攻略戦の立役者である君達がそこまで言うのであればその意見を尊重する。兵達には弱腰とそしられるだろうが、聖地の返還については無条件で行うとしよう。そして、もう一つの絶対条件である非常時の帝国・ケンタウロス間の連絡網の形成については、別の条件を用意して交渉しよう。帝国の安全保障問題として、この項目は譲れないからな」
●
「聖地をケンタウロス達に返すなら、領土の境界線の取り決めもするよな? あとはケンタウロス側がこっちに用がある時は白旗で合図をするとか、そういう細かい取り決めも必要だよな。決めとかないと、無用な争いの元だし」
「うむ」
ハヤトの言葉に、バルディオンは頷く。
「その二つについては今回決めておくつもりだ。恐らく、聖地の返還が決まれば、ケンタウロス側から『今後は聖地にみだりに近づくな』と要求されるだろう。そのタイミングでこちらから切り出そうと思う」
「将軍殿。交渉のカード、あるいは先日のワイバーン攻撃の被害に対してのケンタウロスへの帝国からの武器と物資の援助。可能でしょうか?」
「ケンタウロス側には魔獣との戦いでの負傷者も大勢いるでしょう。医療面での支援も可能であれば行いたい。ケンタウロス側にある程度戦力がなければ、聖地を狙う連中との戦いや、新生派との交渉にも支障が出るかと」
ベルクとナタリアはバルディオンにケンタウロスへの支援について進言した。すると、バルディオンは渋い顔をした。
「武器は難しいな。ケンタウロス側が約束を破った場合や、新生派ケンタウロスに流れた際のリスクなどの問題は看過できない。それに、新生派ケンタウロスの攻撃による被害は辺境都市群にも出ていると聞いている。人道的見地による物資の支援ならまだしも、武器の供与となると他国との調整も必要となるだろう。私の一存で決められることではない」
「なるほど」
「だが、医療物資や食糧ならば、できなくはない。古老派と交渉する以上、新生派にケンタウロスの主流派が移ってしまっては元も子もないからな。古老派ケンタウロスの勢力を維持させるため、ある程度の支援はやむを得まい。だが、あくまで物資の支援のみだ。医療技術者の継続的な派遣などは帝国は行わない。そのあたりはケンタウロス側から要請があった場合、冒険者ギルドで対応する案件としてほしい」
「分かりました」
「聖地の無条件での引き渡しも含め、君達冒険者ギルドが強く推した、と説明すればなんとか兵や民への言い訳は立つだろう。君達を悪者にしてしまうようで気が引けるが、ケンタウロスに譲歩すればするほど民の反感を買い、レイウェスト皇子殿下に負担がかかるのだ。どうか了承してほしい」
バルディオンはそう言うと、冒険者達に深く頭を下げた。
●
『では、交渉を始めさせてもらう』
『いいだろう。武器を捨てて座りな』
互いに武器を捨て、輪になって座るバルディオンと冒険者達。座高が高いケンタウロス達は、座っていてもそれなりの威圧感があった。
「私が通訳をします。私、あまり人間の言葉上手ではないので、バルディオンはできるだけゆっくり話して下さいネ」
(……信用はして良いのでしょうけど、通訳が相手側の立場の人しか居ないというのは公平ではないからね)
(誤訳っぽい感じだったら止めなきゃな)
ロゼットとアリッグはランランの側に座り、いつでも異議を申し立てられるように心構えをした。
『聖地は今、お前達人間が占拠しているそうだな?』
『そうだ。だが、君達が聖地と呼ぶエーテル石の鉱脈については、君達古老派ケンタウロスにお返ししようと考えている。元々、あそこは君達の土地だからな』
『ほお……強欲な人間にしては殊勝な心掛けじゃあないか。代わりに何を要求しようってんだい?』
『聖地の返還に関して特にこちらからの要求はない。君達が今から聖地に戻るというのなら、すぐにでも兵を退いて構わない。だがその前に、聖地を襲撃した連中の素性について私の話を聞いてくれないか?』
『……いいだろう』
(ここまでの流れは予定通りだ)
事前に冒険者達と打ち合わせた通り、バルディオンは聖地を無条件で返還すると言っている。だがこれはバルディオンの賭けだった。実際には最低限、『聖地が攻撃された場合、ケンタウロスから帝国に一報が入る状態にする』所まで持っていかなければ帝国は聖地を手放せない。ケンタウロスが聖地に引っ込んだまま人類と全くの没交渉となってしまえば、バルディオンはただで怨敵ケンタウロスに聖地をくれてやった無能として皇子共々吊るし上げられるだろう。
(だが、そうはならない。ケンタウロス達は決して馬鹿ではない。再度メドゥの指先の攻撃を受けた場合、自分達だけでは聖地を防衛できないことは分かっているはず……こちらがメドゥの指先についての情報を開示すれば、聖地の防衛に関する共同戦線の協定には必ず乗ってくるはずです)
キーゼは双方の様子を観察しながら、この先の展開について思考していた。
『聖地を襲った連中は『メドゥの指先』と呼ばれるならず者の集団だ。人類であることは否定しないが、人類の全ての国からも敵とみなされている、『世界の敵』なのだ』
『……』
バルディオンは聖地を襲ったメドゥの指先について、可能な限りの情報を開示した。実行犯のリーダーが『左腕』と呼ばれる女であること。判明している彼女の能力。そして、彼女が連れていた巨大クリーパーの正体。そして、襲撃はエーテル石が目的だったことなどをだ。聖地を追い出されて以降ほとんど蚊帳の外の状態だった古老派ケンタウロス達は、バルディオンの話に聞き入っていた。
(だが、流石にあの害獣のことは伏せるしかあるまいよ)
ベルクの心がちくりと痛んだ。以前この集落を襲ったゴブリン・ロードはエーテル石で強化されたと思しきワイバーンの群れを率いていた。普通に考えれば奴もメドゥの指先だと考えるべきだろう。だが、実際にはベルクの残留思念感応により、あのゴブリン・ロードは『亜人のフリをした帝国過激派』であることが判明している。もちろんバルディオンにもそのことは報告済である。これについては、絶対にケンタウロス達には話さないようにと冒険者達も強く言われている。
「――以上だ。我々が今聖地から連中を排除したのも、今あの場所を監視しているのも、全てはメドゥの指先に、エーテル石を奪わせない為だ。君達ケンタウロスがこれまで通り聖地で暮らしてくれるというのならば、我々があの土地に兵を置く理由はないし、人里から退いたケンタウロス達を追撃するつもりもない」
バルディオンは聖地を巡る戦いについての長い話を終え、そこで言葉を区切り、レミーラの反応を待った。
『……意地の悪い男だね、バルディオン。私達だけでは聖地を襲った連中には勝てないと分かっていてそう言ってるんだろう?』
『……』
『あの土地はね、私達が千年以上も前に、必ず守ると、ジド・ルゥと約束した大切な土地なんだ』
(ジド・ルゥだって? 人類の英雄の名前を、なんでケンタウロスが……)
ギャメルは瞠目した。まさかその名をここで聞くことになるとは。ギャメルだけではない。他の冒険者達も、バルディオンも目を丸くしている。それも無理はない。ジド・ルゥは授恵者で、否、人類でその名を知らぬ者はいないほどの存在だったからだ。
救世の英雄、ジド・ルゥ。己の身をエーテルとすることでマテリアル界とアストラル界を隔てる境界を修復し、絶え間ないクリーパーの侵入から世界を救った偉人。ハーフリング最大の英雄である。
「どんな手を使っても守らなきゃならない。それが、ケンタウロスの誇りさ。聞かせてみな、バルディオン。あたしらに一体何をさせたいんだい?」
「有事の際……例えば、聖地に再びメドゥの指先が攻撃を仕掛けてきた場合や、その前兆があった場合、我々にそれを知らせてほしい」
「手間の分、見返りはあるんだろうね。アタシらを盾にしてその間に人間共は避難します、では通らないよ」
「もちろんだ。君達から緊急連絡があった場合、こちらも聖地防衛の為の戦力を出す。ただし、実際に派遣されるのは帝国軍とは限らない。冒険者が派遣されることもあるだろう。聖地をメドゥから奪い返した者達だ」
「……」
『国』という概念を持たないレミーラ達は実際のところ、帝国と冒険者、そしてメドゥの指先の関係について正しく理解できているとはいえない。レミーラの理解では、
『帝国』……長年領土争いをしている憎らしい部族。
『メドゥの指先』……聖地を攻撃してきた憎しみ極まる部族。どうやら帝国とも敵同士らしい。
『冒険者』……どうも帝国とは違う部族らしい。遠方の部族? 長とは会っていないが、過去に集落を訪れた者達はとりあえず信用できそうだ。また、恐ろしいことに全員が特異個体らしい。
というようなことになっていた。
「もしこの提案を呑んでもらえるのなら、冒険者達は君達ケンタウロスからの依頼も受けられるよう準備をするとも言ってくれている。それに、冒険者達は君達との交渉が成立したなら、食糧や医療物資の支援も行うべきだと、我々帝国に強く要請してきている」
「レミーラさん、この間の時も、帝国の依頼で駆け付けたんですよ。僕達冒険者は依頼があればどこにだって駆け付けます」
「いいですかね……我々は別に、尾を振れ、とも頭を下げろ、とも言っていません。こちらはそちらを”利用する”、だからそちらもこちらも”利用しろ”、と。それだけの話なんですよ」
アリッグとキーゼが口を挟んだ。
『ランラン、おいで! あと班長達もこっちへ来い!』
レミーラは幹部らしきケンタウロス達を呼び寄せると、何やらケンタウロス語で相談を始めた。バルディオンと冒険者達はその様子を緊張した様子で窺っている。結論が出たのか、レミーラはバルディオンの正面に座り直した。
「いいだろう、バルディオン。望み通り、聖地が攻撃を受けた時はお前達に連絡をよこしてやる」
「理解してもらえたようで何よりだ。それでは、協定に関して、もう少し具体的な内容を詰めたいのだが……」
●
こうして、バルディオン将軍と古老派ケンタウロスの会談は無事に終結した。帝国側がケンタウロスに譲歩する結果となったが、目標としていた「聖地から兵を退き、ケンタウロス側から緊急時の連絡の約束を取り付ける」という点は達成できたので、結果は成功と言えるだろう。また、新生派ケンタウロスの問題についても、ケンタウロスの大族長であるレミーラが中心となり、聖地への帰還を呼び掛けてくれることが決まった。
撤収前、冒険者達は少しケンタウロス達と交流していくことにした。バルディオンに迷惑がかからぬよう、『これは帝国の使者としてではなく、今後もケンタウロスとの交流を望む冒険者としての行動だ』と断った上でだ。人間嫌いのレミーラも顔見知りの冒険者もいたことが功を奏し、これを受け入れた。
「次の者、入ってくれ」
「怪我が酷いやつを優先な」
ナタリアは持ち込んだゲルを集落内に設置し、ギャメル、アリッグと共に簡易診療所を開いていた。彼らはケンタウロス側の聖地への帰還準備が整うまでの間、この集落に留まることにしたのだ。さらに、ギャメルとハヤトが中心となって農業の講習なども行う予定だ。食糧事情が厳しいケンタウロス達は、農業についても興味があるとのことだった。
(彼らの医療事情も把握する好機だしな。私自身の無知・未熟故に彼らを殺し得る選択肢は避けたい)
「シャーマンというのがこちらの神官に当たるのかしら? あなたたちの宗教観についても知りたいわ」
「シュウキョウ……ちょっと説明が難しいですネ」
ロゼットはランランに宗教観について尋ねていた。
「宗教と言えば……なあランラン、さっきちょっと話に出てたけど、ジド・ルゥって、もしかして俺達みたいなやつじゃないか?」
バーネットは自身とアリッグを指差した。伝説ではジド・ルゥも二人と同じハーフリングだったという。
「ええ、そうデス。言い伝えでは、ジド・ルゥは小さな人間だそうデス。あなたやアリッグと同じだと思いますヨ」
「やっぱりか。今度詳しく話を聞かせてくれるか?」
「ええ、もちろんデス」
「そういえばランラン、なんでいつもメイド服を着てるんだ?」
ギャメルはずっと気になっていたことをランランに聞いてみた。
「ああ、これは人間の車ごと、草原で拾いました。私のお気に入りです」
(クリーパーに襲われた馬車か何かかな? 拾い物だったのか)
「お、いたいた。あんた、ランランって言うんだよな。人類に伝わる超ダッシュに興味ないか? 手取り足取り伝授してもいいんだが……。あとほい、お近づきの印のチョコフレーク」
「アリガトウゴザイマス。速ク走ル術デスカ、興味深いデスネ」
メイド服に包まれたランランの豊満なバストを見上げながら、お菓子を差し出すハヤト。なお、彼の鼻の下は伸びきっていた。
(それは悪手ですよ、ヴォルファング氏。まあ私もやりましたが)
キーゼは鼻息を荒くしたケンタウロスの若い衆に囲まれたハヤトが超ダッシュで逃亡する姿を無表情のまま眺めていた。
『疲れた……』
冒険者に質問攻めにあったランランは座り込んで休憩していた。
「お疲れさまだ、我らが友よ」
ベルクはランランに板チョコレートを一枚差し出した。
「アリガトウゴザイマス」
ランランはにっこり笑い、板チョコに齧りついた。
『まったく、人間共はランランにばかり贈り物を……貢物なら族長であるアタシに渡すのが筋じゃないのかね……』
レミーラはモテモテランランが羨ましいのか、遠巻きにランランを眺めながらぶつぶつと文句をこぼしていた。
「お、いたいた。レミーラ様よぉ、俺からあんたに贈り物だぁ」
そんなレミーラの元を訪れたのはパヴェルだった。ランランからケンタウロスの礼儀について情報を仕入れていたパヴェルは、持参したチョコレートと蜂蜜酒をレミーラに渡しにきたのだ。言葉は通じないので身振り手振りでのやりとりだったが、レミーラが喜んでいるのはパヴェルにも伝わった。
『ありがとうよ、二本角の坊主』
「帝国とケンタウロスの溝はそう簡単には埋まらないでしょうけど、いずれは民間自由交易や混合居留地を開放、ギルド介入に依拠しない関係を目指したいわね」
「ええ。先は長そうだけど、まずは私達から一歩ずつ始めていきましょう」
アウレーリアの言葉にロゼットはしみじみと頷いた。
マスターコメント
ミドルシナリオ難しい 報酬:多い10 / 6〜10人
2022年04月11日 11時19分51秒 公開
参加者
相談掲示板
さて、よろしくお願いします。 取引・交渉、という割には、帝国側も相手に対する利益の提供が出来てないので、そもそもそこからですね。 筈だ、だろう、考えている、と、自分たちの利益追求のみが優先しているので。 軽く僕の意見を触れておきますが。 ・聖地そのものを取引材料にはしない これに関しては、色々とありましたが元来あちらの領土、とは言えますからね。 事情があり向こうが積極的に関与しなかったにせよ、派兵して事実上勝手に占領状態にしているものにはなります。 元からケンタウロス側のものであり、こちらは一時的に間借りしているだけ、というスタイルにするべきでしょう。 ・帝国にとっての利益、帝国としての立場を追求しない これは、参加者に一部帝国民も見えるので気をつけたほうがいいかもしれませんが。 今回は交渉・取引でありお互い対等の立場に置くべきです。 僕らの立場はあくまで中立の冒険者という立場に従事しておき、帝国側の肩を持つような動きは避けるべきかと。そもそもがマイナススタートですからね。 ・相手にとっての利益の取り所を押さえる 聖地は見過ごせない。しかし手も金もないので他人を使おうとしているのは帝国です。また何かあれば、また同じように占領されるのでは、と相手が警戒する可能性もありますし、何よりケンタウロス側のメリットは薄い。 このあたりをどう攻め落とすかになりますね
ヒーラーのギャメルだぜ! よろしくな。 ジド・ルウとの約束だとかランランのメイド服とか、気になることがいっぱいだぜ! >交渉の材料 負傷者の治療や老人や子供への滋養を提供ってのはどうかな? ワイバーン襲撃時に戦った人がまず話をつけて、それからって形になるか。 短期的なもので持続性はないけど、部族が直面してる困り事だ。態度に気をつければ、断られる可能性は低いと思うぞ。 ただこれだけじゃ、こっちの要求をとおす交渉材料としては弱そうって気もする。 長期的な協力関係を築けるようなアイディアがあったりするといいのかな? >依頼主の要求 依頼主の要求の内容の一部には、人馬側にも旨味があると思うんだ。 話し合いの演出や情報の伝え方を工夫して、これを要求として突きつけるんじゃなくて、人馬側にもメリットのある提案として出すのはどうだろう?
ヒーラーのアリッグ・レイダーと申します。 皆様よろしくお願いします! さて、今回は交渉ということですが、基本的なスタンスはキーゼさんの言う形で良さそうに思えます。 そもそも聖地に関しては、帝国が管理する必要がありませんしね。 ケンタウロスの方々に素直にお返しするって形でいいんじゃないかな。 ようは、何かあった時の報告だけしてもらえばいいわけですし。 ちなみにレミーラさんの集落には、今の所、僕とサムルガチェフさんとギャメルさん、それとベルクさんが立ち寄ったことがあるメンバーですかね? さらにその中で集落で戦いをしたのは僕とベルクさんの二人になるかな。 古老派ケンタウロスの方々の事まで考えるなら、僕とベルクさんが取り入る形がよさそうですかね? >交渉の材料 ギャメルさんのいう、負傷者の治療や老人や子供への滋養というのはいい案ですね。 宜しければ、あの時の状況は詳しく覚えてますし、僕が提案してもいいですよ。 長期的な関係を築くのは、そうですね……。 今までの騒動で、僕達冒険者にはそれなりに高い評価を頂いてるはずです。 ですので、前回のようにケンタウロス達に危機や脅威が迫った際に 僕たちがまた同じように駆け付けられる環境を整えられるようであれば、 ケンタウロスの方々には、メリットが高い提案になるんじゃないかと思いますが、どうですかね。 帝国には悪感情があっても、少なくとも僕達にはそれがかなり薄いでしょうし。 >依頼主の要求 聖地に関してはともかく、脅威に感じない場所までの撤退はちょっと工夫がいりそうですね……。
ロゼットよ。よろしくね。 帝国側が聖地の監視、報告っていう義務を課したいのに対して、 ケンタウロス側が求めるモノ、与えられる対価が難しそう。 まさに「???」で示されてる部分よね。 >聖地の扱い ケンタウロス側が「聖地を盾にどんな要求してくるか」を 警戒・敵視しているなら、さくっと譲渡した方が話しやすい? 彼らにとっての優先事項が、約束された状態から話せるのだし。 >聖地の監視・報告の見返り 「有事(外敵排除、課題解決)に対する冒険者の派遣」は、 ひとつ提案できないかしら。ケンタウロス側は人材が疲弊して いるようだし、聖地周辺の治安維持も厳しいんじゃない? ただ彼らは物々交換が主で、現金を用いてギルドに依頼ができない。 だから冒険者派遣の窓口として、帝国が受付・代金を負担する。 その見返りに、定期的に聖地の治安状況の報告を出してもらうとか。 帝国は金欠らしいけど、たまの依頼の代金くらいは負えるでしょう。 >ケンタウロス移動への見返り ケンタウロスの一部には、帝国の村々と物々交換を実行していた 人たちも居るらしいから、その物流の復活・推進というのはどう? そのために、村の近くに居座ったままでは村人が怖がるから 村側には帝国が、ケンタウロス側にはレミーラの部族に働きかけて もらって、拠点の移動と物々交換を保証、進めてもらうと。 長文で悪いけど、依頼を見て考えてたのはこんな感じね。
アウレーリアです。宜しく。 良いんじゃないですか、帝国はそんなに欲張らないでも。 元々メドゥの指先への対抗上確保しただけで、維持し続ける余力が無いのは明らかですから。 停戦協定を結んだ上で人馬側が確保し続けられるなら、安全保障面の問題は解決でしょう。 もっとも、向こうもそれなりに疲弊してるっていうのがポイントで。 内心、聖地の単独防衛に自信がある訳ではないと思うのよね。実際守り切れなかったのだし。 だから帝国からは当面の間、有事の防衛協力を打診しておけば十分だと思います。 また帝国への直接的脅威とならない程度に、食糧や医薬品援助を行う手もあるかと。 監視・報告も義務ではなく依頼ベースで。事態が拙ければ自然と話が上がってくるでしょう。 理想的にはギルドを間に挟むのが、角が立ちにくくて良いのですけど。 構造的にまず帝国を通さないと、有事発生が冒険者まで伝わってこない状態でしょう。 冒険者を常続監視に置いておける財政的余裕はないのだから、帝国ー人馬間の直通ラインはどうしても必要になるのです。 長期的に考えても、紛争当事者同士で直接的に信頼醸成が進まないと解決に向かわないかと。 向こうとしては、協力と称して帝国軍が動く瞬間に一番緊張を覚える筈。 そこに助力兼停戦監視の保証者として、冒険者が加わる体制が安定的だと思います。
ベルクだ、よろしく頼む。 帝国側ではあるが今回の会談では帝国の利益は度外視して話を持っていきたいと思っている。 現在帝国に必要なのは東部の安定化なわけだからな、この会談で最低でも人馬族の好意的中立と停戦が叶えば帝国としてもだいぶ楽になるだろう。 >有事の際の連絡 いまレミーラ殿たちのいる臨時居留地を人馬族との混合駐留地とするとか? 混合で駐留している場所を設けておけば有事の際の連絡はスムーズにいくようになるだろうし、相互理解も進みそうだが(なお初期に起こるだろうトラブルには目をつぶる) できれば陸路の整備もできれば迅速な連携や物資のやり取りもできそうだが。 後はできればビッグオウムの発着地点を聖地のどこかに整備してもらうぐらいか? >聖地の扱い これに関しては交渉以前にさっさと返還してしまうのがいいだろうな。他の人も言っているが最盛期の帝国ですら実質上の国外だった地など現状帝国の負担にしかならんし人馬族から要らん不信と反感を買うだけだ。 >+α まぁあの腐れゴブリンが盛大に迷惑をかけているし補填として物資援助は必要かもしれんな。とはいえあのゴブリンの正体(帝国強硬派関係)はばれてはいないだろうからあくまで善意からの提供としてだが。
聊か出遅れた。 ヒーラーのナタリア・フィッツジェラルドだ、宜しく。 まずは取り急ぎ的な形になるので、交渉という本格的な部分に踏み込むのは後程という形になるのは許して欲しい。 >聖地の扱い まず結論を言うならば、目的を既に達成した以上、帝国としては早急に彼らに返還すべきだというのには同意だ。 情報を見てみるに、バイアーディスが備蓄していたエーテル石が聖地にあったのと、指先の幹部及び腐緑獣がそこを抑えていたが為に帝国が介入せざるを得なかったのだな。 とはいえ、そんな話で納得しろと言われたところでケンタウロス古老派が納得するはずもなく、彼ら単独での防衛どうこうにしても、聖地の扱いの過程で新生派なる連中が分裂した訳だから、アフターケアという体で誠意は見せねばならん。 >負傷者の医療・有事の際の派兵 これに関しても私が反対、意見具申をする理由はない。 私としては医療薬学Lv5は勿論の事、荷馬車にゲル、黒汗馬は一通り揃っているから、其れに関しては任せてくれ。 物々交換の推進・復興にしても、まずは彼らの生活環境、及びそれに付随する産業形態が気になるな。 我々と同じく農業を営む事もあるのか、それとも狩猟主流なのか。
キャスターのパヴェルだ。よろしく頼む。 前回の交渉のときと同様であれば、基本的にランランを介しての交渉になる。 んだから内容はある程度絞り込んで、伝えたほうが無難かもしれねぇな。
ざっと聞いている感じだと、そこまで突飛な提案は今のところ 無いように聞こえるし、ケンタウロス側にとって何がNGで、 何が検討できるかは、出してみないと分からないものもあるかな。 >混合駐屯地 今の帝国軍とケンタウロスが、同じ場所で長期滞在するのは ちょっと危なそうかな…?トラブルも、言葉が通じないから 口喧嘩を飛び越えて、いきなり流血沙汰になりそうな気もして。 交易や使者の行き来なら何とかなるかな、と思うのだけど…。 >農業・狩猟 ワールドガイドを鵜呑みにするなら、狩猟が基本かしら。 栽培可能な作物の提案とかは入れてみても良いんじゃないかな。 自給自足が向上すれば、略奪の必要性も低下するかな?とか。 狩りより安全だから、走れなくなった人馬たちでも働けるかなって。
バーネット・フォーサイスだ。 まぁ、よろしく頼むわ。 >聖地 これに関してはまぁ、既に出ている意見ではあるが、 譲渡そのものについてはリターンを求めずに渡す形で良いと思う。 ケンタウロス側の認識としては奪われたものを取り戻す形だから、 そこに条件を課すと他の交渉に差し支えてきそうだし。 >交渉 あくまでお互いに条件を出し合う交渉なわけだし、 どちらかが優位な立場になり過ぎる事は、なるべく避ける様に注意したいな。 足元を見られる訳にもいかないし、優位になり過ぎるのも反感を生みやすいし。 >有事の際の連絡 いっそのこと、これまで細々と行われていた交易を整備するってのも有りだと思う。 一定以上の人や物の流通を維持できれば、そのまま有事の際の連絡網に流用できそうだし、 交易そのものはお互いの利益になりえるだろうから、 交渉の運び方次第では受け入れやすいんじゃないだろうか? >人員の駐屯 これに関しては、ちょっと慎重になった方が良いかもしれない。 立場は逆になるが、帝国の村々の付近にケンタウロスが出没するのと、 ほぼ同じことが向こうに起きるわけだし。
>混合駐屯地 常駐すると今言われている通り、トラブルの発生率が上がると思うから。 帝国-人馬勢力圏の中間線付近を中立地帯として、双方が出向く形でどうかしら。 「沈黙交易」とまでは言わないまでも、まずは日時・場所・内容を決めた会合に伴うような形で物資の引き渡し又は交換。それから様子を見つつ、徐々に自由化して民間貿易に拡大する想定ね。 最初のうちは効率悪いし即応性にも欠けるかも知れないけれど、仕方ないわ。 探り探りの距離感で気長にやっていくしかないでしょう。 共同生活は個人レベルで信頼の得られた者同士から始めてみて、制度化は実績ベースかしらね。
>治療と滋養 アリッグが人馬への提案をしてくれるんなら、オレも助かるぜ! 提案の申し出ありがとな! ナタリアの高度な医術も強力だな。 あとは治療をしたい人で手分けして傷を治していこうか。 老人や子供への滋養は、チーズとかの食材を提供するか、相手の反応を見ながら現地で煮炊きをしてみよう。 刃物を使わずに作れる料理が良いかな? >ランラン 基本的には誤訳が起きにくいシンプルな言葉での交渉が良さそうだな! レミーラの気性を考えると、最低限の礼儀をたもつ必要はあるけどな。 >作物の栽培 自給自足の向上ってのは名案だと思うぜ! 収穫できた余分な分を交易に、って流れも作りやすい。 どんな作物を提案しようか? おそらくは農業初心者で体の構造的に長時間屈むのはキツそう。 丈夫な果樹とか世話しやすそうだけど、収穫まで年月がかかるし。 栽培ノウハウが充実した麦系の作物とか? トウモロコシが手に入って人馬の土地で育つなら、条件的には良さげなんだがな。
聖地に関しては特に交渉材料にせずにそのまま返還という形でよさそうですね。 >治療と滋養・作物の栽培 では僕が一つの案と交渉材料として提案してみましょうか。 襲撃があった時にある程度の被害状況は確認してるので、 特に違和感なく発言できると思います。 煮炊きや料理を提供するのは、相手に「交易すれば、こんな旨い物が手に入る」というアピールにもなりそうですね。 作物の栽培に関しては、最初はどんな環境でも育てやすいものがよさそうですね。 僕はあまり詳しくないですが、やはり麦系が無難なのかな? ただ、栽培に関しての説明とか必要そうだから、ランランさんの協力が必需になりそうですね。 >有事の際の連絡と混合駐屯地 今の所、アウレーリアさんの言う形がよさそうに思えますね。 帝国側としても人馬側としても常に共にいるというのは、難度が高いですし。 さらにその時には、冒険者も居合わせる形にすると良さそうですかね? >生活環境 ちなみにレミーラさん率いる部族では狩猟が主流のようでしたね。 賄賂……じゃなくて手土産として持っていった干し肉やチーズなどの物も 受け取ってくれたので、交易に関しては特に問題なくできると思います。 あ、一応補足として彼女達は、日が沈むあたりから1時間くらい儀式をやるみたいなので、 何をするにしても、一応、そこらへんも汲んでおくとよさそうですね。 この辺りも僕が皆さんに説明しておこうかな。 交渉する相手の文化を理解するのは大事なことですので。
>混合駐屯地 やはり難しいか。 まぁこれはアウレーリヤ殿の案が一番無難なのだろうな。 いずれ定期的な混合市的なものなどに派生していければいいのだが。 >作物の栽培 麦系が無難ではあろうが、一番の問題は水源の規模か? どんな作物だろうと水が無ければ育たんからあのあたりの水系がどうなっているか調べるところから始まりそうだ。 ただ人力と違て馬力があるからうまく軌道に乗ればいい結果に結び付けられそうだな。 >有事の際の連絡と支援 後は場合によっては武具の融通も必要かもしれんな。 忘れていたがどうも新生派の連中に良質な武器防具を供給している奴らがいるようだし。 古老派が武力で新生派に負けたら、この交渉がうまくいっても水の泡と化す。
おーっす! ブレイブファング傭兵団のハヤト=ヴォルファングだ、よろしくな!! >聖地 まずは聖地を返還するってとこから交渉スタートってので異論はねぇぜ! んで、そのうえで帝国側の有事の際の連絡依頼はまた腐緑獣みてぇのが侵略してきた時にケンタウロス側だけで対処するより人類共通の敵として共闘にて撃退する為だって理由づけをしたらいいんじゃねーか? ゴールディで腐緑獣を撃退してからさほど時間も経ってねぇってのに今回また現れた事実も伝えて2回とも俺達冒険者がメインで撃退してるってのも話ときゃそれなりに友軍としての有効性は理解すんじゃねーかと思うぜ。 ま、レミーラが信じるかどうかはまた別の問題だろーけどな。 >混合駐屯地 まあ、これはお互いの理解が進まねぇとなかなか実現は難しいんじゃねーかと俺も思うな。 まずは、ランランに中心に立って貰いケンタウロス側と帝国側から有志を募って互いの言語を学び合う寺子屋的なもんを準備して意思疎通が出来るように取り組む提案もしてみてぇとこだな。 何より会話が成立しねぇ限りは相互理解なんか深められねぇだろーしよ。 >治療と料理 こいつはギャメル達に頼って負傷者の治療と聖地周辺で栽培可能そうな作物を使った料理を振る舞うことで農耕の興味を引くってのも良いアイディアだと思うぜ!
連続なっちまうが勘弁な! >ビックオウム ベルクも言ってるが聖地との連絡網構築と交易の販路確保の名目でビックオウムの定期便を運航させるってのも提案してーな。 どうやらチョコレートにご執心なケンタウロス共もいるみてーだし、定期的にチョコレートが入手出来るようになるって提案すりゃ食いついて来そうな気もすんぜ。 ま、チョコレートに限らずビックオウムでの運輸を使えばお互いに交流も活発になるだろうしよ。 >農作物 これに関しちゃ俺もトウモロコシあたりが良さそうな気がするな。 ギャメルはトウモロコシを使った料理とか作れっか?
>方針 実現可能かどうかはともかくとして、これまで出た意見を纏めてみたが、大体こんな感じか? 違っていたり、足りなかったら言ってくれ。 前提 ・聖地は取引材料にせず譲渡 交渉材料 ・負傷者への治療、医療品と食料品の提供 ・帝国を通した冒険者を派遣できる体制 ・連絡ルートを兼ねた、ケンタウロス・帝国間の交易ルートの整備 (勢力圏の中間地点で交易場所を設置、ビックオウム定期便等) ・第三者機関として冒険者ギルドが監督(ギルド側に確認要) ・農耕等の技術提供 その他今後の関係改善に向けて ・ケンタウロスの文化への理解を深め尊重する ・双方の言語を学び合い、意思疎通ができる人材を増やす
フォーサイスさんは纏めありがとうございます! 僕は聖地の返還に進言しつつ、交渉材料と関係改善については ・負傷者への治療、医療品と食料品の提供 ・帝国を通した冒険者を派遣できる体制 ・連絡ルートを兼ねた、ケンタウロス・帝国間の交易ルートの整備 ・ケンタウロスの文化への理解を深め尊重する この辺りに触れようと思います。 特に負傷者への治療等については深くお話するつもりです。
ふむふむ、レイダーの報告によれば狩猟民族の類か。 そこに我々が提供した野菜系の物資を用いて料理に使えば、こんな旨いものを食べられるというアピールにもなるか。 その過程で、調理方法の他には野菜の栽培に関する教導も活きる形だろう。 交渉の席にも出席するとなれば弁論術を持って行って補佐しようとも思ったが、亜人語適性も持っているから、そっち方面でサポートもするか? ただこれは、スキルの解説によれば亜人の言語体系は基本的にバラバラだから誤訳がまじったり、カタコト、断片的な言葉でしか理解出来ないから、気休めレベルになるのだが。 あとは武具の融通というか、対新生派への備えともなれば集落に堀でも作っておくとか?
バーネット、まとめてくれてありがとっ! オレはこの2つに触れようと思う。 ・負傷者への治療、医療品と食料品の提供 ・農耕等の技術提供 >自給自足 作物じゃねぇが、ウサギとかの家畜も提案してみるか。ペット枠で店売りしてるから調達しやすい。 人馬の好みや土地にあうものを試す感じで、色々用意できりゃ良いなと思ってるぜ。 色々な用意の中にトウモロコシも含めてみる予定! >滋養提供 子供たちに食べ物を提供する際は、ランランに説明してもらってお買い物風にしてみるか。 石や葉っぱをお金の代わりってことにでもして。 交易への興味が高まるかなって。 買い物ごっこしてる場合じゃねぇ! って雰囲気なら、マジメに提供。
まとめ、ありがとう。 この人数なら、何かが抜けることは無いでしょうけど。 ・帝国を通した冒険者を派遣できる体制 ・ケンタウロス・帝国間の交易の整備 この辺を主にやりながら、以外は字数次第で盛り込むわ。 >武具の融通 ナタリアのこれは、バルディオン将軍に相談して、かな。 聖地を外敵から守護してもらう分には役立つと思うけれど、 その武器が帝国に向けられるかも、というリスクがあるしね。 あと新生派は良くも悪くも思考が柔軟な若者、と形容されてるから 彼らも展開次第では考えを変えてくれる余地はあると思っているわ。
>個人行動 そういや、俺の予定を書いてなかったな。 ひとまず、纏めた大まかな案を草稿として事前に将軍に提案し、最終的な交渉案を煮詰めたり、 交渉の場でケンタウロス側の様子を伺って、場が荒れそうな時の宥め役になるつもりだ。
ん。皆、ありがとうな。 間近になっちまったが俺としては 俺はランランとうまく(円滑に)コミュニケーションが取れるように全力を注ぐぜ。 ついでに時間があれば >負傷者への治療、医療品と食料品の提供 について古老派に説得する予定だ。 一応いくつかの依頼でケンタウロス達へ関わっているし、悪い方向には行かねぇはずだ。 >新生派 別の依頼(シナリオ)で交渉した事はあったが、奴らは状況や立場に寄り添って対処さえすりゃぁ、頭の硬ぇ貴族や古老派よりはやりやすいと思う。