【災怪】山神災
弓月 蒼
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シナリオID:1935
オープニング
積み重ねた。
ただ積み重ねた。
積み重ねて積み重ねて積み重ねて積み重ねて。
人は犠牲になり、血は燃料になり、命は数字になった。次へ。次へ。また次へ。
狂気を誰も指摘しない。暴走を誰も制止しない。異常を誰も断罪しない。
だから繰り返した。
何年も繰り返した。
繰り返して繰り返して繰り返して繰り返して。
―――――嗚呼、なんだ。
とっくの昔に狂っていたんじゃないか、この国は。
●黒煙街『ナシュテル』
人馬に動き有り。新春早々の帝都遠征は困難。
以上の一報が旧帝国軍より伝えられるに従い、王国軍の再編計画は修正を余儀なくされた。
人を動かすのだ。期日が後ろ倒しされるなら安心と言う物ではない。
年明け早々辺境伯執政府――のごく一部――が阿鼻叫喚に包まれた事は想像に難くない。
閑話休題。
「王国内でも数少ない、炭鉱街なのです。この領の西端は」
――――北方辺境伯領、その東西を結ぶ山岳街道。蹄鉄の音にメルヴィンの静かな声が混じる。
四頭立ての馬車が複数台に20名に及ぶ辺境騎士。冒険者一行。他、身の回りの世話をする家臣団。
総計40名を数える大集団となれば、山賊や盗賊が手出し出来る次元を完全に超えている。
行きの道程は物見遊山を大きく逸するものではなく。同行の冒険者も気楽な物である。
その間、暇に飽かして会話をする時間も多く取れた為に北方辺境伯直々に領内の話を聞く事が出来た。
以下がこれより向かう、辺境伯領西端――――黒煙街『ナシュテル』の概略である。
「黒煙街『ナシュテル』は、元々は王国ですら真っ当に生活出来ない者が集った集落でした。
それが対帝国戦線で手足など失った者達が送られる流民地となり。けれど元兵士には体力が有る」
長年生活環境改善に取り組んだ結果、元々肥沃な王国の土壌。
どうにか食べるに困らない程度の作物を得るに至る。しかし次なる難題が立ち塞がる。
「当時は北方辺境の東西端は"王国の僻地"でした。当然山岳街道も通っておらず。
通商路から外れた街には行商人すら寄りません。産業の興隆が起こる訳もありませんでした」
作物を生み出し消費するだけで頭打ち。となれば徐々に人手は外へ、都会へ出ていく。
何とかして自分達の故郷に人を呼べないか。当時の王国民は独自に施策を打ったのだと言う。
「本来、そういった自助努力を促すのは"領主の務め"。ですが、我々。
辺境伯家は軍人の性質の強い、いわゆる軍属貴族です。言い訳がましくも聞こえましょうが……」
"それどころではなかった"。結果として、ナシュテルは独力で以て打開策を見つけ出した。
それが炭鉱。――――資源として"石炭"が取れる鉱道の発見である。
「御存知の通り、この燃える石は鍛冶技術を発展させ、錬金術の触媒にも使われる。
需要の多い素材です。掘るだけ儲かる。街は瞬く間に発展し、街道も引かれました。ただ」
ある時を境に、炭鉱夫の間で不可解な流行り病が大流行した。
体内の澱のバランスを著しく崩すと言う、病の影響によって炭鉱は閉鎖を余儀なくされ。
「現在はこの辺境伯領内での標準的な都市基準に落ち着いている……と、言う形で現在に至ります」
聞くだに、過去には諸々面倒な事情が有れど現在となってはさして問題も無い都市事情。
確かに通商路が閉鎖されていたとしたなら、そのまま死活問題になりそうな立地条件だが。
それらを制圧していた黒竜公との間に和解交渉が成立した今。市民の生活環境に問題はない筈。
その推測は確かに、大きく外れる物ではなかったが――――
●盗掘疑惑
「――――盗掘?」
「いえ、正確には盗掘ではないのかもしれませんが……
どうも閉鎖中の炭鉱に、秘密裏に踏み入っている人間がいるようなのです」
黒煙街『ナシュテル』へ踏み入ってしばし。北方辺境伯領最大級の孤児院であると言う『芽吹きの園』
その大食堂を借りた街の有力者が揃った会食にて。その話題は突然に降って湧いた。
「あー……まあよしんば子供の悪戯だとしても、少々危ない地形ですわなあ」
「街の大人が僅かな痕跡しか発見出来ない有様です。子供の悪戯とは……いや、しかし或いは」
辺境伯を前に冷汗を拭う『ナシュテル』都市長グロック・ヘディン。
その隣に座る商会長ブルーノ・ヨーゼフは。しかし敢えて、と視線を辺境伯の隣へ移す。
「なるほど、確かに当院には授恵者の子供が複数名居りますわね」
『芽吹きの園』管理人。マザー・オルエンが頷くも。それはそれで動機がまるで分からない。
一方、盗掘であるとするには"掘り出した石炭を運び出した痕跡"が一切無いのだと言う。
「何より、今時石炭にそれほど価値が見いだされるとも思えないのが本音です」
「旧帝国の取引先が軒並み潰れておるでな。需要と供給言うなら余っとる程の筈なんですわ」
価値が然程無い物を、態々罪を負ってすら掘り起こす価値が何処にあるのか。
それは道理に合わないとグロック都市長が薄くなった頭を掻く。追って首を傾げる辺境伯へ。
「当院の子供たちに、そんな罰当たりな事をする子は居りません。山神様の裁きが下ります」
淡々と応じたマザー・オルエンに。浮かび上がる沈黙。そうして、暫し。
銀食器を置いたメルヴィンが大きく一つ頷いて応じる。
「では丁度良い。査察ついでに冒険者達に調査を頼んでは如何でしょう。
幸いこの場には腕の立つ冒険者が十分に居る。問題解決の近道となる事は違えようもありません」
そう告げて向けられた期待の眼差し。其処には悪気はまるでなく。
けれど――――得てして有能で勤勉な人間にありがちながら。
「何であれば領主として、私も同行しますが」
「いえ、そんな。辺境伯様にその様な手間を掛ける訳には……!」
彼はまさか冒険者達が"これと言って何も仕事が無いならそのままにしておいて欲しい"
などと、思っているなどとは。心底、微塵にすら考えたことがなかったのである。
●墓標
黒煙街『ナシュテル』には王国でも僻地ならではの土着信仰がある。
曰く、名を山の神。名を喪った神とされるそれは――――かつて。
古くは王国建国に際し力を貸し与えてくれた幾柱もの力有る存在だったのだと言う。
以前は幾つかの始まりの百家にすら伝承として伝わっていたと言うそれらを祀る街は。
既に北方辺境広しと言えど、ナシュテルの他には見られない。
教義すら定かではなく、ただ1日の朝夕に御山へ向けて祈りを捧げる。ただそれだけの信仰。
一つらしいことがあるとするなら。この街で死んだ人間は山へ葬られるとされる。
街の関係者であれば、例え遺体は何処で朽ちたとしても。魂は山へ還るのだとか。
「だとすりゃよ。お前も此処まで来るんだろ? なあ《兄弟》」
黒装束が山卸しの風に靡いて揺れる。崖の上から見下ろす視線は北境西端の炭鉱街を一瞥して。
片目だけが細められ、男は酷く冷めた声で言葉を続けた。
「――――漸く、相応の報いを与えてやれる」
一際強く、風が吹く。
解説
マスターより
リプレイ
『黒煙街』ナシュテル。その市長邸の一角。辺境伯に割り当てられた貴賓室。
押しかけた冒険者の中にあって、一際若い少女の声が、無慈悲なほどに鋭く響いた。
「反対です」
「!? いや、しかし私には領民の安寧を護ると言う役目が」
「絶 対 に、反対です」
取り付く島も無い。困惑を浮かべる『アーチボルト辺境伯』メルヴィン・トマス・アーチボルト。
その視線に、推移を平然と見守っていた『這い寄る者』キーゼがしれっと視線を逸らした。
廃坑の視察に絶対反対を示す『裁きの女神』イヴェール・イリュジオンは頑として譲る姿勢を見せない。
一般的『領主』としては少なくとも、街内要所を確認し治世の確からしさを査察すれば名目は立つ。
それ以上は領主の几帳面さと責任感に委託され、メルヴィンは"当然"、全てを自ら担おうとした。
まさか護衛に雇った冒険者に真っ向反対されるとは一体誰が予測出来ただろうか。
「ご意見は伺いますが廃坑に行く案は受け入れられません。あと、働き過ぎです」
おまけに既に顔馴染みとなった筈のイヴェールが、今日は何やら妙にご機嫌斜めである。
何かしただろうか……と心当たり無さそうな仕草を見せる度状況が悪化するのだから、埒が明かない。
と言って――――それが無茶な物言いとも一概には言い難いのだ。
「僕も、その点については同意見です」
「そうですね、辺境伯には市長邸の資料確認に時間を掛けて頂いた方が良いでしょう」
全てを自分が確認しようとするその姿勢には『誓竜騎士団員』アリオン・リューが敬意の視線を向けるも。
とは言え護衛と言う観点からは"廃坑"は如何にも危険過ぎる様に感じるとの同意を返すと。
その言葉尻を拾って、とかくその他大勢になりたがるキーゼが軽薄気味に追従を送った。
「……身を案じているのです。ご理解下さい」
ここで我を通しては、駄々を捏ねる童だ。元より為政者としては"甘過ぎる"きらいのある辺境伯が。
押し切られるのはこれはもう、仕方がないと言う他はない。
――――
辺境伯領の最北端の東西を結ぶ街道。通称"山岳街道"は最小規模の行商路である。
どうにか中型馬車が1台通れる道幅に、ほぼ『ナシュテル』と『ノストガルデン』の直通街道とあって。
その管理は"辺境伯"に一任されているが、一方で商路としての重要度は極めて低い。
運荷を抑えねばならないにも拘らず山岳は治安が乱れ易く、荷と命は自ら守らねばならないからだ。
("山岳街道"は起伏が激しい上に死角が多く、大量輸送には向かない……か)
市長邸宅、街の立地を調べれば調べるほどに、『黒煙街』が不便の塊である事実が積み重なっていく。
『同胞への信』ナハティガル=ラーが小さな嘆息を溢すと。隣で別の資料を広げていた治療師。
『雪薔薇の聖女との邂逅』ナタリア・フィッツジェラルドがこちらはこちらで難しい顔で書類を捲るも。
その隣。流行り病について過去の資料を追っていたアデッサ・ハーレイが、思わずと大きく溜息を溢した。
「何か面白い話でも見つかったか?」
「そう見えるか? なら良い性格してるぜ。これが噂の流行り病――――だ、そうだ」
それは体内の澱の流れが乱れる。と言う奇妙な病気の記録である。
この街には施療院が無く、患者は主に孤児院の離れに運び込まれたとされているが。
「……? 何だこれは。病……なのか?」
ナタリアが辿った近年の治療記録は殆どが地方の民間療法が主であり、効果の乏しさが記されるのみ。
総じてより保有澱の多い者。"授恵者"ほど短時間で復調する旨が示されている。
だが、流行当初はそうでなかったらしい。回復魔法での病状回復の記録こそないが……何故か。
「"解呪"を試した症例が1つもねぇ。幾ら専門的な治療師が街に1人も居ないとは言え。
流れの治療師や冒険者がこの程度の発想に至らない訳がないにも関わらず――――だ」
ただ一見すれば。少なくとも、授恵者でない者が見てもまるで違和感は感じない記録。
だが、何らかの改竄が加えられている事は疑いもない。
市長邸へと集う資料は"市内で発行された物"でしかない為、そのまま市長の咎にこそならないが。
少なくとも、何らかの意図で以て鉱山で流行り病が発生したと言うことにしたかった。
即ち、"坑道から人を遠ざけたかった者”が居る事は想像に難くない。
「……状態異常、か?」
「隠蔽の方向性的に、可能性は高ぇな。何らかの魔法か、或いは」
特殊な技術によって精製された物には人体に状態異常を引き起こす物がある。
魔獣に数えられる昆虫の毒や、澱を通すと機能を発揮する瞳、"魔眼"などだ。
そういった凶悪な生物の部品は紋具等に組み込まれる事も有る為、大抵高価か市場に出回らないが。
肩を竦めたアデッサに、目に見えて表情を固くしたナタリアが厳しく眉を寄せる。
「……此処に送られたという傷病軍人については辿れそうなのか?」
「厳しいな。そもそもまともな記録がない」
ナハティガルが調べた限り、流入があった記録は有るが大半は人数の照合しかされていない。
例外は貴族などの血縁者に限り、それ以外の人間の素性は重要ではないからだ。
(或いは『紅百合』の関係者が街に流れているかと思ったが)
2世紀程前の『王国』において、公爵位に在った家系。そして現在に於いては知る人ぞ知る。
少なくともその程度にまでその知名度が薄れている。そんなもの最早不自然、と言う次元ですらない。
余程念入りに隠蔽されたのだろう。であれば――――果たして。"彼らは何をしたのか"
――――
(……おかしい)
辺境伯の気が変わらぬ内に、と。廃坑の査察に向かう面々が市長邸を出て暫し。
市内地図と実地を確認しながら街中を歩く『諜影操羽』ルチル・プルメリア・グレイハーツは。
早々にして奇妙な状況に気が付いていた。行き交う人間に"妙に王国外の装いの人間が多い"――――のだ。
おまけにそういった風体の人間に限り、妙に警戒心が強い。相棒を走らせるだけで視線が追う。
情報屋としての経験上、この類の過敏な反応を示すのは得てして、何かしら後ろ暗い人間だ。
街でもある程度人の出入りのある酒場に居座って暫し。漸く聞こえた話の内容に、更に不可解さは増すばかり。
(――――病の――――院――――例の―――――対価が―――――)
言葉を交わしているのは商人風の男2人。耳を澄ませても断片しか聞こえて来ないが。
エーテルリンクを駆使して拾った声は、『病』と『院』。そして―――――『対価』。
これ以上は直接当たる他はないかと。酒場の長机から同族を探し隣へ腰掛ける。
流石王国北西端。旅する蜥蜴人も多い。中でも、より羽振りの良い者を選び。
「あんたも、例の"商売"に来たのかい」
声を掛けた恰幅の良い蜥蜴人は突然の闖入者に数度瞬き。
けれど、果たして何処から"同類の匂い"を感じたのか。斜に構えた仕草で肩を竦めると小声で続けた。
"声がでけえよ。例の話がしてえなら週末の夜に来な――――"と。
●COUNTDOWN:2
「……少し、宜しいでしょうか」
冒険者主導で行われる事になった、孤児院『芽吹きの園』の査察。これに参加したのは4名。
内の1人。イヴェールの何処か深刻そうな問に。責任者のシスター・オルエンが応じる。
奥の応接室で暫し、『銀嶺の旋律』リコリス・アデュラリアとルチルは過去の流行り病の情報収集。
そしてナハティガルはと言えば、子供達が集う遊戯室へ真っ直ぐに向かって行ったわけだが。
「お前たちは炭鉱には興味はないのか?」
「おばーちゃん先生が入っちゃダメだって」
「病気になっちゃうんだよー?」
「山神様に怒られるってー」
子供達が口々に声を上げる。それを受け、ナハティガルは困惑の色を強めていく。
孤児院で話が聞きたいとして集められたのは、皆どうみてもただの子供達だ。
年齢もバラバラ、種族もバラバラ。何であれば出身地すらバラバラらしい。
当然と言うべきだろうか。ナシュテルと言う街単体でそこまで孤児が生まれる訳もないが。
そうこうしている間にオルエンが戻り、続いたイヴェールはどうにも浮かぬ顔色で視線を伏せる。
「当院は100年以上続く由緒正しい孤児院でしてね。元は辺境伯直々の命で造られた物なの。
先々代、私の曾御婆様の代よりオルエンの名を受け継ぐ女性が院長を務めているのよ」
如何にも育ちが良さそうな微笑を浮かべる女は、孤児院の由来についてそうとだけ語る。
見た目であれば精々中年であろうか。唯人の年齢感覚にはどうしても乏しい森人。
リコリスはただ黙って頷きを返した。北方辺境は"戦地"だ。そういう需要があるのは理解出来る。
加えて、彼女の眼には眼前の老女が"悪意"を以て自分と対している様には見えない。
しかし"何かを隠している"感触となると拭いきれないのだ。それは長きを生きた洞察力故ではあろう。
「山神様、と言うのはどういった信仰なんでしょうか」
「あら、森人の方なのに山神様に興味が御有りなの? 宜しい、では教会をお見せしましょう」
席を立つマザー・オルエンに。そちらはそちらで興味があったナハティガルが後を追おうとするも。
その服の裾を何者かに掴まれ動きが止まる。見れば、外来の客に興味津々と言った瞳が複数対。
しまった――――と気付くのが遅過ぎた。子供達にとって、態々自分達を訪ねて来た外からの客。
こんなもの格好の玩具に決まっている。好奇心に爛々と輝く瞳が一緒に遊んでと強烈に訴えていた。
さて、教会への道中子供達が独立した後どういった事をしているのか。など院の運営状態について尋ねるも。
どうも大半は街で働いているらしい。予測した通り、決して立場が強い物ではない様だ。
「こちらが、山神様が祀られている当院の聖域ですわ」
リコリスが教会へと踏み入っていく傍ら。後背ではナハティガルを上手く生贄にしたルチルが居た。
別のシスターに導かれ、以前流行り病の患者が集められたという離れを見せて貰う算段である。
其処は所謂簡易病室の体を為しており、未だにカーテンなどで仕切られているが。
流石に最早病人の姿は無い。元患者、の消息も、まともに辿れる様な体制ではなかったようだ。
「一時期は部屋処か廊下までびっしり、身動きが取れず呻くしか出来ない患者さんが並んでいたらしくて」
「とてつもない話じゃないか。よく街ごと隔離なんて話にならなかったね」
「本当に。これも山神様の御加護だって院長先生なんかは仰られるけれど」
先代辺境伯の時代の出来事らしいが、今でも鉱山には良識の在る大人はあまり近付かないのだとか。
そう聞くに連れ違和感。異物感は積み重なる。この街は、様々な部分がおかしい。
他の街の住人であれば"恐怖"が先立つだろう緊急事態が街の中だけで完結している事と良い。
大規模な戦争が有る訳でも無いのにこれだけ大きな孤児院から孤児が尽きせぬことと良い。
院内で戯れる子供達は蜥蜴人に馴染みが無いのか遠巻きに見守るばかりだが。
どうも唯人だけでなく半獣人や小人の姿も見られた。
ここが『王国』である以上、かなり奇妙な光景だ。極端に不自然、と言う程ではないが――――
(……なんですか、これは)
――――一方、教会だと言う建物に訪れたリコリスが目の当たりにしていたのは壁画であった。
岩畳に余りにも精緻な人の絵が彫られている。それも二十余人。視界を埋める程にびっしりと。
「素晴らしいでしょう、これが山神様です」
偶像では有り得ない。今やマテリアル界で最後の存在かもしれぬ"火の神"のような"神なる者"とも違う。
しかし、明らかに事物に影響を及ぼし得る何かだ。その様な存在、リコリスの知識の内には無い。
「"これ"を、辺境伯は御存知なんですか?」
「――――いいえ」
漸く思い至る。彼女の微笑みは狂信者のそれだ。その判断に倫理など僅かも挟まる余地がない。
相手の言動や態度の"真偽"に注視したとて、そもそもが根本的な物事の是非が捻じ曲がっているのだ。
――――要因は、幾つかあった。戦力を全ての査察先に分配したこと。
余剰人員である騎士を辺境伯の護衛のみに費やしてしまったこと。そして冒険者同士の相互監視の薄さ。
しまった――――と、思うのが一歩遅かった。彼女は文字通り、"誘い込まれた"――――のだ。
咄嗟に編もうとした魔法が形を成す前に、天井から音も無く降り立った四人の黒装束。
特に、その内の一人の威圧感が群を抜いている。せめて一矢と杖を構え――――
「俺を最初に狙うかよ、良い眼してんなァ。だがよ、余所見してる暇あんのかね?」
奇襲を仕掛けた敵の方が早い。鋭い当て身に呻いたのも束の間のこと。
意識を失う最後の瞬間に目の当たりにしたものは、彼女が溢した杖を拾う"若過ぎる老女"の姿。
――――
「……おや? 1人足りないね」
子供達にもみくちゃにされたナハティガル。未だ何処か心此処に非ずと言ったイヴェールに。
唯一人ある程度目的を達したルチルが首を傾げる。相棒に敷地を探らせるも。
果たして何時からか、リコリスの姿は影も形も無く。査察の時間も終わりを告げる。
「お先に帰られたのではないかしら。どうもとても慌てていらしたけれど」
微笑を浮かべるシスター・オルエンの言は、ルチルからするとあまり信用出来ない。
とは言え確たる証拠も無く糾弾など出来る訳も無く、代わりに一つだけ問を投げておく。
「"侵入者には罰が下る"そうだけど、それなら炭鉱の事も山神様は快く思わないのかね」
「どうでしょう……全ては山神様のみぞ知る事、でしょうか」
――――リコリスは結局、夜更けになっても市長邸宅へ戻って来る事は無かった。
●COUNTDOWN:1
市長が記した市政の数値にこれと言って問題はない。
強いて言えば辺境の更に僻地にしては随分経済状態が安定しているが、その程度は誤差の範疇だ。
騎士達を総動員しての公文書精査は恙なく完了し、今日は朝から食糧庫の見回りである。
流通が断絶する可能性のある黒煙街の食糧庫は、『北境』程ではないにせよ規模が大きい。
騎士の内精鋭8人を連れての監査となるが、死角が多く決して安全が確保された訳ではない。
しかし、其処に冒険者が4人加われば流石に話は変わって来る。
(事前に調査に入ったとは聞いていたが、何も無いな)
(いや、何もない……訳でも、無かったんじゃないかな)
ぼやく様に呟いたアデッサに、床に伏せたアリオンが応じる。地面を触れば明らかに新しい複数の足跡。
恐らく、"直前まで誰かが居た"――――のだろう。けれど撤収した。どんな理由が有ってかは知れずとも。
(と、なると……何か此処を離れなければならない理由が出来たのだろうか?)
(……あまり言いたくないけれど、目的を達した可能性はあるかもしれない)
同様に、査察に同行したナタリアがエンライトで周囲を照らすと。
先んじて倉庫の見回りをしておいたと言うキーゼが記した通りの備蓄残量が確認出来る。異常無し。
昨晩以降、冒険者仲間であるリコリスの姿が消えた。街の中を捜索したが痕跡すら見つからない。
孤児達の成育の場という事を考えると、状況証拠だけで疑いを訴えるのは難が有り過ぎる。
それを切っ掛けに辺境伯にまで累が及ぶ可能性は十分ある。同人物に知れたら果たしてどうなるか。
「どうです。何か見つかりましたか?」
「いえ……空振りですね」
アリオンが頭を振ると、ひそひそ話から離れてナタリアが嘆息する。
仲間の1人が行方不明となれば本来なら大問題だ。が、現状が全員敵の懐中だとすると。
騒ぎ立てるのはリスクが大き過ぎる。少なくとも、護衛対象の安全まで保障出来ない。
街に何者かが潜んでいる事は間違いないのだ。問題は――――どこまでが白で、どこからが黒か。
――――
ナシュテル廃坑。暗闇にルチルが灯した魔法光が揺れる。
先行するナハティガルが安全を確認し、イヴェールとキーゼがその後を追う。
仲間が1人行方が知れなくなった事で、後手に回る事を避ける為に急ぎ査察に乗り出したが。
地面を確認するとなるほど、確かに人が複数出入りしている痕跡がある。
「……どうする、この先はかなり枝分かれが多い様だが」
「誰かが侵入している、と言う事が分かれば十分では……」
「そうですね、奥まで行くのは危険が過ぎ……ん?」
それぞれ鼻と口を覆い最低限の粉塵対策は打っているが。周囲は暗所、枝道の多さ、障害物。
土質を確かめていたナハティガルから見ても、決して頑強とは言えず崩落の可能性も0ではない。
半ばまで入った時点で人影は見つからず。これ以上は危険の方が勝る――――と。
そこで足を止めたイヴェールが手を宙へ翳した。その奇妙な仕草に最後尾のキーゼが追従すると。
彼の肩に載った栗鼠が尻尾を立たせて周囲に視線を巡らせた。
他方先行するナハティガルの視線が、不意に天井へと向かった。虫の知らせとでも言うべきだろうか。
否。彼は元から"そういった"仕掛けが有る可能性を危惧していた。故に、一際早く気が付いた。
(――――土の色が違う)
坑道というのは壁材の材質が一定である事を安全性の前提とする。天井など言うに及ばない。
其処に手を加えて効果を発揮する罠など凡そ数える程しかない。
「口を抑えて伏せろ……!」「いえ、直進して下さい!」「どういう事ですか」
「――――罠だ」「空気が通っています、何処かから――――」「イリュジオン氏を先頭に走って下さい」
「了解した」「何で私が先頭に――――」「――――一番頑丈でしょう?」
各人の発言が錯綜し、最後尾のキーゼが発した声で結論は1つに纏まる。
奥へ誘い込まれる事は極力避けたかったものの、入口で見張りをしている筈のルチルから連絡はない。
敵は周到だ。"入口だけが無事"と考えられる程楽観的にはなれない。
天井の一部が罅割れる。此処まで来ればイヴェールにも分かる。恐らく態と天井を脆くしておいたのだ。
調査の名目で誰かが入れば崩れる様に。いや――――本当にそれだけか。
昨日シスター・オルエンに問い掛けた内容が脳裏を過ぎる。地響きの音は、徐々に強く、重く。
そうして、岩間の影から外の夕明かりが見えた頃。崩壊は呆気無く訪れた。
――――
その問が、明らかに踏み込み過ぎた物であることは薄っすら理解していた。
猪突猛進の気があるイヴェールとて分かる。冒険者の裁量を逸脱している。それでも。であれば、何故。
「"自分に家族はいない"――――と。けれど、先代辺境伯らしき方は健在でおられる様で……」
言葉を濁すイヴェールに、お茶を淹れて持って来たシスター・オルエンがほう、と息を溢す。
その仕草に驚きの色は無く。実のところ、その時点で続く言葉を紡ぐ覚悟は決まっていた。
「……シスター、あの方は。以前、此処に居たのではないですか」
――――その問に。視線を向けた老女は何処か哀しげに視線を伏せて。けれど、何も言わなかった。
領主に対して不躾な、『王国』では不敬罪にも問われかねない言に、否定が無い。
「貴女は、随分と心を赦されているのね」
どうしてそんな事を知ろうと。知りたいと思ったのか。今となっては良く、分からない。
●COUNTDOWN:――――
「どうにか、全員無事の様ですね」
「……すまん、助かった」
ギリギリで、キーゼの光縛封が間に合った。崩落した坑道の、恐らく側道の一つ。
辺りが崩れた事で街の"外"に跳び出した3人が辺りを見回すと。
街の表門までは随分離れており、と言って崩れて埋まった側道からは街に戻れそうもない。
例えば登攀して岩山を登るくらいなら徒歩で門まで向かう方が未だ近い。と足先を向けた。
丁度そんな時分。ナシュテル内――――市長邸宅一階。
「要求は1つ。『辺境伯』をこちらへ引き渡して下さい」
「どういう事ですか、シスター」
「言葉通りです、メルヴィン様。それとも"欠けた双子――――とお呼びした方が良いかしら」
その意味が分かる者はその場に無く。アリオンが、アデッサが、ナタリアが進み出て構える。
だが、杖で床を叩いたオルエンの後背の部屋が開くと、さしもの冒険者達も手を止めざるを得ない。
其処に居たのは縛られたリコリスと、『ナシュテル』都市長グロック・ヘディンの姿。
それらを取り囲む、二十を優に超える黒装束。立ち振る舞いからある程度分かる。
彼らの総戦力は、騎士達を含めた冒険者一行に匹敵する。
一気に畳み掛けられないのであれば、冒険者である森人の娘はともかくも。
無理に仕掛ければ都市長は確実に犠牲になる。強行突破すら、現実的とは言えない。
「――――分かった。其方の要求を呑もう。但し人質は解放して欲しい」
「冗談じゃねえ!」「駄目ですよそんなの!」「到底認められない……!」
そう告げて進み出た辺境伯の発言に三人が三様拒否の姿勢を見せるも。
メルヴィンは躊躇無く一歩踏み出す。それを見て鷹揚に頷いたオルエンが視線を向けた、次の瞬間。
「んんん―――――!!」
魔法の発動に発語を用いる者は多いが、それは絶対条件ではない。
その魔法の絶対条件は唯一つ。間近で油断しきった老女の携える杖への接触――のみ。
轡をされたリコリスが激しく身を捩り、オルエンの手を払って放つ"静寂の空間"が黒装束の動きを止める。
隙を突きメルヴィンが弓を抜く。一射三条、リコリスを縛るロープが射抜かれ解けると。
アリオンとアデッサが斬り込んだ。が、敵もさる者。慌てて都市長を確保すると一気に距離を取る。
「そのまま駆けろ!」
弓に次の矢を番えながら声を上げるメルヴィンをリコリスを加えた四人が一瞥するも、多勢に無勢。
戦いを続行しても勝ち目は見えない。踵を返し退路を駆け抜ける。
「急ぎな、門が閉じれば脱出すら敵わなくなる!!」
市長邸から正門までは通り一本。行き交う街の住人達を縫って境界を駆け抜けると。
門の前から一際早く退路確保に回っていたルチルが焦りを帯びた声を上げる。
門がゆっくりと閉じていく。内部に『アーチボルト辺境伯』を残したままに。
その隙間を間一髪擦り抜け、冒険者達は漸く息を吐く事が叶う。
街から強制的に吐き出された冒険者の面々が全て合流するには、もう暫しの時間が必要だった―――――
マスターコメント
ミドルシナリオ難しい 報酬:標準8 / 8〜8人
2022年03月02日 11時29分51秒 公開
相談掲示板
ヒーラーのナタリア・フィッツジェラルドだ。宜しく。 解説、もといアーチボルト辺境伯の話を踏まえるとナシュテルは昔も今も、姥捨て山のような場所であると…… 最下層階級であれはみ出し者であれ、最近の歴史では傷痍軍人もそこに送られていると。 炭鉱夫の間で流行ったとされる流行り病も、すぐに思いつけそうなケースと言えば鉱毒により汚染された水を浴びたり口にしたか、鉱石そのものの粉塵を吸い続けた事による塵肺か。 とはいえ、此処の鉱石は単なる鉱物資源ではなく、錬金術の触媒にも使われる上に下手をすればエーテルのバランスを崩しかねないというだけで何がしかの魔石ともいえるのなら。 墓標(PL情報?)を踏まえれば死体を生贄に捧げる為に秘密裏に鉱山に出向いている事にもなるだろうか。 査察対象に含まれる炭鉱や食糧庫の調査にあたっては、暗視持ちであるのとサーマルアイ持ちでもある。 なのでちょっとした土壁岩壁くらいなら熱源探知は出来る筈。 あとは調査を進めるにつれて私達も澱のバランスを崩す可能性も考えられるから、ヒールや解呪も持って行く。 それと、全体的に建造から長年立っている事だろうから老朽化も著しいともなれば、マッピングも必要か?
(誤字がありましたので再掲となります) さて、よろしくお願いいたします。 たまには辺境伯領正騎士候補として、真面目にお仕事でもしましょうかね。 まずは辺境伯に”どこを見せて””どこを見せない”か、ですね。 そして、辺境伯の直衛をするもの、調査を主体とするもの、の割り振り、ですか。 少々ワーカホリックですから、その辺りの手綱を引ける人物は……まあ、いそうですね。 PC情報として何かしらの裏側がある、という事態自体がそもそも想定しにくいわけですから。まずは無難にかつ確実に仕事をこなす用意、からでしょうか。 ”何か”に備えてそちらに注意を増し、肝心の足元が掬われる、というのは避けたいですからね。
イヴェール・イリュジオンです。 どうぞよろしくお願い致します(ぺこり) >どこを見せて~ そうですね、それがまず今回の目的ですし。 査察対象である4ヶ所のいずれを辺境伯に見て貰うか… 彼にしか気づけない事もあるでしょうが、全部を見て貰うのはいきませんし… ・食糧倉庫 査察の目的が食糧事情悪化によるものなので、現状の把握には査察は必須? 古くから存在するという事で、市長や領主が知らない何かがあっても不思議では無さそう。 光源の確保が必須なうえ、死角の存在を踏まえた護衛と索敵が必要そう? 先んじて冒険者が入って安全確認をしておくのも良いかも知れません。 ・市長邸宅 街の情報が集積される場所という事で紙媒体などに記録されたものはここで閲覧出来そう? 人々の声を直接聞いたとかではないので文字や数字だけでは判断出来ない事が出る恐れ。 また記録に改竄あった場合、人々の声との差異に気付けない可能性はあるでしょうか? 今回査察を行う場所としては他の騎士たちもいるので最も安全そうな印象。 逆を言えば守るものが多くなり過ぎるという問題もありますが… ・孤児院 辺境伯が向かう査察先としてはそこまで重要では無さそうな? 強いて言えば当院の子供達との交流し炭鉱に入った子がいないか探るくらい? ナシュテルの生き字引的な存在のオルエンさんがおられるので、古い話を聞いたりも出来そうでしょうか?
連投になります。 ・廃炭鉱 侵入された痕跡があるとの事で要調査の必要な場所。事故の恐れもあるので辺境伯を行かせるのは個人的には反対です。 ここは侵入者が何者か不明で敵意のある存在の可能性も踏まえ、複数人の冒険者で調べた方が良いような気がします。 予測される事故は崩落や生き埋めとかですが、実際の状態を見ないと何とも言えませんね…少なくとも辺境伯を行かせるのは本人が希望しても反対です。 私が護衛に付くなら働き過ぎないように釘を刺す事は物理的に出来ますが、個人で調べたい事もあるので交代制にするのも手でしょうか?
キャスターのリコリス・アデュラリアと申します。 ……よろしくお願いします。 >査察対象 事故死偽装を含め、辺境伯を害するのであれば 護衛のしにくさなどから食糧倉庫や廃炭鉱坑道が候補に挙がりそうですし 特に警戒すべき場所のように思えますが 多少頭が働く相手であればあちらもそこまで考えていそうですね。 対象となる場所の所感については、イヴェールとほぼ同意見です。 少なくとも廃炭鉱は冒険者のみで行くべきでしょう。 >警戒対象 挙げられていない懸念としては……食事等への毒物混入でしょうか。 貴族ならば毒見役の一人ぐらい連れているかもしれませんが 護衛騎士の無力化後に辺境伯を連れ去るなりする可能性もありますし。 対策としては冒険者を始めとした信頼出来る者だけで 調理や配膳が出来れば良いですが あとは私の方で超味覚+医療・薬学での毒見も可能です。 ただ毒に当たった場合、ヒーラーによる解呪等の協力が必要となるので 実行も含めその辺りは相談出来ればと思います。 毒見ではなく、残留思念感応で悪意等の有無を確認するという手もありますし。 ただこの場合だと、実行役の立場や感情次第では防ぎきれないのが難点です。 >廃炭鉱坑道の侵入者 手っ取り早いのは現行犯で捕まえる事ですけど 侵入口や経路をある程度絞らなければ難しいでしょうね。 それに辺境伯滞在中は警戒し行動を控える可能性もありますから。
僕はウォーリアのアリオン。皆、よろしくね。 全部自分でやろうなんて、立派な領主様なんだね(アリオンには政治がわからぬという笑顔) 文章を読み間違えてたらいけないから確認したいんだけど、 ・4つの要査察箇所は査察団として全て回る必要がある。内2つ以上の辺境伯が直接出向く箇所を任意で選ぶ。恐らく時間的に全てを全員で回る事は難しく、危険回避のためにも班分けが必要。 で合ってるかな? これで良ければ、辺境伯には食糧倉庫と市長邸宅を見てもらうべきかなって思うけど。仮に何か大規模に事を起こそうとしてる人が居るなら軍資金と兵糧が動くだろうし。 あとは…依頼と直接関係無いけどせっかくだから、査察対象以外にも直接住民の陳情を聞く機会とか作れたら、なんだか良いんじゃないかなって思うよ。
シーフのナハティガル=ラーだ。――宜しく頼む。 >査察対象 辺境伯が直接出向く箇所を2つまでに絞るなら、俺も食糧倉庫と市長邸宅の2箇所を推す。 今回の査察目的は、領内の食糧事情悪化に伴う領内環境整備だからな。 上記の2箇所は辺境伯本人に直接確認して貰わなければならない部分が多そうだ。 残りの2箇所――大規模孤児院と廃炭鉱坑道は俺達だけでも何とかなりそうではある。 >孤児院長 先代北方辺境伯以前からの付き合いとの事だが、それだとかなりの高齢の筈なのに見た目は壮年まで至っていない……というのが気にはなるな。 エルフか、他の長命な種族なのだろうか……? >廃炭鉱坑道の侵入者 『"掘り出した石炭を運び出した痕跡"が一切無い』と言われている事から、採掘だけして放置しているのなら ――坑道内で何らかの儀式でもしているのかもしれんな。
アリオン氏はその認識で間違っておりませんよ。 >視察先 安全を考えるなら、廃鉱は間違いなくアウト、でしょう。 あくまで伯には本来の仕事としての視察をしていただき、余剰に関しては冒険者側が行う、という程度で。 伯の直衛は当然、先行する存在は必須ですかね。 それと、情勢からして、倉庫を見ない、というのはあまり考えにくいので。そこに関しては予定として入れ込んでいい気がします。 あまり手札を伏せたままでも悪いでしょうからね。 個人的に危惧している点について、多少明かしておきましょうか。 >廃鉱 そもそも盗掘自体の真偽から、ですね。 ”街の大人が僅かな痕跡しか発見出来ない有様”を、既に使われなくなった廃鉱からわざわざ見つけた、という動きが引っかかります。 ついで、”体内の澱のバランスを著しく崩すと言う、病”…他にも同じ鉱脈や算出があるにもかかわらず、まるでここでしか起きていないような不可解な病気。しかも澱への干渉です。 仮に、この症状が体の自由を奪うような、なら…イヴェール氏やナハティガル氏辺りは何か引っかかるものがある気がしますね。 >視察 評判に引っかかる気もしますが、誰を信用して誰を信用できないか、となる以上、辺境伯が視察に赴く箇所の情報は偽造する、というのも一つの手、です。 それと、待機している騎士団も、万が一モグラが入り込む可能性はありますからね。
情報屋のルチルだ。よろしく。 >査察対象 食糧倉庫と市長邸宅で同意だ。 辺境伯という要人が赴く必要性、予想される危険やそれに対応できる余裕を考えればその二つが妥当さね。 査察先の情報を偽装するかについてだが、勢力図が不明の状態でそれをするのは悩ましくあるな。 誰が敵対者かわからないってのには同意だがね。 やるならの話だが、「辺境伯が来る」という情報があれば警戒させちまいそうだし、伝令や話の流れやらで先行が抜き打ち的に踏み込んだ方が角が立ちにくいだろうか。 >護衛 他所の捜査に差し支えない程度に希望者が側近、個人的に調べたい事があれば交代制でいいと思う。 毒を仕込むとか、“事故”や“賊に襲われた”などの建前が使えない手段に踏み切れる段階かは疑問だが、用心に越した事はないだろう。 >洞窟 まあ見るからに真っ黒だろうな。推察する情報がある者は余計に。 周囲のエーテルそのものに仕込みがあるなら、授与者にも少なからず影響があると見て間違いないだろう。 踏み込むなら複数人、それもヒーラーは必須だろうね。 後は、査察対象候補に入ってないので見当違いかもしれないが、流行り病になったという鉱夫の容態も気になる所ではあるね。 個人的な興味であれば、孤児院長にあるが調整の必要があれば合わせるよ。
ウォーリアのアデッサ・ハーレイという。 今回は宜しく頼む。 >辺境伯の査察対象 辺境伯には食糧倉庫と市長邸宅に赴いてもらう方向で異論無しだ。 情報漏洩を極力避ける為、抜き打ちで査察を行う案も良い手だと思う。 >振分け ざっくり分けるとこの三ヶ所になるか。 ・辺境伯の護衛 ・廃炭鉱坑道の査察 ・大規模孤児院の査察 辺境伯の護衛は交代制、廃鉱と孤児院の査察は希望者で行うという認識で合っているだろうか? 廃鉱の査察は危険度が高そうなので、可能な限り集結した状態で赴いた方が良いように思う。 >廃鉱 最近、巷で話題となっている「ホムンクルス」の額にも鉱石のようなものが埋め込まれているらしいが…… 黒煙街の廃鉱で採取される石炭と何らかの関係があってもおかしくはないかもな。
手札を開かされると逆に警戒してしまうのですが…裏はあるでしょうし( >査察対象 こちらは食糧倉庫と市長邸宅へ辺境伯には行って貰う方向で確定しても良さそうでしょうか? 抜き打ち査察は辺境伯が街に来る、という情報が先に回っていたら効果は限定的になるかもしれませんね… 滞在にあたって受け入れ側の準備もあるでしょうから、伝令が先に街に来ていたと思いますし。 >廃鉱 痕跡を発見した経緯は私は街側で定期的に見回りをしていて、その際に痕跡を見つけたのかなと思っていました。 詳細は実際に発見した人達に問わないと分かりませんが…確かにわざわざ廃鉱を調べて欲しい、と言わんばかりの動きには感じてはいましたが… それが辺境伯を狙ったものなのか、そこを恐らく調べるであろう冒険者を狙ったものかは分かりませんが。 引っかかるもの…まさかゾルの影縫いの毒の事を言っておられるので? あれの出所は裏社会に流通してるというだけで、確かにはっきりしたものではありませんでしたが… 実際どのような症状が出たか、記録を調べるか当時を知る人、それこそ流行り病になった鉱夫の方がいれば話を聞けるとより分かりそうなのですが… ホムンクルスに埋め込まれた石、賢者の石については火山の地下にいるクリーパー由来ですから、場所も離れてる今回の件とは恐らく無関係ではと…
キーゼさんありがとう!安心したよ。 >査察先の秘匿 査察先として挙げられてる4つの内、廃坑以外は多分最初から予定に入ってたんじゃないかな。何かを隠すとか、辺境伯を罠にかける気が有るなら既に準備は終わってるだろうし、効果はどうなんだろう。全く予想外の予定をでっち上げるとかなら混乱させる事は出来るかも? 廃坑も、罠として話題に挙げたんだとしたら、敵の読みは「戦力を廃坑に分散させて手薄な辺境伯を狙う」か、「辺境伯なら廃坑に自ら出向くからそこで仕掛ける」のどちらかだろうけど…僕は辺境伯の評判をよく知らないんだけど、どちらだと思う?前者だとしたら廃坑が一番安全な可能性すらあるよね。 >流行り病 エーテルに影響する人為的な病は他所でも見たことあるし、可能性としては持ってた方が良いよね。 >ゾル 僕はその人よく知らないけど、PL情報部分と一致する特徴があるなら可能性はあるのかな? その場合、例えば孤児院出身だったりする可能性はそれとなくあたった方が良さそう?
辺境伯にこんなところで詰まれても、面白みに欠けますからね。今回はきちんと協力しますよ。 >情報偽造 説明不足でしたね。”辺境伯がどこを見て回る予定か”というのを辺境伯及び可能であれば冒険者間のみで共有し、外部には嘘を流す、ということです。 イヴェール氏も触れていますが、既に辺境伯は査察にきていますから。今更抜き打ちをしたところで対策は取られているでしょう。 むしろ、何かを企んでいる勢力…それも辺境伯に悪意がある顔ぶれがいるとすれば、”辺境伯が来る”という情報があればそれなりの動きを見せる、と思っています。ついで、注意がそちらに向けば、辺境伯の安全も多少は増すかと。 当然、向かわない側にもダミーを仕込んで動き方を見る必要はありますが。影武者、といいますか。餌といいますか。 >査察先 そうですね、多少危険は伴いますが、倉庫は見たほうがいい気がしますし、市長宅は…まあ現状比較的安全、とは言えるでしょう。僕はその二点で構いません。
>査察対象 辺境伯には食糧倉庫と市長邸宅に向かって貰う事に私も異論ありません。 そしてその情報は確かに冒険者間のみで共有すべきでしょうね。 もし護衛の騎士にも護衛などで協力を求める、あるいは同行せざるを得なければ 事前に洞察などで信用出来る相手であるか、確認すべきでしょうか。 >査察方法 そういえば、特にこれといって査察の順番等の指定等は無いようですね。 あまり時間を掛け過ぎてはこちらが後手となりそうですが アデッサの言うように辺境伯の護衛役以外は廃炭鉱坑道の査察に向かうのも手かもしれません。 個人的には、他の査察対象での情報収集後 廃炭鉱坑道に向かった方が良いのではと感じていますが……。 何かしら査察及び調査に必要となる情報が得られるかもしれませんし。
すまん、書き損じた。 >情報偽造 辺境伯の行動予定は冒険者間でのみ共有し、外部には偽の情報を流して攪乱する案に異論はない。 だが、俺は情報操作は苦手なので得意な者に任せる。 >査察の日程 数日に渡って行なうのなら、 1~2日は辺境伯と共に食糧倉庫と市長邸宅を全員で査察。 3~4日は辺境伯の護衛に2~4名程残し、残りの面子で大規模孤児院と廃炭鉱坑道の査察。 上記のようなスケジュールも可能だろうか? >廃鉱 〝引っ掛かるもの〟というと、呪殺公主の『あかいせかい』の事だろうか? 現状では推測でしかないが、廃鉱で採掘される石炭は錬金術の触媒にも使われる……という事は。 『あかいせかい』発動時の糧となっている可能性はあるかと。 廃鉱で採掘される石炭には、エーテルに干渉する力があるのかもしれんな。 >影縫いの毒 あれはシャルガネ自治区より伝来した猛毒な為(恐らくは植物性か動物性?)、廃鉱とは関係ないように思う。
>査察スケジュール 辺境伯の生命の危険の考慮に加え、廃坑であれ何であれ、物理的な危険からもエーテル汚染からも彼を守りながらの調査に関しては、人数や時間的なリソース不足も考えられるし非効率的だな。 その意味では、彼には食糧倉庫と市長邸宅を調べて貰うという意見には同意であり、無難といえようか。 もしも現地の中に鼠が紛れ込んでいるとすれば、40人とそれなりに数の多い査察団か、危機管理能力に乏しいが故に間者の入る余地のありそうなヘディン都市長周りか… 接触の必要性があるとはいえ、洞察の他にはエンパシーも有用かもしれないな。 改めて倉庫の調査に暗視を、ならびに倉庫や市長邸宅に目ぼしい資料があれば資料検索をかけよう。 流行り病への対処の記録、カルテも見つかるかもしれんのだ。 情報の偽造に関しても、紙媒体であれば偽の資料を用意するというのも手か? >廃坑 件の公主に関しては、関連依頼の報告書を漁って回らねばならないから何とも言えないが。 流行り病にかかったとされる現地の人間の話を聞いたり症状を直接見てみる事前提とはいえ、調べた結果次第では調査にあたり地質学を使ってみるのも手だろう。 ただ私自身は、習得済みとはいえLv1でしかないのと、暗視と資料検索を担うつもりだから、覚えのある者が居れば任せざるを得ないが。
連投失礼する。 言い忘れたが、手持ちのOrbとDA褒章における交換を元手にサルベーションオールの習得に動いている。 習得が間に合えば解呪3と併せて持参し、廃坑調査の安全性をより固める事が出来る筈。 もう1つ特性を持ち込むとすれば光縛封あたりだな。
気付けば明日には出発ですね…念のための仮プレはお忘れなく。 >ゾル あれの人柄は過去の報告書「【学乱】毒は大地を穢し」を読んで頂ければ分かりますが…気分の良いものではないですよ。 >廃鉱 まさか意見が割れるとは思いませんでしたが…「あかいせかい」の可能性については私は無いのではと思います。 まず「あかいせかい」発動の糧としているなら石炭も相応の数が必要になるはずです。 都市長が嘘をついている訳でないのであれば、運び出された痕跡が見つかっても良い筈では? マジカルポケットを使った可能性もありますが…あれは限界がありますし、特別な石炭という訳でもなければここで掘る意味はそうありませんし。 それに過去、呪殺公主が「あかいせかい」の発動の糧に石炭などの鉱物を使用した例は確認出来ていません。 いずれも自身のエーテルか、他人のエーテルを搾り取って発動に利用してます。 影縫いの毒について否定された理由は根拠があるからだと思いますが、言葉通りなら自治区から伝来した、ですよね?でしか製造されていない、ではなく。 あの男が製法を把握していて、その材料は鉱山からでも採取可能なものなら無関係とは言い切れないと思います。
>査察方法 時間をかけ過ぎるのは私も後手に回る気はしますね… 仮に辺境伯に行って貰う市長邸宅と倉庫を1日の午前と午後で回るなら…午前に市長邸宅を護衛と査察し、他の方達で倉庫を先に見回り安全確認を行い、午後に辺境伯の護衛組の役割を交代し倉庫を査察、邸宅での護衛組がそのまま個人調査に向かうという流れも出来そうですね。 廃炭鉱坑道の探索に護衛以外の人達を全員割くのは私も賛成ですが…役割はどうしましょうか? 実際に中に入る人達と入り口を守る人達と分かれる必要があるでしょうか? 数日に渡って査察を行うスケジュールは提案してみてになりそうですね。 私達の役割があくまで査察の補助と辺境伯の護衛ですから、行先はともかく、査察にどれだけ時間をかけるかは辺境伯の一存な気がします。
ところで、夜間シフトはどうします?辺境伯の護衛と言うなら、夜番も必要でしょう。 特に希望者が無ければ、僕が回りましょうか。特段個人的に調べたいこともないですから。
>査察スケジュール では各自で希望の査察先(護衛メインの者はその旨)を申請し、 査察に何日かけるかについては辺境伯に任せる方向で良いだろうか? >査察先の希望 俺は大規模孤児院と廃炭鉱坑道を希望。 >夜間シフト 全員で交代制が無難かと。 >廃坑 取り敢えず、引っ掛かる事があるのなら各自で調べる方が良いのではないかと。 この段階で無理に統一する必要はないように思う。 影縫いの毒の由来に関しては〝【学乱】毒は大地を穢し』〟から。 効果については〝【学乱】さりとて毒は求められ芽吹く〟の解説に記載してあった。 シャルガネ自治区に鉱山はなさそうな事と、猛毒表記とエーテルに干渉する石炭が結びつかなかった事から、 個人的には関係はなさそうだと思ったが…… 無関係とは言い切れないのは確かなので、気になる者はその線で調べてみても良いのではないだろうか?
もう明日出発なんだね。 >査察先の希望 調べものも得意じゃ無いし、基本的に辺境伯張り付きで護衛しようと思うよ。 >夜間シフト 皆で交代しながらだね。市長邸宅内の見回りとかになるかな。
では、こちらは偽情報の流布でしたり、裏方の方を専念させていただきますね。 表立って、というのはあまり得意ではないですから。 可能な限り少ない日数で負担を少なくできるようにしておきたいところですか
>査察スケジュール 今挙がっているように時間に関しては辺境伯次第かと。 あとは、別に一つの場所につき査察は一度のみとはされていませんし 必要と判断したら再度調査をしたいと辺境伯に申し出ても良いのでは? >夜間シフト 交代制で異論ありません。 人数的には半数ずつで、辺境伯との同室は同性が推奨でしょうか。 あとは有事の際に笛を吹くなりして周囲に知らせた方が良いかと。 >査察先の希望 大規模孤児院と、あとは廃炭鉱坑道を希望ですね。 必要であれば調整は可能です。 >辺境伯護衛 私は夜間を除けば食事時に毒見を行う程度になりそうでしょうか。 >廃鉱 気になる事は各自で調べるとして 辺境伯が不在であれば入口は特に守る必要は無い気もしますね。 連絡もなく予定時刻に帰還する事が無ければ 辺境伯と護衛班に異変は伝わる筈ですし。 もっともこれが罠で、様子を見に向かった辺境伯達が標的となる可能性はありますが。
>査察のスケジュール 日数の決定は辺境伯次第、だが炭鉱の調査に割ける人員を多めに取れるように調整した方がいいと思う。 イヴェールの言うように午前と午後で複数個所で査察を行う方が、複数回の調査や個人の時間が取りやすいんじゃないかね。 >夜間シフト 交代制で異論はないよ。 >査察先の希望 大規模孤児院。他に入れるなら人手の足りない所か。 坑道の調査についてだが、調査する者達に栗鼠をつけて外の見張りと万一の連絡役をやらせてもらいたい。 確かに一番重要なのは辺境伯の無事だが此方に何かしらの被害が発生しても不味い。 分身なら消えるような何かしらが起きても損害が薄いし、保険として入れても差し支えはないと思うが。
>査察のスケジュール 炭鉱の調査に割ける人員を多めに取れるように調整しつつ、 日数の決定は辺境伯次第、……って方向で異論はないぜ。 >夜間シフト 交代制で了解した。 >査察先の希望 基本は辺境伯の護衛を希望。 ただ市長邸宅では資料検索スキルで調べたい事があるんで、 その時だけは付きっ切りって訳には行かねぇと思う。 廃鉱には今の所向かう予定はないが、人手が足りないなら行くぜ。 >光源 食糧倉庫と廃鉱に行く際は、各自で暗視か光源を用意しとかないと不味いかもな。 俺は暗視とランタンを持って行くつもりだが、エンライトを持って行く予定の参加者は居るかい?
夜間のシフトは、私も交代制で問題ない。 査察における私の行先は、倉庫と市長邸宅を調べてみる。 倉庫での調査においては、私は光源たりえるアイテムやスキルは持てるだけ持って行くつもりで、エンライトを持参しよう。 ならばハーレイ、その時は私の世話になるか? 護衛に関してもスケープセイント持参で、別口で可能な限り対処してみよう。 毒見においても有用であれば善いのだが。
>ナタリア そいつは助かる。それじゃ、倉庫では世話になるぜ。
私は市長邸宅での護衛はお任せして先んじて倉庫を下見して現地に辺境伯が到着次第、護衛を交代する形になると思います。 あとは個人調査で孤児院に行くと思います。 >廃坑 そうですね、現時点ではどの可能性もあり得ますし、排除せずに調べた方が良さそうですね… まぁ言い始めたのキーゼさんなので何かは見つけてくれるでしょう。 話を振るだけ振って自分は調べませんよ?と言われそうですが( 私も入り口に誰かはいた方が良いと思っていたのでグレイハーツさんにやって貰えるなら助かりますね。 念の為、グレイハーツさんご本人の自衛にもお気をつけて頂ければ。
取り急ぎになりますが、ルチルの見張りの件は了承しました。助かります。 確かに、辺境伯が無事でも彼の性格的に こちらに被害が発生しても相応に問題がありそうですからね。