【褪野】ラズライト・ビーチ開発計画
炙りとろ左門
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シナリオID:1862
オープニング
フェイデン子爵ノーキスは報告書を読み、眉根を寄せる。
「ドジなんですのね」
「なんだか……そう言ってしまうと気が抜けるというか」
どのような経緯でそのような形になってしまっているのかわからない以上、うっかりやドジと言ってしまうのはどうかとは思うのだが。査察官レヴィルは、ノーキスとエディン公子アリステアの会話を聞きつつ、決裁済みの書類をまとめる。
ノーキスとアリステアは現在、婚約者同士である。お互い、特にアリステアが特に異論なくそれを受け入れているのが意外ではあるが、そこはやはり、貴族としての役目を理解しているということなのだろう。
「ノーキスはすごいですね。こんなにたくさんの仕事を毎日こなして……」
そういうアリステアは、周辺領地から届いた手紙を一枚一枚開封している。2人の婚約を祝うものだ。
「領主ですもの。できないなんて道理は通りませんわ」
今でこそなんでもないようにこなしている仕事量も、最初のうちは右往左往していたという。大した成長だ。レヴィルはそのような姿を直接見たわけではないが。
「僕も……君の役に立てたらいいな」
「あら嬉しい。ではこちらをお願いできます?」
ノーキスは書類の束をふたつ、アリステアに差し出した。アリステアはぱちりと目を瞬いた後、手紙を置いてそれらを受け取る。
「ベイントン鉱山下層突入計画……そうだね、脅威は脅威だもの。なるべく早く取り除かなきゃ。それでこっちは……ラズライト・ビーチ……?」
「簡易港を作る予定だったのだけれど、それと合わせて小さなビーチを作ることになっているの。鉱山突入計画はともかく、そちらはまだほぼ白紙。その計画の取りまとめをお願いしたいわ」
「ぼ、僕が? そんな重要なことを?」
自分はまだこの地のことをよく知らないのに——とまで考えて、アリステアははっとする。この地にさっさと馴染んでくれという意図もあるのだろう、と。
「組の者を雇っても構いませんわ」
「……冒険者たちのことです」
はてと首を傾げるアリステアに、慌ててレヴィルが通訳する。ノーキスが用いる独特の用語を、アリステアはまだ全て把握していない。
「褪野には彩都開拓団という冒険者を中心とした組織がありまして。開拓団を通じて冒険者ギルドに依頼をかけるのがよいでしょう。それと、これはどんな計画にも大切なことですが」
レヴィルはぱらぱらと書類を捲り、予算の項目を指差した。
「……資金を確保することです。これがなければどんな立派な計画もはじまりません」
「お父様に頼むのは……だめなんだね?」
「はい。お二人の婚姻でフェイデンがエディン侯爵領に併合されるわけではありませんし、アリステア様は入婿ですから。あまりご実家を頼りにされますと、いらぬ波風が立ちます」
「……そういうことも、勉強していかなくてはね」
アリステアは沿岸部の地形図を見ながら、背筋を伸ばした。
解説
マスターより
リプレイ
エディン公子アリステアは、冒険者たちに礼儀正しく挨拶する。やや緊張気味なのは、任された仕事の大きさゆえだろう。査察官も当然領主の補佐に回っているため、リーラがいるとはいえども、冒険者との折衝はアリステアだけで挑まなければならない。
「ぼ、僕、いえそのっ、私は……」
緊張のあまり混乱しているアリステアに、リサ・ベイカーは柔く微笑んだ。
「アリステア様ですね。わたし、エスト・ポーラのリサと申します」
「ベイカー商会の方です。御領主様より、彩都開拓団の商人頭を任されております」
すかさず、横にいたリーラがアリステアにリサを紹介する。
「アリステア様にはまずざっくりと、現在の褪野の状況と、今進行中の政策、そして挙がっている諸方策についてご説明しますね」
リサがそう続けるのを、アリステアは小さく頷きながら受け入れた。
場所はフェイデン南部、「瑠璃浜」——という名で呼ばれることになる、また未整備の海浜だ。
青い海に白い雲。今は冬の寒々しさこそあれど、盛夏には眩しい陽の光がそそぐであろうそこへ、冒険者たちは立ち並ぶ。
「海も空も、綺麗だけどなー」
サイラスはその背後に聳え立つ断崖絶壁へ、そして浜辺へと視線を向ける。
「まずは掃除からかね」
● 白き断崖の海辺
褪野の地質は、すでに冒険者たちの調査によって明らかになっている。石灰質土壌が広がる南部では、その組成特徴をこの白き断崖が連なる海辺で確認することができるのだ。
「この景観の美しさは売りになるが、確かに」
ローザリカ・L・ディオールもまた海浜を一望してから、砂浜の惨状を見咎めた。
「おそらくは漂着物だろうか。これを撤去しないことには、はじまらないな」
砂浜には、流木や船舶の残骸をはじめとした漂着物をはじめ、大小の岩が散逸している。これではビーチ開発以前に、簡易港の建設もままならないだろう。
「海中の調査自体は前回までに終わっています」
海を初めて見たというアリステアに、リサは以前の報告書を差し出しながら、ルベア・ベルニなど他の冒険者たちによる調査結果を解説して聞かせる。
「——というわけで、今回は陸地側の整備計画を、ということですね」
そのルベアはというと、用意した麻袋を、流木や石類をまとめる袋とごみ類をまとめる袋とにわけていた。
「使えるものはなんでも使う……ということね?」
今回集まった冒険者たちの中から、流木類も資材として使えないかという意見が挙がったのだ。ビーチ開発の予算付けまで今回の計画案に入っているためである。
「あ、それ、こっちに置いてほしい」
ルベアが麻袋に目印をつけたところで、海神・江流がルベアを手招く。ざっと浜辺の状態を見た江流は、それぞれ効率の良い集積場所を決定していく。サマエラ=フォリウムもそれを手伝い、彼女や、エミリア・シバ、ベルク・オスマットが廃材運搬用に用意した荷馬車への誘導線を作る。
「ビーチにしたときに、どう道を作っていくかも考えていかないといけないね」
アスティン・ヴェルラインはその運搬道を確認しつつ、浜辺への道のあたりをいくつかつけていた。
「そうねえ……せめて荷馬車が通れるくらいの道幅はほしいところね。浜辺の整備は、定期的に行うことだもの」
エミリアはそう言いつつ、えいっとゲルの主軸を引き起こす。簡易休憩所の出来上がりだ。冬の潮風は冷たい。あたたまることのできる場所や、焚き火も必要だろう。
「じゃ、とりあえずデカいのは壊して小さくしますかねー」
サイラスが手近な小岩に向かってずんずん歩いていく。
「ラズライト、なんていうくらいだし? 中からなんか出てきたりしないかね。鉱石とか」
「そんなびっくり玉手箱みたいな……まあエーテルを含んだ岩石とかなら、揺満月のご飯になりそうだけどなあ」
はは、と江流は苦笑いしつつ、同じくまずは大きな障害物の除去に取り掛かる。
「白い砂を投入して、真っ白なビーチにしたら綺麗じゃないかなぁ……」
エルゼリオ・レイノーラは浜辺を眺め、そう呟いた。背後の崖の白さだけでもかなりの美しさだが、浜辺と合わせれば、話題性に事欠かなそうだ。
「白い浜砂ですか……」
それを聞き咎めたリーラが、ふむと考えこむ。
「砂自体は工面ができそうです。ですがかなりの量となりますから、資金面と運搬の便が整い次第となるでしょう」
「上から被せればいい、というわけじゃないもんね」
風、波、そして人の往来に耐えうる設計ともなれば、こちらも準備が必要そうだ。だが、エルゼリオが嘆息する前に、アリステアが後を継いだ。
「でも、魅力的なお話です。計画案の一部として取り入れたいなと……思います」
「ぴーっ!」
エフィルミアは浜辺で震えていた。
水着は海における正装。つまりこの姿は気合とやる気の表れ。先日別の依頼で冬の海に潜った彼女にはこの程度——うん寒い。
「可愛いっつか見てて寒い! 海入らないのになんで水着なんだよ!?」
見かねたナキルがエフィルミアを自分のマントで包む。正直水着姿はかなり可愛いと思ったが、冬場ということを考えれば体のほうが心配である。
「ちょっと小さくて前がきついけど文句言っていられないし借りるね!!」
「小さくて悪かったな!? 無理すんなよ」
次はワンサイズ上の上着を買おうかなと思った。ナキルはエフィルミアを直視できずに視線を逸らしたまま、サイラスや江流が小さくした漂流物や岩の破片を回収しに向かう。
その後ろ姿、赤くなった耳を見つめたあと、エフィルミアはナキルから借りたマントの襟を手繰り寄せる。
(当たり前だけど、ナキルくんの匂いがするな……)
それがなんだか気恥ずかしく感じられる。だが今は依頼中。エフィルミアはぱんと両頬を張ると、波打ち際のごみ掃除をはじめた。
砂浜で貝殻拾い、などというとなかなかロマン溢れるイベントに聞こえるが、多くの観光地では後から小さな貝殻を撒いている。漂着するような大きな貝殻は浸食や磨耗で鋭利になっており、足を傷付ける恐れがあるため、事前に回収しておくのだ。
「大きいのはインテリアになるし!」
使えるものはなんでも使う。
エフィルミアが波打ち際の掃除に邁進している、その少し離れたところで、ルベアは準備体操を終えた。
正直冬の海に潜るのは気が進まないが、前回の調査時とは季節も異なる。情報を更新しておく必要があるだろう。
思い切って海へと潜る——が、想像していたより水は冷たくない。尤も想像していたよりは、であって、冷たいことは冷たいわけで、長居はできなそうだ。というかしたくない。
ルベアは魚の生息分布に着目した。前回記録した魚群とは異なる種類の魚が泳いでいる。もしかしたら、季節ごとの潮流変化によるものかもしれない。
何尾かそれらを確保して、ルベアは浜へあがった。それを、エミリアが出迎える。
「お疲れ様。あっちに火を熾しておいたから、あたってね」
「ありがとう、助かるわ。……魚は、組織的な漁をすると多分獲り尽くしてしまう程度の量だけれど……やっぱり前に案として出た、ボートツアーなんかはいいかもしれないわね」
そんな話をしつつ、ルベアは焚き火のそばに腰を下した。
そばに建てられたゲルの中では、ローザリカとジュスト・ヴェルジーが細々とした作業を行なっていた。
「いや助かる、従弟殿。僕のか弱い細腕では、これらを持ち歩くので精一杯だったからね」
「いやそれも途中からは俺に持たせ——」
「人聞きの悪い。君が僕を気遣ってくれたんだと、そう認識しているが?」
ローザリカがバックパックの中に詰めた小石や貝殻。それらを(ジュストが運んで)使えるものと使えないものに分別していた。
予算の都合をつけられるかまだ不透明な中、少しでもその足しになるようなものは作っておきたい。水でこびりついた砂泥を洗い流すと、美しい桜色の貝殻がその姿を表した。
「これは欠けもほとんどないし、加工できそうだ」
「うーん……思ったんだが、石に関しては……もしかするとあの崖から崩れてきたものなのかな? そこそこ脆い」
ローザリカが白い小石をひとつ掲げる。であれば、とジュストは石の詰まった袋を覗き込んだ。
「利用の幅は広がりそうだ。肥料でも、建材にでも、ね」
Alexandra・Hexe・Claudiaは白い崖をじっと見つめ、考え込んでいた。そこへ、マジカルポケットやバックパックを駆使して漂着物を運んでいただわが通りかかり、話しかける。
「どうしたんだ?」
「あ……はい。少し考え事を」
そう言って、Alexandraは崖を指差す。
「石灰質の崖。このような形状になっているのは、潮風や雨、時には波にに長年曝された浸食の結果で……つまり、それはこの先も長い時間をかけて行われるということで」
「……ああ、なるほど。崩落するということもある、と」
「はい」
それは、観光地にするのであれば考えておかねばならないことだろう。自然が人間の予想通りになることなどほとんどないのだから。
「そのことは、ええと……彩都開拓団、だったか。その土木担当に話を持っていくのがいいんだろうな。部門はどうなってるんだ」
だわの問いに、Alexandraは指折り数える。
「工芸、採掘、農業、漁業、牧畜の5部門であったと記憶しています。……建築や土木に関する分野は……うーん」
これは、領主へ提案が必要だろうか。崖のことは、ひとまず計画書に懸念事項として盛り込んでおくこととしよう。
「よし。失礼しました、手伝います」
「……ん、だが」
Alexandraは華奢だ。だわの回収した荷も軽いものではないため、持たせるのはやや気が引ける。
「そうだ、焚き火付近で……エフィルミア……だったかな。料理をするというから、」
「行ってきます」
だわが「彼女を手伝ってほしい」と言い終わらないうちに、Alexandraはその場を離れていた。その鬼気迫る、というよりは破滅を見たかのような表情にだわはきょとんとしたあと、遅れて小首を傾げた。
● 新生計画書
無事に昼食を終え、冒険者たちはゲルとその周辺に集っていた。ビーチの整備があらかた片付いたところで、メインである整備計画のまとめにとりかかるためだ。紙を広げてペンを持ち、まずは午前中に集めた情報を整理する。
「食用魚が獲れたという話は聞いていたが……随分大きかったんだな?」
サマエラの手元には焼き魚のソテーがある。ルベアが獲ったもので、秋口には見られなかった魚だという。その大きさから数尾のみを回収したが、それだけでも17人の昼食を賄えている。
「数はそう多くないの。だから、できるだけ周辺集落の食糧として確保するにとどめておきたいわ」
ルベアの言葉に、サマエラは頷いた。
「なるほどな。……確か、潮流が変化しているのかもしれない、と……であれば、回遊魚かもしれない。集落住民の食糧へ回すのを優先とするのには、私も賛成だ」
「他の観光資源っていうことなら……エミリアさんとは少し話したんだけど、季節ごとに海の魚に違いが見られるなら、ボートツアーとか、あとは鍾乳洞の玻璃花とか、かしら。あれは、鉱山のよくわからない敵をどうにかしないといけないとしても……。工芸周りでも、資金を稼げるといいのだけど」
どう? とルベアが近くに座っていたエフィルミアへ話を振る。
料理の味見役となっていたエフィルミアは、小さな巾着袋を取り出すと、その口を開けた。
「これ! 浜辺で綺麗な貝殻だけ仕分けたの」
「ああ、それは使えそうだね。俺たちも取っておいてある」
エフィルミアに続き、ジュストとローザリカが、綺麗な石や貝殻を詰めた袋を前に置いた。
「アクセサリー以外に工芸品に使うなら、器の飾り付けに、などだろうか。あるいは欠けた物も、砕けば何かに使えるのかもしれない」
ローザリカが桜色の貝殻を手に、その表面を指で軽く撫でる。
「一応、数とかのメモがこれ。あとで集計するか」
ナキルが巾着袋の中にメモを折りたたんで入れ、口を縛る。それを膝の上に乗せたエフィルミアは、宝物を抱えた子供のようにほくほく顔だ。
「形のいい流木や岩も、インテリアとして再利用したいかも。乾かしたり、削ったりという必要はあるかな……」
「そうだね。流木なんかは、加工することで名物にもできそうだ。自然の、独創的な造形。唯一のもの。そういったものこそが価値を産む」
ローザリカは、流木のくぼみにキャンドルを嵌め込んだり、土を入れて植物を植えたりといったインテリアを見たことがあると話しつつ、「陶芸品を嵌めて、流木の一輪挿しなんかも面白そうだね」と締めた。
「となると、予想出費とかも計算していかないとだ」
サイラスがそれらを議事録としてまとめる。ベルクもふむとそれを覗き込んだ。
「後々も整備計画が続いていくことを考えると……保守整備やそれに伴う予算運用なども必要となるわけだ。となるとできてからではなく、今からそのための組織体制は作っていくべきだと愚考する」
「ああ、運用組織ね。そりゃそうだわ。書いとこ」
サイラスがペンを持ち、一旦止めた。
「なんかもう構想とかある?」
「そうだな……港湾運用部の一部署として作ることで、縦割り行政ではなく港湾の一部として運用できるようにする、というのはどうじゃろ」
「なるほどね。じゃあ書いとくんで、領主に判断してもらおうかねー」
ベルクは白湯を啜る。刻んだ生姜と蜂蜜を溶いたものだが、これがなかなかあたたまる。
「今回回収できたものについては、以上かの?」
「そうだね……石灰系のものは資材として運用してもらうとして。整備道のほうはどうなっていたかな」
そう、ジュストはアスティンに水を向けた。アスティンはすでに詳細をまとめた紙束を輪の中心に置く。
「使えそうな道はすでにロープを張って、廃材の運搬ついでに踏み固めをしてるところ。柵とか石垣がいるかどうかは、今後考えていけたらと思うよ。景観を遮ってしまったり、拡張予定がある場合はいらないしね。これは地図上に主要道を書き込んだのと、距離とかのメモ」
「か、確認しますね」
アリステアがそれを確認している間、サマエラは皿を置いて白湯を一口含む。
「……道の整備は、私も経験があるが……観光用に整えるとなるとかなり人手が要るので、今は最低限、整備に必要なだけは手を入れたいな。アレクサンドラからも話があったが、建築や土木関係の部門の新設も検討してもらいたい」
「彩都開拓団の新部門ですね。ノーキスに伝えておきます」
リサはアリステアがメモを取っている間に、皆の話を頭の中で纏めながら、何枚かデッサン画を完成させていた。
「それは?」
エルゼリオが横からそれを覗き込む。そしてリサが答えるより早く、ああと頷いた。
「理解が早くて助かります。アリステア様、こちらが現在のビーチのスケッチです」
「次は、この風景をどうしていきたいかを考えないとね」
エルゼリオは待ってましたとプレゼンを開始する。
「観光地として誘致するなら、いろいろ施設があった方がいいと思うんだ。宿泊施設はもちろん、東屋や遊技場とか。売店や管理棟も必要だし。ビーチの利用料を無料にするなら、馬車置き場とかロッカーとか、浴場の利用料で賄っていったりね」
まあ、とエルゼリオは肩をすくめてみせる。
「問題は資金繰り……」
「それなら、俺やリサ嬢の出番かな」
ジュストはエルゼリオが挙げた施設の繰り返し指折り挙げつつ、これなら、と続ける。
「商人や経営者、投資家に優先的に良い土地などを提供することを条件に、出資を募るとか。ビーチについてはもう話が広まり始めるだろうし」
「そうですね。まだ現状では……かなりの冒険家が集まりそうですが。それはそれで、ノーキス様とは相性がいいかもしれません。融資してもらえそうな商会の選定も盛り込みましょう。最終的な判断はノーキス様ですが……提案がなければ何も始まりませんからね」
そして、リサはアリステアに視線を向ける。
「では、アリステア様。これに必要な一手はなんだと思いますか?」
「い、一手、ですか」
資金を調達する……出資家を釣るための、いわば餌。美味しい思いができるだろうという推測を導くための要素が必要だ。アリステアはしばらく考え、ふと、顔を上げた。
「褪野で酒造は、どうでしょうか」
「お考えがあるのですね」
「り、立派なものではないですけど」
ジュストに謙られ、アリステアは逆に背筋を伸ばす。
「リサさんから軽くお話をいただいた中に、果樹を栽培しているというものがありました。それをすぐに利用することは難しくても、果実を使ったお酒で……あ、あの、故郷のエディンは酒造が盛んで。だからぼ、わ、私も多少、酒造の知識はあるんです。それを生かして、褪野の海岸で飲める特別なお酒を作れたら、と」
「海岸で飲める、特別なお酒……?」
リサは首を傾げる。アリステアは頷き、「エスト・ポーラにもあるかもしれません」と前おいた。
「エディンでは、あまった果実をいろいろワインに漬け込んで、冷やして飲むというものがあるんです。これがとてもおいしくて。清涼感があるので、海辺で飲めたら雰囲気が合うのかもしれないとずっと考えていました。エディンは内陸ですから、そういう機会はなくて……」
「なるほど」
それまでやりとりを見守っていたリーラが鷹揚に頷いた。
「エディンから酒と果実を取り寄せて、作ってみましょうか。それを会合で振る舞ってみましょう」
「じゃ、まとまりそう?」
サイラスが顔を上げる。アリステアは頷き、冒険者たちに軽く頭を下げた。
「ご協力いただき、ありがとうございます。皆さんのおかげで、なんとか形にできそうです!」
「じゃ、休憩はさんだら、廃材運び出して帰ろっか。書き物もここでするより、屋敷でする方がいいだろーし?」
サイラスがうんと伸びをする。そこへ、エミリアが入ってきた。
「雨、降ってきそうよ。ちょっと急いだ方がいいかもしれないわね」
「うわ!」
ばたばたとあわてて皆が帰り支度を整える中——アリステアはどこか楽しそうに笑っていたという。
マスターコメント
イベントシナリオ普通 報酬:標準15 / 4〜25人
2022年02月01日 11時01分17秒 公開
参加者
相談掲示板
「ナキルだ、よろしくな! ……壁のクリーパーは今回、触れねぇのか……ちっと勢い余ったか。 よし、これからどうするか考えるぜ!」
No.2
サイラスだ、よろしくなー ちょっとしたくらいならマジカルポケットとか、台車とか馬車とか用意出来たらそれでも運搬できそうやなぁと。後火力で粉砕して一つ当たりの重量減らしたり筋肉でとか。 後は道中整備の方、建築土木とか地質学とか辺り有ると効率いいかな?と。 ついでに特徴狙うのどうするのけ? 2と4いきなりダイス次第で大惨事が見えそうなんだけど
ごきげんいかが?冒険者さん! お集まりいただき感謝に堪えませんわ。何か分からないことがありましたら出来る限りでお答えしますので、お気軽にお声がけくださいませね。
クラウディアです。よしなに。 ―ふむ。 先ず当該依頼に係わって…〈地質学〉に関しては私が専攻しております。 ただ、どちらかというと小規模な採取・実験で親しんできた性質なので… 大規模な整備に関しては、別に識者を呼んで擦り合わせができればと。 次いで内政ですが。 これは早々に人物・組織を採ってしまうのは如何でしょう? 現状は外様が入ったとてすぐ浸透できるような要件も多くない。 領内の機能諸々を拡充した頃になって悪意が一枚噛むよりは、余程対処が容易ではないかと。
海神江流だよ。今回は宜しくね。 ノーキスさんは、いきなりでごめんなんだけど確認を。 >■目的(内政ミッション) >ラズライト・ビーチの整備計画立案と財源確保 って書いてあるんだけど、今回俺達がやらないといけないのは ”ラズライト・ビーチの整備計画立案と財源確保”がメインで、内政ミッションってのは参加者がプレイングの中で票を投じることで今後の展開に影響が出る+αというか、もう1つの要素みたいな認識で良かったかな? 勿論、内政の選択とメインのプレイングが連動して裏付けがあった方が手厚いんだとは思うんだけど。それで見当違いなプレ作っちゃうと申し訳ないので、確認させてもらえれば。
ベルクだ、よろしく頼む。 整備計画と財源確保か。 後々のことを考えると整備計画と財源運用を行う組織的なのを作ってしまった方がいいかもしれんな。 ビーチなどは作ったらそれで終わりではなく保守整備の計画や財源運用も必要になるわけだし。
【A1】 お答えしますわね。MSの書き方が分かりにくくて申し訳ないですわ…あとでシバいておきますのでご容赦くださいませね。 おっしゃる通りの認識で間違いありませんわ。今回のメインは「ラズライト・ビーチの整備計画案」と「その財源確保案」の提出ですわ。領地特徴の決定は投票形式ですから、各自お好みのものを選んでいただけると嬉しいわ。
ノーキスさんは回答ありがとう。 認識が間違っていないようで安心した。 財源確保がやっぱ重いよな。 サイラスも言ってくれてるけど、内政ミッションの方は2と4は初手で選んで外れ引くと目も当てられない気もするんで、個人的には1の産業を選んでみようかなと思ってた。 でも、クラウディアさんの案だと今の段階だと外れを引いても対処しやすいから、先に。って事だよね。なるほど、そういう考え方もあるか。 ここはもうちょっと考えてみようと思うよ。 整備は取り敢えず出来る事からやっていくしかないとして、資材や撤去した物を運搬するのに荷馬車はあったら便利そうってのは同意。これは俺も用意できる。 あとは現地での作業拠点になりそうな小屋とか建てておけたら便利そうかなとは思ったんだけど、流木は建材には向かないんだっけ?
No.9
まあ内政はみんな好きに選んで運に任せるも有りよねって(何もないから方向も何もねぇ) 流木は建材にできなくも無いけど皮剥がしたりその前に煮沸消毒とかした方よかよー。そもそも小屋立てれるサイズと数の流木あるから分からん 後はここビーチよな?整備計画段階で盗賊だのの噂が初手で流れると印象覆すの手間でもあるのよねと。初手の印象って凄い残るし、また整備段階でそんなに綺麗でも無いとか混ざるとねー。 まあどれでも結局なんとかすることになるだろし、お任せでいいやなと。 個人としては少なくとも難民(今来られたら厄介事極まりない)裏切者、犯罪者の三つハズレに見える2以外から選ぼうかと
商人のリサ・ベイカーです。よろしくお願いします。 特徴については、個人的には、5の文化かなと思ってます。 理由は、今後領地を発展させる上で、経済活動の指針となるのは文化かなと。 その土地の文化に合わせて商業は発展していくものと考えていますので。 まあ…鶏と卵の議論にもなり得るので、あくまで個人的意見と言う事で。 〉ビーチ 久しぶりで忘れてしまったのですけど、そんなに豪華なものには出来ないでしょうから、無難にお掃除な感じからスタートですかね。 浜に降りるためのルート整備とかもしておきたいですね。
「……リサは流石だなぁ…勉強になるぜ。…個人的な趣味で【4】になりそうだったけど なるほど、その地域独自のモンってのがしっかり育ってくれてる方が基盤が肥えるのか…。 >ビーチ 整備するってコトか…?そりゃ、とりあえずはゴミとかの掃除からだな。 >海神 流木は芯が腐敗してておかしくねェな……真水ならともかく、海水で湿った木は肥料にもならねーだろうなぁ…。」
シューターのアスティン。よろしく。 <ビーチの整備 んー。現状でできそうなのはみんなの話もまとめると 1.ゴミ、流木、岩の除去 2.ビーチへの導線の最低限の確保(完全な整備は後々) 3.財源関係の計画整備 こんなかんじ? 財源ってなるとのちのちは観光資源で収益、ってことだけど。 現状で行くなら、海産資源の活用とかになるのかな・・・? <内政選択 んー・・・・・。個人的には、 鉱山のクリーパーの件が終わるまでは2と4はきついと思うんだよね。 政治家、裏切り者、犯罪組織、あたりが来るとその辺りを取っ掛かりに 面倒な煽動、暗躍されると鉱山や水晶をベースにしてる復興計画や出資関係にダメージや 利権食いがありそうで。 ベイカーの言うように文化基盤を作ってしまうか、 産業基盤を確立してしまうと、後々の発展や財源基盤が 楽になりそうだなぁ、と個人的には思う。
だわと呼んでもらえれば。力仕事なら粛々と。 まとめ助かる。 海産資源の活用、よさそうだな。 観光がてら泳ぎたがる奴は遅かれ早かれ出てしまうだろうから、魔獣の類やクラゲ、サメなどの大型肉食生物なんかの生息調査もいずれは必要だと思う。それも整備計画の一環に入るのだろうか。 領地特徴は【1】産業基盤 を推したいが、【3】拠点 も捨てがたいな。 基本機能として、休息場所だけでなく建材・道具や経済資源等の倉庫となるだろう。 またビーチ整備とあわせて簡易港も作られるようだし、宿場町とまでは行かずとも人の集う基盤として機能し物流が生まれる見込みがある。今後の整備計画の一助になるかも、と。
エフィルミアです!よろしくお願いしますっ。 アスティンさんまとめありがとうございます! ゴミは使い道がないですけど、流木や石は加工してインテリアとかにしちゃえば 少しは財源確保になるでしょうかっ。 加工をして財源を確保出来るようなら加工技術や手工業が重要になってくるので 私は【産業】を選びたいなって思ってます。 流通は商人のリーラさんが得意としてるので、産業を上げておけば火の車なフェイデンの財源も少しは良くなるかなぁっと!
シーフのエミリアよ、よろしくね。 まとめなどありがとう。 内政に関しては私は今回は【産業】を選ぼうかと思っているわ。 『「……資金を確保することです。これがなければどんな立派な計画もはじまりません」』って言っているしね。 まずは資金の調達のために売れるものを作れるように産業を発展からかしら?と思ったので。 >ビーチ 同じくちょっと間が開いてるので初期の方の計画がうろ覚えだけれど。 海の生態調査なんかは確か一番最初にルベアちゃんがやっているはずね。 時期が違うから再調査もすべきかしらね? 読まなくても大丈夫だけれどといわれているけれど、一応下記のシナリオね https://alpaca-connect.com/world/world0/scenario/1176 アスティンちゃんのまとめで言うのなら 2.ビーチへの導線の最低限の確保(完全な整備は後々) これが一番重要かしら、と思ったわね。 ビーチの掃除するにしても、海洋資源や採掘での財源確保を狙うにしても、運搬用の道が整備されていれば効率的になるでしょうし。 とりあえず私は手持ちの馬と荷馬車、作業のための簡易拠点用にゲルを持っていく予定よ。
「【産業】か、それがよさそうだな。(頷き) ビーチの方じゃ、そうだな…砂浜は身体鍛えるのにも良いし。 でけぇモンから細かいモンまでガンガン運んで行くとするか…使うモンと、ただのゴミと分別とかはした方が良いだろうから、そこは合わせるぜ。」