【恋眼】ウィリアムの眼球(ひとみ)に恋してる

グリゼルダ

流石はウィリアム……まさか私達の包囲網を出し抜くなんて……。

ベラドンナ

逃げられたわね。私達の周りをチョロチョロしてた王子の部下達は今頃全員キメラゾンビに殺されてると思うけど。ねえ、『お義母様』。これからどうするの?

グリゼルダ

一度、神殿に戻りましょう。なんとしても彼を探し出さなくては……。たとえ、幾つ街を滅ぼしてでも! あの美しく蒼き瞳こそが、私が長年探し求めたアランと同じ瞳なのですから。

ベラドンナ

あんた……じゃなかった、お義母様の手下と私の眷属に王子を探し出すように号令を出しましょう。ヴァルザード領とその周りを重点的に探せば見つかるはずよ。それに、後援者フォロワーにも一声かけておくわ。

グリゼルダ

そうね! それがいいわ! ああ、ベラドンナ! 私の愛しい子! その聡明さ、美しさ! きっと貴女は私とアランの子の生まれ変わりに違いないわ! 貴女を養女に迎えてよかった!

ベラドンナ

……きっと邪魔が入るわ。お姉様とヤコブ様を殺した冒険者達あの連中より先に、ウィリアム王子を見つけ出さないとね。

ウィリアム王子が謎のストーカーの襲撃を受け、行方不明になったようです――
(11月14日より 【恋眼】連動シナリオリリース開始!)

assignment 【恋眼】ウィリアムの眼球ひとみに恋してる

【ウィリアムの眼球ひとみに恋してる】連動とは、青の親指グリゼルダによる、ウィリアム王子の眼球狩り騒動、そしてそれに付随して各地で起こる死霊術師やアンデッド達による一連の騒乱を指す。また、事件の背後にはウィリアムの眼球のみならず命をも狙う何者かの思惑もあるようだ。

assignmentこれまでの流れ

リーンエス王国の第二王子ウィリアム・リーンエスは冒険者としての活動を隠れ蓑に、王国南西部で頻発している美青年・美少女連続失踪及び死体損壊事件の内偵を進めていた。しかし、依頼帰りにその一帯を治めるヴァルザード侯爵の領地内にある山中で彼の両の眼球を狙う女「グリゼルダ」の襲撃に遭い、子飼いの密偵部隊を壊滅させられてしまう。ウィリアム本人は辛くも命を拾うが、自らの意志で王城へは戻らず、姿を隠した。グリゼルダは雲隠れしたウィリアムを探し出す為、手下達を総動員してウィリアムの捜索を開始する。一方、リーンエス王家もウィリアム捜索と現地調査のため、冒険者ギルドに協力を求めた。

person_pin関連NPC

メドゥの指先の幹部『青の親指』にして、卓越した技量を持つ死霊術師。特に死魂を利用した戦闘力強化術と、魔獣やクリーパーの死体を利用した改造ゾンビである『キメラゾンビ』の作成を得意としている。ヒステリックで気まぐれなパワハラ体質だが、自身と近しいものを感じるベラドンナには家族としての愛情を注いでいる。

《本連動での動き》

グリゼルダは死別した恋人アランを死霊術で蘇らせる為、大陸各地に網を張り、長年「器」にふさわしい死体のパーツを集めていた。本連動においてリーンエス王国の第二王子であるウィリアム・リーンエスの蒼い瞳に恋人の面影を見出した彼女は、彼の両の眼球を手に入れる為、ウィリアム王子を襲撃。王子は取り逃がしたが、随伴していた王子の密偵部隊に壊滅的な被害を与えた。もちろんウィリアムのことはまだ諦めておらず、全力で行方を追っている。

吸血鬼ヤコブ・ヴィリアンが「家族愛」をテーマに生み出した眷属の一人。「ヴィント奪還作戦」で主君ヤコブと片割れであった義姉ミモザを失ったが、ベラドンナ自身は生き延び、死体を求めてたまたま戦場付近に来ていたグリゼルダの養女として迎え入れられた。以前はほぼ独学で学んだ死霊術を操っていたが、現在はグリゼルダに師事している為、以前よりも高度な術を扱えるようになっている。

《本連動での動き》

自力では達成困難な自身の目的を果たす為、グリゼルダに協力している。グリゼルダからは自身の代理人として大きな権限を与えられており、グリゼルダの部下や自身の眷属を従え、各地で事件を起こさせている。

リーンエス王国第二王子。放蕩者の授恵者としての顔で各国を飛び回りながら、諜報面での活動も行っており、王族の中では特に冒険者とのパイプが強い。また、帝国奪還を志すレイウェスト皇子にも好意的であり、各国との交渉などの助力を行っている。諜報活動を得意としているが、授恵者としてのクラスはウォーリアであり、白兵戦において彼を上回る者はごく少数である。

《本連動での動き》

「たまたま両目が亡くした恋人にそっくりだった」という理由で、メドゥの指先幹部であるグリゼルダから襲撃を受け、子飼いの密偵部隊であった『リスの木』を壊滅させられた。ウィリアム本人は献身的な部下達のおかげでなんとか逃走に成功したが、グリゼルダの狂気に王都を巻き込むまいと考えたのか、今は自らの判断で姿を隠している。

大陸全土を飛び回っているハーフリングの行商人。ツインテールと背負った葛籠がトレードマーク。しかし実は行商人は真の姿を隠す仮の身分で、その正体はウィリアム王子の子飼いの密偵部隊『リスの木』の構成員の一人である。

《本連動での動き》

密偵部隊『リスの木』の数少ない生き残り。グリゼルダ襲撃の際には王子に同行していなかった為、難を逃れた。特にウィリアムに重用されていたわけではなく、むしろ帝国崩壊後にスカウトされた新人スパイなのだが、上司や先輩が軒並みグリゼルダに殺された為、戦時特例で密偵部隊の隊長として扱われ、王家と冒険者ギルドの仲介役となっている。冒険者よ、早く王子を見つけてくれ(切実)

ウィリアム王子の妹にあたる王女。長い金髪と大きな青い目のお人形のような少女だが、宮廷のドロドロ人間関係の中で生きているだけあって気が強い。第一王女かつ唯一の王女、しかも遅くに生まれた末っ子ということで国王や王太子、ウィリアム王子の寵愛を一身に受ける影の女王。

《本連動での動き》

兄のウィリアム王子が行方不明との報を受け、王子捜索とヴァルザード侯爵領周辺地域での調査の責任者として手を挙げた。ウィリアム王子の配下の密偵や王国騎士の取りまとめ役。王国では立場の弱い女性かつ若年ではあるが、パンクリアース学園のフォルトゥナ学園長のような「新しい女性像」の象徴に育てばと願う国王や王太子、重臣らのサポートを受けつつ事態の収拾に乗り出した。

menu_book関連用語・情報

死霊術

死霊術師ネクロマンサーと呼ばれる者が用いる、魂がマトリクス界へ向かう途上を邪魔して保管し、それをパワーソースに使うことを軸とする術。ロスガリア大陸の死生観に反する術なので、外法として扱われる。しかし、手っ取り早く力が欲しい者が飛びつく術でもある。
扱う死霊は人、動物など問わないが、昆虫の死霊などの術者に想像しにくいものは扱いにくい傾向にある。
術者が支配できる死霊の質と量は術者の力量に依存する。支配した死霊を燃料代わりにできるので自力よりも大きな規模の術を行使できるようになる反面、死んだ者のエーテルは基本的に生者の物より質が悪いので精密な術は行使しにくくなる。

キメラゾンビ

死霊術師によって改造されたゾンビの総称。素材に魔獣やクリーパーを使用することでより強力なキメラゾンビを作り出すこともできる。痛覚や恐怖はなく、特に頑丈な個体はバラバラにされるまで活動を停止しないものもいる。かつてヤコブ・ヴィリアンが作り出したバルディオンJrもこのカテゴリに属するアンデッドである。

ヴァルザード侯爵領と小領地群

リーンエス王国南西部の一地域。貴族派に属するヴァルザード・レギンレイヴ侯爵が治める大領地の周辺に、寄り子貴族達の小領地が複数集まっている。この地域では以前から美青年・美少女の連続失踪事件や死体損壊事件が相次いでおり、内偵に訪れたウィリアム王子もグリゼルダらの襲撃を受けて行方不明となった。

 ――今回は大した収穫は無かったな。

 蒼ざめた月の光を背に浴びながら、ウィリアム・リーンエスは深い森の中を歩いていた。
 リーンエス王国の第二王子であるウィリアムが授恵者であり、冒険者ウィルとして活動しているのは公然の秘密だ。大型クリーパー討伐の依頼を引き受け、難なく退治したウィリアムは、依頼に同伴した部下達と共に帰路を急いでいる。

「連中の尻尾は掴めませんでしたね。ウィル」
 ウィリアムの腹心、ハリーは嘆息した。彼が残念がっているのは、冒険者としての活動を隠れ蓑にした、ウィリアム率いる諜報部隊『リスの木』の本当の目的――すなわち、密偵(スパイ )としての活動のことだ。
 王国南西部、ヴァルザード侯爵領付近で起こっている美青年・美少女連続失踪事件。それを内偵する為、ウィリアムは普段は大陸中に散っている彼らに召集をかけ、冒険者としての身分で領内に潜入していたのだ。
 しかし、一週間かけて行った調査の結果は芳しくなく、犯行の確かな証拠は掴めなかった。黒幕については、まず間違いなくこの地方を治める領主の誰かの仕業だろうと目星は付いているのだが――。

「初めまして。ウィリアム王子。お迎えに上がりました」
 突然、女の声がした。ウィリアム達は反射的に武器を抜き、周囲の様子を伺う。
「誰だ! 姿を見せろ!」
 ハリーが叫ぶと、木陰から黒い花嫁衣裳(ウェディングドレス )を着た絶世の美女が姿を現した。もし社交界で出会っていれば、さぞや名のある貴族の令嬢だと思ったに違いない。背中に生えた、巨大な鎌を持つ第三の腕さえ見えなければ、だが。

「君は誰かな? 僕に何の用だい?」
 飛び掛かろうとする部下達を制し、ウィリアムは微笑みを浮かべて女に問いかけた。
「グリゼルダ、と申します。『青の親指』などとも呼ばれておりますが、今日はプライベートで参りました」
 女はドレスの裾を摘んで礼をしながら、ウィリアムに微笑みを返した。

 ――青の親指! 悪名高い『メドゥの指先』の幹部が何故ここに!? 誰かに僕の暗殺でも頼まれたのか? だが、今確かにプライベートで、と言った。王子は指で部下に合図を送りながら、グリゼルダの言葉の続きを待った。

「貴方はきっと、私が愛した人(アラン )の生まれ変わり……。ウィリアム、どうか貴方のその蒼く美しい瞳を、私にお譲り頂きたいのです」
「……は?」
 ウィリアムから変な声が出た。一体どういうことだ?

「それ以上王子に近づくな。死ね」
 次の瞬間、一瞬にしてグリゼルダの背後に駆け寄った少女が双剣で斬りかかった。死角からの完璧な奇襲だ。しかし、双剣がグリゼルダの首を断ち切ることは無かった。それより先に、グリゼルダの鎌が少女を真っ二つにしていたからだ。

「ネズミの分際で私とウィリアムの逢瀬を邪魔しないでくれるかしら」
「ミリィ!」
 部下の返り血を浴びたウィリアムは怒号を発しながら、グリゼルダへと斬りかかった。グリゼルダは全身から黒い炎を噴き出し、ウィリアムの斬撃を大鎌でこともなげに受け止めた。

「君には聞きたいことが山ほどあるが、痛めつけるのが先だ!」
「ああ、ウィリアム! そんな目で見つめないで! 滾(たぎ )ってしまうわ!」

「王子ィーー!」
「こ、これは!? 確か――キメラゾンビ!?」

 部下達は王子に加勢しようとするが、突然地面からボコボコと生えてきた異形のゾンビ達に行く手を遮られ、交戦を余儀なくされた。

「『お義母様』の邪魔はさせないわよ。貴方達にはお人形の相手をしてもらうわ」

 また新たな声。薄闇から滲み出るように出現したのは、野暮ったいドレスを着た幼い少女だ。その眼は人ならざるモノであることを示すかのように、赤く爛々と輝いている。
 吸血鬼ベラドンナの操るキメラゾンビ達に部下達の動きを封じられ、一対一の戦いを余儀なくされたウィリアムは終始劣勢を強いられていた。グリゼルダはウィリアムの剣をキックで弾き飛ばすと、恐るべき速さでウィリアムの懐に潜り込んだ!

「これが私の愛よ! 受け取ってウィリアム!」

 グリゼルダが放った掌打はウィリアムの鎧に深々と手形を刻み、彼を数十メートル後方に吹き飛ばした。

「かは……!」
「さあ、ウィリアム。貴方の眼球をよこしなさい。その眼こそ、アランの器の部品にふさわしい物なのですから」

 地に伏した王子へと、じりじり距離を詰めるグリゼルダ。その時、グリゼルダに光の矢が直撃し、濃い煙が辺りに立ち込めた。屍人形の隙を突いた部下の一人が、ウィリアムに助け船を出したのだ。

「お逃げ下さい、王子!」
「ここは命に代えても、我々が!」
 血まみれになりながら、部下達は必死に叫ぶ。

「――すまない。君達の忠誠に感謝する」

 ウィリアムはそう告げると、振り返らずに森に消えていった。

「ちょっと、何やってるのよ! 逃げちゃったじゃない!」

 自分の隙を棚に上げ、ベラドンナが叫ぶ。

「逃がさないわ! ウィリアムぅううううううう!! その両眼を私に頂戴ぃいいいいいい!!」
「行かせるかぁあああ!」

 ウィリアムの部下達は残り少ないエーテルを振り絞り、二人に向かって攻撃を仕掛けた。グリゼルダ達はウィリアムの部下達を適当にあしらい、大急ぎでウィリアムの後を追ったが、結局彼の行方は分からなかった。

 ●
 王国のどこかで、とある領主がグラスを傾けながら、部下の報告を聞いている。

「――それで、ウィリアムは死んだのか?」
「いえ、それが。仕留め損ねてしまったようです。奴らは今、全力でウィリアムの行方を追っています。また、ウィリアムの子飼いの部下達はほぼ壊滅したものの、どうやら逃げ延びた者がいたようです……」
「わざわざ奴らをまとめておびき寄せるお膳立てまでしてやったというのに、しくじるとはな。あの狂人め……」
「いかがなさいますか、――様。第二王子が行方不明となると、国中が大騒ぎになるでしょう。既に王家の姫が王国騎士団や冒険者ギルドに働きかけているという情報もあります。この地にも、何だかんだと理屈をつけて調査の手が――」

 部下の言葉に、男は少し思案し。

「――もはや賽(さい )は投げられた。ここで後手に回れば腰抜けの王族共に計画を潰される。キメラゾンビの量産を急ぐよう、工場長に伝えろ」
「は!」
 リーンエス王国に、新たな危機が迫ろうとしていた。
 執筆:おおくまねこ

【恋眼】ウィリアムの眼球(ひとみ)に恋してる1/2/決戦特設/エピローグ/褒章一覧
アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0