【恋眼】ウィリアムの眼球(ひとみ)に恋してる エピローグ

グリゼルダ
あああああああ! 何故何故何故どうしてどうしてどうして! ウィリアム! 貴方はどうして私の想いを理解してくれないの!? 冒険者達を雇ってまで私を追い返そうとするなんて!
ベラドンナの声
やられたわね。ヴァルザード侯爵は討伐され、私も工場ごと粉砕され、アンタの御自慢のキメラゾンビ達も全滅。――冒険者を侮っていたわ。まさか、私の方があんたより先に殺されるなんてね。
グリゼルダ
おのれ冒険者共め! 私の邪魔をするだけでは飽き足らず、愛しいベラドンナの命まで奪うなんて! あの連中に人の心はないの!?
ベラドンナの声
……じゃあね。グリゼルダ。私は先にミモザお姉様とヤコブ様の所に逝くわ。あんたはイカレてたけど、最後に少しぐらいは感謝してあげる。
グリゼルダ
駄目! 私を置いていかないで、ベラドンナ! ああ、冒険者達が腹立たしい! 恨めしい! 今にみてらっしゃい、この私を怒らせたこと、必ず後悔させてあげる! せいぜい、束の間の平和を楽しみなさい!
「【恋眼】決戦:ヴァルザード紛争」リプレイと特別褒賞一覧が公開されました!
(1月28日より 【恋眼】事後シナリオリリース予定!)
assignment 【恋眼】ウィリアムの|眼球《ひとみ》に恋してる
【ウィリアムの眼球に恋してる】連動とは、青の親指グリゼルダによる、ウィリアム王子の眼球狩り騒動、そしてそれに付随して各地で起こる死霊術師やアンデッド達による一連の騒乱を指す。また、事件の背後にはウィリアムの眼球のみならず命をも狙う何者かの思惑もあるようだ。
assignmentこれまでの流れ
リーンエス王国の第二王子ウィリアム・リーンエスは冒険者とのしての活動を隠れ蓑に、王国南西部で頻発している美青年・美少女連続失踪及び死体損壊事件の内偵を進めていた。しかし、依頼帰りにその一帯を治めるヴァルザード侯爵の領地内にある山中で彼の両の眼球を狙う女「グリゼルダ」の襲撃に遭い、子飼いの密偵部隊を壊滅させられてしまう。ウィリアム本人は辛くも命を拾うが、自らの意志で王城へは戻らず、姿を隠した。グリゼルダは雲隠れしたウィリアムを探し出す為、手下達を総動員してウィリアムの捜索を開始する。一方、リーンエス王家もウィリアム捜索と現地調査のため、冒険者ギルドに協力を求めた。
(2021/12/8追記)
王国騎士団と冒険者の合同メンバーで編成された捜索隊が襲撃現場で発見したのは、『僕はしばらく王都には帰れない。けれど、領内の捜索は続けてくれ』というウィリアム王子の残したメッセージであった。また、王子や直属の部下達が内偵を進めていたヴァルザード領近辺の美青年・美少女連続失踪及び死体損壊事件については、冒険者達の捜査により、メドゥの指先や悪逆貴族達、そして『来世の栄光』という名の宗教団体が関与していたことが明らかとなった。さらに、グリゼルダと利害関係にある死霊術師が起こした事件や、所属不明の吸血鬼による誘拐事件も報告されている。
(2022/1/7追記)
ウィリアム王子はついに王城へと帰還を果たした。冒険者たちがグリゼルダの背後で暗躍していたヴァルザード・レギンレイヴ侯爵の悪事の証拠を掴んだことで、「機は熟した」と判断したのだ。リーンエス国王ジョージ四世は直ちにヴァルザードに出頭するよう命じるが、侯爵はこれを断固を拒否。搭乗型神具『ティターン』で武装して居城に立てこもり、「来れるものなら来るがいい」と居直ったのである。
ウィリアム王子とメアリー王女は冒険者ギルドに協力を要請し、ヴァルザード侯爵とグリゼルダを引き離し、侯爵を討つ作戦を計画する。
assignment結果(2022/1/26追記)
リーンエス王家から出された侯爵討伐依頼は成功。黒幕であったヴァルザード侯爵は神具ティターンと共に爆発し、死亡。ウィリアムの眼球を狙っていたグリゼルダは引き連れていたキメラゾンビの軍勢と養女のベラドンナを失い、いずこかへ逃亡した。
person_pin関連NPC
メドゥの指先の幹部『青の親指』にして、卓越した技量を持つ死霊術師。特に死魂を利用した戦闘力強化術と、魔獣やクリーパーの死体を利用した改造ゾンビである『キメラゾンビ』の作成を得意としている。ヒステリックで気まぐれなパワハラ体質だが、自身と近しいものを感じるベラドンナには家族としての愛情を注いでいる。
《本連動での動き》
グリゼルダは死別した恋人アランを死霊術で蘇らせる為、大陸各地に網を張り、長年「器」にふさわしい死体のパーツを集めていた。本連動においてリーンエス王国の第二王子であるウィリアム・リーンエスの蒼い瞳に恋人の面影を見出した彼女は、彼の両の眼球を手に入れる為、ウィリアム王子を襲撃。王子は取り逃がしたが、随伴していた王子の密偵部隊に壊滅的な被害を与えた。もちろんウィリアムのことはまだ諦めておらず、全力で行方を追っている。
ウィリアム王子の偽結婚式の招待状に騙され、激昂したグリゼルダは、参加者を|鏖殺《おうさつ》し、自らがウィリアムとの婚儀を行うべく、キメラゾンビの軍勢を率いて式場を強襲する。
しかし、冒険者達に敗れ敗走。冒険者達への報復を誓い、いずこかへと逃げ去った。
吸血鬼ヤコブ・ヴィリアンが「家族愛」をテーマに生み出した眷属の一人。「ヴィント奪還作戦」で主君ヤコブと片割れであった義姉ミモザを失ったが、ベラドンナ自身は生き延び、死体を求めてたまたま戦場付近に来ていたグリゼルダの養女として迎え入れられた。以前はほぼ独学で学んだ死霊術を操っていたが、現在はグリゼルダに師事している為、以前よりも高度な術を扱えるようになっている。
《本連動での動き》
自力では達成困難な自身の目的を果たす為、グリゼルダに協力。グリゼルダからは自身の代理人として大きな権限を与えられており、グリゼルダの部下や自身の眷属を従え、各地で事件を起こさせていた。
頭に血が上ったグリゼルダに置いてけぼりを食らったベラドンナは、眷属達と共に重要施設であるキメラゾンビ生産工場の防衛にあたるも、戦死。眷属や配下の死霊術師達諸共、滅び去った。
リーンエス王国第二王子。放蕩者の授恵者としての顔で各国を飛び回りながら、諜報面での活動も行っており、王族の中では特に冒険者とのパイプが強い。また、帝国奪還を志すレイウェスト皇子にも好意的であり、各国との交渉などの助力を行っている。諜報活動を得意としているが、授恵者としてのクラスはウォーリアであり、白兵戦において彼を上回る者はごく少数である。
《本連動での動き》
「たまたま両目が亡くした恋人にそっくりだった」という理由で、メドゥの指先幹部であるグリゼルダから襲撃を受け、子飼いの密偵部隊であった『リスの木』を壊滅させられた。ウィリアム本人は献身的な部下達のおかげでなんとか逃走に成功したが、グリゼルダの狂気に王都を巻き込むまいと考えたのか、今は自らの判断で姿を隠している。
ついに王城へと帰還したウィリアムは王家の敵、ヴァルザード侯爵を確実に討ち取る為、自らを囮にし、グリゼルダを誘い出す偽装結婚式を執り行う。
大陸全土を飛び回っているハーフリングの行商人。ツインテールと背負った葛籠がトレードマーク。しかし実は行商人は真の姿を隠す仮の身分で、その正体はウィリアム王子の子飼いの密偵部隊『リスの木』の構成員の一人である。
《本連動での動き》
密偵部隊『リスの木』の数少ない生き残り。グリゼルダ襲撃の際には王子に同行していなかった為、難を逃れた。特にウィリアムに重用されていたわけではなく、むしろ帝国崩壊後にスカウトされた新人スパイなのだが、上司や先輩が軒並みグリゼルダに殺された為、戦時特例で密偵部隊の隊長として扱われ、王家と冒険者ギルドの仲介役となっていた。
その後、無事にウィリアムと再会を果たしたが、今回の件で顔と名前が世界中に知れ渡ってしまった。
ウィリアム王子の妹にあたる王女。長い金髪と大きな青い目のお人形のような少女だが、宮廷のドロドロ人間関係の中で生きているだけあって気が強い。第一王女かつ唯一の王女、しかも遅くに生まれた末っ子ということで国王や王太子、ウィリアム王子の寵愛を一身に受ける影の女王。
《本連動での動き》
兄のウィリアム王子が行方不明との報を受け、王子捜索とヴァルザード侯爵領周辺地域での調査の責任者として手を挙げた。ウィリアム王子の配下の密偵や王国騎士の取りまとめ役。王国では立場の弱い女性かつ若年ではあるが、パンクリアース学園のフォルトゥナ学園長のような「新しい女性像」の象徴に育てばと願う国王や王太子、重臣らのサポートを受けつつ事態の収拾に乗り出した。
ヴァルザード侯爵討伐作戦においては、自ら前線に立ち王国騎士団の指揮を執る。
亡国となったシルトラース帝国の皇族唯一の生き残り……だと言われている。大陸一の美姫と謳われた母イダ・バルダス譲りの美貌を持つ十五才の美少年。
《本連動での動き》
帝都脱出の直後、ウィリアム王子の助力を受けたレイウェストはその借りを返す為にウィリアムの偽結婚式への参加を快諾した。だが、そんな彼を待っていたのはウィリアムが用意した花嫁衣裳であった。
冒険者御用達のとあるショップの敏腕店員。聖霊節の失恋で傷心中。
《本連動での動き》
ウィリアム王子の出した偽結婚式の依頼を本物と間違え、優良物件の確保を狙って参戦。しかし、ポピーは運命の悪戯により何故かキメラゾンビ生産工場へと送られてしまう。
リブラネスタの冒険者ギルド本部に配属されたばかりの新人受付嬢。いわゆるドジっ娘であり、普通ではありえないようなミスで周囲を驚かせることも。
《本連動での動き》
ウィリアム王子の出した偽結婚式の依頼を本物と間違え、傷心のポピーを誘って参戦。しかし、リーミルは運命の悪戯により何故かキメラゾンビ生産工場へと送られてしまう。
menu_book関連用語・情報
死霊術
|死霊術師《ネクロマンサー》と呼ばれる者が用いる、魂がマトリクス界へ向かう途上を邪魔して保管し、それをパワーソースに使うことを軸とする術。ロスガリア大陸の死生観に反する術なので、外法として扱われる。しかし、手っ取り早く力が欲しい者が飛びつく術でもある。
扱う死霊は人、動物など問わないが、昆虫の死霊などの術者に想像しにくいものは扱いにくい傾向にある。
術者が支配できる死霊の質と量は術者の力量に依存する。支配した死霊を燃料代わりにできるので自力よりも大きな規模の術を行使できるようになる反面、死んだ者のエーテルは基本的に生者の物より質が悪いので精密な術は行使しにくくなる。
キメラゾンビ
死霊術師によって改造されたゾンビの総称。素材に魔獣やクリーパーを使用することでより強力なキメラゾンビを作り出すこともできる。痛覚や恐怖はなく、特に頑丈な個体はバラバラにされるまで活動を停止しないものもいる。かつてヤコブ・ヴィリアンが作り出したバルディオンJrもこのカテゴリに属するアンデッドである。
ヴァルザード侯爵領と小領地群
リーンエス王国南西部の一地域。貴族派に属するヴァルザード・レギンレイヴ侯爵が治める大領地の周辺に、寄り子貴族達の小領地が複数集まっている。この地域では以前から美青年・美少女の連続失踪事件や死体損壊事件が相次いでおり、内偵に訪れたウィリアム王子もグリゼルダらの襲撃を受けて行方不明となった。
【ウィリアム王子の王城帰還フラグについて】
2021年12月9日~12月11日までにオープニングが公開された【恋眼】連動シナリオの総合結果により、ウィリアム王子が王城へ帰還できるかどうかが決定します。
対象となる全てのシナリオの成功・大成功の割合が「7割以上」の場合、ウィリアム王子は『機は熟した』と判断し、王城へと帰還します。
※不成立となったシナリオは、帰還フラグ計算の対象外です。
(2022/1/7追記)
対象となる全てのシナリオの成功・大成功の割合が「7割以上」を達成した為、ウィリアム王子は王城に帰還できました!
「――ここに、ヴァルザード・レギンレイヴ侯爵が起こした一連の事件の犠牲者と、殉職者に対し、哀悼の意を表明する」
壇上に立ったリーンエス国王ジョージ四世が弔文を読み上げる声が王都の広場に響く。国王のすぐ側では、王妃ルイーズと王太子エドワード、そしてこの度のヴァルザード紛争において、冒険者達と共に戦った第二王子ウィリアム、第一王女メアリーが並び、犠牲者達に黙祷を捧げていた。
出席者達の献花が終わった後、式典は此度の戦を戦った冒険者と王国騎士団の活躍を讃える物へと移ってゆく。
「――犠牲が出た事は悲しく、痛ましい。だが、すんでのところでヴァルザードの悪しき野望は正しく、勇敢な者達によって打ち砕かれた! この王国の平和を守る為、命を賭して戦った王国騎士団、そして、侯爵討伐に協力してくれた冒険者達の活躍をここに讃えよう! さあ、彼らに盛大な拍手を!」
高齢による衰えを感じさせぬほど壮健な国王が天に儀礼用の剣を掲げると、広場に集まった人々から王国騎士団と冒険者達に盛大な拍手が送られた。続いて、特に活躍がめざましかった者達は名を呼ばれて壇上に上げられ、国王の手によって勲章が授与されていく。
なお、今回の功労者の一人であるレイウェストはこの式典には参加していない。彼はケンタウロスの軍勢が帝国東部に侵攻したとの報せを聞き、血相を変えて帝国へと引き返していったのだ。ちなみに彼が偽結婚式で着用し、ミニスカ丈になったウェディングドレスについては、ウィリアムの私室に友情の証として保管されているという噂である……。
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「……というわけで冒険者によるヴァルザード強襲作戦は無事成功っス。ヴァルザード侯爵はティターンと共に爆発してこの世から消えたっス。ヴァルザード侯爵の一族やそれに加担した貴族たちは捕縛されて、殆どの者はそのまま反逆者として処刑される見込みっス。主だった連中は既に捕縛されてるッスが、他にも侯爵に加担した者がいなかったか、現在も捜査は継続中っス……」
「ふむ……」
本来ならば、平民風情が一生入れるはずもない王家の居住区へと呼び出されたウィーズル は汗をだらだらと掻きながら、国王を含む王家の面々へと事の顛末を報告していた。侯爵と加担した貴族についての報告が終わったタイミングで、メアリーがふと口を挟む。
「そうかしこまらなくてもよくってよ、ウィーズル。楽になさいな。ところで侯爵の領地にあったキメラゾンビ生産工場の方はどうなったんですの? 侯爵の城と同時に冒険者達に攻撃されたはずですが」
「は、はい、メアリー王女。こちらも大戦果っス。幽霊屋敷に偽装されていた工場は冒険者により徹底的に破壊され、建物ごと倒壊。それに、工場を守っていた吸血鬼 ベラドンナと眷属二名も討ち取られ、工場にいた死霊術師達も一人残らず全滅。もちろん、中で造られていたキメラゾンビ達の掃討も完了しているッス」
「なるほど。それは朗報ですわね」
「ベラドンナはヴァルザード紛争以前にも王国の辺境の村を襲ったりしていたので、犠牲者達もきっと浮かばれるッス。ちなみにベラドンナは義姉ミモザを蘇らせることが目的だったみたいッス」
「なんとも身勝手なことですわね。だからグリゼルダとも気が合ったのかしら」
メアリーは溜息を吐く。工場内では死霊術関係の資料がいくつも発見された。また、ベラドンナの研究日誌には亡き姉ミモザへの想いを綴ったポエムや、死霊術による死者蘇生術の研究が克明に記録されていたという。しかし、工場で見つかった資料は禁忌の研究が流出する危険性を考慮し、全て破棄された。
「――では、最後にウィリアムお兄様とレイウェスト皇子の結婚式……じゃなかった、偽結婚式についても報告をお願いしますわ。まだ生存しているグリゼルダが絡んだ報告ですので、できるだけ事細かにお願いします」
メアリーはノートと羽根ペンを取り出し、一言一句聞き漏らすまいとウィーズルを凝視した。
「それについては、僕の方から報告しようか。その場にいたのは僕だしね」
妹の豹変ぶりに苦笑しつつ、ウィリアムは報告役を引き継いだ。
「――グリゼルダは偽結婚式の策にまんまと嵌り、連れていたキメラゾンビの軍勢は全滅。本人も痛手を追って撤退した。その後はレギンレイヴ城にも姿を見せず、グリゼルダは行方知れずだ」
捜索は今も王国騎士団が行っているが、既に王国南西部からは逃げ出した可能性が高いらしい。また、グリゼルダが教祖となっていた宗教団体「来世の栄光」は、ヴァルザード領内にあった施設を没収され、信者たちも取り調べを受けている。どうやら総本山は都市同盟にあるようで、都市同盟に情報を共有し、警戒を促す予定だとウィリアムは言う。
「――というわけで、ヴァルザード侯爵の悪しき野望は勇敢な戦士とおてんば王女の手によってくじかれた。僕個人に対する最悪のストーカーもこの国における後援者とキメラゾンビの大半を失い、大陸全土で特A級のお尋ね者だ。暫くはちょっかいをかけてこないだろう。……ヴァルザード紛争の顛末はこんな所です、父上」
ウィリアムは報告を終えた後、父に恭しく礼をした。ウィーズルも慌ててウィリアムに倣い、膝を突いて頭を垂れた。
その時、今まで黙って報告を聞いていた王太子エドワードが口を開いた。
「ウィリアム。侯爵と吸血鬼が討たれたのは何よりだけど、件のストーカーはまだ生きているんだろう? お前も冒険者ウィルはそろそろ引退して、ここ で大人しくしていた方がいいんじゃないか?」
「そうよ、ウィリアム。聖霊節も丸々お城を空けてしまったことだし、しばらくはお城でゆっくりしたら?」
エドワードの言葉に頷いたのは王妃ルイーズだ。エドワードは真面目な表情で、ルイーズは心配そうにウィリアムを見つめている。しかし、ウィリアムは朗らかに首を横に振った。
「――いや、冒険者は引退しないよ。世界にはまだ冒険者ウィルが必要だ」
臆面もなくそう言い放ったウィリアムの青い瞳は、透き通るように美しかった。
「……ならば、次は賊に遅れを取らぬよう鍛錬に励むがよい」
ウィリアムの言葉に、ジョージは微笑む。
「はい、父上」
(世界と来たか。やれやれ。全く懲りない奴だな)
(一体誰に似てしまったのかしら……)
あれほどの目にあっても、ウィリアムはまだ懲りずに冒険者を続けるつもりらしい。ウィリアムの父譲りの勇敢さに、兄と母は深いため息を吐いたのだった。
執筆:おおくまねこ