【恋眼】ウィリアムの眼球(ひとみ)に恋してる

メアリー・リーンエス

やはりウィリアムお兄様は生きておられましたわね。依然として行方不明ではありますが、ご自分の意志で姿を隠されておられることが分かっただけでも良しとしましょう。面白……いえ、混迷した状況になってきましたわね。

ルチル・プルメリア・グレイハーツ

面白がってる場合かい? 王子が生きていたのは何よりだが、王国南西の方はなんともキナ臭い雰囲気だ。厄介なのはグリゼルダ達だけじゃない。ベラドンナ以外の吸血鬼もあちこちに出没していたし、貴族や宗教家の中にもこそこそ悪事を企んでいる連中がいるようだね。モタモタしてるとお前達の国は取返しのつかない事態(コト )になるかもしれないよ。

メアリー・リーンエス

頭の痛い話ですわね。ですが、お兄様や我々王家を侮辱した代価は必ず支払わせますわ。たとえ相手が誰でも。ふさわしい時が来れば、お兄様もきっとお城に戻って来られるでしょう。貴方達冒険者の働きには期待していますわよ。

ルチル・プルメリア・グレイハーツ

依頼人がきっちり代価を払ってくれるなら、アタイ達はしっかり働くさ。それが冒険者だからね。

リーンエス王国南西部に、再び動きがあるようです――
(12月9日より 【恋眼】連動シナリオリリース予定!)

assignment 【恋眼】ウィリアムの|眼球《ひとみ》に恋してる

【ウィリアムの眼球ひとみに恋してる】連動とは、青の親指グリゼルダによる、ウィリアム王子の眼球狩り騒動、そしてそれに付随して各地で起こる死霊術師やアンデッド達による一連の騒乱を指す。また、事件の背後にはウィリアムの眼球のみならず命をも狙う何者かの思惑もあるようだ。

assignmentこれまでの流れ

リーンエス王国の第二王子ウィリアム・リーンエスは冒険者とのしての活動を隠れ蓑に、王国南西部で頻発している美青年・美少女連続失踪及び死体損壊事件の内偵を進めていた。しかし、依頼帰りにその一帯を治めるヴァルザード侯爵の領地内にある山中で彼の両の眼球を狙う女「グリゼルダ」の襲撃に遭い、子飼いの密偵部隊を壊滅させられてしまう。ウィリアム本人は辛くも命を拾うが、自らの意志で王城へは戻らず、姿を隠した。グリゼルダは雲隠れしたウィリアムを探し出す為、手下達を総動員してウィリアムの捜索を開始する。一方、リーンエス王家もウィリアム捜索と現地調査のため、冒険者ギルドに協力を求めた。
(2021/12/8追記)
王国騎士団と冒険者の合同メンバーで編成された捜索隊が襲撃現場で発見したのは、『僕はしばらく王都には帰れない。けれど、領内の捜索は続けてくれ』というウィリアム王子の残したメッセージであった。また、王子や直属の部下達が内偵を進めていたヴァルザード領近辺の美青年・美少女連続失踪及び死体損壊事件については、冒険者達の捜査により、メドゥの指先や悪逆貴族達、そして『来世の栄光』という名の宗教団体が関与していたことが明らかとなった。さらに、グリゼルダと利害関係にある死霊術師が起こした事件や、所属不明の吸血鬼による誘拐事件も報告されている。

person_pin関連NPC

メドゥの指先の幹部『青の親指』にして、卓越した技量を持つ死霊術師。特に死魂を利用した戦闘力強化術と、魔獣やクリーパーの死体を利用した改造ゾンビである『キメラゾンビ』の作成を得意としている。ヒステリックで気まぐれなパワハラ体質だが、自身と近しいものを感じるベラドンナには家族としての愛情を注いでいる。

《本連動での動き》

グリゼルダは死別した恋人アランを死霊術で蘇らせる為、大陸各地に網を張り、長年「器」にふさわしい死体のパーツを集めていた。本連動においてリーンエス王国の第二王子であるウィリアム・リーンエスの蒼い瞳に恋人の面影を見出した彼女は、彼の両の眼球を手に入れる為、ウィリアム王子を襲撃。王子は取り逃がしたが、随伴していた王子の密偵部隊に壊滅的な被害を与えた。もちろんウィリアムのことはまだ諦めておらず、全力で行方を追っている。

吸血鬼ヤコブ・ヴィリアンが「家族愛」をテーマに生み出した眷属の一人。「ヴィント奪還作戦」で主君ヤコブと片割れであった義姉ミモザを失ったが、ベラドンナ自身は生き延び、死体を求めてたまたま戦場付近に来ていたグリゼルダの養女として迎え入れられた。以前はほぼ独学で学んだ死霊術を操っていたが、現在はグリゼルダに師事している為、以前よりも高度な術を扱えるようになっている。

《本連動での動き》

自力では達成困難な自身の目的を果たす為、グリゼルダに協力している。グリゼルダからは自身の代理人として大きな権限を与えられており、グリゼルダの部下や自身の眷属を従え、各地で事件を起こさせている。

リーンエス王国第二王子。放蕩者の授恵者としての顔で各国を飛び回りながら、諜報面での活動も行っており、王族の中では特に冒険者とのパイプが強い。また、帝国奪還を志すレイウェスト皇子にも好意的であり、各国との交渉などの助力を行っている。諜報活動を得意としているが、授恵者としてのクラスはウォーリアであり、白兵戦において彼を上回る者はごく少数である。

《本連動での動き》

「たまたま両目が亡くした恋人にそっくりだった」という理由で、メドゥの指先幹部であるグリゼルダから襲撃を受け、子飼いの密偵部隊であった『リスの木』を壊滅させられた。ウィリアム本人は献身的な部下達のおかげでなんとか逃走に成功したが、グリゼルダの狂気に王都を巻き込むまいと考えたのか、今は自らの判断で姿を隠している。

大陸全土を飛び回っているハーフリングの行商人。ツインテールと背負った葛籠がトレードマーク。しかし実は行商人は真の姿を隠す仮の身分で、その正体はウィリアム王子の子飼いの密偵部隊『リスの木』の構成員の一人である。

《本連動での動き》

密偵部隊『リスの木』の数少ない生き残り。グリゼルダ襲撃の際には王子に同行していなかった為、難を逃れた。特にウィリアムに重用されていたわけではなく、むしろ帝国崩壊後にスカウトされた新人スパイなのだが、上司や先輩が軒並みグリゼルダに殺された為、戦時特例で密偵部隊の隊長として扱われ、王家と冒険者ギルドの仲介役となっている。冒険者よ、早く王子を見つけてくれ(切実)

ウィリアム王子の妹にあたる王女。長い金髪と大きな青い目のお人形のような少女だが、宮廷のドロドロ人間関係の中で生きているだけあって気が強い。第一王女かつ唯一の王女、しかも遅くに生まれた末っ子ということで国王や王太子、ウィリアム王子の寵愛を一身に受ける影の女王。

《本連動での動き》

兄のウィリアム王子が行方不明との報を受け、王子捜索とヴァルザード侯爵領周辺地域での調査の責任者として手を挙げた。ウィリアム王子の配下の密偵や王国騎士の取りまとめ役。王国では立場の弱い女性かつ若年ではあるが、パンクリアース学園のフォルトゥナ学園長のような「新しい女性像」の象徴に育てばと願う国王や王太子、重臣らのサポートを受けつつ事態の収拾に乗り出した。

menu_book関連用語・情報

死霊術

|死霊術師《ネクロマンサー》と呼ばれる者が用いる、魂がマトリクス界へ向かう途上を邪魔して保管し、それをパワーソースに使うことを軸とする術。ロスガリア大陸の死生観に反する術なので、外法として扱われる。しかし、手っ取り早く力が欲しい者が飛びつく術でもある。
扱う死霊は人、動物など問わないが、昆虫の死霊などの術者に想像しにくいものは扱いにくい傾向にある。
術者が支配できる死霊の質と量は術者の力量に依存する。支配した死霊を燃料代わりにできるので自力よりも大きな規模の術を行使できるようになる反面、死んだ者のエーテルは基本的に生者の物より質が悪いので精密な術は行使しにくくなる。

キメラゾンビ

死霊術師によって改造されたゾンビの総称。素材に魔獣やクリーパーを使用することでより強力なキメラゾンビを作り出すこともできる。痛覚や恐怖はなく、特に頑丈な個体はバラバラにされるまで活動を停止しないものもいる。かつてヤコブ・ヴィリアンが作り出したバルディオンJrもこのカテゴリに属するアンデッドである。

ヴァルザード侯爵領と小領地群

リーンエス王国南西部の一地域。貴族派に属するヴァルザード・レギンレイヴ侯爵が治める大領地の周辺に、寄り子貴族達の小領地が複数集まっている。この地域では以前から美青年・美少女の連続失踪事件や死体損壊事件が相次いでおり、内偵に訪れたウィリアム王子もグリゼルダらの襲撃を受けて行方不明となった。

【ウィリアム王子の王城帰還フラグについて】

2021年12月9日~12月11日までにオープニングが公開された【恋眼】連動シナリオの総合結果により、ウィリアム王子が王城へ帰還できるかどうかが決定します。
対象となる全てのシナリオの成功・大成功の割合が「7割以上」の場合、ウィリアム王子は『機は熟した』と判断し、王城へと帰還します。
※不成立となったシナリオは、帰還フラグ計算の対象外です。

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「風が強いな。今夜は一段と冷え込みそうだ」

 ヴァルザード領内の山中にて。ウィリアム・リーンエスは野営の準備をしながら、独り呟いた。暦はもう十二月。吹きつける夜風はまるで、身を切り裂くかのような冷たさだった。

「参ったな。世間はもう聖霊節だというのに」

 まさか、王子である僕が、よりにもよって聖霊節の時期に野宿する羽目になるとは。グリゼルダの追撃を躱す為に身を隠している今となっては、年末の予定は全て白紙に戻さざるを得ない。家族や城の臣下達、そして国民はさぞかし心配していることだろう。

「僕が王城に戻れば、あのグリゼルダ(イカレた女 )が王都にまで攻め込んでくるかもしれない。その場合、たとえ王族は無事だったとしても、大勢の人が死ぬだろう。……危険なストーカーに住所が割れている場合は、行方を晦ますのが鉄則だと書物で呼んだことがあるが、まさか自分で実践する羽目になるとはね」

 逆に、僕(ウィリアム )がこのまま行方不明であり続ければ、王国騎士や冒険者達が捜査名目でヴァルザード領を調査し続けることができるし、僕自身もこの領内で捜査を続行することができる。今の状況ならばウィリアム・リーンエスは裏で糸を引いているのであろうあの男が言い逃れできないような確たる証拠を掴むまでの間、行方不明のままの方が都合がいいのだ。

「肝心な部分は他人任せというのがなんとも情けないが。『リスの木』が壊滅させられてしまった以上、今はこの手しかない。だが、この借りは返す。必ずお前達を追い詰めてやるぞ」

 ウィリアムはゆらゆらと揺れる焚き火の炎を見つめながら、固く誓うのだった。

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 ウィーズルとメアリー王女はメアリーの私室で顔を突き合わせ、冒険者達の報告書に片っ端から目を通しながら作戦会議をしていた。

 彼らの調査結果によると、ローラン伯爵、ポルフェダー子爵、アルフォート男爵……南西部ではメドゥの指先と思われる一派だけでなく、貴族派の貴族達の中にも怪しい動きが見られるようだ。そして、王国騎士達がウィリアム王子と並行して全力で行方を追っている女、『青の親指グリゼルダ』。あの女の拠点も依然として掴めないままであった。

「お兄様もそうですが……グリゼルダは一体どこにいるのでしょうね?」

「もし『来世の栄光』の教主がグリゼルダと同一人物ならば、本拠地は連中の総本山があるリブラネスタかもしれないッス。でもグリゼルダは今、キメラゾンビや吸血鬼を引き連れて王国内で活動しています。王国内のどこかにも活動拠点を持っていると考えた方が自然っス」

「わたくしも同じ意見ですわ。そして、その拠点としてもっとも疑わしい場所は……説明するまでもありませんわね」

 そう言って、メアリーはウィーズルを値踏みするように見つめた。実のところ、メアリー王女は密偵部隊(リスの木 )の生き残りであるウィーズルから、ウィリアム王子とその部下達が内偵していた事件の詳細について聞いており、その裏側の事情についても把握している。黒幕についてもほぼ目星がついているが、あえて冒険者達には伏せていたのだ。確たる証拠がない段階で王女がその名を口にしてしまえば国内の混乱は必至であり、黒幕にも余計な反撃の口実を与えかねないからだ。最も、カンの鋭い冒険者はその辺りの事情も既に察しているようだが……。

「……あっしもまず間違いなく、あの男がグリゼルダを匿ってるんだと思うッス。ですが、今の段階であの領主サマを逮捕に踏み切るのは難しいっス。適当な寄り子あたりをスケープゴートにして逃げ切られちゃうと思うッス」

「ですわね。やはり、冒険者の方達に言い逃れできないような確実な証拠を掴んでもらうより他はありません。幸い、関与していそうな領主の名が何人か報告書に上がっています。捕まえて締め上げれば、きっと黒幕の名前を吐くでしょう。……王家に仕える臣下の身でありながら、お兄様と国民に仇為した落とし前は、きっちりつけさせて頂きますわ」

 影の女王は可憐な容姿に似合わぬ陰惨な笑みを浮かべた。

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「ウィリアムは! ウィリアムはまだ見つからないのですか!? この役立たず!」

 グリゼルダはヒステリックに叫ぶと、会議室のデスクを勢いよく蹴り飛ばした。蹴り飛ばされた机は真っ二つに割れ、破片がパラパラと宙に舞う。グリゼルダに無能呼ばわりされた連絡係のメドゥの指先構成員は、汗をだらだらとかきながら、直立不動で彼女の罵倒に耐えていた。

「全力で行方を追っておりますが、なにぶん奴は逃げるのが上手く……ただ、王城に戻っていないことは確かなようです。そして恐らく、王国南西部に留まり続けています。時折、各地で目撃情報がありますから」

「そんなことは分かっているわ! だから探しているのでしょう! 言われた仕事も満足にできないのなら、お前もキメラゾンビに変えてしまおうかしら!」

「そ、それはどうか御勘弁を……!」

 グリゼルダが全身からめらめらと黒い炎を立ち昇らせると、男は地面に手を伏せて命乞いをした。

「お義母様、その辺にしておきなさい。生きている人手は多い方がいいわ。私の眷属達と違って、ゾンビは融通が利かないし」

「そうね! そういえばそうだわ! さっさと失せなさい! ベラドンナの優しさに感謝するのですね!」

 ベラドンナに静止されたグリゼルダが励起していたエーテルを抑えると、男は逃げるように部屋から退出していった。

「お義母様、これからどうするつもり?」

「やはり、あの男の進言通り王都(グランスパーダ )を攻めましょうか。王や王女を人質に取ればウィリアムも私に会いに来ざるを得ないでしょう。各地の死体調達班たちに手紙を送りましょう。死体の買い取り価格を三割増しにすると!」

「まあ、王城攻めも一つの手ではあると思うけど、できれば最後の手段にしたいわね……。でも戦力の増強には賛成よ。予想通り冒険者達が介入してきたし、私からお姉様の器候補を掠めとった野良犬もいるみたいだから」

 かくして、グリゼルダの王子襲撃に端を発した騒乱はより混迷を深め、王国の人々に苦難をもたらそうとしている。授恵者達はそれぞれの思惑を胸に秘め、激化していく戦いに身を投じるのだった……。

 執筆:おおくまねこ
アーカイブ生成日時 2026年08月05日 14時56分25秒 ・ world0