黎明の向こう側
真柄 葉
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シナリオID:3512
オープニング
湖畔に佇む少女は、春風に遊ばれる髪も気にせずに、じっと湖面を見つめていた。
「そんなところに居たら風邪を引くよ」
ただ静かに湖面を見つめていた少女の耳に、落ち着きのある女性の声が届く。
聞き覚えのある声に少女が振り向いてみれば、久しぶりに見る顔がそこに立っていた。
「ヴィルジニアさん」
「調子は良さそうだね」
少女はゆっくりと歩み寄ってくる女性――――ヴィルジニアに頭を下げる。
「いよいよ明後日だね」
隣に並び湖畔い視線を向けたヴィルジニアの言葉に、少女――――イーラはこくりと頷いた。
「怖くはないかい?」
「……怖くない……と言えば嘘になるかも」
「だろうね。まぁ、全てが未知の世界に飛び出そうっていうんだ、不安じゃない方がおかしい。良く決断したもんだよ」
湖面から飛び立った水鳥を目で追いながらヴィルジニアが苦笑する。
そんな彼女の横顔をチラリと見上げたイーラも、飛び去って行く水鳥を追い空を見上げた。
「わたしは……この大陸がロスガリアと呼ばれていることを知ってる」
「ああ」
「大陸には沢山の国があって、それがどう呼ばれているかも知ってる」
「そうかい」
「でも、それだけ……そこにどんな人がいて、どんな営みがあるのか、ぜんぜん知らないの」
「……そうか、それは――――いや、なんでもない」
『初めて”南”へ下ってきた時と一緒だね』と続けようとして、ヴィルジニアは口をつぐむ。
「だからこそ自分の眼で見て知りたいんだろう?」
「うん。ごめんね、わがまま言って」
「気にすることはないさ。わがままを押し付けられるのはいつものことだからね」
横で頭を下げる気配を感じ、ヴィルジニアはゆっくりと首を振った。
「ああ、そうだ。旅立つ前日で悪いけど、明日は一日空けておいてくれるかい?」
「え? それは別にかまわないけど……何か用でもあるの?」
「ああ、あるよ。アタシじゃないけどね」
そう言って悪戯に微笑むヴィルジニアを見上げ、イーラは首をかしげる。
「別に悪だくみしているわけじゃないよ。アンタの旅に必要な準備だと思ってもらえればいいさね」
「旅の準備……まあ、それなら?」
結局よくわからず頷いたイーラ。
そんな様子をヴィルジニアはどこか寂し気な笑顔で見つめていた。
季節は冬から春へと移ろい始める。まるでロスガリア大陸の歴史が新たなステージへ移り変わるように――――。
解説
マスターより
リプレイ
「……やっぱり納得いかない」
春風に波立つ湖面を見つめながら、トゥーリは口を開く。
「気持ちはわかりますよ、トゥーリ。私も心のどこかでは納得いっていません」
「そうだな。私もハリスと同意見だ。全てを納得するのは難しい」
彼女の傍には、最愛の人であるハリス・アル・ターミルと最良の友人フェイサル・セイフが佇んでいた。
「ならなんで……! なんで、もっと……もっと――――」
「トゥーリ。我々にはできる事とできない事があります。いくら彼女の現状に不満があろうとも、我々の意志では”彼女”をどうすることもできない」
「だから諦めろっていうの!?」
「それは違うぞ、トゥーリ。確かに今の彼女の症状はヒトの医術の限界の外にあり、手が出せる状態にない。ハリスの言う通り、神ならぬ我々には現状を打破しうる手立てがないのは事実だ。しかし、それを理由に諦める必要はない。今後も彼女の記憶が戻らないと決まったわけではないのだからな」
「そんな気休めはいらないよ! それって結局神任せでしかないんでしょ! そんな、いつどうなるかもわからない不確かな方法じゃなくて、今どうにかしたいんだよ!」
何とか宥めようと声をかける二人だったが、トゥーリの怒りは収まらない。
「別に罪を償えとか言ってるわけじゃない! ワタシはただ戦友に還ってきて欲しいだけ! なんで、そんな簡単なこともできないの! 彼女はそこに生きてるじゃない!! だからどこかに記憶だって――――そうだ、イーラの記憶を消せばいい。そうすれば、ヒルルクさんが出てきてくれるかも――――」
「やめなさいトゥーリ。そんな悲しい事を言うものではありません」
「っ……」
静かな怒りを含むハリスの声に、トゥーリはグッと言葉を飲み込んだ。
「確かに彼女はヒルルクではない。しかし、彼女はイーラとして今を生きていようと頑張っているんだ」
「……」
「目の前で困っているヒトが居れば手助けをする。だから私は彼女を助ける。それは間違っている事だろうか? 私はそういう男だっただろう?」
握った拳を震わせるトゥーリにフェイサルが声をかけるが、彼女は何も答えない。
そして、しばらくの沈黙の後、トゥーリは囁くように言葉を吐きだした。
「……ハリスさんもフェイサルさんも、なんでそんなオトナなの」
「オトナかどうかはわかりませんが、旅立ちとは祝福と共にあるべきだと私は思います。彼女が貴女にとって大切な存在であるのなら、尚の事ですよ」
「そんなのわかってるよ! わかってるからこそワタシは――――もういい!」
トゥーリは大きな声で拒絶を示すと、二人を置いて湖畔を後にした。
●
街へ繰り出す準備をしていたイーラの元へ、トーラが訪れる。
「まずは謝罪しないといけませんね。この前は脅すようなことを言ってごめんなさい。あなたはイーラであって、ヒルルクではないのに」
先日の一件が後を引いているのか、妙に他所他所しいイーラに、トーラは頭を下げた。
「謝罪の代わり、というわけではありませんが、少し昔話をさせてもらえませんか」
「えっと……うん」
「そんなにびくびくしないでください。流石にちょっとショックですよ?」
「ご、ごめんなさい」
「……こちらこそごめんなさい、ちょっと意地悪でした。それで、話は聞いてもらえますか?」
「……うん」
「ありがとうございます。では――――」
トーラは部屋にあった椅子に腰かけると、”昔話”を語り始めた。
それは『征竜の巫女』と名乗る破天荒な少女の話。
前人未到の極北から来たというその少女は、純真無垢――――とはちょっと違う素朴さの塊だった。新しいものにはすぐに興味を持つし、世間知らず過ぎてすぐに騙されるし、大層な肩書を持ってるくせにおっちょこちょいでドジでお人好しで食いしん坊で……。
「……」
「……大丈夫?」
「大丈夫です、すみません」
不安げに覗き込んでくるイーラに答えたトーラは、ふぅと長い息を吐いて話を続ける。
「ともかく、そんな子なので冒険者でもないのによく依頼で一緒になったんですよ。いえ、一緒というのは語弊がありますね、出くわしたんですよ」
「その……ごめんなさい?」
「あなたが謝る事じゃないですよ。悪いのは全部ヒルルクですから」
とりあえず謝らなければとでも思ったのか、頭を下げたイーラにトーラは苦笑した。
「とはいえ、あなたはヒルルクでもあるわけですから、いずれそう言う部分が出てくる可能性はありますね。もしかして、すでに心当たりあったりしますか?」
「……ないかな」
「なんだか妙な間がありましたが、わかりました。今はそう言う事にしておきます」
何か言いたげなイーラに再び苦笑したトーラは、さてとと椅子を立つ。
「これをあなたに託します」
「これは……?」
立ち上がったトーラはイーラの元に歩み寄ると、小さな巾着を手渡した。
「中には沙茜という植物の種が入っています。あなた達の故郷に生えている植物です」
「そうなんだ。でも、どうしてわたしに?」
「特に意味はありません。気が向いたら育ててみてください」
「え……う、うん」
「では、わたしはこれで。お互い頑張りましょうね」
種をどう扱っていいのか悩んでいるイーラをおいて、トーラはドアへ向かう。
超越者としてヒトの理を超えた。
これから永い時間をかけて世界と乖離していくだろう。
人の心は失われ、一つの概念となっていく運命。
それでも、この”種まき”が人らしさを残す楔になるかもしれない。
そんな小さな可能性を信じ、トーラは『少女』の元から去っていった。
●
ヴィルヘルミナに誘われて訪れた高台の公園からは、リブラネスタの街が一望できる。
海と街が交わる絶景。
初めて見るのに懐かしいその景色に魅入っていると、ヴィルヘルミナがイーラに”友人”を紹介したいと言い出した。
「カカポという生物なのですが、覚えていますか?」
「ええ。でも、会ったことも見たこともないのに不思議ね」
ヴィルヘルミナが籠から放った”友人”はふらふらと公園を歩き始める。
「それはきっと一般知識としてという事なのでしょうが、少し期待してしまいますね」
「期待?」
「ええ、あなたがヒルルクさんであった頃にも一度こうして引き合わせたことがあったんです。その時も彼女はとても興味を示していましたよ」
「そうなんだ。ねぇ、触っても大丈夫?」
「ええ、かまいませんよ――――噛まれていいのなら」
「えっ!?」
噛むの……? とおっかなびっくり問いかけてくるイーラに、ヴィルヘルミナは嘘ですと下草をついばむカカポを抱き上げて彼女に差し出した。
「ほんとに……? ほんとに噛まない?」
「ええ、変なことをしなければ」
ヴィルヘルミナの返しにびくりと肩をすくませつつ、イーラはカカポを受け取った。
「明日立たれると聞きました」
友人を優しく撫でるイーラの傍にヴィルヘルミナが腰を下ろす。
「大きな争いが解決したとはいえ、世界はまだ混乱の只中にあります。旅の道中、様々な事があなたを待っているでしょう」
「……うん、それは承知の上よ」
「おや、記憶喪失だというのに、随分とその……覚悟が決まっていますね」
「そう……? 自分ではよくわからないけど……確かに緊張とか不安はあまりないかも」
「なるほど、彼女は確かにあなたの中にいるようです」
「え?」
「いえ、勝手な憶測です。ヒルルクさんの経験があなたの不安を拭っている――――なんとなくそう感じただけです」
「わたしの中に……?」
「ああ、あまり真に受けないでくださいね。私が勝手にそう感じただけです。下手に広言すると期待してしまう人もいるので」
「う、うん」
「とにかく”彼女”は”彼女”、”あなた”は”あなた”です。だから記憶の事については、どうかあまり気負いませんように。いつか思い出せばいいやと、気長に構える位が丁度いいと思いますよ。どうせ自分でどうにかできるようなものでもないですし、幸いイーラさんはエルフですので時間は沢山ありますから」
「……うん、ありがとう」
「あっ、ただあまりのんびりと旅をしていたら周りが待ち疲れるかもしれませんから、そこだけはご用心を。エルフの時間感覚はちょっと独特ですから」
「ふふ、気を付けるわ」
ようやく笑ったイーラに、ヴィルヘルミナはそうだと呟くと懐から一本のナイフを取り出した。
「餞別というわけでもないのですが、どうぞ」
「これは?」
「匠王謹製のナイフです。旅では何かと役に立ちますのでよければ貰ってください」
「え、いいの?」
「はい。本当なら、自分で打ったものを差し上げたかったんですが、時間がありませんでしたから代わりです」
「ありがとう。大切に使わせてもらうわ」
「折れたら改めて私が打ったものを差し上げますので、雑に使ってもらって構いませんよ」
今度は苦笑したイーラは、カカポを抱いていた手を離し、ヴィルヘルミナからナイフを受け取った。
●
「うわ、おっきな施設……! それに人がいっぱい」
「だろ? 何せ冒険者ギルドの本部だからな」
連れてこられた冒険者ギルドの威容と賑わいに驚くイーラに、ハヤト=ガラン=ヴォルファングは得意げに胸を叩いた。
「で、ここに連れてきた理由だけどよ。イーラには冒険者になってもらう!」
「へぇ……ええっ!? ぼ、冒険者って……なんで、わたしが?」
「まぁ理由は色々あるんだが……簡単に言うと、便利だからだな」
「べ、便利……?」
「ああ、冒険者登録すると色んな特典が受けれるんだ。依頼の時限定だがビッグオウムには乗れるし、活動記録を残してくれるってのも大きいな。特にこの活動記録ってのが便利でな。わざわざ自分で記録を残さなくても、ギルドが勝手にやってくれるんだ。ま、俺みたいに依頼受けまくってると、記録が多くなりすぎて、欲しい情報探すのも一苦労……なんてことにもなるんだけどな」
そう言って笑ったハヤトは、イーラの両肩にドンと手を置き話を続ける。
「イーラはこれから”新しい道”を歩いていくって決めたんだろう? だが、旅ってのは思ってるほど生易しいものじゃない。いくら傭兵団についてくるって言っても、四六時中一緒ってわけでもないしな。だから、旅のサポート役としてギルドを利用してみたらどうだ? 勿論多少の決まり事はあるが、基本自由だし、入ってて損はないぞ?」
イーラの目をじっと見つめ、冒険者登録の利を解くハヤトだが、彼女の表情はあまりすぐれない。
そんなイーラを見て、ハヤトは休憩しようと併設する『踊る小熊亭』へと場所を移した。
「……冒険者登録って、傭兵団についていく条件だったりするの?」
「いや、そういう訳じゃねえが……気に食わなかったか?」
「そう言うんじゃなくて……なんていうんだろう、わたしの旅の目的とは、何か違うかなって気がして」
「うーん……登録しても、基本自由だぞ? 路銀を稼ぐ必要が出た時に依頼を受けるだけでもいいしな。俺なんて傭兵団運営してる傍らにやってるし、商人とかお貴族様も登録してる」
「うん、そうなんだけど……」
ハヤトが何度も利を説くも、やはりイーラの表情はすぐれない。
「んー、いい話だと思ったんだが……ま、乗り気じゃないならこの話は保留しとくか」
「……いいの?」
「気が向いたら入ったらいい。別にギルドは逃げねぇしな。ただ、冒険者登録を餞別代りにする予定が狂っちまった」
「う゛っ、ごめん……」
申し訳なさそうに頭を下げるイーラに、ハヤトは気にすんなと豪快に笑った。
「こんなこともあろうかと、もう一つ餞別を用意しといたからな」
そう言うとハヤトは机の上に小瓶を置く。
「匂いってのは記憶に残りやすい……だったか、なんかそんな話を聞いてな。ヴィルジニアに選んでもらった」
「これ……香水?」
小瓶を手に取ったイーラに、ハヤトが頷いた。
「これからイーラは沢山の想い出をつくると思う。全部覚えておくのは難しいかも知れねえが、忘れたくないって思える想い出に出会った時は、この香水を開けてくれ。きっと忘れたくても忘れられねえ様にしてくれるはずだ」
「……うん、ありがとう。嬉しい」
「気に入ってくれたみたいでよかった。旅は大変だろうけど、香りと一緒にいい思い出を沢山残してくれよな」
激励してくれるハヤトにもう一度頭を下げて、イーラは貰った小瓶をぎゅっと胸に抱いた。
●
「これなんてどうかな? イーラさんに似合うと思うんだけど」
「ちょっと派手じゃない? もうちょっと動きやすい服の方がいいと思うけど」
様々な商品を扱う商店に入ったイーラとエルゼリオ・レイノーラは、旅に必要な道具や衣服を見繕っていた。
「もちろん、そう言う服も買うよ。でも、そんなのばかりじゃ味気ないと思わない?」
「味気ないって……そんなの旅に必要ないんじゃない?」
「いやいや、長い旅になるからこそ必要なんだよ。いつも同じ服着ているつもり?」
「そういう訳じゃないけど……できるだけ荷物は少なくするべきじゃない?」
「普通の旅人ならね。でも、ボク達授恵者には……はっ!」
「ど、どうしたの?」
「ねぇ、イーラさんはヒーラーのスキルは使えないの?」
「え?」
「えっと、イーラさんは授恵者だよね」
「うん、そうみたい」
「それなら使えないかな? ほら、ヒルルクさんは結構な使い手だったから、イーラさんもそのスキルを引き継いでるのかなって」
「どうなんだろう。どうやるの?」
「えっと、初級のヒールなら――――」
と、エルゼリオが手本を示しイーラは真似してみるが、その手から癒しの力が発せられることはなかった。
「……うーん、使えないのかな」
「たぶん、そうかも」
「あわわっ、気を落とさないで! 授恵者なら間違いなく素養はあるし、訓練次第で使えるようになるよ!」
「そうかな……?」
「うん! だから、買う物もそれ用にした方がいいかも」
「わかったわ、選んでみる」
エルゼリオのアドバイスに従い、イーラは改めて商品棚を物色し始めた。
●
買い物を終えたイーラとエルゼリオは、近くのカフェで一息ついていた。
「いいものが買えたね。これで旅の準備はばっちり?」
「うん。選んでくれてありがとう。なんだか心強い味方ができたみたい」
「それはよかった。それじゃ、これも味方に加えてもらえるかな?」
そう言って、エルゼリオはイーラに小さな包みを手渡した。
「これって……レターセット?」
「うん。実は昔にね、ヒルルクさんと一緒に文具を選んだことがあったんだ。でもほら、色々とあったから今はどこにあるのかわからないんだよね。だから、改めてキミに渡したかったんだ」
「わたしが貰っていいの……?」
「うん、嫌じゃなければ。あと、ついでにお願いがあるんだけど」
「なに?」
「もし嫌じゃなかったらでいいんだけど、そのレターセットでボクと文通してくれないかな。キミが旅先で何を見て、何を感じたのか、教えて欲しいんだ。……どうかな?」
「うん、わかったわ。必ず書く」
「ありがとう。ボクも返事を書くね」
そう言って差し出されたエルゼリオの手を、イーラはぎゅっと握った。
●
「実は旅に出るのって、小さなころからの夢だったんだ」
街での買い物を終えたイーラは、城門で待っていたハーヴィと合流し、郊外にある屋敷への帰路についた。
「夢? 旅なんて、冒険者稼業で嫌っていうほどしたんじゃないの?」
「うーん、確かに冒険者として色んな場所へ行ったよ。でも、それはあくまで仕事で行ったんであって、旅とはまたちょっと違うかな」
沢山の人々が行き来するリブラネスタへと続く道。
旅に出る者。旅から帰った者。沢山の”道”がリブラネスタに繋がっている。
そんな天下の往来を二人は並んで歩く。
「幼い頃の僕は身体が弱くてね、碌に外にも出られなかったんだ」
「え、そうなの? とてもそんな風には見えないけど」
「うん、今はこの通り元気だからね。でもこれって授恵者になれたからなんだよね」
「なにか……嫌な事でもあったの?」
「ううん、そういう訳じゃないよ。冒険者としての生活はとても刺激的だった。でも、それは僕が本当にしたかったことじゃなかったんだよ」
「だから旅を?」
「そうだね、夢だったから。でも、今はその夢が”一番は君と旅がしたいから”になった」
「……えっと、その件なんだけど、本当にいいの?」
「うん、君が嫌じゃなければね」
「嫌ってことは全然ないんだけど……ほら、わたしの旅って目的があってないようなものだから、あなたの目的に合ってるのかなって」
「君は自分を探す旅に出るんでしょ?」
「うん、だから明確な目的地とかもないし、ほんと当てなき放浪旅になる可能性もあるのよ?」
「別に構わないよ。僕は世界を知れればそれでいい。新しくなったこの世界をね。だから、目的地がないっていうのも悪くな――――あ、もしかして路銀とか心配してる?」
「え?」
「その点は心配しないで。師匠のおかげで一人前の占い師になれたから、路銀は訪れた先々で稼げるよ! もしそれでもきつくなったら、しばらくどこかの街に腰を落ち着けるのもいいかもしれないね。小さな部屋でも借りて、街で仕事を探すんだ。それでお金がたまったらまた旅に出る。どう、なかなかいいアイデアだと思わない?」
「……そうね、それもいいわね」
希望に満ちた眼差しで語る”未来”に、イーラはふっと微笑んだ。
「あ、そうだ。贈り物を用意してたんだった」
「え! そんなのいいわよ、一緒に旅に出るんだし」
「まあまあ、そう言わずに――――はい」
いらないと首を振るイーラに、ハーヴィは半ば無理やり小箱を押し付ける。
イーラは期待に満ちたハーヴィの視線に押されるように小箱を開けた。
「日記帳と……何も書いてない地図?」
「うん。以前も手帳を贈ったことがあったんだけど、それはもう無いだろうから新しいものをね。ほら、旅先で見たものや感じた事を書き留めるのに必要でしょ?」
「この地図も?」
「そうそう、それはロスガリアの地図なんだけど、今は何も書かれてない真っ白な地図なんだ。だから君が訪れる場所の名前を記していくんだよ。そうすればほら、この世に一つだけの君だけの地図が完成!」
「わたしだけの地図――――そうだ」
白い地図を見つめていたイーラは、何を思いついたのかペンを取り出すと――――。
「――――これで良しっと」
「”リブラネスタ”。うん、旅の始まりの地としては最高の名前だね」
地図をのぞき込んでくるハーヴィに、イーラは自慢げに胸を張った。
「あれ、まだ何か入ってる」
リブラネスタと記した白地図をしまおうと箱を開けたイーラが何かを見つけた。
「それはペリドットのペンダント。『幸せ』と『希望』、そして『本当の自分を知る』って意味があるんだ。一応、君の誕生石のはずなんだけど……本当かどうかは要確認かな」
それはあくまで前の彼女の誕生日。イーラも同じだとは思うが、記憶のない彼女はそれすら忘れている。そして、確認するためには、イーラの誕生日を知る人のもとを訪れるしかない。
「……長い旅路になりそう」
「うん?」
「何でもないよ。ねぇイーラ」
「なに?」
「僕はこの美しいロスガリアの大地が大好き。征竜様も愛したこの大地を、イーラも好きになってくれたら嬉しいな。旅はまだ始まってもいないけど、色々な気持ちを二人で分かち合おう。二人なら嬉しい事は2倍、哀しことは半分こ、だよ」
「……うん、そうね」
どちらからともなく繋いだ手。
明日、二人は旅に出る。長く果てしのない旅へ――――。
●
ハーヴィと別れ部屋へ戻ったイーラのもとへ、フェイサルとハリスが訪れた。
「旅立ちの用意は、無事に終わったようですね」
部屋の隅に置かれた買ったままの荷物を見て、ハリスは目を細める。
「体調面に不安はないか? 旅立ちの前は心が不安定になる可能性もある。何かあれば相談に乗ろう」
一方、フェイサルはイーラの手を取り脈を診つつ問いかけた。
「ありがとう、でも大丈夫。もちろん不安はあるけど、とりあえずやってみないと何が不安なのかもわからないと思うから、とりあえず進んでみるわ」
「そうか、確かに君はそういう人間だったな」
「?」
「いや、何でもない。今は期待感が不安を上回っているので問題ないだろう。だが、もしその気持ちが逆転するようなことがあれば、注意することだ。その時は、歩みを止めることも大切だぞ」
「うん、わかったわ。肝に銘じておく」
主治医として体調を見続けてくれたフェイサルの助言にイーラは素直に頷く。
その素直さにどこか”昔の彼女”の面影を感じつつ、フェイサルは一冊の手帳を差し出した。
「それは、私が持っている医療・薬学の知識を収めたものだ」
「医療……?」
何の本? と首をかしげるイーラに、フェイサルは手帳を開き説明する。
「そうだ。旅では何が起こるかわからない。怪我をすることや風土病にかかることもあるだろう。もしその時、何もなければ死を待つばかりになってしまう。しかし、知識があればそれを回避できる。これはその為に用意した」
「え、すごい……いいの、そんなものをもらっても」
「構わない。だが、一朝一夕で身につく知識ではない事は知っておいて欲しい。一応、医療の素人でも理解できるよう平易な表現でまとめたつもりだが、身に着けるためにはやはり努力が必要になるからな」
フェイサルはページをめくる。
「ここには治せる怪我や病気と闘う為、あるいはそれらを防ぐ術。これを『衛生』というのだが、そういう考え方を記してある」
更にめくったページには、図解と共に文字が躍る。
「そして、これがヒトの体が生きて、そして死ぬ仕組みだ」
「死の仕組み……」
「君の旅が何処へ向かい、君が何を見て何を思うのかは私にはわからない。だが、これは……この知識は必ず君の武器となるだろう。ヒトを守る事も、害することもできる武器だ」
手帳を閉じイーラの手に収めたフェイサルは、彼女をじっと見つめた。
「どうか、君の正しいと思うことにこの知識を使って欲しい――――欲を言えば、ヒトを守る方向で使って欲しいがね」
それは今の彼女だけでなく、彼女が戻った時の備えにもなる――――フェイサルは真意を口外せず、おどけるように肩をすくめた。
「では、私からもこの一冊を」
フェイサルから受け取った手帳をぎゅっと抱いたイーラに、ハリスが色違いの手帳を手渡す。
「ここに私が長い旅路で培った様々なサバイバル知識を詰め込みました」
「サバイバル知識……?」
「はい、火の起こし方や水の求め方。寝床の場所の決め方や作り方、狩りに適した獲物や罠の設置方法。口にできる野草、キノコ等の採集の仕方など、項目は多岐にわたりますが、どれも野を行くために必要な知識です」
「す、すごい……」
ページを追って説明していくハリスに、イーラは何度も感嘆する。
「見送るしかできない私にはこの程度の事しかできませんが、どうか気をつけて、広く世界を見て回ってください。そして、必ず貴女の”探し物”を見つけてください。そしていつか、この世界で貴女自身の思う”幸せ”を見つけて欲しい」
「幸せ……?」
「今はわからなくても構いません。いずれ分かる日が来ます」
彼女がもしイーラとして生を終えるとしても、それは幸せなものであるべきだ。
何かの切っ掛けでかつての友が戻ったとしても、”彼女”には幸せな結末を迎えて欲しい。それがハリスの変わることのない願いだった。
かつて、形は違えど世界を憂い刃を向け合ったこともあった。
だが、それも過去の話。
かつての世界は閉じ、目の前には新たな世界が広がっている。
どこにでも行け、何にでもなれる自由なこの世界で、”彼女”が真の幸せを掴み――――。
「ハリス……?」
「……ああ、すみません。ちょっと考え事をしていました」
「大丈夫?」
「ええ、大丈夫です」
「それならいいんだけど……えっと、二人ともありがとう。これは大切に読ませてもらいます」
受け取った二冊を胸に抱いたイーラは、改めて二人に頭を下げた。
「では、続いておまけの贈呈を」
「え?」
完全に話は終わったと思っていたイーラがぽかんと口を開ける。
見ればハリスがウキウキで巨大な背嚢を漁っているし、フェイサルは本当に渡すのか? と困惑顔。
「さぁ、どうぞお受け取りください! 旅のお供にはこれ! ハリス印の野菜たちです!」
そう言ってハリスが仰々しく取り出したのは、両手いっぱいの野菜だった。
「同行者もいると伺いましたからね、沢山用意させていただきました! ああ、ご安心を! 旅路においても長く楽しんでいただけるよう、適宜干したり酢漬けにしたりと日持ち加工も完璧です! ささ、遠慮なくお受け取りください!」
「ええっ!?」
イーラは戸惑いフェイサルを見るが、「貰ってやってくれ」と視線で返される。
「あ、ありがとう……」
ハリスが満面の笑みで差し出した野菜たちを、イーラは乾いた笑みで受け取った。
●
その日の夜、イーラの住まう屋敷の庭で壮行会という名のささやかな宴が催された。
イーラの旅立ちを見送ろうと集った者たちは、ハヤトの用意したワインやハリスの野菜を口にしながら、それぞれの”未来”について花を咲かせる。
「新しい門出にはもってこいの宴だろう? こうした思い出をこれから沢山積み重ねて行こうぜ!」
ハヤトが進行役となった宴は大いに盛り上がり、いつもは静かな郊外の屋敷は沢山の笑い声に包まれた。
「今まで本当にありがとう。皆と一緒で本当に心強かった。次はいつ会えるかわからないけど、どうか元気で」
壮行会のもう一人の主役でもあるハーヴィは、別れる仲間たち一人一人と言葉を交わす。
そして、激励の言葉のお返しにと『皆に幸あれ』と願いを込めた自作の誕生石入りお守りを渡した。
●
「ボクは王国で騎士になる。まだ見ぬ未来がより良きものとなるように、弱き者の盾となり、少しでも無益な血が流れなくて済むように、ボクは王国の剣となるよ」
沢山の”未来”を語りあう仲間たちに負けじとそう宣言したエルゼリオは、イーラに近づいていく。
「そう言う事だからボクは君とは行けない。だけど、遠く王国からキミの事をいつも想ってるよ」
「うん」
「長い旅の末に、キミが『夢』を見つけられることを願ってる。だから、またいつか逢った時に教えて、『夢』を見つけられたかどうかを。そして、その夢がどんなものだったかを。もちろん、その時にはボクも成長した姿を見せられるよう頑張るよ。立派な騎士になってキミを迎えてみせるよ」
「うん、楽しみにしてるわ。わたしもがんばるね。きっと『夢』を見つけて見せる」
エルゼリオの揺るぎない決意に応えるように、イーラもぐっと拳を握りそう宣言した。
●
「……ちょっといい」
宴の盛り上がりは一段落した。
尽きない会話は続いているが、その雰囲気は随分穏やかなものとなっている。
そのタイミングを待っていたのか、今までじっと黙っていたトゥーリがイーラを呼んだ。
「……はい、これ」
「え……?」
言われるままに湖畔へと着いてきたイーラに、トゥーリは拳を押し付ける。
「あげる。持ってて」
「これって、首飾り……?」
開かれた拳から下げられているのは角細工の首飾り。
イーラは両手で掬う様に受け取ると、どうして? と問いかけた。
「旅に出るんでしょ。いいから持っていって。それ、私の角で作ったものだから」
「え……。そんな大切なものをどうしてわたしに渡すの?」
「別にアナタに渡したいわけじゃない。だけど、今はこうするしかないんだよ……これしかできないんだよ」
拳を離し距離を取ったトゥーリがイーラを見つめる。
「本当は色んな話をしたかった。沢山の事を報告して、おめでとうって言ってもらいたかった……アナタに言っても仕方の無い事だから言わないけど。だから――――」
トゥーリは自身の首元に光る白磁の首飾りを指でなぞった。
「……待ってるから。忘れるだなんて許さないから」
それは主語のない言葉。どちらに向けたとも無い想い。
そこに確かにいると信じ、伝われと願う。
返ってこない”彼女”の言葉に唇を噛み、トゥーリは絞り出すように呟く。
「……何かあったら連絡くらいは寄こして。連絡先はハヤトさんに伝えてあるから」
そう言うと、トゥーリはイーラに背を向けた。
「言っておくけど、勝手にくたばったりしたら一生恨むから」
そして、それだけを言い残すと、イーラからの返事も待たずに駆けだした。
●
あれだけ賑やかだった宴の灯が落ち、辺りは静けさと星明かりに包まれる。
もう、日が変わった。
今日は旅立ちの日だ。
「その旅装は……」
「はい、わたしも旅に出ます。不安定になっているだろう極北へ」
「そうかい、決めたんだね」
「はい、征竜さまの分まで世界を慈しみ、護る為に。それが超越者となった者の義務だと思いますので」
旅装に身を包んだトーラはヴィルジニアに告げると、皆と星を見上げているイーラにチラリと視線を向けた。
「あの子の事、よろしくお願いします」
「それは約束しかねるね」
「ふふ……ありがとうございます」
肩をすくめるヴィルジニアに頭を下げたトーラは、一足先に”未来”を掴む旅へと出立した。
「さあ、そろそろお開きにしようか」
トーラを見送ったヴィルジニアが声をかけると、皆は名残惜しそうに立ち上がる。
これから各々が新しい道を歩んでいく。
もうこの顔が一同に揃うことは無いかも知れない。
互いを忘れない様に、その顔を、声を記憶に刻み、別れを告げた。
新たな未来は、黎明の空と共にやってくる。
イーラは真新しい手帳を開き、ペンを執る。
そこに記した文字は、イーラにとって最初の”ページ”となった――――。
マスターコメント
ロングシナリオ易しい 報酬:標準8 / 6〜8人
2024年04月27日 21時04分30秒 公開
相談掲示板
トーラです。 よろしくお願いします! …といってもお馴染みの方々ですね。今回もよろしくお願いします。 とくに相談する必要はないかもしれませんが、同じものを贈ったりするのも避けたいのならここで言っておくのも良いかと思います。 とは言っても、わたしはまだ何にするか決めて無いのですけど…。 ハヤトさんの傭兵団に所属するということになったので、一人ではないのならある程度の物は大丈夫でしょうか。 もう少し考えてみます。
おーっす! ブレイブファング傭兵団のハヤト=ガラン=ヴォルファングだ!! これで最後になるがみんな今までありがとな! それと、今回もよろしくな!! んで、ヒルル…イーラにプレゼントか… ま、もちっと考えてみるが… んで、エルゼリオとハーヴィは俺達に同行することにすんのか? 一緒に来んなら傭兵団に入団も大歓迎だぜ?(笑)
ハーヴィだよ! 今回もお馴染みの面々だね。 今回もよろしくね! そして今まで本当にありがとうございましたっ! プレゼントだけど、僕は守り石のペンダントにする予定。 これひとつだけにするか、他にも何か添えるかは考え中だよ。 そして前回のリプレイでも言ってる通り、僕は元よりイーラと一緒に旅に出ることを提案してるからね。イーラが入団するなら一緒に行くよ。 あー……えっと、それとなんだけど、今回参加してる人達にも個別に贈り物したいんだけど大丈夫かな? 気持ち程度のささやかなもので、多分みんな同じものになると思うけども。 受け取りたくない、って人がいたら除くんで、言ってもらえると助かるな。
ヴィルヘルミナです。皆さんもお元気で何より。 プレゼントはコレですね(シグルラン謹製鍛造万能ナイフを取り出し) こういうのが一本あれば便利でしょうから。 あと何が出来るかは少し考えてみる事にします。 >贈り物 私は大丈夫ですよ。
……個人的には全然納得いってないけど。 ハリスさんもフェイサルさんもなんかそれでも良かったみたいなこと言ってるし、まあ……ハヤトさんのとこにいるなら危ないことはないだろうし。 ワタシは! 全然納得いってないけど。 見送るぐらいはするよ。せっかくだし。 ハーヴィさんのお気持ちは嬉しいかな。 こっちからは何も返せなさそうでごめんね。
はは、なかなか全員が納得できる結末というものは難しい。 ……私とてこの結末に、思う所はありますとも。 しかし、それでも時は流れ、世界は続いていくもの。 今は旅立ちの時。せめて彼女に…イーラ殿に良き明日があらんことを。 そして皆様、長らくのお付き合い、本当にありがとうございました。 征竜より継ぎし守護の大任も、皆様と共に在れば必ずや遂げられるでしょう。 私は皆様と共に歩めたことを、心より嬉しく思います。 何かの縁で北方辺境伯領へお越しの際は、是非私とトゥーリの家に寄ってください。 >贈り物 私は野草など植物全般の知識と、簡単ですが野営や開墾の初歩等を。 冊子などに纏めて送れれば良いかと考えておりますね。 所謂「さばいばるがいど」的なものになるかもしれません。 ハヤト殿と傭兵団のお仲間が共に在るとはいえ、損にはならぬかと。 >ハーヴィ殿 ありがたく受け取らせていただきます。 こちらからお返しを用立てることができないのは心苦しいですが…。
フェイサル・セイフだ。 すっかり見知った顔ばかりだが挨拶は大事な事だ、今回も宜しく頼む。 ……まぁ正直ここだけの話、私も不満や後悔が無い訳では無い。 ただ、今やれる中で一番良いと思った事をしっかりやるのが精一杯なのだ、私は。 >贈り物 という訳で――私からは旅の助け、あるいは武器になる「知識」を少し。 内容に関しては……まぁ、察しの通りだ。ハリスのそれと合わせれば別冊とでもなるか? (腰に吊るした薬草の束を軽く片手で叩きながら) >ハーヴィ ……これは驚きの申し出だな。ありがたく頂戴したい、嬉しいよ。
顔出しが遅くなっちゃってゴメン! エルゼリオ・レイノーラです、今回もヨロシクね。 ボクも思う所がない訳じゃないけれど―― ヒルルクさ……イーラさんが望んだ事なら、笑顔で送り出してあげたいなと思ってるよ。 >ハヤトさん ――わわッ! ボクは王国騎士目指すって決めたから、一緒には行けないんだ……。 残念だけど、仕方ないよね。 イーラさん達と王国に立ち寄る事があった時は連絡して貰えると嬉しいな……! >ハーヴィさん >>贈り物 是非、ありがたく受け取らせて貰うね! ボクはイーラさんと一緒に旅立つ事はできないけれど――彼女の事、宜しくね!
こういう相談をするのも最後なんですね。 ハーヴィさんが皆に贈り物をしてくれると言うので、わたしも贈り物を考えてみました。 ある植物の種です。これなら荷物にもなりませんし、あまり気にせず頂けたら。
>ハーヴィ&トーラ 俺達にも贈り物か!? ありがたく受け取らせて貰うぜ!! >エルゼリオ ほほぅ。 親父の跡を継ぐって感じか? 王国騎士として名を挙げるのを期待してんぜ! んじゃ、王国に寄った時は真っ先に連絡すっから宴の準備はよろしくな?(笑)