【祝祭】ドゥジケット準備会・修羅場!
おおくまねこ
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シナリオID:3438
オープニング
●夜のマナズィール最終章
帝都決戦の最中、レイウェストは危機を迎え、かつての従者にすんでのところで救出されていた。
「エフレム、なぜ私に応えた。そなたは幽界樹跡の穴を塞ぐと……!」
「殿下の魂の叫びが聞こえました。『抱いてくれ、エフレム!!』と」
「言ってないが?」
レイウェストは困惑した。しかし、エフレムは潤んだ瞳でレイウェストの手を取り、言葉を紡ぐ。
「幽界樹の穴の方は他の方に任せるとして、拙は殿下の穴を埋めましょう。今こそ拙の想いを聞いていただけますか?」
白き近衛騎士はそこで言葉を切り、皇子をまっすぐに見つめて言った。
「愛しております、殿下。たとえ世界を滅ぼしてでも、貴方を守りたい」
「エフレム……! そこまで私のことを……! わかった、ならば私も、その想いを受け止めよう!」(皇帝級の器)
皇子と騎士は強く抱き締めあった。そして世界は、エフレムとレイウェストの愛の力で救われたのである……。
●
「どうよ!? 今回のは自信作なんだけど! あ、ちなみに穴っていうのは心の穴よ」
「……貴女も極北でクリーパーと戦いに行けばよろしいかと。こんなものを世界中に公開できるはずがありません!」
レヴェリアが寄越したプロットを見たマリリン・クリニエーラはニッコリ笑い、ぺしん! と勢いよく薄い本を床に叩きつけた。
「むー。レイウェスト皇子も今や王族関係者だもんね……クラブが潰れたら元も子もないし、大礼拝祭での公開は諦めるか……」
レヴェリアはしょんぼりしつつも、マリリンの言葉を受け入れた。
「これは誰かにイラスト付けてもらって。ディープなファン同士でこっそり見せ合いを……」
「全然諦めてないじゃないですか。逮捕されても私は『いつかやると思ってましたわ』としかコメントしませんからね!」
マリリンは呆れたように言った。すると、ドゥジケット準備会の部長のアルベルティーヌが黒板の前に立ち、カン、木槌を叩いた。
「雑談はこれぐらいにして、ミーティングを始めましょう。知っての通り、我々は聖地ドゥジケットで開催される『ドゥジケット大礼拝祭』の主催者となりました。開催に向けて事務的なことは私や、マリリンさん達マネージャー枠の部員達が必死に手配をしてくれていますが、我々ドゥジン作家の本職はドゥジンシを描くことです。主催者が原稿を落とすことなど有ってはならない。皆さん、もう本番まであと一か月前ですが、原稿の進捗は問題ないですね?」
アルベルティーヌの言葉に、微妙な空気が流れる。
「皆さん?」
(まあ、メアリー王女……いえ、メイさんは原稿を落とすのが確定してしまいましたけど、彼女については仕方ないでしょう……)
マリリンは遠い目をした。マリリンは冒険者以外の学園生では数少ない、『商家の娘メイ』の正体を知っている者だ。正体を知ったきっかけはマリリンがニコラ・ゴルティエ侯爵夫人に誘拐された際、事件の捜査の指揮をとっていたのがメアリー王女だったから……というなんともアレなものだったが。
ともかく、マリリンはメアリー王女の秘密を共有する『平民の友人』として、ドゥジケット大礼拝祭の準備を色々と手伝っている。昨年、マリリンの偽物がドゥジン作家の聖地ドゥジケットで大暴れした(【幻秋】神聖メガネ皇帝マリリンの野望)際も、マリリン達はドゥジケットの市長にドゥジケット大礼拝祭の開催の打ち合わせをしに行っていたのである。
「……では、レヴェリアさんから順番に原稿の進捗を確認したいと思います」
そして、ドゥジケット準備会の部員たちは次々と原稿の進捗を報告していった。結論から言えば、ドゥジケット準備会部員の原稿の進捗具合は、壊滅状態であった。
「なんということでしょう! 半分もできてないじゃないですか! 皆さん、学園がお休みの間、一体何やってたんですか!?」
アルベルティーヌは絶叫した。このままでは、ドゥジケット大礼拝祭は公開処刑の場となってしまう! 周りの団体が様々なドゥジンシを持ち寄っている中、主催者側の原稿は穴だらけ。そんな事態となれば、ドゥジケット準備会のみならず、学園の面目も丸つぶれである。
「えっとぉ……その? 卓上遊戯とか?」
「わたくしはぁ。ちょっと長編小説を読みふけっていたらいつの間にか冬休みが終わっておりまして……」
「デートが忙しくて……」
口々に言い訳をする部員達。ウィーズル(クラブ顧問)の表情から笑顔が消えた。そしてついに、アルベルティーヌは切れた。
「■■ブッ叩きますわよ! 皆さんには聖地で強制的に合宿をしていただきます! 原稿が仕上がるまで、食事と睡眠以外は全て執筆活動に充ててください!」
「うぇ~!!」
こうして、ドゥジケット準備会のドゥジン作家たちは厳しい監視体制の元、聖地の宿屋で軟禁されることとなった。
●
「皆さん、お久しぶりッス。今日はドゥジケット準備会のクラブ顧問として、依頼を出しに来たッス」
ハーフリングのパンクリアース学園職員ウィーズル・トレイドは学園の冒険者ギルド窓口にて、木箱の上からぺこりと頭を下げた。彼女は学園職員だが、ドゥジケット準備会のメンバーに付き添い、都市同盟まではるばる遠征に行く予定であった。
「今度、エラトゥーン都市同盟にある、ドゥジン作家の聖地ドゥジケットで『ドゥジケット大礼拝祭』という、大規模なドゥジンイベントが開催されるッス。これは実はメアリー王女が裏で色々と手を回していたんスが、一つ、大きな問題がありまして」
ウィーズルはこほん、と咳払いをした。
「残念ながら、主催者であるドゥジケット準備会の部員の子達の原稿がヤバいッス。事態を重く見たアルベルティーヌ部長は、冒険者達による厳重な監視の元で、なんとか原稿を仕上げさせようとしてるッス。どうか、皆さんにもご協力いただきたいッス! かくいうあっしも顧問なんで、イベントで何か不祥事が起こったら失業の危機っス!」
ウィーズルは切実に冒険者達に依頼の重要性を訴えた。ドゥジケット準備会から冒険者に出された依頼は、原稿の手伝いと、逃亡を図るドゥジン作家たちの監視・捕縛である。合宿の会場は都市同盟の高級な宿屋。依頼の遂行中は同じ宿に泊まることになるので、ちょっとリッチな生活ができるかもしれない。
また、ドゥジン作家たちは夜は寝間着で生活するので、貴族社会の住人である令嬢や御曹司たちのありがたきパジャマ姿も拝めるかもしれない。
「依頼料はドゥジケット準備会の部費から出てるので、割はいいと思うッス。学園生は選挙とかもあって忙しいと思うッスけど、都合の合う方は、ぜひよろしくッス!」
帝都決戦の最中、レイウェストは危機を迎え、かつての従者にすんでのところで救出されていた。
「エフレム、なぜ私に応えた。そなたは幽界樹跡の穴を塞ぐと……!」
「殿下の魂の叫びが聞こえました。『抱いてくれ、エフレム!!』と」
「言ってないが?」
レイウェストは困惑した。しかし、エフレムは潤んだ瞳でレイウェストの手を取り、言葉を紡ぐ。
「幽界樹の穴の方は他の方に任せるとして、拙は殿下の穴を埋めましょう。今こそ拙の想いを聞いていただけますか?」
白き近衛騎士はそこで言葉を切り、皇子をまっすぐに見つめて言った。
「愛しております、殿下。たとえ世界を滅ぼしてでも、貴方を守りたい」
「エフレム……! そこまで私のことを……! わかった、ならば私も、その想いを受け止めよう!」(皇帝級の器)
皇子と騎士は強く抱き締めあった。そして世界は、エフレムとレイウェストの愛の力で救われたのである……。
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「どうよ!? 今回のは自信作なんだけど! あ、ちなみに穴っていうのは心の穴よ」
「……貴女も極北でクリーパーと戦いに行けばよろしいかと。こんなものを世界中に公開できるはずがありません!」
レヴェリアが寄越したプロットを見たマリリン・クリニエーラはニッコリ笑い、ぺしん! と勢いよく薄い本を床に叩きつけた。
「むー。レイウェスト皇子も今や王族関係者だもんね……クラブが潰れたら元も子もないし、大礼拝祭での公開は諦めるか……」
レヴェリアはしょんぼりしつつも、マリリンの言葉を受け入れた。
「これは誰かにイラスト付けてもらって。ディープなファン同士でこっそり見せ合いを……」
「全然諦めてないじゃないですか。逮捕されても私は『いつかやると思ってましたわ』としかコメントしませんからね!」
マリリンは呆れたように言った。すると、ドゥジケット準備会の部長のアルベルティーヌが黒板の前に立ち、カン、木槌を叩いた。
「雑談はこれぐらいにして、ミーティングを始めましょう。知っての通り、我々は聖地ドゥジケットで開催される『ドゥジケット大礼拝祭』の主催者となりました。開催に向けて事務的なことは私や、マリリンさん達マネージャー枠の部員達が必死に手配をしてくれていますが、我々ドゥジン作家の本職はドゥジンシを描くことです。主催者が原稿を落とすことなど有ってはならない。皆さん、もう本番まであと一か月前ですが、原稿の進捗は問題ないですね?」
アルベルティーヌの言葉に、微妙な空気が流れる。
「皆さん?」
(まあ、メアリー王女……いえ、メイさんは原稿を落とすのが確定してしまいましたけど、彼女については仕方ないでしょう……)
マリリンは遠い目をした。マリリンは冒険者以外の学園生では数少ない、『商家の娘メイ』の正体を知っている者だ。正体を知ったきっかけはマリリンがニコラ・ゴルティエ侯爵夫人に誘拐された際、事件の捜査の指揮をとっていたのがメアリー王女だったから……というなんともアレなものだったが。
ともかく、マリリンはメアリー王女の秘密を共有する『平民の友人』として、ドゥジケット大礼拝祭の準備を色々と手伝っている。昨年、マリリンの偽物がドゥジン作家の聖地ドゥジケットで大暴れした(【幻秋】神聖メガネ皇帝マリリンの野望)際も、マリリン達はドゥジケットの市長にドゥジケット大礼拝祭の開催の打ち合わせをしに行っていたのである。
「……では、レヴェリアさんから順番に原稿の進捗を確認したいと思います」
そして、ドゥジケット準備会の部員たちは次々と原稿の進捗を報告していった。結論から言えば、ドゥジケット準備会部員の原稿の進捗具合は、壊滅状態であった。
「なんということでしょう! 半分もできてないじゃないですか! 皆さん、学園がお休みの間、一体何やってたんですか!?」
アルベルティーヌは絶叫した。このままでは、ドゥジケット大礼拝祭は公開処刑の場となってしまう! 周りの団体が様々なドゥジンシを持ち寄っている中、主催者側の原稿は穴だらけ。そんな事態となれば、ドゥジケット準備会のみならず、学園の面目も丸つぶれである。
「えっとぉ……その? 卓上遊戯とか?」
「わたくしはぁ。ちょっと長編小説を読みふけっていたらいつの間にか冬休みが終わっておりまして……」
「デートが忙しくて……」
口々に言い訳をする部員達。ウィーズル(クラブ顧問)の表情から笑顔が消えた。そしてついに、アルベルティーヌは切れた。
「■■ブッ叩きますわよ! 皆さんには聖地で強制的に合宿をしていただきます! 原稿が仕上がるまで、食事と睡眠以外は全て執筆活動に充ててください!」
「うぇ~!!」
こうして、ドゥジケット準備会のドゥジン作家たちは厳しい監視体制の元、聖地の宿屋で軟禁されることとなった。
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「皆さん、お久しぶりッス。今日はドゥジケット準備会のクラブ顧問として、依頼を出しに来たッス」
ハーフリングのパンクリアース学園職員ウィーズル・トレイドは学園の冒険者ギルド窓口にて、木箱の上からぺこりと頭を下げた。彼女は学園職員だが、ドゥジケット準備会のメンバーに付き添い、都市同盟まではるばる遠征に行く予定であった。
「今度、エラトゥーン都市同盟にある、ドゥジン作家の聖地ドゥジケットで『ドゥジケット大礼拝祭』という、大規模なドゥジンイベントが開催されるッス。これは実はメアリー王女が裏で色々と手を回していたんスが、一つ、大きな問題がありまして」
ウィーズルはこほん、と咳払いをした。
「残念ながら、主催者であるドゥジケット準備会の部員の子達の原稿がヤバいッス。事態を重く見たアルベルティーヌ部長は、冒険者達による厳重な監視の元で、なんとか原稿を仕上げさせようとしてるッス。どうか、皆さんにもご協力いただきたいッス! かくいうあっしも顧問なんで、イベントで何か不祥事が起こったら失業の危機っス!」
ウィーズルは切実に冒険者達に依頼の重要性を訴えた。ドゥジケット準備会から冒険者に出された依頼は、原稿の手伝いと、逃亡を図るドゥジン作家たちの監視・捕縛である。合宿の会場は都市同盟の高級な宿屋。依頼の遂行中は同じ宿に泊まることになるので、ちょっとリッチな生活ができるかもしれない。
また、ドゥジン作家たちは夜は寝間着で生活するので、貴族社会の住人である令嬢や御曹司たちのありがたきパジャマ姿も拝めるかもしれない。
「依頼料はドゥジケット準備会の部費から出てるので、割はいいと思うッス。学園生は選挙とかもあって忙しいと思うッスけど、都合の合う方は、ぜひよろしくッス!」
解説
依頼内容:ドゥジケット準備会の大礼拝祭の準備を手伝う。
依頼人:ドゥジケット準備会部長・アルベルティーヌ
舞台:エラトゥーン都市同盟/ドゥジン作家の聖地ドゥジケット
今回冒険者が取れる行動派大きく分けて三つです。
A:ドゥジン作家の原稿を手伝う。
B:ウィーズル、マリリン、アルベルティーヌの手伝いをする。
C:自分で原稿を描く。
※ドゥジケット準備会のクラブに所属していなくても、寄稿は歓迎されます。また、これを機に入部することもできます。
●ドゥジケット準備会について
パンクリアース学園のドゥジン作家のクラブ。その名の通り、メアリー王女がドゥジケット大礼拝祭の準備をするために設立したクラブ。表向きは王家とは無関係のクラブであり、部長も学園生のアルベルティーヌとなっている。なお、メアリー王女は『商家の娘メイ』名義で素性を隠し、出入りしている。
●主な登場人物
『紫陽花の貴腐人』アルベルティーヌ
部長。外交担当。彼女はすでに自身の作品を仕上げている。学園外部との交渉に奔走しており、秘書募集中。実家は伯爵家。
『鬼編集』マリリン
ドゥジケット準備会メンバー。現在3年生。編集・会計担当で彼女は作家ではない。原稿の進捗管理の責任者。原稿を落としそうな者にはたとえ貴族であっても容赦しない(メアリー王女は公務というやむをえない理由があるため特例)。
ウィーズル
クラブ顧問。学園生ではなく大人なので、イベントの責任を背負っている。部長を手伝ったり、マリリンを手伝ったり、アシスタントになったりと、一番忙しいポジション。
レヴェリア
ドゥジケット準備会の問題児。逃亡癖あり。商家出身の学園生。
なお、OPノベル冒頭のドゥジンシは色々不敬なので大礼拝祭では公開しない(できない)。健全な異種族恋愛ものを執筆予定。
その他・ドゥジケット準備会部員 約十名
原稿がやばいドゥジケット準備会の作家たち(全員学園生)。宿屋で絶賛軟禁中。冒険者が創作意欲を刺激するようなことをすればやる気を出すかもしれない。
使用人たち 多数
ドゥジケット準備会のメンバーの使用人達。学園生の身の回りの世話がメインだがお菓子の用意をしたり、モデルをやらされたり、絵心のある者がアシスタントに駆り出されたりもしている。冒険者の要請があれば、小芝居とか手伝ったりもしてくれる。
※原稿をちゃんと上げた部員もいます。その場合は強制合宿は免除されているため、リプレイには登場しません。
マスターより
こんにちは。おおくまねこです。いよいよメアリー王女の野望が実現する時が来た……はずなんですが、部員たちの原稿は危機的状況のようです。イベントを成功させるには、冒険者達の力が必要です。あと、アルベルティーヌの台詞の■■の部分はカタカナ二文字の身体部位が入ります。ご興味がありましたらよろしくお願いいたします。
リプレイ
●
「帝都に行っている間にドゥジケット準備会がこんなことになっていたとは……」
レタラ・スマリは部員達の自堕落っぷりに息を呑んだ。レタラ本人はすでに自分の原稿を完成させていたが、せっかくなので合宿に参加し、もう一作ほど軽いものを執筆することにした。レイウェスト皇子とメアリー王女の結婚祝い小冊子だ。
(ちなみに本命原稿は……本来ならオレもレイ×エフを展示したかったのだが……まぁ、今回は前回好評だったメアリー王女のドゥジンシの続編だな)
「メアリー王女の冒険譚・帝都編を書くぞ。ヨゼフ皇帝はレイウェストとメアリーが虹宝剣ケーキ入刀アタックで倒したことにしておこう。あとレイウェスト皇子とエフレムの絆の描写はなんとしてもねじ込まねばな……。健全な範囲で」
●
「よし。オレの原稿は仕上がった。同志達のアシスタントに回るか。尊みに溢れた作品を一点でも増やさねば」
レタラは自身のノルマを終えた後、同志の原稿を手伝うことにした。
「背景やベタ、仕上げは勿論手伝うが……ポージングも希望があればオレが承ろう」
レタラが申し出ると、部員達は次々と挙手した。
「男性の筋肉がうまく書けなくて……」(チラッチラッ)
「半裸で使用人(イケメン)と抱き合っているシーンがどうしても必要なんですの……」
「なん、だと……!?」
レタラの想定より同志達の要求は数段過激だった。
「尊みのためだ……! 仕方ない!」
「「きゃー!!」」(大歓声)
レタラが頷くと、部員達は黄色い歓声を上げた。
……。
「あの……貸し切りとはいえ、もう少し静かにしていただけませんか? 近所迷惑なんで」
「「すみませんでした」」
深夜まで騒いでいたら宿屋の主人に怒られたので、部員達はみんなで頭を下げた。
「アンタも大変だな。ナッシュ、だったか」
「ええ。ご主人様たちにはとうていお見せできない光景ですね。どうか、この件は内密に……」
「無論だ」
パジャマ姿ではしゃぐ令嬢達の姿に、レタラとセットでポージングを担当していた執事は冷や汗をかいていた。もし情報誌にスクープされてしまえば、『王国貴族令嬢ズ、海外旅行で乱痴気騒ぎ』とか見出しがつけられてしまいそうだ(※実際にはドゥジケット準備会には商家の娘も多い)。
●
「時にレヴェリア嬢。例の作品の絵付け、良ければオレが承るが……?」
「ぜひ、お願いするわ! 実際にエフ×レイを見た人の力が借りられるなんて心強い!」
がしっ! レタラとレヴェリア(PNリザ)は固く握手を交わした。そしてレタラは同志たちと深夜まで「レイウェストが先か、エフレムが先か」という深淵かつ哲学的なテーマについて激論を交わした。
●
「私の原稿はもう終わっている。他の人を手伝うのだ」
ストレガ・L・リベルガストラは彼女は年がら年中学術論文を書き、ゴールディの図書館に寄贈している。ドゥジンシの執筆もお手の物だった。もっとも、彼女のドゥジンシは他の部員達のように物語を中心に据えたものではなく、料理のレシピ本であったが。ちなみにストレガは宮廷料理人級にまで到達した神域の天才料理人であり、自ら開発した魔獣料理のレシピや、冒険者稼業で世界各地から収集したレシピは、料理人垂涎の貴重なレシピ本であろう(クリーパー料理は個体差が大きすぎて再現性が低いため、レシピとしての価値は低い)。
「じゃ、ストレガさんは学生たちの健康管理もお願いしたいッス。彼女ら、目を離すと偏食したり夜更かししたりする子も多いんで」
「心得たのだ、顧問殿」
顧問のウィーズルに頼まれたストレガは了承し、ドゥジケット準備会部員達のために料理番をすることにした。
●
「夕食を作りたい。厨房を借りるのだ」
ストレガは宿屋の厨房を借り、ドゥジケット準備会の部員達の夕食作りに入った。
(夜通し作業するだろうから『塩分が多く、消化しにくいもの』を選ぶのだ。満腹にならない量で腹に溜まるので眠り辛くなるものがいいのだ)
夕食時、部員達が一同に会した食堂で、ストレガは宿屋の人達と共に料理を運んできた。
「さあ、夕食の時間なのだ。貴族令嬢達の口に合えばよいが」
「謙遜しているが、ストレガ君は一流の料理人だよ。野営の時は彼女の料理を楽しみにしていた冒険者も多いはずだ」
「だな! 下手な定食屋よりよっぽどうまいしな!」
漂ってくるいい香りに、ヨル・スレイマンとナハシュもニッコリしている。
「では、召し上がれなのだ」
ストレガが作ったのは、揚げチキンにチーズ、葉野菜とスパイスの効いたソースをかけてパンで挟んだ特製バーガーに、塩気の効いた薄切り燻製肉のサンドイッチだった。さらに前菜として、大豆のサラダも付いている。
「飲み物は珈琲を用意した。苦手ならココアもチョコもある。これらは眠気を抑える作用がある。ミルクは入れないのが良い。食事を工夫する事で薬を飲むのと同じ効果を得られるのだ」
「わあ、至れり尽くせりですね!」
自分の分のココアを確保しつつ、シェルリアは歓声を上げた。
「足りないのなら米を使った夜食も作る。その代わり締め切りは守るのだ」
ストレガの支援は手厚い。その分、「だから書け」という圧も強かった。
「今回のイベントが無事成功したら、大脱出のドゥジンシも出してみたいのだ。世界規模の祭典で出せるならば、きっとサチコ殿も喜ぶだろう」
●
「さて、言い訳を聞かせてもらうッス」
「納期は命の次に重いんですよ、シェルリアさん!」
「うわああん、原稿頑張ってたんですよう! でも仕方無いじゃないですか、レイウェスト皇子とエフレム様のあんな熱い愛を公式供給されては!」
合宿会場に引っ立てられ、宿屋の一室にぶちこまれたシェルリア・リトヴァール(リトヴァール伯爵家次女)は床に正座させられていた。彼女の正面には、憤怒の形相のウィーズル(顧問。平民)とマリリン(編集。学園の先輩。平民)が腕組みをしている。
「うっかり突発本(世間には出せないやつ)出してラミ×ウィル本(健全)を落としかけても仕方無いじゃないですかぁ……」
しゅんとうなだれるシェルリア。ここドゥジケット準備会では締め切りを護る者こそが正義であり、作品のクオリティこそがジャスティスであった。貴族であっても、原稿を落とす女は賤民なのだ。
「合宿頑張ります……」
武士の情けで執筆の友のおやつとコーヒーを与えられたシェルリアは机に向かい、原稿の執筆を開始した。
「大筋は出来てますし、あとは作業を進めればいいので私の腕をもってすれば楽勝なのですよ! ラミアス先生は推しCPであると同時に、尊敬する先生ですからね、作画にも手は抜けません!」
そんな風に意気込むシェルリアであったが……。
●
「シェルリアさん、聞きました? 王子の臣籍降下発表の直後、ラミアス先生が王都で王子とお茶してるのを見たって子がいるんですのよ! これはかなり信用できる筋からの情報です」
「なんですって!? それでそれで、二人の会話の内容は一体どんな感じだったんですか、アルベルティーヌ部長!」
「そこまでは情報が出回っておりません。ですが、わたくしの推理では『僕を差し置いて結婚なんて許しませんよ』的な恨み言だったのではないかと……!」
「それは激ヤバですね!」
「私、聞きました! 夜中に王城からウィリアム王子らしき人物が城を抜け出して、ラミアス先生のおうちに向かっていく姿を見た人がいるって!」
原稿の傍ら、シェルリアは同志たちと真偽の定かではない萌え話に興じていた。禁断の夜食にも手を出し、原稿のことはすっかり忘れて夜中まで同志達と盛り上がっていると、すみっこにいた部員が連れてきた使用人達が渋い顔をしていた。なおシェルリアの寝間着は貴族令嬢らしく、高級感溢れるシルクのものだった。手づかみで食べたスコーンの粉とかついてるけど。
そして月日は流れ、締めきり2日前……。
「あれ? もう2日前!? これは、まずいですね!」
シェルリアがまだ白紙のページの多さに震えていると。コンコン、とノックの音がした。
(こ、このつつましいノックの音は!)
「おはようございます。シェルリアちゃん。毎晩ずいぶんと盛り上がっていたようですが、進 捗 は い か が で す か?」
朝から訪問してきたのは、目が全く笑っていないマリリンだった。
「わあああん何でぎりぎりになっちゃうんですかあああ!」
シェルリアは外からカギをかけられる特別室に移送され、徹夜でなんとか原稿を仕上げたのだった。
●
「なんだかわからなくなってきた……」
ヨルは机につっぷしていた。彼はドゥジケット準備会部員としてクラブの原稿を描いている真っ最中だ。依頼を受け聖地ドゥジケットに顔を出したら、ナハシュともども即座に宿の一室に連行され、軟禁状態になった。
「……うう……」
うめき声を上げる姿はまるで屍のようだ。ヨルの原稿は煮詰まっていた。
「これまとまるのか……?」
●
「ウィル様。行かれるのですね」
「ああ。帝都でレイウェスト達が待っている。僕だけが行かないわけにはいかないさ」
ヨルが書いているドゥジンシは、冒険者ウィルと学園生の恋愛譚だ(ちなみに主人公の学園生は女子学園生である)。帝都決戦の少し前、ウィルへ恋心を抱える女学生は彼に出会う。叶わぬ恋、情の行方、そしてウィルは戦場へ行き、戻って来ず――という悲恋ものであった。
「テーマ性を考えるならやはりウィルは死なせるべき……うーん、ハッキリと死んだと書くよりも、行方不明の方がいいか……? いや、生き残ったけど何故か記憶喪失という手も……うーん、悩むな……」
「ヨル、何悩んでんだ?」
ヨルが煩悶していると、同室のナハシュが声をかけてきた。
「いや、冒険者ウィルを殺すべきか、行方不明にするべきかで悩んでいるんだよ」
「へえ、ヨル、ウィリアムにそんなに恨みがあったのか! 知らなかったぜ。そういえば、俺もいつかあの王子を殺して体を乗っ取る夢を見たことが……」
「いや、ドゥジンシの話だよ! もちろん!」
●
「もう一文字も書けない!」
わっと泣き出すヨル。彼すっかり情緒不安定になっていた。なんとか数行は進めてみたものの、まだ肝心のシーンがごっそりと抜けている状態だ。いつも穏やかなマリリン(編集)の視線も、心なしか段々冷たくなってきている気がする。
「ん? なんかいい匂いがすると思ったら、ホットケーキじゃねえか! なんかうまそうな汁もかかってるな! ヨル! 食っていいか!?」
「ああ。ちょっと隙間時間に、軽食を作ってみたんだ。ストレガ君に材料を分けてもらって……ソースはチョコレートで作ってみた。煮詰まってると体動かしたくならない?!」
「ほうらな!」(もう食ってる)
※ヨルに隙間時間などない。試験前になると妙に掃除がしたく例のアレである。
少し原稿の手を止め、ヨルと二人でホットケーキを食べるヨル。しばしの休憩タイムだ。なお、原稿は昨日から1ページほどしか進んでいない模様。
「あれ。ナハシュ。それは?」
その時、ヨルはいつの間にかナハシュの机の上に、原稿用紙が置いてあることに気付いた。
「ああ。なんかでけー祭りだって言うからさ。俺も記念に1冊書いてみることにしたぜ!」
「ナハシュが、ドゥジンシを……! できたら写本するから貸してほしい」
「お、おう」
「3冊写本する。1冊は墓に入れて貰う……」
「お、おう、ヨル、そんなにドゥジンシ好きだったのか……」
●
「じいや。父上に『自分で買い物に行け』と命じられた。買い物など、使用人の仕事だろうに」
「おぼっちゃま。御父上はぼっちゃまに強い男になってほしいのでございますよ。どうかそのお気持ちを汲んであげてくださいませ」
「ふん。飽きたら途中で帰るからな」
「おい、バードマン! 『買い食い』というのを試してみるぞ!」
「シュバルツ様、存外に乗り気じゃないですか」
「うるさい。ところで支払いはどうやればいい。『これをくれ』と店の者に言えば後で商人が家まで代金を受け取りに来るのか?」
「いえ、それでは金貨を渡された意味がないでしょう。ここは、他の庶民が買い物をするところを観察しましょうか」
ナハシュが書いた本のタイトルは『はじめてのおつかい』。王国の上流階級の二人組が初めて買い出しに行かなければならなくなり、店までの道や買い物の方法が分からなくて四苦八苦しながらも、最後は周囲の人に呆れられつつ助けられ、無事お使いを終える迄の様をコミカルに描いた絵本だ。さらにオマケとして、学園名物ウィリアム黄金像のペーパークラフト付きである。
「貴族って自分じゃ買い物もまともにできねえ奴がいるんだぜ、すげえよな。面白かったから本にした。書くのはなんでもいいんだろ?」
「今回は会場が都市同盟だからギリギリセーフ、かな? ただ、その挿絵はモデルの人物に似すぎている。せめて目と髪の色くらいは変えるんだ」
ヨルとナハシュのドゥジンシは無事に完成し、ドゥジケット大礼拝祭でも出品されることとなった。
●
「準備会所属じゃないけど、小説書くよ」
ヴィナスがドゥジンシの執筆に名乗りを上げると、ドゥジケット準備会メンバーから歓声が上がった。
「マジで!? ルーンスくんのお兄様がドゥジンシを!?」
「テーマは!? テーマは何ですの!? まさか、禁断の兄弟愛ですか!?」
「ステイステイ。みんな、ちょっとにいさまと近い」
鼻息を荒くする令嬢達をなだめるヴィナス弟のルーンス・ラグネル。
「ははは。内容は書き上がるまで秘密ということでよろしく頼むよ」
ヴィナスは苦笑し、ルーンスと共に自室へと引き上げていった。
●
「あまり時間はないし、さっそく執筆作業に入ろう」
「紙の準備はもう済ませてあるよ、にいさま」
ルーンスはヴィナスの助手だ。本に使う紙の選定や、本の装飾、そして下読みや校正などを担当する。紙の選定はもう終わっているが、本の装飾についてはヴィナスの執筆活動と並行して行う予定だ。
「コスト抑えつつも表紙・中表紙も少し凝りたいしね。僕の部下はシャルガネの婚礼に使う紅白の水引で結び切りってのを表紙に使ってたね」
「ちなみにどんな本だったんだ?」
「僕の婚約者が男だったけど、僕との愛を諦めなかったって話。フッツーに内容面白かったし、本の装飾アイディアは面白かったし。あ、商会内々の発行本だから問題ないよ」
「なるほど。なら、デザイン関係は任せるよ、ルーン」
「任せて、にいさま」
●
「戦いは終わった。私の夢のような日々も終わり、家へ帰る日が来てしまった」
ヴィナスが書いた小説の内容は以下のような内容だった。
――名家の跡取りである主人公(男)は富と名声に夢中な家へ帰り、決められた婚約者と結婚する。しかし主人公は冒険者としての相棒で親友との日々を惜しみ、これからの人生に苦悩する。そして、相棒だった青年は口に出さない主人公の苦悩を察しながらも、それを言えない。最後には主人公と親友は魂の抱擁を交わして別れる。
●
ヴィナスの執筆は順調だった。ルーンスは兄が書いた試作品の内容を誤字のチェックがてら確認し、組紐のイメージカラーや、使用可能な紙の見本と照合し、内容にピッタリ合う装飾に仕上げていく。
「『全てお膳立てされた萌えも悪くないが、行間や空間から妄想する萌えこそ至高の火種』って部下が言ってたし、露骨すぎない方がいいよね」
●
「寄り添っていた心、絡めていた指を解くように私は別れを告げた。友よ、どうか風のように自由に生きて。最後に見つめ合った友は、風のように自由に生きていくだろう。私は空の下の友を思って私の道を歩いていく。風よ、私の風よ――」
ルーンスがデザインしたドゥジンシの表紙は半裸の男性が抱き合っているとか、主役の二人を囲うように薔薇の花が乱舞していると言ったものではなく、主役をイメージしたカラーリングの組み紐によって飾られた、象徴的なものだった。
「魂の抱擁というのをもう少し詳しく」
ヴィナスの本の最終チェック(クラブとして外にお出しできる内容かどうか確認の為の作業)に呼ばれたマリリンは眼鏡をキラリと光らせながら問いかけた。
「あ、これ友情ものだよ」
「あら、そうでしたか! ならば何も問題ありませんわ!」
ヴィナスがニッコリと笑うとマリリンは赤面し、こほんと咳払いした。
●
「私は夢本を書いてみよう」
シルヴィア・A・カペルはニッコリと笑った。夢本とはドゥジンシの一種で、読み手が主人公となり登場人物と恋愛をする、というジャンルだ。夢本はシルヴィアの実家があるカペル領の女性達の間で流行しており、シルヴィアも『青薔薇』のドゥジン信徒から勧められる形でこの世界に入門した。今ではシルヴィアは恋文代筆業の経験を活かし、仮名で夢本作家活動中である。
「部員としての執筆は初めてだけど、夢本の普及のために頑張ろう」
(聖地の祭典で夢本の認知度を上げ、供給を増やしてみせる!)
『シルヴィア様、その意気ですわ! 共に、全てのドゥジン作家の為の祭典を盛り上げましょう!』
シルヴィア脳内のイマジナリー王女もニッコリ微笑む。シルヴィアの瞳には、メアリーと同じく野望の火が灯っていた。
●
シルヴィアは自分が得意な身分違いの恋愛ものを題材にドゥジンシを描くことにした。今回は貴族令嬢(読み手の化身キャラ)と、令嬢に仕える騎士の物語だ。二人は身分の違いに苦しみながらも、逢瀬を重ね、苦難を乗り越え最終的に結ばれる、という内容である。シルヴィア入魂の叶わぬ恋への葛藤、甘い告白の台詞が胸を打つ傑作となった。
「なんとか書き上がったよ。マリリン。君に試し読みをお願いしたいんだけど、いいかな?」
「ええ。喜んで。私はシルヴィアさんの役でしょうか?」
「この物語はフィクションだよ。それはともかく、君には貴族令嬢の役をお願いするよ」
シルヴィアは苦笑した。
(やはり気付かれたか……)
「はい、分かりました!」
こうして、シルヴィアはマリリンと実際に台詞を読み合い、変なところがないか確認することになった。
「シルヴィア。俺は君の全てを抱き締める為に生まれてきた」
シルヴィアはマリリンの顔を見ながら、熱のこもった口調でそう口にした。
「一言でいいんだ。どうか、『私を連れて逃げて』と言ってくれ。それだけで俺は世界の全てを敵に回してでも戦える」
「アーサー様……」(注:騎士の名前)
マリリンは潤んだ瞳でシルヴィアを見つめ返す。演劇部員だけあり、マリリンも演技に熱が入っていた。思わず、シルヴィアはマリリンを抱き寄せそうになったが……。
「あー! シルヴィアさんがマリリンをナンパしてるー! 二刀流ヒーラーですわ!」
「あ、私らにはお構いなく続けてください」
「薄い本の執筆が待たれる」
「いや、違うんだ。みんな。これはだね……」
「違うんですのよ」
二人は興奮するドゥジケット部員達に必死に弁明したのだった。
●
こうして、紆余曲折はあったものの、無事にドゥジケット準備会の原稿は完成した。冒険者達の活躍により、パンクリアース学園と主催者団体の誉は無事に守られたのである……。
「帝都に行っている間にドゥジケット準備会がこんなことになっていたとは……」
レタラ・スマリは部員達の自堕落っぷりに息を呑んだ。レタラ本人はすでに自分の原稿を完成させていたが、せっかくなので合宿に参加し、もう一作ほど軽いものを執筆することにした。レイウェスト皇子とメアリー王女の結婚祝い小冊子だ。
(ちなみに本命原稿は……本来ならオレもレイ×エフを展示したかったのだが……まぁ、今回は前回好評だったメアリー王女のドゥジンシの続編だな)
「メアリー王女の冒険譚・帝都編を書くぞ。ヨゼフ皇帝はレイウェストとメアリーが虹宝剣ケーキ入刀アタックで倒したことにしておこう。あとレイウェスト皇子とエフレムの絆の描写はなんとしてもねじ込まねばな……。健全な範囲で」
●
「よし。オレの原稿は仕上がった。同志達のアシスタントに回るか。尊みに溢れた作品を一点でも増やさねば」
レタラは自身のノルマを終えた後、同志の原稿を手伝うことにした。
「背景やベタ、仕上げは勿論手伝うが……ポージングも希望があればオレが承ろう」
レタラが申し出ると、部員達は次々と挙手した。
「男性の筋肉がうまく書けなくて……」(チラッチラッ)
「半裸で使用人(イケメン)と抱き合っているシーンがどうしても必要なんですの……」
「なん、だと……!?」
レタラの想定より同志達の要求は数段過激だった。
「尊みのためだ……! 仕方ない!」
「「きゃー!!」」(大歓声)
レタラが頷くと、部員達は黄色い歓声を上げた。
……。
「あの……貸し切りとはいえ、もう少し静かにしていただけませんか? 近所迷惑なんで」
「「すみませんでした」」
深夜まで騒いでいたら宿屋の主人に怒られたので、部員達はみんなで頭を下げた。
「アンタも大変だな。ナッシュ、だったか」
「ええ。ご主人様たちにはとうていお見せできない光景ですね。どうか、この件は内密に……」
「無論だ」
パジャマ姿ではしゃぐ令嬢達の姿に、レタラとセットでポージングを担当していた執事は冷や汗をかいていた。もし情報誌にスクープされてしまえば、『王国貴族令嬢ズ、海外旅行で乱痴気騒ぎ』とか見出しがつけられてしまいそうだ(※実際にはドゥジケット準備会には商家の娘も多い)。
●
「時にレヴェリア嬢。例の作品の絵付け、良ければオレが承るが……?」
「ぜひ、お願いするわ! 実際にエフ×レイを見た人の力が借りられるなんて心強い!」
がしっ! レタラとレヴェリア(PNリザ)は固く握手を交わした。そしてレタラは同志たちと深夜まで「レイウェストが先か、エフレムが先か」という深淵かつ哲学的なテーマについて激論を交わした。
●
「私の原稿はもう終わっている。他の人を手伝うのだ」
ストレガ・L・リベルガストラは彼女は年がら年中学術論文を書き、ゴールディの図書館に寄贈している。ドゥジンシの執筆もお手の物だった。もっとも、彼女のドゥジンシは他の部員達のように物語を中心に据えたものではなく、料理のレシピ本であったが。ちなみにストレガは宮廷料理人級にまで到達した神域の天才料理人であり、自ら開発した魔獣料理のレシピや、冒険者稼業で世界各地から収集したレシピは、料理人垂涎の貴重なレシピ本であろう(クリーパー料理は個体差が大きすぎて再現性が低いため、レシピとしての価値は低い)。
「じゃ、ストレガさんは学生たちの健康管理もお願いしたいッス。彼女ら、目を離すと偏食したり夜更かししたりする子も多いんで」
「心得たのだ、顧問殿」
顧問のウィーズルに頼まれたストレガは了承し、ドゥジケット準備会部員達のために料理番をすることにした。
●
「夕食を作りたい。厨房を借りるのだ」
ストレガは宿屋の厨房を借り、ドゥジケット準備会の部員達の夕食作りに入った。
(夜通し作業するだろうから『塩分が多く、消化しにくいもの』を選ぶのだ。満腹にならない量で腹に溜まるので眠り辛くなるものがいいのだ)
夕食時、部員達が一同に会した食堂で、ストレガは宿屋の人達と共に料理を運んできた。
「さあ、夕食の時間なのだ。貴族令嬢達の口に合えばよいが」
「謙遜しているが、ストレガ君は一流の料理人だよ。野営の時は彼女の料理を楽しみにしていた冒険者も多いはずだ」
「だな! 下手な定食屋よりよっぽどうまいしな!」
漂ってくるいい香りに、ヨル・スレイマンとナハシュもニッコリしている。
「では、召し上がれなのだ」
ストレガが作ったのは、揚げチキンにチーズ、葉野菜とスパイスの効いたソースをかけてパンで挟んだ特製バーガーに、塩気の効いた薄切り燻製肉のサンドイッチだった。さらに前菜として、大豆のサラダも付いている。
「飲み物は珈琲を用意した。苦手ならココアもチョコもある。これらは眠気を抑える作用がある。ミルクは入れないのが良い。食事を工夫する事で薬を飲むのと同じ効果を得られるのだ」
「わあ、至れり尽くせりですね!」
自分の分のココアを確保しつつ、シェルリアは歓声を上げた。
「足りないのなら米を使った夜食も作る。その代わり締め切りは守るのだ」
ストレガの支援は手厚い。その分、「だから書け」という圧も強かった。
「今回のイベントが無事成功したら、大脱出のドゥジンシも出してみたいのだ。世界規模の祭典で出せるならば、きっとサチコ殿も喜ぶだろう」
●
「さて、言い訳を聞かせてもらうッス」
「納期は命の次に重いんですよ、シェルリアさん!」
「うわああん、原稿頑張ってたんですよう! でも仕方無いじゃないですか、レイウェスト皇子とエフレム様のあんな熱い愛を公式供給されては!」
合宿会場に引っ立てられ、宿屋の一室にぶちこまれたシェルリア・リトヴァール(リトヴァール伯爵家次女)は床に正座させられていた。彼女の正面には、憤怒の形相のウィーズル(顧問。平民)とマリリン(編集。学園の先輩。平民)が腕組みをしている。
「うっかり突発本(世間には出せないやつ)出してラミ×ウィル本(健全)を落としかけても仕方無いじゃないですかぁ……」
しゅんとうなだれるシェルリア。ここドゥジケット準備会では締め切りを護る者こそが正義であり、作品のクオリティこそがジャスティスであった。貴族であっても、原稿を落とす女は賤民なのだ。
「合宿頑張ります……」
武士の情けで執筆の友のおやつとコーヒーを与えられたシェルリアは机に向かい、原稿の執筆を開始した。
「大筋は出来てますし、あとは作業を進めればいいので私の腕をもってすれば楽勝なのですよ! ラミアス先生は推しCPであると同時に、尊敬する先生ですからね、作画にも手は抜けません!」
そんな風に意気込むシェルリアであったが……。
●
「シェルリアさん、聞きました? 王子の臣籍降下発表の直後、ラミアス先生が王都で王子とお茶してるのを見たって子がいるんですのよ! これはかなり信用できる筋からの情報です」
「なんですって!? それでそれで、二人の会話の内容は一体どんな感じだったんですか、アルベルティーヌ部長!」
「そこまでは情報が出回っておりません。ですが、わたくしの推理では『僕を差し置いて結婚なんて許しませんよ』的な恨み言だったのではないかと……!」
「それは激ヤバですね!」
「私、聞きました! 夜中に王城からウィリアム王子らしき人物が城を抜け出して、ラミアス先生のおうちに向かっていく姿を見た人がいるって!」
原稿の傍ら、シェルリアは同志たちと真偽の定かではない萌え話に興じていた。禁断の夜食にも手を出し、原稿のことはすっかり忘れて夜中まで同志達と盛り上がっていると、すみっこにいた部員が連れてきた使用人達が渋い顔をしていた。なおシェルリアの寝間着は貴族令嬢らしく、高級感溢れるシルクのものだった。手づかみで食べたスコーンの粉とかついてるけど。
そして月日は流れ、締めきり2日前……。
「あれ? もう2日前!? これは、まずいですね!」
シェルリアがまだ白紙のページの多さに震えていると。コンコン、とノックの音がした。
(こ、このつつましいノックの音は!)
「おはようございます。シェルリアちゃん。毎晩ずいぶんと盛り上がっていたようですが、進 捗 は い か が で す か?」
朝から訪問してきたのは、目が全く笑っていないマリリンだった。
「わあああん何でぎりぎりになっちゃうんですかあああ!」
シェルリアは外からカギをかけられる特別室に移送され、徹夜でなんとか原稿を仕上げたのだった。
●
「なんだかわからなくなってきた……」
ヨルは机につっぷしていた。彼はドゥジケット準備会部員としてクラブの原稿を描いている真っ最中だ。依頼を受け聖地ドゥジケットに顔を出したら、ナハシュともども即座に宿の一室に連行され、軟禁状態になった。
「……うう……」
うめき声を上げる姿はまるで屍のようだ。ヨルの原稿は煮詰まっていた。
「これまとまるのか……?」
●
「ウィル様。行かれるのですね」
「ああ。帝都でレイウェスト達が待っている。僕だけが行かないわけにはいかないさ」
ヨルが書いているドゥジンシは、冒険者ウィルと学園生の恋愛譚だ(ちなみに主人公の学園生は女子学園生である)。帝都決戦の少し前、ウィルへ恋心を抱える女学生は彼に出会う。叶わぬ恋、情の行方、そしてウィルは戦場へ行き、戻って来ず――という悲恋ものであった。
「テーマ性を考えるならやはりウィルは死なせるべき……うーん、ハッキリと死んだと書くよりも、行方不明の方がいいか……? いや、生き残ったけど何故か記憶喪失という手も……うーん、悩むな……」
「ヨル、何悩んでんだ?」
ヨルが煩悶していると、同室のナハシュが声をかけてきた。
「いや、冒険者ウィルを殺すべきか、行方不明にするべきかで悩んでいるんだよ」
「へえ、ヨル、ウィリアムにそんなに恨みがあったのか! 知らなかったぜ。そういえば、俺もいつかあの王子を殺して体を乗っ取る夢を見たことが……」
「いや、ドゥジンシの話だよ! もちろん!」
●
「もう一文字も書けない!」
わっと泣き出すヨル。彼すっかり情緒不安定になっていた。なんとか数行は進めてみたものの、まだ肝心のシーンがごっそりと抜けている状態だ。いつも穏やかなマリリン(編集)の視線も、心なしか段々冷たくなってきている気がする。
「ん? なんかいい匂いがすると思ったら、ホットケーキじゃねえか! なんかうまそうな汁もかかってるな! ヨル! 食っていいか!?」
「ああ。ちょっと隙間時間に、軽食を作ってみたんだ。ストレガ君に材料を分けてもらって……ソースはチョコレートで作ってみた。煮詰まってると体動かしたくならない?!」
「ほうらな!」(もう食ってる)
※ヨルに隙間時間などない。試験前になると妙に掃除がしたく例のアレである。
少し原稿の手を止め、ヨルと二人でホットケーキを食べるヨル。しばしの休憩タイムだ。なお、原稿は昨日から1ページほどしか進んでいない模様。
「あれ。ナハシュ。それは?」
その時、ヨルはいつの間にかナハシュの机の上に、原稿用紙が置いてあることに気付いた。
「ああ。なんかでけー祭りだって言うからさ。俺も記念に1冊書いてみることにしたぜ!」
「ナハシュが、ドゥジンシを……! できたら写本するから貸してほしい」
「お、おう」
「3冊写本する。1冊は墓に入れて貰う……」
「お、おう、ヨル、そんなにドゥジンシ好きだったのか……」
●
「じいや。父上に『自分で買い物に行け』と命じられた。買い物など、使用人の仕事だろうに」
「おぼっちゃま。御父上はぼっちゃまに強い男になってほしいのでございますよ。どうかそのお気持ちを汲んであげてくださいませ」
「ふん。飽きたら途中で帰るからな」
「おい、バードマン! 『買い食い』というのを試してみるぞ!」
「シュバルツ様、存外に乗り気じゃないですか」
「うるさい。ところで支払いはどうやればいい。『これをくれ』と店の者に言えば後で商人が家まで代金を受け取りに来るのか?」
「いえ、それでは金貨を渡された意味がないでしょう。ここは、他の庶民が買い物をするところを観察しましょうか」
ナハシュが書いた本のタイトルは『はじめてのおつかい』。王国の上流階級の二人組が初めて買い出しに行かなければならなくなり、店までの道や買い物の方法が分からなくて四苦八苦しながらも、最後は周囲の人に呆れられつつ助けられ、無事お使いを終える迄の様をコミカルに描いた絵本だ。さらにオマケとして、学園名物ウィリアム黄金像のペーパークラフト付きである。
「貴族って自分じゃ買い物もまともにできねえ奴がいるんだぜ、すげえよな。面白かったから本にした。書くのはなんでもいいんだろ?」
「今回は会場が都市同盟だからギリギリセーフ、かな? ただ、その挿絵はモデルの人物に似すぎている。せめて目と髪の色くらいは変えるんだ」
ヨルとナハシュのドゥジンシは無事に完成し、ドゥジケット大礼拝祭でも出品されることとなった。
●
「準備会所属じゃないけど、小説書くよ」
ヴィナスがドゥジンシの執筆に名乗りを上げると、ドゥジケット準備会メンバーから歓声が上がった。
「マジで!? ルーンスくんのお兄様がドゥジンシを!?」
「テーマは!? テーマは何ですの!? まさか、禁断の兄弟愛ですか!?」
「ステイステイ。みんな、ちょっとにいさまと近い」
鼻息を荒くする令嬢達をなだめるヴィナス弟のルーンス・ラグネル。
「ははは。内容は書き上がるまで秘密ということでよろしく頼むよ」
ヴィナスは苦笑し、ルーンスと共に自室へと引き上げていった。
●
「あまり時間はないし、さっそく執筆作業に入ろう」
「紙の準備はもう済ませてあるよ、にいさま」
ルーンスはヴィナスの助手だ。本に使う紙の選定や、本の装飾、そして下読みや校正などを担当する。紙の選定はもう終わっているが、本の装飾についてはヴィナスの執筆活動と並行して行う予定だ。
「コスト抑えつつも表紙・中表紙も少し凝りたいしね。僕の部下はシャルガネの婚礼に使う紅白の水引で結び切りってのを表紙に使ってたね」
「ちなみにどんな本だったんだ?」
「僕の婚約者が男だったけど、僕との愛を諦めなかったって話。フッツーに内容面白かったし、本の装飾アイディアは面白かったし。あ、商会内々の発行本だから問題ないよ」
「なるほど。なら、デザイン関係は任せるよ、ルーン」
「任せて、にいさま」
●
「戦いは終わった。私の夢のような日々も終わり、家へ帰る日が来てしまった」
ヴィナスが書いた小説の内容は以下のような内容だった。
――名家の跡取りである主人公(男)は富と名声に夢中な家へ帰り、決められた婚約者と結婚する。しかし主人公は冒険者としての相棒で親友との日々を惜しみ、これからの人生に苦悩する。そして、相棒だった青年は口に出さない主人公の苦悩を察しながらも、それを言えない。最後には主人公と親友は魂の抱擁を交わして別れる。
●
ヴィナスの執筆は順調だった。ルーンスは兄が書いた試作品の内容を誤字のチェックがてら確認し、組紐のイメージカラーや、使用可能な紙の見本と照合し、内容にピッタリ合う装飾に仕上げていく。
「『全てお膳立てされた萌えも悪くないが、行間や空間から妄想する萌えこそ至高の火種』って部下が言ってたし、露骨すぎない方がいいよね」
●
「寄り添っていた心、絡めていた指を解くように私は別れを告げた。友よ、どうか風のように自由に生きて。最後に見つめ合った友は、風のように自由に生きていくだろう。私は空の下の友を思って私の道を歩いていく。風よ、私の風よ――」
ルーンスがデザインしたドゥジンシの表紙は半裸の男性が抱き合っているとか、主役の二人を囲うように薔薇の花が乱舞していると言ったものではなく、主役をイメージしたカラーリングの組み紐によって飾られた、象徴的なものだった。
「魂の抱擁というのをもう少し詳しく」
ヴィナスの本の最終チェック(クラブとして外にお出しできる内容かどうか確認の為の作業)に呼ばれたマリリンは眼鏡をキラリと光らせながら問いかけた。
「あ、これ友情ものだよ」
「あら、そうでしたか! ならば何も問題ありませんわ!」
ヴィナスがニッコリと笑うとマリリンは赤面し、こほんと咳払いした。
●
「私は夢本を書いてみよう」
シルヴィア・A・カペルはニッコリと笑った。夢本とはドゥジンシの一種で、読み手が主人公となり登場人物と恋愛をする、というジャンルだ。夢本はシルヴィアの実家があるカペル領の女性達の間で流行しており、シルヴィアも『青薔薇』のドゥジン信徒から勧められる形でこの世界に入門した。今ではシルヴィアは恋文代筆業の経験を活かし、仮名で夢本作家活動中である。
「部員としての執筆は初めてだけど、夢本の普及のために頑張ろう」
(聖地の祭典で夢本の認知度を上げ、供給を増やしてみせる!)
『シルヴィア様、その意気ですわ! 共に、全てのドゥジン作家の為の祭典を盛り上げましょう!』
シルヴィア脳内のイマジナリー王女もニッコリ微笑む。シルヴィアの瞳には、メアリーと同じく野望の火が灯っていた。
●
シルヴィアは自分が得意な身分違いの恋愛ものを題材にドゥジンシを描くことにした。今回は貴族令嬢(読み手の化身キャラ)と、令嬢に仕える騎士の物語だ。二人は身分の違いに苦しみながらも、逢瀬を重ね、苦難を乗り越え最終的に結ばれる、という内容である。シルヴィア入魂の叶わぬ恋への葛藤、甘い告白の台詞が胸を打つ傑作となった。
「なんとか書き上がったよ。マリリン。君に試し読みをお願いしたいんだけど、いいかな?」
「ええ。喜んで。私はシルヴィアさんの役でしょうか?」
「この物語はフィクションだよ。それはともかく、君には貴族令嬢の役をお願いするよ」
シルヴィアは苦笑した。
(やはり気付かれたか……)
「はい、分かりました!」
こうして、シルヴィアはマリリンと実際に台詞を読み合い、変なところがないか確認することになった。
「シルヴィア。俺は君の全てを抱き締める為に生まれてきた」
シルヴィアはマリリンの顔を見ながら、熱のこもった口調でそう口にした。
「一言でいいんだ。どうか、『私を連れて逃げて』と言ってくれ。それだけで俺は世界の全てを敵に回してでも戦える」
「アーサー様……」(注:騎士の名前)
マリリンは潤んだ瞳でシルヴィアを見つめ返す。演劇部員だけあり、マリリンも演技に熱が入っていた。思わず、シルヴィアはマリリンを抱き寄せそうになったが……。
「あー! シルヴィアさんがマリリンをナンパしてるー! 二刀流ヒーラーですわ!」
「あ、私らにはお構いなく続けてください」
「薄い本の執筆が待たれる」
「いや、違うんだ。みんな。これはだね……」
「違うんですのよ」
二人は興奮するドゥジケット部員達に必死に弁明したのだった。
●
こうして、紆余曲折はあったものの、無事にドゥジケット準備会の原稿は完成した。冒険者達の活躍により、パンクリアース学園と主催者団体の誉は無事に守られたのである……。
マスターコメント
全員作家してた(グループ単位)ので見張りはいなかった気がしますが、PCはみんな原稿落とさなかったのでOKです! お疲れ様でした!
イベントシナリオ普通 報酬:多い8 / 4〜25人
2024年02月06日 09時52分41秒 公開
成功
相談掲示板
皆さん、出発はいよいよ明日となります。主催者側の原稿が落ちるなど許されません(王女以外)。どうぞ、よろしくお願いいたしますわ。
すげえかおwwwwww よろしくな!