暗闇に潜むもの
コースケ
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シナリオID:3389
オープニング
「中央に反応がひとつ。動きは無い。内部は約50mの円形の空間。天井あり。罠や遮蔽は無い」
宗波で内部を確認した盗賊の報告に頷き、リーダーであるルオウは仲間を見回す。
ここはエドゥノーグダンジョンの中層最下部。最近発見された枝場を抜けた先にある主幹路の中層ボス部屋の前で、初の攻略に挑もうとしていたのだ。
「足を踏み入れれば変化する可能性もあるが、特別な仕掛けが無い分強敵が待ち構えているパターンだろう。様子見は程々に、全力でぶつかって突破を目指す」
頷き返す仲間に向かいルオウは指を立て、一本ずつ折ってカウントを始める。
――3、2、1
「戦神の加護を!!」
最後の一本を折った瞬間、治癒師がエーテルの波動を解き放ち、その加護を受けたルオウ達の身体に陽光の様なオーラを纏わせる。
強化を受けたルオウ達は目の前の扉を開け放ち、一気に部屋へと雪崩れ込んだ!
●Shadow
「暗いな。まず俺が行く!」
「分かった。気を付けろよ」
扉の先は暗闇だった。暗視を持つ盗賊が先行し、中央に立つ人型の影に両手の短剣を振るう! だが、その影は盗賊の連撃を闇に溶けるようしてすり抜けると、振り上げた両腕を叩き付けるように振り下ろす!
「当たるかっ! ――グッ!!?」
攻撃を避けたと思った盗賊だったが、一瞬後に自身の真下から伸びた何かに貫かれ、血を吐いて踞る。見れば暗闇に溶け込んだ人型の影の腕が地面を伸び、何本かに分かれて盗賊を襲ったのだ!
「そこから離れろ!」
「しっかりして!」
射手が牽制の矢を放ち、治癒師が盗賊に強力な癒しをかける。影は再び闇に溶けるようにして矢を躱し、癒しを受けた盗賊の傷が塞がるが、いまだ危険な状態であった。内臓まで達している傷は高位の受恵者とはいえ相応の危険がある。
「お前は下がれ! 相性が悪い!!」
「……すまん!」
突進で駆け付けたルオウは、盗賊を庇いながら腰に下げたランタンの光で相手を見据える。闇を凝縮して人型にした様なその影は、目は無いものの光を嫌ったのかルオウに向け剃刀のように薄く鋭い腕を伸ばす!
「まだ動けるのか!?」
咄嗟にランタンを庇った盾の表面を刃が滑る。他の刃がルオウの手足や胴を突くが、重装の戦士であり、強化により能力の向上したルオウの守りを貫けない。
(……だが、不味いな)
ルオウは内心顔をしかめる。直接身体は傷付かなくとも、衝撃を完全には殺すことは出来ないため鎧の下には青痣が出来ているだろう。すぐに倒れる程の傷ではないが、手数が多い影の攻撃を浴び続ければいずれ限界が来る。
更に、影の攻撃を受けた部分から冷たいものが身体を通るのを感じる。おそらくエーテルにより身体を蝕まれているのだろう。
「ランタンは破壊される可能性がある。光源を増やすわ!」
「よせっ!」
術師が叫んでエンライトを唱える。部屋の大半が明るくなるが、それは影の注意を引く事となった。
「まだ動けるのか!?」
エンライトに反応した影が地面に溶けるように自身の影に潜り、術師の影から姿を現す。
「嘘っ!?」
術師は光の膜で身を守るが、次々と襲いかかる腕に貫かれどさりと倒れた。
「くそ、撤退する!」
ルオウは気絶した盗賊を背負い扉を目指そうとするが、盗賊を庇いながらでは幾度となく襲って来る腕を躱しきれず、ランタンを砕かれた上に行く手を塞がれてしまう。
「くそ、こう暗くちゃ手も足も出ねぇ!」
足を取られ転倒したルオウが毒づく。術師が倒れたことでエンライトの光も消え、暗闇の中から幾度となく襲う攻撃が何処から来るのかさえ判断が付かないのだ。更に、腕が襲って来る回数が増えていた。
「どういう事だ……?」
「ルオウ、目を閉じろ!!」
次の瞬間、眩い光が部屋の中心で炸裂する!
「今だ!」
閃光塗弾の光に人影が怯んだ隙を見て、ルオウは扉へ駆け出した。
●再挑戦
「そう言う訳で三人も重傷受けちまってな。腕の立つ奴を募りたい。機転が利けば尚いい」
地上に帰還したルオウは、再挑戦のメンバーを探すべく冒険者ギルドを訪れていた。それに対し、対応していた受付が疑問を口にする。
「依頼と言うことであれば構いませんが、なぜ探索支援ギルドでなく冒険者ギルドなんです?」
「帝国の騒ぎが収まれば、冒険者は身の振り方を考える事になるんだろう? エドゥノーグに来る奴もいるかもしれないし、俺もこの機会にどんな奴等か見ておこうと思ってな」
「気の早い人ですね……。ですが、まだどうなるかは分からないんです。くれぐれも勧誘はしないで下さいよ?」
釘を刺す受付に、ルオウは『分かってる』と笑うのだった。
解説
マスターより
リプレイ
中層ボスの部屋の前で、一行は装備の確認や明かりの用意をしていた。
「闇の中から襲ってくる敵か。影を利用して戦ってくるのはかなり危険だな」
「影に潜り、奇襲してくる魔獣……! かなりの脅威ですから、皆様をしっかりお守りしないと!」
ライナ・フレイヴァルツが敵の能力を冷静に分析し、ライナに付き従うフロマーシュ・ダイヤドロップも意気込みを口にする。
「影に潜む、ね。中々面白いじゃねえの。ただま……その手の奴はタネが割れると脆いもンだけどな。こいつはどうかな?」
「能力的に考えれば、捕縛さえできればどうにでもなりそうと思えますね」
一方、アーテミシアとグレイブ・ヤードは闇潜みの特性に対しどう対策するか思いを巡らせる。
「影の様な姿……。そんなのでも魔獣ですか……であれば無敵ではないでしょうし、斬れるなら殺せますね」
「エドゥノーグのダンジョンは神が人を鍛える為に作った場と聞きます。無敵であるとしても何かしらの攻略法はあるでしょう」
物騒なことを呟くイヴェール・イリュジオンに動じた様子もなく、セロンガード・シュタインドルフが答える。どちらも淡々と装備を確かめていた。
「よし、反応があったぜ!」
「気をつけて。入ってすぐは魔獣も強化されているはずよ」
宗波で闇潜みをマークしたハヤト=ガラン=ヴォルファングが親指を立て、ロゼットが警戒を呼びかける。
「さあて、そいじゃ行ってみますか。虎口ってやつによ」
アーテミシアの声に頷き、ルオウは扉を開け放った!
●会敵
「我らに戦神の加護を与え給え!」
ルオウが扉を開くと同時に、ロゼットが強力なエーテルの波動を開放し、強化された一同は黄金色の光を立ち上らせながら部屋に進入すると、まずハヤトが仕掛ける。
「小手調べと行くか!」
軍神の祝福とまで呼ばれる戦闘センスを持つハヤトだったが、判断材料が不足しているためまずは情報を集めるため前に出た。
光る塗料を塗った双神刀 紅狗璃を手に、神速の踏み込みから四連撃を叩き込み、そのまま駆け抜けて距離を取ると闇潜みに向き直る。
「なかなか厄介そうな相手だな!」
光を当てることで闇に溶けるという回避は封じた様だが、それを抜きにしても動きが早く、ロゼットの支援がなければ何発かは躱されていた可能性が高い。
「影を減らします!」
「敵の能力は分からない部分も多い。最後まで油断しない様に!」
並の盗賊を遥かに上回る速さでセロンガードとライナが続く。
セロンガードは着火済みのたいまつを闇潜みの横に投げて周囲を照らし、ライナは闇潜みを迂回してハヤトの後ろに回りつつ周囲を警戒する。
『……』
「どこ狙ってやがる?」
振り向いた闇潜みが両腕を振るう。その先がそれぞれ三本に分かれハヤトを襲うが、その内半数はハヤトを捉えきれず、残る半数も軽くハヤトに避けられていた。
「ハヤト様、ご無事ですか!?」
「おいおい、先に始めるのは連れねぇじゃねぇか?」
フロマーシュとアーテミシアを先頭に、一同が散開し周囲から闇潜みを照らす。これで配置は完了し、本格的な攻略が始まった。
●違和感
「へっ、この程度でボスとは笑わせンな!?」
仲間の包囲により闇潜みは影を失い、ルオウ、アーテミシアといった明かりを持つ手近な相手に腕を振るっていたが、どちらの守りも固く大きな被害はなかった。特に、不壊を発動したアーテミシアは文字通り傷ひとつ付いていない。エーテルが身体を蝕むが、癒しを使える者も多いためこちらも被害は軽微だろう。
『……』
「させませんよ」
攻撃が効かないと取った闇潜みは包囲を強引に抜けてアーテミシアの影に潜り込もうとするが、それを警戒していたイヴェールが発動したエンライトにより影が消え行き場を失う。
「影に潜めば見えなくなるけど、匂いはさて、どうかね……?」
「ついでにこちらも付けましょうか」
その隙にアーテミシアが香水を叩き付け、グレイブも閃光塗弾の塗料の入った袋を投げ、匂いと塗料を付着させ隠密対策とする。
「今の内にダメージを与えましょう!」
「了解しました」
背後からの奇襲を警戒し、壁を背に距離を取っていたロゼットが神材の祭棍からエーテルの矢を放ち、セロンガードも神材の弓から鋭く矢を放つ!
放たれた二本の矢は闇潜みに命中し、その衝撃で出来た隙にハヤトとルオウが斬りかかってゆく!
(……何かがおかしい)
冒険者達は胸のざわつきを覚えていた。
戦闘自体はこちらが押しており、運悪く攻撃を躱し損なったハヤトをフロマーシュが庇って事なきを得るなど不運にも対応して危なげなく進んでいる。
だが、看破に優れる何名かは闇潜みが動く度にどことなく違和感を感じ、その正体を探るべく注視するが未だ掴めない――。
●闇に潜む
「気をつけて! 動きが変わったわ!」
「!?」
ロゼットの警告が響く。イヴェールは闇潜みからの攻撃を直感的に危険と判断し、神材の盾と全身鎧で攻撃を滑らせ、ダメージを抑えるがそれでも殺しきれない衝撃に後退する。
「……これが攻撃が増えた正体ですか」
イヴェールとルオウが警戒し盾を構え直す。三本ずつに分岐する両腕の他に、追加で二本の腕が生えていた。
「形態変化ですか。魔獣もいろいろな能力持ちますよね、迷宮ゆえなのかどうかはわかりませんが」
「ですが、相手も追い込まれている様です。ここは押すべきでしょう」
グレイブがイヴェールの傷を癒し、セロンガードが次の矢を番える。
「追い詰められた獣程に何をするか分かりません。削れる時に一気に削りましょう!」
「腕が増えようがやることは変わンねえよ!」
イヴェールの幻想器イリュジオンが幻想の花弁を散らせながら稲妻のように突き出され、アーテミシアが竜骨の戦槌を上段から振り下ろす!
それらの直撃を受けた闇潜みは腰部を貫かれ、肩を打たれ三つに分かれて地面に転がった。
「意外と呆気ないものですね」
「フン、あの片目のジジィに比べりゃ屁でもねえな……所詮は能力頼みのザコだテメエは」
それらを見下ろすイヴェールとアーテミシアだったが、そこへハヤトの声が響いた!
「マークが消えねぇ! そいつはまだ生きている!!」
ほぼ同時に黒い霧に覆われた氷柱が飛来し闇潜みに突き立つ!
「気を付けろ! そいつらは余力を残している!」
月影氷柱を放ったライナの声に咄嗟に後退するイヴェール達の目の前で、分断された闇潜みが蠢き出した。
●Shadows
「ライナ様、どういう事でしょうかっ?」
フロマーシュの問いに、闇潜みが分断されても警戒を解かず注視を続けていたライナは、次の氷柱を浮かべ追撃の体勢を取る。
「あれは形態変化ではなく、自身の闇の中に同種の魔獣を潜ませて居たんだ」
「そんな……!」
闇潜み達は内側から伸ばした影で欠損した身体を補い立ち上がる。身体も一回り小さくなって居るが、体型が歪になり異様さはより増していた。
「バラけさせたら不味い! 囲んで逃がすな!!」
「了解です!」
いち早く反応したハヤトが踏み込み、肩に塗料の着いた闇潜みに双神刀を叩き込み、天狼の蹴甲で蹴り付ける四連撃を放つ!
「勇牙無限撃!!」
続けて放たれたセロンガードの鋭射と、ライナの月影氷柱が同じ闇潜みに命中するが倒すには至らない。
「足りないか……!」
ハヤトが悔しそうに呻く。その目の前で、二体の闇潜みが一体の影に入り込んで影を渡る!
「ライナ様!」
一体が影から飛び出しライナを襲う! 術師と思えない程高い回避能力を持つライナだったが、夜風を使っても全てを躱すことは出来ず、一撃はフロマーシュに庇われたものの別の一撃を受け大きく肩を裂かれる。だが、全てをまともに受けていればこんなものでは済まなかっただろう。
「すみません、私が付いていながら……!」
「構わない。気に病むな」
慌てて怪我を癒すフロマーシュに苦痛を隠し微笑みかけるライナだったが、次に狙われれば確実に立っては居られないだろう。
「まさか本当に複数、しかも同時に現れるとは。とりあえず動きを縛りましょうか」
予想外の事に驚くグレイブは自身の影から現れた闇潜みへ、光の鎖を放つ!
『……』
しかし、闇潜みは光の鎖に一瞬縛られるも、それに抗い抜け出すとグレイブへ腕を伸ばす!
「! 全力でグレイブを守れ!」
「了解!」
グレイブの回避能力は低くはないが、中層ボスである闇潜みの攻撃を避けるには支援を受けた上でも荷が重く、セロンガードが一撃を矢で妨害し、イヴェールとルオウによるカバリングを受けて尚、三本の腕に貫かれてしまう!
「くっ、これは少々甘く見ていましたか……」
「グレイブ、しっかりして!?」
ロゼットが傷を癒すが、強力なロゼットの癒しに加え、自身の再生術を受けても尚、意識を失ってしまう。
「こいつを頼めるか? あと、狙われれば立っていられない奴は光球を消せ! 奴らより強い光を持つ奴を優先して狙う!」
「……分かったわ」
ルオウはグレイブをロゼットに預けると注意を呼び掛ける。ロゼットは一瞬迷ったものの、無防備な所を狙われない為に光球を消すとグレイブを担ぎ出口へ向かった。
「分裂しても動きは変わりませんが、一撃は随分軽くなりましたね」
影渡りの出来なかった闇潜みの攻撃を連続で受けたイヴェールは、冷静に相手を分析していた。分裂前に一つに纏まった腕の攻撃では装甲防御を使った上で小さくないダメージを受けていたが、分裂した上に腕を分岐させた攻撃ではその必要も無い程威力が落ちている。
「とはいえ、衝撃も積み重なれば馬鹿になりませんので脅威度は此方が上でしょうか。どちらにせよ、数を減らさねば後衛が次々に倒されかねません。まずはひとつ、取らせて戴きます」
そう呟くと、幻想器を構え闇潜みへと踏み込む! 先程の突きを警戒してか腕を胸の前に交差させ守りの構えを取る闇潜みだったが、幻想器の切先は風のようにふわりとその隙間に差し込まれ、次の瞬間稲妻のような加速で闇潜みを貫いた!!
「守るなどそこが急所だと教えている様なものです」
●一か八か
「ライナ、光球を消せ!」
「…………」
ルオウが叫ぶ。一体は倒したが二体はまだ健在であり、光球を伴うライナが集中攻撃を受けるような事があれば援護も足りず最悪の事態を招きかねない。
しかしライナは迷っていた。光球を浮かべていたグレイブとロゼットが居ない上に闇潜みが増えたため、光源を減らし影が増えれば闇潜みは縦横無尽に明かりを持つものを襲うだろう。
加えて、攻撃を受けた者は抵抗の高いグレイブとイヴェール以外エーテルで身体を蝕まれており、いかに癒しが使える者が多くともそれで攻撃の手が止まれば被害は増す一方となるだろう。
「……雷光を喚ぶ! 影を生む可能性を考え使用を控えていたが、もしそうなっても移動を阻害できるなら賭けてみる価値はあると思うがどうだろうか?」
「いいと思うぜ!」
「了解。全力で支援します」
「……良いでしょう。このまま押しきられるのは見えています」
「乗ったぜ。ここに来て博打とか面白くなって来たじゃねぇか?」
口々に返ってくる言葉に頷き、ライナはフロマーシュを見つめる。メイド服姿の従者は、自身の想いの象徴とも言えるひらめく白衣の盾を掲げ、まっすぐに視線を返し声高に宣言する。
「私がライナ様をお守りしますから!」
「皆、ありがとう!」
ライナはエーテルを操り、全力で魔法を行使する。次の瞬間、空間内に二つの雷光が吹き荒れた!!
『……!』
『……?』
それぞれの闇潜みを中心に召喚された雷光の嵐により、その範囲内の影が消え闇潜み達が戸惑った様に身じろぎする。その隙を突くようにハヤトが走り、セロンガードもそれに続く!
「ライナの前の奴から片付けんぞ!」
「全力で行きます!」
二つの剣閃と二発の襲撃が闇潜みを襲い、下がるハヤトと入れ替わる様に前に出たセロンガードの見えざる見張り番仕込みの至近距離からの強烈な射撃は、闇潜みの眉間にあたる部分を正確に射貫いた!
しかし、闇潜みは傷を受けつつも健在であった。
「私だって、ライナ様をお守りするんです!」
全力を出したため退避が出来なかったライナを庇って前に出たフロマーシュも、神材の祭刀で斬りかかり腕先を切り落とした!
『……』
雷光に囚われた闇潜みは離脱しようとするが思うように動けず、ライナを背に庇う位置に立つフロマーシュへ腕を伸ばす!
「このくらい、ライナ様が傷付く事に比べたら何でもありませんっ!」
フロマーシュは盾を構えその全てを受け流す。腕が痺れ身体をエーテルが蝕むが、大切な人を守りたい一心で鍛え上げた身体は、しっかりと地面を踏みしめ、揺らぐこと無くライナの前に立っていた。
「あっちは定員オーバーだとよ。代わりにオレらと遊んでくれよなぁっ!?」
『……』
アーテミシアは雷光の嵐から逃れようとする闇潜みへ、肉体を蝕むエーテルをまとわせた戦槌を叩き付ける! 行動阻害は抵抗されるが、アーテミシアを邪魔物と見た闇潜みは腕を突き出す。だが、いまだ不壊の効果の残るアーテミシアもまたびくともしない。
「……ンだてめぇ。さっきより拳が軽くなってるじゃねえか。やる気あンのか?」
「あれだけ受けて平然としているアーテミシアの方がタフ過ぎるんだよ」
「同感ですね。ともあれ、あちらに加勢するには少々手狭ですし、此方は此方で処理しましょうか」
ルオウがそんなアーテミシアを見て半ば呆れた様に呟き、イヴェールは同意を示しつつ最後の大嵐無双剣を放つ構えを取った。
「待たせたわ! グレイブは意識を取り戻したけど、傷が深いから外に控えさせてる!」
やがてロゼットが復帰し、回復が行き渡る様になる事で趨勢は決し、ライナの前の闇潜みが倒れる。
もう一体の闇潜みは雷光を強引に突破するも、雷光の範囲に入った一行を奇襲することは出来ず、あえなく迷宮の床に倒れるのだった。
●帰還後
「しかし誰も探索者記章要らないのか……」
エドゥノーグの街に戻ったルオウは、グレイブが仲間からの情報も集めて作成した中層ボス『闇潜み』に関するレポートを確認しながら呻いていた。
ハヤトとロゼットは既に鋼級の記章を習得しており、それぞれ所属する組織もあることからそれ以上は望まないのだろう。
アーテミシアは探索者自体に興味を持たない様子であり、唯一興味を示したライナも記章の希望までは出さず、フロマーシュも性格から考えてライナが望まないなら同様だろう。
イヴェール、グレイブ、セロンガードは興味を示した様子もない。
「ああいった奴らが居れば、もっと下の層まで行けそうなんだがなあ……」
帝国の騒動が収まれば興味を示してくれ無いだろうかとぼやきつつ、ルオウは彼らが無事に帰って来てくれることを願うのだった。
マスターコメント
ショートシナリオ非常に難しい 報酬:多い8 / 5〜8人
2023年12月27日 09時49分44秒 公開
相談掲示板
成立人数に達したみたいね。 ヒーラーのロゼットよ。よろしくね。 目的は、中層ボス【ダークネスルーカー】の攻略。 影を利用した能力の他、未知の能力がある可能性ありと。 依頼人のルオウからは、光源を持った者(希望者)で 取り囲むことで、敵の能力を制限できないか提案されているわ。 この作戦の乗るか、私たちで方針を出すかね。 前衛系の参加者も複数いるから、悪くはなさそうだけど。
ヒーラー、グレイブ・ヤードです。 特に思い当たるところがなければ影の逆利用(必要なタイミングで影をなくす?)がいいかなとは思います。
ウォリアーのアーテミシアだ。 …オレが光源纏めて持つか? 暗視と嗅覚があればある程度位置はわかるし、攻撃が3回殴られた所でガード固めてりゃそれほど怖くねえし。 スリップはまあ、回復あるしな。 その上でオレが見える範囲で位置を知らせりゃ、攻撃も当てやすくなるかもしれねえぜ。
私は一応、生命・防御重視のつもりだから、 「エンライト」で光源持ちをしようかと思ってるわ。 ルオウの提案だと、光源持ちで魔獣を「囲む」ことで、 魔獣の影をなくすことが狙いだから、誰か1人じゃなく、 複数人で光源を持つことが必要ね。 初戦で、暗視持ちのシーフが攻撃を回避されているから、 暗闇にいる間は、相当に能力が強化されてると思うわ。 影を無くさないままで、ステータス頼みでは苦戦すると思う。 >ルオウ案の方針 光源持ち複数人(ルオウ含む)で魔獣を囲んで、 囲みの外からキャスターやシューターで叩く。 ヒーラーは包囲する前衛が倒されないように回復して。 後衛の人に予備の照明(未点灯)を持っておいてもらって、 前衛の光源が割られたら渡す、というのも良いかしら?
イヴェール・イリュジオンです。 どうぞよろしくお願い致します。 使用する光源次第にもなりそうですが…1人に光源を集中しても影に潜めば暗闇にいる判定になるでしょうから溶暗は発動状態になりそうなのですよね… 隠蔽状態からの暗殺を防ぐならどちらかと言えば看破が欲しいかも知れません。 これを防げそうにないのであれば初撃は覚悟が必要かも知れませんね… また囮役に攻撃を集中させてる間に回避力が上昇した状態の魔獣に攻撃を当てる見込みがそもそもあるのか、ですね。 相当な命中力が求められそうですが、上げるのも簡単な話ではありませんし、難しいならじり貧になりそうな…? これをするなら敵の位置を確定させる最初の囮としての役割になるかなと… その上で光源持ちで囲んで潜る影を無くす感じでしょうか? 光源については私もエンライトは用意しておくつもりです。
一人で複数の光源(ランタンとエンライト)を使い、影消しに利用というのもありますかね? あと大分難しいかもしれませんけど、 「戦闘に使うフィールドに薄くでも広範囲に閃光塗弾の効果Bの塗料を撒く」というのも手段なのかなと。 もちろん事前にというのは無理ですが、陰に隠れて逃亡を防ぐ位程度の役には立つかもしれません。
んま、纏めては兎も角光源は持つさ。どの道ある程度殴られる必要はあるからな。 でもってソレに最適なのがオレってだけだ。 持つなら発光かねぇ…ガントレットに塗料たっぷり塗って殴ってきたら擦り付けるって手も考えてはいるな。 どういう原理で潜んでるか知らねえけど、影から出てくりゃ塗料でわかるだろ。擦り付けられれば、だけど。 後はまあ、アレだな。部屋に入ったら背中を壁に付けておいたほうがいいか?
すまない遅くなった、キャスターのライナ・フレイヴァルツだ。 流れは凡そ掴んだ。 ダークネスルーカ―自体が光源を嫌うから、 生命力耐久力に優れた者で囲み、光源で照らすという感じだな? 範囲攻撃することもないだろうし、私もエンライトを持っていける。 囲った者たちで発光すれば使うこともないかもしれないが、何が起きるか分からないしな。 囲っている者の背中側の壁際で使えば、バックアタックは防げるかもしれない…か? 後は…どれだけ効果があるかわからないが何か攻略の糸口になるかもしれないから 影渡り行動している際には遮蔽無視Aと暗視で探ってみる。 アーケインテンペスト改orグラビティを使っても面白いかもしれないが、 移動速度低下が影に潜られたら効果はあるのかどうか。
私も遅くなってしまい、申し訳ございません! ウォーリアのフロマーシュ・ダイヤドロップと申しますっ。皆様よろしくお願いいたしますっ! 敵を囲み、光源で照らす… 私も皆様をお守りするためにも、その輪に加わろうと思いますっ。 ランタンや夜煌石の首飾りなど、光源用の道具を複数用意する予定ですが、エンライトを用意するかは悩ましい所です… あと、ライナ様が疑問に思っていたように、移動阻害系のスキル…私の場合は殺界が有効かどうかも気になる所です… 殺界の範囲内に敵を捉えている間も影に潜られるかどうかもまた… また、移動阻害をせず、カバリングとアダマントボディで守りを固める事も考えておりますっ。
遅れました、シューターのセロンガードです。 囲みの外から射撃攻撃すればよろしいのですね。 たいまつ(未着火)と閃光塗弾も自分が予備を持って行きます。 戦闘中は《ブロックアロー》で敵にリアクションしながら射撃で攻撃致します。
>使用スキル 初戦同様に、魔獣の部屋突入時にインフィニティロアで 全強化をかけるわ。突入時は魔獣も「溶暗」状態でしょうし。 魔獣の「スリップ」は3回行動もあって、付与の方が早そうだから 解除は諦めて、受けたダメージをヒールで回復する方針で考えてる。 後はエンライトでの光源と、オートリカバリーが予定かな。 グレイブに不都合があるなら考え直すから、参考にしてちょうだい。 >フロマーシュ >光源選び 閃光塗弾を買って、効果Bの塗料を装備に塗るのも手ね。 夜煌石よりは広く照らせて、攻撃で割られる心配はない。 照らす、消すのオンオフが出来ないのがデメリットだけど。 >背中を壁につけておけばバックアタックを防げる? 確率は半々かしら。空間がないから移動(出現)できないか、 もしくは影は壁にある訳だから、壁から攻撃されるのか。
なるほど、閃光塗弾はそういう使い方もできるのですねっ。 私は皆様をお守りする分、攻撃はかわせないと思いますので、攻撃されても落としてしまわない光源が必要になりますから、そちらは用意していこうと思いますっ! あと、少しでも攻撃に対応できるよう、堅甲やヒールでの支援もしていく予定ですっ。
不都合などは特にございませんので、ロゼットさんはそのように。 実際、魔獣の鼻先にでも発光塗料が塗れれば実質的な無力化にはなりそうですよね。 発光するわけですから影の能力はつかいづらそうですし。 効果も叩きつければいいのですから、投擲さえできれば有用な気はします。 こちらはまあ、逃げ隠れされないような捕縛を狙う気ではいます。 縛鎖に捕らえるなり、掴むなり、と
おーっす! ブレイブファング傭兵団のハヤト=ヴォルファングだ、ギリギリになっちまってすまねぇな! よろしく頼むぜ!! 大まかな方針は了解したぜ! 俺は宗波で敵をマークして影に潜むなりしてきた場合はみんなに知らせるつもりでいるぜ!!