【呑竜】解き放たれた怒り
馬車猪
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シナリオID:3137
オープニング
隣領での英雄は自領での悪党だ。
小競り合いでも貴族社会での評判でも領地の安全さでも負けた隣領貴族など、蔑視と軽視の対象でしかない。
「あの女はいない」
隣領の令嬢に負け続けた青年貴族が激情に耐えて指示を出す。
「中央は混乱している」
これまでは貴族派貴族同士の連携が怖くて手を出せなかったが、リーラント伯もそれ以外の貴族派貴族も王族の婚約を祝うという白々しい名目で本領を後にした。
「中央が介入する前に一気に攻め落とすのだ」
桃髪の令嬢に煮え湯を飲まされた貴族は1人でない。
故に支援は凄まじい。
主力であるウォーリア達は竜鉄製装備ほどではないが高品質な装備で身を固め、非授恵者の槍兵と弓兵も分不相応なほど良質なものを装備できた。
「行くぞ!」
憎悪に染まった青年貴族を先頭に、リーラント伯爵領との境界を踏み越えた。
●
リーラント伯爵家は典型的な王国貴族派穏健派である。
王家に対する忠誠心は薄く、自らの権利が何より大事。
もちろん単独で王家に対抗できるなんて誇大妄想は抱いていないので有力公爵家ライゼンナクトを派閥の長として認めて従っている。
「お父様いってらっしゃい!」
だから長からの招きを断ることはできない。
可愛い一人息子との別れを惜しむ暇もなく、領内では独裁者である伯爵も精鋭の授恵者のみを引き連れ領都を出発するしかないのだ。
「……なんで私が地元の偉い人の見送りに巻き込まれてるんです?」
すごく困った顔をしているのは典型的なゴブリナの容姿をしたゴブリナだ。
リーラントとゴールディの関係は短いが浅くない。
イグノ砂漠経由の通商路開拓で協力したり他にも色々取引があったりと、お互い利用しあう関係にある。
差別はもちろんある。だがお互い利益の方が重要だ。
「だって他のゴブリンさん仕事中だし」
リーラント家は契約は守るので、ビッグオウムの休憩・補給・避難が行える拠点が領内にある。
伯爵本人が出発する式典を無視するのは外聞が悪く、最も若いビッグオウム乗りに式典出席という仕事が押しつけられたのだ。
「ところで貴族派ってなに?」
貴族派貴族の嫡子なのにそんなことを言う。
よく手入れされた桃色の髪は太陽の下で輝き、紫と金という派手な配色の瞳も好奇心できらきらしている。
「私に聞かないで下さいよ……」
「だってみんな知ってて当たり前みたいに言うから外から見たときの説明ききたいの!」
「うーん……。ゴールディはブラックデス1強ですけど他のマフィアもいますからそんな感じ?」
「かじとりがたいへんってこと?」
「いえ私も詳しくないです。あの子を任されてからゴールディにほとんど戻ってないですし」
種族も立場も全く異なる2人が雑談していると、上空に小さな点のようなもの現れ急速に大きくなっていく。
それはビッグオウムで、乗り手の感情に影響されて激しく慌てて本来の発着場でない場所に不時着する。
「大変ですっ。隣から兵隊がっ」
緊急時に情報を融通しあう程度に、癒着が進んでいた。
●
「こんにちは!」
冒険者ギルドに姿を現したのは桃髪の7歳児だ。
姿勢も肌の色艶も貴族の子息らしいが、まるでビッグオウムで運ばれて来た直後のように髪はぼさぼさで服装も厳重だ。
「依頼をおねがいします!」
元気な声の直後に響くのは、カウンターに置かれた大きな袋の中で金貨が鳴る音。
うんしょと引っ張り出されたのは、本来なら持ち出し厳禁の詳細な地図だ。
職員が許可を得て広げて見ると、防御側の数倍の部隊が攻め込む様子が記号で表現されていた。
●
「貴族同士の紛争に介入して戦闘を終わらせて欲しいという依頼です」
説明を終えた依頼人が気絶するように寝入った直後、報酬と内容を確認し終えたギルドは依頼として冒険者への紹介を始める。
場所は王国のリーラント伯爵領。
隣領の貴族率いる部隊に攻め込まれている。
「行軍速度が非常に遅いので今から向かっても戦闘が始まる前に接敵可能です。交渉で止めるのは、かなり難しいでしょう」
恨みが積もり過ぎている。
「冒険者が介入する場合、都市の手前数キロの地点で侵攻部隊と接触することになると思われます」
数は100人以上いるが冒険者の脅威になる可能性あるのは十数名。
重装甲のウォーリアが最前列で防御し、キャスターが後方から支援し、少数のヒーラー最後尾に最後尾に控えるというよく言って伝統的で悪く言って古臭い編成だ。
「十数人いる授恵者も皆さんと比べると腕も装備もかなり劣ります」
全くの初期装備ならまずいかもしれませんけどと付け加える受付嬢。
「手加減をしてもいいですが手加減をする必要はありません。王家から見ても王党派から見てもかなりの問題行動ですので」
それが分からないか分かった上で侵攻してしまうほど、指揮官である貴族は頭に血が上っている。
「放置すれば際限なく被害が拡大しかねない状況です」
今は混乱しているが防御側の反撃もこのままなら確実に容赦なく行われる。
罪のない民が巻き込まれる前に解決して欲しいと、受付嬢は深く頭を下げるのだった。
解説
マスターより
リプレイ
騎士として正道を歩むアルベルト・V・シュタールシュヴェーアトは罵倒のための語彙に乏しい。
だから婚約者を参考にした。
「貴様が、火事場泥棒するしか能が無い無能貴族か。どうせ俺と一騎打ちする度胸も無いのだろう? そうで無いと言うなら俺と一騎打ちをしろ」
反応は激烈だ。
濃厚な殺意が届いた直後、自滅的な加速で錆色の騎士が突っ込んで来る。
「お前は、あの女の男かぁっ!」
錆色の長剣の軌道は禍々しくも美しく、勝利のためどれほど研鑽を積んできたか見るだけで分かる。
アルベルトが黒の大型盾で防いでも、衝撃で指から肩までの骨が痛むほどの威力がある。
「鍛えたのはゲスの勘繰りだけか? 俺がセニャから聞いた通りの男らしいな」
アルベルトは行動としては鼻で笑って内心では落ち込んでいる。
婚約する前にセニャとやりあったときも感じたが、彼女は本当に容赦なく心も攻撃するので真似るだけで罪悪感がある。彼女とは違ってアルベルトは善良なのだ。
「貴様!!」
「温い!」
アルベルトが全身を使った斬撃を繰り出す。
基本に忠実な斬撃が、剣と盾の間をすりぬけ錆色の鎧に叩き込まれた。
●1分前
冒険者を大きな箱で運んで来たビッグオウムとその乗り手が大急ぎで離れていく。
「本当にやりおったか」
ベルク・オスマットはあきれ顔だ。
十数の授恵者を含む100以上の軍勢も、比喩でなく百戦錬磨なベルクから見ればただの障害だ。
とはいえ1人で挑める相手ではないし1人で挑む意味もない。
(まぁどう考えても、嫌がらせを兼ねたリーラント領の有事対応力の確認に使われておるのだろうがな)
まだ無事な小麦の陰に隠れるようにして、数は多くても周囲への警戒の甘い敵部隊の背後へ向かう。
(こういうノリでは勝てるものも勝てませんわね。なんで自分が勝てないかを考えないのでしょうか、この敵たちは)
本人達は普通の速度のつもりなのだろうがバンビから見れば欠伸がでるほどに遅い。
「敵が壁を前面に押し出してくるのであれば、穴をあけてあげましょう」
まずはストーンブラスト。
巨弾する巨弾は10人近くの敵ウォーリアを巻き込み、しかし豊富な生命力と分厚い装甲で大きなダメージにならない。
バンビを侮る気持ちがうまれ、敵の士気は高くなり注意力は低下する。
そのタイミングで畑から2つの壁がにょきりと飛び出す。
アイアンウォールは決して大きくはない。
非戦闘時なら最大でも数秒の時間稼ぎで終わるだろうが今回の相手は酷く古臭い。
正面からぶつかり合うなら圧倒的に強い密集陣形は複雑な地形や障害に弱く、攻撃して潰そうとすれば1度全体が止まるしかなくなる。
個人が独自に判断して全体の連携を維持できるのは冒険者や各国の精鋭やそれに匹敵する例外だけなのだ。
不可視の波紋が空間を通り過ぎる。
わずかに遅れて一定の範囲に衝撃波が生じて範囲内の文字通り全てを揺さぶり、傷つける。
「術に工夫の余地がありますわね」
バンビは観察結果を脳裏に刻んでから即座に180度反転、全速前進。
移動速度はそこそこ思い切りが素晴らしく、最低でも十数人での連携が必要な敵部隊では追いつけない。
(……兵は拙速を尊ぶという言葉を知らんのか?)
ベルクは麦の影から現れては最後尾の1人を仕留めて別の麦の影に隠れる。
愚者の思考を推測するの疲れると内心愚痴りながら、1人ずつ戦闘力と運が偏れば命まで奪う。
最前列の授恵者は平気でも、平民で非授恵者の兵士達の士気は地の底へ向かい戦力も低下する。
「たしかあの人達、すごーく前にオーガとかに襲撃されてけちょんけちょんにされた所だったっけ?」
アルマ・ヴァレンタインには悪意がないからこそ強烈な挑発になる。
「それが全員そろってご立派な装備してるのをみると独力とは考えにくいし、これもセニャさんの人徳……ならぬ所業のなせるアレなのかも?」
セニャはいまでも結構酷いが初めてあった頃はもっと酷かった。
たぶん今回の侵攻がなければ同情されていたんだろうなと考えつつ、数の差を補う質を持つ冒険者達に強力なエーテル波動で支援する。
各人から立ち上るようになった黄金色の光は、各種の能力が2割向上し総合すればそれ以上に強化された証だ。
(啓示によれば『このご時世に火事場泥棒とか貴族としてどうなんですかね?』との事ですが、なかなか手厳しいですね。このあたりの事柄についての価値観はこちらと同じなのでしょうか)
フリーダ=ブロムヴィストは独善的とすらいえる平然とした態度だ。
敵ウォーリアの背後から数十の矢が飛んできているのに、焦りを感じさせない軽さで鎧と盾を装備したままひょいひょい躱す。
「おや、これはこれは貴族様。遠路遥々リーラント伯爵領へようこそいらっしゃいました。今日はこれだけ大勢の方々をお連れにどちらまで? 海水浴なら逆方向ですよ?」
結構な速度で動いているのにフリーダは息を乱してもいない。
「ふむ。もしかして攻撃されてます?」
数多く攻撃を受ければたまには当たることもある。
圧倒的な防御力と生命力を持つフリーダには、かすり傷にすらならないが。
「突撃だ!」
敵指揮官が命じ敵軍が加速する。
陣形が大きく乱れるのと引き替えに人の大波がフリーダを飲み込もうとする。
「これは怖いですね」
フリーダは嘘は言っていない。
転倒を強いられた上で上から集団で滅多打ちにされたらフリーダでも危ない。
だから彼女は後ろに向かって加速する。
常識的には有り得ぬ有様に敵軍の多くが困惑しつつも対応しようとするが結果は同じだ。
重装甲と移動速度を兼ね備えたフリーダを仕留めるのは、この程度の部隊では不可能だ。
「貴族同士のイザコザに興味はないけど」
ララベル・サン・ディーベルが細剣2本を両手でそれぞれ構える。
「それで困ったり泣いたりするのは一般の人々だから」
ララベルの優れた目は押し倒され踏みつぶされた麦を見逃さない。
風に乗って微かに聞こえる声の中には略奪を楽しみにするものが多く混じっている。
「これ以上畑を荒らされない様に決着をつけるよ!!」
わざわざ宣言するのには複数の意味がある。
1つは己の鼓舞。
もう1つは敵の士気を挫くこと。
最後の1つはフェイントだ。
(ヒーラーは、あそこ!)
地面を強く蹴って跳躍する。
ただ速いだけでなく人の背丈よりも高く跳び、直線距離で100メートル近くを一息で。
「喰らえ、旋風三連撃!!」
強い回復能力の代償に薄い防御しか持たないヒーラーに3度細剣が突き刺さる。
技は華麗で威力は中堅ウォーリア以上。
即死はしなかったが傷口から流れる血を抑えることもできず、ヒーラーは気絶し倒れ伏す。
「いかん、殺せっ!」
小隊長が部下を統制しようとしても混乱は収まらない。2人目が倒れるまでわずかな時間しかかからない。
「ヒーラーはこれで終わり? だったら!」
奇襲と脱出の手段は温存してエーテルを噴出させる。
移動距離こそ劣るが敵の頭上を跳び越えるという機能は十分だ。
現代の戦場に対応できていないキャスターにララベルが襲いかかり、非授恵者の兵がなんとか足止めしようとするがララベルの回避能力を上回れない。
「集団戦は最近こればかりで思考停止してしまっているような気がいたしますが……」
戦場の端でセロンガード・シュタインドルフが呟いた。
直後に射撃武器から飛びだしたのは光の矢だ。
炸光矢という、ウォーリアに比べれば威力の低い攻撃を対多数の攻撃にすることで補った技、というのは古い常識だ。
光矢が弾けた破片は1つ1つが鋼鉄製の装甲を食い破るほど凶悪かつ強力で、しかもこの技は特性スキルではなく通常の戦闘用スキルだ。
「多数の非授恵者が相手でしたらこれが最も効率が良くなってしまいます故」
第2射、第3射も全く同じ威力と精度で飛んでいく。
このままでは負けると直感した特に優れたウォーリアが、主君の命令に逆らって1人走ってセロンガードを狙う。
「基本的には侵略者には容赦しないつもりではありますので」
遠距離攻撃ここまで活躍しているセロンガードだが真に得意なのは至近距離だ。
短時間でたどり着くため攻撃に専念してしまった精鋭ウォーリアを、炸光矢をはるかに上回る威力の1矢で仕留めるのだった。
●
重装甲ウォーリアにとってチャージングは有用だ。
旧態依然とした彼等も当然装備はしていた。
隠し芸じみた技の数々を使いこなした上で素の移動速度が高いフリーダ相手に全て使わされてしまったが。
「矢は大丈夫だけどあれだけ数がいるとね」
アウレーリア・フォン・ネーベルベルクは並のシーフを超える回避技術を身につけているが装甲はそれほど厚くない。
攻防と技に優れたウォーリアに囲まれるのは最悪の展開だ。
だからここまで距離を保ち温存してきた。
「大義名分が立たない割には軍勢の士気が維持できているのね」
精密なエーテル操作が無駄な光を外に出さない。
熱とそれに伴う光の幻で低速の軍勢を包み込む。
移動のためのスキルをほぼ使い尽くした彼等は、そこから逃れられない。
(閃光塗弾だと数を相手にするのがね)
単独相手なら効果大だろうが移動を実質封じられたウォーリア相手なら術の方が効果的だ。
アウレーリアは念には念を入れて防壁を建てて後ろから攻撃術を使う。
狙うのは敵将のみだ。
「おのれっ」
指揮官は光壁を突破できず歯がみする。
剣が届く距離にこしゃくなアルマがいた。
不思議な素材の胸当てを身につけているが目立つ防具はそれくらい。
一太刀で切り捨てるつりの斬撃は、輝甲にしては酷く強い守りに弱められアルマを気絶させることもできない。
指揮官はいきなり頭上から降ってきた雷に打たれて警戒をする。
アルマの祈雷によるそれは、アルマの強大な攻撃力を反映していて強力なのだ。
「あっぶなー……」
傷口周辺装備の損傷はそのままにアルマの体が万全な状態まで回復する。
アルマと敵対する者にとっては心を折られかねない光景だ。
このタイミングでアルベルトが一騎打ちを仕掛け激闘が始まる。
術の射程ぎりぎりでバンビがメテオライト。
フリーダも敵ウォーリア隊の遠距離手段がだいたい尽きたことに気付いて積極的に自ら乗り込み白金の盾を先頭に蹂躙する。
青年貴族は激高する。
心に深く刻まれた傷に追い立てられるように、勝敗の鍵を握っているはずのアルマを狙う。
なお、アルマは防御や回避ではなく祭刀に巨大魔力をまとわせて闘気槌をフルスイング中だ。
命中と物理攻撃力を無理矢理強化し物理防御もそれなりに確保した錆色鎧は魔法防御が弱い。
アウレーリアの攻撃に消耗した青年貴族は、その衝撃に耐えることは不可能だった。
「よし! 敵将召し捕ったりー! でいいよね」
アルマが癒やしの力を叩き込んだら反応があったのでまだ生きている、はずだ。
「貴様等、この青年貴族にそこまで義理立てする必要は無いんじゃないか? 巻き込まれて斬られたくなければとっとと失せろ」
アルベルトは生き残りの敵ウォーリアを1人斬り倒してから降伏勧告を行う。
敵授恵者を全滅させれば他は逃げ散るだろうが、全滅する前にこちらの範囲攻撃でかなり死にそうなので早めにし勧告している。
ララベルは1度ホライゾナルジャンプで味方と合流してアルマから治療してもらっている。
「護衛が護衛として機能してなかった……。こだわり?」
倒れたまま息はしている敵指揮官を見下ろし、ララベルは少し困惑している。
「こちらの邪魔をしなければ、これ以上傷を負わずに無事に帰れますよ」
アウレーリアの言葉は、本人のカリスマと演説以上に効いている。
(私に酷く怯えているわね)
あれと同じ扱いは嫌ねと考える、総合すれば同格以上の伯爵令嬢である。
「降伏しなくてもいいけど」
敵部隊の後ろを示す。
それを稚拙な策と思った者は多かったが、極一部が振り返り真に絶望する。
数こそ少ないが今の侵攻部隊よりは戦力に勝るリーラント領私兵部隊が接近中だ。
「ここで逃げたら敗残兵ではなく山賊として扱われるぞ。当主のやらかしだからお家取り潰しからの一族連座は基本。お前達に援助していたことを誤魔化すために指揮官格だけでなく兵卒格まで殺したがる連中はいくらでもいるぞ。本当にな」
ベルクの言葉と態度はどこまでも冷たい。
広さも面積あたりの実りも素晴らしい麦畑を踏み潰した連中に好意を抱ける訳がない。
(指揮官は戦場での討ち死にという最良の未来はなくなった。こいつらの未来もより暗くなるな)
ベルクは小さく息を吐く。
「王の名の下に裁きを受けることになるのかしらね。身分や名誉や尊厳は無くすでしょうけど」
アウレーリアが肩をすくめる。
「さて、命が助かるのがどれほどいるか。行儀良くすればするほど助かり易くはなるだろうがな」
ベルクの言葉がとどめとなり、授恵者も兵士も武器を手放し力なくその場にへたり込むのだった。
●
「つよく、まっすぐな、実をつける、麦になるんじゃ」
農業の専門家であるアルマの表情は、背丈と反比例して大きさと力強さを感じる。
なお、領内の亜人を駆逐したこの地は大増産中であり、今回冒険者の活躍により被害が広がらなかったこともあり今年の輸出量が減り飼料が増えるだけで済みそうだというか今回アルマが出す意見書が計画に反映される。
「誉は麦畑で消えたー……?」
アルマは農業の他にも色々考えることはあるが、政治に関しては得意な人に丸投げだ。
「まあ、死んだ方がマシな結末にならない事を祈りましょうか」
フリーダは今回の事件の首謀者にロープを巻き付ける。
傷みに気絶しているので主に象徴的な行動だ。
「どうかな……」
ベルクは曖昧な態度をとる。
近くに子供いるので多少は表現にも気を付ける。
「こんなに恨まれて、セニャ何したんだろう?」
ララベルが思わず言うと、リーラントの大人達は無意識に目を逸らしていた。
「ジョセフ君、ヒューマン以外の種族も敬わなければ、領地の経営だって上手くいくものもうまくいかなくなってしまうんだぞ」
「そうー?」
アルベルトに言われた7歳児は良く分かっていない。
「真に重要となるのは、ジョセフ様が他種族の方に恋をしたときでしょうか。おやおや、今決めつけてしまうのはもったいないですよ。その瞬間が来るまでわからないものですよ。私も『その瞬間』が来てしまった身です故」
セロンガードはジョセフが種族を平等に見ることができるよう、レイウェスト皇子のことを話して他種族への抵抗が薄れるよう誘導する。
なお、7歳児の目標とする叔母はヒューマン優先主義でエリート主義であって平等主義要素は皆無だ。
バンビから今日の戦訓について教わる彼が成長したときどうなるか、今はまだ誰も分からない。
隣領がどう扱われるかも、同じであった。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:多い8 / 6〜8人
2023年08月11日 20時00分40秒 公開
参加者
相談掲示板
ヒーラーのアルマだよ、どーぞよろしくねー 親玉の青年貴族いがいに手強いのはいなさそうだし インフィニティロア支援のあとは回復とか 闘気槌で草刈り(意味深)にでも精を出そうかなと 手加減する必要はないってお話ではあるけど お貴族さま的な落とし所(首おいてけとか理解らせとか…?) には詳しくないのでその辺の後処理はほかの人におまかせさせてもらって 戦闘後は田んぼ…じゃなく麦畑の様子でもみにいってくるね
シーフのベルクだ、よろしく頼む。 あ~、うん。 なにやらかしたか知らんが、軽率に暴発する程度のおつむではあのお嬢に相当好き放題転がされたのであろうな(( どう考えても捨て駒にされているのだが、それにすら気づかん連中が哀れだ。(米神をもみほぐしながら) 落としどころというか、青年貴族に取って一番いい終わり方はこの場で討ち死にさせてやることだと思うぞ? いい終わりをくれてやる理由が欠片も見当たらんがな。 (死なせない場合はすぐに処刑されれば幸せな方な末路になるだろうが)
ウォーリアのアルベルト・V・シュタールシュヴェーアトだ。 よろしくな。 義理の甥っ子に危害を加えようとする奴は制裁一択だな。 青年貴族の首は俺にくれ。 生まれたことを後悔させてやる。
僕は、シーフのララベル・サン・ディーベル。 みんな、宜しくね!
すまん、重体になったので後方支援に回らせて貰う。
ウォーリアのフリーダです。よろしくお願いします。 とりあえず主力になる貴族と授恵者達は機動力に難があるようですすし、 敵キャスターとヒーラーさえ潰せば後は引き撃ちでも良さそうな気はします。 それをサポートするために非授恵者がいるのでどうするか?と言う感じでしょうか。 >青年貴族 向こうに非があるので殺害しても特に問題にはならないでしょうが、 後々の有利を考えるなら捕縛して中央や他派閥への交渉材料として使えそうな気がします。 まあ戦闘の過程で運良く生き残っていたら捕まえる形でもよろしいかと思います。
キャスター、アウレーリアです。宜しく。 なんか、真面目に戦争に付き合ってあげるほど価値も誉れもない気がしますので。 敵将だけサクッと狩って終わらせるくらいでいいかと思います。その方がスマートですし。 別に私は相手に恨みも何の感情もありませんが、人生を後悔させたいなら生かしておきましょう。 その方が長く苦しみます。 相手にキャスターがいるのが気になりますが、初歩スキルしか使えないならグラビティ(使用レベル30以上)を打ち消してくることはないと思いますので、これで足止めします。 あとはクレネルウォールの後ろから撃ち続けるだけで終わるでしょう。 ハリケーンウォールとどちらにするか迷いましたが、光壁の方が被弾回数が増えても耐えられるのと、一歩も動かず勝てそうなので。必要でしたら弾避けに使ってください。
遅参申し訳なすですわる 最大火力でぶっちらばしてもようございますわね?