【南乱】エスト・ポーラ艦隊の反乱
紀藤トキ
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シナリオID:2982
オープニング
風向きが変わった。エスト・ポーラ派遣艦隊の指揮官であるラセル・ランドン提督は苦虫を噛み潰したような表情で北を睨んでいた。ディンドルフ領第二の都市ルカに寄港していたリブラネスタ艦隊を奇襲するのが第一の目的。第二の目的はルカへの焼き討ちを行った後にラザフォード辺境伯の艦隊へ合流して見せる事で、ディンドルフ侯爵の激発を確実なものとする事である。しかし、遠眼鏡に見える都市への被害は雀の涙と言った所で、リブラネスタの艦隊は無傷だ。
「提督、僚艦より信号。以後の指示を請うとのことです」
「……今は機が悪い。様子を見ざるを得ないでしょうね……」
リブラネスタ艦隊は武装商船団であり、戦力的には正規艦隊のラセルの側が優位ではあろう。だが、ラザフォード艦隊に合流する為に背中を向けるには、変わった風向きが気に食わない。さりとて連中を無傷のまま残せば、前線にいるカーチス・ラザフォード辺境伯に余計な事を知られる可能性もあった。彼は辺境伯と言う地位にあるにしては、好戦的ではない慎重な男だ。真相から切り離しておかねば、ディンドルフ侯爵との開戦を確実なものとできないだろう。
「風向きが再び変わるか、せめて陽が沈めばやりようもあるのですが。部下の動揺も抑えねばなりません。厄介な事です」
戦力では負けていないのだ。正面からルカに攻撃を仕掛け、一戦してリブラネスタ艦隊に痛手を与えてから取って返す。そのように作戦を立て直したところで、後方から伝令が来た。
「提督、後方に未確認船。……ディンドルフ領のクラーケン号です」
「ははっ、何度聞いても笑ってしまいますね。しかし、クラーケン号という事は、ローラ船長が逃げ出したという事ですか……」
メドゥの指先を介した共犯者の男と同名の艦だ。彼がディンドルフ家にいた頃に乗っていたのが、その先代のクラーケン号だと聞いたことがある。偽名にかつての乗艦の名をつけるセンスは嫌いでは無かった。
「とはいえ、ディンドルフ側に余計な事を喋られると困ります。彼には悪いですが、沈めてしまうしかありませんな」
港町のリブラネスタ艦隊に動きが無い事を確認し、ランドン提督は艦隊へ指示を出す。
●
身重である。早産であれば生まれてもおかしくはない時期だ。しかし、クレア・クレイヴラーは今は動く事に決めた。彼女の耳にまだ夫の訃報は届いていないのだが、エスト・ポーラ艦隊のランドン提督に指示を出していたのは夫ではない事には確信がある。というよりも、ランドン提督は書簡が偽物と知り、無用の混乱を生むと知った上で従っていた。
「……エスト・ポーラが脅迫を受けていたという話もありましたから。ランドン提督は、メドゥの指先だったのでしょう。ですが、メドゥの指先は少数で動くと聞きます。配下の艦長たちまで全員がそうとは思えません」
「アタシもその判断には同意するけどね……。アンタも大したタマだよ。ディンドルフに産まれてたら、いい船乗りに成れただろうねぇ」
女船長のローラはそう言いつつ、身重のクレアが最低限過ごしやすいように気配りしている。軟禁場所から救出されてすぐ、クレアは自身でエスト・ポーラ艦隊を説得すると言い出して聞かなかった。さすがに領主の姉といえど、むしろ領主の姉であるからこそか。身重の女性が前線に出る事に、ラザフォードの居残り組の古参艦長たちは同意しなかった。エスト・ポーラ艦隊と戦闘の恐れがあるという点から、外交問題に発展するような決断を当主抜きで行う訳にはいかないというまっとうな理由もある。だが、本音の面で言えば、先代から仕える彼らから見れば、クレアは『御屋形様の可愛いお嬢さま』のままなのだろう。彼らが決して自分を危ない場所に送る事はないと知り、彼女はローラ船長に無理を言った。
「ローラ船長にはご迷惑をおかけします。船員の皆様にも。このお礼は必ず」
「そうさね、大盤振る舞いを期待しておくよ」
身重であろうと、エスト・ポーラ艦隊の艦長たちに信頼すべき人間として顔を知られているのはクレアしかいない。そして、顔が見えて声が届く距離まで近づけば、攻撃を受けるだろう。クラーケン号は彼らがこれから戦争を仕掛けようとしているディンドルフ侯爵のものであるし、そうでなくとも辺境伯のところで抑留されていた筈の艦だ。
「御姫様の安全はアンタ達、冒険者に任せるよ。どういう手段でもいい、守り切りな。ま、避けれるもんなら避けるけどね」
「よろしくお願いいたします」
クレアは覚悟の決まった顔で、一同へと頭を下げた。
解説
マスターより
リプレイ
「クレア様、お初にお目にかかります、ベイカー商会長女、リサ・ベイカーです。本日は護衛をさせて頂きます」
「ありがとう。ふふ、エスト・ポーラの方が居ると思うと心強いわ」
以前より気にかけていたクレアに、挨拶の機会が得られたリサがまず声をかけた。応じるクレアの口調から、もうエスト・ポーラの人間だと自分を考えている事が分かり、レティシア・レインフィールの表情が陰る。
(……市長様の生存が絶望的なことはまだお伝えすべきではないでしょうが、黙っているのは心苦しいですね)
様々な証拠がローヴィス市長の死を示しているが、さりとて今活動している市長が何者なのかが判明していない。レティシアには、身重な女性に限りなく黒に近い灰色な状況を伝えることは躊躇われた。
「エスト・ポーラの愚行を止められるのは今は貴女様だけです。よろしく、お願いします」
「ええ。こちらこそ、大変な事をお願いします。よろしくお願いね」
故郷の状況を愚行と口にするリサの心情を思い、クレアはまだ下げなれていないだろう頭を下げる。エスト・ポーラへ嫁入りした王国貴族の娘という立場の身では心苦しいところだろう。
(冒険者は国家間の戦争には関与しない。けれども、ことがメドゥの指先の仕業ならば、話は別だわ)
世界の情勢は、ロゼットの故郷の火山帯よりも生臭い。クリーパーから人類を守るという大義に向かい合えば良い神徒に比べて、冒険者は不自由だ。それでも彼女の正義感と折り合わせる事が出来るのならば、戦火を防ぐに助力を惜しむことはするまいと思う。
「……事態が緊急を要することは分かりました。その上で、ひとりの身体ではないのですから無茶は程々に」
そう告げて、ロゼットはクレアの腹部へ目を向ける。
「クレア様、どうか無理はなさらないようにしてくださいね。必ずお護りしますので、安心してください」
「ああ。クレア殿が身重の大切な体を張っているんだ、絶対に成功させなくては」
クレアの側に残るチームのコルネリウス・アーラと、敵船の無力化を担当するチームのローザリカ・L・ディオールも、そう意を言葉に乗せた。
●
作戦としては、クラーケン号に残る冒険者4名はクレアを守りつつ、可能な限り敵船のバリスタを無力化する。その間に、残る3名でランドン提督の乗艦を見定めて乗り込み制圧、という手順だ。
(提督の身柄を生かして確保する為には、形勢が定まる前に奇襲する必要があるだろう。早期の情報収集が最善か)
ナハティガル=ラーはランドン提督の自害、あるいは口封じの可能性を警戒していた。戦力比で言えばクラーケン号1隻に対し、敵船は同じ中型艦けでも4倍以上だが、冒険者にとって砲門の数で押し負ける可能性は考慮の外のようだ。
「弓が届く場所まで近づいて頂ければ、バリスタを撃って壊そうと思います」
「声さえ届けばあまり距離を詰めたくはありませんけれど……、その辺りまで近づくのは仕方がありませんね」
弓を手にゲルダ・クラインが言えば、船底から樽を担いで上がってきたコルネリウスがそう応じる。クレアの居る船首部分に、隠れるための障害物を並べようという思案だ。サウンドボマーで冒険者が補助するにせよ、最終的にクレアの肉声と姿を届けようと思えば弓の届く距離でギリギリか、あるいは敵船が一塊で無い以上、さらに前へ出る必要もあろう。
「まずは私の方で必要なことをお伝えいたしましょう。内容については、相談させて頂けますか」
「ええ。授恵者というのは声を大きくすることも出来るのね。普段から使えれば便利そうだわ」
サウンドボマーで第一声を放つ予定のレティシアは、クレアと海軍側へ伝えるべき内容を相談していた。クレアの存在と意図、戦闘放棄の呼びかけやランドン提督のメドゥの指先との共謀といった内容に、クレアからの異論は無い。
「港町への火攻めの責を問わないかどうかは、私の判断できるところでは無いけれど」
「では、可能な限り口添えするというようにいたしましょう」
「私も、乗り込んだ後でその辺りを伝えながら動くわね」
突入側のロゼットも、相談の内容に耳を傾けている。彼女とナハティガルはランドンの身柄を最優先に狙い、所在を突き止めてから乗り込む事を考えていた。ローザリカはランドンに限定していないが、指揮を執りうる高級将校を狙うと言う。
「クレアさん、提督の船に紋章のような特徴はありませんか」
「通常なら、乗艦には提督旗が掲げられていると思うけれど……」
ロゼットの質問に、クレアはその様なことを答えた。しかし、港町ルカを奇襲した際に冒険者達が遠目に見た限りでは、彼らは旗を下げている。見え見えであれ、宣戦布告をした訳でもない状態では所属を隠そうという意図であろう。
「では、俺は敵艦を見極めてから動こう」
「私もナハティガルについて行くことにするわ。それが確実そうだもの」
「そうか。僕は先に出て、海の中で聞き耳を立てようかと思う」
ナハティガルがエーテル波で敵を確認するために必要とする距離は、ちょうどバリスタの最大射程と同じだ。前列艦のみならず、後ろの艦を視ようとすれば、ある程度交戦距離まで踏み込まねばならない。つまり、そこそこ長い時間敵艦の近くにローザリカが1人潜伏することとなる。
(……ちょっとでも僕が無茶をするといい顔をしない男にはあとでいくらでも怒られてやるさ)
あるいは、そんな危険な場所に自分がいないことを気に病みそうな気もする。ローザリカは頭を振って、婚約者の顔を脳内から追い出した。
●
「横腹を晒せば的になる。どっちにしろ相手が風上だ。速度は加減するが、あまり時間は稼げないよ」
敵艦隊が目視され、ローラが言う。互いが鼻を合わせて近づいている状況で、急に進行方向を変える事は船舶には難しい。射程を掠めるように旋回する方法もあるが、どちらにしろ最終的に突っ込むのであれば、相手に船首を向けている方が安全だとローラは判断したようだ。
「気休めかもしれないが、守りを残していく。幸運を、クレア殿」
クレアの居場所に光縛封を立て、ローザリカは海中の人となった。流石にこの距離で見とがめる程に目の良い水兵はいなかったようだ。手はず通り、レティシアがまず声を上げた。
『エスト・ポーラ海軍の皆様。この船には市長、ローヴィス・クレイヴラー様の奥方であるクレア様が乗艦しています。皆様は、身重の身でありながら皆様をお止めする為に力を尽くされようとする彼女の誠意と勇気を知ってなお、弓を向けるのでしょうか』
レティシアは続けて、ランドン提督に下された市長の命令が偽物であり、彼がメドゥの指先に通じている事をクレアの名で弾劾する。聞こえては居るのだろうが、前列の小型艦は艦首バリスタを発射した。最大射程でそうそう当たるものではないとはいえ、リサとコルネリウスが身構える。
「軍隊とはそういうものですよね……」
「個人の心情で手を止める事を許せば、大事なところで瓦解するわ」
私兵団とはいえ長を務めるコルネリウスも、神徒として集団戦闘を知るロゼットもその事に違和感は無い。むしろ、引きつけずに警告射撃を行ったあたりが、彼らに出来る最大限の譲歩であろう。逃げれば追わぬ、という言外の意思に一同の決意は今更揺るがない。小型艦は左右へ回り、中型艦が射程距離に近づいてきた。
「……左から2番目の艦が、やや人が多い」
「指揮官は余分な人間だものね。そこかしら」
ナハティガルの言葉に、ロゼットが頷く。海中のローザリカも、戦場の騒ぎを耳にして同じ結論に至っていた。レティシアの届けた声に、兵は動揺していると言うよりは戸惑い疑っているようだ。光縛封が無くとも、まだクレアの姿を目視するのは難しい。よく似た服を着た偽物の可能性も取り沙汰されているようだ。
『敵船、何者かを投棄。……いや、人間か?』
(2人が見つかったか。だが僕には気づいていないな)
見張りが泳ぐナハティガルとロゼットへ注意を向け、既に潜んでいるローザリカが見つかる可能性が相対的に下がる。戦闘速度で航行している帆船といえど、授恵者の泳ぐ速度には及ばない。彼女は密やかに船側面に忍び寄った。
「悪いが、バリスタを破壊させて貰おう」
第一発見者を海へ放り投げ、船首バリスタへ鋭い回し蹴り。嫌な音を立てて歪んだのを見届け、中央にいる見るからに偉そうな男へ向く。
「メドゥの指先に与するラセル・ランドン提督と見受けた。おとなしく降伏するがいい」
●
「えいっ」
可愛らしい気合いの声と共に、矢が飛ぶ。ゲルダは船上の揺れを物ともせず、下手な弓手以上に正確な照準で、こちらに向かっていた小型艦のバリスタへと見事に命中させた。物体の破壊には向かぬ矢ではあれど授恵者の力で撃たれた矢だ。照準が大幅にずれたバリスタが明後日の方向へ無駄玉を放つ。
「皆さん、お久しぶりです。クレア・クレイヴラーです。ランドン提督の指示はメドゥの指先の手によるもの。正しいエスト・ポーラからの命令ではありません。兵を引いてください」
この距離に寄ったのであれば、小型艦にはクレアの姿と声が届く。つい先日まで護衛を命じられていた市長夫人の姿を目にしていた者も多く、上はともかく下の兵には動揺も見られた。心が疑いを持てば、敵対を止めはせずとも手は緩む。
「騙されるな、偽物だ。授恵者なら姿形を似せることくらいお手の物だろう!」
船長らしき人物がそう口にすれば、幾分か疑念が薄れたようではあるが。それに、もはや双方ともに戦闘を開始しており、簡単に下がれる状態では無い。ぐるりと逆に回り込んだ小型艦がまたもバリスタを向けていた。
「ゲルダちゃん程うまくはいきませんね……」
コルネリウスに守りを委ねて弓を手にしたリサの矢は、船には当たったがバリスタを無力化する事は出来なかった。クレアに当たるようなことはなかったが、船に直撃して艦が揺れる。
「大丈夫ですか、クレアさん」
「ええ。こんな場所にいたことなんて無いから、心強いわ。ありがとう」
コルネリウスはローザリカの光縛封が切れた後のクレアの守りに専念していた。帆を割かれたせいで小回りは落ち、船体への被弾で船員の重傷者も出ているがクラーケン号はまだ耐えている。
「怪我をされた方がいれば、教えて下さい。回復いたします」
せめて目が届く範囲で失わせることはしまいと、レティシアは船員の元へ駆け寄った。もう船団との距離は近い。飛んできた火矢の炎を踏み消して、ゲルダが矢を放った水兵の足場となっていた帆の横桁を撃つ。バランスを崩して落下したが、生命に関わるようなことは無いはずだ。
「わたしはエスト・ポーラのベイカー商会の娘、リサです! 海軍の皆さん、この行いは本当にエスト・ポーラの利になるんですか?」
「なんだ、そんな娘が何で敵にいるんだ」
リサの声を聞いて驚いた様子の船員の声を残し、クラーケン号と小型艦が至近をすれ違った。ぶつけてでも止めろという命令までは出ていないらしい。説得の言葉が響いたのか、小型艦のうち3隻は遠くで旋回しつつも二次攻撃を躊躇っているようだった。
「中型艦の方は、まだ遠慮無くこちらを撃ってきていますが……、そろそろこちらの様子も見えるのでは」
魔弓を手に警戒するレティシア。クレアの姿と声が届くと言うことは、相手の砲撃もこちらを捉えると言うことだ。しかし、4隻いるうちの1隻は切り込み攻撃を受けて混乱している。ローザリカへはランドンが当たっていたが、そのせいで初期の指示出しが滞っていた。今頃はロゼットとナハティガルも到達しており、指揮系統の回復は難しいだろう。中型艦のうち1隻は自己判断で旗艦の援護にと船を寄せ、残りの2隻は最後に出た指示の通りにクラーケン号への攻撃を継続している。
「ランドンの旗艦が分かったのは運がいい。このままぶつけるよ。冒険者連中はお姫様を守りな!」
「え、そんな作戦は無かったですよね!?」
「って言っても、クラーケンももう長くは持たないからね。もうそれしか手がない」
クレアの驚きの声にローラ船長は淡々と返す。乗員の奮闘もあり火災こそ食い止めているが、船体への被弾が相次いだクラーケン号は既に満身創痍だ。相手の旗艦に近接して撃ちにくくさせる方がマシだという。本来なら切り込んで乗っ取るのがセオリーだと言うが、乱戦になればクレアが危険に晒されよう。
「大丈夫です、必ずお守りしますから」
幾度目かの声を、コルネリウスが掛けた。
●
「この戦闘はメドゥの指先であるラセル・ランドンの謀略です! クレア様の声を聞いて戦闘を停止してください!」
乗り込んできたロゼットは、そう声をあげつつ味方へと支援効果を及ぼした。防戦一方になっていたローザリカが息を吹き返す。
「クッ、乗り込まれるのを阻止できなかったのですか。いや、この相手では仕方がありませんね」
細剣を振るいローザリカを追い詰めていたランドンは、ナハティガルの三連撃を二つ喰らって蹈鞴を踏んだ。近づいたもう1隻から飛び移ってきた兵も含め、ランドンの他に授恵者が3名。数の上では敵が勝るが、実力では冒険者達の方に軍配が上がる。ロゼットの支援がさらにその差を広げた。
「アンタの背後にはメドゥの指先が居るな? ――市長の事を含めて聞きたい事が山程ある」
「その様な証拠はないでしょう。世迷い言を……」
ナハティガルの宣告にランドンは首を振る。
「いいえ、クレア様が貴方の企みの証人です。市長の命令書も偽物であることをクレア様は保証しました」
「……クレア様、本物なのか?」
ロゼットの凜とした声に、ランドンでは無く授恵者が動揺を見せた。満身創痍のクラーケン号はボロボロであったが、船上に立つクレアの姿はもうはっきりと見えている。良く似た偽物だろうという声もあがるが、彼のように迷いを見せる兵もいた。そして、迷っていては実力差のある相手に勝てはしない。
「命までは取らないわ。しばらく眠っていてください」
「妙な動きは見せないで貰おうか」
ロゼットが授恵者の一人を制し、数の上でも敵の優位が消える。ローザリカは隣の艦の側面バリスタに取り付いた兵士を魔矢で牽制しつつ一括した。ランドンはナハティガルのヒットアンドアウェイに翻弄され、狙い澄ます余裕のない反撃は空を切る。時折、提督に加勢しようと言う兵士もいたが統制が取れた動きではない。
「おのれ、たかが一隻、まだ沈まないのですか!?」
声を上げた瞬間、旗艦が激しく揺れた。ナハティガルがその隙を見逃さずにランドンの手の剣を跳ね上げる。度重なる説得に加え、その様子を目の当たりにした兵の気持ちがついに折れ、旗艦の面々は抵抗を止めた。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準7 / 4〜8人
2023年05月22日 00時28分44秒 公開
相談掲示板
ヒーラーのロゼットよ。よろしくね。 この間は港が火事にならなくて良かったわ。お疲れさま。 出来そうなことは、いくつか挙げられているようだけど、 目的はエスト・ポーラ艦隊を止める、物理的に止めるというより、 提督以外の船員に戦意を喪失させる、ということかしらね。 敵船に乗り込むまでするなら、クレアさんの護衛から外れて しまうし、実行するなら人員を打ち合わせした方が良いかな。 思いつくこととして、私サウンドボマーを習得しているのだけど、 これで声を増強して、射程外からクラーケン号にクレアさんが 乗船していることを、艦隊に伝えるのはどうかしら。 即の投降は無理でも疑念や内輪もめで、ざわついてくれるかなと。
ウォーリアのコルネリウスです、よろしくお願いします。 何ができるかな、とまだ少し考え中なのですが…。 切り込む場合は船員の方は殺さずに気をつけてランドン提督だけ殴れれば戦意も喪失させられるかなと思うのですけど、ちょっと大変でしょうかね…? サウンドボマーを使用すれば声は届きやすいですし利用できると思います。
>ランドン提督を倒す 提督が乗っている旗艦は中型艦×4のどれかなのでしょうけど、 小型艦×5が前に出てるから、まず乗り込むまでが難しそうね。 ガイドを見てきたけど、授恵者は水中を非戦闘時で36ターン、 戦闘時で10ターン、息継ぎなしで動けるらしくて、 移動力3でも10ターンあれば90へクスぐらい泳げるのよね。 だから、バリスタの射程(50)くらいで船上から提督のいる 旗艦を探して、クレアさんが声で敵艦隊の注意を引いてる間に、 潜水で敵艦隊の下を通過、敵の旗艦にこっそり取り付いて、 ランドン提督に直接対決を挑む、というのは出来るかも…? 変則的な方法だけど艦載艇で海上を、小型艦×5を攻撃せずに、 撃たれるままで突き進むよりはマシ?…みたいな。1案までに。
ウォーリアのゲルダです。よろしくお願いします。 ハンマーブレイクでの攻撃は……エスト・ポーラ艦隊の艦を沈めてしまったり乗員を殺めてしまうと成功度が落ちてしまいますし、やめておいた方が良そうですね……! >方針 そうですね。「クレア様に声で注意を引いていただいている間に敵艦隊に潜水してランドン提督に直接対決を挑む」がよさそうかなと思いました。 ただ、ランドン提督が中型艦のどの船に乗っているかがわかりませんので 中型艦に潜入して敵を殺さないように気をつけながら暴れてバリスタを破壊 ランドン提督がいなければ次の船へ――のような形になるでしょうか。 >個人行動 船に乗り込む側か、残ってクレア様の護衛かについては、現状希望は特になく。 クレア様の護衛に最低でも二人(ヒーラー+ウォーリア?)は残ったほうが良いかなと思いますので、コルネリウス様と調整して決めたいなと思います。
ごきげんよう。 ヒーラーのレティシア・レインフィールと申します。 皆様、先日の依頼に引き続きよろしくお願い致します。 >方針 私もゲルダ様が纏めて下さったもので異論はございません。 課題としてはクレア様の声が届く距離に近付くまでに受けるであろうバリスタの攻撃から クレア様とクラーケン号をいかに守るか、という部分もございますし。 クレア様の護衛役として、ヒーラーとウォーリアが一人ずつ必要なのも 同意見ですので、サウンドボマー役も含めてご相談をさせて頂く必要がございますね。 >サウンドボマー 使用に関しましては私も賛成でございます。 注意点としては、スキル使用中は集中する関係で使用者が無防備となりますので 前述のようにクレア様や使用者を守れる方が必要不可欠かと存じます。 私もサウンドボマーは習得済みですので、受け持ちは可能でございます。 場合によっては『演説』も併用し、クレア様のお手伝いをするのも手かもしれません。 >提督 敵艦潜入は単独では行うのは危険ですので基本的には班行動となりそうですけれど 可能な限り不要な戦闘を避ける為にも迅速に彼の所在を特定する必要がございますね。 思い付く物ですと、クレア様やサウンドボマー使用者によって 彼の所業を明らかにした際、艦内の乗員の皆様の会話や提督自身の発言を超聴覚で確認する事で ある程度は特定が出来ませんでしょうか……?
シーフのナハティガル=ラーだ。――今回も宜しく頼む。 >方針 俺も既に上がっている方針に異論はない。 >クレアとクラーケン号の護衛 バリスタの攻撃に対しては、現状では【魔法の壁】や光縛封を展開させる位しか思い付かんな。 シューターが居れば煙幕を焚いて貰う事も出来るんだが……。 ヒーラーとウォーリアが1人ずつクレアの護衛役として残るのにも同意だ。 >提督 提督の所在特定までは不可能だが、宗波で中型艦×4と小型艦×5の乗員数と配置を索敵するつもりだ。 サウンドボマーで対話を呼び掛けるのなら、その際に返信を行なう艦が乗艦である可能性は高いかと。 >個人 俺は敵艦への乗り込みを希望する。
>クレア様とクラーケン号の護衛 クレア様の護衛にヒーラー+ウォーリアという方針で異論ありません。 バリスタは叩き落したりウォーリアが生身で受けるのは、ちょっと厳しそうですものね…出来ないことはないかもしれませんが(また脳筋と言われそう) 遮蔽物としては、ナハティガルさんが挙げてくださっているものしか、私も思いつきません。 >個人行動 私も乗り込むか護衛をするか、どちらが良い、という希望は特にありませんがひとまずクレア様の護衛の方に回りましょう。 ゲルダさんが護衛の方でやりたい事が出来ましたら、交代も可能ですので。
よろしくお願いします。 そうですね、クレア様の護衛にヒーラー、ウォーリアというのは異論ありません。 他の方がよければ、わたしは、護衛に着こうかなと思いますが如何でしょうか。
ヒーラーのローザリカ、よろしく頼もう。 >方針 ヒーラーとウォーリアが1名ずつ残るという方針にも異論はないよ。 リサくんが残るのも僕は構わない。 どちらかというと前線で戦う方が得意だし、僕は乗り込む側で動こう。 >乗り込み 小船を使うか水泳で直接泳いで乗り込むかが示唆されているけど なるべく安全に目立たず行くなら水泳なのかな。 汎用スキルや場合によっては水中で便利そうなアクションスキル枠が埋まる部分はあるけれど。
>乗り込む方法 艦載艇で海上を行く案も考えたけど、バリスタや弓矢の射撃、 小型艦の妨害を抜けるのも簡単じゃないし、私たちが防御が 回避で無事でも、艦載艇が沈没する可能性もあるかなって。 で、クレアさんで船員の視線を集めてる間に、海中を潜水して 旗艦にこっそり乗り込んで、提督を落とす方がマシかな?と。 >サウンドボマー 使用者の任意だけど、使うのはバリスタの射程までにして、 射撃が飛び始めたら、護衛に意識を向けた方が良いかなと。 護衛対象が増えるのは良くないし、クレアさんを守らないと。 私たちの「重傷」有無も、成功度には影響しそうだしね。 >クレアとクラーケン号の防御 クレアさんの姿や声が届く距離も大事だけど、 必要以上には前進しないことかな。 距離があれば、命中判定はマイナスされるから。 >行動 潜水案なら、言い出した身だし、私も乗り込みましょうか。 提督の取り巻き(授恵者も)も居そうだから、誰が提督狙いで、 周囲の牽制を誰が、というのは決めた方が良いんじゃない? >配置希望(途中経過) ・護衛 リサ、コルネリウス ・乗り込み(潜水?) ナハティガル、ローザリカ、ロゼット レティシアが護衛に加わるなら、サウンドボマー役を受け持つ? 上に書いた通り、射撃が始まったら停止の方が良いと思うけど。
>乗り込む方法 水中移動で乗り込む場合、汎用の【水泳】スキルか水中戦用スキル(水中用装備必須)の何れかを持って行った方が良いように思う。 >どの艦に乗り込むか? 『サウンドボマーでの対話に対し、返信を行なった艦』に乗り込む方向で良いだろうか? >役割 艦内潜入後に提督の現在地を特定した場合、宗波で【マーク】して追跡するつもりだ。 その為、とりあえず提督狙いで手を上げておこう。
>クレア様の護衛 コルネリウス様、ありがとうございます! 護衛をコルネリウス様にお願いできるのは大変心強いです……! >乗り込む方法 クレア様に気を引いてもらうのとは別に、正面に囮を立てるのはどうでしょうか? 艦載艇に乗って、敢えて敵の射程内に入ることで敵の注意を引いたり攻撃を誘発させたりできないかな、と。その隙に潜入していただければ、より確実かなと思いまして。 ついでに弓を持って小型艦のバリスタを狙えないかなとも。 (以前の依頼で船上からの敵船上にある火矢発射装置への攻撃は成功していましたので、不可能ではないかなと思います) 上記の方法で問題なければ、わたしは囮側にまわりますね。
ロゼット様、希望纏め感謝致します。 >護衛 私自身も拘りはございませんので コルネリウス様とリサ様にお願い出来るのでしたら有難く存じます。 >サウンドボマー 護衛班のお二方がご担当されるのかにもよりますけれど 必要であれば私が受け持つ事は可能でございます。 >乗り込む方法 ゲルダ様の囮案に便乗させて頂く形となってしまいますけれど 仮に私がサウンドボマー役を行うのでしたら必然的に目立ちますので ゲルダ様と艦載艇にご一緒させて頂いてもよろしいでしょうか? もしサウンドボマーを使用しないにしても ゲルダ様お一人よりも安全面などでも有効かと存じます。 その際には回復や機を見て魔弓の援護等も行う所存でございます。 あとは、状況次第では提督様がいらっしゃると判明した艦に接近し 援護も視野に入れた方がよろしいかもしれません。
>クレア様の護衛 承知しました、防御を出来るだけ上げつつカバリングを忘れずに持ちますね。 船の距離も声が届けば必要以上に近づかないなど、挙がっている方針に異論ありません。 >どの艦に乗り込むか? そうですね、返答があった船に提督が居る可能性は高いのではないかなと思います。
>囮案 ……流石に危険過ぎるのではないか? 艦載艇とは言っても10人乗れる位の手漕ぎボートでしかなく、バリスタが一発当たっただけでも船体毎破壊されないだろうか? また手漕ぎボートなので誰かが漕ぐ必要がある上、機動力も大した事はないかと。 戦艦であるクラーケン号ならばバリスタが数発命中した位で撃沈する事はない。 敵戦力の注意を惹くのはクラーケン号に任せ、護衛として残る者達以外は水中移動で敵艦への潜入を目指した方が比較的安全と思われる。 敵艦潜入組の人数が少な過ぎるのも心配だしな。
>囮 そうですね……。確かに、危険はあるかもしれませんが、 手段として艦載艇での移動が提示されていること、「船の上の個人を狙って撃てるようなものではないですが、運が悪いとあたります」=授恵者が当たることも想定されていることから、 カバリング等があれば成すすべもなく沈められる、ということはないかなと思います。 小回りが利く小型艦が5艦いますので、こちら側から距離を取っていても向こう側から近付かれる可能性も考えると、囮はあったほうがよさそうかなと。 敵艦潜入組の人数についても、相手側の戦力が40レベルのウォーリアと、低確率で存在する20レベル程度の授恵者ですので、こちらも3人いれば問題ないような気もします。 もちろん一意見ですので、他の方の意見もお伺いしたいです……!
>囮 囮があれば船に乗りこむのは容易になりそうではあるが、 敵艦潜入組の人数の件は確かに数がいるに越したことは無さそうとも思ったかな。 戦力、相手の強さでいえばゲルダ君の言うように問題は無さそうに感じるが、 船の数が多いこととバリスタを潰すことも考えると潜入組で数を確保しても良い気がした。 候補を絞ってから乗りこむとはいえランドン提督を一発で抑えられる保証はないのと、 複数あるバリスタを壊すのに人数が多い方が効率が良さそうなのが理由だ。 とはいえ、バリスタは囮船からの射撃で狙ってもいいと考えると どちらでも構わないともいえるし…… すまない、判断がつかなかったので思った事だけ書き連ねた。判断はまかせたい。 >乗り込み サウンドボマーに返答を行った船から目星を付ける件、承知した。 僕の方でも水泳スキルの他に超聴覚も持ち込むようにする。 ナハティガル殿が明確に提督狙いを宣言してくれているから僕はそれ以外や バリスタ破壊を優先的に狙って動こうかな。 非授恵者等からある程度攻撃を受けても自己回復でカバーしながら動けたらと思う。
>囮案への意見 …あえて意見するなら、危険というよりは、 囮としての効果は弱いかな、と思ったわ。 艦載艇が出ても、敵艦隊がクラーケン号を狙う 指示は変わらないと思うし、敵艦隊が前進してきたら、 艦載艇の2人で止めるのは難しいんじゃないかしら…。 私なら、いっそクレアさんの護衛を増やして、 クラーケン号を囮として前進させる方が良いかなと思う。 クレアさんをしっかり守りつつ、反撃もできる距離まで。 敵がクラーケン号に迫れば、クレアさんの声も 届きやすくなるのだから、それ自体は良いことよ。 もちろん攻撃の数も増えるから、盾役は増やすべき。 > 基本的には、敵艦隊にクレアさんの姿を見せて、 声を届かせて、しばらく守り切れば成功という依頼。 全員でクラーケン号に乗ったまま護衛しても良いぐらい。 ただそれだと、ランドン提督には逃げられそうかなと。 個人的には、護衛組4と提督狙い3でも良いと思ったわ。 書いた通り、クレアさんが成否のカギだと思うから。 長文をゴメンなさい。短くまとまらなくて(汗)
>乗り込み 「水泳」はセット可。 戦闘時にナハティガルを「インフィニティロア」で全強化か、 「輝刃」の攻撃強化かで支援と、他に授恵者が居た場合の対応予定。
このような時間ですけれど、恐らく護衛班のお二人方はサウンドボマーを使用されないのと 囮案に関してはゲルダ様とご同行してもよろしいのか不明な為 ロゼッタ様が仰るようにクラ―ケン号からサウンドボマーを使用し 状況に応じて魔弓での攻撃や回復を行わせて頂きますね。 サウンドボマーでの発言については事前にクレア様とご相談し 齟齬などの無いようにさせて頂きます。
ご、ごごごごめんなさい! レティシア様への反応がすっっっかり抜けていました……!! >囮 出発ギリギリとなってしまって申し訳ありません……っ ご意見大変参考になりました……! ありがとうございます! そうですね、確かに囮としてはクラーケン号の方が優秀そうです……! 艦載艇からバリスタへの攻撃をすれば敵も無視はできなくなりますし、クラーケン号への攻撃を抑制できるかな――といった狙いでもありましたが、提案の通りクラーケン号に同乗させていただいて、クラーケン号からクレア様を護衛しつつ、バリスタ破壊を狙ってみますね。
サウンドボマーの方に触れそびれていましたね、すみません。 ボマー使用中は戦闘行動が出来なくなってしまうので、万一の場合なども考えて私はボマーは不使用の予定ですので、レティシアさんにお任せできたらと思います。