【泥乱】大酋長と巫女に捧げし、やさしさの形
菊華 伴
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シナリオID:2976
オープニング
●ユアン、もう一つの故郷に里帰りする
ポップ孤児院に一通の手紙が届いたのは、ある風の強い日だった。
最近、ギシュム族に来客あり。
占いの結果、近々災いと大酋長に試練あり、と出る。
我らが娘、ユアンよ、力を貸してほしい。 ルゥエン
「アシムベート様……に、なにか、あるの、でしょうか……?」
ユアンは複雑な顔になり、すぐさま何人かの知人を訪ね孤児院の事を託すのだった。
ユアン・イェーガーはリザードマンの養父母によって育てられた過去がある。彼女は養父母亡きあと、理由あってエルタニンを『マナズィール』という形で出て行っている。その後、彼女は少しの間、養父母の故郷であるディズル大湿原……イェーガー族の集落で暮らしていた。
その頃既に授恵者となっていた彼女は、大湿原にいた頃時折アシムベート・グリオウをはじめとするいろんなリザードマンたちから彼らの死生観などを学んでいた。
「もう一つの故郷、の問題、です。力になりたい……」
ユアンは手紙をもってディズル大湿原へ向かった。
●元気になれるご馳走を
ユアンは、イェーガー族の集落へ向かう直前、近所であるギシュム族の集落を訪れていた。
「ユアン、お久しぶり!!」
彼女の姿を見つけ駆け寄ったのは、フードを被ったリザードマンの女性。名をクーリエといった。ユアンはクーリエに笑顔で会釈すると嬉しそうに駆け寄る。
「クーリエ姉様、ルゥエン兄様とご一緒なんですか?」
「そうなんだけど、ちょっと頼まれごとをされてね」
クーリエは苦笑しながら彼女を案内する。その先には、数名のギシュム族の若者……というには、幼い子ども達が。そして、小柄で糸目のリザードマンが困ったような様子でそこにいた。彼こそが、ルゥエン……ユアンにとっては義理の兄的存在で、マナズィールの際の先生である。彼は頭を掻きながら「いやー、悩ましいですねー」と苦笑していた。
ルゥエンは、知人であるギシュム族の子供たちから、『旅で疲れた巫女と最近元気がないアシムベート様の為にご馳走を作ってほしい』と頼まれたらしい。偶然ギシュムの集落にやってきた二人は薬師であり占い師でもある。なにか滋養にいい食べ物を知っているに違いない、と考えたようだ。
また、彼らの兄や姉たちが慕うヴァーロゥムは、彼らから見ると「その巫女」に熱を上げているように思え、それ故に恋を応援したいという。
(ヴァーロゥムさん、は、どうおもっているの、でしょうか? 気が早いような?)
とユアンが苦笑していると、ルゥエンが「んー……」と僅かに眉根を寄せる。
「しかし、なぜだろうねー。ぼくの勘ではその巫女が災いの種を運んでくるかもしれなくて。早々にお引き取り願いたいんだけどねー」
ルゥエンは小声でユアンのみに聞こえるようそう言った。それでも、力になりたいとおもっているらしく、彼自身は悩んでいるようだ。
ユアンは少し考え……ぽん、と手を打つ。
「その子供たちに、料理の作り方を教えるのは、どうでしょうか?」
その言葉に、ルゥエンとクーリエの二人は目を丸くした。
ユアンはその事について冒険者達にも相談してみる事に……。ユアンとしてはこれに乗じて巫女やアシムベートの様子を少しでも掴みたいようだ。
突然の料理教室とミッション。はたして、うまくいくだろうか?
ポップ孤児院に一通の手紙が届いたのは、ある風の強い日だった。
最近、ギシュム族に来客あり。
占いの結果、近々災いと大酋長に試練あり、と出る。
我らが娘、ユアンよ、力を貸してほしい。 ルゥエン
「アシムベート様……に、なにか、あるの、でしょうか……?」
ユアンは複雑な顔になり、すぐさま何人かの知人を訪ね孤児院の事を託すのだった。
ユアン・イェーガーはリザードマンの養父母によって育てられた過去がある。彼女は養父母亡きあと、理由あってエルタニンを『マナズィール』という形で出て行っている。その後、彼女は少しの間、養父母の故郷であるディズル大湿原……イェーガー族の集落で暮らしていた。
その頃既に授恵者となっていた彼女は、大湿原にいた頃時折アシムベート・グリオウをはじめとするいろんなリザードマンたちから彼らの死生観などを学んでいた。
「もう一つの故郷、の問題、です。力になりたい……」
ユアンは手紙をもってディズル大湿原へ向かった。
●元気になれるご馳走を
ユアンは、イェーガー族の集落へ向かう直前、近所であるギシュム族の集落を訪れていた。
「ユアン、お久しぶり!!」
彼女の姿を見つけ駆け寄ったのは、フードを被ったリザードマンの女性。名をクーリエといった。ユアンはクーリエに笑顔で会釈すると嬉しそうに駆け寄る。
「クーリエ姉様、ルゥエン兄様とご一緒なんですか?」
「そうなんだけど、ちょっと頼まれごとをされてね」
クーリエは苦笑しながら彼女を案内する。その先には、数名のギシュム族の若者……というには、幼い子ども達が。そして、小柄で糸目のリザードマンが困ったような様子でそこにいた。彼こそが、ルゥエン……ユアンにとっては義理の兄的存在で、マナズィールの際の先生である。彼は頭を掻きながら「いやー、悩ましいですねー」と苦笑していた。
ルゥエンは、知人であるギシュム族の子供たちから、『旅で疲れた巫女と最近元気がないアシムベート様の為にご馳走を作ってほしい』と頼まれたらしい。偶然ギシュムの集落にやってきた二人は薬師であり占い師でもある。なにか滋養にいい食べ物を知っているに違いない、と考えたようだ。
また、彼らの兄や姉たちが慕うヴァーロゥムは、彼らから見ると「その巫女」に熱を上げているように思え、それ故に恋を応援したいという。
(ヴァーロゥムさん、は、どうおもっているの、でしょうか? 気が早いような?)
とユアンが苦笑していると、ルゥエンが「んー……」と僅かに眉根を寄せる。
「しかし、なぜだろうねー。ぼくの勘ではその巫女が災いの種を運んでくるかもしれなくて。早々にお引き取り願いたいんだけどねー」
ルゥエンは小声でユアンのみに聞こえるようそう言った。それでも、力になりたいとおもっているらしく、彼自身は悩んでいるようだ。
ユアンは少し考え……ぽん、と手を打つ。
「その子供たちに、料理の作り方を教えるのは、どうでしょうか?」
その言葉に、ルゥエンとクーリエの二人は目を丸くした。
ユアンはその事について冒険者達にも相談してみる事に……。ユアンとしてはこれに乗じて巫女やアシムベートの様子を少しでも掴みたいようだ。
突然の料理教室とミッション。はたして、うまくいくだろうか?
解説
ということで、お料理の時間!!
今回は、ユアンと一緒にギシュム族の若者……というにはまだ幼い子ども達に料理を教えます(あるいは一緒にお料理します)。ほっこり回だと思っていただけたら幸いです。が、子ども達等から巫女や最近のアシムベートについても聞いてみましょう!
対象となる子ども達は5,6名となります(基本素直で明るい子たちです)。
純粋な子どもたちはまだ集落の異変にあまり気付いていません。
巫女は「お客さん」と認識し、アシムベート様についても「元気がない? ご病気だったらどうしよ?」
冒険者さんの優しいフォロー等も期待しております。
お料理教室や一緒に作る以外のアプローチも意外といけるかも?
皆さんの創意工夫、お待ちしております。
食材
基本的な食材のほか、滋養にいい薬草も複数。しかし彼らはそれらをうまく使いこなせず、試しに作った料理はとても美味しくなかった模様(それでもがんばって食べたらしいです)。因みに、お肉については彼らの兄や姉に当たる若者リザードマン達が用意してくれているのでご安心を。
今回のNPC
ユアン・イェーガー
リザードマンにルーツを持つ、やわらかな雰囲気の糸目エルフ。今回は即席料理教室の為、ルゥエン、クーリエ夫妻と共にギシュム族の人に場所の許可を貰ったり、かまどを作ったり……と裏方作業中心です(何かしてほしい事があればプレイングにお願いします)。
ルゥエンとクーリエ
二人は夫婦であり、ルゥエンは成人男性にしてはやや小柄です。二人はギシュム族の若者たちと共に食材を見繕ってくれました。
それではよろしくお願いします。
マスターより
お料理、お好きですか?
子ども達とレッツ・クッキング! なシナリオです。
その為よっぽどのことが無い限り大丈夫なはず……。
ユアン「アシムベート様はともかく、巫女とは……一体……?」
リプレイ
●美味いもんが食えると聞いてきたが、実際には料理教室だった
ゴブリンの若者、ナハシュはユアン・イェーガーから依頼内容を確認し、少しびっくりしたような顔に。
「料理ですか、こういう依頼で作るのは久しぶりですね……」
と、ドワーフの女性、ヴィルヘルミナは道具などを確認しながら呟く。彼女は用意された薬草を見、「これは匂い取りに使えそう」等色々考えているようだ。一方戸惑っているのはヒューマンの青年、ロドリック・アルカイン。彼は得た食材の調理法を聞いたのだが、それがこうして参加することになっていた。
慣れない子供の相手をしつつ料理……。ロドリックの表情は少々固まっている。
「しかも、雑に作るとまずいのか。それって責任重大じゃないか」
「それなら美味いのを作ればいいだけの事だろ? なあ?」
ナハシュがそういえば、リスを連れたリザードマンの女性、ルチル・プルメリア・グレイハーツが頷く。
「子供達には、この先でも使える事が教えられるし、一石二鳥ってところさね。それに、大酋長や『第三の征竜の巫女』について聞くチャンスでもあるんだろう? 乗らない手はないね」
ルチルは、この『第三の征竜の巫女』に対し疑いを持っている。だが、件の彼女を支持する者達も一定数いる手前決して表には出さないそうだ。
「ほんじゃ、ちょっとアタイは肉を狩ってきた奴らに相談があるから行ってくるよ」
そう言って早速ルチルは出かけていく。残されたヴィルヘルミナたちは一先ず調理の準備を行う事に。
「……ヴィルヘルミナさんとナハシュさんは、料理ができるのか?」
何気なくロドリックが問えば、ヴィルヘルミナは笑顔を見せる
「それなりに、作れる自信はあります」
「俺もそこそこは」
ナハシュもこくりと頷き、ロドリックはしばし考え頭を掻いた。
「俺は野営や自炊は出来る程度になら料理はできる」
「なら、どうにかなるじゃねぇか?」
ナハシュにちょっと強めに肩を叩かれ、ロドリックは思わずよろけた。そんな様子の二人を見、楽しそうだなぁと思うユアンとヴィルヘルミナ。
「では、手分けして、始めましょう」
ユアンは「よろしくお願いします、ね?」と微笑んで一礼した。
――はたして、どんな料理を作り、どんな情報を得るのだろうか?
●解体教室
とある開けた場所では、数名の子供達が並んでいた。ルチルは若者たちから分けてもらった加工前のお肉を見せる。
「まず、最初に教えるのは解体のやり方だよ。まだアンタ達は、狩りに出るのは早いが、解体ができると大人達の役に立てるし後々自分のためにもなる」
ここまで言い、何気なく子供達の様子を伺う。と、半分ぐらいの子供達が目を輝かせており、半分は緊張しているようだった。ルチルは骨の仮面の奥で瞳を優し気に細める。
「何より下準備まで自力でできるようになれば達成感も凄いよ。だから、覚えておいて損はないよ」
ルチルの言葉に、子供達は元気に「はーい」と返事を返す。
彼女は教え方のコツを掴んでいる。
ルチルはコツを解りやすく教えながら子供達と共に解体を行う。最初は恐々と刃物を握っていた子供達だったが、やがて少しずつでも自分の手で解体していく。
ルチルもよくできた子供を褒めながら、部位や器具を使うコツなどを教えていく。
そして暫くして……。
「「できたー!!」」
「うん、初めてにしては上出来だねっ」
子供達が解体した肉を見、ルチルが頷く。
(あとは細かい点検をして仲間達の元へ持っていこうかね)
彼女は楽し気に頷くと子供達に手を洗ってくるように指示した。
解体作業の合間に、それとなく大酋長や巫女について聞いてみたが、一部の若者が大酋長に反発的だ、という話や巫女は強そうな、兵隊みたいな人を連れている、という事が分かったぐらいだ。
ルチルは、こんなことを提案してみる。
「そうだ、二人に寄せ書きを贈ったらどうかな? 文字に不安があるなら絵でもいいよ」
「面白そう!」「僕、絵をかくの得意だよ!」
子供達から賛成の声が上がり、ルチルは優しい眼差しを向ける。
「大酋長様も色々難しい時期なんだ。応援する言葉だけでも支えてくれる力になる筈さね。若者の思いっきり元気な所を見せて、安心させてやりな」
彼女は言う。難しい事を考えるのは大人に任せ、その分のびのびとすごしなさい、と。
(あの方は、いつか後を継ぎ未来を担う若者達が健やかに過ごせる事を願っている筈)
子供達は、不思議そうな顔でルチルを見上げる。彼女は苦笑しつつも穏やかに言った。
「いつか、……解る日がくるよ」
●献立を考えよう
「皆さん、解体お疲れ様です。ここからは調理をやっていきましょう」
ヴィルヘルミナは、手を洗い身支度を整えた子供たちに微笑んで見せる。彼女は、まずお肉の部位にあった調理法を考える。
「よいですか? こういったすじ肉等筋張って固い部位なら、叩いてミンチにします」
ヴィルヘルミナはそういって早速固い部分のお肉をチョイスし、ミンチ状にしていく。その手際の良さに子供達から「すごい」等歓声があがった。
「調理は焼く、煮込む、蒸す……辺りですね。生食は地域に左右されますし。火加減さえ間違えなければ煮るのが一番手っ取り早いと思いますがどうしましょう?」
ヴィルヘルミナが調理法を子供達に説明し、どうしようかと考える。
「そうだねぇ。そのミンチを使ってミートパイにしよう。その他には何がいいかな?」
ルチルも一緒に考えていると、ナハシュがニッ、と笑った。
「じゃあ、香草パン粉焼きはどうだ? 滋養に良い薬草を美味く食うなら、肉や魚の香草焼きじゃないかって思ったんだけど、配合とか難しそうじゃないか。だから、パン粉の中に粉々にした香草を混ぜればちっとは作りやすい筈だ」
彼の提案を、一同はいいアイデアだなと考え、採用することに。
あとは野菜でスープとサラダを作る事に。子供達も、メニューには賛成のようで目を輝かせていた。
あまり子供と触れ合ったことが無いロドリックは、ちょっと緊張気味の様子。一方、彼が連れているイタチのエーデルは子供達から「かわいい」と持て囃されており、心なしか『どやっ』とした顔をしているようにロドリックには見えた。
「お前の方が交流は上手いかもしれんな……。だが、毛が食材に落ちて汚れる。ドヤ顔で近づくな」
ロドリックはエーデルを触った子らにも手を洗ってくるように指導。そして、別の作業をしているルゥエンとクーリエ夫妻に預けられるか相談することに。
「まぁ、かわいいですねぇ」
ルゥエンはニコニコとエーデルの世話を引き受けてくれた。これで多分一安心だ。
「じゃあ、野菜の皮むきをしよう。包丁を使う時は、絶対に悪ふざけなどしないように。怪我だけでは済まないからな」
ロドリックは数名の子供と共にスープ用の野菜の準備を始める。彼は、子供達と話しながら準備していくうちに少し緊張が解れていった。
●和やかお料理教室
いい匂いが調理場から漂ってくる。
その正体の1つは、ナハシュが複数の子供達と共に作っている玉ねぎのソースである。3人はその他にも醤油ベースなど味がちょっと濃い目なソースを用意していた。
「こうすれば、たとえ薬草がまずくてもサクサク感とソースの旨味で誤魔化せるだろ」
「「おー! 兄ちゃんすげー!!」」
元気な少年二人はノリノリでソースづくりをしながら感心する。
その一方、アシムベート・グリオウの事や『第三の征竜の巫女』ことイネス・コンテスティについて聞くことも忘れない。
「そういやぁ、巫女が来てから大人たちの様子とかに変化はあったか?」
さり気なくナハシュが問うと、少年たちは顔を見合わせる。
「んー、なんか兄ちゃんたちが、アシムベートさまにちょっと反抗的かなー」
少年の一人が不思議そうに言っていた。もう一人の少年も、首を傾げる。
「アシムのおっちゃんが勝手に帝国と……なんとかしたのを許せないとか言っているけど、パパとママは『致し方のない事。あの方も何かお考えや事情があったのだろう』って」
という。
一部の若者たちの反応ではあるが、求心力が衰えてきている事が伺える気がした。また、イネスについてはというと
「旅のおねーちゃん? なんか強そうな武器もってる」
「なんか旅の途中でヴァーロゥム兄ぃが村に連れてきたんだよ」
という事の他、一部の若者たちから人気を集めているらしいことを教えてくれた。
「多分、ヴァーロゥム兄ぃ、イネスねーちゃんに惚れたんじゃないかな」
少年の一人がどやっ、とした顔でいい、それが妙に面白くてナハシュは吹き出してしまった。
一頻り笑ったら、次はお肉の準備だ。
「ソースが出来たら、肉にパン粉を塗すぞ~」
「お~」
ナハシュと子供達はノリノリで調理を続けていた。
一方、こちらはロドリックと集まった子供達。あまり調理になれていないロドリックは、野菜を洗ったりする事など簡単な作業をみたり、子供達が包丁を使う際のフォローに徹する。
(ううむ、俺よりこの子達の方がまだできるんじゃないか?)
なんて思ってしまいロドリックは苦笑する。
そんな彼は商人だ。家事を助けるような便利な紋具を売り込むチャンスを逃さない。
(子供や不器用な人が皮むきしやすい物、あった気がするな)
試しに使ってもらうと、とても使いやすかったらしく好評だった。また、様子を見に来た親御さんたちと話す機会があり、それとなく会話から売れ行きやら興味の向く品などもチェックしておく。
(ここは大陸の反対側だから、あまり来ないかもしれないが……)
調理の際、大変なことなども聞いておこうかな、と考えるロドリックだった。
「こうして時間をかけゆっくり煮込むと、具材を柔らかくすることもできます。硬さには好みがありますから、聞いてみましょうか」
「「はーい」」
こちらはヴィルヘルミナと彼女の元で学んでいる子供達。彼女たちはスープを煮込んでいる間に美味しくできなかった時の事について検証してみる事に。
「そうですね。原因としてパッと浮かぶのは火の通り具合や香り、味……ですかね」
ヴィルヘルミナの言葉に、彼女達だけでなく近くにいたロドリック達も聞いていた。
彼女曰く基本的に下処理は大事で、丁寧に作ればそれなりに出来上がるものなのだという。少女たちは顔を見合わせしゅん、として「火加減ちょっと強すぎたよね」とか「味も、香草と焦げの味だったかも」と話し始める。
子供達の話を聞く限りでは、香草の入れすぎと火加減が原因だろうという事が分かった。ならば、後は火加減と香草の量を注意するだけだ。
「火を使う時は、あまり離れてはなりません。危ないですからね」
ヴィルヘルミナの言葉に、子供達だけではなくロドリックも頷いた。
ルチルと子供達が作ったミートパイも焼ければ、料理は揃った。
あとは、食べる者達が集うだけだ。
●食卓を囲もう
食卓に、子供達が冒険者達と一緒に作った料理が並ぶ。
そして、子供達の誘いに応じてくれた噂の巫女イネスと大酋長アシムベートが食卓を挟み、向かい合うように座っている。
「皆さんもご一緒にどうですか?」という巫女の提案にアシムベートも頷き、食材を準備した夫婦と若者達、料理を作った子供達と冒険者も共に食卓に着く。しかし、今回食卓を囲んだ若者たちのほとんどアシムベートに対し反抗的な眼差しを向けていた。
「そんな目を向けちゃだめだよ、兄ぃちゃん! アシムベート様の前だよ」
調理に加わっていた子供の一人が、兄らしき若者に注意するも、小声で何か言っている。その様子に、冒険者たちは違和感などを覚えた。
アシムベートの表情は変わらない。だが、顔には疲れが出ているように思える。ユアンは胸を痛めたのか、表情を曇らせていた。
「折角子供たちと冒険者さんが作ってくれたのです。みんなで頂きましょう?」
イネスが若者たちを窘めたことにより、彼らも表情を和らげたが、空気がやや重いのは変わらなかった。
食事会自体に異変はなく、和やかに進んだ。
「実にいい味だな。みんな、よく頑張った」
アシムベートが子供達を褒めると、皆嬉しそうに照れる。彼は協力した冒険者達と若者たちにも礼を述べるが、その姿には以前通りの威厳があった。若者たちは努めて冷静さを保っていたが、複雑そうな感情を抱いているように冒険者達には感じた。
さくさくとした香草パン粉焼きも、ミートパイも、野菜のスープやサラダも喜んでもらえた。子供達は、二人が笑ってくれたことが嬉しくて、はしゃいでいる。
そして、寄せ書きを渡すと、二人とも驚いているようだった。特にアシムベートは、子供達からの言葉に少し癒されたような顔になっていた。
最後に、アシムベートはユアンに「ご両親のお墓に挨拶にいくといいだろう」と穏やかに言い、ユアンは深く一礼した。
「ユアンのご両親って?」
ナハシュがそれとなく問うと、ユアンは小さく頷く。
「私の産みの母は、ギシュム族出身のリザードマン、でした。旅の途中で父であるエルフと婚姻し、私を産んだそうです」
養父が両親の遺骨を発見し、ここに持って行ってくれたおかげで墓があるのだという。
一同の視線がユアンに向き、彼女は苦笑して食事会の話をふった。
「それにしても、うまくいってよかったです、ね」
ユアンの言葉に冒険者達は皆頷く。
子供達も自信がついたのか、最初の時よりちょっと頼もしく見える、と話していると、少し離れた所でパチン、と何かを叩く音がした。そして、子供達の声。
「どうしたんだい?」
ルチルが声をかけると……、お料理教室に参加したうちの一人が、兄らしき若者から平手を喰らっていた。その様子に周りの子供達も委縮してしまっている。
「何故アシムベートを呼んだ? 俺達の肉は巫女の為に用意したんだ!」
「だって相談したら反対するじゃん! 僕、アシムベートさま蔑ろにする兄ちゃん達大嫌い!」
さらに殴りつけようとする若者。だが、ルチルが間に入り子供を庇い、ナハシュが若者の手を押さえることで事なきを得る。
「そこまでする必要は、ないんじゃないか?」
ロドリックが若者に落ち着くよう声をかけるが、彼は僅かに歯噛みし去っていく。
ヴィルヘルミナは傷の具合を見、傷を見つけると〈ヒール〉をかける。ナハシュとユアンは不安げに見る子供達をなだめるも、思ったよりも深刻な問題であると感じた。
子供達を元気づけようと、ロドリックはエーデルを、ルチルはラトを子供達と遊ばせる。そうしながら、ロドリックが紋具の話をし、それを聞いた子供達は、少しずつ緊張が解けたようだ。
ロドリックは紋具の事を考えながらも、ちらりと他の仲間を見る。
ルチル達は僅かに頷き、確かに異変が忍び寄っている事を共有したのだった。
(終)
ゴブリンの若者、ナハシュはユアン・イェーガーから依頼内容を確認し、少しびっくりしたような顔に。
「料理ですか、こういう依頼で作るのは久しぶりですね……」
と、ドワーフの女性、ヴィルヘルミナは道具などを確認しながら呟く。彼女は用意された薬草を見、「これは匂い取りに使えそう」等色々考えているようだ。一方戸惑っているのはヒューマンの青年、ロドリック・アルカイン。彼は得た食材の調理法を聞いたのだが、それがこうして参加することになっていた。
慣れない子供の相手をしつつ料理……。ロドリックの表情は少々固まっている。
「しかも、雑に作るとまずいのか。それって責任重大じゃないか」
「それなら美味いのを作ればいいだけの事だろ? なあ?」
ナハシュがそういえば、リスを連れたリザードマンの女性、ルチル・プルメリア・グレイハーツが頷く。
「子供達には、この先でも使える事が教えられるし、一石二鳥ってところさね。それに、大酋長や『第三の征竜の巫女』について聞くチャンスでもあるんだろう? 乗らない手はないね」
ルチルは、この『第三の征竜の巫女』に対し疑いを持っている。だが、件の彼女を支持する者達も一定数いる手前決して表には出さないそうだ。
「ほんじゃ、ちょっとアタイは肉を狩ってきた奴らに相談があるから行ってくるよ」
そう言って早速ルチルは出かけていく。残されたヴィルヘルミナたちは一先ず調理の準備を行う事に。
「……ヴィルヘルミナさんとナハシュさんは、料理ができるのか?」
何気なくロドリックが問えば、ヴィルヘルミナは笑顔を見せる
「それなりに、作れる自信はあります」
「俺もそこそこは」
ナハシュもこくりと頷き、ロドリックはしばし考え頭を掻いた。
「俺は野営や自炊は出来る程度になら料理はできる」
「なら、どうにかなるじゃねぇか?」
ナハシュにちょっと強めに肩を叩かれ、ロドリックは思わずよろけた。そんな様子の二人を見、楽しそうだなぁと思うユアンとヴィルヘルミナ。
「では、手分けして、始めましょう」
ユアンは「よろしくお願いします、ね?」と微笑んで一礼した。
――はたして、どんな料理を作り、どんな情報を得るのだろうか?
●解体教室
とある開けた場所では、数名の子供達が並んでいた。ルチルは若者たちから分けてもらった加工前のお肉を見せる。
「まず、最初に教えるのは解体のやり方だよ。まだアンタ達は、狩りに出るのは早いが、解体ができると大人達の役に立てるし後々自分のためにもなる」
ここまで言い、何気なく子供達の様子を伺う。と、半分ぐらいの子供達が目を輝かせており、半分は緊張しているようだった。ルチルは骨の仮面の奥で瞳を優し気に細める。
「何より下準備まで自力でできるようになれば達成感も凄いよ。だから、覚えておいて損はないよ」
ルチルの言葉に、子供達は元気に「はーい」と返事を返す。
彼女は教え方のコツを掴んでいる。
ルチルはコツを解りやすく教えながら子供達と共に解体を行う。最初は恐々と刃物を握っていた子供達だったが、やがて少しずつでも自分の手で解体していく。
ルチルもよくできた子供を褒めながら、部位や器具を使うコツなどを教えていく。
そして暫くして……。
「「できたー!!」」
「うん、初めてにしては上出来だねっ」
子供達が解体した肉を見、ルチルが頷く。
(あとは細かい点検をして仲間達の元へ持っていこうかね)
彼女は楽し気に頷くと子供達に手を洗ってくるように指示した。
解体作業の合間に、それとなく大酋長や巫女について聞いてみたが、一部の若者が大酋長に反発的だ、という話や巫女は強そうな、兵隊みたいな人を連れている、という事が分かったぐらいだ。
ルチルは、こんなことを提案してみる。
「そうだ、二人に寄せ書きを贈ったらどうかな? 文字に不安があるなら絵でもいいよ」
「面白そう!」「僕、絵をかくの得意だよ!」
子供達から賛成の声が上がり、ルチルは優しい眼差しを向ける。
「大酋長様も色々難しい時期なんだ。応援する言葉だけでも支えてくれる力になる筈さね。若者の思いっきり元気な所を見せて、安心させてやりな」
彼女は言う。難しい事を考えるのは大人に任せ、その分のびのびとすごしなさい、と。
(あの方は、いつか後を継ぎ未来を担う若者達が健やかに過ごせる事を願っている筈)
子供達は、不思議そうな顔でルチルを見上げる。彼女は苦笑しつつも穏やかに言った。
「いつか、……解る日がくるよ」
●献立を考えよう
「皆さん、解体お疲れ様です。ここからは調理をやっていきましょう」
ヴィルヘルミナは、手を洗い身支度を整えた子供たちに微笑んで見せる。彼女は、まずお肉の部位にあった調理法を考える。
「よいですか? こういったすじ肉等筋張って固い部位なら、叩いてミンチにします」
ヴィルヘルミナはそういって早速固い部分のお肉をチョイスし、ミンチ状にしていく。その手際の良さに子供達から「すごい」等歓声があがった。
「調理は焼く、煮込む、蒸す……辺りですね。生食は地域に左右されますし。火加減さえ間違えなければ煮るのが一番手っ取り早いと思いますがどうしましょう?」
ヴィルヘルミナが調理法を子供達に説明し、どうしようかと考える。
「そうだねぇ。そのミンチを使ってミートパイにしよう。その他には何がいいかな?」
ルチルも一緒に考えていると、ナハシュがニッ、と笑った。
「じゃあ、香草パン粉焼きはどうだ? 滋養に良い薬草を美味く食うなら、肉や魚の香草焼きじゃないかって思ったんだけど、配合とか難しそうじゃないか。だから、パン粉の中に粉々にした香草を混ぜればちっとは作りやすい筈だ」
彼の提案を、一同はいいアイデアだなと考え、採用することに。
あとは野菜でスープとサラダを作る事に。子供達も、メニューには賛成のようで目を輝かせていた。
あまり子供と触れ合ったことが無いロドリックは、ちょっと緊張気味の様子。一方、彼が連れているイタチのエーデルは子供達から「かわいい」と持て囃されており、心なしか『どやっ』とした顔をしているようにロドリックには見えた。
「お前の方が交流は上手いかもしれんな……。だが、毛が食材に落ちて汚れる。ドヤ顔で近づくな」
ロドリックはエーデルを触った子らにも手を洗ってくるように指導。そして、別の作業をしているルゥエンとクーリエ夫妻に預けられるか相談することに。
「まぁ、かわいいですねぇ」
ルゥエンはニコニコとエーデルの世話を引き受けてくれた。これで多分一安心だ。
「じゃあ、野菜の皮むきをしよう。包丁を使う時は、絶対に悪ふざけなどしないように。怪我だけでは済まないからな」
ロドリックは数名の子供と共にスープ用の野菜の準備を始める。彼は、子供達と話しながら準備していくうちに少し緊張が解れていった。
●和やかお料理教室
いい匂いが調理場から漂ってくる。
その正体の1つは、ナハシュが複数の子供達と共に作っている玉ねぎのソースである。3人はその他にも醤油ベースなど味がちょっと濃い目なソースを用意していた。
「こうすれば、たとえ薬草がまずくてもサクサク感とソースの旨味で誤魔化せるだろ」
「「おー! 兄ちゃんすげー!!」」
元気な少年二人はノリノリでソースづくりをしながら感心する。
その一方、アシムベート・グリオウの事や『第三の征竜の巫女』ことイネス・コンテスティについて聞くことも忘れない。
「そういやぁ、巫女が来てから大人たちの様子とかに変化はあったか?」
さり気なくナハシュが問うと、少年たちは顔を見合わせる。
「んー、なんか兄ちゃんたちが、アシムベートさまにちょっと反抗的かなー」
少年の一人が不思議そうに言っていた。もう一人の少年も、首を傾げる。
「アシムのおっちゃんが勝手に帝国と……なんとかしたのを許せないとか言っているけど、パパとママは『致し方のない事。あの方も何かお考えや事情があったのだろう』って」
という。
一部の若者たちの反応ではあるが、求心力が衰えてきている事が伺える気がした。また、イネスについてはというと
「旅のおねーちゃん? なんか強そうな武器もってる」
「なんか旅の途中でヴァーロゥム兄ぃが村に連れてきたんだよ」
という事の他、一部の若者たちから人気を集めているらしいことを教えてくれた。
「多分、ヴァーロゥム兄ぃ、イネスねーちゃんに惚れたんじゃないかな」
少年の一人がどやっ、とした顔でいい、それが妙に面白くてナハシュは吹き出してしまった。
一頻り笑ったら、次はお肉の準備だ。
「ソースが出来たら、肉にパン粉を塗すぞ~」
「お~」
ナハシュと子供達はノリノリで調理を続けていた。
一方、こちらはロドリックと集まった子供達。あまり調理になれていないロドリックは、野菜を洗ったりする事など簡単な作業をみたり、子供達が包丁を使う際のフォローに徹する。
(ううむ、俺よりこの子達の方がまだできるんじゃないか?)
なんて思ってしまいロドリックは苦笑する。
そんな彼は商人だ。家事を助けるような便利な紋具を売り込むチャンスを逃さない。
(子供や不器用な人が皮むきしやすい物、あった気がするな)
試しに使ってもらうと、とても使いやすかったらしく好評だった。また、様子を見に来た親御さんたちと話す機会があり、それとなく会話から売れ行きやら興味の向く品などもチェックしておく。
(ここは大陸の反対側だから、あまり来ないかもしれないが……)
調理の際、大変なことなども聞いておこうかな、と考えるロドリックだった。
「こうして時間をかけゆっくり煮込むと、具材を柔らかくすることもできます。硬さには好みがありますから、聞いてみましょうか」
「「はーい」」
こちらはヴィルヘルミナと彼女の元で学んでいる子供達。彼女たちはスープを煮込んでいる間に美味しくできなかった時の事について検証してみる事に。
「そうですね。原因としてパッと浮かぶのは火の通り具合や香り、味……ですかね」
ヴィルヘルミナの言葉に、彼女達だけでなく近くにいたロドリック達も聞いていた。
彼女曰く基本的に下処理は大事で、丁寧に作ればそれなりに出来上がるものなのだという。少女たちは顔を見合わせしゅん、として「火加減ちょっと強すぎたよね」とか「味も、香草と焦げの味だったかも」と話し始める。
子供達の話を聞く限りでは、香草の入れすぎと火加減が原因だろうという事が分かった。ならば、後は火加減と香草の量を注意するだけだ。
「火を使う時は、あまり離れてはなりません。危ないですからね」
ヴィルヘルミナの言葉に、子供達だけではなくロドリックも頷いた。
ルチルと子供達が作ったミートパイも焼ければ、料理は揃った。
あとは、食べる者達が集うだけだ。
●食卓を囲もう
食卓に、子供達が冒険者達と一緒に作った料理が並ぶ。
そして、子供達の誘いに応じてくれた噂の巫女イネスと大酋長アシムベートが食卓を挟み、向かい合うように座っている。
「皆さんもご一緒にどうですか?」という巫女の提案にアシムベートも頷き、食材を準備した夫婦と若者達、料理を作った子供達と冒険者も共に食卓に着く。しかし、今回食卓を囲んだ若者たちのほとんどアシムベートに対し反抗的な眼差しを向けていた。
「そんな目を向けちゃだめだよ、兄ぃちゃん! アシムベート様の前だよ」
調理に加わっていた子供の一人が、兄らしき若者に注意するも、小声で何か言っている。その様子に、冒険者たちは違和感などを覚えた。
アシムベートの表情は変わらない。だが、顔には疲れが出ているように思える。ユアンは胸を痛めたのか、表情を曇らせていた。
「折角子供たちと冒険者さんが作ってくれたのです。みんなで頂きましょう?」
イネスが若者たちを窘めたことにより、彼らも表情を和らげたが、空気がやや重いのは変わらなかった。
食事会自体に異変はなく、和やかに進んだ。
「実にいい味だな。みんな、よく頑張った」
アシムベートが子供達を褒めると、皆嬉しそうに照れる。彼は協力した冒険者達と若者たちにも礼を述べるが、その姿には以前通りの威厳があった。若者たちは努めて冷静さを保っていたが、複雑そうな感情を抱いているように冒険者達には感じた。
さくさくとした香草パン粉焼きも、ミートパイも、野菜のスープやサラダも喜んでもらえた。子供達は、二人が笑ってくれたことが嬉しくて、はしゃいでいる。
そして、寄せ書きを渡すと、二人とも驚いているようだった。特にアシムベートは、子供達からの言葉に少し癒されたような顔になっていた。
最後に、アシムベートはユアンに「ご両親のお墓に挨拶にいくといいだろう」と穏やかに言い、ユアンは深く一礼した。
「ユアンのご両親って?」
ナハシュがそれとなく問うと、ユアンは小さく頷く。
「私の産みの母は、ギシュム族出身のリザードマン、でした。旅の途中で父であるエルフと婚姻し、私を産んだそうです」
養父が両親の遺骨を発見し、ここに持って行ってくれたおかげで墓があるのだという。
一同の視線がユアンに向き、彼女は苦笑して食事会の話をふった。
「それにしても、うまくいってよかったです、ね」
ユアンの言葉に冒険者達は皆頷く。
子供達も自信がついたのか、最初の時よりちょっと頼もしく見える、と話していると、少し離れた所でパチン、と何かを叩く音がした。そして、子供達の声。
「どうしたんだい?」
ルチルが声をかけると……、お料理教室に参加したうちの一人が、兄らしき若者から平手を喰らっていた。その様子に周りの子供達も委縮してしまっている。
「何故アシムベートを呼んだ? 俺達の肉は巫女の為に用意したんだ!」
「だって相談したら反対するじゃん! 僕、アシムベートさま蔑ろにする兄ちゃん達大嫌い!」
さらに殴りつけようとする若者。だが、ルチルが間に入り子供を庇い、ナハシュが若者の手を押さえることで事なきを得る。
「そこまでする必要は、ないんじゃないか?」
ロドリックが若者に落ち着くよう声をかけるが、彼は僅かに歯噛みし去っていく。
ヴィルヘルミナは傷の具合を見、傷を見つけると〈ヒール〉をかける。ナハシュとユアンは不安げに見る子供達をなだめるも、思ったよりも深刻な問題であると感じた。
子供達を元気づけようと、ロドリックはエーデルを、ルチルはラトを子供達と遊ばせる。そうしながら、ロドリックが紋具の話をし、それを聞いた子供達は、少しずつ緊張が解けたようだ。
ロドリックは紋具の事を考えながらも、ちらりと他の仲間を見る。
ルチル達は僅かに頷き、確かに異変が忍び寄っている事を共有したのだった。
(終)
マスターコメント
おまたせしました。
今回は、皆さまのお陰で子ども達がお肉の解体と料理ができるようになりました。
また、その一方で巫女とアシムベート関連の話も少々聞けましたので成功です。
静かに忍び寄る何かがあるようですが、今回はこれまで。
縁がありましたらまたよろしくお願いします。
ショートシナリオ普通 報酬:標準4 / 4〜8人
2023年06月02日 12時57分20秒 公開
成功
相談掲示板
ギリギリであるが、お邪魔する。キャスターのロドリック・アルカインだ。 子守も料理も得手ではないが、別件で卵を取ってくる依頼を受けたのでその流れでな。 ……戦力外かもしれない自覚はある。
流れるかと思っていましたが、無事成立のようですね。 ヴィルヘルミナです。今回はよろしくお願いします。 私は料理ですね。折角ですから美味しく食べたいものです。
ナハシュだ!今回はよろしく。 とりあえず作ったら俺らも食っていいんだろ?いいんだよな。程よくうまいもんが食えるといいと思うぜ。
情報屋のルチルだ。よろしく。 あまり相談する事もないが、とりあえず子供達の面倒を見る方向で動くつもりだ。