過去から来た教師
馬車猪
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シナリオID:2899
オープニング
受付嬢は上機嫌だ。
酔っ払いや悪質な依頼人には辛辣な皮肉を返すこともあるが、礼儀正しく金離れも良い客に対しては口も軽くなる。
「目立つ容姿なのに意外と目立たないっていうか……。いえ悪い意味じゃないんです。必要なだけの戦力行使で十分な成功を得る仕事人って感じでむしろ好評価です」
どんなに機嫌が良くても個人情報の扱いは慎重なはずの受付嬢の舌が回りすぎている。
「はい伝言……お手紙ですか? 確かにお預かりしました!」
そのことに気付かないまま封書を受け取り、詳しい話を聞かずに見送ってしまう。
依頼人の顔が何故か全く記憶に残っていないのに気付いたのは、しばらく後のことだった。
●
変装を止めて仮面をかぶる。
所作も服装も上品であるのにまとう気配は不穏で、治安の悪い路地裏を歩いていても腕に覚えのある人間ほど恐れて近付かない。
(技術も知識もかなり思い出しているようだ)
ブラッドは特に出来の良い生徒だった。
残酷で冷徹で命を奪っても切れ味の鈍らぬ芸術品にして実用品。
(記憶が一部でも戻れば私の元へ戻るはずだったのだが。私も鈍ったかな)
従うために戻って来るのもよし。
殺すために戻って来るのもよし。
生き抜く術を与える教師として、レピド・クロサイトは放置するのは勿体なすぎる。
(ブラッドの後輩にも協力してもらうか)
裏通りを越えて一見普通の通りに入る。
実際に普通の人間もいるが、分かる者には裏を通り越し闇といえる人とそれ以外が入り込んでいることに気づけるはずだ。
「先生!」
荒んだ表情の子供が駆け寄って来る。
貧しい環境と自身の失敗から転がり落ちるように罪を犯し、その上でこの男に出会ってしまった不運が極まった子供だ。
目の前に差し出された手が、自身を闇の底へ誘う手であることに気付いていない。
「お前の初仕事が決まったよ」
慈悲深く優しげな言葉と表情に、子供は疑いを抱けなかった。
●
「レピドさん」
冒険者ギルドに寄ったレピドへ受付嬢が呼びかける。
「手紙を預かっています。危険なものは仕掛けられていないと思うんですが……」
「ありがとう」
レピドは淡々と、しかし心から礼を言って封を開ける。
中身はある街の路地裏へ来るよう指示するだけの文章だ。
「心当たりがないなら無視してもいいと思いますよ。持って来た人、かなり怪しいですし」
受付嬢は親身になって助言をする。
冒険者ギルドに恩義を感じているレピドは、それなら無視しようかと普通に考える。
だが、既に脳裏から消えたはずの何かが警告を発している。
向かっても放置しても悲劇にしかならないという確信があった。
「でもですね」
受付嬢がにやりと笑う。
「怪しい人が罠を仕掛けてそうなら、人数を集めて罠ごと踏みつぶしちゃえばいいんですよ。あ、そういえばその路地裏のあたりの調査をして欲しいって相談があったんですよね」
後半は非常にわざとらしく言って、暇だった職員を巻き込んで高速で依頼として成立させてしまう。
実際に相談はされていたしお金も預かってはいた強引なやり方ではある。何もなければ後で問題になるはずだ。
「武勇伝を期待してます! 何もなくても報酬は出ますから頑張ってください!」
彼女は敵の存在と冒険者の勝利を確信している。
「分かった」
レピドは素直にうなずき、危地へ踏み込むための準備を始めた。
●
「行きなさい」
「はいっ」
子供は引きつった表情でナイフを構え、自らが震えていることに気付かず進み始める。
狙うのは無防備に立つ男だ。
子供から見えないよう拘束されていて身動きがとれない。
仮面の男の口元に薄らと笑みが浮かぶ。喜びの理由は眼前の光景ではない。
「ブラッド……今はレピドか。待っていたよ」
振り向き出迎える男の背後で、ナイフの切っ先が犠牲者候補の急所に近付いている。
「ティーチャー……!」
レピドの脳裏に記憶の断片が浮かび上がる。
生前のレピドと同じことを強制されている子供を見たからだ。
思い出したのはほんのわずかであるのに、レピドほどの凄腕が心を乱している。
ティーチャーと呼ばれた男は満足そうにうなずき、丁度そのタイミングで冒険者による包囲が完了する。
ティーチャーだけでなく周囲に潜んでいるティーチャーの配下も包囲下だ。
開戦まで、後数秒の情景であった。
解説
マスターより
リプレイ
ホムンクルスらしい頑健さと切れ味の鋭さで知られるレピド・クロサイトが一瞬とはいえ動けなくなっている。
(消えたはずの過去に追いかけられるとか……たまったもんじゃないよねえ)
ディレイン・オールドケイジは苦笑しようとする。
日常から戦闘に変わる瞬間は、集中と緊張で間延びしたようにも感じられる。
(レピド君の胃がストレスで荒れ……たとしても食事はしっかりしそうだなこの食いしん坊)
茫然自失の状態でも守りしっかりしているレピドへ目は向けずに感じ取りながら、ディレインは光縛封の起動に集中した残りの意識でそんなことを考える。
(本当に教師役などという存在はろくなことをいたしましせんわね)
バンビは自身の自称父親のことを思い出している。
あれも美少女ゴブリンの生い立ちには村焼は必要条件とか言い実行する極まった変人にして悪党だがこれも似たような気配を感じる。
「人を城下町と同じような扱いする先生なんて尊敬に値しません」
肌も形も美しい手のひらに、蒼白く輝く光槍を出現させる。
「最速で撃破して進ぜましょう」
狙うのは今にも人を殺しそうな少年だ。
ティーチャーに洗脳されつくしたはずのシーフ達が動揺する。
冒険者はとりあえず悪党以外を助けようとするものではないのか、とでも思っているのだろう。
「どーせ殺すつもりなら無傷のままでも殺されるのですから鎮圧を優先ですわ」
バンビの思考から行動までも早いが喋る速度も素晴らしく早い。
手加減しても強力な光槍が、バンビが狙った通りに子供の肩の上を通り越して背後に潜んでいたシーフに突き刺さる。
ティーチャーに悪辣な策を授けられていたのだろうが、移動能力を完全に奪われてしまうとできることが激減する。
(味方に奥の手を使わせる訳にもな)
非授恵者の脆さに、少し溜息をつきたくなるバンビであった。
ルアンナ・ミュラーもアウレーリア・フォン・ネーベルベルクは息をあわせて足止めのための継続する術を配置する。
稲光を思わせるものが乱れ飛ぶ小空間が3つ、破壊力ではない力に特化した炎からなる檻と共に出現。
複数のオブジェクトは互いを消し合うことなく、ティーチャー一派の移動を徹底して邪魔をする。
ティーチャーが目配せする。
複数による足止めは非常に厄介ではあるが対処法がある。
特に、殿に使い捨てることができる部下が6人もいる場合は。
しかし逃走用経路である暗がりに新たな輝きが生じる。
ルアンナとアウレーリアが重なり合う寸前まで近づけて作った罠とは対照的に小さな、進路3箇所をそれぞれ塞ぐ稲光が3つだ。
「被害者にされそうな人と、更生余地のありそうな子どもには攻撃魔法が当たらないよう配慮するけれど」
ジュスト・ヴェルジーの声は混乱した戦場でもよく通る。
暗視能力を活かして調べた分発動までの時間は遅れたが効果は十分以上だ。どこがどうなっているかよく分かった。
「それ以外に対しては躊躇しないよ?」
返答はシーフが投擲したナイフだ。
本格的な弓と比べれば威力は劣るが、物理防御は平凡な今のジュストには有効な攻撃ではあった。
しかし格の高いジュストの生命を大きく削るには全く足りない。
「散れ」
ジュストが静かに呼びかけると、大気から浮かび上がるようにして現れたエーテルが花弁の形となり、そして急速に数が増え変えも伴い爆風へと変わる。
直径はせいぜい5メートルだが、射撃のため移動できていないシーフを複数巻き込むには十分な広さだ。
ジュストは魔力が強力なだけでなく狙いも巧みで、一般的基準では十分に回避が高いシーフを的確に捉えて生命力を大きく削った。
「なんでこんな所にいるんだか」
ディレインの言葉は呆れているようで、しかしその響きは柔らかい。
日常を感じさせる声に、精神的に限界だった犠牲者候補が辛うじて正気を取り戻す。
「助けてくれっ」
「じっとしてなよ。俺はこれから忙しいんだ」
光縛封が起動し六角柱の光が現れ犠牲者だった男を取り込む。
魔力は特別高くはないディレインの術なので極めて強力な魔法攻撃には耐えられない。
(これに攻撃してくるなら仕留める機会って訳だけど)
ティーチャーの意識はレピドに向いている。
他のシーフ達は物理攻撃主体のようで短時間で六角柱を破壊するのはまず無理だ。
「甘くはないか。という訳でもう止めない?」
ナイフを震える両手で握った子供に語りかけた直後、子供に仕込まれた技が発動する。
「痛いんだよなぁ」
ディレインには華麗に躱すこともナイフを取り上げることもできないが守りは堅い。
軽く腕に突き刺さった切っ先から全身に冷たさが広がっても、致命的な部位に達する前にサルベーションオールによる光を自らに注いで死への誘いに抵抗し毒的効果を消滅させる。
「んじゃ後は頼むよ」
ディレインは飄々と、ヒールを子供へ飛ばしていた。
●
(外道、とでも言うのかな。まったくもって不愉快だし狂っている)
ローザリカ・L・ディオールの働きは目立たない。
しかし非常に重要だ。
(伏兵も奇襲も詐術の基本。悪漢が使うなら僕も使うだけだ)
物陰に潜んだまま移動はしないので装備大目の割に目立たない。
視覚よりも超聴覚に頼っているので、ティーチャーはともかくその部下はローザリカに気づけていない。
(守りが薄い場所を刺し、毒も使う。典型的だな)
救出目標と味方の傷にはヒールを、毒には解呪を使い対応する。
冒険者のスキルは冒険や戦闘用に用意されたものであり、正面向かい合っての勝負なら暗殺者が使うような奇手より基本的に強い。たまに例外はあるが。
(自分が傷つくのはともかく、婚約者殿にひどく怒られると思うと使いたくはないんだけどね)
悪漢がいつ狙っても子供を守れるよう、ローザリカは身代わりの手段を用意していた。
「君の先生は君に興味がないようだよ?」
ジュストは弁論術も使えるしカリスマに至っては非授恵者や駆けだし授恵者ではとても対抗できない水準だ。
レピドにばかり目を向けていた先生が今さら演技を再開しても既に遅い。
「酷なことを言うが、君は利用された。これまでもあったんじゃないかな、同じようなことが」
これでも手加減している。
ジュストが話術でもカリスマでも手加減しなければ、心の最も柔らかい場所を切り裂かれた子供は生きる気力を完全に失っていたはずだ。
(ロゼが君を救うために前のめりだ。君を助けはするが……)
肉体的にも精神的にも生きた状態で確保するつもりはあるが、自ら武器を手にとったからには多少覚悟してもらうつもりだ。
この戦場で、ジュストは鞭役なのだから。
●
粗末な壁が絶妙な力加減で破壊されていく。
竜鱗飾りの長靴越しに破壊の具合を感じながら、ハヤト=ガラン=ヴォルファングは足だけでなく胴と手と筋肉と骨格を使いこなして移動と回避のための速度を維持している。
「いい狙いだ」
ひやりとする場面は何度かあった。
シーフ達の技術自体はたいしたものだ。
「鍛えた腕は評価してやる。真っ向勝負といこうぜ!」
敵を憐れむ趣味は持っていない。
路地裏を壁を使うことで己だけが自由に動ける場所に変え、ナイフや小型の弓が飛ばす矢を次々に躱す。
(こいつと、こいつだ)
時折混じる強烈な一撃にはスキルで対処する。
これにより一発逆転の機会は生じず、ハヤトの攻撃だけが一方的に降り注ぐ。
(ややこしい説得は任せる分こっちはなんとかするさ)
緩急をつけつつも走りは止めず、その走りの中に拳と刃と足を織り交ぜる。
奇襲したはずの側が、一方的に狩られようとしていた。
(嫌な気配はするけれど)
シーフ達に裏を通り越して闇の特徴を感じはするが、アウレーリアの理性は安易な処断を選択しない。
「地元の司法への配慮も重要よね」
防御に集中することでわざと攻撃力を減少させる。
アウレーリアが放つ気配が威圧感を増し、直後に降り注ぐ火球が退路を塞ぐ位置にいたシーフ複数を戦闘不能にして障害物に変える。
(自称ティーチャーの無力化も狙いたいけど情報が少ないわ。なるべく沢山カードを切らせたい所だけど)
現時点でもティーチャーの目論見は破綻しているが、ティーチャーが力を温存しているのも事実であった。
「まだ、頑張りますか、子供」
バンビは誰よりも早く動く、とまではいかない。
ティーチャーは隠してはいるのだがかなり早くて速いようだ。
移動を邪魔するオブジェクトが展開中とはいえ油断はできない。
「あんな男に義理立てするほどの価値があるとは思えませんが」
子供に対する降伏勧告に見せて、実質は敵に対する挑発でもある。
「無駄なあがきは良くありませんわ」
最初に子供に見せた術より明らかに強い術を使うバンビは、子供に視線を向けるだけで強烈な牽制ができていた。
「子供を犯罪者にする訳にはいかない」
ルアンナは飴とか鞭とかではなく実務を担当している。
つまり鎮圧だ。
石壁を貫通しそうな魔力たっぷりな杖による一撃ではなく、ただの手刀による打撃は威力としてはとても低い。
「ひぃっ」
しかし攻撃するのは邪悪なものを多数打ち倒してきた熟練冒険者なのでそれはもう怖い。
教育は受けても本当の意味で戦場に立ったことのない子供には、向けられる戦意だけで心が削られるような圧迫を感じてしまう。
ローザリカは厳しくも優しい笑みを浮かべている。
それが止めを刺すつもりにしか見えなくて、子供はただの子供のように泣き出した。
「苦しませてすまないが……すぐに終わらせる」
ローザリカは笑みはそのままに自決防止目的で口に布を詰め込む。
武力も立場も心も己とは比較できないほど強い相手に子供が戦慄する。
「今はまだ闇しか見えなかろうと君の人生はこれからで、歩む道はひとつじゃなくて……。変わらないものなどない。きっといつか絶対に……生きていてよかったと思える時がくる」
鞭役が散々心を乱した後での優しい言葉と柔らかな体温だ。
言葉も熱も痛めつけられた心身に染みこみ、危険だった精神状態を大きく改善させた。
エーテル光がルアンナと周囲を照らす。
ただの杖による異常な練度の突きが、ルアンナの喉を潰すことなく空振りする。
「本当に典型的な……」
助けに来た冒険者を傷つけようとした悪意に、ルアンナは軽蔑の目を向けた。
●
竜の牙と爪から削り出された針と刃が、路地裏に差し込んだ日差しを反射する。
それと同時にしか感じられほどの高速で、二刀流にさらに一撃を加えた三撃がティーチャーの衣装に三つの小さな傷を作る。
「一体何の為にこんな事を……!」
微かに香るのは鮮血と驚きの気配だ。
精神を立て直したレピドは光球で自らの隠密能力を消すと同時に周囲を照らすことで退路を明らかにし、かつての先生の逃げ道を実質的に塞ぐ。
顔の上半分を隠す仮面の下から強い興味の視線が向けられる。
倒れた生徒のことなど既に意識の中にないのだろう。
「これは期待以上だ」
「無駄なことをしたな」
一時の情報の奔流は収まり一部は再び消えたがレピドは理解と推測ができている。
自分の記憶を刺激することで己好みの玩具を作るつもりだったのだ。
(……そうか。アンタは、この時、耐えたか)
ローザリカに守られたままの子供に自らの過去と後悔を見て、そして後輩にさせずに済んだことに安堵を感じる。
冒険者は降伏勧告はしない。
応じるふりは有り得るかもしれないが応じる相手ではないと分かっている。
(離脱妨害に対しどう抵抗するつもり?)
アウレーリアは光の鎖を敵へ飛ばして巻き付ける。
非常に高度な付与術が抵抗をねじ伏せ早さと速さを大きく削る。
超越者でもない限りこれで捕縛はまず確定だが、アウレーリアは一切油断はせず強力な火力を打ち込む。
(後は時間の問題……いえ)
微かな異臭とエーテルの動きがあった。
強烈な刺激臭を伴う煙が路地裏を隠す。
そのタイミングでティーチャーが気配を消し、シーフ達の苦痛の呻きにまぎれて足音も消える。
冒険者は子供を安全な場所まで移動させ、一部は残ってティーチャーの捜索を開始した。
●
重傷者と死体の合計はティーチャーとその部下の合計と同じ。
ティーチャーの服装と体格をした死体も1つある。
「これが本物ならそれで良し。偽物でもこれだけの仕掛けをした後では動き辛いはずよ」
アウレーリアは、そんなことよりと子供の様子を確かめる。
(泣くことで感情が動いてマシにはなったのでしょうけど……)
目の荒み具合が酷い。
巧みな話術と優れた洞察力で説得とケアのための情報を引き出すのも、本当に大変だ。
(俺も孤児だったし、この子の事情も気持ちも察しがつく。幸運にもいい人に拾われてなければ、俺だってあっち側だったかもしれない。結局、子供がどうなるかなんて、まわりの大人次第なところあるよね)
ディレインは生きているシーフに応急手当をしながらそう思う。
(あの変態仮面が欲しがってるのはレピド君であってこの子じゃない。代わりですらなく、ただのひとつの手段だっただけ)
本当に酷い話だ。
だからディレインは、表にいる立派な大人として振る舞うことで道を示す。
「さて、いつでも自分を見捨てる馬鹿野郎と、太陽の下でのひとり立ちと、どっちを取るかって話だよ」
見守られているアウレーリアは苦戦中だ。
(馬を水辺に連れて来られても、水を飲ませられはしない。自分の事を決めるのは、いつだって自分自身だから……)
子供とアウレーリアでは個人の背景が違い過ぎるせいか、伝えたいことが伝わっている感触が薄い。
「間に合って、良かった」
レピドはナイフを持ったままの少年の手に自らの手を重ねる。
「何をしてしまったのかは知らないが、人を殺す前ならばまだ引き返せる。けど人殺しの罪だけは……例え死んだとしても決して消せないんだ」
レピドはホムンクルスであり1度死んだとも言える身の上だ。
「実際に一度死んで記憶を殆ど手放しても、こうして過去は、罪は追いかけてくる」
事実として心身共に強いレピドの、肩が微かとはいえ震えている。
「ティーチャーの教えに従っては駄目だ。あれに忠実だった末路が今ここに転がっている奴等で……そして目の前にいる俺なんだ」
子供は何も言えず、しかし闇に堕ちかねない心に楔が打ち込まれていた。
●
「捕まえた子はとりあえずギルドで保護して、真っ当な教育を受けさせると約束すれば重い罰にはならなそうですがどうでしょう」
「そこはレピドさん次第……いえレピドさんが関わらない場合でも悪くならないようにします。たまたま巻き込まれた人もね。総合すれば大戦果なので被害も許容されるでしょうし。無関係の人に被害は出てないですから!」
ルアンナも受付嬢も、ティーチャーの部下の生き残りについては一言も触れなかった。
マスターコメント
ショートシナリオR普通 報酬:標準8 / 4〜8人
2023年04月20日 11時13分03秒 公開
相談掲示板
レピド・クロサイト、シーフだ。よろしく頼む。 また厄介なことになった……と、まずは来てくれてありがとう。 そしてなんとかして犯行を止めないとだな。
ヒーラーのディレイン・オールドケイジ、よろしくね。 ろくなことしないおじさんだよね、ほんとに。 ええと、こっちが包囲してる側なんだよね? 犠牲者候補の人は、光縛封で囲めば、時間を稼げるかな、って思ったよ。
キャスターのジュストだ、よろしくね。 ディレイン殿が触れてくれているように犠牲者候補は光縛封で囲んで守るのは良い案かと思った。 ティーチャーは逃亡するが、教え子たちはティーチャーを守る為に己の命も厭わぬ、と。 前回はティーチャーに移動阻害をかけようとしたら躱されたし、逃さないようにするのは骨が折れそうだけれど。 今回の目的遂行を優先として、ティーチャー捕縛は可能なら……という認識で大丈夫だろうか? 子どもは何がなんでも対象を殺害しようとするだろうし、ティーチャーや教え子たちも光縛封で守っていることが解れば光縛封の術者を狙ってきそうな気がするね。 戦場的に死角が多いし、シーフにとってはやりやすいだろうけれど他クラスは感覚系汎用スキルなどを備えておいた方が良さそう。
ほんと先生ってろくなことしない人たちですわね。 ハイスピードキャスターのバンビですわ。 子供にはもったいないですが、スタンプラストで黙らせましょうか?
キャスターのルアンナです、子供をこんな事に使うなんて許せませんね…! とにかく子供を重罪人にする訳にはいかないので、ささっと気絶させるのは良い案だと思います、起きてるとまた向かって行くでしょうし。 束縛男を光縛封で囲う→子供を無力化する→先生&部下とドンパチ、という流れになるでしょうか。
ヒーラーのローザリカ。 まったくもって不愉快な状況だな。子供の犯行、絶対に防ごう。 犠牲者候補を光縛封で囲って守るのも賛成だ。 回数が1度きりのスキルだし僕も装備していこう。 タイミング的にはディレイン殿の光縛封が切れた後に続けばいいかな? 咄嗟の時に守るように温存しておいてもいい気はするから迷うが。 スタンブラストはたしかダメージも入る魔法だったかな? 子供は非授恵者とのことだから、ダメージが入らないBSでないと不味いかと思う。 部下の方にも非授恵者はいるようだから、スキルでの攻撃をどうするかはすり合わせた方がいいだろうか? 死罪級の犯罪者とはいえ犠牲者候補やまだ罪を犯す前の子供の前でもあるからね。
犠牲者(仮)に光縛封は助かるな、よろしく頼む。 ティーチャーについては不明点が多い上にもっと優先させないといけない事がある状況だ、捕縛は「可能なら」でいいと思う。 俺は宗波の索敵で隠れている敵がいないかを探るかな……今のところ思い付いたのはこれくらい。 ……それと、これは俺的に少々恥ずかしい話なのだが。 俺は以前非授恵者相手にうっかりダメージ有り(低ダメージ)のスキルを使って殺しかけた事がある。 非授恵者は思った以上に脆いようだ。救助対象者にスキルを使う場合は注意がいる、かも。
なるほどスタンプラストはちょっと良くないですわね。 スネア―ジャベリンにいたしましょう。
いやー、スタンブラストもスネアージャベリンも威力変わらないでしょー。 バンビちゃん強いから、その魔法攻撃力の高さが防具もつけてない子どもに素通りするって考えたら多分厳しいよ。 おじさんでも、魔法防御を仮にゼロとしたら生命力の半分持ってかれちゃうもん。 むしろティーチャーに使ったほうがいいんじゃない? 子供は犠牲者(仮)の殺害に躍起になるだろうから、その場を離れないんじゃないかな。 光縛封の効果ターン中に組み伏せてロープで縛っちゃうのはどうだろ。 邪魔が入らないこと前提だから、みんなの協力は必要だけども。
ふーむ、一般人にスキルを当てちゃうのはやっぱり怖いですね…。 素手で手刀するくらいで丁度いいんじゃないでしょうか? 私は部下のシーフが散る前にアーケインを使って動きを止めようと思ってます。
あ、子ども以外のティーチャーの部下は殺害も已む無しと考えていたよ。犯罪者だし、ひっ捕らえても結局死罪になる人間みたいだから。 子どもは授恵者ならスキルを使用しない攻撃、それこそ素手での攻撃で無力化はできそうなイメージだったからこちらに向かって来たらそのように対処するつもりだった。 あとは蜘蛛糸で手足の自由を奪うとかね。 蜘蛛糸の他にも一応拘束用に光縛呪は用意したのと、対部下用にアーケインの他にグラビティも持っていくね。
おーっす! レピドはまた厄介事に巻き込まれてんな!? ブレイブファング傭兵団のハヤト=ヴォルファングだ、よろしくな!! だいたいの方針は了解したぜ! 恐らく面倒なのは途中で子供を止めるのを邪魔してきやがるティーチャーの配下って奴等だと思うからよ。 俺はそいつらを叩き潰すのを優先して動くな!
ごめんなさい、顔出しが遅くなりました。 キャスター、アウレーリアです。宜しく。 ダメージを与えない拘束スキルなら、私がスペルバインドを用意いたしましょうか。 ヒュプノシスが使えるかと思っていましたが、戦闘中は使用不可のようですので。 勿論、澱嵐の類も用意できます。非授恵者なら全く移動できなくなる場合もあるようですよ。 子ども以外は気にせず吹き飛ばしてしまう心算でしたが、構いませんか。 メテオライトで選別出来ますから、授恵者だけ選んで攻撃という手段も取れます。 その気になれば全員捕縛も可能でしょう。ここで敢えて殺さず、きちんと法の裁きを以って死罪とするのも道理のうちではありましょうが。まぁ、趣味の範囲で。
キャスターのBSなども助かるよ。 僕自身は先に話していた光縛封の他は近接攻撃と回復支援。 相手が状態異常攻撃が得意なシーフということもあり解呪は忘れず持っていくつもりだ。 >スキル使用 失礼、僕の立ち位置があやふやだったな。 非授恵者も混ざるティーチャー配下については積極的にトドメを刺したいわけではないが、 強い反対意見が無い限りはスキルを使ってしまってもいいかと思って意見を聞きたかった。 ……ので、今の感じを見るに通常通りの戦闘でよさそうかな。
皆のBSや支援、とても助かる。 ティーチャー配下(子供除く)についてはまるっと吹っ飛ばしてしまって構わないと俺も思う。 あえてトドメを刺すまではしないが、命のやり取りしてる以上は死んだら死んだで仕方がないくらいの感じ。 俺の動きの予定は宗波でティーチャー配下の全体数把握と隠れてる奴の炙り出し、ティーチャー配下との戦闘(に行くことで保護に動く者の邪魔をさせない)、配下を片付けられたら子供の説得……をしたいなと。こんな感じだ。 ※一部訂正しました
子供の無力化後にはその防衛にシフトした上で、バフや回復を飛ばすつもり。 みんな散らばってそうだし、範囲バフより単体バフの方がよさそうかな。 大人はね…終わった後で息があるなら、しかるべきところへ行ってもらうためにも、手当てはするつもり。