【紫蜂】紫の続きの見まほしく
弓月 蒼
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シナリオID:2831
オープニング
『紫水晶』と言う貴族の家が在る。古式紫しき侯爵家にして貴族派高位貴族の一角。
その家中で現当主と、その直系の娘である長女との間にお家騒動が起きたのは昨年の事。
紆余曲折を経て年内にて収束したは良い物の、その事後処理と主に各人の立場の変遷によって。
次期当主の座に据えられた侯爵令嬢クリスタリア・ラズベリルはと言えば――――文字通り忙殺の渦中に在った。
「ストレイン。"寄り子"各家への通達と貴族派の各侯爵家への根回しは済みましたか?」
「既に御返答頂きまして御座います」
「オクタヴィア。家臣団の再編と教育制度の再考計画の進捗報告をお願いします」
「現在進捗は凡そ6割程。やはり内政文官の確保が難題となりそうですね」
「ラフェット、ベルゼン商会の招致はどの程度で完了しそうですか?」
「『迅雷候』の乱、以降物資配送に乱れが出ています。稼働再開は3月の終わり頃になるかと」
「それで構いません。コーライトへの教導は適宜時間を作り確実に進めて下さい」
「承知致しました」
「――――では御父様、認可をお願い致します」
朝の打ち合わせを終えて確認を促した娘の言に、実父。オルジェント・ラズベリルが資料を一瞥し鷹揚に頷く。
彼の立場は変わらず当主ではある物の、既に定常業務の3分1程は娘に預けている。
今の調子で事が進めば、或いはお飾り当主と揶揄されるのもそれほど遠い未来ではないだろう。
……とはいえ、少々気負いが過ぎる点は強く言及せざるを得ない。
「認可しよう。だがクリスタリア、来週予定の領境視察は延期とする」
「……! 何故ですかお父様。確かに領境の治安が若干の低下を見ている事は認めます。ですが――――」
「経験不足から焦る気持ちは分かる。だが、お前は未だ学生だろう? 自ら以前口にした通りだ。
物事は広い目で見なければならん。時には休むこともまた、次期領主としての務めと知りなさい」
果たして、この一年のやり取りで娘とその人脈の力を認めるには至ったが。
とは言え父親からしてみれば所詮何処まで行っても子供は子供。お説教は親の責任である。
かくして、クリスタリア当人の意志は完全に黙殺され――――
●『紫水晶』の人々
「これは冒険者の皆さんへお礼をする良い機会と言えます」
「そうでした……すっかり忘れかけていたけれどクリスってこういう子なんでした……」
『学園』においてあらゆる分野で"優等生"の名を欲しいままにしていた貴族令嬢は伊達ではない。
少しでも空白時間が発生すれば何か予定を入れる。客観的に、生き急いでいるとしか言いようの無い人生設計だった。
「では、お泊り会など如何でしょう」
「? 構いませんが、何故ですか?」
「お礼と言うなら、普段あまり出来ない事で歓待の意を表明すべきだと思うからです」
(……それならきっと、冒険者の皆さんが嫌が応にもお休みさせてくれるでしょう)
最近、思った事を胸に秘める事を憶えた幼馴染の不器用な空っとぼけ具合に。怪訝の色を強めるクリスタリア。
勿論それがあまりにも他人任せである上に、隠し事についてはバレバレなこと――――は、言うまでもなく。
それでも彼女が今こうして、幼馴染と笑って語り合える日が戻って来たことは奇跡と言う他は無い。
そのことを、2人とも嫌と言うくらい分かっていた。
■
「お嬢様、少し宜しいでしょうか」
「何かしらオクタヴィア、予定は空けられそう?」
「ギリギリどうにか」
「まあ、最近とみに忙しいですから。
あ、では逆にシルフィエッタちゃんは都合が付いたのですね?」
「はい。当人たっての希望で……明日の昼に迎えに行って参ります」
メイド長オクタヴィアの姪っ子、シルフィエッタは『紫水晶』家臣関係者の中では根強い冒険者贔屓だ。
仮にも貴族令嬢である以上あまり情操教育に良い、とは受け取られない物だが。
領地を持たない法衣貴族の一角である彼女の両親は割とその辺鷹揚、と言うか豪快と言うか。
可愛い子には試練が必要とばかりに、相談を持ち掛けたら一も二も無く了承をくれたと言う。
何より――――当人が断然乗り気なのが一番大きな要因だろう。
「まあ、『紫水晶』の近親者が開明的な方に育って行くなら歓迎すべき事ですよね」
「私はもう少し、お勉強にも興味を持って頂きたいと思っているのですが」
クリスタリアは思わず笑いを溢した。何処の親も、子の心配をする時は同じ顔をするのだな、と。
■
「……? 僕もですか? 良いですけど……皆の仕事の方は大丈夫なんですか?」
「1日位であれば、お父様とストレインだけで十分何とでもなりますよ」
明るく微笑む美しい姉の、良く言えば楽観的に。悪く言えば図太くなった応対を見て。
何処となく複雑な想いを抱えながらテオドール・ラズベリルは曖昧な笑みを浮かべて頷いた。
本当は、来年入学予定の『学園』での新生活についてもう少し準備を進めたかったけれど。
「ですが姉様。来週は姉様はお休みだと聞いていますが」
「その通りですが、それがどうしましたか?」
「今日から始め来客の準備、お茶会の手配に最低3日。泊まりで2日、後始末で1日」
指を折って行ったら一週間が終わった。無垢なまでに真っ直ぐな眼差しでテオドールが首を傾げる。
「いつ休まれるのですか?」
「皆でお泊り会。と言うのは立派なお休みでしょう?」
恐らく、休み。と言う概念の根本的な成り立ちからしてズレがある気がする。
「では、予定を空けておきます。まあ、僕に逢いに来る方も居ないでしょうが」
「またそんな事を言って。まあ、以前の様に隠されるよりはまだ良いですけれど……」
自己評価の低さに端を発するテオドールの姉崇拝は今日も些かも変わりなく。
家内で最も立場が激変した。けれど当人は誰より何も変わらなかった少年の茶会への参加が決まる。
■
「感謝会? ええ、勿論構いませんが」
「あら。私コーライトが一番嫌がるかと思っていたのですけれど」
「ははは、そうと思っているのに尋ねる辺り、『紫水晶』の至宝殿は良い性格をしておられる」
朗らかに笑って応じたのは元『迅雷』侯爵領御用商人にして、現在は『紫水晶』に本拠を移しつつある。
ベルゼン商会の次期商会長、ことコーライト・ベルゼンである。概ね、此度の騒動の元凶と言って良い。
「何せ取引の結果釈放こそしましたが、本来なら領主反逆罪で打ち首な訳ですし?」
「ええ勿論。心より深く恩義を感じておりますよ、我が君」
よくよく思い返せば。今回の御家騒動では余程に商人と言う人種の恐ろしさを見せつけられた。
貴族は多くの場合社交界が戦場であり、政治的価値はともかく金銭的価値とは縁遠い者も少なく無い。
特に経済が安定している領主格となれば、肥沃な王国で金に困る事など滅多に有る物ではない。
それだけに同じ目線。均一な立場での取り引きに臨んだ時の“恐さ”など、そうそう気付かないものだ。
世界は広い――――と、知識として有るのと体験するのとではまさに大違いだった。
(とは言え、後は計画調整あるのみです)
次はいつ休みなど取れるか分からない。それより前に、せめて今と言う時の隙間で。
心から感謝を伝えよう。そして今から先の話をしようと思うのだ。
クリスタリア自身を含む、『紫水晶』の人々が。手を差し伸べてくれた冒険者達にどれほど救われたか。
――――そんな、夢の続きのような話を。
解説
マスターより
リプレイ
――――王国、ラズベリル侯爵領。領主本邸。
「おにいちゃ! おねえちゃ!」
とてとてと、そんな形容が正しく見える時期と言うのはほんの一瞬だ。
5歳に至らずと言うシルフィエッタ・ウィローはまさにそんな奇跡の刹那を駆ける女児である。
世の穢れなど何一つ映らないと言わんばかりのおめめにはきらきらと夢と希望だけが輝いている。
さて、ではそんなシルフィエッタから名指しを受けた"おにいちゃ&おねえちゃ"はと言えば。
「やあ、シルフィエッタ嬢。おやおや以前より少し背が伸びたかな?」
大きな馬のぬいぐるみを抱いてやって来た『シルフィのおにいちゃ』ジュスト・ヴェルジーにとって。
その熱烈なハグを受け止めない選択肢はない。妹にもこんな時期があったなあ、と言う物だ。
両手を開いて受け止めようと待ち構える仕草には一切の警戒心が失われている。
社交辞令と礼儀作法で雁字搦めな王国貴族にとって、非常に稀有な癒やしの瞬間である。が――――
「こんにちはシルフィ、おねえちゃんが遊びに来ましたよぉ」
「おねえちゃーっ!」
その直前で掻っ攫われ、シルフィエッタを抱き留めたのは彼女に呼ばれたもう一人。
即ち、『紫水晶の義妹』アウレーリア・フォン・ネーベルベルクである。
"シルフィのおねえちゃ"として、この場の公序良俗はその双肩に掛かっているとの自負に揺らぎはない。
いずれは王国貴族の淑女と言えど、可愛い妹分を4歳女児に色目を使う殿方に任せる訳にはいかない。
不退転の覚悟を以てこの場に挑んだ以上は、為すべきを為さねばならないのである(※個人の感想です)
――――閑話休題。
そんな水面下の丁々発止はさて置くと紫水晶本邸を訪れた冒険者の面々は、概ね好み好みで動いていた。
何せ此度は『紫水晶』にとって、自家の不始末に奔走して貰った人々への"恩返し"である。
となれば、勿論ある程度行動の制限は有るにせよ心安らかに一時を過ごして貰いたいと言う物。
侍女長であるオクタヴィアの配慮は正しく、冒険者の意を汲んだ物として機能している様だった。
■
「久し振り、テオドール君」
「入学の準備は如何ですか? これから先、学園で共に学べれば嬉しいです」
「エルゼリオさんにコルネリウスさん……お蔭様で」
『それは親愛の証』エルゼリオ・レイノーラと『気高き白』コルネリウス・アーラ
応接室で2人から掛かった声に淡く、或いは儚く微笑むテオドール。
そんな彼の表情を見れば、その心性が此度の一連の騒動を通して些かも変わらなかった事が分かる。
『紫水晶』は何と言えど侯爵家だ。『学園』の制度上、入りたいと言って入れない事は有り得ない。
となれば入学は一切恙無く進んでいるのだろうが……それはそれ、これはこれ。
先じてテオドールと接点を得たコルネリウスや、交流を重ねた エルゼリオ。
両名がその何処か幸薄い在り様に心配の念を募らせるのは家格とは関係がない個人的な話であり……
「様々な生徒との関わりを通じて、自分で道を見つけられるようになればと祈っています」
「もし何か心配事があったら何でも相談に乗るよ! いつでも聴講生として飛んで行くから!」
「いえ、そんな……僕なんかにそんなに気を割いて頂かなくても」
困ったように笑うテオドールは、一見した範囲で"良い子"の範疇から外れない。
けれどその殻が想像以上に厚く昏い何かであると、気付いてしまった以上放っておく事も難しく――――
「そうだ。シセラさんも招かれているみたいだし、折角だから晩餐会で一緒に演奏してみない?」
「……え!?」
そして極限まで主体性に乏しいテオドールが、エルゼリオのその暴走に限りなく近しい提案に。
拒否を貫ける筈も――――これまた無かったのである。
■
「お声掛けは嬉しいのですが……辞退させて頂きます」
「実家は王党派だから、流石に仕官は難しいかな……って」
「流石に他国の商会の人間が、侯爵家に仕官するのは差し障りも有るでしょうから……」
「そうですか……個人的にはとても残念です」
各人各様に。事情に差分はあれど、自家への勧誘は上手くは運ばなかった。
最後になった『ベイカー商会』リサ・ベイカーの応えは、ある種予想出来た内容ではあったが。
クリスタリアの何処か淋しげな微笑には社交辞令以外の物が確かに滲んでいた様で。
思えば『学園』での一件以降、深過ぎずとも浅からぬ縁。その分の気持ちは確かに在ったのだろう。
リサとしても半分くらいは償いの意図はあれ。一貴族に此処まで深入りする事もそうはない。
そういう意味ではお互いに。積み重ねた時間は、決して無為な物ではなかったのだろう。
「ですが、この立場だからこそお力になれる事はあると思うので……願わくば、友人として」
だから、その言葉は自分でも驚いた位に自然に声に出た。
一瞬、ぱちぱち瞬いた『紫の君』の表情が喜びに彩られていく様が。
或いは、この一連の仕事での。最終的な報酬だったと言えたのかも知れない。
――――かくして2人は漸く、対等な友達となった。
「諸事情あったとはいえ、助けになると言ったのに馳せ参じる事が出来なかった……
私の失態だ、何を言われても受け入れる。ただ、話をする時間を割いて欲しい」
そんな、各人に振られた客室からの出先を捉えたのは『蒼玉の麗人』シルヴィア・A・カペルの言である。
その内容に『紫の君』クリスタリアが考えるような仕草をしたことは、止むを得ないと言えた。
両名は"立場の異なる派閥"の侯爵家令嬢である。勿論、個人としての友情は別に存在する。
けれど、客として招く以上"貴族"は家を背負う物。そしてクリスタリアは次期当主の地位に在る。
かつて、ただの学生同士で居られた時代とは互いの状況が異なり。
――――『紫水晶』と『蒼玉』と言う家の都合、を一顧だにしない訳にはいかないのだ。
「カペル――――いいえ、シルヴィア様。お申し出、お受け致します。
ただ、どうかくれぐれも……言葉にお気を付け下さいませ」
王国の古式作法に則った一礼と共に。クリスタリアは彼女なりに精一杯の助言を贈る。
王国貴族にとって"非を認める"とは相応の……特に近しい家格では時に致命的な危険を伴う行為なのだから。
●縁紡ぐ故の先
昼過ぎ、紫百合が咲き誇る中庭では給仕を賜ったラフェット・ヴェンルーダが手慣れた調子で紅茶を注ぐ。
芳しい高級茶葉の香に包まれて談笑に及ぶのは計8人の男女である。
「本当に、最良に近い形で解決出来ましたのは幸いでございました」
「返しても返し切れない恩を受けてしまいました。どうぞ、今宵はゆっくり寛いでお過ごし下さいね」
『夜に咲く白月』レティシア・レインフィールはそう言って、3人を順繰りに見て呼気を溢した。
貴族の茶会の席とあれば本来一挙手一投足まで気を張る物ではあるが、此度は感謝の催し。
素に貴族が根付いているレティシアも"過度に気を配る程ではない"範疇に気を抜いている心算だ。
あくまで――――"『紫水晶』の3人に対しては"という注釈は、必要だが。
「コーライトさんも、お元気そうで本当に良かったです」
「いえ、これでもどうにか首を繋いだ、と言った所でして。いやはやお恥ずかしい」
にこやかに対したコルネリウスの言は、この場にややそぐわない優男へと向く。
彼こそは一連の"お家騒動"の首謀者の一角にして発端でもある若き商人、コーライト・ベルゼン。
彼の背景である"ベルゼン商会"は元々隣領『迅雷』の御用商会であり。
同領が今現在、王国目下の火種となっている事を考えれば本来こんな所でお茶に興じている暇はない筈。
しかし悪運鋭く間一髪という機を掴んで『迅雷』を脱した商会は現在『紫水晶』の支援を受けて再編中。
となると責任者ばかり忙しくしても意味がない、という背景事情がある訳だが。
「もし何かお困りの時は私が助力致しますし、必要であれば義兄や婚約者に協力の口添えを致します。
そんなことで、リオネス様からの恩を少しでも返せれば嬉しいのですが」
「いえ、そんなレティシア様。過分な御言葉有り難く存じます!」
レティシアとしても、互いに本音で言葉を交わしあったリオネスには是非幸せになって欲しい。
が、そうは言ってもその想い人はと腹を探り合った間柄。軽々しく信用出来るかと言えば――――
(ベルゼン商会も一枚岩ではない筈。領を脱した者の中に間者が紛れる可能性も有り得ます……)
冒険者稼業を通じ世の中には"白黒で割り切れない物"が無数に潜んでいる事を学んだ伯爵令嬢には難しい。
ある程度確り取り繕っても、熟達の商人の目を誤魔化すまでの域に達してはおらず。
「ベイカー商会のリサです。多分初めまして?」
「こちらこそ、コーライトと申します。どうも上手い感じに行き違いになっていた様ですね。
ベイカーの姫君のお噂は兼ね兼ね。話に聞いた通りの綺麗なお嬢さ、ん゛」
「お褒め頂けて光栄です。うち、ファッションに力入れてるのですが、そちらの香水に興味ありまして」
「わ、御洋服ですか? コ―様、私そちらの方が興味有ります!」
隣に座ったリオニス・ヴェンルーダが応じつつコ―ライトの左手を抓ったか何かしたように見えたが。
リサはしれっとそのまま話を逸らす事にした。2人の仲は順調のようだし、犬も喰わないという奴だ。
女3人寄れば姦しい等とはシャルガネ特有の言い回しだが。此度のテーブルには6人も居る。
それはまあ、何時までも可愛らしいお姫様ばかりでもいられまい。
■
さて、そんな女性陣の語らいとは別に。エルゼリオ提案より晩餐会での演奏を計画されたテオドール。
お茶会への参加を急遽取り止め応接室に自鳴琴を並べては、難しい表情で螺子を巻く。
――――手洗いに通り掛かった『鋼級探索者記章』海神 江流が、彼を見つけたのはそんな折の事。
「あれ、何を……ああ、そうか。君は笛をやるんだったね」
「あ、はい。ええっと……それが何故か、晩餐会で演奏をする事になってしまいまして」
迷うような表情には喜色も無ければ悲色も無く、けれどただ困惑だけが薄っすら浮かぶ。。
けれどその容貌は確かに『紫の君』を思わせる物で。江流とてそうと聞けば放っても置けない。
「テオドール君、あれから俺も君を助けられるよう準備してきた。君が迷惑でないなら頼ってほしい」
「迷惑なんてそんな……でも、何故そんなに僕を気にするんですか?」
「"きょうだい”は親より長く時間を共有できる存在だから。
お互い望み、助け合っていけるなら、それが一番いい形だと俺は思う……俺にも妹が居たから」
居た、と言う言葉から察せる事は決して多くはない。けれど、某か汲める事はある。
テオドールは領主には向いていなかったが、決して能力が劣っている訳ではない。
人の気持ちを察し幾らでも自ら退く事が出来ると言うのは、ある種の優しさと違いはあるまい。
彼がそんな自分に価値を見出だせないなら、それは不幸だと江流は思う。そんな、勝手な事情で以て。
「お家騒動中は色々とお世話になりました……!」
「あっはは、そんな言われる程世話をした憶えは無いけれど元気が有るのは結構な事だね。
あたしも愛する我が家と友人の家が一緒に護られて満足だよ。悪巧みに加担した甲斐が有るってものさ」
「シセラさんは……これからどうするんですか?」
「うん? おや……君はそこを知らないであたしの所まで訪ねて来たのかい?
あたしはこう見えて、今をときめく音楽家でね。当分は王都さ、芸術が順番待ちをしているもの」
声音だけで片目を閉じたことが分かりそうな、麗人然とした女性の声。
聞こえたのは男女1組のながら、露骨にそちらでテオドールが固まったのを見遣り。
江流もまた、ああなるほどと言う納得と共に覚悟を固めて愛用の竹笛を取り出して見せた。
幸運にも、決して鋭くはない自分にも彼へ手を差し伸べる機会がおとずれたようだ、と。
「という事で、俺もこういうのなら持ってるんだけど協奏なんて如何かな?」
分かるか、と問われたなら勿論、分からない筈が無い。
男として生まれたなら、気になる異性に格好を付けたい事の1度や2度。誰にだって有る物だろう。
■
(全く、紫水姉様は時間の遣り繰りが本当にお上手ですのね)
晩餐会が幕を開ける、その合間の一時。
一足早く応接室を訪れたアウレーリアは、其処で1人の男性と、それに付き従う1人の老爺。
即ち、現時点でのこの館の主たる『紫水侯』オルジェント・ラズベリルとの対面を果たしていた。
此度のお茶会は完全にクリスタリアの差配らしく、彼はと言えば優雅に休暇を過ごしていた様だが……
「ふむ、"独断で他国に流出するには少々劇薬"――――ではないか?」
「承知の上です」
アウレーリアが持ち込んだのは、冒険者たちが助勢し実施した"初等基礎教育"。
つまり、旧帝国の軍官僚養成機構による合宿の実施報告書――――である。
勿論、王国の貴族が冒険者ギルドの報告書を逐一確認、閲覧などする訳も無く。
実際にそれらの行事に触れていない人間が抽出する事は難しい、本来なら埋没した筈の知識。
けれど誰かが発掘し、こうして公の場に持ち出せばその意味合いは大きく変わって来る。
「宜しい、では"議題"の査定に移ろう」
貴族の会話とは即ち取引である。商談とはまた異なった意味で、それは彼我の利害関係を調整する物だ。
アウレーリアが示した"題材"にオルジェントは価値を見た。あとは対価との釣り合い次第。
そういった意味で、旧帝国の没落貴族と言える彼女は"身を切る"前提で動かざるを得ない。
例えそれがお家騒動からの復興中であるとは言え、相手が健在の"高位貴族"である以上は。
「紫水領で養成された人材の一部を"還元"して頂きたいのです」
「話にならん、と言わざるを得まい。まさか恩有らば王国貴族が帝国に利するとでも?」
「いいえ。『帝国』へ――――ではなく、"当家へ"です」
其処が此度の肝だ。少なくとも、例え再興が成ろうと当分『帝国』は『王国』に配慮せざるを得ない。
実質、属国同然の扱いを受ける可能性が"低い"と言えるほど、アウレーリアは楽観的ではない。
だからこそ、彼女には『王国』との繋がりが必要なのだ。
「次期御当主はかつて、王国は幾らでも人を帝国へ流し続けられると仰ったとか」
『紫水侯』の視線が家令長へ向く。その位置はアウレーリアの死角ではあるが。
その仕草に手応えを感じ畳み掛ける。或いはそれは――――"旧帝国"というかつての祖国。
その枠組にしがみつく人間にとっては、明らかな裏切りと取られても仕方ないだろう一言を。
「ですが、人は使いようによっては材にもなるのではないでしょうか?」
彼女の家門。未だ領地の目処すら立たない旧帝国貴族『ネーベルベルク』という名が正式に。
『紫水晶』への客品として記される事になるのは、この数日後の話である。
●いずれまた、お茶会を
「お招き頂き光栄です」
シルフィエッタと遊んでいた為に少し遅れて、お茶会へと参加したジュストが一礼を送ると。
主催者であるクリスタリアはその来訪を殊の外喜んだ。
と言うのも、コーライトとリオネスがそろそろ席を外すというタイミングだったからだ。
加えて一通りお茶菓子を満喫したコルネリウスも、何かしか事情が有って私室へ戻るという。
となると場に残るのはリサ、レティシア、クリスタリア、給仕のラフェットで計4名。
お茶会と言うには如何にも寂しくなってしまう。と言う非常に個人的な事情ではあったが。
「そう言えば、シルフィエッタちゃんはどちらに?」
「ああ、彼女はお勉強の時間らしく」
侍女長に預けてきたと伝えれば、それはそれはとラフェットが意味有りげに笑う。
首を傾げるジュストが、その目論見の甘さに気付くのは間もなくの話である訳だが。
折角話が自分に回って来た訳だしと、意気揚々と語りだしたのは今後の学園と王国の話題。
つまり珍しく真面目な話であり、クリスタリアとレティシアの得意分野である。
「私は、正直昨今の情勢と王国の今後を考えると学園内に限らず。
派閥を超えた協力関係も検討していかないと、家格問わず貴族は立ち行かなくなるのでは、と」
「その危惧は分かります。ただ、派閥を超える……となるとやはり一朝一夕には。
特に、各派閥内部の勢力図という部分が大きな枷になるでしょうね」
「勢力図と言うと、当家の様な……いわゆる中立派が緩衝材として動く事では緩和出来ないでしょうか」
「中立派は組織的纏まりを欠いているのが難点かと。もう少し数が揃えば発言力も得られるかと存じます」
各貴族の、次代を担う面々の会話を眺めながら。リサはまるで王国の縮図のようだと思いを深める。
彼女は敢えて会話の軸から外れているが、此度のお家騒動を通じて『王国』の理解は大きく進んだ。
この国は一見ヒト族最大の、古式ゆかしき一大国家だが。字面ほど成熟している訳ではない。
その中では人と人との繋がりや縁と言った不定形の、合理でない要素が今も強く力を持っている。
例えば『紫水晶』でのクリスタリアのように。人との繋がりが経験や実績を凌駕する事もある。
そしてそういった、人と人とを繋げるのが、きっと商人の役割なのだ。
それは、将来に悩んでいたリサにとって開明的な解答だった。
彼女が愛する物と、彼女が厭うて来た物。その根源が同じであるなら――――それは。
(わたしは、稼業を継ごう)
自分でも驚くほどすっと胸に落ちて。納得と共に確信する。
そうして自分が好意を抱く人と人とを繋げていけたら、きっと自分の仕事を好きになれるに違いないと。
「クリスタリア様、今後ともベイカー商会をご愛顧の程、宜しくお願い申し上げます」
「? え、はい。それは勿論……こちらこそ、これからも末永くお世話になります」
突然、と言えるリサの言に。殆ど条件反射でお辞儀を返したクリスタリアに。
果たして真意が伝わっているかはともかくとして。こうしてリサは漸く自分の道を見定めた。
まさか他家の騒動がこんな形で結実するとは思いも寄らないことながら。
だからこそ、人との結びつきは面白いのだと。リサはそっとはにかんだ。
「おーにーいーちゃーん! 居た! お茶とお菓子食べてる! ずるいっ!」
そうして、勉強から逃げ出したシルフィエッタがお茶会に突撃するのと入れ違いに。
彼女はそっと席を立つ。ここからは、きっと貴族の時間なのだろうから。
彼女の良く知る女商人曰く。商人とは、誰より機に敏であるべきなのだ。
■
「あの、実はお願いがひとつありまして……」
晩餐会も迫りつつある自由時間。連れ立ったコーライトとリオネスに声を掛けたのはコルネリウス。
屋敷内、特に厨房は現在その実力を試されている真っ最中という事で、香草の香りが充満しており。
元々食べること好きな彼女にとって、私室でじっとしているのも正直辛かったりした訳だが。
「はい、どうしましたか?」
「その。不躾ながら御二方と、友人としてこれからも交流を持ちたいのですが……!」
そんな申し出に、思わず顔を見合わせる没落貴族の令嬢と、さる商会の次期商会長。
庶民、と言う括りからは確かにやや逸れるとは言え、2人の表情は怪訝の一言。
俄然困惑するコルネリウスだが、実のところ2人にとっては冒険者の方が余程立場不明の業種なのだ。
そしてその枠を外して考えると彼女は次期領主の恩人であり、立場の上下が引っ繰り返る。
「はい、勿論私で宜しければ」「ええ、僕も仲良くして頂けるなら嬉しい限りですが」
どちらかと言えば、そんな凄い人に自分なんかが……とお互いおずおずとした物ではあった物の。
こういった認識のズレは時が解決してくれる物だろう。リオネスにせよ、コーライトにせよ。
その心性は大枠で括れば善人寄りと言って良い筈で。コルネリウスもまた言うに及ばない。
であれば、大切なのは歩み寄る事だ。歩み寄りたいと――――伝える事だと。
「でしたら、私の事はコルネと呼んで下さい!」
紫百合の咲く庭園を見下ろす館の片隅で、友誼の花がまた一つ咲く。
一方、区切りが付いたお茶会をけれど、未だ続ける面々も居る。誰ならん『紫の君』その人である。
「クリスタリア嬢が卒業後、百合園会の主宰は誰になる予定なんです?」
「そうですね……予定では第四、第五学年の2人になる筈ですが、私の方がご覧の通りなので」
百合園会に於けるクリスタリアの存在感は決して小さな物ではない。
或いは此処で何かしら明言したことが人伝にせよ伝わったなら、それが直接組織に作用する程に。
故、彼女は心当たりが有ることを匂わせつつもそれを舌に載せる事を避け。
対面で紅茶に向かうジュストもまた、その意を解し"此処だけの話"として胸に置く。
そんな王国貴族特有のやり取りを眺めながら、レティシアは予てから気になっていた事について。
当事者たるラフェットに問い掛ける機会を漸く得ていた。
「そう言えば、ラフェット様。中立派への疑いは晴れましたでしょうか?」
「あ、そうそう。レインフィールのお姫様。多分貴女が知らないだろう事について、1つ。
今のうちに伝えておかないといけない事が有ったんだったわ」
恐らく、この期に及んで自分がメドゥの指先と繋がりがあるとは疑われまい。
と、思っていたレティシアは、その思いがけない反応に瞳を丸くするも。
告げられた言葉は、それを推して尚息を呑まざるを得ないもの。
或いはそれを敢えて、ジュストから隠して告げてくれたのはラフェットなりの気遣いだったのだろう。
(『迅雷』の以前の主家。『紅百合』が……元、中立派の盟主)
ラフェットの生家、『薬師』は非常に古い王党派の家であったと聞く。
であれば、他家にはそうそう伝わらない隠蔽された歴史についてもある程度知識があって然るべきだ。
そしてそういった前提が有るなら、"中立派"が殊更疑われた事にも合点が行く。
動揺を押し隠し視線で確認を取るもラフェットの眼差しに冗談の色は無く。
慌てて貴族令嬢の仮面を被ったレティシアの様相について、勿論ジュストは目端を効かせていたが。
彼は彼なりの利害に基づきそこに深く踏み込む事は避けるが由とした。何より――――
どうしても付いてくると言って聞かなかった小さなお姫様が、この場には君臨していたのである。
「おにいちゃ、シルフィエッタちゃんねむぃ……」
「……うん、そうだね」
ジュストは忘れていたのである。4歳児の興味関心は糸の切れた凧より移ろい易いぞ気を付けろ。
かくして、王国貴族達の秘密のお茶会は幼女の自由すぎる気紛れによって有耶無耶になった。
■
「――――本当に、すまなかった」
晩餐会間近。まるで冗談のようにぽっかり浮かび上がった空白の時。
会場である大広間からは時折微妙に調子が合っていない笛の音と、"そこ違う!"と言う女性の声。
何かの教導だろうか、と首を傾げたシルヴィアの元へ盛装に着替えた2人。
『紫水晶』の至宝と『薬師』の雛鳥が姿を見せたのは、そんな最中。
開口一番の謝罪に、両名が面食らわなかったと言えば嘘になるだろう。
「私は君ほど純粋ではない。どんな意図があったとしても嬉しかった、とは思えない。
けれど同時に……君ほど真っ直ぐ慕ってくれる人がいれば、それは救いだとも思う」
かつて、シルヴィアとリオネスは互いの想う所ですれ違い、決裂に近い形で距離を置く事になった。
彼女はそれを長く気に病んでいたが、すべき事としたい事が噛み合わず今に至ってしまった。
恐らく。シルヴィアが誠意を示すには、真っ向から頭を下げるしか思い浮かばなかったのだろう。
それは彼女の純粋さから来る物と思え。だからこそリオネスは静かに首を振って応じた。
「シルヴィア様、私も決して貴女の理解を拒みたい訳ではなかったんです。
けれどあの時は、私も自分しか見えていませんでした。独りだと、思っていました」
あらゆる面で自分より優れた幼馴染と言う存在は、良くも悪くも様々な影響の仕方をする物だ。
それは尊敬であり、劣等感であり、道標であり、憧憬であると同時に無理解でもあった。
互いに想う所を曝け出さなければ、その溝は埋められなかった。だからこそ。
「でも、今はそうではないと分かります。私こそ言い過ぎました。シルヴィア様が、もし赦して下さるなら」
「私は君の事を……分からない、で終わらせたくはない」
そんな二人の友人の和解を、ただ黙って微笑み眺めていたクリスタリアへ。
そうして向き直ると、『蒼玉』の姫は改めて一礼し、生誕の祝辞を告げる。
祝いにと差し出した青薔薇の小瓶を胸に抱いた彼女へ、伝えたいこと。
伝えなければならないことがある。それはきっと、彼女にしか出来ない事の筈で――――
「――――私にも、平民の恋人が居るんだ」
変わらぬ友誼を願って、その一言から始まった告白は彼女にとって、決して詳らかに出来ないこと。
それも貴族同士であるならば。最大の弱みと言って相違無い、心の一番柔らかな部分の本音だった。
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かくて、晩餐会が幕を上げると。まずその場に響いたのは澄みきった笛の音。
明らかに熟練者のそれと分かる旋律に導かれる様に、テオドール、エルゼリオ、江流の3人が。
三者三様の個性で以て自らが愛用する笛を奏で合わせる。
それを"協奏"の域に引き上げているのは、全体を包み込む様なシセラの技巧の賜物であろう。
思いがけないサプライズに、クリスタリアが周囲を見回すと。
どうも隠されていたのは彼女だけの様で、侍女たちが我が意を得たりと言うように一様に微笑んだ。
鉄面皮のオクタヴィアまでが満足気に頷いたことは、『紫水晶』にとっては何より驚きだったろう。
冒険者達もまた、釣られて拍手を贈ると彼ら、彼女らを代表するように。
誰より素直に音を楽しむシルフィエッタが喝采を送った。曰く、すごく、きれい――――だと。
クリスタリアが計画していた、"完璧な"それとは違ったとしても。
不完全であるからこそ、その日の晩餐は確かな彩りを以て参加者の心に刻まれたに違いない。
そうして、楽しくも賑やかな一時は幕を引く。その最後に、2人を残して。
「ようこそ、江流様。呼んで下さり、有り難く存じます」
応接室。家臣団も含め殆どの人間が寝静まった深夜。招いた江流と招かれたクリスタリア。
けれど先じて待っていたのは彼女の方で。やって来たのは彼の方で。
「君の望む形で、君の助けになりたいと思ってた」
滔々と語られたのは、ただ只管に。彼の気持ち、その全て。
「でも、勲章なんかいくつあったって、そんな姿勢じゃ何の力にもなれないんだと思ったんだ。
自分にできるやり方で、足りない物は全部集めて君の隣に立てるようにならないといけないんだと」
それに『紫の君』と謳われる淑女はじっと、何も語らず耳を傾け。
「前に断られたのに、今でもそう思う事は迷惑だろうか?
それでも、後戻りできなくなっても構わないと。残りの人生を賭ける価値があると決めたんだ」
直向きな。愚直な程にまっすぐな言葉に。綻ぶように微笑んだ。
「――――"江流は、君に何も捨てさせない男だ"」
応じの言葉は、まるで予想外な物で。江流は呆気に取られたように瞬く。
けれどまるで少女が面白がって語る童話のように、その紫の淑女は謳うのだ。
「"応援している"と、背を押されました。困りますよね、そんな事を言われても」
応接室はそれほど広くない。一歩、ニ歩、三歩で扉。彼の間近に彼女が居た。
見上げる蒼。交わす黒。その距離がほんの刹那零になって、止まった呼吸の合間に離れた。
「私は、『紫水晶』。愛と幸福を齎す王国の輝石。
そんな私に、本当に、何も棄てさせないで。ずっと、変わらず、傍らに居て下さいますか」
揺れる瞳に、黒髪の男は一つの誓いと、答えを贈った。それはただ――――それだけの。
きっとただ、それだけの御伽噺。
■
翌朝、『紫水晶』の至宝と呼ばれた娘の左の薬指には一つの指輪が着けられていた。
いずれまた、お茶会を。例えばそんな、約束の証として。
マスターコメント
ロングシナリオ易しい 報酬:標準8 / 6〜10人
2023年03月18日 22時31分17秒 公開
相談掲示板
今回は特に名乗りも相談も要らないとは思うけれど、挨拶と行動表明位はしておくね。 というわけで、今回もよろしく。 俺は主にお茶会~自由時間で行動する予定だよ。 学園関連の話題を持ち込みつつ、シルフィエッタ嬢のお相手をしようかと。 コーライト殿とラフェット殿には訊きたいこともあるんだけれど、お茶会で訊くか自由行動の時に訊くかはまだ決めてないかな。
なるほど…ジュスト先輩はシルフィーちゃん狙い…と…… とまあ、冗談はそれとして…わたしもご挨拶を。 リサです、宜しくお願いします。 わたしは、クリスタリア様に改めてご挨拶と、今後のご愛顧のお願い…いえ、これからも仲良く?させて下さいと…? …ちょっと、ここ最近の彼女に対する言動を鑑みると、どう思われてるか不安ですが(苦笑) まあ、有り体にいえば、今後も繋がりを程よく保ちたいので、その為にもご挨拶ですね。 仕官お誘い対象ですが、立場的に受けられないので、その辺りも踏まえつつ、です。 あとは、コーライトさんにもご挨拶しておきたいですね。 今後、ベイカー商会として商いを何かしらさせて頂くとしたら、ベルゼン商会を通してとなると思いますので。 あとは、ラフェットさんにご挨拶くらいですかね。 クリスタリアさまとは仲良く成りたい思いはあれど、他国の商家の人間という立場上、どこまで許されるかな?と。お互い敢えて踏み込まない距離感がある感じですので。まあ、ここらは成り行き次第かな?と思っています。
コルネリウスです、よろしくお願いします。 私はコーライトさん、リオネスさんの御二方と主にお話がしたいと思っています。 あとはテオドールさんも少しお話したい部分があるので、ちょっとその辺りはまだ考え中ですね。 私も仕官のお誘いは色々とあってお受け出来ないので、辞退させて頂く予定です。
エルゼリオ・レイノーラです。今回もどうぞヨロシクね! 行動は考え中だけれど、テオドール君とは色々と話したいと思ってる。 あとはコーライトさん、シセラさんには聞きたい事が幾つかある、かな? 士官のお誘いは――ボクも立場的に(レイノーラ家は王党派)受けられないなぁ。
シルヴィアだ。今回はよろしくね。 クリスタリアとリオネス、二人と話したいと思っている。今後どうしても会う機会が減るだろうし、後悔のないように動くつもりだ。 仕官のお誘いは立場的に難しいからお断りしようと思っているよ。
アウレーリアです。いつもの顔触れですが、どうぞ宜しく。 まずはクリスタリア様、場合によっては紫水侯とも今後について色々話そうと思います。 空き時間は私もシルフィエッタちゃんの相手を致しましょう。 ……殿方お一人にお任せすると、教育上あまり宜しくないような気がしますので。