【再起】銀の毛皮
馬車猪
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シナリオID:2763
オープニング
「ここに来るのも久しぶりだぜ」
リットは懐かしそうな表情だ。
帝国地方都市のスラムから着の身着のまま逃げて流れ着いたのがここだ。
当時は文字通り何もなかった場所は、今では開拓村以上普通の村未満の集落になっている。
「さーて、連中はどこにいるんだ」
まだ昼なので農作業か何かをしているのだろう。
リットはかつて難民キャンプだった場所に残った仲間を探すため、相棒の背中によじ登って周囲を見渡した。
押っ取り刀で使い込まれた槍を掴んで若者達が現れる。
「魔獣だぁっ」
「クリーパーだー!」
彼等が見ているのはビヒモーだ。
全高5メートルもあるので見慣れぬ者には普通の生き物とは思えないこともある。
「おい、俺だよ俺!」
背中でリットが騒ぐが気付いて貰えない。
「石投げろ石ー!」
リットとビヒモーに投石が降り注ぐ。
相棒は背中にいるリットではなく背負子を守るため、太い骨格を覆う分厚い筋肉を使いこなしてひらりと躱した。
「おまっ」
しっかり固定された背負子は無事だがリットは別だ。斜めへ吹っ飛び空中でくるくる回る。
「ふざんけんなっ」
器用に体を捻って両足から着地する。
衝撃が体を突き抜けじわりと涙が浮かぶ。
「まさかそいつあのビヒモーかよっ。あれからまた育ったのか……」
「リットじゃねーか! 王国の役人に連絡してから来たんだよな? お前、帝国の住民から役人に成り上がったんだから連絡なしだとやべーぞ!」
ヒューマンの若者達は喜びつつも便りも送ってこないリットに文句を言う。
すまんなと謝って貰える分、ビヒモーの方が扱いが良い。
「やっべ」
リットの顔色が悪くなる。
ビヒモーは「北に逃げた方がいいかな」という内容の思考をして向きを変えていた。
●
「そーっと下ろせ。そーっとだぞ」
しゃがんだビヒモーから背負子が取り外される。
見た目は地味だが荷物の固定も梱包も非常に丁寧だ。
「確認いたします」
一際豪華な装束を着こなす商人が緊張を隠しきれない態度で、しかし手袋をはめた指先は滑らかに最後の包装を外す。
艶めかしくすらある銀の毛皮が外気に晒される。
とても大きく、なのに傷みが極小だ。
これまでは畳んだり丸めたり最悪切断して運ぶしかなかったのだが、馬車が通れない悪路も危険地帯も関係なく踏破するビヒモーが現れたことで今回の輸送成功に繋がった。
素晴らしい仕事の当事者なのにリット達はいつも通りだ。
相棒は懐かしい草を食らい、リットは情報交換と次の稼ぎのための情報収集をしている。
「どこも楽じゃねーなー」
「よく言うぜ。こんなデカい取り引きに関わるなんてどんなコネ使ったんだよ」
「北の交易所に行った特にケンタウロスに頼まれたんだよ。身振りで」
代官や村長の会話なのに口は悪く茶菓子の代わりに自家製の干し肉を食らう。
創業時からの仲なので気心が知れている。
「なあリット。旦那が……でっかい商会の旦那がすげー焦ってんだけど」
リットが帝国に戻るときに帰農して元難民キャンプに住み着いた若者が真面目な顔になる。
商会の長が、予想より価値があるものが届いたことに喜びそれ以上に焦っている。
護衛が足りない。
強力な賊が襲ってきたら商品も命も守りきれない。
「近くの街にひとっ走りして冒険者ギルドに頼み込むしかねーな」
貧乏暇なしだぜと吐き捨て、リットは残った干し肉を口に詰め込み立ち上がる。
リットと相棒が持ち帰ることになっている荷物はまだ届かず、騒動に巻き込まれるのは確実だった。
●
「防衛依頼です!」
冒険者ギルドの受付嬢はとても元気だ。
「すごく高価な毛皮が王国に運び込まれて、輸送隊と護衛隊を大急ぎで呼び寄せてるんですが間に合わないらしいです!」
傷がなければ王家への献上品にできる水準の毛皮だ。
多少の傷みがあっても高額で売れるのは確実で、もちろん裏でも高値で取り引きされるので賊も狙う。
「王国まで運んで来たビヒモーさんが王都まで行ければ良かったんですけど」
帝国と比べると暖かいので速度が落ちるし休憩も頻繁に必要になる。
毛皮を運んだら、安全な街にたどり着く前に賊に捕捉され捕まるか殺され荷物も奪われることになってしまう。
「そういう訳なので、王国中央への輸送と護衛は専門の業者にお願いすることになります。彼等に引き継ぐまで荷物を守るのが依頼内容になります」
受付嬢は、帝国難民キャンプ関連の依頼で何度も使われた地図を取り出し冒険者の前で開く。
「場所はここです」
人が去ったり残ったりと元難民のその後は様々だが、平凡な村になった場所を指し示す。
「冒険者の皆さんに毛皮の防衛をお願いしたい、って依頼ではあるんですけど」
受付嬢は依頼書と冒険者を交互に見る。
「忍び込んでくる盗人を捕まえたり、襲撃してくる強盗を退治したり、偽の毛皮で賊の本命を誘き寄せて安全に毛皮を運べるようにしちゃっても大丈夫です!」
試供品として受け取った白い毛皮を、ちょっと残念そうに渡す受付嬢であった。
解説
マスターより
リプレイ
「リットのヤツもいつの間にか偉くなりやがったもんだな?」
ハヤト=ガラン=ヴォルファングは驚きの感情を不敵な表情で覆い隠す。
その毛皮は頑丈な天幕の中にあっても貴金属を思わせる光沢を保っている。
(でかい組織が本気を出すに十分な代物だ。死兵もあり得るな)
類稀な戦闘センスが死闘の到来を断言し、ハヤトは護衛のための計画と心構えを極自然に切り替える。
「リット、大きな商売を取り扱うほどの男になったか。義兄は嬉しいぞ」
アルベルト・V・シュタールシュヴェーアトは熱い涙が零れそうになったのを自覚し目を押さえて上を向く。
義弟はとても嬉しそうに笑みを浮かべて鼻の頭をこする。
フリーダ=ブロムヴィストはいつも通りに独自路線だ。
「リット様も大事な取引を任される様になったとは凄いですね。啓示でも『これは立志伝もので吟遊詩人に歌われること待ったなし』と出ています」
受信の際に少し情報が欠けているかもしれないが遠くからの情報なので仕方がない。
(とは言えそれもこの荷物の防衛が問題なく終われば、の話ですが)
冒険者として様々なものを見てきたフリーダでも目を見張ってしまうほど見事な毛皮だ。
(リット様の顔もありますし、失敗は避けたい所です)
『後半になって転落しそう』という啓示が、届いたような気がした。
「リット坊が国境を跨ぐほどの商いに手を出せるようになるとはな」
ベルク・オスマットは別部署にいる同一派閥の先輩のような、あるいは年上の従姉妹のような態度でリットに接している。
どちらにしても身内扱いだ。
「ちゃんと越境の際に連絡を取る王国の担当官とは懇意にしておくんだぞ? そうすれば多少の便宜は図って貰えるようになるかもしれんからな」
ベルクは筋を通すことの重要性を懇々と説く。
政治知識を実用可能な水準で修めているので金貨を積んで聞く価値がある内容だ。
リットがそっと目を逸らす。
「分かっておるとも。だから今後も気をつけるんじゃぞ?」
色々看破したベルクは尻拭いをすることを決意する。リットに向ける目は先程までとは違い全く笑っていなかった。
「顔見知りだから話が早かったけど……」
今回は代官の補佐でも領地の実質的指導者でもないのでアウレーリア・フォン・ネーベルベルクは比較的気楽だ。
「まず代官の仕事でも商会長の仕事でもないわよね。トップが動き過ぎる組織は後進が育たないわよ」
スラム出身なリットに要求するのは酷ではあるが見習いとはいえ代官なので当然の要求だ。
(リット坊の副官は領地の担当か。どこも余裕がない)
ベルクは内心ため息を吐き、素早く仕事にとりかかった。
●
「お止め下さいっ」
王都でも結構名が知られた商会長が止めようとする。
銀と比べれば緩衝材程度の価値しかなくても一般的には高額商品だ。
それに閃光塗弾から分解したものを垂らそうとするのは、損得的にも倫理的にも許容し辛い。
「うすーく塗っておけばイイ感じに光ってー、現物を直接みてない相手なら遠目にうまくごまかせたらいいなー……って思うんだけどー」
アルマ・ヴァレンタインはふざけてなどいない。
価値が暴落するのは承知の上で、他に有効な手段がないので緊急避難的に行うことを主張している。
「ですがっ」
非授恵者でもアルマの交渉術に抵抗できているのはさすが大商人といえる。
「頼む、この白い毛皮を染めて銀の毛皮っぽくするのを許可してくれ。囮に使いたいんだ」
アルベルトは演技も説得もできるが誠意を徹底して深く頭を下げて頼み込む。
そこまでされてようやく商人は同意する。出世してからは封印していた贋作作成法まで使ったのは、冒険者の熱意を感じて覚悟を決めたからである。
「我々は目立ちますね」
フリーダは白金色の武具の着こなしを変えて通常よりは目立たないようにしている。
が、授恵者として非常に強い部類なのであまり平凡には見えない。
「村長達には村内を巡回するように依頼した」
シャドウは目立たない。
愛用のナイフもダガーも着慣れた黒い装束の下に隠し、竜鱗飾りの長靴もよほど近付くか偵察が得意な高位授恵者でない限り気づけない。
「輸送は俺の担当でいいか?」
誰からも反対意見はなく、シャドウは冒険者ではなく商家の下働きのふりをしたまま銀の毛皮の輸送を主導する。
(狙うなら今が最大の好機だ)
輸送隊と商家一行と冒険者が次々訪れたことで村は混乱している。
賊が紛れ混んでいても確認に時間がかかってしまう。
「そこにしよう」
シャドウは入り口が1つだけの建物を選ぶ。
荷物の扱いは敢えてぎりぎりまで雑にする。
あからさま過ぎると罠だと気付かれかねないからだ。
運び入れた後はシャドウ1人が残って戸締まりと警戒を。
隙を見せずに隙を見せかけるのは、彼にとっては意識しなくても可能なほど簡単だ。
もちろん意識はする。意識して行動し同時に観察も行い不審者を見つける。
(荒んだ気配に引き込み強盗の行動。素人同然か)
声をかけるなどせず、殺気だけを消して穏やかに歩み寄る。
「ぁ」
何かを言いかけたようだがシャドウが後ろに回り込んで口を封じて物陰に押し込む方が早い。
(残留思念感応の使い手がいるからな)
真っ当な住民と依頼達成が最優先だ。
シャドウは死んでも構わないやり方で攻撃して抵抗能力を失わせ、それを外から見えない位置へ移動させるのだった。
●
「俺には予想もつかないような金額なんだろうなあ。あー、怖い怖い」
ディレイン・オールドケイジは立ったままブラッシングを続けている。
荷物を丸めもせず運んで来たヒビモーは足を畳んだ状態でも非常に大きく、ディレインの労働はかなり過酷だ。
「これで挨拶終わりじゃ駄目? そう……」
リットよりずっと巧いのでビヒモーが離してくれない。
暴れる訳ではない。離れると心底傷ついた目で見てくるのだ。
「おぼえることが多すぎるー」
リットが精神的に疲れ果てて相棒の横に座り込んだ。
リットのことを思って叱ってくれるし教えてくれるので誠実に向かい合い、結果としてもともと良くない頭を全力で使ってこのありさまだ。
「まだまだ伸びる余地があるってことで、いいんじゃない? はははは、がんばれー」
ディレインは他人事のようにリットへ声をかける。
「愚痴くらい言わせてくれよ」
「愚痴聞くくらいしかできないけどね」
ディレインはブラッシングの仕上げを行い体を伸ばす。
骨が鳴りはしないが窮屈な姿勢から解放されて快適だ。
「一晩天幕の裏で寝てね? その分奮発するから」
ディレインが持ち込んだご馳走は既に現場に運ばれている。
「リット君も休んだら不寝番の準備をお願いね。篝火用意できる?」
「小さいのなら呼びがあったと思う」
ディレインの指示に従い、リットは気合いを入れ直して見知った村の中を駆けて行った。
●
「村全体に知らせなくていーの?」
リットは純粋に疑問に思っている。
「知れば表情と行動に影響があるし、これ自体価値があるから知らない方が安全で護衛もやり易いの」
アウレーリアは偽の銀毛皮を軽く保護布を被せる。
贋作を作り上げる技術が高いだけでなく元の質も高いので、銀の毛皮をまだ見ていない者には本物かどうか判断し辛い。
「そっかー」
リットは自分自身でも考えたが正しいかどうか分からず、だったら冒険者の言うことが正しいのだろうと単純に考え即座に行動する。
具体的には仮眠をとって不寝番に備える。
「始めましょう」
アウレーリアの担当は囮の天幕の入り口だ。
「……早く来れば楽でいいのだけどね」
ショートスリーパーという有利な性質があっても、いつ襲ってくるか分からない相手に対抗するのは大変なのだ。
「みんな~」
アルマが手を振ると顔馴染みが手を振り返し、初対面の村人もアルマの胸元に木製メダルを見つけると途端に愛想が良くなる。
木製メダルは、元難民キャンプにいた村人にとって恩人の証なのだ。
「油断するなよリット。気を引き締めていかないと輸送が失敗に終わってしまうぞ!」
アルベルトもメダルをぶら下げている。
ちなみに、義弟は助けられた側でメダルを用意する側だったので持ってはいない。
「男女別ー……は無理だけどー……」
アルマはバックパックから引っ張り出した装備と借り物のテントを組み合わせて仮眠スペースを作っている。
捕獲した侵入者や怪しげな痕跡から色々引き出した情報を元に設置場所と偽装を決めているので、予め知らされていないと冒険者でも見つけ辛い。
「よければみんなも使ってねー」
村の外側から小さな騒ぎが聞こえてきても、アルマは仲間を信頼して最初に毛布に潜り込んで目を閉じた。
●
「うるぁ! ブレイブファング傭兵団のハヤト様が相手になってやんぜ!!」
軽装の賊にハヤトの連撃が1つ残らず命中する。
威力も精度も非常に高度で防御の薄いシーフでは長時間耐えることは不可能。
しかしハヤトは足を止め、目の前の勝利ではなく依頼達成という大きな勝利のために動く。
立ち止まり挑発すると見せかけて横へ向かって蹴りを放つ。
隠密したまま忍びこむつもりだった賊が1人、腹を押さえて悲鳴も出せずに倒れ込んだ。
「ガキの頃の遊びを思い出すぜ」
昔したのは安全にも配慮した遊びだが、今は命と命を左右する大金をかけた仕事だ。
攻防と移動速度と索敵手段を兼ね備えたハヤトは、1つの方角全体を担当していた。
ベルクは暴れ回るハヤトを見て目を細める。
(元気だな)
帝国の代官やその部下にいればどれほど助かるかと無意識に考えてしまう。
無論、現実では冒険者はまだ引き抜けないので今いる人間でやりくりするしかない。
(シューターはこいつだけか)
ベルクは圧倒的な速度を活かして追いつき追い越し、十分な切れ味の斬撃で仕留める。
シーフや授恵者でない野盗は行き止まりに追い込まれている。
分厚い筋肉と長い毛を兼ね備えた巨体が、比喩ではなく壁として立ち塞がっている。
「人間の血を浴びると面倒だし俺に任せてよ」
ディレインは飄々とした態度のまま、ダマスカス鋼の祭刀で思い切り殴りつける。
非授恵者は悲鳴を上げて倒れて痙攣じみて震えているがディレインは気にしない。
「その程度じゃ死にはしないよ。逃げたら治療受けられずに死ぬかもよ」
事実のみを口にするのが脅しになることもある。
一撃を浴びてもまだ戦えるシーフは、大きく迂回して天幕を目指した。
「派手な襲撃ね」
アウレーリアが作り上げた光の罠が賊の移動を妨害する。
(厳重な見せる警護で守ることで信憑性を際立たせる。これが通じない相手なら、最初から襲って来ないと思いたいわね)
魔力を小さな光弾に変えてばらまく。
1つ1つが最初から分かっているかのように賊が動く方向へ飛んで着弾し一部は貫通する。
悲鳴や命乞いを聞いても、多くのものを背負うアウレーリアは揺るがない。
「どーん!」
光の矢が賊に深く突き刺さる。
アルマの掛け声は平和的だが魔矢の威力は強力で、当然のようにバフも維持している。
「あ、あぶないー」
賊の接近に怯えて光縛封で銀毛皮を守る真似までして、賊全体の動きを見事に誘導していた。
「てめっ」
渾身の振り降ろしを防がれた賊は焦りを隠せない。
「手慣れていますね」
仮眠から目覚めた直後でもフリーダは冷静さを装えている。
(危ない危ない。啓示で起床できれば楽をできたのですが)
鍔迫り合いなどさせず白金の盾で剣を押し返し、 白金の剣の構えを独特な頻度で独特な形に変える。
エーテル光により刃が実質延長され、ほぼ同時にフリーダを中心に展開されたエーテルが光の罠とは別の形で賊の移動を封じる。
(たしか、『飛ばせて落とすは格闘遊戯でも強行動』でしたか)
振り絞るような雄叫びをあげ跳んで突破を図る者も極少数いたが光の罠は維持されたままだ。
跳び出そうとした賊もまとめて白金色の斬撃が賊を切り裂き、濃い血臭が漂った。
「ばっ、血で濡れたら売りもんに……まさかっ」
光の罠に引っかかったシーフが気付くがもう遅い。
スキルの温存というより部位切断になりかねないのを懸念したアルベルトが、手加減はせずに巨大な剣を小枝でも振るうような動作で使い賊を切り捨てていく。
「俺と闘う羽目になる奴はよォ。不運と踊っちまったんだよ……」
限られた光で照らされた漆黒装備の彼は非常に迫力があり、完全に戦意を喪失してしまう賊も現れ始める。
「首領はお前か?」
アルベルトに睨まれたウォーリアが重さだけはある剣を低速かつ滅茶苦茶に振り回す。もちろんフリーダの防御は完璧で被害は0だ。
(そういうことか)
アルベルトはシーフ2人の動きを見て、賊が複数集団いることを確信する。
彼の実力に気付き1人のシーフが逃げ出す。
スキルも使った加速は光の罠を突破するには十分で、しかし猛烈に加速したアルベルトを振り切る速度までは出せない。
「逃がさん!」
高度なスキルも使った見事な回避術は、アルベルトの千鳥雷切斬に通用せず本体ごと断ち割られるのだった。
なお、生き残りの賊はアルマが味方を治した後残ったヒールを使って生き延びはしたが、これまで犯した罪によっては残りの命は短い。
●
翌朝。
凄惨な戦場跡と化した村の中から義兄弟が死体を運び出し血の染みこんだ土の処分も行っていた。
「手加減してもよかったんじゃ」
「毛皮が傷ついたときのことを考えろ」
万一銀の毛皮の価値が下がればリットが持つ全てを差し出しても弁償できない。
アルベルトはリットが分かる言葉を選んでじっくり教えている。
「越境の際の連絡と手続きも忘れるなよ。かつての緊急時と違うのだからそなた等が抜け荷で捕まると殿下の恥なんだぞ?」
ベルクはほとんど縋るような口調だ。
リットがもう代官という立場から逃げられず、しかも大失敗すると大勢に迷惑をかけるという立場にある。
「白い方の毛皮はまだあるんだよね? この村の人が警備の手伝いしたなら、対価はあっていいよねえ」
ディレインが提案という形式で助言をする。
「リット坊」
「余ったら冒険者と分けようと思って……分かったよ」
ベルクに強く勧められ、リットは迷惑料兼報酬として白い毛皮を村に渡すことにした。
南から大型の馬車が近づいて来る。
個々の質は冒険者未満でも、集団としては油断できない質の護衛隊も一緒だ。
「リット商会? 知らないな」
「以前ここで目立っていた子供の名前を拝借したのかもな」
アウレーリアが手配した宣伝の効果はあるが元が無名なので効果はそれほど高くない。
「みんな元気だねー……」
アルマはにこにこしている。
顔馴染みの元難民達は非常に逞しく、楽しげに世間話をしながら片付けをしている。
特に女性陣は、白い毛皮の配分で非常に盛り上がっていた。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準8 / 4〜8人
2023年01月31日 23時52分07秒 公開
参加者
相談掲示板
シャドウだ。よろしく。 俺は索敵などはせず(てか出来ない) 毛皮の近くで守るようにするよ。
はいどうも。ヒーラーのディレイン・オールドケイジだ。よろしく。 一般強盗と一般盗人への対処には、リット君の昔の仲間が活躍してくれそうだね。 一般強盗のウォーリアは厳しいだろうから、リット君か俺たちでフォローしないとだけど。 銀の毛皮は天幕にある…と思わせておいて別の民家に、とかはできそうだよね。 戦闘の余波で質が落ちるなんてことは避けたいなあ。
ヒーラーのアルマだよ、どーぞよろしくねー 本命の銀毛皮が縦横4メートルの大サイズなのでたたんでマジポケIn、して 白毛皮とすり替えておいたのさ!で楽できそうな気もするー…? (おさわりで傷んじゃうようなら念動力で動かすのも手?) けど目の届かないところに貴重品預けさせてー、もハードル高そう… ということでふつーに洞察・看破・残留思念感応・モヒカンセンサーなりで 強盗さんや盗賊さん達の早期発見とか対応にまわる予定だよ
シーフのベルクだ。よろしく頼む。 まさかリット坊が国境をまたぐほどの商いに手を出すほど成長するとは(ホロリ まぁそれはそれとしてどうも説教案件があるみたいだが…(越境関連) とりあえず宗波とかで警戒を担当するつもりだ。
ウォーリアのアルベルト・V・シュタールシュヴェーアトだ。 よろしくな。 リット、大きな商売を取り扱うほどの男になったか。 義兄は嬉しいぞ。 ・・・しかし、国境侵犯になりかねない行動はどうかと思うが。 とりあえず、俺は探索系スキルが無いので、盗賊・強盗・盗人を叩き斬ることに専念かな。 可能ならば大きめの白い毛皮を「銀の毛皮」に偽装し、その近くであたかも本物を護っているように見せようかなと思っている。 皆の協力も必要だと思うからよろしく頼む。
>戦闘の余波で質が落ちるなんてことは避けたい< >本命の銀毛皮が縦横4メートルの大サイズなのでたたんでマジポケIn、して 白毛皮とすり替えておいたのさ!で楽できそうな気もするー…?< >可能ならば大きめの白い毛皮を「銀の毛皮」に偽装し、その近くであたかも本物を護っているように見せようかなと思っている。< では本物の毛皮は俺のマジポケに収納するとしよう。もちろん他に希望する人がいれば そちらにお譲りする。 毛皮は繊細なので商会の人間に手伝ってもらえば大丈夫ではないかと思う次第だ。 こうした物の扱いには慣れてるだろうし。 俺もシーフのくせに探索系はからっきしなので、アルベルト氏と共に偽物毛皮の守備につこう と思う。
偽物毛皮を置く場所は天幕の中でいいですかね。 特に返答なければ、そのようにしますね。 ディレイン氏が毛皮の入れ替えを提案 アルマ氏がマジポケ使用を提案 私がマジポケ使用という流れにしようかと。 もちろん異論があれば、おっしゃってください。
へへ……。なんかすっごく怒られそうでどきどきしてるけど挨拶だけはするぜ。 ウォーリアのリットですよろしく(小声)
リットの昔の仲間3人にも声をかけて天幕の周囲を見張らせますね。 俺個人はリットには話しかけないつもり。
キャスター、アウレーリアです。宜しく。 「これまでは畳んだり丸めたり最悪切断して運ぶしかなかった」とあるので、畳まなくて済むならそのほうが良さそう。最初からマジポケは避けた方が良いかも。 とは言え盗られるよりはマシですから、隠しておいていざという時は収納、くらいで如何? 囮から離れた、貴重品の保管場所らしくない所にあれば暫くは誤魔化せそう。 戦闘では、私は索敵には向きませんが防衛・足止めなら得意です。 人目を引くような戦い方も出来ますから、囮の方を本気で防衛するようなポーズを見せようかと。
つまり、天幕に置いておくのは偽物だけど、その天幕の守備につくシャドウくんのマジカルポケットに本物が入る、ってことかな? 商人がそのまま天幕にいれば偽物の信憑性も上がりそうだから、目の届かないところに〜っていうアルマちゃんの懸念もなんとかなりそうかねえ。 ビヒモーには天幕の裏側にいてもらうのも手かなあって思ってる。 よくわからんやつ来たら鳴くなり蹴っ飛ばすならよろしく、とか…
おっと、アウレーリアちゃんとかぶったか。 畳むと価値さがっちゃうか… リット君の仲間には、天幕固定じゃなくて村内を移動して見回りしてもらったらどうかな。
>囮から離れた、貴重品の保管場所らしくない所にあれば暫くは誤魔化せそう< となると、近くの民家かな。誰も見てないわけにはいかないから ここには俺がいるとしよう。 >リット君の仲間には、天幕固定じゃなくて村内を移動して見回りしてもらったらどうかな< わかった。では俺からそのように頼むとしよう。
>ビヒモーには天幕の裏側にいてもらうのも手かなあって思ってる。< うむ。天幕方面はお任せする。
【天幕警護】 ディレイン アルベルト アウレーリア 【索敵警戒】 アルマ ベルク 【本物見張り】 シャドウ 今んとここんな感じですかな
ちょっと間が空いちゃってごめんねー シャドウさんマジポケ持ち込みありがとー 入れちゃえれば劣化の心配なくて楽できるかと思ったけど たしかに入れようとする段階でも傷むリスクあるし甘くなかったねー… イザというときの緊急避難て形で商人さんにお話(交渉込み)いってくるね あとはー…商人さん保護で念のため光縛封持ち込みとか 残留思念感応Onで村をぶらついて警戒~な感じでプレ書きに
そういえば不寝番がいるんだったか? 各担当内で持ち回りでよさそうかね。 ビヒモーのそばで寝てみたいところだよ。
おーっす! ブレスレットファング傭兵団のハヤト=ヴォルファングだ、よろしくな!! 遅くなっちまってすまねぇな!! 俺も索敵警戒がメインだな!!