【再起】報復の刃
馬車猪
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シナリオID:2670
オープニング
重力場が獲物の移動を封じる。
兵士のふりをしていたウォーリアが駆け出し物理的に逃げ道を塞ぎ、街に潜んでいたシューターが弓を構えて現れヒーラーがエーテルをまき散らして全員を強化する。
冒険者を思わせる手際の見事さであり、獲物がどれだけ強くても確実に殺せるはずだった。
「あら」
獲物が目を細めて微笑む。
死角から飛来する矢を優雅なステップで躱し、急接近する刃は振られ始めた時点で間合いを見切って既に届かない位置にいる。
「遅かったわね」
襲撃者は無駄口を叩かない。
獲物は緑の中指を討ったと言われている。
そんな相手に油断するなどあり得ない。
暴力の象徴であったそれに対する扱いに、敬意であれ敵意であれ暴力を評価していた襲撃者の怒りが増す。
「5人……いえ7人かしら」
重力場により移動速度が激減していても足は動く。
完全に近いほど無駄を廃し、四肢と体幹を鍛えただけではたどり着けない精密な動きで特大の刃を危なげなく回避する。
「馬鹿なっ」
燃え盛る炎が獲物を覆ったように見えたのは目の錯覚だ。
炎の威力は兄弟でも術の精度は常識の範囲内。
膨大なエーテルを回避のみに使う獲物には、その程度では届かない。
「人質をとれ」
ウォーリアが乾ききった響きの声で命令する。
ここは街の中だ。
範囲攻撃は民間人を巻きこみ甚大な被害を出してしまう。
「困ったわね」
金と紫の瞳が冷笑する。
失われる命への罪悪感はなく、賊の命を己の名声と影響力に変えるための計算がある。
「お前は」
賊への返答は杭のように振るわれる細剣だ。
シーフとは思えないほど重い一撃だが重装甲の熟練ウォーリアには効きはしない。
襲撃者達はなんとか冷静さを取り戻し、しかし人質を取る前に1人減る。
聞き慣れた声の悲鳴に、糞尿のにおいまで混じった血臭。
部隊としての命綱であるヒーラーが胸と腹に矢を受け、石造りの建物に縫い止められていた。
「襲撃よ。避難しなさい!」
代官が民間人に避難を呼びかける。
単身で賊の集団に立ち向かうさまは凜々しく頼もしい。
瞳を覗き込まない限り、代官が民間人の死を前提に動いていることに気付けない。
「なんで社会の表側にいる」
どうしようもない理由で闇の底に落ちた人間達が、冒険者に何度も助けられて死の運命から逃れた少女に殺意を向けていた。
●
(撤収よっ!)
(お嬢様落ち着いて下さい。既に次の狙撃地点へ移動中です)
テレパスによる通信は騒がしい。
敵に対して見栄を張る必要もないし追い詰められているので余裕もない。
(早く冒険者呼んで来て! 死んじゃう! 回避スキルも半分残ってないわよっ)
セニャは戦闘能力が偏っているだけで特別強くはない。
総合すれば最精鋭の冒険者に少し劣るくらいだ。
手数を諦めて剣1本の戦いに切り替えたのも、そうまでして回避に特化しないと短時間で負けて殺されるからだ。
(今冒険者……ギルドの方と合流しました)
(そろそろ拙いんだけどっ、今すっごい危ない一撃かすめたんだけどっ)
死の運命は1つではない。
セニャは人生何度目になるか分からない命の危険に、必死で抵抗している最中であった。
●
「緊急の依頼です」
帝国南部の地方都市で、冒険者ギルド職員が冒険者を出迎えた。
「メドゥの指先と思われる集団が代官を襲撃中です」
表情が変わらないことで知られた職員も今は緊張を隠せない。
襲撃の標的が煽りながら戦っているのでまで建物以外に被害はないが、そろそろ標的の命が危ない。
「敵の総数はおそらく10以下。使用したスキルから高レベルだと思われます」
指には劣るが冒険者基準でもかなりの強者だ。
標的の護衛が不意打ちで1人戦闘不能に追い込んだものの他はほぼ無傷。
今は動揺しているせいか人質をとるに至ってはいない。
しかしこのままなら避難の途中の住民が戦闘に巻きこまれることも、人質にとられることもあり得る。
敵は強い。
周囲への被害を減らす戦いをするなら難易度はさらに上昇する。
「非常に困難な状況です。みなさんのお力で、より良い未来をつかみ取って下さい」
死傷者が数十人発生しても成功と看做されることを承知の上で、職員は冒険者に対して深く頭を下げるのだった。
解説
マスターより
リプレイ
同格に近い敵6人相手の戦闘だ。
回避を成功させ続けるには足の指先から頭頂まで全て酷使する必要がある。
骨も筋も神経も悲鳴をあげて、けれど死が近付くほどに精神は研ぎ澄まされていく。
賊の人生最高の一撃が、現実をねじ曲げでもしない限りどう避けても躱す軌道でセニャへ迫る。
(これは)
脳への直撃を躱すために身をよじるのが精一杯だ。
(駄目かも)
顔面から胸にかけて衝撃を受ける。
視界の外からの斬撃は勘で予測し腰を下げて躱し、遠方からの矢は剣で弾く。
これで完全に態勢が崩れ次の集中攻撃を防ぐ手段がなくなった。
「どこまでも帝国を舐め腐ってくれる汚物共が!!」
魔物じみた咆哮が遠くから響く。
セニャは本人が気付かないまま微笑み、しかし突然視界が激変したことに気付いて混乱する。
高位シーフの絶技であるプリズムシャドウだ。
「同胞に手を出して一匹たりとも生きて帰れると思うな、塒も調べ上げて根絶やしにしてくれる」
セニャと入れ替わったベルク・オスマットは、装備込みの身長で50センチは違う。
完全にセニャ1人だけを倒すための戦法をとっていた7人は、激変した標的の体格に対応しきれない。
(セニャ嬢よく生きていたな)
手持ちの全てを回避に投入しているのにぎりぎりでしか回避できないし軽いのを1発もらう。
ベルクの怒りは続き、しかし冷静な思考は絶やさない。
(聞いた話より遠くでセニャ嬢を追い詰めていた。間違いなく隠れてこっちの動きを見ているのがいるな)
回避最優先の構えでも至近を通過した術の熱さが体を蝕む。
賊が何かを言っているが無視をして、ベルクはエーテルによる反応速度上昇で先手をとった上で加速し敵の包囲を突破した。
●
(手短に伝えるわ。だいたいいつもの面子。臨機応変よ)
アウレーリア・フォン・ネーベルベルクが思考を飛ばすとセニャの見た目はそのままに気配が揺れた。
安堵と消耗の表面化と奮起が高速で行われたのだ。
「授恵者ばかりよくこんなに揃えたものねぇ」
冬の冷たい風を浴びてアウレーリアのフードが揺れる。
彼女がいるのは地方都市では高層建築といえる建物で、建物の反対側には登攀に使った母蜘蛛糸のロープがひっついている。
「これだけいれば、他になんだって出来るのにね。こんな事しかやらないから、いつまでも日が当たらないのよ」
賊が口にした戯れ言を知らないまま全否定する。
もちろん、それを口にする前には術の発動は終わっている
遠くにいる賊にエーテル波動を浴びせてその魔力を乱し、やや手前にいる別の賊とウォーリア2人を含む賊達へ無数の小火球を撃ち下ろす。
気付いた一般住民が恐慌状態になってはいるがアウレーリアが術の制御に失敗することはない。
魔法防御は高くても生命の低い賊は深手を負い、生命は高くても魔法防御が低いウォーリアは無視できない打撃を受けた。
「嫌な配置ね」
シューターによる射撃は自身が纏うエーテルの風で弾いたが、隠密系シーフによる奇襲がありそうな場面なのでアウレーリアは一旦後退した。
「うおおー、セニャさーん!」
ここまで大怪我したのを見るのはいつぶりだ、とアルマ・ヴァレンタインは現実逃避気味に考える。
しかしアルマは小柄ではあっても大ベテランの冒険者だ。
まだセニャは戦えると判断して治療ではなく援護を選択する。
元々高い回避能力が2割も向上したので、セニャは余裕をもって追撃の矢を回避できた。
(問題はセニャより住民か)
ナタリア・フィッツジェラルドは耳が良い。
無数の足音や悲鳴から状況を察し、優れた戦術眼があるので有効な選択肢を手遅れになる前に有効な手筋を複数見つけ出す。
「まだ戦えるか?」
セニャに問いかけるのと並行して治療を施すし反応速度強化も加える。
傷口が綺麗だったからか、セニャの傷は出血の後を残して綺麗に消える。
「賊を散々煽った私が、冒険者が助けにきてくれたのに前に出るのもね」
セニャは、その回答を予想していたナタリアの背を見送った。
「元気そうで何よりですわ」
セニャの足下の蓋が持ち上がる。
引きつった表情でセニャが飛び退いた直後、蓋がころりと横へ避けられ金のもこもこが現れた。
「無念ですわ」
速度に拘るバンビにとって、戦場への遅れは結構な精神的ダメージになる。
「えーっと、ええ、元気よ。そっちは大丈夫?」
枯れ草が金髪が絡まっているのが気になりセニャは集中できない。
「もちろんですわ」
胸を張った直後にはもう戦闘に参加している。
特に軽装でもないのに並外れた速さと反応強化2で戦場の誰より早く動き出し、賊の構えから意図を予測し攻撃に向いた場所へ飛び込む。
「敵味方の間合いを考えて戦えるのは強者の条件ですわね」
賊は個としても集団としても強く、対セニャの戦いから対冒険者集団への戦いに切り替え終えている。
が、バンビに先手をとられ動きを読まれると苦しい。
バンビは十分以上の威力の光弾を大量にばらまいては移動し、無視するには被害が大きく追撃するには追い辛い存在であり続ける。
(後衛を狙い辛い位置へ置いているのはさすが……ですわ)
光弾が賊前衛を貫通するたびに、賊達の継戦能力は急激に失われていった。
●
「んー、よし、だいじょうぶ。セニャさん生命力強いから傷跡も残らないよ」
火炎の魔術や光る矢をひょいひょい躱しながら言うのはアルマである。
おのれぇ、と血を吐くように賊の長が叫んでいるのは、奇跡的な偶然でセニャ相手に成功したシーザーロアをアルマがあっさり治療したからだ。
「不摂生とかだめだよ? 回復力落ちるし」
「助かったわ。あなたは変わらないわね」
セニャは羨望に似たものを紫と金の瞳に浮かべる。
なお、変わらない身長とは逆に治療能力と戦闘能力は最初に出会ったときと比べると超人じみている。
実力と適性を兼ね備えたアルマだからセニャの傷を完全に治せるし、炎や矢のお返しに飛ばす魔矢の強さもアルマの魔力あってのものだ。
素敵な恋も経験しているので、どうにも血生臭さが抜けないセニャより淑女でもある。
「そっかなー」
アルマが妖艶なつもりのポーズをとっても可愛らしさが強調されるばかりで、逃げ場所を見つけられず怯えていた住民がくすりと笑ってしまう。
「部下さん煙幕とか持ってるー? それじゃそんな感じで」
殺傷力のない爆発が生じて賊の目から住民を隠す。
「ここはボクたちにまかせて先に行ってー」
アルマが朗らかな態度を維持することで、住民は落ち着いて逃げることができた。
●
貴族子女として教養で成り上がったのがセニャなら、冒険者としてで成り上がったのがフリーダ=ブロムヴィストだ。
白くきらめく剣と盾を極自然に使いこなし、強力な炎も鋭い斬撃も躱さず防いでほとんど傷を受けない。
膨大な生命力が8割方維持されているのが誰の目にも明らかだ。
「『なんで社会の表側にいる』と言われてもお前らが裏側にいるだけなんだよなぁ」
防御だけでなく攻撃と索敵にも意識を割り振っていたせいか、啓示の内容がぽろりと口から漏れた。
「なっ」
何故知っているとか、何故そんなことを言うとか、賊達は何かを言っていたがフリーダは特に意識を向けない。
パラッシュを独特な軌道で振り回す。
剣がまとう巨大な光塊には剣が持つ威力がそのまま反映されて、直径約15メートルの範囲に凶悪な破壊をまきちらす。
装甲の厚い賊でも無傷では済まず、装甲の薄い賊はもう気絶しそうなほどに重傷だ。
「農村、うまれか?」
「よく分かりましたね」
フリーダは接敵の際に使う機会のなかった閃光塗弾を賊へ向けて投げる。
それの正体を知る賊達は目を逸らして直視を避ける。その動きを強いることもフリーダの目的だ。
賊の後衛を狙い駆け出すと、賊前衛は1人では止めきれないと判断し向きを変えてフリーダへ向かった。
噴き上がる殺意が金の髪を揺らす。
アルベルト・V・シュタールシュヴェーアトの瞳は青というより闇の底じみていて、賊達がこれまで奪った命が手招きしているようにも見えた。
「俺の妻の命を狙ったんだ。生まれたことを後悔するような最期を迎える覚悟はできているんだろうな!」
その妻婚約者がここにいたら「まだ婚約者だし安心して産み育てる環境がないとやれないでしょ」と真顔でツッコミを入れるだろう台詞を叫びながら両手剣を片手で掲げて突進する。
フリーダほどの頑丈さはないが炎でも剣でもアルベルトの怒りは消せないし歩みも止められない。
危険を承知で攻撃に集中した構えから、援護魔法で強化された斬撃が超高速で繰り出される。
純粋に速く重く正確な一撃への対処方法は限られる。
物理攻撃を無効にする術か圧倒的な回避か防御が必要で、賊達はそのどちらも持っていない。
使い込まれた剣と盾が弾かれ、無防備な胸甲が砂糖菓子かなにかのように砕かれ、賊の胸から鮮血が噴き出した。
「まだだっ」
エーテルを運用して敵の攻撃に混じった重い一撃を防ぐ。
フリーダの守りの強さに気付いた賊が攻撃をアルベルトに集中してきたのでそろそろ危険だった。
●
(毎回毎回リーラントさんは危なっかしいです。こちらの身にもなってもらいたいです)
リディリディ・トゥラ・イェレミースは物理的にはひ弱な体を酷使し細い通りを走る。
(とはいえ、今回はあのゴブリンロード絡みなので、冒険者側が責を持つのが妥当なのかもしれませんが。代官になったと思えば疲労、心労、今は命の一大事と……)
ふぅ、と物憂げにため息をつくと、知性あふれる神秘的美形エルフにも見える。
(あまり心配をかけさせないで下さい)
(ねえいつまで続くのよ受信に時間は必要ないけど頭は使うのよっ)
いつの間にかテレパスで送信してしまっていたようだ。
こちらの状況が詳しく伝わったので利益はあっても損はない。
なお、一瞬目があったとき睨んできたセニャは涙目だった。
ベルクの合図に気付いて作戦を微修正。
リディリディは自身を中心に無数の小さな光を呼び出す。
アーケインテンペスト3つ分の足止め空間であり、壮麗な光景に6人の賊が反応を見せる。
(別の場所から殺気が?)
エルフ耳が垂れたリディリディがそそくさと退避する。隠密による不意打ちは脅威なのだ。
「シューターを狙いたかったのですが」
膨大な魔力を見事な技術で操りエーテル製の矢を作り出す。
それは高密度であるのに大きくて槍のようだ。
リディリディが杖で指し示すと、アルベルトに切り倒された賊の背中を貫き石畳に縫い止め戦闘不能へ追い込む。
(強いウォーリアはこの程度では死にませんから)
敵がヒーラーを隠していたら復活しかねないのでこの程度は当然だ。
リディリディは次の矢を生き残りの賊に準備しようとして、援護しようと近付く賊に気付いて術を切り替える。
タイミング良くナタリアの支援が届く。
直後にリディリディが放った術は、通常でも強力な魔力が深い集中と支援により強化されてセニャなら無傷から気絶かそれ以上が確実の威力を持つに至る。
重なりあう無色の衝撃波が、賊達だけを瀕死の重傷にした。
「気を抜くな。人1人殺すだけなら人数は必要ない」
敵の前衛が全滅してもナタリアは冷静だ。
常に意識していたセニャに殺気が飛ぶのを感じた瞬間スケープセイントを実行。
格の割に脆いセニャなら万一があった威力がナタリアの体を襲い心身を苛む。
「ごめんなさい」
「今は戦いに集中しろ」
ナタリアが構える大鎌の刃紋が複雑な色彩で光を放つ。
痛みが急速に消えて呼吸が楽になり、再度癒やしの力を使ってから再びスケープセイントの準備を完了する。
これでもう、少なくともこの戦場ではセニャは死なないはずだ。
(巻き込まれた負傷者……ではなく賊か)
アルマによるバフが消えるタイミングで同じバフをかけ直していると、矢が突き刺さり意識が朦朧とした授恵者を見つける。
気配が強いのでおそらく熟練者、装備からヒーラーと推測できる。
(これでよし)
ヒーラーのスキル1つで戦況が激変しかねないことを知るナタリアは、確実に戦闘参加できなくする一撃を与えるのだった。
「やはりいたわね」
セニャの部下に指示を飛ばす途中で通信が途切れたことに気付き、アウレーリアは覚悟を決めて敵の生き残りへ向かって走る。
強力な矢による狙撃でエーテルの風が消えていくが、今はそれより賊の奇襲が怖い。
「言っては何だが、代えが利かんでもない一介の民と代えが利かん代官では、どっちを優先するかは自明の理だな」
ベルクは意図して露悪的な態度をとる。
宗波の範囲に敵呼び寄せる挑発であるし人質を取っても無駄と思わせる策でもある。
「なんとかもちましたか」
フリーダの体から守りの一部が消える。
白金のラウンドシールドで矢を完全に防いでも衝撃が残り、体の芯に痛みが生じる。
だがこの程度なら1分でも耐えられるし1分もあればヒーラーからヒールが飛んで来て回復する。
敗北を悟った賊が逃げる。
「追いつけますかね?」
最も前に立ち凄まじい攻撃を耐え抜いた後でもフリーダの体力は残っているが敵は速い。
「早打ちなら負けませんわよ」
バンビの移動速度は平均すれば速くはなく、けれど見て判断して動き出すまでが非常に早い。
弓と矢を捨て逃げ出す賊は、捨てるという時間の無駄をしてしまったせいでバンビに追いつかれた。
勝負は一瞬。
バンビは頭上と足の下から引き抜くようにしてエーテルを集め、洗練された光の矢の形で賊へ撃ち込む。
既に大小複数の傷を負っていた賊の太股を抉る。
「隠密を逃がしてしまったかも」
アウレーリアは賊に炎を浴びせて気絶に追い込み、抵抗する者のいなくなった戦場を鋭い瞳で見つめていた。
●
「セニャ無事か!」
アルベルトは戦闘が終わった直後に顔色を変える。
妻が負傷する光景は自身が重傷を負うよりも精神的に辛い。
「無事よ。心配しないで。……傷がついてももらってくれるのでしょう?」
紫の瞳にどろりと粘ついた光が宿っているのは、気のせいかもしれない。
ベルクは自決を封じたロープぐるぐる巻きの賊から手を離す。
残留思念は相手が死んでいないときでも読み取れるので、尋問対象に言うつもりがなりことまで読み取り情報を抜くことができる。
「やはりもう1人いたか」
敵の数は8人。
1人はセニャの部下に矢を撃ち込まれナタリアが止めを刺したヒーラー。
6人が冒険者が倒した授恵者で、残る1人は戦闘ではなく隠密と偵察に特化したシーフ。
(街に潜んで情報収集をする馬鹿なら楽じゃがな)
ベルクは騒ぎに気付いて集まって来た帝国軍と連携して捜索するつもりだが、見つからないことを半ば確信していた。
避難途中に怪我人は発生したがそれ以外の被害はなく、賊を倒した者達の名が少し広まった。
マスターコメント
ショートシナリオ難しい 報酬:標準8 / 4〜8人
2022年12月20日 10時36分24秒 公開
参加者
相談掲示板
No.1
キャスターのリディリディです。 よろしくお願いします。 リーラントさんは会うたびに命の危険にあっていますが、また厄介なことになっていますね。 前回のゴブリンが原因ということなので、今回はとばっちりのようですが・・・。 目的は敵勢の撃破・捕縛とありますが、ギルド職員の口ぶりからリーラントさんの救出も含まれると思います。 その敵勢の構成は前衛、後衛にバランスよく揃っていていずれも手練れということです。 具体的な作戦ではありませんが、住人への被害も防ぐ必要がありそうですし、足止めが必要そうですね・・・。 帝国軍が着いたら住民の避難を手伝ってもらうというのも手ですけど。
ヒーラーのナタリア・フィッツジェラルドだ。宜しく。 敵の授恵者のリーダーがキャップ帯かそこに差し掛かるか、後の取り巻きの熟練授恵者は大体Lv35~40と仮定して宜しいかな? それはそれとして、具体的な行動指針はまだ固まっていない所だが強敵撃破にインフィニティロアで1枠使うとして。 もう1枠のうち、候補は授恵者の捕縛だとかリーラント卿の暫しの身の安全を保障するなら光縛封を。 或いは敵からの、彼女への攻撃に備えてスケープセイントの持参を考えている所だ。
ウォーリアのアルベルト・V・シュタールシュヴェーアトだ。 よろしくな。 今回俺は、チャージングを使ってセニャの所に急ぐつもりだ。 セニャの前に立ってセニャに攻撃する連中と闘う予定だぜ。 セニャの撤退の時間稼ぎができれば良いんだが・・・
ウォーリアのフリーダです。よろしくお願いします。 セニャ様を普通に逃がすのは良いとは思いますが、まだ現時点で敵側のシーフが見つかっていない点も考慮すると、 最悪セニャ様を逃した先で回り込まれてセニャ様を暗殺される、 または移動を妨害されている間に追いついてきたシューターが……と言った自体は十分有り得そうです。 ですので撤退の際にはセニャ様に少なくとも1名は付いていた方が安定する気がします。 戦闘面では邪魔な前衛を如何に排除しつつ後衛を叩くかが課題ですね。 特に前衛はウォーリア3人で注視スキルと防御上昇スキル持ちの様ですから、物理で押し通るのは骨が折れそうです。 魔法で一網打尽にするにしても、戦場にまだ民間人がいるようですから識別不能攻撃を使えば大変なことになるでしょう。 何とか前線をこじ開けて後衛を狙える様な作戦を考えないといけませんね。
キャスター、アウレーリアです。宜しく。 そうですね、撤退時の護衛は私も必要だと思います。 そうすると一人、主戦闘要員が一人減りますね。護衛がシーフに当たれるとは限りませんし。 敵の戦力は人数的にも能力的にも此方とほぼ拮抗しているので、先に一人二人落としてから。 それまでは少しの間、耐えていてもらいましょうか……。 識別範囲魔法はありますが、ウォーリアと言えど一撃で掃討出来ることは無いでしょうね。 此方のキャスターも三人いますから、範囲攻撃を連打するか、魔弾等の単体高火力スキルで一人ずつ撃破していくか。選びようはありますが、対処は可能でしょう。 寧ろ、敵キャスターが気にせず無識別範囲魔法を放ってこないかが気になります。 火力もありますからあまり長生きさせたくはないですね……。 そして、シューターが結構な脅威になりそうな雰囲気。 実際にかなり強いとありますし、セニャ集中狙いでそのうち狙撃が刺さる可能性も高い。 此方の遠距離戦力がキャスターなので射程差もありますし、上述のような前衛対応に全員が集中してしまうと対応出来なくなってしまいます。 ので、一人はシューター対応、少なくとも狙撃妨害の牽制が必要になるかな、というところです。
【背後からの連絡】 俺の背後がインフルエンザに罹ってしまいました。 一応、最低限の仮のプレイングは出してありますが回復具合にもよるが下手するとそのまま提出って事になりかねません。 何とか頑張ってみますが駄目な場合は申し訳ありません。 参考までに仮プレイングを貼るので指摘事項が有ったら遠慮なく書き込んで下さい。 仮プレイング ※アドリブ歓迎 ・心境及び目的 セニャの命を狙うメドゥの指先構成員を全員討ち取ってみせるぜ! セニャの命を狙う連中は絶対許さない! 待っていてくれセニャ! ・台詞 「セニャ!大丈夫か!?」 「俺の妻の命を狙ったんだ。生まれたことを後悔するような最期を迎える覚悟はできているんだろうな!」 「無理をするな、早く撤退するんだ。セニャ。ここは俺が防ぐ!!」 「ゴブーナに重傷を負わせたのはこの俺だ!狙うなら俺にしやがれ!!」 ・全体的な行動(数字の順に行動する予定) 1:セニャに『チャージング』で近づく 2:セニャの前に立ちセニャの盾になるように闘う。セニャに攻撃している敵を優先して攻撃する 3:可能な限りセニャへの攻撃は自分が受ける 4:セニャが撤退できるように時間を稼ぐ 5:セニャが撤退したら、敵を殲滅する ・戦闘での行動 敵に対しては最初は『千鳥雷切斬』を使用、その後『鋭撃3』を使用 攻撃を受けたら『重点硬化3』を使用 敵に近づくときは『チャージング』を使用 仲間との連携を重視 仲間の攻撃魔法に巻き込まれないように気を付ける ・その他 戦闘後、セニャに怪我がないか確認する。
シーフのベルクだ、よろしく頼む。 とりあえずセニャ殿の保護を最優先としてプリズムシャドウを持って行っていざとなったら入れ替えにより守ろうと思う。 後は宗波で隠れている相手の炙り出しになるか?
シュタールシュヴェーアトの背後殿はお大事に。 別ベクトルの流行り病ともなれば、それもまた天災といえるのだから。 形はどうあれ、復帰を心待ちにする次第だ。 さて、リアの懸念材料と言える腕利きのシューターだが。 成程、私の仮説を踏まえると曲射・極の習得圏内も想像される。 光縛封でリーラント卿の身の安全を確保する案だが、曲射に出られるとがら空きの真上から狙い撃ちされかねん上に、結界の分だけカバリングの妨害にもなりかねない。 なのでそれを取り下げてスケープセイントでの身代わりに切り替え、シュタールシュヴェーアトとは違う形でフォローを行いたい。 この辺りは、必要に応じて彼女の持ち味たる回避の補強として、お守りがてら輝足4も考えている。 あとはキャスターの高火力攻撃連打による殲滅を踏まえれば、インフィニティロアとはまた別に輝刃4での後押しをしておこう。
ヒーラーのアルマだよ、どーぞよろしくねー まずはアルベルトさんお大事にだよー 各クラスとり揃えて(ヒーラーさんのびてるけど)のお礼参りとはビックリだね セニャさんの撤退援護に民間人さん達の避難も考えないとだけど 撤退と避難の方向が被らなければある程度なんとかなるー…といいなあ まずは合流しないとだけど距離もそこそこあって建物や人波が邪魔になりそうだし ジョセフさん誘拐事件のときみたく蜘蛛糸で屋根伝いでもいこうかなあ 何人かセニャさんについてもらえるみたいだしボクは指先構成員の対応にまわるね 敵シーフさん対応は専門さんにおまかせとしてー… 敵ウォリアーさん達は重武装で足も遅そうだし アーケイン範囲に入れてしまえば蚊帳の外においておけそうな感じ? まずセニャさんに命中判定を通せるかがあやしいけど シーザーロアで執着ついちゃうと撤退に移れないし解呪の類はもっていこうかなと 敵キャスターさん達は火力特化で痛そうだし早めに沈めるのに賛成 火力(魔攻)が高いとエーテルバリア持ってたらカチカチそうだけど ラウンド一回?だし集中砲火なら問題はなさそうかなあ 敵シューターさんも足が速くて射程も当然長いしでなかなか手強いねー いけるなら路地伝いに退がるとか傷んだ建物を崩して遮蔽にしてみるとか セニャさん部下のシューターさんが攻撃特化でセットしてるか分からないけど 煙幕たいてもらうとかで射線を通さないようにしてみるとかー…?
No.10
出発がもうすぐとなってしまいましたね。 間が空き申し訳ありません。 それでは私は早めにアーケインストリームで広範囲に足止めを行っておきますね。 その前にリーラントさんとの距離がありますので、最初は移動することとなるでしょうが。 あと・・・、アーケインストリームは足止めのオブジェクトを3つ配置できますが、足止めについての能力はそれほど高くありません。 敵シーフなどにはなんなく突破される可能性があります。 それから敵や避難住民などに気が付いたら、後方からテレパスを使って伝えますね。 といっても、私は特別目が良い(超視覚など)ではありませんが。
俺は、セニャ様を守りつつの選択範囲で敵の抑えに入りますわね。
それではこちらは前衛として行動します。 基本的には敵前衛を抑える役目を担う予定です。 スキルについては範囲攻撃対策のアイアンヴェールを取るか、 前線突破用にドラゴンチャリオットを使うかはまだ決めきれていません。 シーザーロアでシューターを釣るのもありかもしれませんが、 射程的に届くかちょっと微妙ですし。