エドゥノーグダンジョンと温蝸牛
椿油
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シナリオID:2655
オープニング
――エドゥノーグダンジョンにて、複数の行方不明者が確認された。
ある者は蝸牛を見たといい、ある者はその蝸牛に仲間が吸い込まれていったという。
「何なんだ、あの蝸牛は――!!」
そう憤慨した者達はダンジョンに突入して……帰ってこなかった。恐らくだが、吸い込まれたのだろうと思われる。その吸い込みがどのような物か、確認するにも……出没地点に行く事すら危ぶまれた。
●ドワーフ王国の辺境都市群近くにあるギルドでは
「って、凄い強そうな魔獣出てませんかコレ……!?」
受付嬢のリル=ウェンシーが報告を聞いてぷるぷると震えていた。リルはギルドの立地を強みにしてエドゥノーグダンジョンの依頼をしょっちゅう持ってくるのだが、これは流石にヤバそうだと勘が訴えていた。
「種類にもよるけど、食べられるのよね蝸牛って」
先輩受付嬢であり熱心なドゥジン信仰者であるガンマ・オータックが蝸牛を擬人化した絵を描きながら呟いた。
「食べられるんですか!?」
リルの口から「ひぇ~」と音が出た。
「で、でも……これだけ被害を出しているなら、退治すべきですよねっ!」
依頼書を張り出したリル。だが、後に報告書で知る事となる。その蝸牛は吸い込むだけではない、魔性の蝸牛である事を――。
解説
マスターより
リプレイ
ラティア・ミゼリアは冷えるエドゥノーグダンジョン入口付近で呟いた。
「人間を吸い込む蝸牛というのは恐ろしい話ですね。これ以上の被害が出る前に仕留めましょう」
フリーダ=ブロムヴィストも寒い中、意気込んでダンジョンへ向かう姿勢を見せる。
「気の抜けそうな名前だが、被害が出てるんなら油断はできねぇか……」
ルイドはその温蝸牛という名前で侮ってはいけないと、白い息を出しながら思っていた。
「殻は素材になるんかな?」
サイラスは上手く剥ぎ取る方法を考えていた。
「ともかく、マイナーな相手に負ける訳にはいけません。頑張りましょう」
フリーダは早速現場へと向かう。
「バケモノに取り込まれるのは趣味じゃないんですけどー?」
バルバラ・アンネリース・フォン・アルトホーフェンは軽く叫びながら上層へと向かう仲間達についていった。
「明かりつけましょうか……」
ミゼリア・L・ステュクスが《夜煌石の首飾り》を光らせる。
●上層の例の現場
――何故だか、既に若干暖かい。抵抗した者達が捕らわれた際に出た熱気だろうか。
「あっ、居た!」
バルバラが早速コタツムリの一匹を見つける。すると、数匹群れてこちらを向いてきた。
『コタ』
『コタコタ』
「っ、こいつら鳴くのか……!?」
ルイドはそのあまりにも可愛い鳴き声に驚いていた。
『コタァ』
得物を見つけたとばかりにコタツムリは冒険者達に近づいていく。戦闘だ。
(早く帰ってふわふわもこもこのうさぎさんと遊びたいけれど)
ラティアは距離を取りつつ、柔らかい身の部分に《鋭射》を放った。
『ゴッ』
痛そうに悶えているコタツムリ。結構堪えたのか、ふにゃふにゃと顔を動かしている。
「やはり身の方が効くようですね」
フリーダは《毒撃4》を手前に居た悶えるコタツムリに当てに行き、コタツムリは「ピィ」と鳴いた。
「身が狭くて叩きづらいな」
ルイドも身を狙うが、殻にも当たる。弱点に特攻するのは難しいだろうか。
「むしろ吸い込まれた方が叩きやすいんじゃ?」
サイラスはそう言って接敵し《闘気槌4》を周囲のコタツムリ含め、ぶつけていく。
『コタァ……!』
『コタコタ!!』
ゆっくりと近づくコタツムリ、そして早速標的にされて吸い込まれたサイラス。中はとってもぬくぬくしていた。
「あ、こりゃ確かに気持ちいい温度してるな……」
「ひえっ、本当に取り込んだ……! 出せコノヤロー!」
バルバラは《解呪2》をサイラスへと放つ。移動阻害は解除される……が、むしろ中から狙おうとしているサイラス。出ない。
「……どうです?」
ミゼリアがサイラスに問う。
「気持ちいい。むしろ中に入って闘気槌やった方がいいぞ」
成程、と頷きながらひとまずヘイトを得る為に、《闘気槌2》を一番弱っているコタツムリに放つ。仲間達が皆強いおかげか、サイラスを取り込んでいない1匹は殻をパージしながらナメクジのようにとろけていった。
●なすがままに飲まれよう!
「とりあえず、身を狙えるだけ狙ってみます」
ラティアは引き続き《鋭射》で身を狙う。
『ゴダッ』
またもコタツムリの鈍い声がした。心なしか怒っているように見える。
「意外と身の面積が大きいので難なく当てられそうです」
フリーダは《衝撃刃4》を放ち、なるべくコタツムリ達に満遍なくダメージを与えていく。
「早めに残りの7匹倒すぞ!」
ルイドは《メテオライト4》を、のそのそ近づいてくるコタツムリに当てていく。
『ピギィ!』
『ゴダァ!』
『ツム……ツム……!』
鳴き声が豊富なコタツムリ達は、前衛のフリーダとルイド及び仲間をとろけさせたミゼリアを吸い込んでやろうと見ている。
「さて、試してみるか」
サイラスがコタツムリの中で《闘気槌4》を叩きつける。鈍い音がした。
『ゴギャッ!!』
最早コタの欠片もない鳴き声で、コアと殻を残してとろけた、サイラスを吸い込んだコタツムリ。
「よしよし、いけるな。素材も残ったし」
嬉しそうに素材を見つめるサイラス。
そしてバルバラがフリーダに《輝刃3》をかけた直後、フリーダとルイド、そしてミゼリアは3匹のコタツムリに吸い込まれる。
「うわっ3匹同時に……!」
バルバラは慌てるが、今かけた輝刃の効果でフリーダが中から壊して出るのは容易いはずだ。それに、フリーダは抵抗力も高めてきている。移動阻害に抵抗しつつ、中でぬくぬくしているフリーダと……ルイドは満更でも無かった。
「具合は悪くねぇな……そういやエールと干し肉あったな、あれやってからでも……いや、まぁ、出るか、出るわ」
危ない、思わず中で溶かされる所だった。本当に溶かされるのかは定かではないが。
「……倒しますね」
もぞもぞと動くヒダ、コタツムリの中からミゼリアの声が聞こえる。ミゼリアの容赦ない《闘気槌2》で、内側からとろけたコタツムリだった。残り6匹だ。
●とろけるが先か溶かされるが先か
「どんどんこっちに来ますね……」
ラティアは自身に接近するコタツムリを避けつつ、《鋭射》を放つ。今までの闘気槌で受けた余波もあったか、この攻撃で1匹やられた。
「温かいですね、でもとりあえず出ましょう」
フリーダは抵抗していたので、自力でぬくぬくから脱出して《衝撃刃4》を自分を吸い込んだコタツムリの身に放つ。そしてピギャアと声をあげてとろけていった。残り4匹だ。
「よし、出るか……」
充分ぬくぬくしたルイドはゆっくりと出て来る。そして、《魔弾》を己を吸い込んだコタツムリに放った。今までのダメージの結果、とろけるコタツムリ。
「じゃあ一気に攻めるぞー」
サイラスが《闘気槌4》を勢いよく当てた途端、コタツムリ達の堪忍袋の緒が切れたようだ。
『コダッ!!』
『ゴタッ!!』
『ゴダァッ!!』
何と、全部が一気にウォームコアを露出して熱波を出して来た。
「あっ……あっつい!! でも今でしょ!!」
これはコタツムリの背水の陣と見たバルバラは《レゾナンス・オブ・ヴァロー》の声を周囲へと届けていく。
「殻ごと壊しましょう……このままではやられます」
ミゼリアは《ペインキル》で熱さの痛みに耐えながら《闘気槌2》を放っていく。1匹がとろけた。そして蒸発した。
「ですね、あ、熱すぎます……」
ラティアも《ハーツベインショット》でダメージを蓄積させていく。
「殻も充分集まったようですし」
フリーダは《衝撃刃4》を当て、1匹をとろけさせる。
「あっついな……! 喰らえ!」
ルイドの《魔弾》で、フィニッシュだ。
●熱気の凄いダンジョン探索
「ふぅ、お疲れ様でした……行方不明者探しますか?」
フリーダの啓示が恐らく生きているだろうと言っている。
「そうだな、っていうかこれに似たような暖房器具ってあんのかね? ないならこれ参考にそのうち作ってもらえねぇかな」
ルイドは《マジカルポケット》にコの字の殻をしまいつつ、ウォームコアだったものを見つめる。
「これ、机に出来るな。ウォームコアが生きてるなら充分使えるし」
サイラスも再利用の事を考えていた。というより最初からそれが狙いだったのかもしれない。
「殻はギルドに寄贈しま――あ、居ました。生存者です」
ミゼリアが見つけたのは気持ちよさそうな顔で倒れている生存者達。
「あぁ……あったけぇ……」
「何かさっきより温度上がったな……冷えて来たから助かる~」
「はぁ……極楽……」
コタツムリ達が死んだ仲間の1匹のウォームコアを利用して、ずっとこうやって人間を保管していたらしい。溶かされていないようで何よりだった。
「ウォームコア単体で暖かい……って事は、暖房に出来るな」
ルイドとサイラスが見つめ合った。
――その後、探索支援ギルドに寄贈したうちのいくつかを暖房にしようという事を受付嬢達に話し、「頑張ってみます」との事で話は通った。まずウォームコアをどうやって起動させるかだが、色々試した結果、強く叩くと暖かさが増してくる事が分かったので、振り子を発生させるような装置を探索支援ギルドがエドゥノーグ商人ギルドやエドゥノーグ職人組合と協力するという形で請け負う事になった。
なお、生存者達はしばらくほくほくした顔だったが、地上に戻った途端に地獄のような寒さを迎えて正気に戻ったのはここだけの秘密である。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準6 / 4〜8人
2022年12月18日 17時37分22秒 公開
相談掲示板
まだ出発確定はしてませんが、ひとまず挨拶だけでも…… シューターのラティア・ミゼリアです、よろしくお願いします……
おハロー、ヒーラーのバルバラ・アンネリース・フォン・アルトホーフェン。よろ~。 とりあえずこっちからは殴り合いしながら、BSに対して解呪でフォローしとくつもり。
ウォーリア、ルイド。良しなに。 吸い込みの範囲が分からねぇんで様子見しつつだが、一旦距離取って攻撃してみる予定。 守り堅そうなら魔錆なりで支援もしようかと。 身は食用になる可能性もあんのかね。どっちかっつーと個人的にゃ殻の方が気になるが。 そっちを壊さず残せねぇか、試せそうなら試してみたいとこ。
ウォーリアの、ミゼリアです。よろしく、おねがいします……。 うごきとしては、タンク型を考えていますが…… 敵のおもなメインアクションが、吸い込みのようなので…… あまりお役にたてないかもと、おもいつつ…… こちらからの、攻撃も、がんばってみるつもり……です。 HPの8割が、殻なら…… 殻をねらわずに、生身の方だけ攻撃してみるのは、良い手かも、しれません……ね。
ひとまず身を狙うのでしたら、的が小さくなる分、攻撃の命中精度には気を付けないといけませんね……蝸牛に機敏な動きができるとも思えないので、あまり気にすることもないかもしれませんが…… 身を外に出さず、殻に籠ったりされてしまうと困るかも……?
籠られるとそうだな、引っ張り出せなきゃ割るしかねぇな……。 試させてもらえるなら、とりあえず初め1、2匹にやってみて、 どうにも戦い難かったり最終的に割らないと倒せねぇなら見切りを付ける、とかならあんま負担にならないで済むかね? どうあれ今回は支援に寄せて準備してみるわ。 念入れて回避低下の魔糸と……自他の脱出補助用に母蜘蛛糸のロープあたりも持っとくな。
No.7
サイラスだ、ギリギリだがよろしくなー とりあえず救助要りそうならバーバリアンデスチェーン持ち込もか。後は1回目なら移動阻害だしそのまま中でぶん殴り壊そうかと。