【怨都】指先、屍餓鬼、吸血鬼
革酎
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シナリオID:2541
オープニング
シルトラース帝国南部鎮守都市ヴィントから西側でも、二年前の絶望的な崩壊を生き延びた多くの難民が徐々に帰還し始めている。
ところがここ最近、妙な事件が囁かれる様になった。
漸く住民が帰り着き、復興が進み始めたヴィント西部地域の様々な場所で、決して少なくない数の地元住民が行方不明となる事件が頻発しているというのである。
ある場所では吸血鬼の群れが人里を襲ったといい、また別の場所では帝国過激派と思しき軍勢が集団拉致という暴挙に出ているとも噂されている。
流石にこれは捨て置けぬと、ヴィントの冒険者ギルドには当地の調査や行方不明者の捜索といった依頼が舞い込み始めた。
そして同時に、リーンエス王国からも調査の人員が派遣される運びとなり、その調査への協力依頼も冒険者ギルドに寄せられていた。
ドワーフのディーグ・ディオロンは、それらの依頼を受けた冒険者のひとりである。
「テルゾフ集落群の、ある集落の住民の一部がひと晩で同時に行方不明か。こりゃ確かに、何かある」
ディーグが今回受け持ったのは、テルゾフと呼ばれる集落群に於ける住民消失の調査依頼だった。同集落群はヴィントから西へ徒歩で三日程進んだ辺りの、辺鄙な丘陵地帯の一角にある。
これといった特徴の無い集落群で、立地的にも要衝という程の重要性は無い。
なのに何故、こんなところで住民蒸発事件が生じるというのだろう。
そういえば先日リーンエス王国の王都グランスパーダを賑わした法衣貴族二コラ・ゴルティエ元侯爵が、ヴィントの西へ逃げ込んだという噂も聞いている。もしかすると、何か関係があるのだろうか。
(確かあの事件、メドゥの指先も関わっていたんだったな……ますます臭い)
ディーグは同じく依頼を受けた他の冒険者と共に、移動用の馬と馬車を借りてヴィントを出立した。
テルゾフで何が待ち受けているのかは分からないが、きっとろくなことじゃない。
単なる調査事案だと舐めてかかると、痛い目に遭うかも知れないと警戒しつつ、ディーグは一路テルゾフを目指した。
●吸血鬼とテロリスト
テルゾフ集落群は、厳戒態勢に入っていた。
一部の集落で住民数名が同時に行方不明となった。その際、別の集落が奇妙な集団を目撃している。吸血鬼、或いはメドゥの指先と思しき怪人がアンデッドの群れを率いて、同集落から去ろうとしていたらしい。
そんな話を聞いて、警戒しない方が寧ろおかしい。
物々しい雰囲気に包まれつつあるテルゾフ集落群を、メドゥの指先幹部『青の中指』ジルベルは月が天にかかろうかという夜の闇の中で、低い岩山の頂き付近からのんびりと眺めていた。
傍らにはふたりの吸血鬼――バントルという名の中年男性姿の吸血鬼と、カフライという年若い青年姿の吸血鬼の両名が静かに佇んでいる。
「で、どうすんだい? まだ続ける?」
ジルベルからの問いかけに、バントルは黙然と凶悪な視線を返すのみだが、カフライは当然だと二本の鋭い犬歯を覗かせて不気味に笑った。
「我が親愛なる父君の為に、もっと兄弟を増やさねばならん」
「……ふぅん、そうかい。じゃあ俺も付き合うけど……あいつも大変だなぁ。あんまり子だくさんになると、自分だって結構キツいだろうに」
小さく肩を竦めてから、ジルベルは左手の指先をパチンと鳴らした。すると、そこかしこの岩場の陰からふたりの吸血鬼よりも更に不気味な影がわらわらと這い出してきた。
病的に青白い肌はほぼ全裸で、褌だけを腰回りに身に着けている死者の群れ。
シャルガネ居住区を飛び出した暗殺組織『天陽道』の反魂法師と呼ばれる死霊術師が生み出したアンデッドの一種『屍餓鬼』共である。
姿を現した屍餓鬼は全部で15体。いずれもジルベルの命令に従う様に調整されているらしい。使い捨ての駒だから失われても損失にはならないが、居れば居たでそれなりに便利な屍兵だった。
尤も、ジルベル自身は死霊術師でも反魂法師でもない為、屍餓鬼共に与えられる命令はごく簡単なものに限られているのだが。
「いっとくけど、俺は前に出ねぇからな。抵抗があったら、お前さん達で何とかしてくれ」
それだけいい置いてから、ジルベルは軽い身のこなしで岩山を降りていった。
バントルとカフライもジルベルに続いて下界へと降り立ってゆく。冒険者ギルドが動いていることは既に情報として伝わっていたが、相手が例え授恵者であろうとも、決して退くつもりは無かった。
解説
マスターより
リプレイ
シルトラース帝国南部鎮守都市ヴィントの西方に位置するテルゾフ集落群。
小高い丘と岩山ばかりが連なる貧相な農業集落群のすぐ近くで、乾いた爆音が鳴り響いた。
リディリディ・トゥラ・イェレミースが空間の一点にエーテルの巨大な波動を炸裂させ、怒涛の勢いで迫りつつあった凶悪な集団を一斉に蹴散らしたのである。
その強大な破壊波によって薙ぎ倒されたのは屍餓鬼――アンデッドの一種で、天陽道なる暗殺集団が使役する食人の魔物共であった。
「上手くいったみたいね」
屍餓鬼の群れがリディリディの攻撃魔法範囲内に突入してきた瞬間に、稲光を放って足止めを仕掛けていたアウレーリア・フォン・ネーベルベルクが、口元を僅かに綻ばせてリディリディに振り向いた。
深夜、上弦の月が僅かばかりの光を地上に注ぐ暗闇の中。
西向こうの岩山から雪崩の如き勢いで駆け下りてきた屍餓鬼の数は全部で15体。その全てをアウレーリアの稲光で足止め出来た訳では無い。
すり抜けようとした個体は、ヴィルヘルミナの仕掛けた殺界で身動きを封じた。
「いきなり突っ込んでくるとは、まるで獣の様ですね」
肩を竦めたヴィルヘルミナ。こうも簡単にこちらの足止め策が有効に働き、リディリディの初撃が完璧に決まろうとは正直、意外でもあった。
が、その感想はすぐに改められた。リディリディの強烈な破壊波を受けて蹴散らされた筈の屍餓鬼共は、まるで何事も無かったかの様にのっそり立ち上がり、再び勢いを加速して殺到し始めたのである。
「えと……次は、どの方向ですか?」
暗闇での視界が利かないリディリディは幾分不安げに、視線を左右に走らせた。見えてさえいれば光弾の雨を的確に敵の頭上へ降らせることが出来るが、こう視界が悪くてはどうにもならない。
「やっぱり屍餓鬼、タフですね。でも、囲まれるのは面白くありません……もう一度止まって貰いましょう」
アウレーリアが再び術式発動に入るよりも早く、ルアンナ・ミュラーが稲光を迸らせた。
そこへ得物にエーテルの輝きを纏わせたティナが突撃。自身を囮にして敵を一カ所に集める。そうすることでリディリディの光弾の命中率を向上させようという発想だ。
ティナの得物が放つエーテルの淡い光で、群がる屍餓鬼の姿が夜闇の中に浮かび上がる。
「さぁ、どんどんお集まりなさい。私の体が美味しそうなのでしょう?」
相手は知能の無いアンデッドだが、ティナの挑発に応じるかの如く、屍餓鬼共は前後左右から容赦無く群がってくる。
流石に、ティナひとりでは負担が大きい。そこでヴィルヘルミナも、ティナに続いて屍餓鬼共のど真ん中に突入した。15体の貧相なアンデッド共は今、ふたりを中心にして包囲攻撃を仕掛けようとしている。
「上手く集めてくれたわね」
「あれなら……私でも、狙えます」
アウレーリアとリディリディがすかさず、光弾の雨を降らせた。屍餓鬼共の病的に青白い表皮が一斉に撃ち抜かれてゆく。それでも斃れないのだから、その耐久力には舌を巻かざるを得ない。
「でも、屍餓鬼が居るということはどこかに、天陽道の反魂法師が隠れていても良さそうなものですが……」
幾分の疑念を脳裏に描きながら、ルアンナも光弾の雨を叩きつけた。
テルゾフ集落群で頻発している行方不明事件には、人為的な意図が感じられる。知能の欠片も無い屍餓鬼共だけで起こり得る事案ではない。
「いえ……矢張り二段構えだったみたいよ」
アウレーリアは屍餓鬼の群れの向こうにふたつの影を見た。
こちらも異様に肌が青白く、そして僅かに見え隠れする犬歯が特徴的な人影。
同じくその存在に気付いたルアンナは、このふたりが吸血鬼であることを咄嗟に見抜いた。
●吸血鬼と青の中指
冒険者の側も、予備戦力を用意していた。それが四人の軽戦士達。
「うるぁ! ブレイブファング傭兵団のハヤト様が相手になってやんぜ!」
中年男性の外観の吸血鬼に、まずハヤト=ガラン=ヴォルファングがほぼ一瞬で間合いを詰めた。次いでドワーフのディーグ・ディオロンが反対側から迫り、ふたりで挟み撃ちに入る構えを見せた。
もうひとり、青年姿の吸血鬼にはベルク・オスマットとキオルティスが対峙した。
「さて、帝国で舐めた真似してくれる指先共に、きっちり対価を命で支払わせねばな」
屍餓鬼と吸血鬼共をメドゥの指先と断じたベルク。
少なくとも二コラ・ゴルティエ元侯爵が何らかの形で関わっている可能性があるとなれば、そう考えるのが妥当だろう。
一方、暗色のマントに身を包んだキオルティスは、初手で必殺の一撃を繰り出した。
「吸血鬼の様だね……死齎刃がどこまで通じるか、ひとつ試してみようか」
ベルクとの連携で相手の注意を分散させたところで、鋭い刃を撃ち込む。青年姿の吸血鬼は獰猛に吠えた。
「我が父君の邪魔をするならば、お前達は兄弟にはしない! ここで皆殺しだ!」
「ほう……もう少し詳しく聞かせて貰おうか」
今ひとつ思慮が足りない様に思われる青年姿の吸血鬼。戦闘能力は侮れないながらも、心理戦ではベルクとキオルティスに分がある様だ。
一方、ハヤトとディーグが相手に廻している中年男の吸血鬼は、中々に手強い。その身体能力、戦術的駆け引き、判断力はいずれも青年姿の吸血鬼よりも一枚も二枚も上手だった。
しかし、ハヤトの意識は目の前の敵だけを捉えている訳ではなかった。
「クソっ! またあの野郎が一枚噛んでやがるのか!」
その鋭い嗅覚が、因縁の敵の気配を探り当てていた。
メドゥの指先幹部『青の中指』ジルベルである。まだ姿を見せてはいないが、この近くのどこかに潜んでいるのは間違い無さそうだ。
「青の中指ってこたぁ、例のブーメランが厄介だな」
ディーグがちらりと魔術師達に視線を送る。ルアンナは魔術師とは思えぬずば抜けた体力の持ち主だが、アウレーリアとリディリディがあの恐るべき巨大ブーメランの標的となれば、果たして防ぎ切れるだろうか。
「そうなる前に、さっさとこいつらを仕留めるしかねぇな!」
屍餓鬼共は、魔術師達が一気に仕留めてくれるだろうと信じる他は無い。四人の軽戦士達は屍餓鬼殲滅までの足止めとして吸血鬼共の相手に廻っているが、こちらも早い段階で決着がつけられるのであれば、それに越したことは無いだろう。
「何だ、結局ジルベルは居るのか……居ると思わせて居なかったり、しかし実は隠れていたりと、ややこしい奴だな!」
キオルティスとのコンビで青年姿の吸血鬼を圧倒しつつあったベルクだが、ジルベルが近くに居ると分かった以上は、下手に手を抜く訳にはいかない。
(だけど、今回の行方不明事案に関しては間違い無く情報源……殺す訳にはいかないな)
青の中指の存在を察知したとしても、キオルティスは飽くまで冷静だった。
その徹底した観察力で目の前の敵の動きや攻撃特性をじっくりと見極めつつ、同時に周辺の地形や月光の射し込む角度から分析し、ジルベルが潜む可能性のある場所を幾つかの候補に絞り込んだ。
青年姿の吸血鬼はキオルティスの攻撃を受けて以降、少しずつ動きが鈍りつつある。死齎刃は間違い無く、効果を発揮している様だ。
ベルクが上半身への攻撃を仕掛けて敵の注意を引く間に、キオルティスが下半身に打撃を蓄積させてゆく。脚を徹底的に破壊すれば逃走を阻止することが出来るだけではなく、戦闘そのものでも有利な展開に持ち込むことが出来る。
それはハヤトとディーグも同じで、ふたりは中年男の吸血鬼が手強い敵ながらも、少しずつ両脚に深手を負わせていった。
●謎に迫る
屍餓鬼のタフさは過去の報告書等で語られていたものの、いざこうして実際に遭遇してみると、非常に厄介だということを実感せざるを得ない。
何とか半分近くの屍餓鬼の防御力を削ぎ落すことに成功したティナだが、残りは力押しで何とか斃し切るしかないと腹を括るしかなかった。
「話に聞く吸血鬼……彼らの討伐に廻る為にも、出し惜しんでいる場合ではありませんよね」
ティナはアウレーリア、リディリディ、ルアンナ達の魔法で耐久力が相当に削られている筈の屍餓鬼に対し、持てる力の全てを叩き込むことにした。
それはヴィルヘルミナも同様だった。
屍餓鬼の群れは陣形が崩れたら一気に薙ぎ払い、次いで吸血鬼の対処へ――と考えていたものの、屍餓鬼共が想像以上に手強く、中々全滅させるには至らない。
魔術師達の光弾だけでは、矢張り決定力不足なのだ。
「少し、離れてくれないかしら!」
アウレーリアも更に威力の強い魔法攻撃が必要だと悟ったらしい。だが、この状況ではティナとヴィルヘルミナを巻き込んでしまう。彼女達三人の魔力を一斉に浴びてしまえば、命の危険に関わる。
「光弾で、牽制します……その間に、一度離脱を……」
リディリディの案に、ティナとヴィルヘルミナは乗るしかない。
その宣言通り、何度目かとなる光弾の雨が降り注いだところで、ふたりの前衛は一気に敵の群れから離れた。と同時に、アウレーリアとルアンナが時間差で稲光を迸らせて、屍餓鬼共の動きを封じる。
直後、リディリディが紅蓮の炎を撒き散らす巨弾を放った。夜の闇を一瞬だけ明るく照らす爆発。耳を劈く轟音が集落群とその周辺に殷々と鳴動した。
この一撃で、屍餓鬼の半数程が動かなくなった。
次いでアウレーリアが、眩い輝きを放つ巨大な渦の如き波を形成。一直線上に解き放ち、更に数体の屍餓鬼を呑み込んだ。
最後にルアンナが仕上げとばかりに、光り輝く蝶の群れを放つ。これまた怒涛の勢いで屍餓鬼の群れへと殺到し、これで完全に動く個体は居なくなった。
「さぁ、残るは吸血鬼だけ、ですね」
ヴィルヘルミナは四人の軽戦士達に手を焼いているふたりの吸血鬼に視線を転じた。
ここからが一気に勝負だ。
ティナと共にヴィルヘルミナが吸血鬼討伐に参戦すると、ルアンナもノコギリ鉈へと得物を持ち替え、接近戦に参戦する構えを見せた。
逆にふたりの吸血鬼は、数で押せると踏んでいた筈の屍餓鬼共が一掃されたことに、多少の動揺を覚えたらしく、幾分浮足立った様にも見えた。
既にベルクとキオルティスのふたりだけで大いに圧倒している青年姿の吸血鬼だけでなく、ハヤトとディーグを相手に廻して尚互角に戦っていた中年男の方も、隙が目立ち始めてきた。
しかし、流石に完全に制圧されるというところまでは至らない。冒険者達としては力でねじ伏せた上で尋問にまで持っていきたかったが、青の中指がどこに潜んでいるかも分からない状況では、それも中々難しい。
であれば、戦いの最中に口を割らせるしか無いか。
「大体キミ達は、何だって集落のひとびとを攫ったりするんだい? まぁ、キミ達から聞けなくとも、他に情報源はあるんだけどね」
キオルティスは既にお前達の腹は見抜いているぞといわんばかりの口ぶりで、カマをかけた。
用心深そうな中年男には通じなかったかも知れないが、明らかに思慮が浅そうな青年姿の吸血鬼は、その口車にまんまと乗った。
「決まっておるわ! 我が父君の望みを叶える為だ!」
では、その父君とは何者なのか。そこが最も肝要だ。
●怨念の徒
ハヤトとディーグの支援に入ったティナは、中年男の方も次第に攻略の目途が付いたところで、幾分挑発的な言葉を投げかけた。
「何が目的……だとしても、アンデッドの群れで農業する訳じゃないなら、大抵碌でもないことしか考えてないでしょう?」
「矢張り、ふたり揃ってお父君の為に?」
次いでヴィルヘルミナが問いかけると、中年男はあんな奴と一緒にするなと吐き捨てた。
そのひと言で、このふたりの吸血鬼がそれぞれ親が異なることが察せられた。
「ちっ……あの野郎、出てきやがったか」
ここでハヤトが、岩山の麓近くに白銀虎の半獣人が漫然と佇んでいることに気付いた。青の中指ジルベルだった。
ルアンナとリディリディがジルベルへの対処に動こうとしたが、しかしジルベルは手近の切り株に腰を下ろしただけで、動く気配が無い。
或いは、ふたりの吸血鬼を監視しているのかも知れない。
「大層なお題目だね。そんなに偉大な父君なのかい?」
「当然だ! かつてはリーンエスの法衣貴族、そして今では我らの偉大なる父君! 貴様ら如きとは比べ物にならぬ高貴なお方よ!」
キオルティスの言葉尻に乗せられたというよりも、もともと頭が余り良くない男だったのだろう。青年姿の吸血鬼は訊かれもしないことをぺらぺらと喋りまくった。
この時点でベルクは、青年姿の親吸血鬼の正体を知ると同時に、軽い衝撃を受けた。
(二コラ・ゴルティエ……まさか、吸血鬼と化していたとは)
だがこれで、漸く合点がいった。
帝国南西部で続く行方不明事件、或いは人攫い事件は、吸血鬼二コラ・ゴルティエが自身の子吸血鬼を次々と増やす為に、人材狩りを行っていたのだ。
ということは、今キオルティスとベルクが圧倒しつつあるこの青年姿の吸血鬼も、もともとはこの近辺に住んでいた帝国民のひとりだったということか。
ここでルアンナとリディリディは再び、ジルベルに注意を払った。ジルベルはやれやれと仕方無さそうにかぶりを振っている。吸血鬼達がいずれ真相を白状することは、想定内だったのかも知れない。
いや、本当に二コラ・ゴルティエが吸血鬼と化して自らの眷属を増やしているならば、いずれその事実は知れ渡る。隠し通すのはどのみち、不可能だったと見ることも出来る。
つまりジルベルは最初から隠すつもりは無かったと見て良い。それは、何故か。
「……印象操作かもね」
仲間達が吸血鬼ふたりを圧倒しつつある様子を凝視しながら、アウレーリアは南の方角、即ちリーンエス王国との国境方面に意識を流した。
吸血鬼と化したゴルティエ元侯爵が王都グランスパーダに反撃を仕掛けるという噂が流れれば、どういう事態が起こり得るか。
即ち、メドゥの指先が最も好む混乱状態が王都のみならず、その周辺地域にも生じることに繋がる。
ゴルティエ個人の復讐劇よりも、王都にもたらす恐怖と緊張の極限状態に利点を見出したと見て良い。
だが、依頼を受けた冒険者達も知ってしまった以上は、情報として冒険者ギルドに伝える義務がある。
「あの半獣人さんが姿を見せる時は、誰かを手伝うということが多いようですが……」
リディリディもジルベルの意図を理解した様な気がした。
そしてその瞬間、巨大なブーメランが飛来した。冒険者達は一斉に身をかがめて回避したが、その隙を衝いて吸血鬼達は一気に離脱してゆく。
だが、冒険者達は去り行くジルベルと吸血鬼達を追うことはしなかった。
敵を撃退し、必要な情報も仕入れることが出来たのだ。
十分な収穫があったといって良い。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準8 / 4〜8人
2022年10月31日 10時44分34秒 公開
参加者
ルアンナ・ミュラー
ベルク・オスマット
ヴィルヘルミナ
- イェレミース トゥラ リディリディ
ハヤト=ガラン=ヴォルファング
キオルティス
アウレーリア・フォン・ネーベルベルク
ティナ
相談掲示板
ヴィルヘルミナです。今回はよろしくお願いします。 現場は夜なので視界の確保が必要ですね。汎用スキルの【暗視】が安定でしょうか。 何がしかの照明でもいいですが、ちょっと目立ちますし。 向こうはこちらの到着後に一気に突撃してくるという事なので必然的に迎撃の流れになりそうです。 今回の面々だと殺界やアーケインで足を鈍らせたりできそうですが、範囲攻撃で叩きたいという意見もあるかもしれませんし意見待ちですね。 吸血鬼は二人とも生け捕りに出来れば上々なのでしょうが難易度は高そうです。 一人だけは何とか確保したい所ですが。 生命力は高そうなので、四肢の一、二本くらい使い物にならなくして抵抗力を奪うのも手ですか。 ドワーフのシーフの方がNPCで参戦するので上手く協力したい所ですね。 集落の住民は不確定要素なので、終わるまで大人しくしてくれれば良いですが。
おーっす! ブレイブファング傭兵団のハヤト=ヴォルファングだ、よろしくな!! ヴィルヘルミナの言う通り出来ればみんな暗視は持って行きてぇとこだな。 キャスターが3人いるし屍餓鬼は一箇所に集めて纏めてぶっ潰して貰いてぇとこだな! ディークも入れりゃシーフが4人だからな、吸血鬼共を2対1で引きつけといてその間に屍餓鬼を一掃、吸血鬼を2体とも捕縛って流れでいけりゃ理想だが、ジルベルの野郎がいるってーとブーメランで邪魔してくるとか可能性はありそうだから一応警戒しとくのがいいかもしんねーな。
キャスター、アウレーリアです。宜しく。 私個人としては、澱嵐と範囲攻撃どちらも使いたいですね。 突っ込んでくるところをトラップして、渋滞したタイミングで一掃というのが常套手段でして。 屍餓鬼は近接攻撃のみで知性も高くありませんし、対処はそれで良い筈です。 集落内に入られると被害は免れませんから、侵入前に叩く感じが良いかと。 問題は吸血鬼の方ですね……全く情報がありませんので。 一応念の為、どちらかくらいは射撃手段を持っている想定でいましょうか。 屍餓鬼を囮にしたり、二手に分かれて侵入くらいは試みてくるかも知れません。 見通しの悪い環境ですが、側面・背後の警戒も必要ですね。
ヒーラー、ティナです。 前衛アタッカーのつもりです。 よろしくおねがいします
No.5
キャスターのリディリディです。 あ、よろしくお願いします・・・。 その・・・、すみません。 私は暗視を所持していないです。 取得も今のところできません。 ランタンは持っていきます。 こちらに突撃してくるのならば、問題ないかと思います。 >戦闘 15体でしたら、範囲攻撃を準備して行きます。 ウォーリアはヴィルヘルミナさんのみですし、保険としてエーテルバリアも必要かもしれませんね・・・。
シーフのベルクだ、よろしく頼む。 方針としては屍餓鬼を範囲攻撃で潰すのは賛成だ。 吸血鬼の抑えをシーフ組でとなるなら、持久戦を前提として動こうと思う。
キャスターのルアンナです、よろしくお願いします! 夜戦ですし暗視は有用ですね。敵数も多いですし、範囲魔法を多めに持っていきます。
シーフのキオルティス。キオでもルティスでもお気軽に。 今回は宜しくね。 今出ているシーフたちで吸血鬼を抑えておく旨に異論は無いよ。 ヴィルヘルミナさんの言うように、抑えつつも何らかの痛手は 与えて行きたいところ、かな。 此方の編成のように吸血鬼も範囲攻撃が主な可能性もあるし あまり動き回られても困るだろうし、四肢のどれかは頂いても 不都合はない気がするよ。 …そも、俺らよりも強い可能性すらあるワケだしね。 >暗視 持って行くよ。吸血鬼を抑えるなら尚更ね。
大体の方は暗視で行くようですね。 こちらは手始めに殺界で屍餓鬼を抑える形を考えています。 その間に範囲攻撃撃ってもらって数減らせたら…という感じですね。 吸血鬼の手札がわからないので、数は早めに減らしておきたいですし。 吸血鬼と屍餓鬼の相手のどちらを優先するかは考え中です。 屍餓鬼を全滅させると逃げる可能性も捨てきれないので、ある程度倒した時点で他の方に任せて切り替えた方がいいのかとか。