【究石】分樹討伐を支援せよ
革酎
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シナリオID:2524
オープニング
シルトラース帝国南部鎮守都市ヴィントに元帝国魔導院エスタル支部長のクライス・アクバーが姿を現したのは、1222年の秋も深まり始めた頃。
彼は18台もの荷馬車と、帝国軍兵から成る護衛部隊を率いてヴィント入りを果たした。
それらの馬車には、幽界樹打倒の切り札ともいわれる本格式凝黒装置が積み込まれていた。
先般のガークハーグに於ける試作型凝黒紋具の試験にて必要な情報をあらかた取り終えたクライスは、再び工房街ヴェルターゼンに舞い戻り、幾つかの改良点を加えることで遂に本格式凝黒装置を完成させたのである。
この本格式凝黒装置というものは、ひと言でいえば黒い霧だけを対象とする大気清浄装置だ。
ひとたび起動させると一定区域内のみながら幽界樹が噴出する黒い霧を吸い込み、黒い岩石へと物理的に変換する。
結果としてその区域内の空気を、短期間ならば人間が活動可能な状態にまで浄化せしめることを可能とする訳だ。
勿論諸々の制約はあるが、この装置を使えば幽界樹打倒への道筋が一気に開ける。
しかし、ここに至るまでには幾つもの苦難が待ち受けていた。
工房街ヴェルターゼンの紋具職人達はクライスの号令を受けて昼に夜にと大いに働き、総数20にも及ぶ本格式凝黒装置を驚くべき短期間で造り上げた。
更にこの装置の根幹たるエーテル石獲得には、人馬の特異個体ヌロブアによる、ケンタウロス聖地に於けるエーテル石採掘推進活動が大きく寄与している。
そしてエーテル石を活用した紋具効果の増幅という技術的概念はクライスにしか理解出来ない為、20基全ての最終完成工程をクライス自身が手掛けた。
この20基もの装置の完成は、多くのひとびとの弛まぬ努力の結晶といって良いだろう。
ヴィントの太守府邸でレイウェスト・バルダスと顔を合わせたクライスは、相手が皇族であっても然程に畏まる様子は見せず、相変わらずの淡々とした調子で本格式凝黒装置預入手続きについての段取りを進めた。
ひと通りの説明を聞き終えたレイウェストは、装置に使われている細かな魔導理論については余りよく分かっていない様子だったが、これらの装置が幽界樹打倒の切り札となり得るという言葉には、珍しく興奮気味に赤い瞳を輝かせていた。
「各装置には貴重なエーテル石が使用されている為、不埒な輩が強奪に現れぬとも限りません。くれぐれも厳重なる保管及び警備体制の構築をお願い致します」
「心得た……して、卿は今後、どちらへ?」
レイウェストに問われて、クライスはふと一瞬、考え込んだ。が、すぐに腹は決まった模様。
「ガークハーグに参ります。あそこには幽界分樹討伐の為に同装置を二基、派遣しました。恐らく問題は無いかと存じますが、不測の事態に備えて私も支援に向かう所存です」
それだけいい残すと、クライスは室を辞していった。
本当に味気も素っ気も無い男で、相手が皇族だろうと何だろうと、用向きが終わればさっさと姿を消してしまう。ご機嫌伺いの為の挨拶や口上は、まるで念頭に無いらしい。
その極めて実務的な態度には、レイウェストもただ苦笑を浮かべるしか無かった。
●再びガークハーグへ
レイウェストとの接見を終えたクライスは、その足ですぐに南門前の厩舎へと向かった。
「先生、冒険者ギルドにも声かけてきたわよ」
クライスが厩舎で馬の背に鞍を乗せていると、リーヴァー・シュランドル元帝国子爵が自身も鞍を担いで厩舎内に足を踏み入れてきた。
曰く、ガークハーグでの幽界分樹討伐戦支援の為の人数を、冒険者ギルドで募集をかけてきたとの由。
尤も、今回は飽くまでも支援戦闘だから、然程に数を募集することはなかった様だが。
「現地集合にしたから、どんな顔ぶれが集まるかは後になってのお楽しみってなところね」
「紛いなりにも冒険者ギルドが集めるんだ。変な連中が来ることはないだろう」
答えながらクライスは鞍上のひととなった。次いでリーヴァーも馬の背に跨り、手綱を握る。
ふたりは騎首を並べてヴィント南門を出た。
しばらく黙然と馬蹄を響かせていたふたりだが、やがてリーヴァーの方から口を開いてきた。
「ねぇ先生。ガークハーグの幽界分樹討伐戦が終わったら、次は何するの?」
「さぁな。まだ何も考えていない」
ひとまず今はガークハーグの解放に全力を注ぐべきだというのが、クライスの弁。その後のことは、ガークハーグの一件が片付いてから考えても遅くはないだろう。
そして今回も、現れる敵は恐らく分身樹や種型クリーパーに相違ない。しかし前回とは比べものにならない程の抵抗が予想される。
少し気合を入れ直す必要がありそうだ。
「俺もエスタルの地に潜んだタイプ以外の幽界樹を直接見るのは、事実上これが最初だ。どういった動きをするのか、この目で見ておきたい」
帝都シルトラースに君臨する最大級の幽界樹とはスケールも戦闘力も、何もかも異なるだろう。だが基本的な機能面では然程に変わらない筈だというのがクライスの予測である。
それもこれも、実際に自分自身の目で見れば、分かることだろう。
解説
マスターより
リプレイ
黒い霧の領域内から晴れ渡った空間へと飛び込んだ時、セリオス・オーガストは少々考えが甘かったことを痛感せざるを得なかった。
シルトラース帝国南西部の都市ガークハーグ。
幽界分樹討伐戦が実行に移されたその日、セリオスは元帝国魔導院エスタル支部長クライス・アクバーと、その弟子たるリーヴァー・シュランドルの呼びかけに応じて、ガークハーグでの分樹討伐支援戦闘に参加した。
クライスが開発した本格式凝黒装置が二基、本作戦に投入されている。
この凝黒装置によって幽界分樹が吐き出す黒い霧は、装置を中心とした空間内で九割方が排除され、授恵者ならばほぼ問題無く行動出来る状態にまで空気が浄化される。
ところが凝黒装置の影響範囲外、即ち黒い霧の内部は依然として肉体と精神に大きな打撃を被る。今回セリオスは凝黒装置による浄化領域内での敵を討伐した後、敢えて自ら黒い霧内へと飛び込んで周辺の敵を誘い出す策を実践してみた。
が、黒い霧がセリオスの肉体に与える影響は想定上に大きく、とてもではないが、敵を釣り出して味方のもとへと帰り着く前に、力尽きてその場に昏倒してしまうことが分かった。
黒い霧内で自由に動けるのは精々十数秒、それ以上ともなると立っているのがやっとで、誘い出した敵を引っ張って全速力で駆けるというのはまず不可能だった。
「随分と無茶をなさったご様子で……まずはこちらで、しっかり休息を取って下さい」
出迎えたのはグレイブ・ヤード。彼は大きく肩で息をしているセリオスを、自身が設置した休憩所へと連れて行った。
元々はどこかの商家の厩舎だったところらしいが、跋扈するクリーパー共によって荒らされ、今ではただ屋根のある建屋という存在に過ぎない。
しかし大きな開口部が要救助者を連れ込むには便利だと考えたグレイブが、ここを臨時の休憩所入り口として接収した。
すぐ隣には頑丈な屋根と壁が残っている商家の本館が佇んでいる。必要ならこの屋内を臨時の宿として使うことも出来るだろう。
近くで雷鳴の如き轟音が鳴り響いた。
ルアンナ・ミュラーが石畳の地上を駆け巡る円種型クリーパーを仕留めたところだった。現れる敵は依然としてクリーパーのみで、しかもその種類は上空から飛来した後に地上を高速で転げまわる円種か、根を引き抜いて自力で這いまわる分身樹のいずれかである。
既に過日、試験型凝黒紋具の試運転の為に当地を訪れ、これらの敵と遭遇していた冒険者達はある程度の戦い方を見極めており、然程に苦戦することも無く、群がってくる敵を次々と薙ぎ倒している。
盾役として参戦したミゼリア・L・ステュクスが出現する敵を真正面から引き受け、その左右からハヤト=ガラン=ヴォルファングの機動戦やセリオスの射撃、或いはルアンナやアウレーリア・フォン・ネーベルベルクといった面々による魔法攻撃で片付けてゆくというのが基本戦術だったが、セリオスは余裕が出来たところで黒い霧内の敵をも釣り出し、積極的に敵の数を減らそうと考えた訳だ。
ところが黒い霧の威力は想定以上に脅威で、セリオスとしても敵への誘導戦術は諦めざるを得なかった。
「幽界分樹討伐組も動き出した様ですね。分身樹と円種が討伐組に向かわない様にする為には、こちらもある程度の戦線維持が必要になりますね」
新たに別の円種を仕留めたルアンナは、グレイブが用意した休憩所に足を運び、ほっと息をつきながら積み上げられた木材に腰を下ろした。
そこへリーヴァーも引き返してきた。継戦能力を維持するには、交代で休息を取る必要がある。今はミゼリアに盾役を任せており、同じく盾役のリーヴァーは今のうちに体を休めておこうと考えた訳である。
「どうぞゆっくりしていって下さい。これで少しでも楽になれば良いのですが」
「えぇ、十分よ。幽界分樹討伐には多少の時間がかかることを、よく見抜いててくれたわね。助かるわ」
リーヴァーは素直にグレイブの先見の明を称賛した。全員が何も考えずにただ全力で戦い続けるのは、一定の戦闘時間を要する局面ではまず不可能だ。
グレイブの休憩所設置は戦線維持という観点では非常に重要で、彼のアイデアが無ければ対クリーパー戦は先の見えない辛い戦いになっていただろう。
●凝黒戦略の現状
ミゼリアの立ち振る舞いをひと言で表現するなら、盾型ホムンクルスといったところであろうか。
全身から噴き出る黒い瘴気はともすれば黒い霧と見紛うこともあるが、この瘴気を噴き出している時のミゼリアはどんな敵を前にしても決して怯むことなく、失われた痛覚を武器として常に前へ前へと出続けていた。
「大した盾役だ。新星誕生といっても良いかもな」
格闘魔導師として、両腕と両脚に強固な魔導障壁を纏わせるクライスが、ミゼリアの鉄壁の守りを淡々とした調子で称賛した。下手に大げさな表現を使わない分、クライスからの信頼の厚さというものが伺える。
「ところで支部長、ちょっと良いかしら?」
強大な魔力で数体の円種を一気に葬ったばかりのアウレーリアが、ミゼリアと協力して分身樹を一体、叩き割ったところのクライスに声をかけた。
何事かと面を巡らしたクライスに、アウレーリアは凝黒装置の自己防御機能案について提案してみた。
「毎回、こうして護衛について回るのは少々大変です。自己防御機能をつけるか、もしくは個人携行規模にまで小型化するのは如何でしょう」
「この先、何十年と継続して使用するなら一考の余地ありだが」
しかしクライスは、否定的だった。というのも、彼の見立てでは帝都シルトラースに居座る幽界樹への挑戦は今後一、二年以内であり、それ以降は凝黒装置は不要になる筈だという。
今から更に別の機能を付与する為に開発を進めるのは、余り意味が無いという意見らしい。
「しかし小型化は既に完成している。製造工程がかなり複雑になるから余り多くは作れないが」
いいながら、クライスは自身の黒眼鏡を指差した。どうやら、彼が愛用しているこの黒眼鏡が既に小型凝黒紋具として改造が施されている模様。
「もう、そんなものが……性能は、どうなのでしょう……?」
「効果範囲は大型の凝黒装置の半分程度だ。持続時間は内蔵するエーテル石次第だが」
ミゼリアに応じながら、クライスは黒眼鏡のフレームを軽く叩いた。対幽界樹戦では大型凝黒装置を主力とする一方、この小型の凝黒紋具はいざという時のセーフティー的な使用を想定しているとの由。
「この小型凝黒紋具はあとふたつ、完成している。誰に委ねるかはまだ決めていないがな」
渡す相手の嗜好に従って加工するから、残りのふたつをペンダント型にするか、指輪型にするか、或いはもっと違う形にするのかは委託相手次第になるのだという。
その時、黒い霧の向こう側から別の分身樹が小走り程度の速度で迫ってきた。
ミゼリアが再び盾役として大剣を構えたが、それよりも早くハヤトが敵の間合い内へと飛び込んでいった。
「うるぁっ! ブレイブファング傭兵団団長のハヤト=ガラン=ヴォルファング様が相手だ!」
ハヤトはいつも通りの名乗り。
これに対し、クライスは一瞬考え込む仕草を見せた。この時ミゼリアは、クライスが、
「まさか、銀嵐の……」
と呟いたのを、それとなく聞いていた。
「こっからが俺達人類の反撃の狼煙だ! てめーらは、とっととくたばりやがれ!」
ハヤトの蹴りを主体とする機動戦は、瞬く間に分身樹の枝や根を叩き折ってゆく。が、流石にひとりだけでは仕留め切れない。
「足止めするから、少し退いて貰えるかしら?」
別の分身樹が同じ方角から迫ってくるのを黒い霧の向こうに察知したアウレーリアが、静かに呼びかけた。
ハヤトは心得たと一瞬で距離を取り、その直後、アウレーリアが放った稲光が複数現れた分身樹をまとめてその場に縛り付けた。
そこへすかさずミゼリアが敵の真正面に立ち、蔓や枝による遠距離攻撃がアウレーリアにまで及ばぬ様、盾役として素早く措置を取る。
アウレーリアはミゼリアの堅牢な盾を信頼し、魔法攻撃に専念することにした。
●幽界分樹
クライスが退き、代わってリーヴァーが前に出る。盾役、攻撃主力のどちらもこなすことが出来るリーヴァーが戦線に復帰することで、ミゼリアも休息を取ることが出来た。
引き返してきたクライスを、グレイブが出迎えた。
「少し、幽界分樹の出た辺りを見てくるか」
休憩もそこそこに、クライスは立ち上がって中央広場方向へ面を向けた。
グレイブも、医療関係の材料をある程度準備し終えたところで、次は情報収集だと考えていたらしい。
「黒い霧の情報も得たいので、ご一緒しても宜しいですか」
「構わん。俺もまだ色々知りたいことが多いからな」
そんな訳で、クライスとグレイブは連れ立って中央広場方面へと足を向けた。セリオスとルアンナも、幽界分樹討伐組の露払いを兼ねて中央広場方面へ同行することになった。
「黒い霧の影響は解呪等が有効でしょうか?」
「有効だろうが、黒い霧内部で施術しても意味が無い。すぐにまた黒い霧の影響を受けてしまい、異常状態に陥るからな」
クライスの答弁を聞きながら、グレイブは成程と頷き返す。結局のところ、黒い霧を排除出来るかどうかがカギであり、肉体に生じた異常そのものは単なる結果に過ぎないということだろう。
四人はすぐに中央広場近くの大通りへと出た。瓦礫の山で容易に近づくことはままならないが、かつて帝国魔導院ガークハーグ支部があったと思しき位置に、確かに巨大な樹影が見える。
「あんなにはっきりと見えるとは……凝黒装置の威力というものは、相当だな」
セリオスは感嘆の息を漏らすと同時に、このガークハーグの解放が近いことを予感した。ここまで完璧に黒い霧を排除することが出来れば、授恵者達の行動にはほとんど支障らしい支障は出ないだろう。それは黒い霧内へと突入していったセリオス自身が誰よりも強く痛感するところであった。
その時、左右から分身樹が数体、近づいてくるのが見えた。
ルアンナがすかさず稲光の結解で敵の動きを封じ込め、そこにセリオスの放つ強烈な矢と、クライスの魔法攻撃が加わる。分身樹はいずれも一分と持たず討伐され、その場に薙ぎ倒されていった。
「討伐組の方々が、到着した様ですね」
ルアンナが、幽界分樹に接近してゆく人影の一団に目を細めた。もう間もなく、幽界分樹討伐戦が開始されるのだろう。
「ある程度敵の数を削ることが出来たら、我々の中からも人数を出しても良いかも知れないな」
クライス自身は幽界分樹討伐に加わることは考えていないが、同行した冒険者達が討伐戦力に加わることは特に問題無いとの見解を示した。
要は幽界分樹を確実に斃すことが出来ればそれで良いのであり、支援戦闘は、その為の手段のひとつに過ぎない。直接あの忌々しい化け物を仕留められるのならば、それに越したことは無いのだという。
「私は飽くまでも回復や解呪の支援補佐が主ですから……何事もご安全に」
グレイブは今のところ、幽界分樹に接近する意図は無い様だが、それもひとつの戦術の在り方だとして、クライスは特に何もいわなかった。
「この大通りは障害物が少な過ぎるな……これでは討伐組に分身樹の接近を許してしまう」
セリオスは、分身樹と幽界分樹の間に簡易バリケードを築く旨を告げた。これに対してもクライスは反対意見を口にすることは無かった。
戦術として有効な策だと判断したのだろう。
●討伐へ
セリオスが大通りにバリケードを構築しているところへ、他の面々が合流してきた。
最初にグレイブが休憩所を構築した辺りの敵はあらかた仕留め終えたらしく、次は幽界分樹近くの敵を討伐しようという運びになったらしい。
ならば、とグレイブは新たにこの近辺で臨時の休憩所の設置に着手した。
「あれが幽界分樹……ヴィントやダルトートのものよりは幾分小さいけど、矢張り幽界樹の一種だけあって、禍々しいというか不気味というか……」
アウレーリアが渋い表情を浮かべて、不気味な巨影をじっと睨みつける。
一方、クライスは正常な樹木形態としての幽界分樹の全景を見るのはこれが最初らしく、その異形の姿を黒眼鏡の奥の瞳に焼き付ける様にしてじっと凝視していた。
「そういえばエスタルの幽界分樹は黒い殻に覆われたタケノコ状でしたね」
「その通り。だから俺が正常な樹木形態を見るのは、今回が初めてだ」
ルアンナに応じつつも、クライスはあの憎むべき敵の姿から片時も視線を外そうとはしない。
その時、再び背後や左右から分身樹や円種が接近してくる気配が生じた。
ミゼリアとハヤト、リーヴァーが素早く左右に展開し、ルアンナとアウレーリアが攻撃魔法発動の態勢へと入る。それまでバリケード構築に手を動かしていたセリオスも手早く弓を構えて迎撃態勢に入った。
「ところでハヤト。お前は銀嵐と呼ばれる男の血縁か何かか?」
接敵する直前、クライスの口から思わぬ名が飛び出してきたことでハヤトはつい、目を白黒させた。
「血縁も何も、俺の親父なんだけど……もしかして、知り合い?」
「まぁな。帝国崩壊前は共に作戦に従事したこともある。つい先日も、東部街道でばったり顔を合わせたところだ」
まさかの応えに、ハヤトは仰天した。
が、クライスは話の続きは後だと迫り来る敵を指差した。ハヤトも心得たもので、頭の切り替えはすこぶる速かった。
「さぁ……きなさい……」
ミゼリアが全身から黒い瘴気を噴き上げながら、リーヴァーと並んで迫り来る分身樹の正面へと立つ。
ここで敵を食い止めれば、丁度同じタイミングで幽界分樹討伐組も敵の懐へと飛び込む時間を確保することが出来るだろう。
まずルアンナとアウレーリアが放った雷の波が、接近する敵を次々と足止めしてゆく。そこへセリオスの矢とハヤトの超高速機動の刃が迸り、次いでクライスの魔法攻撃が撃ち込まれた。
ミゼリアとリーヴァーというふたりの盾役も十二分に機能し、分身樹も円種も、後衛組に接近することが叶わない。
やがてルアンナとアウレーリアも攻撃魔法へと切り替え、その圧倒的な火力が次々と分身樹を焼き、円種を破壊してゆく。
この戦いの様子を後方でじっと観察していたグレイブだが、この分なら彼の支援の出番は無さそうだ。
やがて、大通りに集まってきた敵はその大半が討ち斃された。
同時に幽界分樹の側も、本格的な攻略戦が開始された模様。
ガークハーグ奪還は、もう目の前に迫っていた。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準6 / 4〜6人
2022年10月16日 23時35分26秒 公開
相談掲示板
ヒーラー、グレイブ・ヤードです。 一応長期戦になるかと思い参加させていただきました。 負傷などはお任せください
キャスター、アウレーリアです。宜しく。 前回は試験中の防衛戦でしたが、今回は支援戦闘という事もあって前進が求められますね。 凝黒装置を守りつつ移動する布陣を考えましょうか。 どこまで進むかも考えものですが、未だガークハーグの幽界樹は位置も含めて未確認なので。 本戦までのスケジュール次第では、偵察を済ませておいた方が良いかも知れませんね。
・・・ん、シューターのセリオスだ、よろしく頼む 可能な限り敵の数を減らしておくのが目的だから偵察も兼ねて敵をつり出すというのはありだろうな。 とはいえMSからにもあるように入り込みすぎると変調をきたしすぎるというから見極めは必要だろうが。 まあ基本装置が効いてる範囲を拠点にしてやってきたのを退治する形でいいとは思う
ウォーリアの、ミゼリア……です。よろしく、おねがいします……ね。 ええと……とりあえず、盾役で、動く、つもり……です。 装置を、守ったほうが、よさそうな感じ……でしょうか。 てきが、いちどにたくさん来るなら、殺界で、足止めして…… 少しずつなら、シーザーロアで、攻撃を引き受けようかと、思ってますが…… どっちが、よさそうなのか、まよって……います。 盾役なら、こういうふうに動いて……みたいな、ご指示があれば……従いたいなと、思って……ます……。
キャスターのルアンナです、よろしくお願いします。 ウォーリアさんのスキルで集まってきたところを範囲魔法で一網打尽、と行きたいところです! 判別可能なスキルを多めに持っていけばシーザーロアでも良さげですね。
わかり……ました、じゃあ、シーザーロアで、引きつけたり…… ちょくせつ、戦って、足止めしたり……しながら、なるべく、敵をあつめれるように、戦います……ね。
おーっす! ブレイブファング傭兵団のハヤト=ヴォルファングだ、よろしくな!! 今回は装置を護りつつ群がってくるクリーパー共を蹴散らしゃいいってこったな。 とはいえ、出来るだけ情報収集も出来た方が良さそうだし偵察も可能な範囲でやってみるつもりでいんぜ!
>索敵 とりあえずは城壁の上からの確認とかですかねえ。 そこから発見した敵で最寄りのものから撃破といった位かと >討伐に関して 黒い霧の影響を踏まえますと、二手にでも分けて交代で討伐に向かえたほうがよさそうですかね? 十分な休養できる場所はあるようですから 一応変調対策で解呪はあったほうがいいですかね