【天陽道】隻眼の老探偵 ~勃発編~
革酎
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シナリオID:2505
オープニング
メドゥの指先と密接な繋がりを持っていた法衣貴族二コラ・ゴルティエ侯爵の逃亡から、数週間が過ぎた。
青の中指ジルベルの手引きがあったとはいえ、ゴルティエ侯爵を取り逃がしたという失態は王国騎士団の頭上に暗い蔭を落としつつある。
そんな中、第二王子ウィリアム・リーンエスは王城内に幾つかある小会議室のひとつに、王国騎士団近衛隊のジュール・J・ヴェルジーを招いた。
「やぁジュール、わざわざ申し訳ないね」
「殿下御自らのお声がけとあらば、いつでも馳せ参じまするぞ」
貴族の礼で恭しく頭を下げるジュールに対し、ウィリアムは挨拶もそこそこに早速本題へと入る。
「天陽道という連中の話は聞いたことあるかい?」
「シャルガネ居住区出身の暗殺者集団、ということぐらいは」
ならば話が早いと、ウィリアムは懐からやけに酒臭い一枚の紙片を取り出した。その表面にはシャルガネ民の文字と思しき不思議な紋様が描かれている。
噂では式符と呼ばれるものらしい。
「ある貴族子息の殺人現場で、これが見つかった。天陽道の術師が使っているものらしいんだ」
その殺人事件の捜査を受け持って欲しい、とウィリアムは静かに続けた。
本来であれば、王家以外での事件捜査は王国騎士団近衛隊の担当する範疇ではない。
しかし先般のゴルティエ侯爵逃亡という結果から王国騎士団全体の引き締めと立て直しが急務となっており、現状では対天陽道の指揮を執る適任者がジュールの他には居ないというのである。
「近衛隊は王族守護の為の組織だけど、天陽道が王党派貴族の命を狙うことで、引いては王家にも類が及ばないとは限らない。そこで……」
「私めに連中への対処をお任せしたい、ということですな。そういう話ならば、お引き受け致しましょう」
ウィリアムはジュールの頭脳と魔導的知見が無ければ対天陽道の戦いには勝利出来ないと踏んだ様だ。
実際、ゴルティエ侯爵がメドゥの指先のみならず、天陽道とも繋がっていた事実がジュール抜擢に繋がった、ともいえる。
ジュールならば相手が天陽道であろうとも後れを取ることは無い筈だ。
ウィリアムはこの老齢の魔導騎士を、心の底から信頼していた。
●事件は涼やかな夜に
王都グランスパーダ内の、法衣貴族邸宅街。
事件はその一角、トヴェンタス伯爵邸で起きた。
ラドル・トヴェンタス伯爵は壮齢の法衣貴族であり、主に王都とその周辺の土木行政に携わっている。現当主ラドルは王党派貴族であり、貴族派とは余りそりが合わない。
そのトヴェンタス伯爵の次男ウェインが殺害された、というのである。
乾いた空気がそろそろ肌寒くなり始めてきた秋の夜長、ウェイン・トヴェンタスは離れの自室で何者かの襲撃を受けた。
室内は大いに荒らされ、激しい戦闘の痕跡が見られた。
近隣の目撃情報によれば、異形の怪物が深夜、トヴェンタス邸から飛び出してゆく姿が確認されており、その外観情報から、直接の犯人は天陽道が使役する式鬼ではないかと見られている。
そして唯一の証拠は、ウェインの遺体近くに、半ば隠す様に放置されていた式符。ウィリアムがジュールに見せたものである。
このことからも、下手人が唱紋士或いは天陽師であろうことは、ほぼ間違い無いとされた。
ところが天陽道側にはウェインを殺害せねばならない理由が見当たらず、動機は不明のままだった。
そこで推測されたのが、何者かがウェイン暗殺を天陽道に依頼したという筋だ。それならば、道理に合う。天陽道は暗殺を生業としているから、依頼があれば相手が誰であろうと躊躇無く暗殺の手を差し向ける。
それが今回は式鬼だったというだけの話であろう。
一見すれば直接の犯人は明白だが、天陽道に暗殺を依頼した真犯人の割り出しには、捜査と推理の双方が必要とされる。
近衛隊ジュールは対天陽道の指揮担当を任された初日から、妙な難事件に着手する破目となった。
(意外と手間取るかも知れんな……人数を雇うか)
ジュールは冒険者ギルドへと足を向けた。
王国騎士では法衣貴族に対して面が割れている者が多く、捜査に於いて隠密行動が必要となった場合には適任ではない。
そこで、冒険者に白羽の矢が立った訳である。
相手が天陽道なら尚のこと、優秀な戦闘力を誇る彼らの力が必要となるだろう。
解説
マスターより
リプレイ
午後の穏やかな日差しが柔らかい、リーンエス王国王都グランスパーダ内の法衣貴族邸宅街。
その一角にあるラドル・トヴェンタス伯爵邸の離れ――激しい争いの跡が生々しい、トヴェンタス家次男ウェインの殺害現場である。
荒れ放題のままの室内に、王国騎士近衛隊の凄腕魔術師ジュール・J・ヴェルジーの姿があった。彼は薄暗い室内で黙然と佇み、当時の状況を脳裏に描き出そうとしている。
「これだけ派手に争ったんなら、間違い無く破壊音や戦闘音は鳴り響くよなぁ?」
今回、捜査員として依頼を受けたサイラスは、室内の至る所に残っている破壊の痕跡をつぶさに見て廻っていた。巨大な獣の爪痕の様な疵の他に、鋭利な刃物によるものと思しき疵も見受けられる。
「俺は天陽道についちゃ明るい訳じゃねぇが、要だろう札を現場に残したまま、鬼だけ外に出てってってのは、術師としてありなのか?」
窓の近辺から遺体の位置までの距離や動線上の障害物の有無を調べていたナハシュが、ジュールに訊いた。彼は札が無ければ式鬼を使役した天陽道の唱紋士も困るのではないかという疑問を抱いていたのである。
これに対しジュールは、それは無いと被りを振った。
「式符が必要なのは式鬼が現れるまで。一度式鬼が現れれば、最早式符は必要無い筈だ」
今回の事件を任されて以降、ジュールは天陽道について相当調べ上げたらしい。恐らく現時点では、王国騎士団内で天陽道について最も詳しい人物といえるだろう。
「次男殺害が手段なのか目的なのか。ここを間違えると後が厄介ですかねぇ」
同じく室内を捜索していたキーゼが片隅の陰の中からぬっと立ち上がった。黒い上着を羽織っている所為か、黙っていれば部屋の闇の中に紛れそうな男だ。
この少し前、キーゼは式符に関する情報や遺体の検死結果、更には式鬼術について詳細に聞き出していた。
式符自体は特に魔術的な要素は無く、シャルガネ風の文字、そして何かの酒類にたっぷりと浸した形跡があるぐらいだったという。ウェインは間違い無く式鬼に殺害されたらしく、心臓を巨大な鉤爪で一撃で貫かれたのが死因とのことだった。
尚、式鬼への命令方式はよく分かっていない。どうやら魔獣使いが魔獣を使役するのと同様の原理らしいが、この点についてはジュールにすら不明点が多いとの由。
「ですが、この酒の臭いは明らかに白米酒。トヴェンタス家で嗜まれるワインやウィスキーの類とは明らかに異なりますね」
つまり最初から目的があって酒に浸されたと見るべきか。
「本当にそれが唯一の証拠であるなら、一応隠しておいた方が良いんじゃねえ? 似た様な模様の札を手にして捜査すれば、案外ばれないかも知れねえよ」
とはナハシュの弁。
確かにその通りだと、ジュールは未だ酒の臭いが強く残る式符を懐に仕舞い込んだ。この式符の存在は捜査関係者にしか明かされていない。勿論、捜査員として動員されている冒険者達はその範疇に入る。
「徹底的に破壊された物なんかも見当たらないなぁ。ってことはやっぱり、殺しが目的?」
戦闘痕以外に何か無いかと調べていたサイラスだったが、逆に荒らされていない箇所も無さそうだった。つまりこの室内は本当に、人間と式鬼の戦闘痕しか残されていないことになる。
「ここにはもう、めぼしい物は無さそうだな……次は聞き込みか」
ナハシュが離れの外に広がる中庭へと視線を転じた。幾つかの人影が遠巻きにこちらを見ている。トヴェンタス邸の家士や使用人といった連中らしい。
「聞かなければならないことは、山ほどありますからね」
キーゼも離れの外へと出た。
ただひとり、ジュールだけは室内に残る。この離れを臨時の捜査本部にしようという腹積もりらしい。
●想定外の女難
トヴェンタス邸の本館一階にある応接室では、ジュスト・ヴェルジーが何故かローザリカ・L・ディオールに半ば詰め寄られる形であれこれ質問の嵐を投げかけられていた。
ジュストは邸で働く侍女や女性衛士に積極的に近づき、その巧みな話術と誘惑技術をふんだんに駆使して諸々の情報を聞き出していた。
殺されたウェインは女性衛士のひとりで平民出身の授恵者クリメル・アウドと懇意であり、毎晩彼女に剣技の稽古をつけて貰っていたらしい。
そんなふたりの仲を、義母のマレアや実兄のタイリース、或いは腹違いの妹エリスなどが好ましく思っていなかったことも分かっている。
しかし基本的にはウェインは家族仲が良かったらしく、彼の遺体が発見された朝にはタイリースは激しく落ち込み、エリスに至っては半ば発狂するかの如く取り乱していたいう。
父ラドルは辛うじて平静を保っていたが、それでもその落胆ぶりは目に見えて分かる程だったらしい。
家士や侍女達も日頃ウェインからは優しく接して貰っていた為、全員が彼の死を心から悼んでいた様だ。
そういった諸々の情報をローザリカに伝えたジュストだったが、そのやり方がローザリカの逆鱗に触れた、とまではいかないが、明らかに不興を買ったらしい。
「何もあんなに、べたべたとくっつく必要は無かったんじゃないかなぁ?」
「あぁいや、あれは全部演技だから」
情報収集の為にと、侍女や女性衛士に半ば色仕掛けに近しい誘惑を試みたジュスト。
それだけに得る物も多かったが、ローザリカの目からすると、そこまでやる必要があったのかと疑問を抱いてもおかしく無かった様だ。
「その話はまた今度……それよりロゼ、土木事業の方はどうだったんだい?」
「こっちは空振りかな。まぁそれはそれで、ひとつの捜査結果だよ。ウェイン殿の殺害にはラドル殿の法衣貴族としての立場や事業内容は関わっていないと見て良さそうだね」
まず何より、ウェインは父ラドルの土木事業には何ひとつ関わっていなかった。
彼は飽くまでも次男であり、ラドルと共に業務に当たっていたのは長男タイリースのみであった。ウェインはどちらかというと剣士志望だった様で、兄が正式にトヴェンタス家の家督を継いだ後は、自身は王国騎士団の入団審査を受けるつもりだったとの話である。
「後は、本当の狙いがウェイン殿ではなく、ラドル殿かタイリース殿だった可能性もあるけど、今はまだ何ともいえないね」
その様に結論付けたローザリカ。
ラドルと関わりのある他の法衣貴族や土木業者に対しても捜査を広げてみたが、彼らにウェインを殺害する動機は一切見られなかった。
ここまでくると、矢張りウェイン殺害の動機は他にあると考えるべきだろう。
「で、さっきの話に戻るけど、何でわざわざ色仕掛けなんかを?」
「いや、だからそれは……」
ジュストにとっては、想定外だった。
今回、祖父ジュールが捜査の指揮に当たっているとあって、ジュールに対して非常に気を遣うことになるだろうと想像していた。ところがまさか、ローザリカにまで詰め寄られることになるとは。
少しばかり、読みが甘かった。
●隠れた愛憎
本館二階のウェインの個室を出たヴァン・ローラントは、浮かない表情で案内役の家士にかぶりを振った。めぼしい物は何も見つからなかったらしい。
ヴァンはウェイン殺害の動機が、ウェインの個室内にあると見て室内捜索の許可を得たのだが、特に荒らされた形跡も無く、何かが無くなったという痕跡も見られない。
念の為、日頃ウェインの身の回りの世話をしていたという中年の侍女にも手伝って貰ったのだが、彼女からも特におかしな点は見られないとの報告を受けた。
つまり、ウェインが殺された原因はここには無い、ということになる。
(いまいち想像し辛いが、ウェイン個人に何か問題があったのか……?)
そう考えれば、式鬼の様な野蛮な手段を使って派手にウェインを殺害したという点も合点がゆく。天陽道は暗殺を得意とする集団らしいが、天言殺呪ではなく敢えて式鬼を使ったところに、何か意図がありそうだ。
そうなると、人間関係を洗うしか無いだろう。
(身内に術師が紛れ込んでいる可能性もあるが……)
式鬼が目撃されたのは離れのある裏門方面。その裏門にはこじ開けた形跡も無いことから、内部の者が手引きした可能性もある。いや、寧ろ殺害依頼者が邸内に居ると見た方が自然か。
ヴァンはウェインの死を最も嘆き悲しんだという義妹のエリスから話を聞くことにした。
家士に伴われてエリスの室を訪れたヴァンは、辛うじて聴取に応じることは出来るものの、恐ろしく憔悴し切った彼女の様子から、ウェインがエリスにとって如何程に大切な存在だったのかを窺い知ることが出来た。
そのエリスから飛び出してきたのは、意外な台詞だった。
「あの女……早く死ねば良いのに」
エリスは、ウェインが死んだのはクリメルの所為だと迷わず断定していた。何故そう思うのかとヴァンが問いただすと、エリスは怒りと憎悪に満ちた瞳を鋭く返してきた。
「ウェイン兄様があの時間に離れに行くことを知っていたし、例の式符とかいうのを持ち込めるチャンスは幾らでもあった筈よ。きっと兄様が将来王国騎士になって独立して、私と結婚することに腹を立てたんだわ」
ヴァンは腕を組んだまま、思わず天を仰いだ。正直なところ、彼女の言葉のどこまでが本当の話なのか、今ひとつ判断に困った。聴取する相手を誤ったか。
だがここで、ひとつだけはっきりしたことがある。
授恵者クリメルに対しても念入りな捜査が必要だと分かった。これは即座に着手せねばならない。
エリスの室を出てその旨を家士に告げたヴァンだったが、更に驚きの情報が飛び込んできた。
クリメルが今朝から行方不明だというのである。
(自分に捜査の手が迫ることを察して、姿を消したのか?)
だが、どうにも違和感がある。何かが心の片隅に引っかかる。
エリスのいう様に、本当にクリメルが犯人なのだろうか?
その後、ヴァンはナハシュ、キーゼのふたりと合流し、長男タイリースの室を訪ねた。
当主ラドルとその妻マレアはウェインの死からくる心労で体調が優れない為、トヴェンタス家の公的な窓口は現在、このタイリースが務めているらしい。
そのタイリースは柔らかな物腰で三人を丁寧に出迎えると、応接スペースへと招いた。
「最近、怪我や一身上の都合で退職したり、休養した者は居ませんでしたか?」
内部に天陽道と繋がりがある者が潜伏していた可能性を考慮したキーゼ。しかしタイリースは、その様な者はひとりも居ないとかぶりを振った。
逆に、事件当夜にトヴェンタス邸を訪問した者も居なかったとの由。
となると、矢張りその当時に誰かが暗殺者を邸内へ密かに手引きしたと見るのが妥当か。
「ところでエリスさんが、亡くなられたウェイン殿と結婚なさる予定だったというのは、本当の話ですか?」
「エリスが? ウェインと?」
ヴァンからの問いかけに、タイリースは驚いた様子を見せた。そんな話は、聞いたことも無いというのが答えだった。
これは一体、どういうことであろう。
●終わらぬ襲撃
再び、離れ。
それぞれが集めた情報を持ち寄って、今一度整理しようという運びとなった。
破壊の痕跡が残る殺害現場の隣の室は、ちょっとした書斎となっている。そこに冒険者達とジュールが膝を突き合わせ、順番に捜査結果を発表していった。
「改めて例の式符ってのを調べてみたんだけど、やっぱりよく分からなかったな。っていうか、これ本当に魔法的な施術がされてたのかっていうぐらい、全く何も無かったんだよ」
あの後、サイラスはジュールから例の式符を借りて色々と調べてみたのだが、調べれば調べる程、疑問が深くなった。例の式符は、謎の紋様と酒の臭い以外、本当に何も検出されなかったのだ。先に調べたジュール曰く、魔術に関わるエーテルは欠片も残されていないということだった。
「ということは、この式符が式鬼召喚に使われたのではなく、襲撃対象を明示する目印として使われたと見る方が正しいでしょうね」
キーゼは直接に、式鬼が出現する瞬間をその目で見たことがある訳では無い。
だが白米酒の臭いが染みついていること、そして襲撃後も残されていた事実から鑑みるに、この式符は襲撃対象のもとに式鬼を誘導する為の道具に過ぎなかったと見る方が正しいと結論づけた。
そのキーゼの推論にはジュールも賛意を示した。
「ヴァンさんと一緒にタイリースさんにも話を聞いてきたけど、外部とは特にトラブルらしいトラブルは無かったって話だったな。となると鍵はやっぱり、今姿を消しているクリメルって女か」
ナハシュがいいながら、ヴァンに視線を転じた。
手には美味そうなサンドイッチが握られている。エリスが気を利かせて、冒険者達に賄いを用意してくれたのだ。これが結構良い味付けで、ナハシュ的にはこのサンドイッチを堪能出来ただけでも、今回の捜査に参加した甲斐があったというものであった。
一方、ヴァンはクリメルが住み込みの女性衛士であることも調べ上げており、他に居宅は無いことも分かっていると告げた。
「こうなってくると、行きつけの店や身を隠せる場所を捜索するしか無いかも知れない」
ヴァンの渋い表情に対し、キーゼは然程心配した様子も見せずかぶりを振った。
「被害者とクリメル衛士は稽古後に離れ内の別室で仲睦まじく夜を過ごすことが日課になっていた様ですが、一緒に外へ出歩くというのはほぼ無かったとのことです。つまり、彼女が邸外に頼れる場所は無いと見て良いでしょう」
キーゼの見るところ、クリメルはそう遠くには行っていない。見つけるのは、然程に難しい話ではないと考えいていた。
ここでジュストが、腕を組んだままじっと瞼を閉じている祖父に視線を転じた。
隻眼の老魔術師は冒険者達の報告を聞きながら、頭の中である仮説に至った様だ。が、確信を得た訳ではない為、未だ口外するのは早いと考えているらしい。
「お爺様……じゃなくてヴェルジー卿、既に犯人は分かった様ですね」
公的な場では、ジュールとジュストは祖父と孫ではなく、王国近衛騎士と冒険者という立場で言葉を交わさねばならない。公私をはっきりと分ける辺り、如何にも厳格な祖父らしい方針だった。
探る様な目つきのジュストに対し、ジュールは逆に、お前はまだ分からんのかといわんばかりの視線を返してきた。
「犯人は今尚、目的を達しておらん。襲撃は再び、起きると見るべきだな」
ジュールの放ったそのひと言に、冒険者達は思わず顔を見合わせた。
ウェイン殺害は矢張り、カモフラージュだったというのだろうか。
「じゃあやっぱり、本当の狙いはトヴェンタス伯爵、或いは兄君のタイリース殿だった?」
ローザリカの問いかけに、しかしジュールは頷かなかった。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準6 / 4〜8人
2022年10月08日 19時38分15秒 公開
相談掲示板
(依頼人から滅茶苦茶に圧をかけられたのか、胃のあたりをおさえ) キャスターのジュストだ、よろしく頼む。 今回は情報収集が目的だけど、かなり自由度が高い。 色んな情報を集める為にはある程度情報収集先やスキルをばらけさせて臨んだ方が良いかもね。 調査対象エリアはトヴェンタス家やその周辺。 話を聞くならトヴェンタス家内なら家族や使用人、周辺なら出入りの商人だったり、近所の別家の人間とか。 犯行現場の部屋も冒険者が調べれば今解っていること以外のことも解るかもしれない。 法衣貴族邸宅街ならあまり見慣れない人物などがいたらすぐ目につくだろうし、不審者として捕まりかねないけど……変装していたり、どこかの貴族が匿っているなどしたら話は別かな。
(ジュストに憐みの視線を送りつつ) ヒーラーのローザリカ、よろしく頼もう。 そうだね。自由に調べられて出来ることが多い分、 ある程度スキルや調査場所・対象をバラけさせるのも良さそうだと僕も思う。 僕はトヴェンタス伯爵家が関わっている土木行政の方面で調査をしたい。 建築・土木のスキルも持っていたからちょうどいいかと思ってね。 具体的に言えば現在関わっている仕事や、図面など仕事関連のものが持ち去られていないか。 もうひと枠のスキルは未定だが、調べる許可や聞き込みができるよう対人系かな……
(依頼人とジュストの顔を交互に見て何やら察したようだ…) 探偵をやっているヴァンだ。殺害を実行した式鬼とかいうやつ、出来れば会いたくないな…。( それを召喚して制御する唱紋士が犯行時にも近くにいたなら、目撃証言が取れればそこから潜伏場所とかを探れたりしないかとか考えてる。 あとウェインがこっそり天陽道について調べてたりしたのがバレてこの事態になったとかなら、自室に報告書とか残ってないかとか調べてみたいな。
さて、よろしくお願いします。 幾つか引っかかる点があるので、僕はそこを中心に、ですね
俺が気になっているのは、殺害現場で争った形跡があったというところと、現場に残された符かな。 殺されたウェイン殿に戦闘能力があったか否かも調べてみるつもりだけど、なければ普通戦闘にはならず争った痕跡は残らないと思うし。 もしすぐに助けを呼んで、助けに来た者がいて交戦したのならそこからの情報が挙がってきていないのはおかしい。 もし戦闘能力があったにしろ、分が悪ければ普通助けを呼ぶ。 それに暗殺を生業としている者が自分の足をつくような証拠を残しているのも不自然だよね。 事件が発覚した時の状況、第一発見者、近隣の目撃情報、トヴェンタス伯爵家内の人間関係……その辺りを聞き込みしていこうかなと思っているよ。
No.6
サイラスだ、よろしくなー とりあえず符見てみたいかなと。残ってるのに違和感あるし。後は土木とか聞き込みメインみたいだし現場見る人必要かなって
ナハシュだ。今回はよろしく。 同じく現場を見たり聞き込みしたりとかかなーと思ってるぜ。 言われてる通りちょいと不自然な点も多いようだし、そもそんだけ激しい戦闘跡があるなら、夜中とはいえ屋敷の奴らが戦闘音を聞いてねえのも不自然だと思う。 後は符の情報の出どころとかかな。まあ適当に何かしてるぜ!