【再起】侯爵領の残滓
馬車猪
コメント 11
シナリオID:2502
オープニング
リットは肩を落として歩く。
代官から命じられたのは旧シュタールシュヴェーアト侯爵領の調査だ。
避難民からの聞き取りや超遠方からの調査で、生き残りがいるかもしれない場所はいくつか判明している。
最初に向かった村は村は放棄されてから1年は経過していた。
2つめの村は白骨化した遺体が野ざらしにされていた。
代官にたっぷり持たされた救援物資も、リット1人とビヒモー1頭の分しか減っていない。
ぶるる、と巨体が震える音がする。
そこに苛立ちが混じっているのを察し、リットは「分かっているよ」とつぶやき気を取り直す。
「無事ならいいけどよぉ」
義兄の実家が治めていた領地であり、うまくいけば義兄が治めることになる土地と人間なのでリットも真剣だ。
なお、帝国における爵位と領地についてかなり丁寧に説明されたのだがリットは半分も理解していない。
「おっ」
リットが驚きの声をあげる。
この場所からも大きく見えていた中型クリーパーが、いきなり現れた1人の人間により鮮やかに仕留められたのだ。
基本的に対人用の武器である剣で怪物を倒す様は、リットの少年の部分を強く刺激する。
「すっげー。義兄や代官よりずっと強い人間なんてほんとに久しぶりに見たぜ」
ビヒモーの背中によじ登って勢いよく手を振る。
その人間は明らかにリットに気付き、しかし名残惜しげではあるが廃村にしか見えない村へ急いで戻っていった。
●
「先程はすみませんでした」
極度の物資不足で筋肉は痩せ髭も伸びっ放しなのに、そのウォーリアには隙がなくしかも安定している。
「村を守る戦力が乏しく出迎えに向かう余裕もないのです。君の所属と目的を聞いても?」
「あ、はい」
丁寧に接せられてリットが戸惑う。
村人からゴッチ先生と呼ばれている男は、とても眩しいものを見る目でリットを観察している。
「にーちゃんの、じゃなくて代官のねーちゃんの……」
一党の頭としての経験を持つリットではあるが、授恵者としても人間としても格上の人間に丁寧に扱われると弱い。
そんなリットを無視してビヒモーは活動中だ。
背中にくくり付けられた大荷物の重さを感じさせない足取りで村の広場まで移動し器用にしゃがみ、ロープを解いて荷を下ろせと身振りで村人に要求した。
「この袋ぜんぶ塩?」
「こっちは保存食に清潔な布……うわ柔らかっ」
「いくらかかってるんだよ。有り難いけど帝国のどこにこんな金が」
「先生ー! 髭剃りあったんで使って下さーい!」
長い間脅威に包囲され閉じ込められていた村人が、外からの支援物資に心底喜んでいる。
「間違っていたらすまない。君はひょっとして、私の弟子の弟子かな?」
ウォーリアが挙げた名前はリットの義兄の名だ。
リットは酷く驚き、荷物を下ろして戻ってきたビヒモーに体当たりされるまで混乱していた。
●
「輸送と護衛の依頼です」
冒険者ギルドで職員が帝国の地図を広げている。
「帝国軍が奪還した地域以外で生存者が発見されました」
場所は旧シュタールシュヴェーアト侯爵領の端。
クリーパーと魔獣の脅威だけでなく、野盗、亜人の脅威にも晒されている危険な場所だ。
なんでそんな場所に生き残りがいるんだという真っ当な質問に、職員は冷静な態度のまま回答する。
「これまで行方不明であったカール・イスターツ氏が守っていたそうです」
帝国では剣術の神様と呼ばれることすらある有名人である。
武芸者の世界では過剰な宣伝や売名も珍しいことではないが、彼の場合は純粋な実力と真っ当に育て上げられた大勢の弟子からの評価により名声を得ている。
しかし神というのは褒め言葉であって本人は人間でしかない。
「はい、ご想像の通りそろそろ限界です」
超人的な実力を誇る授恵者にも限界はある。
エフレムであれば違うのかもしれないが、危険地域にある村を実質単独で守り抜くなどいくら強い授恵者でも無理がすぎる。
「この依頼はカール氏の治療と可能であればヴィントまでの護衛、そして現地の村の防衛力強化です」
多くの冒険者が眉をひそめる。
危険な場所から戦力を引きはがして他はそのままというのは滅茶苦茶だ。
「依頼人からの強い要請です。冒険者ギルドもこの要請を認めました」
危険ではあっても比較的収穫が期待できる土地を放棄できない。
旧シュタールシュヴェーアト侯爵領の復興を担当することになった代官はそう判断している。
「現地への物資輸送にはビヒモーが使えます」
平均的な個体でも全高3メートル程度。特に体格の良い個体は全高5メートルに達することもある大型動物だ。
「臆病ですが大きく頑丈な生き物です。皆さんが護衛すれば襲ってくるものはほとんどないと思います」
問題は村へ到着してからだ。
防御強化用の資材や武器防具だけでなく大量の食料も運び込まれることになるので、腹を空かせた魔獣や賊が襲って来かねない。
クリーパーの脅威も当然に存在する。
「資材や装備を受け取った村人が村の守りを強化するまで……おそらく1週間ほど滞在することになります」
おそらく村人だけでは足りない。
冒険者が柵や防壁を修理または新設するなどして防御力を高め、村人の士気と体力も高めて戦力を高め、その間に襲ってくる敵を撃退する必要もある。
「困難な依頼になります。よろしくお願いいたします」
帝国出身の職員が、深く頭を下げるのだった。
解説
マスターより
リプレイ
仮に再会できたとしても、感じるのは懐かしさと喜びだけと思っていた。
「ゴッチ先生! よくぞ、ご無事で」
アルベルト・V・シュタールシュヴェーアトの過去の記憶が鮮やかに甦り、既にいない老若男女の多さに胸が締め付けられる。
「アルベルト君、今は再会を喜びましょう」
カール・イスターツは弟子の境遇を理解した上で、前を向くように穏やかに諭す。
この村には大勢のシュタールシュヴェーアト領住民がいるのだ。
「はい! リット。この御方は俺の剣の師匠である【ゴッチ先生】だ。きちんと挨拶するんだぞ」
「お、おう?」
義兄の雰囲気がいつもと少し違うのに戸惑うリット。
その背後では大きなビヒモーが欠伸をしている。
「患者発見しました」
何れ劣らぬ美貌のヒーラーが3人、別方向からゴッチに迫る。
なお、シルク・メイプルリーフも艶やかな褐色肌のフェミナ・ノ・リビディーネもいるのに今だけは何故か色気が感じられない。この2人も今は徹底して医者だからだ。
「あなた様がどんなに強くても限界はあるのですから無理をしてはいけません!!」
フェミナが真正面から訴え。
「こういう患者は見慣れている」
ナタリア・フィッツジェラルドは大鎌を構えて退路を封じ。
「リットくん足持ってください」
「わかったねーちゃん!」
有無を言わせずシルクとリットが運んでいく。
行き先はナタリアが準備したゲルだ。
「先生?」
弟子は混乱して動けない。
ゴッチが弱くなったのかわざと捕まったのかあるいは自分達が強くなりすぎたのか、過去の記憶が邪魔して冷静に判断できていない。色気に負けたのではないかとも一瞬思ってしまった。
(剣術の神様ね。確かに剣術は今の俺より上か。技術に体がついていってないのは極度の疲労が原因かね)
通りかかって騒動を見たサイラスがそう思う。
一瞥していつ回復するかは分からないが依頼中は無理だろう。
サイラスは足を止めず、状況を把握するため自分の足で村の中を確かめていくのだった。
●
「依頼、受けた。お弟子さん、の、婚約者さん、から?」
エルの説明は独特だが何を伝えたいかは明瞭だ。
体格の良いビヒモーの群れが、村人が見たこともない量の物資を運んで来ているのだ。
先導するのはエルの相棒で、群れが全て村の中に入ると周辺を警戒するため外へ向かう。
「リットさんの相棒さん、元気そうで良かった、です。他のビヒモーさんたち、も」
エルが声をかけると一際大きいビヒモーが穏やかにうなずき、他のビヒモーは礼儀正しくエルに一礼する。
リットが見れば「俺一応飼い主じゃなかったっけ……」とご飯の時間になるまで落ち込む光景だ。
「この村も、交易路に入れば、ビヒモーさんたちのお仕事、増える?」
普通のビヒモーは小首を傾げ、一番大きなビヒモーは脅威の残った村の外をちらりと見る。
「うん」
法律上は飼い主であるリットはあまり頼りにならないので、群れの未来はエル達にかかっていた。
(建築、並行して教導。道具も、生活領域も、人材も、作る事なら修めてる。出来る事に欠けがあれば竜なんて横紙破りに届く訳がないし)
サイラスの考えは自信過剰ではない。
サイラスは武力はもちろん技術もすごい。
(要求量はそれなりにか? かなり多めに運んで来たから足りる……足りないかも)
土木や建築を高い基準で修めている同行者が大勢いるので、派手に動くと物資も相応に必要になる。
(大体の地形と建物の規模や数から概算して……)
途中で見た芋畑の様子から今年の収穫量を推測して計算に加える。
「ビヒモー型クリーパーが近づいて来ないのだ」
皮算用というにはあまりに生々しい計算と準備をしているストレガ・L・リベルガストラが遠くに見える。サイラスの五感なら十分聞き取れる距離と音量だ。
(しばらく店やってないから売れるものはあるんだがなー)
依頼に私物を持ち込むのは難しい面もあるのだ。
「そこの鍛冶屋、でいいのか? 適当に手伝うから協力して。壊れた農具や敗れた鍋が集まるまで他のことしとくから」
サイラスは半壊した建物を手際よく修理可能な形で解体し、暇そうにしていた若者にビヒモーの所にある資材を運んで来るよう命令した。
「これまでよく持たせました。えぇ、素晴らしい場所だわ」
アウレーリア・フォン・ネーベルベルクの口元が不敵に吊り上がる。
(地形、見通し、面積に人口扶養力。残滓とはいえ流石は侯爵領か)
冒険者ではなく貴族の目で村の全てを把握する。
(授恵者のような少数精鋭ではなく、一般兵でも維持可能な体制こそ安定的。肉壁に頼らぬ防御地形と後背の生産力、欲しいものがちゃんと揃っている)
ただしぼろぼろでもある。
地形に頼らず脅威に対抗可能だったのはゴッチだけ。つまり地形に積み重なった被害は深刻だ。
(エーテル浄化者を呼び寄せる必要が薄いのは僥倖か)
ある程度安全な場所からここまで運ぶのは非常に大変なのだ。
アウレーリアは、あの日の前なら門外不出だった地図と実地を見比べながら活用法を考える。
(少物資・技術で組める防御設備は沢山あるが)
作業を担当する人々は平凡だ。アウレーリアを活かせるのは本人と冒険者の計8人のみ。
「簡易な空堀に土塁、跡は物見台ね。最低限必要な建物の他はゲルで。さあ、聞いていたのでしょう? 住んでいる場所に戻ってすぐに取りかかりなさい」
彼女は有無を言わせず、村長やまとめ役を通して大勢を動かしていた。
●
素質はあっても最良とはいえず、しかし体は見事なまでに剣術に最適化されている。
「負傷は軽いですが……」
フェミナの指先がゴッチの胸板から離れる。
深刻な怪我も疾患も見つけられなかったが疲労が深刻なことだけは分かる。
言い訳も断り文句も一切通じなかったせいか、苛酷な戦いの中でも己を保っていた男が落ち込んでいるよう見えた。
「医療用物資は私に使わず温存を……」
「たくさん用意してもらいました」
フェミナは比喩的な意味で胸を張る。
長期的な目で見れば村の防御力の強化は必須でそれと同じくらい医療品の充実も大事、と主張した結果が隣のゲルだけでなく多数のゲルと建物を一杯にした薬と包帯とその他医療品だ。
金と物資を吐き出さされた代官が少し泣いていた気もするが多分気のせいだ。
「如何なる英雄も生命である以上、劣悪な環境には勝てん。村人有志の士気はイスターツ卿の存在ありき。言い換えれば卿が斃れれば容易く瓦解する」
ナタリアは歯に衣着せない。
消化し易い栄養豊富な食事を半ば以上無理矢理にとらせた後にこの台詞である。
気力体力が回復したから正論をぶつけたともいえる。
「卿を回復させるため清潔にしている。くれぐれも余計なことはしないように」
帝国貴族フィッツジェラルド子爵家の人間だからではなく、医療の専門家としての発言だ。
(治癒術1回で癒える程度の傷でこの状態ということは……疲労か)
常人なら何度か過労死しそうな疲労である。
ナタリアがゲルの外へ出ると、必死な表情の村人が焦っているのに静かに集まってくる。
「イスターツ卿は無事だ。ヴィントで1週間も休めば本来の力を取り戻すだろう」
守護神が村から離れるという意味を理解しているのに村人は恩人の無事を喜んでいる。
(これだけ士気が高ければ防衛策における勤勉のモチベーションも高い筈。十分な物資を用意すれば我々が去っても持ち堪えられるはずだ。出来る事ならリット一党は当初の予定通り、リーラント卿絡みの任に専念出来るようにしたいが……)
被害は出る。
カール・イスターツという貴重な戦力を独占しても被害が出ていた村なのだ。
全てを守りきるのは不可能である以上、決断するしかない。
「レッツシスタービルディングですよー!」
建築・土木分野で専門家かそれ以上に匹敵する冒険者が複数いるのは心強い。
シルクは村全体が砦として機能することを目指し、外壁の補修から始めている。
次に物見台。その次は矢倉だ。
誘惑されていないのに色香に釣られた若者が大勢手伝っているが、村が大きいので作業が進んでも村の見た目にはなかなか反映されないようにも見えた。
●
「訓練は、弓矢を使う人、いる?」
既に格付けは終わっている。
全力疾走の途中で呼吸も難しくなった自称自警団達の前で、汗をかいてすらいないエルがいつも通りの調子で問いかける。
(矢は、高い、から)
練習で大量消費する余裕もないので、弓に才能がある者にしか教えられない。
「他の人は、スカウト、から? 遠距離攻撃も必要、と思い、ます」
移動動きは遅くても頭も体も酷使するスカウトに、石を拾い集めれば残弾が回復する投石。
エルによる教導はかなり過酷で、それ以上に効果的だ。
「今日から一週間俺がゴッチ先生に代わって皆をしっかり鍛える! 遅くても一週間後ハイエナ魔獣の討伐に向かうから、そのつもりで訓練に励んでくれ」
アルベルトによる教導はさらにその上をいっている。
心身が潰れる1歩手前の負荷をかけ、根本的に向いていない者を除く全員に基本を叩き込んでいた。
そんな日々がしばらく続いた。
ストレガは村の中心近くで行われている訓練をちらりと見て、村の外側を見る。
「あのクリーパーより魔獣の方が勘がいいのだ」
足跡から推測していた通りハイエナから変じた魔獣だ。
手旗を振って工事中の村人集団に退避の指示を出し、ストレガ自身はわざと目立つよう走りながら術を使うタイミングを計る。
「そこにとどまるのだ」
高速で突っ込んできた5体を重力場で足止めし、重力場の範囲外にいた2体が向かって来るのを身軽なステップで躱す。
「遠くからも鳴き声が聞こえるのだ」
別の方向へ迎撃に向かうよう伝えながら、エーテルを高速収束させて起こした爆発でまとめて吹き飛ばしていた。
「厄介な」
ナタリアは黒汗馬から荷馬車を切り離す。
魔獣や獣も荷物は食わないだろうから今は無視して良い。
「固まれ。はぐれたら死ぬぞ」
身軽に柵を跳び越えた魔獣を、魔力を帯びた大鎌で切り捨てる。
(転んで怪我をした程度か。よかった)
無傷で済んで安堵する黒汗馬の上から、村人に癒やしの術をかけた。
●
「退け!」
アルベルトは漆黒大剣を巨大な光塊で覆って振り回す。
馬であれば即死も有り得た魔獣3体が戦闘不能になり、しかしもう1体は辛うじて戦闘力を維持している。
(これも仕事かね)
かなり離れた場所で別の魔獣相手に仕掛けをしていたサイラスが、体を大きく動かし万力鎖を振るう。
重傷の魔獣の目には、頭蓋と脳が破壊されるまで短剣の後ろにある鎖は見えなかった。
「私が来た以上脱落者なんて出させはしません」
フェミナが村人を守っている。
もとからあった清らかさと色香に凜々しさが加わり、信仰心じみたものを得てしまった人もいそうだ。
(剣は習得が難しいようです。後ろに誘導して、石を投げる人は興奮して前に出ないように……)
いつでも治療できる態勢なので攻撃にはほとんど参加できない。
剣を使いたがる自称自警団は邪魔にならないようするのが精一杯で、投石や弓使いも物資の消費の割に効果が薄い。
それでも、組織としての経験は少しずつ蓄積されている。
「数は減ってますけどっ」
生命力溢れる白い肌を大目に晒したシルクが戦場を蹂躙する。
トンファーは物理攻撃に見えるが実質は魔力による至近からの攻撃だ。
無傷の状態から血がだらだらで頭がふらふらになった魔獣が、これまでは無視していた投石を避けてじりじり後退していく。
「むう」
ストレガがうなる。
村の練度の低さを考慮すると、村と村人とゴッチの健康を守りながら魔獣を全滅させるのは困難だ。
術の射程内にいる魔獣は魔法攻撃で討ち取れるが、次の獲物を射程に収めるのに時間がかかる。
(血痕とか残れば巣穴の方向とかのヒントになる。面倒だけどなー)
サイラスは淡々と記憶し、次の仕事に備えていた。
●
アウレーリアは、戦闘の音が聞き取れないほど小さくなっても村の周囲を回ることで主にクリーパーに対する警戒を行っていた。
「終わったと判断するわ」
戦闘に遭遇しなくなってから3周した後に戦闘の終了を宣言。
村人の防衛要員の一部を築城に振り替えて各種施設の建設を加速させる。
(工事用の術とかがあればね)
戦闘用のスキルなので工事には使い辛いことがある。特に効果時間とか。
ストレガは解体作業中だ。
自然界には漁夫の利を狙うものが大量にいるとはいえ、ここまで強烈な暴力の気配があると余程の強者か馬鹿以外は寄ってこない。
防壁や防柵に血抜きを兼ねて吊すと、体格の割に気の弱いビヒモー達が数歩後ろに下がる。
「これなら多少は知恵のある魔獣への見せしめになるのだ」
村への物理的ダメージは0だが、精神的には結構ダメージがあったかもしれない。
村の外から戻ってきたサイラスは濃厚な血の臭いを漂わせ、背中に多くの素材を担いでいた。
●
別れの宴は魔獣肉の鍋だ。
慢性的な食料不足に悩まされてきた村人にとって、熟練以上の猟師が得た魔獣肉は最上に属するごちそうだ。
「うまっ」
「嘘何これ止まらない」
ストレガは料理人としても優れている。
塩や葱や韮などをふんだんに使った料理は臭みが抑えられて美味だ。
「いいですか。怪我を負った際はできるだけ早く初期処置をするだけで重症化を防ぐことができるのですよ。この手間が結果として後々に皆様の身を守るのです」
フェミナは別れを惜しむ時間も惜しんで教育をしている。
初期治療や衛生管理の大事さをある程度身につけさせることはできたがそれが精一杯。
村の外に薬草の群生地などがないか探す余裕は残念ながらなかった。
「ゴッチ先生、村の防衛体制は整いました。私がお護りします。安心してヴィントまでお越しください」
アルベルトは目をきらきらさせている。
「カール・イスターツ氏、って、本当にすごい人、なんです、ね。……そういう人、が、いなくなったら。村の人たち、は、不安?」
エルの言葉を聞き、今さら村長やまとめ役が迷い始める。
「熟練者は後方で人材育成が適正配置よ」
今の身分は冒険者でも、中身も行動も帝国貴族なアウレーリアが一刀両断にする。
ゴッチも、ここにはいないが依頼人も否定はできない正論だった。
荷物が空のビヒモーの列が村から離れていく。
防御機能は完成には遠く、しかし冒険者が訪れる前と比べると別の土地のように改善されている。
「ここが、この辺りの、これからの復興拠点、になる、のかな?」
道脇の草の茂り具合を見てエルがつぶやく。
「周辺地域奪還の足掛かりにしても良いくらい……いえ、それができなければこの地域の復興は厳しいでしょうね」
アウレーリアは楽観視しない。
この依頼は成功したが、シュタールシュヴェーアト領の復興は最初の一歩を踏み出した段階であった。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準8 / 4〜8人
2022年10月10日 11時44分28秒 公開
相談掲示板
ヒーラーのナタリア・フィッツジェラルドだ。宜しく。 疲労困憊でも、患者の面倒を見るのは久しぶりな気がする……( それはそれとして、クリーパーの撃破とイスターツ卿……もといゴッチ先生の診断、どっちを優先したものか。 放置すると倒れるとあるし、村人有志の士気を見るに、彼を慕う村人は沢山居るものの戦力としてはお察しだ。 こういう形でも、後顧の憂いは断っておきたい所だ。
No.2
サイラスだ、よろしくなー とりあえず ・輸送する物調整(医療物資、食糧、防衛用建築士材)? ・教導(教導、戦術系?士気にカリスマや演説) ・防衛戦力の強制休養(代理防衛、医療) ・防衛設備(建築) とかか?パッと出るの 防衛力強化が目的だから打って出るのはそこまで優先しなくていいかなと。戦力固めた方がハイエナの性質上攻めて来なそう。来ても対処しやすい。 巣の場所探しから始めることになりそうだしなぁ。
ウォーリアのアルベルト・V・シュタールシュヴェーアトだ。 よろしくな。 ゴッチ先生・・・よくぞご無事で・・・。 今回俺は、村人有志の訓練及び訓練後の彼らを引き連れてのハイエナ魔獣の討伐を考えているぜ。 スキルに『教導』と『戦術眼』を持っていくからどうにかなると思うぜ。 あと、ゴッチ先生の治療・・・と行きたいところだが、これは本職にお任せしようかなと思うぜ。 村の防御力と自警団が整備されればゴッチ先生も安心してヴィントにお越しいただけるだろう。 ・輸送する物調整(医療物資、食糧、防衛用建築士材) ・教導(教導、戦術系、士気にカリスマや演説) アルベルト ・防衛戦力の強制休養(代理防衛、医療) ・防衛設備(建築)
エル、です。…シューター、です。 どうぞ、よろしく。 ゴッチ先生、にも、自警団の人たちの訓練、を、手伝ってもらったら、どうでしょう、か。 弟子がたくさんいる人、みたい、だし、その間、休んでも、もらえる、かも? あ、輸送物資に、自警団の人たちの装備品、とか…。 適性が、分からない、です、けど。
No.5
シスターシルクです 回復役(ヒール)が必要と聞いて
ヒーラーのフェミナ・ノ・リビデイーネと申します 回復ならお任せください あと戦闘はお任せになってしまいます
キャスター、アウレーリアです。宜しく。 ひとまず、防衛体制が整うまでの足止めや近場の個体の掃討を担当しようと思います。 魔獣やクリーパーが減って、防衛線に張り付いていなくても良くなれば、築城などの方にも人が回せるようになるでしょう。
ストレガなのだ。よろしくなのだ。 主に村の巡回警備と戦闘になると思うのだ。ハイエナ獲っても食えないだろうし。
No.9
この様子だと建築だなー 飛び道具あるから一応は対応必要になれば支援出来なくもない
砦の強化が主目的ですけど、それ以外の物資・・・・医療品なども持っていきたいと思うので私の方で申請してみますね あと村では、戦闘時以外は村人の医療行為を行いながら初期処置の重要性を教えたり、村周囲で取れる薬草探しなどをするつもりです
…ええと、自警団の中に、弓矢を使う人がいるなら、その人の訓練の手伝い、と。 防御施設、も、何か、手伝えたらいい、と思い、ます。