【再起】腹黒どもの宴
馬車猪
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シナリオID:2458
オープニング
貧しい民では一生に一度も味わえぬ美食は無造作に消費されあるいは冷えていく。
「お集まり頂きありがとうございます」
貴族というには質素な装束の少女が、歴史を積み重ねた貴族でしかあり得ぬ態度で腹黒い男女に挨拶する。
気品も教養も話術も非の打ち所がない。
しかし腹黒共は笑顔の仮面を被ったまま勝利を確信している。
(王国貴族のうまれを隠したのが命取りよ)
セニャと名乗る少女をどう料理すれば一番美味く味わえるか、愉悦しながら考えていた。
●抜き打ち査察
「お待たせしました」
「構わん。ここではセニアーラ卿と呼んだ方がいいかね」
宴の舞台裏で、高位の文官が真っ直ぐに代官を見た。
「どの呼び名でも構いません」
セニャの態度は丁寧だが強気だ。
物資も人材も金も何もかもが不足している帝国には、今セニャを切り捨てる余裕がないことを知っているのだ。
「そうか、セニャ代官」
「はい。こちらが先月分の報告になります」
護衛を介して直筆の報告書を渡す。
外部に漏らすわけにはいかない情報……地図や物資やビッグオウムの滞在記録などをまとめた内容だ。
(4ヶ月もかからず子爵領に匹敵する土地の復興を軌道に乗せたか。王国のスパイであれば問題はあっても話は簡単だったが……)
セニャは前歴を隠していない。
帝国復興に投じた資金も皇子とその傘下に対しては隠していない。
実家を出奔してから稼いだ金と一部冒険者からの出資だけなのに、個人資産とは思えぬ膨大な額だ。
「順調だな」
「冒険者のみなさんのおかげです。帝国の兵と民の強さのおかげもありますが、冒険者の戦力と才能がなければまだ最初の村で手間取っていたかもしれません」
それが事実かどうか確かめる術は文官にはない。
最初から伯爵候補として教育され一時は伯爵領を経営していた者は、帝国で立身した文官とは異なる手法を使っている。
「次はどこを復興させるつもりだ」
「私の婚約者の領地とその周辺を目指したいのが本音ではありますが」
紫と金の瞳に迷いが浮かび、しかし怯懦は皆無だ。
(このパーティは次に復興する土地を選ぶためのものか)
表側から、私欲が隠せていない会話が音楽と一緒に聞こえてきていた。
●依頼
「結局自分の領地が欲しいだけですよね」
「私の内心を想像しないで頂戴。的中してるのが腹立たしいわ」
文官が去った後の貴賓室で、セニャがうんざりとした顔で冒険者ギルド職員を出迎えた。
「人類の領域が減るのを防ぐためでもあるのよ」
今は平民でしかないセニャが高官と会えば緊張もする。
アルコールの入っていないジュースを飲んで大きく息を吐いた。
「しかしすごいパーティですね」
職員は皮肉ではなく本心からそう言う。
「法のグレーゾーンと真っ黒な領域を行き来する半ば犯罪者に、甘い汁を吸うことしか考えない代官の生き残り、力不足や行状で爵位や代官職の継承が認められそうにない人達までよく集めましたね」
事実である。
否定の材料がないのでセニャの目も泳いでいる。
「まともな……半分くらいはまともな部分もある人がいるわよ? 勝手に集まったのも結構いるし」
「マフィアが一番清廉な出席者という時点で……」
ブラックデスは真っ当な取り引きをすることもあるがマフィアであるのも事実だ。
「どこからどう見てもダメダメな貴族や代官の三男坊や四男坊やその女版があなたの後釜を狙ってますし、積極的にあなたの失脚を狙っているのもいますよ。詐欺で金や利権を奪い取ろうとしてるのに至っては数えきれません」
職員の言葉はこれでも控えめだ。
「冒険者に今後の方針を相談するなら冒険者だけ呼んだ方がいいと思います」
「同感だけど同業者に最初から敵対姿勢を見せるのはマズいのよ」
叩き潰すのに時間と労力をとられたら復興が減速してしまう。
なお、邪魔する相手を物理または政治的に潰すことについての罪悪感は皆無だ。
「なるほど」
職員は表から運ばせた料理を食らっている。
食らい続けている。
「ねえ、ちょっと」
「すみません食べながら考えていました」
冒険者あつまれー、だけでは依頼にできない。
「あなたが冒険者に求めることが多すぎるのです。グランドデザイン、専門知識、今後予想されるトラブルの回避方法。パーティ参加者の相手だってしてもらいたいのでしょう」
セニャは言葉に詰まる。
「それに、帝国貴族の生き残りから土地の復興事業を請け負いたいのでしょう?」
復興しても基本的に元の持ち主のものになるだけでセニャのものにはならないが、セニャの実績にはなる。
それ以上に重要なのは、帝国にほとんどコネを持たないセニャが復興可能な土地がもう見当たらないということだ。
今セニャがコネなしで担当できるのは、帝都からクリーパーが溢れたら最初に全滅しそうな土地とか、土地が痩せすぎて復興する意味がない土地くらいのものだ。
「そうね。そんな感じで依頼にして頂戴」
セニャはそう言って、パーティと帝国復興事業を支援するための依頼を行うのだった。
解説
マスターより
リプレイ
(見た所、参加者の大半が多かれ少なかれ暗い面を持ってますねこれ)
フリーダ=ブロムヴィストに新たに届いた情報も普段よりも多い気がする。
これ本当に帝国大丈夫か心配になるな? まぁ王国も似たようなもの。という内容に多分近い。
完全に理解してしまうと正気から遠ざかる情報も混じっている気もするので必要な部分だけ解釈して行動に活かす。
(何にせよこのパーティーを上手く利用して今後の立ち回りを良くできるチャンスかも知れません)
良くも悪くも世の中に影響を与える腹黒共を一瞥し、白金の装備を着こなす戦士が招待客としてパーティに参加した。
「その際は是非」
シュライバー子爵家の一員として参加したナハト・シュライバーは包囲されている。
末子とはいえ子爵令息として十分な教育を受け、その上パンクリアース学園で学問を修めた彼は社交という戦場でも戦える。
だが圧倒的な数に包囲されると、休憩なしで言葉の戦いをすることになり消耗が激しくなるのだ。
(本領が陥ちたからって舐めやがって)
表面は完璧でも内心は侮辱への怒りが渦巻いている。少々なら受け流せるが内容が酷すぎる。
我慢を重ねているせいか、猫耳猫尻尾の色艶も普段と比べると元気がない。
「父や母とは連絡がとれません。だから僕は僕でできる限るのことをしたいと……」
愛想を振り撒きつつも時折わざと隙を見せていく。
素質も教育も良いので、寂しげや不安げな顔をすると本当に美味しい獲物に見える。
(1人くらい生きてるかもしれないだろっ)
同情の形で侮蔑をぶつけてくる連中に拳を叩き込みたくなる衝動に耐える。
交渉に非常に長けているナハトも、そろそろ限界だった。
新たな客が訪れ小さな波紋が急速に大きくなる。
シューターではなく貴族としての装束を纏ったセロンガード・シュタインドルフには存在感があり、エスコートしている小柄なティトと一緒だと非常に華やかになる。
どこの家だ、という声が漏れ聞こえるがセロンガードは答えず意味ありげに微笑む。
(私自身には継承権がないので、ほかの方の復興を支援するという形にはなりますが)
利用するつもりの人間を利用することに罪悪感はない。
欲を隠しきれていない男女の中から、過去に目にしたことのある面々を見つけ出す。
(もとは下っ端ばかりですね。よくぞ生き残ったというべきか、この程度しか生き残らなかったと考えるべきか……)
ティトはティトでやることがあるようなので1度別れて応対する。
セロンガードが貴族的な言い回しで弱みを突けば、勝手に警戒してセロンガードを身分を隠した有力者だと誤認する。
(あの日から2年経過しているうえに最後のほうは任務でリーンエスに居ましたからね。古い情報だと効き目もこの程度ですか)
人材は獲得したいが彼等は相当甘く評価しないと人材扱いできないのが辛い。
(連絡先を覚える程度の価値は……いえ連絡先があるとなしでは全く違うのでその程度のものとして扱いましょう)
高位授恵者らしく様々な技能を身につけたセロンガードではあるが、交渉や謀略だけが得意な相手には少々手こずっていた。
(セロンが帝国崩壊前は帝国貴族)
ティトは少し戸惑っている。
結構長い付き合いになるこの依頼で始めて知った。
セロンガードにとって貴族であることがどうでもいいのか、それ以外の意味があるのか考えると少しだけもやもやする。
「お嬢さん! どこから来たのかしら」
一際派手な女性が左右のエロ爺とエロ親父に肘鉄を入れ悶絶させティトの前でしゃがんで視線をあわせてくる。
ティトは本心から驚き、しかしいつでも鎮圧可能なのは表に出さず「なんのよう?」と聞き返す。
小柄で、華奢で、弱々しく見える言動をするティトは特定の人間を特に強く惹きつける。
(ぼくは普段通りに会話しているだけで仕草が刺さる人には刺さるってセロンが言ってた、けど)
ティト達ほど強くはないが授恵者で、依頼人ほどではないが相当金を持っていそうだ。
(技術を使ってロリコンからせしめたほうが手っ取り早い……って、セロンは言ってた、から)
きりり、と覚悟を決めた表情はとても可憐だ。
女性は心底幸せそうな表情で新たに寄って来た男と一部女性を撃退する。
なお、誘惑とかロリコンとかはセロンガード本人は言っていないしティトが言ったら表情を変えて制止するし今も少し慌ててティトをサポートするため向かってきている。
大量の人混みの中でも方向感覚は有用で、ティトは巧みに獲物を吊り出しセロンガードと挟み撃ちにしようとしていた。
ベルク・オスマットは変装技術を駆使して給仕らしい給仕になった上で気配を消すのではなく薄くする。
そうすると誰からも注意を向けられない受動的情報収集要員の完成だ。
1つ1つはゴミ情報ですらない雑多な情報を集めに集め、自身の政治知識で濾過することで少しの情報を手に入れる。
(羽虫が権力に近づくのは当たり前じゃが)
ため息をつきたくなる。
覚悟はしていたが覚悟していたより人の質が低い。
セニャのうまれを揶揄する言葉ばかりが豊富だ。
(生まれうんぬんをよりにもよって帝国でほざくか、帝国の国是は有能か否かの一点のみだというに、そもそも本人は代官として以前にアルベルト卿の婚約者として嫁入り前提で帝国入りしているのだぞ、自分達がシュタールシュヴェーアト侯爵家を売国奴かスパイに入れ込む無能と貶しているのだと理解もできぬか)
客観的に見て非常に怪しく見えるのは事実。しかし王国やゴールディでのセニャの言動を調べる能力があるなら、そういう裏切り方はしないと確信できるはずだ。
(まあシュタールシュヴェーアト侯爵家は揉めるかもしれんがな。そのあたりは次期侯爵殿の器量に期待しよう)
セニャが最大限暴走したとしても家風が王国風になるだけじゃろ、とベルクは割り切って考えている。
この場にいる全員の力を単純にあわせただけでは侯爵領の復興は不可能だ。
帝国もゴブリンも利用し冒険者とも手を結ぶセニャの野心と能力を、ベルクは利用し尽くすつもりであった。
(なかなか難しい状況ですね)
ロリコンを自発的にティトに協力するよう誘導し、セニャについての情報交換にも介入していたセロンガードが内心ぼやく。
セニャが悪い意味で目立ち過ぎている。何か強烈なイベントがないと、セニャの悪い意味での評判がこのまま広まってしまいそうだった。
●
「こちらがスヴァーノのアルマ様です」
セニャの他の依頼で見たことのある同業者が腰を低くしてアルマ・ヴァレンタインを紹介する。
(どういうつもりだ。こんな小さなハーフリングが……いや、だが、すぐにバレるような嘘を言うか?)
悪徳運送業者は悪意と疑念を隠しているつもりだがアルマにはお見通しだ。
(リットくんもだけど輸送の途中でトラブルに遭うことも多いし、ある程度の自衛ができる運送業者さんとツテがあって損はないだろうからねー)
リスク分散である。
リットが見捨てられた犬のような目をしている姿が思い浮かび、しかしアルマはリットなら大丈夫と判断して気にしない。
「狂け……リットをご存じで?」
強盗団とも傭兵団ともいえる集団を率いる悪徳運送業者が悪党面を引き攣らせる。
街道を外れた場所で会うと危険な存在の1つなのだ。
「2年前から知ってるよー」
「そ、そうですか」
アルマが熟練冒険者であることに気付いたことがさらにアルマの評価を上げる。
(稀にいるらしい化け物か?)
(リットくんと違って値段が強気だー。牧畜業の販路を担ってくれたらどちらも儲かるし表側だけの商売に移行できると思うんだけどー)
ふふふと笑い合うと有象無象だけでなく結構な悪も2人を避けるようになった。
「シュタールシュヴェーアト侯爵子弟アルベルト様御入来!」
最も大きな扉が開け放たれ、黒衣の戦士が少女を伴い登場する。
高位授恵者の気配と完璧な礼儀作法を兼ね備えたアルベルト・シュタールシュヴェーアトは、口を開く前から自らが何者か主張している。
(表向きは海のものとも山の物ともつかない新人代官さんなんだろうけど、元? 伯爵令嬢なだけあって立ち振る舞いはカンペキ……うーん、アルベルトさんと直接比べると粗が見えるねー……)
美貌と強者の気配で補ってはいるがアルマ達には分かる。
(腹の中でなにを考えているかはまあ……うん……セニャさんだし?)
酷い評価なのはセニャに酷い面が多いからである。
「セニャは、シュタールシュヴェーアト家の俺と婚約しているのだ。そうでなくてもこれまでセニャは大量の私財と労力を帝国復興のために投入している。これほどの忠義と実力の持ち主が今ここにいることを喜ぼうではないか」
有象無象は勘違いする。
代官が傍若無人に振る舞えているのは彼が後援しているから。
既に地位を固めて領地の奪還の目処が立っているからあれほどの資金を与えたのだと。
「ちなみに復興でゴタついてるから少々のおイタは見逃してくれるかもだけど。過ぎた場合は脳天やら体に何故か風穴が空くことになるからほどほどにねー……?」
アルマが残した言葉に、冷や汗を流す者が多くいた。
「アルベルト卿、セニャ殿を独占するのは宴が終わってからでもいいのではないでしょうか」
完全に整えられた発音の言葉が上機嫌に響く。
武家貴族として知られるネーベルベルク伯爵家の生き残りであり、既に本領の一部を取り戻したアウレーリア・フォン・ネーベルベルクだ。
「よく来てくれた」
アルベルトはいつも通りに対等に接しようとしたがアウレーリアの目配せに気付いてやや格上としての対応をする。
セニャはいつもの彼女らしくなく大人しくしていた。
「こちらは私の友人達です。紹介させて頂きたいのですか」
友人でもないし取り引き相手でもない。
貴族の血を引く有象無象の中から、最良のものを選んだ結果の数人だ。
分かり易く強いウォーリアから目が笑っていない笑顔を向けられ冷や汗を流している。
「これを使うの?」
婚約者と貴族の三女四女三男四男との会話から少し離れてセニャが小声で聞いてくる。
「実際使うか否かはさておき、火種を放置して勝手に炎上されても困る。こちらの首輪か官憲の手枷か、何れにせよ好き放題にはさせない」
「選びすぎだと思うわ」
「明らかな敵や救い難い無能、関係が知れるだけで致命的な相手など毒でしかない。セニャは自分自身の立場の不安定さを自覚すべきよ」
セニャは表情も態度も変えず、しかしアウレーリアには落ち込んでいるのが分かる。
「お墨付きが欲しいなら、まずはあなたの下で実力を示せと言い聞かせておいたわ。……成果と共に生き残れば、まぁ幾分の禊にもなりましょうし」
セニャのじっとりした視線をアウレーリアは華やかな微笑みで受け流す。
三男四男三女四女のアルベルトへの挨拶が終わる。
小声を止めたアウレーリアが代わって話しかける。声を張り上げてもいないのに会場全体に届く。
「彼女に一変事あろうものなら――それが謀か否かに依らず――直ちに天下のお尋ね者となる手筈は整っています」
それが嫌なら身命賭して協力せよ。
彼女の指示は私の指示と心得よ。
言質を与えず格下を巧みに操る様は、まさしく貴族であった。
「私の婚約者も喜んでいるだろう」
アルベルトは期待されたものを察して鷹揚に頷く。
「ありがとうございます。勿論、少々の御代は頂戴いたしたく思います。……いえいえ、婚約者様を差し置く心算は毛頭ございませんけれども、我が領の周囲には幾らか『空き家』があり、近頃棲み付いた鼠が流れてきます。後ほど掃除を手伝って頂ければ、引く手数多との評判と共に、或いは多少の配当を望めるやも知れませんね」
セニャの顔が、手強いなぁという好敵手に対するものになっていた。
「復興させる土地として、我が家の領地もあるが、どうだろう?」
アルベルトのセニャに対する言葉ではあるが周囲に対する牽制でもある。
先約は俺だとも、セニャは俺のものだとも受け取れるアルベルトの態度は、言葉よりもはるかに雄弁だ。
(火種に燃料が大量投入されましたね)
参加者が目を爛々と輝かせたのに気付きフリーダが動きを変える。
「より多く支援すれば……おっとこれ以上はあからさま過ぎますね」
フリーダは実績はもちろん外見も目立つ。
白金に輝く装備は特徴的なのだ。
そんな彼女が後ろ暗い連中の危機感を煽れば自然と矛先がセニャから後ろ暗い連中の中へと向かう。
(虎が互いに喧嘩した上で何頭も倒れて生き残りも満身創痍になれば、残った虎をこちらで片付ければ良いだけですし)
実力が拮抗している者同士をぶつけるのは当たり前。
弱小を連合させて強者にぶつけて拮抗させることまでしてみせる。
(悪知恵と教養がある人間も自身の好き嫌いを完全には克服できませんからね)
冷静さを失った状態で敵と出会えば戦うのが損と分かっていても衝突してしまう。冷静さを失ったのも出会ったのもフリーダのせいということに気付かずにだ。
もとは農村で普通に生きていた娘とは思えないほど、どこで覚えたか分からない有効な策を使っていた。
●
宴が終わり客が帰っても冒険者の仕事は終わらない。
「お誘いは嬉しいですがね」
マフィアの幹部はアルベルトからの熱烈な誘いを謝絶する。
ビッグオウムは重要すぎて彼には頷く権利もない。彼の現在の立場も正確に把握しているので「まず足場を固めては」と言うしかなかった。
「リット一党をセニャ嬢に抜擢させるというのもなぁ」
ベルクの表情は渋い。
リットにとってもおそらく良い話ではあるのだが、主君が万一のとき使えるようするならできれば避けたい形だ。
「先のことより直近のことを優先しましょう。侯爵領復興ともなればその為に必要な資金は今迄の比ではないはずです」
ナハトの言葉に、セニャが沈痛な表情で頷く。
「うちの領地も復興途上ですし、実績作りでも今回に限らず愚か者たちを躍らせるのにも利用して頂くのは全く問題ありません。僕自身は名誉や財や善悪にあまり執着はなく。殿下の為、家臣の為、領民の為になるのなら何でもしましょう」
ナハトの姿勢に感動するような素直さは代官にはなく、けれど利益と誠意に悪意で対するほどの邪悪でもない。
「他にも問題は山積みじゃ。代官職を下賜した殿下に対して物申しているのと同義だと分からぬ馬鹿がほとんどだった意味、分かっておるよな?」
ベルクにじろりと見上げられたセニャは、シリアス顔でごまかそうとして汗を我慢できない。
今後規模を拡大せざるを得ない。今のままでは人材不足で破綻しかねない。
「後ろ暗い役立たずは片付けておくから他はちゃんとせい」
ベルクはセニャが言い訳する前に姿を消す。
それから数日の間、それまで尻尾が掴めなかった犯罪者が検挙されて一部はあの世へ送られた。
マスターコメント
ショートシナリオ普通 報酬:標準8 / 4〜8人
2022年09月16日 10時56分33秒 公開
参加者
相談掲示板
ウォーリアのアルベルト・V・シュタールシュヴェーアトだ。 これまで、多くの依頼でご一緒させていただいた方も多くいるみたいだな。 今回もよろしくな。 それで、今回はセニャのパーティーを成功させる事が目的か・・・ ・セニャの情報を操作する 『元王国貴族令嬢であることが公開されてもセニャは失脚しません。が、帝国内でのセニャの評判低下は避けられません』 『セニャが王国と完全に縁を切っている証拠を捏造したり、セニャが帝国に対する熱烈な忠誠心を抱いている証拠を捏造したり、捏造せず様々な工作を行うことも可能です』 とあるが、セニャが帝国に来た経緯(バカ兄貴にひどい扱いを受けて追い出された)や俺(「レイウェスト殿下万歳!」的な殿下に熱狂している帝国騎士)の婚約者ってことでどうにかできないかな? ・セニャに新たな復興予定地を紹介する 『冒険者は、自身に縁のある帝国内の土地を復興予定地として勧めることが可能です。必ず採用されるとは限りません。設定を公認済みにしておくと採用され易くなります』 これは、俺の家(シュタールシュヴェーアト家)の領地を紹介するってことじゃダメかな? あとは、セニャに言い寄ってくる『ダメな連中』に対しては俺が【威圧感】で睨みつけて黙らせる・・・ダメかな? 長文になってしまったが、今回はこんな感じで行ってみようかなと思っているぜ。 言うまでも無いことだが、ここで決まった方針に従うぜ。
ナハト・シュライバーです、よろしくお願いします。 >復興予定地 これは複数紹介しても良いと思いました。 勿論アルベルトさんのご実家の領地も挙げるのに異存はありません。 >情報操作 帝国に来た経緯に関してはあまり明け透けにしても逆に足を引っ張られそうなのが心配ですね。 帝国に対する熱烈な忠誠心を抱いている証拠として解り易いのは帝国の復興に費やした私財、額面を示す書類などですが……帝国に来た経緯についても話を盛っても良いかもしれませんね。 実家と揉めて命を狙われて逃げていた時に殿下に助けて頂いた恩義があるだとか、そういうエピソードを捏造する感じで。 僕個人としては縁のある土地の紹介と、参加者を捜査して何かしらの交渉材料を見つけた上で繋がりを深める方向で考えています。 同じく捜査や交渉などを考えている方がいれば情報交換や共有も問題ありません。
アウレーリアです。どうぞ良しなに。 >復興予定地 まぁ、復興が必要な土地は帝国各地に沢山ありますから。ね。 或いはあちらこちらから引く手数多、という方が今後の評判にも繋がるかと。 勿論、体一つで回るからには順番というものもありましょうけれど。 まずは近しい所を、というのも至って自然な道理かと思います。 >情報操作 ……これ、話を作らなくともアルベルトの婚約者という情報だけで大体片付きませんか。 「鋼剣侯の決定に異存があるなら掛かってくるが良い」の一言で十分でしょう。 評判第一のこの業界で、いやしくも侯爵家に夜会で喧嘩を売れるなら大した度胸です。 場合によっては、ネーベルベルク伯爵家が手を貸すのも吝かではありませんが。 勿論、帝国への貢献とか忠誠とか物証で補強するに越したことはありません。 あまり捏造すると、何かの拍子で露見した際にその事実自体が致命傷になりかねませんし。 少なくとも嘘は言っていない、という塩梅にしておくのが良いでしょう。 >参加者の捜査 それはそれとして、後ろ暗い者達については洗っておきます。 どう扱うかは今後の需要と供給にもよりますが……知らずに放置するくらいなら、 知って使う方がまだ安全かなとも思いますし。いざとなれば芽のうちに摘むのが肝心ですから。
ウォーリアのフリーダです。よろしくお願いします。 >復興予定地 アルベルト様の領地を紹介するのは良い案だと思います。 他にあるとするなら、アルベルト様の領地周辺で特に無能な貴族の領地を狙ってみるのも良いかもしれません。 帝国の現状を見るに無能を多数養う余裕もないでしょうし、 それなら有能なセニャ様に任せた方が……と言った形も取れると思います。 >情報操作 アルベルト様の婚約者であるという情報をベースに考えるとするなら、 セニャ様だけでなくアルベルト様の情報の補強も良いかと思います。 少なくとも確固たるバックボーンがあるならば、セニャ様への信頼性は上がるでしょうし。 >パーティー参加者と繋がりを深める 運送業者やブラックデスといった諸勢力との関係深化も進めたいところではあります。 前者は領地を得てからの運営の助けになりそうですし、 後者はこちらからゴブリンを積極的に登用するというスタンスをアピールすれば、 有力なスポンサーとして支援が狙えそうです。
シーフのベルクだ、よろしく頼む。 >情報操作 殿下より仮にも代官職を下賜されており、さらに今日まで着実に多額の資財を投じて領地を復興し、ゴールディからきているビッグオウムによる物流の運航も補助(休息所を兼ねている砦)している人物に疑いを持ち誹謗中傷をなすとな?(当の本人の内心の実態はどうあれ) つまりその者達は殿下の目が節穴だと言いたいのかな??(澱んだ目で) >復興予定地 アルベルト卿の領地でいいのではないか? 「侯爵家の領地を~」とほざく輩も出るだろうが、そもそも本人がアルベルト卿の婚約者で嫁入り前提で帝国入りしてる上に小規模とは言え実際に復興の指揮を取り成し遂げているのだ、問題にする方が問題だろう。 ただ、今の復興地域から離れる場合の問題は……今の帝国にあの辺りを管轄してゴールディとの摩擦を表面上でもいいから取り繕える人材がいるかだな( それと侯爵領級の土地を任せるなら確実に人手(主に文官とか現場差配役)が不足するからこのパーティーで引っこ抜ける人材を探さないといかんな。 >パーティー参加者との交流 問題が少なくかつセニャ嬢に偏見を持たない力が弱いだけの人材を掘り出せと…。 こちらの参加者に人事経験者はいらっしゃいますか~?(白目)
ヒーラーのアルマだよ、どーぞよろしくねー 情報操作に復興予定地もやってくれる人いそうだし 復興にスヴァーノとか家畜証明書を持ち出す機会も多かったので 畜産なり農業に強い商人さんとかいればお話してみようかなあと もしくはお料理や余興の裏方でなにかしてみるかもだよ
とりあえず、今まで出た意見と俺の希望を検討して、以下の通り仮プレイングを作成したぜ。 これは、あくまでも「仮」なので今後の相談の進展によっては変更するぜ。 ※アドリブ歓迎 ・心境及び目的 セニャ主催のパーティーを成功させるぜ ・台詞 「セニャは、シュタールシュヴェーアト家の俺と婚約しているのだ。そうでなくてもこれまでセニャは大量の私財と労力を帝国復興のために投入している、それだけではセニャの帝国への忠誠の証として不足だとおっしゃる。成程。」(セニャの帝国への忠誠を疑う出席者に対して。笑顔で語るが目は笑っていない、キラーモードのアルベルトを少し見せる) 「セニャ、復興させる土地として、我がシュタールシュヴェーアト家の領地があるのだが、どうだろう?」 「私は、貴組織の所有するビッグオウムの有用性を高く買っております。帝国の発展のために生かしてまいりたと考えております。今後は、さらに貴組織との結びつきを強めていきたいと考えております。」(ブラックデスの幹部に対して) 「これが出席者リストか、ここから有能な人材をピックアップしよう」 ・全体的な行動(数字の順に行動する予定) 1:セニャの帝国への忠誠を疑う連中に『セニャの帝国への忠誠を説明する』 2:セニャに新たな復興予定地として自家の領地を勧める 3:ブラックデスの幹部と交渉し、ビッグオウムの提供を依頼する(復興後の領地をビッグオウムの一大ハブ拠点として提供することを申し出る) 4:パーティー参加者リストをチェックし有能な人材をヘッドハントする(帝国出身者の噂は聞いているはず)※グレーな人材は少々の悪い噂は目を瞑る
腹黒ではないと主張したいセニャよ。よろしくね。
シーフのティトです。どうぞよろしくお願いします、ね。 パーティ参加者に愛嬌を振りまいてくる、よ!そのほうが相手も油断してくれると思う、から。 今回は特定の誰かを探すよりも、それぞれの弱みに付け込んだり、必要なものを用意してあげるようにして資源や人手の確保をしてみたい、ね。 ぼくも、故郷に村のみんなを返してあげたいから…。
遅れました、シューターのセロンガードです。 よろしくお願い致します。 元帝国貴族として参加してパーティ参加者との交流を図り、 人材を獲得してきます。